晴絵「なぜ笑うんだい?」京太郎「ヒェッ・・・」 (99)


京太郎「ウー!ハーッ!」ゴトッ

京太郎「生中、おかわり~!」

店員「お客さん、少し飲み過ぎじゃない?」

京太郎「金なら心配すんなって~」グデングデン

京太郎「天下の独身貴族様だかんよ~!」

?「…………」ビクッ

店員(そういう問題じゃないんだけどなぁ……)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503128052

京豚はキモいんだよ 神聖不可侵である百合漫画の咲に手を出すんじゃねえ チンポ脳どもが
百合は神聖なもので 男は汚いの わかる? お前らのしてることは いちゃついてる女の子達に うんこ投げつけて喜んでるようなものなんだよ

あと 咲が百合漫画じゃないとか言ってる奴はアニメ見てないだろ 麻雀興味ないから 原作は知らないけど あんな百合百合してる素晴らしいアニメの原作が百合漫画じゃないわけがない それに 作者も百合好きらしいし 咲が百合漫画だというのは 紛れもない事実

それに 百合が世間ではマイナーだとか 言ってる奴がいるけど そんなわけ ねーだろ なのはやゆるゆり らきすたがどれだけ人気だとおもってんだよ こんな当たり前のことも理解できずに 性欲のためだけに喚き散らすから京豚は馬鹿にされるんだよ


アラフォー女『結婚相手に求める条件は――』

○先生『貴女は一体彼に何を与えることができるん?』

アラフォー女『あああああああああ!!』

京太郎 「大将~、チャンネル変えていい?」

京太郎「こういう笑える馬鹿女は見たくないんで」

?「…………」ムカッ

京太郎「チッ、若い頃に調子こいてたんだろーな」


京太郎「何でもできると思い上がって……」

京太郎「行き遅れ手遅れで歳ばっかくって……」

京太郎(……まぁ、俺も人のこと言えねーか)

京太郎「くくっ……あっはっは……」グビグビ

晴絵「なぜ笑うんだい?」ズイッ

京太郎「ヒェッ・・・」

急用ができたので19時くらいに再開します


>>6
ツンデレじゃねえか!

>>8
お前って1年中いるけど無職なん?

>>8
無職百合豚さん、次の就職先は決まったの?まあ直ぐにクビになるだろうけど就職活動はしなきゃアカンよ?

ここからどう展開するのか楽しみですなぁ~


穏乃「ではではー!憧の結婚を祝ってー!」

灼宥玄『かんぱーい♪』

穏乃「おめでとう!憧!」

憧「うん、ありがとう……みんな……」グスッ

玄「めでたいですのだ!」

灼「私はてっきり憧が一番早いと思ってたよ」

宥「私たちの中でも恋人期間は一番長かったね」


灼「>>2さんの清掃会社、最近CMでよく見るね」

穏乃「憧のキャバ嬢時代のボーイから社長ww」

玄「清掃屋、あの風貌はスイーパーなのですww」

宥「ふ、二人とも……!メッ!だよ」

憧「いーの、いーの!宥姉」

憧「確かに>>2はさ、中卒でハゲてるし口も悪いけど」

憧「誠実で……とっても優しいの///」


宥「うんうん、あったかいね」

玄「ツンデレ妬けますのだ!」

灼「悪酔いした客から助けられたのが切欠だよね?」

穏乃「運命的というか、ベタな展開だよねーww」

憧「今更馴れ初めの話はいいでしょ……」

憧「それに運命的な結婚したのはしずの方じゃない」

灼「テレビで遭難のニュース見たのは驚いた」


穏乃「いやー、登山中にうっかり足滑らせちゃってさ」

灼「仙人だった>>7さんに助けられたんだよね?」

玄「仙人てwwつまりスーパーニートですのだww」

穏乃「もー!今ではオサレな国宝芸術家なんですよ!」

憧「でも、在学中だったのによくアンタから迫ったわね」

憧「あ、奈良南部山々の所有者だったの知ってたとか?」

穏乃「んーん、一目惚れから一気に突っ走っちゃった!」

宥「とってもあったかいねー」


憧「いやいや、一番あったかいのは宥姉でしょ」

穏乃「地元じゃ有名なおしどり夫婦ですもんね!」

宥「そ、そうなの……?///」

灼「隙あれば>>9さんとイチャつくって聞くけど」

玄「おねーちゃんたちのせいで私たちも霞むのです!」

宥「ピザ[ピザ]でとってもあったかくて、つい……///」

玄「ガリヒョロの>>10君も見習ってほしいのです!」


穏乃「またまた玄さんったらー」

灼「私たちの中で一番子供が多いのにね」

宥「あったか家族だね」

玄「やっ、やめるのですキミたち///」

憧「あーあ、私も早く子供欲しいなー」

憧「でも初めてって痛いみたいだし少し怖いなぁ」

穏灼宥玄(え!?まだ処女だったのか……)


憧「そういえば灼さん、式場ありがとうございます」

憧「旦那さんに宜しく言っておいてくださいね」

宥「夢の国を貸切はあったかかったねー」

玄「ネズミーに顔が利くとかリアルに怖いのです」

穏乃「か、かなり格安でやってくれたんですよね?」

灼「大げさ、憧たちがモデル込みで撮影したからだよ」

憧(だからって10分の1は安過ぎでしょ……)


灼「>>11さん、ブライダル関係にも携わりたいって」

灼「憧の結婚式を広告で使わせてもらうから特別」

灼「私たちがモデルでも良かったんだけどチビカップルだし」

憧「広告に載るとかちょっと恥ずかしいかも///」

宥「ボーリングにビリヤードにゲームセンターに」

玄「全国展開が終わったら新事業展開ですか」

灼「うん、私も勉強してハルちゃんの結婚式に携わりたい」

憧穏宥玄『…………』


灼「……?どうしたの?」

穏乃「いっ、いやー……赤土先生はその……」

玄「あうあう……」

宥「灼ちゃん……」

憧「あ、あー!みんな飲み物減ってるよ!頼も頼も!」

ピンポーン ピンポーン

憧「……んん?」


穏乃「……こないね?」

宥「憧ちゃん押したよね」

憧「あのー!注文したいんですけど――」

ギャア ギャア

玄「なんか騒がしいですのだ」

灼「……あれ?これ、ハルちゃんの声だよ」

憧穏宥玄『!!?』


店員「おっ、お客様!落ち着いて!」

晴絵「ガキのくせにバカにしやがってよぉぉぉ!!」

晴絵「どーせメンタルはボロボロ」

晴絵「体はどんどん老いて行き遅れて」

晴絵「こんなガキにまで馬鹿にされるなんて!」ギリギリ

京太郎「た、助け……し、じぬ……」バタバタ


穏乃「ちょ、片手で絞め上げとるww」

玄「ターミネーターみたいなのだww」

憧「そんなこと言ってる場合か!」

灼「ハルちゃん!ストップ!駄目だよ!!」

晴絵「あっ、灼!?」ビクッ

宥「赤土先生……」

晴絵「なっ、なんで皆がここに……」サァ


晴絵「いっ、いやぁあああああ!!」ダッ

店員「ちょ、お客様!お支払いが――」

憧「私が払います、みんなハルエを追いかけて!」

穏乃「わっ、分かった!」ダッ

灼「ハルちゃん……!」ダッ

玄「待つのです!赤土先生!」ダッ

宥「憧ちゃん、任せるね」ダッ


京太郎「いっ……イテテ……」ムクッ

憧「アンタ……今度は何かやらかしたの?」

京太郎「え?俺の事知ってる人か?」

憧「一目見て分かったわよ」

憧「数年前、某キャバラで暴れたでしょ」

京太郎「あ……あのときのキャバ嬢か!?」

憧「…………」

京太郎「その節は、大変ご迷惑をおかけしました……」

憧「ふぅ、店変えるわよ」


憧「……で?何であんなことになってたわけ?」

京太郎「いや、俺はテレビ見て笑ってただけで……」

憧「テレビ?」

京太郎「グサッとアカンデミア……」

憧「ああ、アカン人たちを集めての毒舌シリーズね」

京太郎「結婚できない女回見て笑ってたらいきなり」

憧「あー……」

19

京太郎「え?何か俺悪い事でもしたのか!?」

憧「いや別に悪いってことじゃないんだけどね……」

憧「まぁ、それ見て笑うってことはどーかと思う」

京太郎「は?」

憧「自宅ならまだしも周りにいる人の事も考えなさいよ」

憧「結婚したくてもできてない人が聞いたら怒るのも当然」

京太郎「……あ!」


京太郎「い、いや!そんなつもりはなかったんだ!」

京太郎「確かにテレビのは少し馬鹿にしてたけど」

京太郎「俺……自分と重ねて自嘲してて……」

憧「ふーん……」ジー

憧(口調と視線からは……本当に悪気がなかったみたいね)

憧「あのさ、そのことって前に暴れた事と関係してる」

京太郎「え!!?」ビクッ


憧「お酒のせいで口が緩くなる人、結構見てきてるから」

京太郎「…………」

憧「んー、そこまで悪い奴には見えないわ」

憧「指摘されたら素直に反省してるみたいだし」

憧「何か理由でもあったんじゃないの?」

憧「そんな人がお店で暴れたり悪態ついたりするのはさ」

京太郎「……実は、俺フラれて……」


京太郎「相手は中学からの付き合いで……」

憧(うん?思ったよりありきたりな理由ね)

京太郎「一緒に遊んだりとかランチとかしてて」

憧(ちゅ、中学から!?コイツ、リア充じゃない!!)

京太郎「高校で麻雀部に誘ったんです……」

京太郎「その頃は手とか繋いでたりして」

憧(手を!?高校生で手なんて早過ぎでしょ!!)

京太郎「一緒にいる時間も増えて距離も縮まったと」

京太郎「そう考えていた時期が俺にもありました……」


京太郎「IHが終わったら告白しようと思ってたんです……」

京太郎「そしたら優勝インタビューで――」

憧「優勝って!あー!その子ってもしかして宮永咲?」

京太郎「え?知ってるんですか?」

憧「そりゃ知ってるわよ」

憧「客席の彼氏に『誠君、大好きー!』って叫んでたでしょ?」

京太郎「その彼氏って俺の友達だったんですよ……」


京太郎「しかも付き合ってたのは高校入学してから直ぐ……」

憧「oh……」

京太郎「高校でも一緒にランチしたりしてたのに……」

京太郎「実は彼氏がいたってことなんですよ」

憧(友達としてしか見られてなかったってことか……)

京太郎「それが一回目の失恋です……」

憧(え!?続くの?)


京太郎「2年になってからは部活に行くのが辛かったんです」

京太郎「誠が麻雀部に入部してきまして……」

憧「あー……」

京太郎「咲とイチャつくのが嫌でも目に入るんです」

京太郎「バイト見つけたり、違う部活と兼部したり……」

京太郎「何かと理由を付けて麻雀部から離れる様になったんです」

京太郎「その後、ハンドボール部の試合で――」


久「よっ!お疲れ様!」

京太郎「ぶっ、部長!?」

久「あはは、今の部長はまこでしょーが!」

京太郎「そ、そうですね……」

久「でも新鮮ね、須賀君が運動部にいるって」

京太郎「……」

久「……麻雀、飽きちゃったかな?」

京太郎「いえ……」


久「まこから聞いてねー」

久「新しい部員が増えて、男子も団体戦できるまでになった」

久「でも、男子部長の須賀君がヨソヨソしくなったって」

京太郎「…………」

久「ムードメーカーだった貴方が人が変わったみたいで」

京太郎「そう、ですかね……」

久「みんな、心配してるわよ」


久「まこも和も優希も……」

京太郎「……」

久「高久田君や咲だって――」

京太郎「!?」ビクッ

久「……す、須賀君?どうかした?」

京太郎「お、俺なんて!もういなくてもいいんです!!」


京太郎「失礼しま――」クルッ

久「待って!」ガシッ

京太郎「……なんですか?離してください」

久「理由を聞かせてくれたらね」

京太郎「貴女には関係ありませ――」

久「関係あるわ!!」


京太郎「何を……」

久「貴方は……私の大切な後輩だもの」

京太郎「っ……!」

久「それに今の須賀君、とても辛そうな顔してる……」

久「そんな貴方を見たくないの」

京太郎「部長……」

久「麻雀嫌いになった訳じゃないんでしょう?」ニコッ


京太郎「俺は咲とのことを部長に話しました」

憧「……」

京太郎「部長は黙って最後まで聞いてくれました」

京太郎「その後は部活にも顔を出してきたんです」

京太郎「大学があるのに……終わり次第直ぐに……」

京太郎「自分のせいで孤立しそうだったけど」

京太郎「部長が輪の中に導いてくれたんです」


京太郎「俺も部長にワンツーマンで教えてもらってるうちに」

京太郎「県大会でも上位までの雀力が付きました」

京太郎「そして、咲にフラれた傷も段々と癒えて……」

京太郎「いつしか部長を1人の女性として見ていて……」

京太郎「3年生で最後の大会も見に来てくれたんです」

京太郎「俺は決めていた、全国に行けたら告白しようと」

憧(うわぁ……フラグ……)

京太郎「そして最後の半荘、3位以内で全国確定まできました」


誠「京太郎!俺の仇を取ってくれー!」

咲「京ちゃん!ファイトー!」

京太郎「最終戦で相手は順位一桁の強豪ばかり……」

京太郎「組み合わせは今大会一番最悪、俺は勝てるか……?」

京太郎(いや!できるかどうかじゃない!やるんだっ! )

京太郎(勝つために打たなくてどうするっ…!)スタスタ

久「須賀くーん!頑張ってー!」


京太郎(部長、見ていてください)

京太郎(貴女の想いに応えてみせま――)

内木「あ、ここにいましたか久さん」

久「こーら!いつまで『さん』付けしてるの~!」

京太郎「……は?」

内木「席はちゃんと押さえておきましたから」

久「さっすが、一太は優秀ね」ギュッ

久「それじゃ、行きましょうか♪」

京太郎「…………え?ええ?」


京太郎「実はあの二人、卒業後から同棲してたんですよ」

京太郎「俺はあくまで大切な『後輩』だけであったという」

京太郎「あ、もちろんハコ割れでIHにも行けませんでした」

憧「もういい…!もう…!」

京太郎「部長は大学卒業後に咲たちと一緒にダブル挙式」

京太郎「結婚式が終わったその日にキャバクラで飲んだくれて」

憧「休めっ…!休めっ…!京太郎っ…!」


憧「はー、掘り起こした不発弾が爆発した感じ……」テクテク

穏乃「憧ー!」

憧「みんな、ハルエはどうだった?」

玄「そのまま逃げられましたのだ!」

灼「連絡しても繋がらない……」シュン

宥「憧ちゃん、あの男の人はどうだったの?」

憧「ああ、帰ったわよ」


宥「そ、その……大丈夫そう?」

玄「見るからに金髪DQN!絶対に仕返ししてくるのだ!」

穏乃「事情は分からないけど一方的に見えたからね」

灼「ハルちゃんが理由もなく暴力なんてしないよ!」

憧「それなら大丈夫、むしろ謝罪を頼まれたから」

穏乃「そ、そうなの?」

憧「とりあえず、私からもメールしておくから」

灼「分かった……」


赤土宅


晴絵「…………」

晴絵「……はぁ……」

晴絵「あああああああああああ!!」

晴絵「やってしまった!ああっ!」

晴絵「酔ってたとはいえあんな騒ぎを起こすなんて……」

晴絵「でももっと最悪なのはあそこで皆に……」

ピロリロリロリン ピロリロリロリン

晴絵「灼からか……」ピッ

晴絵「ごめん、今は話したくないわ」


晴絵「親戚の法事ってことで欠席にしてたのに……」

晴絵「はぁ……もう会わせる顔がない」

晴絵「何で私が憧の結婚式に参加しなかったか考えてるかな?」

晴絵「…………」

晴絵「とうとう……憧まで結婚……」

晴絵「ははは、みんな若くして結婚か……」

晴絵「はぁ……」


穏乃の結婚式

晴絵「おめでとう!まさかしずが一番乗りとはな!」

穏乃「先生!ありがとう!」

晴絵(卒業前に結婚って……少し心配だな)

晴絵(しかも一回り離れてるニートはヤバいだろww)


宥玄の結婚式

晴絵「ダブル挙式とは初めて参加するな!」

宥「一緒に旅館を盛り上げていこうね」

玄「頑張りますのだ!」

晴絵(こっ、これでメンバーの半分が既婚者……)

晴絵(まぁ、旅館繋がりのお見合いだし!)

晴絵([ピザ]とガリとか、やっぱ見合いのレベルはなww)


灼の結婚式

晴絵「おっ、おめでとう……」

灼「ありがとハルちゃん!ブーケ受け取ってね!」

晴絵(オイオイオイ……おかしいだろ……)

晴絵(灼に先を越されるとか原作的にやっちゃ駄目だろ……)

灼「ハルちゃんも来年辺り?」

灼「憧も再来年に挙式するみたいだから楽しみだね」

晴絵「…………」


晴絵「うわぁああああああ!」

晴絵「いつ私の順番が来るんだよぉおおおお!!」

晴絵「人気独占してたのに実業団は潰れるし!」

晴絵「プロになったのが遅過ぎたってのか!」

晴絵「一番充実してた時期に何もしなかったのが駄目だってのか!」

晴絵「若いしか取り柄がないプロはチヤホヤされて!!」

晴絵「ちくしょぉおおおおおお!!」

ピロリロリロリン ピロリロリロリン


晴絵「うっ……ううっ……」グス

晴絵「なんだよ……また灼か?」ピッ

晴絵「メール?憧から――!?」

憧『ハルエが何であの場にいたのかは誤魔化しておく』

憧『だけど、暴力ふるった相手の方はどうしようもない』

晴絵「え!!?」

憧『訴えられる覚悟はしておいてね』


晴絵「そっ、そんな!」サァア

晴絵「そんなことされたらプロまで剥奪されるかも」ピッピッ

憧「はい、もしもし」

晴絵「あああっ、憧!ど、どうも!」

憧「…………」

晴絵「ひっ、久しぶりだな!遅くに電話して大丈夫?」

晴絵「さっきは逃げちゃってゴメン!」


晴絵「いやー!それにしても偶然だよな!」

晴絵「実は法事が早く終わったから夕食をあそこで――」

憧「別にいいわよ、取り繕わなくても……」

晴絵「へ……?」

憧「ハルエの状況、なんとなく分かってるから」

憧「前の仕事で色々な人を見てきたからさ」

晴絵「そ、そうか……ははっ……」


晴絵「私って……みっ、見っともないよな……」

晴絵「調子ノリな性格は治らないしプライドも高くて……」

憧「…………」

晴絵「でもさ、こんなこと言うのはダサいかもしれないけど」

晴絵「好きなんだ、本当に麻雀が……」

憧「でしょうね……」

晴絵「麻雀まで失ったらもうどうしていいか……」


憧「ま、私も一緒に謝ってあげるからさ」

憧「上手く話せばなんとかなるでしょ」

憧「この日空いてる?」

晴絵「だっ、大丈夫!」

憧「じゃあ、後で詳細をメールで送っておくから」

晴絵「……憧!」

憧「?」


晴絵「ありがとう……それと、ごめんなさい……」

晴絵「理由もないのに結婚式に出なくて……」

憧「いいってもう!あ、でも……」

晴絵「な、何?」

憧「どうせなら謝られるより祝ってほしいな」

晴絵「そ、そうだね!……結婚おめでとう、憧」

憧「ありがと、ハルエ♪」ピッ


憧「さーて、恩人の為にいっちょやってやりますか!」


晴絵「憧……凄く良い女になったな……」

晴絵「いや、それは憧だけじゃない、か」

晴絵「……私も、これから正直に生きていかないと」

晴絵「この件が終わったら皆にも謝ろう」

晴絵「…………」

晴絵「そして、まず相手の人に誠心誠意で謝ろう……」


晴絵「でも、やっぱり怖ひ……」ブルブル


ジャラ ジャラ ジャラ

晴絵「なぁ、憧」

憧「そろそろ来るかなー?」

晴絵「憧、あこ、AKO」ツンツン

憧「もう、さっきからなによ」

晴絵「呼び出す場所がなんで雀荘なんだ?」

憧「んー?ホームグラウンドの方がいいかと思ってねー」

晴絵「イヤイヤイヤ、どう考えてもおかし――」

京太郎「あのー」ノソリ


晴絵(きっ、来た!!)ビクッ

晴絵「こっ、この度は!ご迷惑をおかけし誠に――」

憧「あー、座って座って」

京太郎「は、はい」

晴絵(なんで遮んの!?)

憧「そんじゃハルエ、これにサインして」

晴絵「色紙?へ?うん」シュルシュル


晴絵(条件反射で普通のサインしちゃった……)

京太郎「うっ!うわー!本物だ、すげぇ!!」

晴絵「……へ?」

京太郎「あんまり顔見えてなかったから嘘かと思ったけど」

京太郎「改めて見るとやっぱ本物の赤土プロだ!」

京太郎「パコさん!ありがとうございます!」ペコリ

憧「私は客に嘘はつかない主義だからねー」

憧「それと、とっくに辞めてるから源氏名で呼ばないでね」


晴絵「あ、あの……どゆこと?」

京太郎「え?不快な想いをさせたことを謝りに来たんですが」

晴絵「はい?」

京太郎「憧さんから向こうも悪いことしたと思ってて」

京太郎「お互いしてほしい事して両成敗の形にしてくれるって」

晴絵(だっ、騙したのか!憧ーーーー!!)ギロッ

憧(心外ね、私は嘘はついてないわよ)ヒソヒソ


晴絵(訴えられる覚悟はしておけって!)ヒソッ

憧(覚悟はしておけと言ったけど?)ヒソヒソ

憧(相手が確実に訴えるなんて一言も言ってないわよ)ヒソヒソ

晴絵(な ん だ と ー !)ピキピキ

京太郎「じゃあ、そろそろ打ちますか?」

憧「そうね、そろそろ卓が空くから入りましょうか」

晴絵「はぁ?」


憧(ちなみに、ハルエ側の条件は)ヒソヒソ

憧(一般人の牌譜を参考にしたいから一日打ってもらう)ヒソヒソ

憧(そういうことにしたからしっかり見ててね)ヒソヒソ

晴絵(勝手に決めやがってー!)ヒソッ

憧(あーら、確かにその人は怒ってないけど)ヒソヒソ

憧(嘘をつかれた私は怒ってるんだからねー)ニヤリ

晴絵(ぐ……ぬぬぬ……)


京太郎「うーん、何回やっても憧さんには勝てないなー」

晴絵「…………」ジー

憧「これでも結構ブランクあるのよ」

憧「一般の雀荘で一着率60%、全盛期なら80%はあったかもね」

京太郎「これが全国、それも上位の選手と差かー」ジャラジャラ

晴絵「あのさ、ここの場面だけど……」

京太郎「あっ、はい」

憧(流石現役プロ、情緒不安定だったのに顔つき変わってる♪)


憧「ふー!打った打ったー!」

京太郎「ありがとうございました!」

晴絵「ま、お疲れ様」

京太郎「凄く勉強になりました!」

京太郎「憧れの人から教われて感謝します」

晴絵「憧れ?ははっ、私なんかより強い人はいくらでもいるし」

晴絵「プロには若い子もモチがデカい子も増えてるよ」シレッ

憧(あー、不貞腐れちゃってるわ……)

憧(打つのに久々で夢中だったからフォロー入れ忘れてた)


京太郎「あの……俺、まだちゃんと謝ってませんでしたね」

晴絵「別にいいよ、聞き流せない私が悪かったんだし……」

晴絵「思い上がってて行き遅れてるの本当だしね」

憧「ハルエ……」

京太郎「それでも、すみませんでした」ペコッ

晴絵(何やってんだろ、謝らないといけないのはこっちなのに)

晴絵(私って、ほんとバカ……)


京太郎「……これ、嫌みじゃないんですけど」

京太郎「俺、赤土プロみたいな人になりたかったんです」

晴絵「あはは、数年後にはアラフォーの仲間入りの私に?」

晴絵「見え透いたお世辞は止めてってばww」

京太郎「俺、赤土さんがプロになってからそれまでの経歴も見ました」

晴絵(WIKIにも載ってるからねぇ……)


京太郎「選手として挫折して、理不尽な苦境も味わって……」

晴絵「…………」

京太郎「それでも指導者として実績を残し、プロにもなった」

京太郎「つまずいても立ち上がっている」

京太郎「それに比べて、俺は立ち上がれていないままだから……」

晴絵「え……?」

憧「京太郎君……」

京太郎「サイン、宝物にします!ありがとうございました!」ダッ

晴絵「ちょ、ちょっと君――」


憧「……行っちゃった」

晴絵「憧、あの子何かあったのか?」

晴絵「立ち上げれてないとかどういう――」

憧「実は、かくかくしかじか」

晴絵「まるまるうまうま、そんなことが……」

憧「で?彼はどうだった?」


晴絵「どう?それってどういう意味な――!?」

晴絵「ばっ、馬鹿!何を言ってるんだ!!」

憧「はい?」

晴絵「いくら長年恋人ができない私だって」

晴絵「一回り近くも歳が離れてるのにそんな!」

憧「は?彼を指導してどうだった?て聞いてるんだけど」

晴絵「へっ……」


憧「私たちの高校時代みたいに」

憧「教えることで気分転換できたかなーって」

憧「プロでは試合ばっかりみたいだし」

晴絵「」

憧「ふんふむ、でも案外相性いいかもね」

晴絵「うわぁああ!今の忘れろ!!」

憧「はい、彼のメアド」ピッ

憧「進展したらこっそり教えてよね~」スタスタ

晴絵「なぁあ!ちょ、ちょっと憧ー!」


赤土宅


晴絵「…………」

晴絵「……はぁ……」

晴絵「……」

京太郎『俺は立ち上がれていないままだから……』

晴絵「思えば私は、恵まれてるよな……」

晴絵「熊倉監督に阿知賀の皆……」

京太郎『サイン、宝物にします!』

晴絵「…………」ピッ


半年後

穏乃「いや~驚きましたね、赤土先生のこと」

玄「てっきりお1人様満喫してるのかと思ったのですww」

宥「もう、そんな事は言っちゃ駄目だよ」

憧(妊娠&婚約報告って、短期間でナニしてんだか……)

憧(ハルエから攻めまくったのが目に浮かぶ)

灼「でも、もっと驚いたのは彼氏さんの方」


玄「まさかの居酒屋で締め上げられてた金髪DQN!」

穏乃「ということは、あれは単なる痴話喧嘩だったんだね」

憧「そうだったみたいね~」シラー

宥「私たちが想像していたのと違って良かった」

灼「うん、少し心配だった」

憧(真実は私の胸だけにしまっておいてあげるか)


晴絵「おまたせー!」ガラッ


穏玄「ぶっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

晴絵「なぜ笑うんだい?」ズイッ

穏玄「ヒェッ・・・」

憧(いや、アラフォーがメイド姿で現れたらそりゃね)

憧(しかもゴズロリ風だし……)

宥「赤土先生、その恰好は……」アセアセ

灼「え?どこかおかしいの?」キョトン


晴絵「いやな、彼ってメイド萌えでな///」

玄「いつもその恰好なんスか?ww」

穏乃(ちょwwwwそれ聞く?wwwwwwww)

晴絵「いや、二人きりだともっと露出が――」

穏玄「ぶっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

晴絵「って!何を言わせるんだ!!」

宥灼「わわわ……///」

憧(まぁ、幸せそうでなによりね♪)


憧「そんなことより、そろそろじゃないの?」

晴絵「そうだった!京太郎のデビュー戦の中継!」

宥「麻雀にかなりブランクあった人なんだよね?」

灼「ハルちゃんに経歴が少しだけ似てるかも」

玄「プロが付き添いでずっと指導はズルいですのだ」

穏乃「私たちの後輩みたいなものですよ」

京太郎『……』ニコニコ


穏乃「映ったらカメラ目線で笑顔全開ww」

玄「不自然な程にキメェwwwwwwww」

宥「そういう風に言っちゃ駄目だよ」

憧「ハルエに向けて、じゃないの?」チラッ

灼「え?」

晴絵「…………」ジッ


京太郎『え?なぜ笑ってるのかって?』

晴絵『君のミスを指摘したつもりだが……』

晴絵『私の今の言い方もキツくなかったか……?』

京太郎『それも嬉しいんですよ』

京太郎『全部、俺の為に教えてるじゃないですか』

晴絵『そ、そうなんだけどな……』

晴絵(ヒス女とか思ってないだろうな……)ビクビク

京太郎『晴絵さんには感謝しています』


京太郎『麻雀見てもらった後に呼び出されたとき』

京太郎『プロを目指さないかって誘われましたよね』

京太郎『驚きましたけど、嬉しかったんです』

京太郎『個人的な理由で麻雀からは離れていたけど』

京太郎『心残りも、プロへの憧れも残っていました……』

晴絵『…………』

京太郎『貴女が俺に真剣に言ってくれたのが嬉しかった』


京太郎『俺も晴絵さんみたいになりたくて……』

京太郎『それに、その厳しい指導でプロになれたんですよ』

晴絵『そうだった、な』

京太郎『でも俺にできる事は感謝を示すぐらいだから』

京太郎『晴絵さんの前では常に笑顔でいたいんです』

京太郎『あ、でも、もし嫌だったら――』

晴絵『嫌なわけ……ないだろ……////』


京太郎『ツモッ!』

穏乃「おー!親倍あがったー!」

玄「幸先良いですのだ」

晴絵「よっし!良し!!」

灼「ハルちゃん嬉しそう」

宥「恋人が頑張ってて嬉しいんだね」


京太郎『ドヤッ・・・(キリッ』ニコッ

晴絵「まったく……浮かれ過ぎだぞ……」

晴絵(プロの道も私たちの未来も……)

晴絵「始まったばかりなのに♪」

憧「~~~~♪」ニマニマ


晴絵「なぜ笑うんだい?」クスッ


カン


くぅ~、なんか色々混ぜ過ぎて反省!

トリはシンプルなアラフォー

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