「誰あの人」
マミがそうぼやく
結界が悲鳴を上げるような軋みを上げている。
それを止めねばならぬと。使い魔の心情が聞こえてきそうなほどにある男に殺到して討ち取らんとしているのが見える。
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無機質な瞳たちがその胸に剣を生やさんとするその時。爆散する。
散弾の一発一発がその周囲ごと抉るように消し飛ばす。
弾丸を打ち尽くすときには肉薄していた使い魔達の姿はなかった。
洗練された手つきで背中の武器を取り出す。単発のグレネードランチャーが流星を生みだす。
爆音。結界が悲鳴を上げるほどの星々は自ら以外の美しいものを許さぬかのようにすべてを削り取っていった。
「あれが女王か」
瓦礫から怒りの悲鳴が聞こえる。ゆがんだおとぎ話から産み落とされたような、その化け物が宝石で光る斧を投擲する。
男はそれを危なげもなくローリングでよける。一般の人ならばそれを見てすごいという感想だけで終わりだろう。
しかし魔法少女として動体視力が卓越しているマミは気づいてしまった。
その男はローリングをするその時にもリロードをしているのだ。それも全く変わらぬ速度で淡々と、
もはや人間業ではない。魔法少女でも難しいであろうそれを男は当たり前のことのようにやってのけたのだ。
「魔法少女、、?」
いつから魔法少女は少女でなくてもよくなったのかと思案するが、それはあり得ない。
彼からは魔翌力を全く感じないのだ。あるのはただただ硝煙の匂いだけ、
しかしそれこそあり得ない。魔翌力のこもらない武器であれほどのものがあるだろうか。現代武器に疎い少女でもそんなものはないことがわかる。
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