【ミリマス】海岸戦線異状なし (28)

===1.

「おっとマズい」

その見慣れた三人組を見つけるなり、思わず悪態をついていた。

765劇場本館と、別館を繋ぐための渡り廊下。

そこに面した関係者用の駐車場で、男は夏の日差しの下、
まるで風景に焼き付いた影法師のようにぽつねんと立っていたのである。

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劇場を待ち合わせ場所にしようと提案した、いつかの自分が恨めしい。

ここならすれ違いやらなにやらの、
トラブルにはなりにくいだろうと考えたうえでの決定だったと言うのにだ。

「あっ、プロデューサーさーんっ!」

三人の中でいち早く、男を見つけた春日未来がいの一番に走って来る。

そんな彼女の後に続くのは、最上静香に伊吹翼。

勢い余った未来の体を受け止めた彼に二人が言う。

「プロデューサー。今日はお休みのハズなのに、こんなところで一体なにを?」

「それに、いつもよりオシャレなスーツを着てますね~。……誰かを待ってるんですかぁ?」


向けられる眼差しに好奇心。

こういう時の翼の勘の鋭さには、毎回ヒヤリとさせられる。

男は「おはよう、未来に静香に翼。今日も三人仲良しだな」
なんて当たり障りの無い挨拶を返しつつ、動揺は笑顔でカモフラージュ。

やって来た少女たちは三人とも、お揃いの半袖半ズボン。

それは見た目涼し気な服装であったものの――正味、ただのトレーニングウェアだが――
健康的に露出された腕や脚にはじんわりと汗が浮かんでいた。

しかしまぁ、それも仕方のないことだと言える。

何せ今日は(人によれば今日も)暑い、暑いのだ。

夏真っ盛りの太陽が、照りつけられたアスファルトが、そしてぬるい空気をかき混ぜるだけの風たちが、
この劇場だけにとどまらず、全国に猛暑を運び込んでいたのだから。


なので今、未来たち三人の娘は汗で張り付いたウェアを肌から離したり、うなじにかかる髪を
鬱陶しそうにかき上げたり、パタパタとシャツの裾を扇ぐようにして、服の中に風を送り込んだりしていたのだ。

……眼福。

だがそんな暑がっている三人の姿を見てしまうと、
なおさらこの出会いが失敗だったと思われる。

なぜならそれは、男がココにいる理由(ワケ)が――。

「ぐ、偶然だなぁ。……三人は、これからレッスンか?」

――目のやり場に困りつつ、男が話題を逸らすためにそう訊いた。

わざとらしさが隠せないのは、実のところ彼女たちの予定など最初から把握している為である。

なんたって男はプロデューサー。
少女たちの仕事も悩みもレッスンも、管理するのは最低限の務めだった。


……すると未来が眉根を寄せ、訴えるようにこう答えた。

「そうなんです! でも劇場のレッスンルームって、エアコン壊れてるじゃないですか」

「窓全開でも涼しくないのに、ダンスレッスンとかサイアク~」

しけた顔をして不満を述べる未来と翼を、「二人とも、だらけたことばかり言わないの」と静香が叱る。

それから彼女は男の方に向き直ると、「さっきからずっとこの調子で……」なんて困ったように腕を組んだ。

それはつまり、「プロデューサーからもビシッと一言、二人に言ってやってください」と彼女が彼に求めている

……そういうワケに、なるのだが。


「あ、ああそうだな。……未来、翼、いくらレッスンルームが暑くてもな――」

男が腰に手をやって、説教を始めようとしたその時だ。

「プロデューサー、お待たせしました!」

彼の小言を遮る形で、爽やかな挨拶が駐車場全体に響き渡る。

話の腰を折られた男が声のした方へと振り向けば、そこには二人の少女の姿があり。

「集合時間はキチンと厳守! ……美希をここまで連れて来るのに、ちょっと手間取りはしましたけど」

新たに現れた二人組の一人。菊地真がそう言って、二カッと元気に笑って見せる。

その隣には星井美希が、シラを切るようにそっぽを向いて立っていた。

二人とも上はノースリーブ、下はハーフパンツといった出で立ちで、
いかにもこれから「遊びに行きます!」といった楽し気な雰囲気に満ち溢れている。


「あれ? 美希ちゃんに真さん……」

「二人とも今日はオフですよね?」

そんな二人の登場に、未来たちが喰いつかないハズも無く。

顔にハテナマークを浮かべる未来と翼の呟きに、男の笑顔が固まった。
訝しむ静香の視線も受けて、石化はさらに加速する。

「プロデューサー? これは一体……」

静香が口を開いたのと、駆け出した美希が男に抱き着いたのはほぼ同時。

強烈なタックルをその身に受けて、倒れそうになった体を彼がなんとかかんとか支えきる。

「美希、お前ってヤツは毎度毎度……!」

男が美希を引き剥がそうと、少女の両肩へ手を伸ばした。

が、彼女は器用に体を捻ると逆に腕へと絡みついて、
その豊満な胸を押し付けながら彼を見上げて訊いたのだ。

「ハニー、もしかしてミキたちが一番乗り?」

「いや、い、一番乗りは紗代子だな」

彼女の瞳にはハートマーク。

体感温度も五割増し、急速にのぼせそうになる頭で男が美希にそう答える。


「紗代子が? ……ドコです?」

 駐車場の周りをキョロキョロ見回し、真が不思議そうに聞き返した。

すると男は近くに停めてあったバン――基本的には六人乗りの、頼れる事務所の社用車だ――を指でさすと。

「あの中。ナビの準備を万全にしたいって聞かなくてな」

「うぇっ!? こ、この暑さの中でずっとですか!?」

「窓は開けてるから平気だって……」

「熱中症になっちゃいますよ! さ、紗代子っ、大丈夫!?」


パタパタと慌てて駆け出す真の背中を目で追いながら、羨ましそうに美希が呟く。

「む~……真くん、ミキの時とは全然態度が違ってる」

すると男は驚いたように目を見開き。

「自分の時はって……美希、お前もまさか熱中症に――」

「ミキね、ここに来る途中で何度も『溶けちゃうよ~!』って言ったのに、
 真くんったら気にも留めないで行っちゃうんだよ?」

「あ、そう」

「荷物も持ってくれないし、頼んでもおんぶしてくれないし」

「……まっ、そんな事だとは思ったけどな」

呆れた様子で肩をすくめると、男がぶーたれる美希から視線を外した。

とはいえ、事態は何の解決も見せてはいないのだ。

くるりと体を向き直せば、今度は未来たち三人が三者三様の表情で、
自分のことを待ち構えている姿が目に入る。


お留守番をさせられる子犬が「置いてかないで!」と飼い主に迫るような顔をして、未来が一歩、前に出た。

「プロデューサーさん! 車で、みんなでドコか行くんですか!?」

すると翼が美希同様、空いている男の腕に抱き着いて
「美希先輩に真さんに……いいないいな! わたしも一緒に行きた~い!」なんておねだりするように上目遣い。

そうして最後は、不機嫌さを隠そうともしない静香の番だ。

彼女は両手を腰に当て、男をキリッと睨みつけると。

「こんな光景を二人に見せて、この後どうなるか分かってます?」


……ご覧の通り、全くもっての失敗である。
男がガクリと項垂れて、疲れたため息を一つつく。

だから「マズい」と思ったのだ。
渡り廊下に彼女たち三人の姿が見えた時、こうなることが容易に想像できたから。

とはいえ男の方も慣れたもの。
不自由になった両腕の代わりに首を「いやいや」と振りながら、

「まぁまぁ落ち着け三人とも。俺たちはなにも、
 ただ遊びに出掛けようっていうんじゃあ――」なんて弁解しようとした時である。

彼は怒れる静香の後ろから、こちらに近づく人影を見つけ
「二度あることは三度ある」という有難い格言を思い出すことになってしまった。


「やっほー! 来たよ、着いたよプロデューサーっ!!」

「あ……み、皆さんもう、到着してるみたいですね」

今日の二人は仲良しコーデ、並ぶ姿はまるで姉妹。

避暑地で過ごすお嬢さまのような洒落たワンピース姿の
高坂海美と篠宮可憐の出現により、追い詰められた男が本格的に青ざめる。

そしてまた、おお、なんとバッドタイミング! 

海美は肩からさげたトートバッグを揺らしながら男たちのところへやって来ると。

「それでそれで! いつもの車で海まで行くの?」

ああ聖母よ、無邪気な娘をお許しください。
男の置かれた状況など、海美は知る由もないのである。

楽しみを待ちきれないと言った様子で彼女が男に訊いた直後、案の定小さな爆弾は爆発した。


「やっぱり、遊びに行くんじゃないですかぁ~!」

爆弾の名前は未来爆弾。

炸裂した怒りがポカポカポカと駄々っ子パンチに形を変えて、男の体を襲う襲う! 

おまけに翼も腕を引き「ずるーい! わたしも海で遊びたーい!」とねだり始め、そんな翼に取られぬようにと、
美希も「翼! そんなに強く引っ張ると、プロデューサーの腕が取れちゃうよ!」なんて男の腕を引き返す始末。

げに恐ろしきは爆発の連鎖、誤爆誘爆火気厳禁な惨事を前にして、未だ動かぬは静香一人。


こうして三人の少女にまとわりつかれる光景は、傍から見れば羨ましい限りの姿だが……
当の本人にしてみれば、実に堪ったものではないのである。

暑いわ痛いわ鬱陶しいわ、力任せに振りほどこうにも、相手は大事なアイドルなのだ。

怪我などさせては困りものだし、これは甘んじて受け入れるべき罰と言えた。

なにより姦し三少女より、無言で佇む大岡越前……ではなく静香の方が余程不気味で恐ろしい。

「な、なんか……私マズいこと言っちゃった?」

申し訳なさそうに首を縮めて見せる海美に向けて、

「いいから早く車に乗るんだ! こっちもすぐにカタをつける!」

と叫ぶ男の姿はまるでそう、主人公を安全な場所に逃がすため、
体を張って敵の進行を食い止める仲間の雄姿ともそっくりだ。


「い、行こう海美ちゃん。プロデューサーさんの、じゃ、邪魔になる前に……!」

気の利く可憐が海美の手を引き、足早にバンへと去って行く。

それに続けて「そうだ! 二人で早く安全な場所へ――」なんて言ってる男の酔いっぷりに、静香は冷たく嘆息した。

彼女は自らの眉間を押さえ、目の前で醜く繰り広げられる
低次元なやり取りに介入しなくてはならない己の身を嘆き悲しむと。

「プロデューサー。真面目にやって、くれますか?」

それは哀しみの五・七・五。

ちなみに季語は『プロデューサー』で、一年を通して使うことのできる大変便利な季語だとは、
最近では俳句も嗜み始めたエミリースチュアートの談である……と、ここで一旦閑話休題。


男には来たるべき約束の大噴火。

ボルケーノ静香のボルテージが、
目に見えて沸々と上がっているのが感じられた。

「分かった、真面目に! 真面目にだな!」

彼は慌てて応えると、「未来たちもいい加減に、
レッスンルームが待ってるぞ!」なんて駄々っ子二人を叱りつけたが……。


何をか言わんや、それで収まると言うのなら、
初めから静香も彼を睨みつけたりなんてしない。

さらにはそんなやり取りもどこ吹く風の翼と未来は顔を合わせて、
なにやらこしょこしょと相談事を始める始末。

「ねぇ未来、わたしたちもついて行っちゃおうよ」

「えぇっ!? ……でも翼、この後すぐにレッスンだよ?」

「分かってるけど、レッスンなんてサボっちゃえば……。なにか適当な言い訳を考えて~」

「言い訳かぁ……ちょっと待って!」

目先の娯楽に飛びつくのは、翼の悪い癖である。
それに流される未来も未来。

サボりの言い訳を考え始めた彼女の動きがピタリと止まる。

一度に二つのことを処理するには、未来の内臓メモリは少々心許ないのだ。


「えぇっと、う~ん……ねぇ翼、例えばどんな言い訳がいいの?」

「そんなの、急に風邪をひいたとか――」

「風邪ね……。それで一体、二人はどんな病気にかかったのかしら?」

内緒話にしては大きすぎる、二人の密談に静香がしれっと口を挟んだ。

すると未来と翼は元気よく。

「夏風邪! この時期に流行るってよく聞くし」

「わたしの方は~、恋の病!」

「なら、律子さんには私が話しておいてあげる。二人とも病気で今日は来られないって」

皮肉たっぷりに告げる静香に対し、「ありがとう静香ちゃん!」
「それじゃあ、後のことは全部お願いね♪」なんて二人が無邪気にお礼を言った。

キラキラ笑顔の彼女たちに向けて、「フッ」と冷笑する静香。
ああ、底なしの能天気を二人同時に相手する、彼女の心労誰知ることか……?

お話の中はともかくとして、リアルじゃお盆に海へ行くのは止した方が良いって言いますね。
とりあえずここまで。

===2.

「出発前にそんなことが?」

吹き込む風に髪なびかせ、一連の騒動を遅れて知った高山紗代子は驚くべきか呆れるべきか? 
なんとも困惑した様子で語り部の男にそう言った。車が劇場を出てから一時間、ここは高速道路の上である。

「苦労してるな静香ちゃん。……結局それで、どうしたんです?」

そうして今度は風圧で乱れた髪を手櫛でちょちょんと直しつつ、同情するように訊いたのだ。

喜べ静香、君を憂いる者はここに在り。

ペダルを踏み込む足も軽く、それでも制限速度を律儀に守る男が助手席の彼女にこう答える。

「どうしたもこうしたもあるもんか。お前たちが乗るスペースは車に無いって説明して――」

「すんなり納得したんですか!?」

「驚くなよ、今度の休みは自分たちが遊びに連れて行かれる番だって。買い物に行ってデートして、帰りはうどんを食うことに」


途端、ガクンと大きく車が揺れた。突然の反復運動に車内が悲鳴で満たされる。
咄嗟に両手両足を踏ん張って、振動を堪えた紗代子の視界を真っ赤な流星が通り過ぎ……瞬間、彼女は確かに見た。

『た・す・け・て・!』

流線型の赤いオープンカー。運転席にはサングラスをかけた美女が座り、
その隣には真っ青な顔でこちらに視線を向ける少女の姿が。なに見間違おう、アレは野々原の茜じゃないか! 

おまけに後部シートに張り付けにされたように座るのも、劇場で見知った仲間たち。

僅か一秒にも足らぬ刹那的邂逅。
しかし、紗代子は確かに彼女たちの声を"捉えた"のだ。

「ありゃ、山組かっ!?」

車体をぶつけられぬよう、ハンドルを切る男の叫びに反応するだけの余裕は紗代子に無い。

突如現れたオープンカーは常識外れのスピードで華麗に追い越しと割り込みをやってのけると、
挨拶代わりのクラクションをその場に置き捨てあっという間に見えなくなって……。

まるで信じられないと、夢うつつな気分で紗代子がズレてしまった眼鏡をかけ直す。

「な、なんだったんです? 今の」

「さぁ? ……ま、全ては丸く収まったよ」

こういう人を、世間ではできた大人と言うのだろうか? 
それともただ、全てを諦めているだけなのかも。

直前の光景に対しての一切の返答を拒否しつつ、「何も知らない、見てもいない」とでも
主張したげな男の横顔を眺めて彼女は一人頷いた。

……どうやら自分も、彼に倣った方が悩みを増やさずに済みそうだ。


「それでも少し、わ、悪い気がしちゃいます」

まるで車内の空気を戻すように。

紗代子の座るすぐ後ろからおずおずと自分の気持ちを口にしたのは、美希と並んで座る可憐だった。

すると背後から運転席にしがみつくようにして(無論、良い子は真似などしてはいけない)
男の首へと腕を回していた美希が「悪い気?」と彼女に聞き返す。

「は、はい。他の皆さんはその、今もお仕事だったりレッスンだったり、頑張ってるじゃ、ないですか……」

「そうだね。後は命の危険に晒されてたり」

「なのに、えっと、私たちだけこうして海に行くっていうのが――」

「皆にたいして気が引けちゃう? もう、可憐は心配性だなぁ」

そう明るく可憐に答えるのは、最後部の座席から前へと身を乗り出す真である。
彼女の両手は美希のズボンのベルトを掴み、椅子に座らせようと悪戦苦闘の真っ最中。

「みんなお休みは貰ってるし。今回はたまたまこのメンバーが、一緒になったって言うだけで」

「可憐、まこっちゃんの言う通りだって! 私たちがお仕事してる時は、代わりに誰かが遊んでるんだし」

「せっかくのお休みなんですから、考え過ぎもよくないですよ……っと!」


海美と紗代子が賛同しつつ、苦戦する真に加勢した。

流石に三人同時は辛いのか、美希も苦しげに顔を歪める……が、恋する乙女は往々にして往生際の悪い物。
彼女は体をくねらせ抵抗すると、いまだ「うぅ、でも……」と納得できないでいる可憐に向かって言い聞かす。

「だったらみんなに、お土産でも持って帰りなよ」

「お、お土産ですか?」

「うん! どんな海でどんなことをして、今度はみんなでも行きたいねって」

笑顔で語る美希の言葉に、男が「そうだな」と相槌を打った。

「土産話は旅の花。残った自分たちのせいで、可憐が楽しめなかったなんて話――」

「やっぱり聞いてもつまんないよ。だからミキね、今日はとーってもやる気なのっ!」

一旦席に着くように見せかけて、美希が足を踏ん張り腰を上げた。
完璧なフェイントに引っかかり、振りほどかれる真と海美の伸ばした手。

ずらされるズボン、顔を見せるパンツ。

だが、そんなことなど気にしていない(あるいは単に、気づいてないか)
美希は先ほどよりも強く運転席にしがみつくと、自信満々に宣言する。


「全力でハニーと遊びたいから、今日は絶対にお昼寝しないっ!!」

だがしかし、美希には可哀想であるが……彼女の決意表明は、
車内を賑やかな笑い声で満たす結果となってしまった。

その余りと言えばあんまりである彼女の姿と発言に、
紗代子も思わず彼女を抑える手を緩め、笑い涙してしまったほどである。

「もー! なんでなんで~? ミキ、面白いことなんて言ってないよ~!!」

全くワケが分からないと、キュートにむくれてみせる美希。
その隣では可憐が両手をギュッと構えて、「そ、そうですね」と大きく頷くと。

「私も今日は、あ、遊びつくすことにします! ……楽しめなかったなんて話を、みんなにしたくはないですから」

言うが早いか次の瞬間、可憐は美希の両脇に手を伸ばした。

無防備に曝け出されていた美しいくぼみが弄ばれる。
車内に木霊す少女の嬌声、跳ねる四肢によりふらつく車体。

「今からはしゃぎ過ぎてると、海につく前にバテちゃうぞ」

ドライバーは忠告しつつもわれ関せず。

けたたましい笑い声が消えて車内に静寂が戻った時、使命を果たしたと満足気に座る可憐の隣に
お行儀よく力尽きた美希の姿があったとは、後に語られることになる土産話からの一節だ。

とりあえずここまで。

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