サトシ「あれから20年か・・・」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1502097396
サトシ「ハァ、今日もデスクワークか・・・俺苦手なんだよなぁ」カリカリ
俺、マサラタウンのサトシ
20年前ポケモンマスターを目指して色々な地方を相棒のピカチュウやたくさんの仲間やポケモン達と旅した俺は
サトシ「でもちゃんとやらないと社長に怒られるしなぁ」カリカリ
現在とある会社の会社員
グズマ「おい!サトシ!社長が呼んでるぜ!」
サトシ(またか・・・)スクッ
あの日・・・アローラ地方で新設されたポケモンリーグ
俺と相棒のピカチュウは今度こそ優勝してやるって意気込みでリーグに挑んだ・・・
・・・結果は決勝戦で敗退・・・
俺はまた優勝できなかった
俺は自分の未熟さを悔やんだ
そして・・・
ピカチュウはその決勝のバトルで二度とバトルできないような深傷をおってしまった
ピカチュウはカントーからずっと一緒だった相棒だ。なんとしても治してやりたい
そんな思いで俺は必死にアローラ中の・・・他地方のポケモンセンターも駆け回った
でもそんな思いもむなしく・・・
みるみる弱っていくピカチュウ
せめて最期はと・・・カントー地方に帰った俺達・・
ピカチュウはマサラタウンの俺の家で息をひきとった
最期はまるで寝てるような顔だったっけ
あれから俺はポケモンバトルが怖くなってしまった
なんとか俺を励まそうとしてくれる仲間達・・・
でもダメだ・・こんな事言ったらピカチュウに笑われちゃうかもしれない・・でも・・・
やっぱり俺には・・いつもいつでも側にいてくれたピカチュウがいなきゃダメなんだ・・・
あれから20年・・・ジムリーダーやフロンティアブレーンの話もあったけど全部断った
そして・・・ピカチュウがいなくなってただの脱け殻になった俺を拾ってくれたのが今の社長だ
サトシ(また怒られんのかな?)
コンコン
サトシ「失礼します」スッ
リーリエ「・・・・・」
サトシ「えっと・・・」
シロン「コーン」
リーリエ「サトシ、先週お願いしていたウルトラビーストの調査書の件ですが」
サトシ(やっぱその話か)
サトシ「ご、ごめんリーリエ!まだちょっとまとめてなくて・・・」
リーリエ「・・・・」
サトシ「リーリエ?」
リーリエ「サトシ、私達はいくら友人といえども会社に来たら上司と部下です」
リーリエ「サトシも立派な社会人なんです、いつまでも学生気分では困りますよ?」
サトシ「す、すみません社長・・・」
リーリエ「・・・調査書・・今日までの予定でしたよね?」
サトシ「は、はい・・・」
リーリエ「スクールの宿題ではないのですよ?ちゃんと提出期限を守ってください」
サトシ「ご、ごめんなさい・・・」
リーリエ「・・・・明日は必ず提出するように」
シロン「コーン」
サトシ「はい・・・」
リーリエ「それと」
サトシ「?」
リーリエ「カントーへの転勤の件ですが・・・・」
サトシ「・・・・」
サトシ「その話は受けられません」
サトシ「失礼します」
ガチャッ
バタン
リーリエ「サトシ・・・」
シロン「コーン」
リーリエは母親の跡を継ぎ、今や各地方に支部を持つ大企業"エーテル財団"の社長だ
俺はピカチュウがいなくなってヘコんでるところをリーリエに拾われ、財団の社員として働いている
ちなみに今もスイレンやマオとは定期的に会ってるみたい
グズマ「おっ!サトシ!また社長に怒られたのか?」ニヤニヤ
サトシ「グズマさん・・・」
サトシ「ほっといてくださいよ!俺、やんなきゃいけない仕事があるんで失礼します!」
グズマ「おーおー、荒れてんねェ?」
サトシ(どーすっかなー、調査書つくんなきゃいけないけど、このまま家に帰るのもなぁ・・・)
サトシ「・・・・・・」スッ
プルルルル
『はい』ガチャッ
サトシ「あっ!カキか?」
カキ『サトシ!どうした?もう仕事が終ったのか?』
サトシ「ああ、今日はちょっと早めに終わったんだ」
サトシ「なぁ、カキ!今から飲みにでも行かないか?」
カキ『・・・すまん、サトシ』
カキ『ちょっと娘が熱を出しててな?側にいてやらなきゃなんないんだ』
サトシ「そ、そっか?なら仕方ないな?」ハハッ
カキ『悪いな?また今度埋め合わせするから・・・』
サトシ「い、いや、娘が熱出してんなら仕方ないよ」
サトシ「娘さん、お大事にな?」
カキ『ありがとう』
ブチッ
ツーツー
サトシ「・・・・・」
サトシ「一人で飲みに行くか」
Bar ~R~
サトシ「おえ~」グダー
コジロウ「おいおい、飲みすぎだぞ~?」
サトシ「いーじゃんべつにぃ・・俺達の仲らろ?」オエッ
ニャース「呂律がわまってないにゃ」
ソーナンス「ソーナンス!」
ムサシ「帰ってやんなくちゃいけない仕事あんじゃないの?」
サトシ「もうちょっろらけ~」
ムサシ「ハァ・・・」
コジロウ「俺達と熱いバトルをしていた頃のジャリボーイは何処にいったんだか」
ニャース「一方的にやられてただけにゃ」
ソーナンス「ソーナンス!」
コジロウ「うっ・・・」
ムサシ「・・・ポケモンマスターになるって目を輝かせて言ってた頃が懐かしいわね」
サトシ「・・・・それはいいっこなしだぜ」
ムサシ「・・・・・・」
コジロウ「懐かしいなぁピカチュウ・・・」
ニャース「にゃっ!コジロウ!」
コジロウ「おっと」バッ
ムサシ「・・・・・」
サトシ「・・・タケシは今や世界に名だたるポケモンドクター」
ムサシ、コジロウ、ニャース「!」
サトシ「カスミはハナダのジムリーダー、そういやケンジと結婚したんだっけな?」
コジロウ「み、水持ってくるか?」
サトシ「ハルカやマオもママやってるし、カキは自分の牧場を経営しながら島キングだもんなあ」
サトシ「マサトも家を継いでジムリーダー・・・確かホウエ最強なんだっけ?」
サトシ「マーマネもカロスでシトロンと組んでよくわかんないけど難しい研究やってるし、ユリーカやアイリスなんて今や各地方のチャンピオン」
サトシ「幼馴染のシゲルなんて若くしてポケモン研究の権威だもんな、さすがはオーキド博士の孫だよ」ハハッ
ムサシ「それに比べてアンタはポケモントレーナーをやめて、同級生の財閥社長の部下か」
ムサシ「なっさけないわねー」
サトシ「・・・・・」
コジロウ「ムサシ・・・」
ニャース「にゃ・・・・」
サトシ「いいんだよ、リーリエには感謝してるし、俺は今幸せだからさ」
コジロウ「ジャリボーイ・・・」
ムサシ「・・・・・」
サトシ「・・・もう一度ピカチュウに会いたいな」ボソッ
ムサシ、コジロウ、ニャース「!」
サトシ「帰る」フラッ
コジロウ「お、おい!」
家
サトシ(遅くなっちゃったな。怒ってるかな?)
ガチャッ
サトシ「ただいま」
スイレン「お帰り、サトシ!」
スイレン「・・・サトシ、お酒くさい」
スイレン「また飲んできたの?」ジッ
サトシ「えっと・・・・」
スイレン「・・・・浮気じゃないんならいいんだけど・・・」
サトシ「そ、そんな事しないよ!」
スイレン「でも、飲みにいくんならちゃんと連絡してね?」
サトシ「あ、ああ・・・」
スイレン「ならいい!ご飯できてるから」ニコッ
サトシ「さ、サンキュー、スイレン」
アシレーヌ「アシレーヌ」モミモミ
サトシ「あー、サンキュー・・気持ちいいぜアシレーヌ」
スイレン「ねえサトシ」
サトシ「ん?」モグモグ
スイレン「来月さ、スクールのみんなで久しぶりに集まろうってなったの」
サトシ「え?」
スイレン「簡単な同窓会?ってやつかな?」
サトシ「・・・つったってカキやマオにはよく会うじゃん?」
サトシ「博士やロトムにもたまに会うしさ、リーリエなんか毎日会社で顔合わせてるぜ?」
スイレン「それはそうだけどさ、来月マーマネが帰ってくるの!」
サトシ「え!?マーマネが?」
スイレン「うん、マオちゃんが言ってた!」
サトシ「マジ!?嘘じゃないよな?」
スイレン「もう!いつまでも子供の時と一緒にしないで!」プクー
サトシ「わ、悪い悪い」ハハッ
サトシ「マーマネかあ・・・久しぶりに会いたいな・・・今どんなんになってんのかなー」
スイレン「痩せてイケメンのモテモテらしいよ?」
サトシ「マジ!?」
スイレン「嘘です」テヘペロ
サトシ「おい!」
アシレーヌ「アシレーヌ」
スイレン「マオちゃんのとこさ、二人目産まれるらしいの!」
サトシ「え!?」
スイレン「それでさ、サプライズでそのお祝いパーティーも兼ねてしようって博士やリーリエとも話してたんだ!」
スイレン「あ、この話内緒だよ?」
サトシ「わ、わかってるよ!」
スイレン「・・・ねえサトシ」
サトシ「ん?」
スイレン「今日、リーリエからカントーへの転勤の話されなかった?」
サトシ「・・・・・」
サトシ「されたけど?」
サトシ「でも断ったよ」
スイレン「なんで?」
サトシ「・・・だってスイレンもマオやリーリエと離れるのは寂しいだろ?」
スイレン「そ、そうだけど・・・」
スイレン「でも、カントーのお義母さんもさ、今後ずっと一人じゃ心配だし、そろそろマサラタウンで一緒に暮らしてもいいと思うの」
サトシ「・・・バリちゃんもいるし大丈夫だよ」
サトシ「それにさ、いざとなったらママもアローラに呼べばいいよ」
スイレン「サトシ・・・」
スイレン「サトシ、マサラタウンはサトシの故郷でしょ?」
サトシ「だからなんだよ」
スイレン「・・・・サトシは・・・ピカチュウの事を思いだしちゃうからマサラタウンに住みたくないの?」
サトシ「・・・・・」
アシレーヌ「アシ・・・」アセアセ
サトシ「ごめんスイレン、明日までにやんなきゃいけない仕事があるから」スッ
スイレン「サトシ・・・・」
翌日
マラサダショップ
カランカラン
マオ「ごめんねスイレン?遅くなっちゃって!」
スイレン「こっちこそ、呼び出してごめんね?マオちゃん」
マオ「ははは、いーっていーって」
マオ娘「ママーあれたべたーい」
マオ「うん、じゃあちゃんと座って?それからスイレンおばさんに挨拶!」
マオ娘「スイレンおばさんアローラ!」
スイレン「アローラ」ニコッ
スイレン「マオちゃんもすっかりお母さんだね?」クスッ
マオ「昨日まで熱出してた癖にもうすっかり元気だかんねー」
スイレン「病み上がり・・・大丈夫なの?」
マオ「来たいってきかなくって・・・なるべく早く切り上げる予定」
スイレン「・・・・ごめんね」
マオ「だから気にしないでって!私とスイレンの仲じゃん!」
マオ「で、相談ってなに?」
スイレン「・・・その・・」
マオ「サトシの事?」
スイレン「!」
スイレン「なんでわかったの!」グイッ
マオ「わかるよー!言ったじゃん、私とスイレンの仲だって?」
スイレン「マオちゃん・・・・」
マオ「・・・このマラサダショップさぁ?昔みんなでよく一緒にきたよね?」
スイレン「うん、懐かしい」
マオ「私とスイレンとリーリエ・・・カキにマーマネにサトシとロトムそれに・・」
スイレン「ピカチュウ・・・」
マオ「・・・・あの時は想像もしてなかったな~」
スイレン「え?」
マオ「こうやって、娘と一緒にここに来るなんてさ?」ナデナデ
マオ娘「ママー」
スイレン「・・・・・」
マオ「子供ってさ?いざ持ってみると大変だけどさ?」
マオ「・・・この娘の為なら命も惜しくないってくらい愛しいの」
スイレン「マオちゃん・・・」
マオ「スイレンはさ?子供はまだ?」
スイレン「!?」
マオ「私達もさ?いい歳なんだし早くつくらないとー?」
マオ「サトシも子供ができれば昔みたいになるかもよ?」ニヤニヤ
スイレン「うぅ////」
マオ「・・・ふふっ、変わんないねスイレン?」
スイレン「え?」
マオ「ほらっ、そーやってすぐ赤くなるとこ!昔と変わんない!」クスッ
スイレン「・・・・」
マオ「きっとサトシだってそうだよ?昔と変わんないよ」
スイレン「!」
マオ「・・・・あのさ、一つ提案があるんだけど?」
スイレン「提案?」
ククイの家
コンコン
サトシ「博士ー?いるー?」
ガチャッ
ククイ「おっ!どうした?サトシ?」
ロトム図鑑「サトシロトー!」ヒュー
サトシ「ははっ、久しぶりに博士やロトムの顔を見にきたんだ」
サトシ「久しぶりだな?ロトム!」
ロトム図鑑「ロトー!実に36日ぶりロト!」
サトシ「ははっ」
ククイ「どうしたサトシー?またリーリエに叱られたか?それともスイレンとケンカしたか?」
サトシ「そ、そんなんじゃないよ!」
ククイ「ははっ、とにかく入れ」
キイー
サトシ「うわーっ!変わってないなあ!」キラキラ
ククイ「サトシと会うのは外ばっかりであんまり家に来ないからなぁ?」
ククイ「ま、昔みたいにゆっくりくつろいでってくれ!飲み物をとってくる」
サトシ「サンキュー!博士!」
サトシ「テレビでも見てよっと」ピッ
ジャジャーン
サトシ「おっ」
ロトム図鑑「ロロー!今大人気のカロスクイーンセレナロト!」ヒュー
ククイ「ははっ、ロトムはセレナにメロメロだからな?」
サトシ(夢を叶えて・・・頑張ってんだなセレナ・・・・)
サトシ「・・・・セレナはカロスクイーン、ユリーカはカロスチャンプ・・・シトロンは天才発明家か・・・・」
サトシ「こんなすげーやつらと一緒に旅してたなんて信じられないよなピカチュ・・・・」チラッ
サトシ「あっ・・・・」
ククイ「・・・・・・」カチャカチャ
ロトム図鑑「サトシー!ピカチュウはもういな・・・」
ククイ「ロトム!」
ロトム図鑑「ロ・・・」
サトシ「・・・いいよ博士、ロトム」
ククイ「サトシ・・・」
ククイ「ど、どうしたー?サトシ!昔のような10万ボルトみたいにハジける元気がないぞー?」
サトシ「ははっ、俺も歳かな?」
ロトム図鑑「サトシー!サトシはまだまだ若・・・」
ククイ「ロトムは少し黙っててくれ」
ロトム図鑑「ロ」
ククイ「サトシ、マーマネの事は聞いたか?」
サトシ「ああ、スイレンから聞いた。来月帰って来て同窓会するんだろ?」
ククイ「ああ、当然サトシも来るよな?」
サトシ「あったり前だろ?早くマーマネに会いたいなぁ!」
ククイ「ふふっ」
ククイ「なぁ、サトシ、ちゃんとたまにはカントーの実家にも帰ってるのか?」
ククイ「たまには顔見せないとお母さん、心配するぞ?」
サトシ「・・・・」
サトシ「悪い博士、俺もう行くよ・・・仕事の途中なんだ」スッ
ククイ「サトシ・・・」
ロトム図鑑「サトシー?まだ来たばかりロトよ?ジュースも飲んでないロト!」
サトシ「ははは、悪いロトム、またゆっくり来るよ」
ロトム図鑑「ロー」
サトシ「・・・ありがとう博士」
ククイ「!」
サトシ「博士はやっぱりアローラでの俺のパパだよ」
ククイ「・・・・」
サトシ「それじゃ」キイー
バタン
ロトム図鑑「ロー」
ククイ「サトシ、辛かったらいつでもこいよ?」
ポケモンスクール前
少年「いっけー!イワンコー!」
イワンコ「ワン!」
ワイワイ
サトシ「・・・・・」
「サトシ」ポンッ
サトシ「! カキ」
カキ「こんなとこで何やってんだ?サボリか?」
サトシ「ははっ、そんなとこかな?」
サトシ「カキこそ何やってんだ?娘さんはもう大丈夫なのか?」
カキ「ああ、お陰様でな?今頃マラサダショップにでも行ってるよ」
サトシ「さすがはカキの子だな?」ハハッ
カキ「で、俺はモーモーミルクの配達の途中だ」
リザードン「ヴォ」
サトシ「そっか・・・」
カキ「どうだサトシ?今夜時間があるならいつものBarで一杯?」
サトシ「んー・・・今日はやめとくかな?スイレンに心配かけたくないし」
サトシ「それにさ、カキも奥さんや娘の側にいてやれよ」
カキ「? ああ・・・」
サトシ「それはそうとさー、カキ」
サトシ「ホシちゃん彼氏いるんだって?」
カキ「うっ」グサッ
カキ「お、俺はまだ認めた訳では・・・」
サトシ「俺達もさー?いい歳なんだしシスコンは卒業しろよー?ホシちゃんに嫌われるぞ?」
カキ「そ、そんなんじゃないし・・・」
マーマネが帰ってくる一週間前
海岸
ザザー
サトシ「どうしたスイレン?こんなとこに呼び出して」
スイレン「・・・昔、よくここでバルーンの練習したよね?」
サトシ「ん?ああ、懐かしいなぁ」
サトシ「あん時はまだアシマリだったな」ナデナデ
アシレーヌ「アシー」
サトシ「・・ピカチュウも一緒だったっけ・・・」
スイレン「・・・・」
スイレン「アシレーヌ!バルーン!」
アシレーヌ「レー」プワー
サトシ「!」
スイレン「入って!サトシ!」ギュッ
サトシ「ん?ああ・・・」
サトシ「ははっ、すげーなスイレン、アシレーヌ!」プワップワッ
サトシ「これなら海中探索もできるよ!」
アシレーヌ「アシー」
スイレン「サトシのお陰!」
サトシ「え?」
スイレン「・・・私、あの頃からずっと元気で真っ直ぐなサトシが大好きだった」
サトシ「・・・よせよスイレン、照れるよ」
スイレン「私、夢が増えたの」
サトシ「え?」
スイレン「いつか、アシレーヌのバルーンに入って海の中をお散歩するの」
スイレン「私と、サトシと・・・・」
スイレン「私達の子供と一緒に!」ニコッ
サトシ「スイレン・・・」
スイレン「ねえサトシ、来週マーマネが帰ってくるでしょ?」
サトシ「ん?ああ、同窓会の事か?」
スイレン「みんなで決めたの」
サトシ「決めた?」
スイレン「同窓会はさ?みんなで旅行に行くことにした」
サトシ「旅行?マーマネが折角帰ってくんのにか?」
スイレン「うん、マーマネもOKしてくれたよ?」
スイレン「だからさ、みんなで行こうよ?」
スイレン「カントーに旅行に!」
サトシ「!?」
サトシ「カントー・・・」
スイレン「いや?」
サトシ「いや、でもさ・・・」
サトシ「ほらっ、家そんなにお金持ちじゃないし・・・」
スイレン「大丈夫!最近サトシあんまり飲みに行ってないし、それくらい平気だよ」
サトシ「カキん家だってマオが妊娠してんだろ?妊婦にあんまり無理させちゃあさ?」
スイレン「まだマオちゃんのお腹そんなにおっきくないし大丈夫!それにマオちゃんとカキも旅行に行きたいって!」
サトシ「・・・会社の休みが・・・・」
スイレン「リーリエ社長も来るんだよ?」
サトシ「・・・・・」
サトシ「なぁスイレン、旅行ならさ、カントーじゃなくても」
スイレン「もう多数決で決まったの!」
スイレン「サトシもちゃんと来るよね?」
サトシ「・・・・・」
当日
空港
マオ「カントー旅行楽しみだねー!」
スイレン「うん!何処いこっか?」
キャッ キャッ
カキ「やれやれ」
カキ「にしても、よく来てくれたな?サトシ!」
サトシ「あ、ああ・・・」
カキ「サトシ、実はカントーにいい店がな?」ヒソヒソ
サトシ「や、やめてくれカキ・・スイレンに殺されちゃうよ」
マオ娘「パパー!」
カキ「なぁに?」デレー
サトシ「カキ・・・」
ククイ「ははっ、変わらんなお前らは」
リーリエ「みなさん!遅れてすみません!」ガラガラ
シロン「コーン」
スイレン「リーリエ!」
マオ「もう、遅いよリーリエ!」
リーリエ「すみません・・・」ガラガラ
サトシ「社長!」ビシッ
カキ「サトシ・・・」
リーリエ「ハァ・・サトシ」
サトシ「な、なんですか!?」
リーリエ「論理的結論から言いますと、前もいいましたが、ここは会社ではありません!」
リーリエ「公私混同はしないでください!」
サトシ「す、すみま・・・」
リーリエ「サトシ?」
サトシ「あっと・・・」
リーリエ「プライベートでは昔みたいにリーリエでいいんですよ?」ニコッ
サトシ「・・・わかったよ、リーリエ!」ニッ
リーリエ「はい、サトシ」ニコッ
カキ「ふっ」
スイレン「サトシ、リーリエとイチャイチャしてる・・・」
スイレン「浮気だ」プクー
マオ「スイレン・・・・」
ミンナー
サトシ「!」
リーリエ「マーマネ!」
マーマネ「久しぶりだね!」
トゲデマル「マリュー」
カキ「ま、マーマネお前・・・」
マーマネ「なに?」
マオ「痩せてイケメンになってる」
スイレン「うわー・・・」
サトシ「マジかよ」
マーマネ「みんな変わってないねー?」ニコニコ
リーリエ「マーマネは変わりすぎですけどね」
サトシ「マーマネ!久しぶりだな!なんかすごい研究してるんだってな?」
マーマネ「うん、今はさ!」ペラペラ
サトシ「ははっ、なに言ってるか全然わかんねーや」ハハッ
ククイ「ははは」
マーマネ「あっ!そうだ!」
サトシ「ん?」
マーマネ「今日はさ?サトシに会わせたい人がいるんだよ!」
サトシ「会わせたい人?」
「久しぶりですね?サトシ」
サトシ「!」
サトシ「マジかよ・・・」
サトシ「シトロン!」
シトロン「サトシ、変わってないですね?」
サトシ「な、なんでシトロンが・・・」
スイレン「良かったね!サトシ!」
サトシ「スイレン・・・」
リーリエ「どうでした?」
マオ「私達の」
カキ「アローラサプライズは?」
ククイ「驚いたか?サトシ?」
サトシ「みんな・・・知ってたのか?」
ロトム図鑑「マスター!」ヒュー
シトロン「ははっ、久しぶりですね?ロトム図鑑!」
マーマネ「前にも言ったでしょサトシ?シトロンは僕と一緒に研究してるって?」
サトシ「あ、ああ・・・」
シトロン「それに・・・」
シトロン「今日は同窓会なんでしょ?」
サトシ「え?」
カントー マサラタウン
リーリエ「マサラタウン・・・空気が美味しいです」スーッ
マオ「開放的!」
マオ娘「すごーい!あそんでいい?」キラキラ
カキ「ははっ、あんまり遠くにいくなよー?」
マオ娘「はーい!」
マーマネ「マサラタウンの空気は澄んでるね?」
シトロン「そうですね・・・次の研究の題材は・・・」ブツブツ
サトシ「・・・・」
スイレン「ほらっ、どうしたのサトシ?」
スイレン「お義母さん、待ってるよ?」グイッ
サトシ「ああ・・・」
サトシ(ここに来ると、どうしても思いだしちゃうな・・・)
サトシ「悪い、ちょっとその辺歩いてくるよ」
スイレン「サトシ・・・」
サトシ(マサラタウン・・・変わってないな・・・)トボトボ
サトシ(ピカチュウ・・・)
サトシ「・・・少し休むかな・・」ヨッ
ガシャン
サトシ「!」
サトシ「いっけね、自転車倒しちゃったよ」ヨッショ
「ちょっとー!人の自転車になにしてんのよー!」
サトシ「ご、ごめん!今すぐ直すから・・・」
サトシ「!」
サトシ「な、なんで・・・」
カスミ「アンタってさ?昔からそうだよね?」クスクス
サトシ「カスミ!」
ケンジ「やあ、サトシ!」
サトシ「ケンジ・・・なんで・・・」
スイレン「ほらっ、サトシ!」
スイレン「早くいこ?」ギュッ
サトシ「い、いや、でも・・・」アセアセ
カスミ「ほーら、なに奥さんを待たせてんのよ!」ドンッ
ケンジ「早く行こうよサトシ!」
サトシ「え?ちょっとどういう・・・」
オーキド研究所
ワイワイ
サトシ「・・・どうなってんだよ・・」
スイレン「サトシ、最初に言ったでしょ?」
スイレン「同窓会だって!」ニコッ
ハルカ「サトシ!久しぶりかも!」
サトシ「ハルカ!」
ハルカ「ふふふ、サトシ、変わってないかも!」
サトシ「ハルカこそ!結婚式行けなくてごめんな?」
ハルカ「気にしてないかも!」
マサト「サトシの奥さん綺麗だな~」
スイレン「ふふっ、ありがと」ニコッ
サトシ「マサト・・・・」
マサト「あっ!サトシ!僕さ!あれからすごく強くなったんだよ!」
マサト「だからさ!僕とバトルしてよ!」キラキラ
サトシ「えと・・・バトルはその・・」
ユリーカ「ちょっと待って!」
サトシ「ユリーカ・・・」
ユリーカ「バトルならカロスチャンプであるユリーカが先だよ?」
サトシ「ユリーカ・・・おっきくなったな」グスッ
アイリス「メソメソするなんて子供ねぇ?」
サトシ「アイリス!」
アイリス「アタシが慰めてあげよーか?」
スイレン「・・・・・」ギロッ
サトシ「い、いや・・遠慮しとくよ」ハハッ
ヒカリ「シャトシー!」モグモグ
サトシ「おっ!ヒカリー!」
ヒカリ「シャトシひしゃしぶりに」モグモグ
サトシ「食ってから喋れよ・・・・」
ヒカリ「サトシ、ゴクン、久しぶりにあれやろ!」
サトシ「おっ!あれだな!」
サトシ、ヒカリ「「ハイターッチ!!」」パシン
マオ「いいの?スイレン?」ニヤニヤ
スイレン「許す」
サトシー
ダダダ
サトシ「!」
セレナ「会いたかったよ!サトシ!」ギュッ
サトシ「セレナ!?」
スイレン「!?」
セレナ「サトシ!話したいことがいっぱい!」
サトシ「お、落ち着けよセレナ!」
スイレン「ちょっと」グイッ
セレナ「!」
スイレン「私の旦那」
セレナ「だから?」
ゴゴゴゴ
サトシ「ヒェッ・・・・」
ヒカリ「サトシだいじょーぶ?」モグモグ
デント「サトシ、再会のテイストだね?」
サトシ「デント!」
タケシ「サトシ!会いたかったぞ!」
サトシ「タケシ・・・」ウルウル
タケシ「サトシ、何かあったら遠慮なく俺を頼れよ?」グッ
サトシ「タケシ・・・じゃあさ?」
スイレン「私の旦那に色目つかわないでよ」
セレナ「使ってませーん」
サトシ「あいつら止めてくれ」
タケシ「ははは・・・」
シゲル「やぁやぁサーァトシくーん?モテモテじゃないか?」
サトシ「シゲル・・・」
シゲル「それでこそ僕のライバルだ!」グッ
サトシ「・・・ライバル・・・か・・」
オーキド「サトシくん、大きくなったの」
サトシ「オーキド博士・・・」
ククイ「オーキド博士、ご無沙汰しております」ペコッ
オーキド「うむ、元気そうで何よりじゃなククイくん」
マオ「サトシ、どうだった?」
カキ「俺達のアローラサプライズは?」
マーマネ「びっくりしてくれた?」
リーリエ「みんなでサトシの知り合いに片っ端からコンタクトをとったんですよ?」
サトシ「みんな・・・」
サトシ「ははっ、びっくりどころじゃないよ?」グスッ
ククイ「ふふっ」
オーキド「・・・今でも思い出すの、サトシくんがマサラタウンから旅立った日の事を・・・・」
サトシ「・・・・・」
オーキド「さぁ、会いに行ってあげなさい?」
サトシ「え?」
スイレン「いこっ、サトシ!」グイッ
サトシ「お、おい!スイレン!」
「サトシ」
サトシ「!」
サトシ「ママ・・・・」
ハナコ「サトシ、立派になったわね?」ギュッ
サトシ「ママ・・・・」グスッ
サトシ「ごめん、全然会いにこれなくって・・・」ギュッ
ハナコ「いいのよ?サトシが元気でいてくれればそれで」
ハナコ「お帰り?サトシ」ギュッ
サトシ「・・ただいま、ママ」グスッ
スイレン「ふふっ」
オーキド「うむうむ」ウンウン
ククイ(よかったな、サトシ)グスッ
バリヤード「バーリバーリ」
サトシ「・・・あのさ、ママ・・良かったら一緒に・・・」
ハナコ「サトシ」
サトシ「え?」
ハナコ「・・・そろそろ孫の顔が見たいわ?」ニコッ
サトシ「え!?」
スイレン「・・・・だってさ?」
サトシ「いやっ・・・」ハハッ
ハナコ「ふふっ」
ワイワイ
マサト「あ、あの!ユリーカちゃん!良かったら僕とバトルを・・・」ドキドキ
ユリーカ「えー?でもユリーカ強いよ?」
タケシ「マサト!男ならバトルで勝ち取れ!」
マサト「う、うん!」
デント「釣りソムリエの僕から言わせてもらうと・・・・」
カスミ「アンタ詳しいじゃん!今度一緒に釣りいかない?」
ケンジ「カスミ!?」
セレナ「へー、リーリエのキュウコンの毛並みキレー!」サワサワ
リーリエ「ふふっ、自慢の子ですから」ニコニコ
シロン「コーン」
ヒカリ「ほんとだー」モグモグ
リーリエ「食べるか喋るかどっちかにしてください」
マオ「家の旦那がさー?頼りなくてー」
ハルカ「お互い苦労するかも!」
カキ(頼りない!?)ガーン
シトロン「マーマネくん、次の研究議題ですが・・・」ペラペラ
マーマネ「あっ!それいいね!」
アイリス「私にわかる事話なさいよ!子供ねー!」
ワイワイ
サトシ「・・・・・・」スッ
スイレン「どうしたのサトシ?」
サトシ「・・・・ちょっと家を見てくるよ」
サトシの家
サトシ(懐かしいなぁ・・・ここから旅が始まったんだな)
サトシ(ポケモンを貰う日だってのに寝坊して・・・)
スイレン「サトシ?」
サトシ「・・・・」
ガサッ
サトシ「!」
スイレン「野生のポケモン?」
ガサゴソ
ピカチュウ「ピ?」ガサッ
スイレン「・・・・え!?」
サトシ「・・・ピカチュウ・・」
ピカチュウ「ピー」
サトシ「・・・ピカチュウ・・」ヨロッ
スイレン「サトシ!?」
ピカチュウ「ピー?」ビクッ
サトシ「ピカチュ・・・」ソーッ
ピカチュウ「ビカチュー!」
バリバリバリ
サトシ「ぎゃああああ!」ビリビリ
スイレン「サトシ!」ダッ
サトシ「」プスプス
ピカチュウ「ピー」ビリビリ
スイレン「サトシ、だ、大丈夫?」
サトシ「ははっ」ヨロッ
サトシ「懐かしい感覚だな?」グスッ
スイレン「サトシ・・・」
ピカチュウ「ピ?」
シゲル「やあ、サーァトシくーん」
サトシ「シゲル・・・?」
シゲル「どうしたんだい?そんなところで寝転んで?」
シゲル「なんならバトルでもするかい?」
サトシ「バトル・・・・・」
サトシ「でも・・・」チラッ
ピカチュウ「・・・」プイッ
サトシ「・・・・・」
スイレン「サトシ・・・」
シゲル「・・・・・」
シゲル「いけっ!ブラッキー!」ポンッ
ボンッ
ブラッキー「ブラー!」
サトシ「!」
シゲル「こっちは準備万端だ、早くしてくれないかな?」チョイチョイ
サトシ「俺は・・・・」
ピカチュウ「・・・・」ハァ
トコトコ
ピカチュウ「ピカ」クイクイ
サトシ「・・・一緒に戦ってくれるのか?」
ピカチュウ「ピカピカ」コクッ
スイレン「嘘・・ゲットもしてないのに・・・・」
サトシ「ピカチュウ・・・」グッ
サトシ「よし!」
シゲル「ふっ」
シゲル「ブラッキー!」
ブラッキー「ブラッ!」
サトシ「いくぜピカチュウ!きみにきめた!」
ピカチュウ「ピカー!!」
おわり
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません