【ミリマス】海美「プロデューサー、最近構ってくれないんだけど!」 (40)


高坂海美(以下、海美) 「プロデューサー!今暇でしょ!?だったらさー、ボルダリング行こうよ!」

ミリP(以下、P) 「ボルダリングって……壁よじ登る奴だろ?やめとくよ、そこまで暇を持て余してるわけじゃないし」

海美 「えーっ!?それじゃ体に悪いよ、いつか美奈子のカロリーに負けちゃうよ!?」

P 「カロリーに負けるって、そんな事あり得る訳が……」

P 「……いや、下手すりゃ負けるな」アセアセ

海美 「でしょ!?じゃあ……」

P 「でもダーメ。俺は、今からビデオチェックの作業しながら飯食うのー」

海美 「び、ビデオチェックって」

P 「最近出来てなかったからなあ……ま、こういうのも欠かさないことがアイドルプロデュースってな」スタスタ

海美 「えー……そんなのつまんないよ、プロデューサー!」

P 「はーいはい、また後でな」


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P 「……っていっても飯どうするかな。今から買いに行くといつも通りになっちゃいそうだし……」

田中琴葉(以下、琴葉) 「あ、あの!プロデューサー!」

P 「ん、琴葉か。どうしたの?」

琴葉 「お昼ご飯、まだ何食べるか決まってないんですか?」

P 「ああ。とりあえず、冷蔵庫の中身でも覗いて――」

琴葉 「あの、ご迷惑でなければなんですけど……」

P 「ん?」

琴葉 「こ、これっ!」スッ

P 「四角い包み……もしかして弁当か?ダメだよ、これ琴葉の弁当だろ?俺が食べるわけにはいかないって」

琴葉 「違います!これは、私が別に手作りしたお弁当です!」カァ


P 「別に、手作り……?いいのか、琴葉」

琴葉 「良くないなら、わざわざ渡したりしません!」

P 「それなら、ありがたく頂こうかな……どれどれ」スッ  パカリ

P 「おっ、量も多いし有難いな……!いただきます!」パクパク

琴葉 「……ど、どうですか?」

P 「美味いよ、これ!焼肉弁当なんて良いチョイスするな!俺の好みピッタリだ!」

琴葉 「そうですか!?良かった……」

琴葉 「本当は女の子っぽいお弁当にした方がいいのかな、なんて思ってたんですけど……」

P 「いやいや、腹いっぱい食えるならその方がいいよ!」パクパク


P 「けど……」

琴葉 「けど?」

P 「ご飯の上にゴマでハートマークは不味くないか?こんなの、俺以外に見られてたら勘違いされるぞ」ハハハ

琴葉 「……勘違いじゃないのに」ボソリ

P 「そうだ、琴葉も一緒にビデオチェックしよう!さ、隣座って!」ポンポン

琴葉 「え、良いんですか?」

P 「いいよいいよ!どうせ一人で見てたって寂しいだけだしな!」

琴葉 「じゃ、じゃあ……失礼します」オズオズ

琴葉 ピトッ

―――――

琴葉 「ちょっと大胆過ぎたかな……」

琴葉 「……」カァアア

琴葉 「!」ブンブン

ダッダッダ

琴葉 「えっ?」

海美 「こーとーはー!」ダキッ

琴葉 「えっ、海美ちゃん!?どうしたの、急に」アセアセ

海美 「たすけてぇ……」ウルウル

琴葉 「な、泣かないでよ!ほら、これハンカチ!」スッ

海美 「う、うん……あいがとごどはぁ……」ゴシゴシ

海美 「……うん、スッキリ!」

琴葉 「それは良かったね……?」


海美 「でさぁ、琴葉!助けてよぉ!プロデューサーが構ってくれないの!」

琴葉 「…………」


琴葉 『プロデューサーが構ってくれない』


琴葉 「…………」

海美 「……どしたの琴葉?」

琴葉 「なんでもない」

琴葉 「で、海美はどうして私を頼ってきたの?」

海美 「琴葉って女子力高いでしょ!?だから、なんとかならないかなーって思って……」

海美 「プロデューサーが構うの女子力高い子ばっかりじゃん……」ショボーン

琴葉 「そ、そんな事はないと思うけど」アセアセ

海美 「お願い琴葉!今度、何か奢るから!」


琴葉 「海美ちゃんのお願いなら聞いてあげたいけど……でも、私別にそんなに構ってもらってるわけじゃ」

海美 「そんな事ないって!さっきだってお弁当渡してたじゃん!」

琴葉 「ええっ!?みみみ見てたの!?」

海美 「直前まで私だって話してたもん、知ってるよ?」キョトン

琴葉 「は、はずかしぃ……」

海美 「で、琴葉はお弁当渡してたでしょ!?」

海美 「私も、プロデューサーが手放せないくらい女子力高くなれば、もっと構ってもらえるのかなぁ……なんて」ショボン

琴葉 「……海美ちゃんはそのままで十分魅力的だよ。いっつも元気だし、私元気もらってるもん」

琴葉 「プロデューサーも……きっとそうだと思ってると思うよ?」

海美 「で、でもぉ……私だって構って欲しいもん」

琴葉 「……もう、仕方ないんだから」ハァ

琴葉 「ちょっとだけだからね?」

海美 「ホント!?琴葉だーいすき!」ダキッ

琴葉 「も、もう海美ちゃん!」カァ

―――――

琴葉 「っていっても……構ってもらうって何するの?」

海美 「そりゃもう、女子力上げるしかないでしょ!」

琴葉 「だから、その女子力って……?」

海美 「……どういうのか分かんないよ」シュン

琴葉 「もう……先走っても仕方ないでしょ?」

海美 「仕方ないじゃん!急いでたんだし!」

琴葉 「……もう」

―――――

P 「それじゃ二人とも、レッスン始めるぞ」

松田亜利沙(以下、亜利沙) 「うう、優しくお願いします……」シュン

横山奈緒(以下、奈緒) 「もー、亜利沙はホンマに心配性やな?」

奈緒 「亜利沙だって、自主レッスン頑張ってたやんか」

亜利沙 「あ、あれはありさが出来ないからやってただけで……」

奈緒 「でも、自分から練習したんやろ?もっと自信持てばええのに」

亜利沙 「奈緒ちゃんみたいに出来れば、ありさももっと自信持てるんですけどぉ……」

P 「……でも、亜利沙は自分なりに頑張ったんだろ?」

亜利沙 「は、はい」コクリ

P 「なら、それで良いじゃないか」

亜利沙 「……へっ?」

奈緒 「せやな!十人十色って、昔の人もゆーとるし!」


P 「奈緒の言う通りだぞ。亜利沙が自分で頑張ったんだ、俺はその成果を見てみたいな」

亜利沙 「……そ、それじゃ!頑張ってみます!」

P 「よし、その意気だ!奈緒の方は準備出来てるか?」

奈緒 「いつでもええで!」

P 「よし、それなら早速始めるぞ!」

~~~~~

亜利沙 「うう、身体が……身体がぁ」グッタリ

奈緒 「ぷ、プロデューサーさん……いつもより厳しない?」

P 「いつものだと、あっさりと奈緒こなしちゃうからな」

奈緒 「お、鬼や……鬼がおる」ガクッ

P 「……亜利沙、大丈夫か?」

亜利沙 「だ、大丈夫じゃないでしゅ……がくっ」

P 「そうか……ゴメン、ちょっと無理させ過ぎたな」

P 「これ俺からの差し入れだから、遠慮せずに飲んでくれ」

亜利沙 「あ、ありがとうございます……」ゴクリ

亜利沙 「ぷはぁ……生き返りましたぁ」


P 「……でも、ビックリしたよ」

亜利沙 「ふぇ?」

P 「だって、前まではあんな風に踊れなかったじゃないか」

P 「ポジション切り替える時の動きとか、いっつもコケてたり躓いたりしてただろ?」

亜利沙 「わ、分かってたんですか!?」

P 「そりゃ、俺は亜利沙のプロデューサーだしな」

亜利沙 「あぅ……」

P 「それでも、今日は出来るようになってた。これは、立派な成長だろ?」

亜利沙 「で、でも他のアイドルちゃん達は出来てたのを今更出来るようになっただけで……」オロオロ

P 「…………」ワシャワシャ

亜利沙 「ええっ!?か、髪の毛が乱れちゃいますよ!」

P 「まったく、お前なぁ……少しは自分のやった事を褒めてやっても良いんだぞ?」


P 「誰かと比べたりしたら、一番を獲るのなんて滅茶苦茶面倒くさくなるんだからな」

亜利沙 「そ、それはそうですけど……」

P  「お前が昔より出来るようになったから俺は褒めるの!それだけ!」

亜利沙 「……良いんですか?ありさ、まだ全然出来てないと思うんですけど」

P 「それなら俺も一緒に頑張るよ」

P 「とりあえず、今は頑張った自分を褒めてやれ……な?」

亜利沙 「……はい!ありさ、頑張っちゃいました!」

P 「そうだ、もっと褒めても良いんだぞ!」

亜利沙 「……でもありさ、やっぱりありさ自身を褒めるって難しいから……」

亜利沙 「代わりに、プロデューサーさんがいっぱい褒めてください!」

P 「よし、任せろ!よく頑張ったな、亜利沙!」ガシガシ

亜利沙 「ムフフー!」フニャァ

奈緒 「ちょっとプロデューサーさん!?私の事も褒めてーや!」ズイッ

P 「はいはい、奈緒もよく頑張ったよ」ナデナデ

奈緒 「もー、なーんか投げやりやなぁ……でも、許したる!」エヘ

―――――

海美 「ああいうの!ああいうのってどうすればいいと思う、琴葉!?」

琴葉 「そ、そんな事言っても……どうすればいいか分かってたら、私だってやってもらいたいもん」

海美 「そ、そうだよね……どうしよー」

海美 「……あっ!?」ティン!

琴葉 「どうしたの海美ちゃん、何か思いついた?」

海美 「うん!カンペキ!ちょっと、試してくるよ!」ダッ

琴葉 「う、海美ちゃん!?どこ行くのー?」

海美 「ちょっと事務所の周りを走ってくるねー!」

琴葉 「……え?」

―――――

P 「それじゃ、二人ともお疲れ様!」

奈緒 「お疲れ様でしたー!」

亜利沙 「ふぅ……汗でベタベタでしゅ……」

奈緒 「ホンマや……もー、今日いつもより暑かったからなぁ」

奈緒 「……せや!亜利沙、今日は銭湯行かん?ちょっと早めにお風呂頂いて、どこかでご飯食べよーや!」

亜利沙 「奈緒ちゃんと一緒にお風呂にご飯……ムフフ、シャッターチャンスの予感ですよぉ!」キラキラ

奈緒 「そんなカメラ映りええとは思わんけど……来るん?」

亜利沙 「行きます!」

奈緒 「よしゃ!それなら話は決まりやな!」

P 「帰りが遅くなり過ぎないようにな?」

奈緒 「もー、分かってますって!ほな、失礼しまーす!」


P 「……あの分なら、亜利沙も大丈夫そうだな」

P 「さて、俺も仕事に戻るか……」

琴葉 「あ、あのプロデューサー!」

P 「琴葉?どうかしたのか?」

琴葉 「え、ええっとですね……」

琴葉 (う、海美ちゃんが帰ってくるまで時間を……!)

琴葉 「お弁当の出来、どうだったのかなーって!」

P 「さっきの弁当か?さっきも言ってたけど、俺の好みに合ってて最高に美味かったよ」


P 「将来、嫁さん貰ったらああいうお弁当が食べたいな……」

琴葉 「お、お嫁さん……プロデューサーの」

P 「結婚願望かなぁ……悪い、琴葉に言うような事なんかじゃなかったか」

琴葉 「そ、そんな事は!」

P 「誤魔化さなくっていいって……ゴメンな」

琴葉 「わ、私は……その、嬉しかったですし」ボソリ

P 「ん?」キョトン

琴葉 「なんでもないです!」

バタン

海美 「ぷ、ぷろでゅーさー……」

P 「海美か?おつかれさ――ッ!?」


琴葉 「海美ちゃん!?どうしたの、その汗!」

海美 「あ、あはは……流石に、無理しちゃったかな……」グラッ

P 「海美!」ダッ

ダキッ

海美 「ぷ、プロデューサー?ダメだよ、スーツが汗臭くなっちゃうってば……」

P 「そんなもん、汗臭くしておけばいいんだよ!」

琴葉 「ほら、海美ちゃん!お水!」

海美 「あ、ありがと琴葉……」

海美 「んくっ……ふぅ」

P 「……大丈夫か?」

海美 「ご、ごめんね……ちょっと、立てないかも」


P 「分かった……それなら」ダキッ

海美 「!?」

琴葉 「ぷ、プロデューサー!?何を」

P 「何って、抱き上げただけじゃないか」

P 「海美もこの方が、体勢は楽だろうしな」

海美 (お、お姫様だっこ……)カァア

琴葉 「…………」

P 「よし、医務室まで運ぶぞ。海美、少しの間だけ我慢してくれよな」

海美 「う、うん……よろしく、お願いします」ギュウッ

P 「なるべくしっかり掴まっててくれるとありがたいかな、俺筋肉あんまりないし……」

海美 「……しょうがないなぁ」ギュ

P 「……よし、行こう。琴葉、悪いけど戸締りお願いしても良いか?」

琴葉 「……はい、分かりました」

琴葉 「…………」

―――――

海美 「ごめんね、プロデューサー……こんなに迷惑かけちゃって」

P 「そう思うなら、そんなに疲れるようなことはやめてくれよ」

P 「海美が体調崩したって、俺は喜ばないぞ?」

海美 「ううっ、ごめんなさい……」

海美 (事務所の周り限界超えて全力疾走したせいで倒れるなんて……まだまだだなぁ、私)

P 「それじゃ、俺は仕事に戻るけど……何か問題があったら電話してくれ」

海美 「分かった……仕事、頑張ってね!」

P 「おう、任せとけ!」スタスタ

海美 「…………」

海美 「こういうのじゃ、ないよね……やっぱり」

海美 「どうしようかなぁー……」


ルンルン

海美 「ん?」

春日未来(以下、未来) 「ふっふー、今日こそ静香ちゃんに美味しいって言わせて見せるんだから!」

海美 「あれ?未来ちゃん?」

未来 「?こっちの方で、声が聞こえたような……」

未来 「あれ、海美ちゃん?どうしたの、具合悪いの?」

海美 「ま、まぁね……ちょっと、いつもより運動し過ぎちゃって」アハハ

未来 「そっかぁ……無理しちゃダメだよ?」

海美 「はいはい!もー、年下みたいに言うのはやめてよー!」

未来 「でへへ……ごめんなさーい!」ペコリ

海美 「……それで、どうしたの?さっきまでなんかノリノリだったよね?」


未来 「あっ、分かっちゃいますかー?」

未来 「実はですね……これを作ってきたんです!」ドン

海美 「……これって、水筒?」

未来 「そう!静香ちゃんに、今度こそ特製ドリンク飲んでもらおうと思って!」

未来 「……でも、ちょっと量作り過ぎちゃって」シュン

海美 「量多めなの?」

未来 「うん!だから、今から給湯室で細かい味とかも調整しようと思って!」

未来 「量が多ければ、少しくらい間違えてもやり直しがきくかなって」

海美 「そっか……」

未来 「良かったら、海美ちゃんも手伝ってくれない!?」


海美 「私?でも、私あんまり料理得意じゃないし……」

未来 「二人いたらもんじゃが出来るって言うし!苦手でも、二人でやれば何とかなるよ!」

海美 「そう?」

未来 「そう!だから、お願いします!」ペコリ

海美 (このドリンク持っていったら……プロデューサーも喜んでくれるかな?)

海美 「未来ちゃん、調整したら少しだけ貰っても良い?」

未来 「モッチロン!いっぱいあるから大丈夫だよ!」

海美 「そっか……よーっし!そういう事なら、うみみの特製フレーバーで味付けしちゃいますか!」

海美 「行こ、未来!」

未来 「おー!」

―――――

P 「海美の奴、大丈夫かな……」

小鳥 「まさか海美ちゃんが倒れるなんて……余程無理をしたんでしょうか」

P 「俺のせいです……管理が出来てなかったのかも」

小鳥 「プロデューサーさん……」

P 「……落ち込んでても、アイツの為になりませんよね」

P 「さ、仕事を続けましょうか」

小鳥 「……良いんですか?すぐにでも駆けつけてあげたいんでしょう?」

P 「一応、医務室には運びましたから……それで仕事に支障をきたして、海美を無駄に追い詰めるようなことはしたくありませんし」

小鳥 「ふふっ、いつになくカッコつけてますね?」

P 「カッコつけられる時につけとかなきゃ、男なんていつまでもカッコつけられないんですよ」

小鳥 「……そうですか」クスッ


P 「さ、頑張っていきましょう!」

小鳥 「はい!お手伝いしますね!」

―――――

P カキカキ

小鳥 カタカタ

P 「音無さん、この書類のチェックお願いします」

小鳥 「はいはい、ちょっと待ってくださいねー……」

小鳥 「うん、大丈夫だと思います!」

P 「そうですか、ありがとうございます」

P 「……それにしても、流石に疲れましたね」フゥ

小鳥 「ずっと作業しっぱなしですからね……」


P 「音無さんは休んでください、俺は一人でもう少し作業を続けますから」

小鳥 「もう、そうやってプロデューサーさんが体調を崩したら元も子もないじゃないですか」

P 「……お、俺はまだ丈夫だし」

小鳥 「海美ちゃんが倒れて、無理をしてるのはなんとなく分かりますけど……そんなに思い詰めないでくださいね」

P 「……はい、ありがとうございます!」

未来 「おっはよーございまーす!」

P 「未来、おはよう……今日はいつもより随分とご機嫌じゃないか?」

未来 「そりゃご機嫌ですよー!」

小鳥 「その手に持ってるのは何?」

未来 「良い質問ですね小鳥さん!これはですねー……」

P 「……あっ、俺腹痛くなってきたトイレに」

未来 「ちょ、ちょっとプロデューサーさん!?今日のは大丈夫ですから!」


P 「どっからどう考えても大丈夫じゃないと思うんだが!?」

未来 「大丈夫って言ったら大丈夫なんです!今日のドリンクは、海美ちゃんと作りましたから!」

P 「……海美と?」

未来 「はい!最後、どうやって味を調えたら美味しくなるかなって二人で考えたんです!」

小鳥 「海美ちゃん、頑張ったのね」

未来 「はい……ちょっと、無理させちゃったかも」シュン

P 「……分かった、これは俺たちで飲んでおくよ」

未来 「本当ですか!?約束ですよ、後で感想教えてくださいね!」

P 「ああ、約束だ」

未来 「はい、約束です!」


P 「……ところで未来、お前本来なら30分前からレッスン入ってたと思うんだけど」

未来 「……へっ?」チラッ

未来 「あーっ!?も、もうこんな時間!」

P 「4階の一番奥の部屋な、間違えるなよ!」

未来 「間違えませんよ!じゃ、失礼します!」ダッ

P 「いい加減、時間を間違えないで欲しいんですけどね……」

小鳥 「それも未来ちゃんらしさって事で良いじゃないですか」フフッ

P 「……そうですね」ニコッ

小鳥 「それで、気になってたんですけど」

P 「はい?」

小鳥 「……俺たちで飲んでおくって、どういう事ですか?」

P 「……飲まないんですか?」

小鳥 「勿論、頂きますとも」

―――――

海美 「…………」ゴローン

海美 「プロデューサー、美味しく飲んでくれたかな……」ドキドキ

海美 「……本当は、もっと構って欲しかったな」ボソッ

ガチャリ

海美 「未来?」

P 「悪いな、生憎と俺だ」

海美 「プロデューサー!?仕事はどうしたの?」

P 「一段落つけてきたからな、後は音無さんの処理待ちなんだよ」スッ

海美 「そ、そっか……」

P 「……さっき、未来に持ってきてもらったドリンク飲んだよ」

海美 「そ、そう……どうだった、美味しかった!?」


P 「……うん、元気が出たかな!」

海美 「ええーっ!?それじゃハッキリしないじゃん!」

P 「……って、言われてもなぁ」

海美 「手に持ってるの、私の作った奴でしょ?頂戴!」バッ

P 「あっ」

海美 ゴクゴク

海美 「ま、まずっ!?」ガーン

P 「こ、個性的な味ではあったかな」

海美 「絶対まずいじゃん!?なんでハッキリ言ってくれなかったのさ!」

P 「そりゃ、海美の作ったものだからな」

海美 「…………」


P 「海美?」

海美 「ここで女子力が高かったらさ?琴葉みたいにお弁当作ったり、春香さんみたいにお菓子作ったりできるのに……」

海美 「私が用意できるのは、こんなドリンクだし」ショボーン

海美 「未来の味付け、台無しにしちゃったかな……」

P 「いや、いつものよりは美味しかったぞ?それだけは間違いない」

海美 「そんな事言ったってさぁ……」

P 「……それじゃ、さっきのにちょっと付け加える」

海美 「へ?」

P 「俺は、海美が作ってくれたから美味しく感じたんだ」

海美 「どう考えたってまずいのに?」

P 「おう。だって、海美が作ってくれたんだろ?」

海美 「わ、ワケわかんないよぉ……」


P 「良いか、海美。料理ってのは、込められた気持ちで決まるんだぞ?」

P 「美味しく食べてほしいとか、元気を出してほしいとか……そういうちょっとした気持ちで、全然違うんだ」

海美 「た、確かに元気出してほしいと思ったけど……」

P 「だろ?それだから、俺は元気でた!」

P 「それで良いじゃないか」ニコッ

海美 「……そっか」

海美 「次は、もっと美味しく作るから……作ったら、飲んでくれる?」

P 「おう、勿論」

海美 「やった……じゃ、ちゃんと飲んでよね?」

P 「……ちゃんと美味しく作ってくれよ?」

海美 「アハハ、大丈夫だって!」


P 「……うん、元気出たみたいだな」ナデナデ

海美 「へっ?」

P 「なんか、身体だけじゃなくて精神的にキテたみたいだからさ……ちょっと心配してたんだ」

海美 「――――」ジーン

海美 「……もー!プロデューサーったら、かっこつけすぎだよーっ!」ダキッ

P 「うわっ!?う、海美!?」アセ

海美 「別にいいじゃん!……って、あれ?」グラッ

ドサリ


P (ベッドに寝てる海美に上から覆いかぶさってる)

海美 「…………」ドキドキ

P 「ご、ゴメン――」

ガチャリ

琴葉 「海美ちゃん?お見舞いに……」チラッ

P 「…………」タラタラ

琴葉 「……どういう、事ですか?」

海美 「ち、違うんだよ琴葉!?」

琴葉 「……ぅ、うわぁああああん!」ダッ

P 「こ、琴葉!待ってくれ、これ以上誤解を広めないでくれーっ!」

―――――

P 「ハァ……」

小鳥 「昨日、海美ちゃんを襲ったにしては元気がないですね?」

P 「人聞きが悪すぎませんかね?」

小鳥 「こりゃ失敬」

P 「……それで、この水筒は?昨日二人で飲みましたよね?」

小鳥 「ああ、新作みたいですよ?ちょっとアレンジを加えたとか……」

P 「へぇ、アレンジか……」トクトク

小鳥 「嫌がらないんですね?」

P 「海美に言ってる時に、自分でも気付かされちゃって……」

P 「未来が心を込めて作ってるんだから、それを飲まないなんて勿体なさすぎますよね」

小鳥 「ようやく自分がどれだけ貴重な機会に遭遇してるかが分かったんですね……」

小鳥 「でも、いつもちゃんと飲んでますよね?嫌がりつつも」

P 「心境の変化って奴ですかね……」グイッ


P 「…………」

小鳥 「どうですか?」

P 「……うん、目が覚めますね」

小鳥 「今度はハーブでも混ぜたんですか?……それじゃ、私も頂きますね」

P 「どうぞ」

小鳥 「……!?」

P 「まぁ、こういうのもアリでしょう……たまには」

バターン

海美 「プロデューサー、いるー!?」

P 「海美、おはよう。もう体は大丈夫か?」

海美 「絶好調!今日はなんでも出来ちゃいそうだよ!」


P 「それなら良かった……今日は、マンツーマンでのダンスレッスンだっけ?」

海美 「うん!約束したでしょ、プロデューサー?」

P 「約束したけど……本当にそれでいいのか?誕生日なんだし、もっといろいろ言っても良いのに」

海美 「プロデューサーと二人でレッスンしたかったの!」

海美 「……ダメ?」

P 「……ダメなわけないだろ!さ、気合入れていこう!」

海美 「おーっ!」


海美 「じゃ、プロデューサー?今日は、私の事だけ見ててよね!」

おしまい

一旦諦めてたけど誕生日だからね……海美、誕生日おめでとう!
……内容的に前日のが良いんじゃないかって?そんな事ないって思うな

ここまで読んでくださった皆さんには多大な感謝をば



結局何故か浮かんでたしぶりんへの誕生日かまちょは書けませんでしたとさ、悪しからず

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