なぎさ「おねえちゃん、あけましておめでとうございます!」
マミ「あらなぎさちゃん、あけましておめでとう。ちょうど良かったわ、今から初詣に行くところなの。一緒に行く?」
なぎさ「初詣って何?」
マミ「神社にお参りに行くのよ。お賽銭をあげて神様にお願いするの」
なぎさ「あ、それなら行ったことあるよ!お線香の煙を頭にかけたりしたの!」
マミ「うん、それはどうやらお寺のようね。今から行くのは神社だからお線香とかは置いてないのよ」
なぎさ「行く行く!おねえちゃんとお参りするのです!」
マミ「ならお出かけの準備をするわね」
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マミ「さすがお正月ね、参道もとても混んでるわ。なぎさちゃん、手を離さないでね」
なぎさ「絶対離さないの。あ、おねえちゃん、お店が出てるよ!」
マミ「縁日ね。また帰りに綿菓子でも買ってあげるわ」
なぎさ「やったー!楽しみなのです!」
マミ「やっと鳥居まで来れたわね・・あら、あそこに居るのは・・暁美さん?」
なぎさ「ほむらお姉ちゃん、あけましておめでとうございます!」
ほむら「あら。なぎさちゃん、巴さん、あけましておめでとう。本年もよろしく・・・」
マミ「あけましておめでとう。こちらこそよろしくね。暁美さんも初詣に来たの?」
ほむら「ええそうよ、ここには知り合いが居るの」
マミ「私たちは今からお参りするところなの。暁美さんも良かったら一緒にどうかしら」
ほむら「2人が構わないのならご一緒させてもらうわ」
なぎさ「みんなで神様にお願いしに行くのです」
マミ「あらあら、うふふ」
ほむら「ええ、では行きましょう」
マミ「鳥居をくぐる時にはおじぎをするのよ」
なぎさ「はいっ」
ほむら「ふふ・・神社の参拝マナーね」
マミ「ええ。鳥居は玄関みたいなものだから。正式には一礼だけど、今日みたいに参拝の方が多い場合は邪魔になるし。気持ちがこもったおじぎをしたらいいわ」
ほむら「そうね。挨拶は基本だわ・・失礼します」
なぎさ「あ、また鳥居があるのです」
マミ「じゃあまたおじぎをして・・・お稲荷さんみたいにたくさん鳥居が連なっている場合は、最初と最後でいいと思うわ」
ほむら「参道の中央も歩いたらいけないのよ」
マミ「ええ、正中(せいちゅう)って言って神様の通り道って言われてるわね」
なぎさ「ここを神様も歩くの?」
マミ「そうよ・・またぐ際にも頭を下げるのが作法らしいわね」
ほむら「お正月などは、神社やお寺によっては中央で区切って進行方向を決められてる場合もあるわ」
なぎさ「普通の道でも真ん中を偉そうに歩いている人は嫌いです!」
マミ「そうね、神社のマナーは生活のマナーと一緒よ」
ほむら「手水舎まで来たわ。手を洗いましょう」
なぎさ「これで「てみずしゃ」って読むのです?」
マミ「そうよ。「てみずしゃ」もしくは「ちょうずや」とも言うわ。神様の前に出るのだから、手を洗い口をゆすぎ清めるのよ」
なぎさ「うん!・・やり方はどうするの?」
ほむら「まず右手に柄杓を持って水を汲み、左手を洗うの」
なぎさ「はいです」
ほむら「それから柄杓を左手に持ち替えて、右手を洗うわ」
なぎさ「はいっ」
ほむら「次に、また右手に持ち替えて・・今度は柄杓ですくった水を左手に少し貯めて、口をゆすぐのよ」
なぎさ「少しでいいです?」
ほむら「ええ、口をしめらす程度の人も多いわ」
マミ「ここで絶対してはいけないのが、柄杓に直接口をつけることよ」
ほむら「他の人も使うって意識が大事ね。さあ、口をゆすぎ終わったら、もう一度左手を洗うの」
なぎさ「水が無くなったのです」
ほむら「なら汲んだらいいわ。左手を洗い終わったら柄杓を立てて、残りの水で柄杓の持つ部分を洗うの。これは無理にしなくてもいいわ」
マミ「これ全部を最初に汲んだ水だけでやるのが綺麗な作法よ」
ほむら「さぁこれで清められたわ。御本殿に向かいましょう」
なぎさ「小さな神社がいっぱいあるのです」
マミ「摂社(せっしゃ)、末社(まっしゃ)ね。御本殿に祀られている神様と関係が深いお社が摂社。それ以外が末社と言われているけど・・」
ほむら「あまり厳密に分けられていない神社もあるし、最近はそういった取り決めも無いそうよ。でも、一般にはそうだと思ってた方が覚えやすいわね」
なぎさ「お参りするの?」
マミ「本来ならした方がいいのだけど・・神社によっては本当にたくさんあるし、気持ちでいいと思うわ」
ほむら「受験生なら学業の神様、体が弱い人なら健康や医薬の神様、といったように、自分の願い事を司る神様に参るのもいいわね」
マミ「じゃあなぎさちゃんは学業の神様にちゃんとお参りしないと」
なぎさ「勉強ちゃんとしてるよ!冬休みの宿題も全部やったのです」
マミ「あら偉いわ、よしよし」
マミ「さぁ御本殿に着いたわ。お賽銭を入れてお参りしましょう」
なぎさ「いくら入れるの?」
ほむら「気持ちでいいのよ。5円でも10円でも・・100円でもいいわ」
マミ「お願いごとが大きければ、奮発してもいいわね」
なぎさ「じゃあなぎさは10円入れるです!」
マミ「じゃあお金を入れたら、二礼二拍手一礼でお参りするわよ」
ほむら「なぎさちゃんは私たちに合わせてくれたらいいわ」
マミ「まずは二回おじぎをして・・・」
ほむら「次は二回手を叩いたあと、手を合わせたまま、お願いごとをするの」
なぎさ「チーズがいっぱい食べたいです!」
マミ「そして、最後に一礼するのよ。はい、良く出来ました」
なぎさ「神様にお願いしたのです。チーズが降ってくるかな?」
ほむら「ふふ・・後で神様から貰えるわ」
マミ「お願いごとをするタイミングは、二拍手の前後どちらでもいいし、一礼した後で改めてしてもいいわ」
ほむら「神主さんがしてる正式な作法は二礼・祝詞奏上・二礼二拍手一礼だからね」
マミ「神社によっては四拍手や八拍手のところもあるから、その神社に合わせた作法をするのよ」
なぎさ「そうだ!昔テレビで女の人が、手を叩く時に音を出したらダメって言っていたのです」
ほむら「ああ、ほそ○かず○ね。あのホステスの言うことを真に受けたらダメよ」
マミ「音を出さない拍手は「偲び手」と言って、葬式の時にする作法なの。神社でするのはとても失礼なのよ」
なぎさ「怖いです・・テレビに出る偉い人でも嘘をつくのです!」
ほむら「あれは別に偉いわけではないわ」
マミ「さぁ、お守りを見ていきましょう」
なぎさ「可愛いお守りがいっぱいあるの!」
マミ「なぎさちゃんにはこのランドセルのお守りが似合うわ」
なぎさ「可愛い~これ欲しいの」
マミ「じゃあ受けていきましょうか。あ、神社では「買う」のではなくて、「受ける」と言うのよ。ほら、あの巫女さんに渡して?」
なぎさ「はい、これ受けるのです!」
巫女「はい。一体五百円お納めいただきます」
なぎさ「お守りは一体って数えるの?」
ほむら「そうよ、神様の力を分けた御分霊であり御神体だから。一体、二体と数えるの」
マミ「はい、なぎさちゃんのお守りよ」
なぎさ「ありがとうなのです!巫女さんもありがとうなのです!」
マミ「さぁ、お守りを見ていきましょう」
なぎさ「可愛いお守りがいっぱいあるの!」
マミ「なぎさちゃんにはこのランドセルのお守りが似合うわ」
なぎさ「可愛い~これ欲しいの」
マミ「じゃあ受けていきましょうか。あ、神社では「買う」のではなくて、「受ける」と言うのよ。ほら、あの巫女さんに渡して?」
なぎさ「はい、これ受けるのです!」
巫女「はい。一体五百円お納めいただきます」
なぎさ「お守りは一体って数えるの?」
ほむら「そうよ、神様の力を分けた御分霊であり御神体だから。一体、二体と数えるの」
マミ「はい、なぎさちゃんのお守りよ」
なぎさ「ありがとうなのです!巫女さんもありがとうなのです!」
巫女「ようこそ御参拝くださいました」
なぎさ「ありがとうございます、じゃないのです」
マミ「お店ではないからよ。あくまでお金を寄進、奉納したお下がりとしてお守りをいただくのよ。より丁寧ね」
なぎさ「おねえちゃんたちもお守り買っ・・受けたです?」
マミ「ええ、受験だから学業のお守りよ」
なぎさ「そういえば、アニメでお守りは自分で受けたらダメって言っていたのです!マミおねえちゃんも誰かから貰わないとバチが当たるのです!」
ほむら「ああ、ぎ○ぎつ○のことね。あれは変な話ね、聞いた事が無いわ」
マミ「うーん・・・昔は講中といって、村や部落の人達が毎年何人かの代表を選んで、お金を託して神社参りをしていたみたいよ」
ほむら「昔は神社仏閣を参拝するという名目があれば旅行がしやすかったかららしいわね」
マミ「それで、その代表の人達が村のみんなの分のお守りやお下がりを受けて帰る・・そこから来た発想かしら」
ほむら「どちらにしても自分で受けたらダメというのは珍説よ。奉納したものに対して神様のお下がりを受ける。いちいち人を経由するのは意味が分からないわ」
マミ「まぁ、人から貰ったら嬉しい、というぐらいかしら」
なぎさ「じゃあ気にしなくていいんだね、良かったー」
ほむら「おみくじもあるわよ・・・あら、鹿目まどかに美樹さやか」
まどか「あ、ほむらちゃん!謹賀新年だよ」
さやか「げっ!ほむら・・あんたこんなところ来て大丈夫なの?」
ほむら「あけましておめでとう・・あら、なんのことかしら」
マミ「鹿目さん美樹さん、あけましておめでとう」
なぎさ「おめでとうなのです!」
まどか「マミさんもなぎさちゃんも、おめでとうございます」
さやか「おめでとうございます・・そういえば何でほむらが苦しむって思ったんだろ・・」
マミ「佐倉さんは一緒じゃないの?」
まどか「杏子ちゃんはお参り済ませたら・・」
さやか「屋台だーって走っていっちゃいました・・あのバカ!」
ほむら「そう・・2人とも、おみくじ引いてたの?」
マミ「ほらなぎさちゃん、良く振って棒を出すのよ」
なぎさ「うん!大吉でろ~」
さやか「末吉だった・・」
まどか「私は大吉だったよ!」
ほむら「さすがまどかね。そのおみくじは財布にでも入れて大事に持っておくといいわ」
さやか「悪い運勢のは結んでいくって聞いたから、これ結んでこよ」
ほむら「待ちなさいさやか。結んでもいいけど、なるべく持っていた方がいいわ」
さやか「えーだって良くなかったんだよ。見てこの恋愛運、絶望的って・・ある意味凶だよこれ」
マミ「それでも持っていたらいいわ。おみくじは占いでもあり神様の託宣でもある。悪い運勢は「戒め」と思うべきよ」
ほむら「悪いものは置いてくるっていう意味もあるから、どちらでも自由ではあるけど」
さやか「そしたら持っておくかなー」
まどか「ほむらちゃんは何だったの?・・大凶・・」
ほむら「大凶なんて入って無さそうなおみくじなのに、してやられたわ。友情、必ず壊れる・・放っておきなさい。せっかく会いに来たのに覚えてなさいよ」
まどか「・・誰と話してるの?」
ほむら「ただの独り言よ、まどか」
マミ「絵馬にお願いごとを書く人もたくさん居るわ」
ほむら「昔は本物を馬を奉納していたのよ」
さやか「本物~!?」
なぎさ「馬でいっぱいになるのです!」
マミ「そう、時代とともに馬を奉納するのも困難になったから、絵に描いた馬を奉納するようになったの」
ほむら「今は馬に限らず様々な絵やオブジェがあるわね。神社で授与している絵馬も、バリエーション豊富よ」
まどか「神社によっては、萌え絵馬で盛り上がってるところもあるよね」
ほむら「まどか、それは知らなくていいことよ」
マミ「さあひととおり参拝は終わったわね」
ほむら「じゃあ帰ろうかしら」
マミ「最後に、鳥居をくぐったら御本殿の方角におじぎをして出るのよ」
なぎさ「神様、ありがとうなのです」
さやか「失礼します!」
まどか「また来ますね~」
ほむら「じゃあ私はこれで失礼するわ・・また学校で会いましょうね」
マミ「暁美さん、今日は付き合ってくれてありがとう」
なぎさ「ほむらお姉ちゃんも、みんなもありがとうなのです!」
さやか「今日はお疲れ~また学校でね!」
まどか「私も楽しかったよ!ありがとう、ほむらちゃん、マミさん、なぎさちゃん」
マミ「なぎさちゃん、綿菓子があるわよ。買ってあげるわ」
なぎさ「わたがし欲しい!ちーず味はあるの?」
マミ「チーズ味は残念ながら無いわ。でも、チーズケーキがいえにあるわ。なぎさちゃん、寄っていく?」
なぎさ「わーい、おねえちゃんの家に行くの!」
なぎさ「チーズ、チーズ♪
おいしいチーズはだ・あ・れ♪」
マミ「あら、なぎさちゃん。それは何の歌かしら?」
なぎさ「えへへ、秘密なのです!」
これにて終わりです!
初詣に関してSSを書きたくなったので書きました!
みなさん良いお年を!!
レスありがとうございます!
時間が無かったので最後は駆け足になってしまいました。
描写を省いてしまいましたが、ほむらはその神社の御祭神に会いに来たという設定です。
多神教の日本では、ほむらも八百万の神の一人だと思いますので。
このSSまとめへのコメント
作者さん神社好きなんだなーと感じられた
読んでて気持ちよかったです