勇者「世界が違っても変わらないものはありますよ」(458)

初めましての方は初めまして 今までの作品を読んだことのある方はありがとうございます
このssはシリーズ作品の続きですこれを読む前に
美少女「君にどうしても言いたいことがある...」美少女「君にどうしても言いたいことがある...」 - SSまとめ速報
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男「この学校...やばすぎだろ...」男「この学校...やばすぎだろ...」 - SSまとめ速報
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女「この学校に常識は通じない!」女「この学校で常識は通じない!」 - SSまとめ速報
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男5「人生って何があるかわからないから面白いよな」男5「人生って何が起こるかわからないから面白いよな」 - SSまとめ速報
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男妹「この学校にきて良かった...そう思うよ」男妹「この学校にきて良かった...そう思うよ」 - SSまとめ速報
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を読むことを推奨します 誤字、脱字など多いですがそれでもよろしければどうぞ

~登場人物紹介~ 注)かなり長いです

男:主人公 生徒会副会長 ちょっとしたことで落ち込むが褒められると思い上がる単純な性格 一見、何処にでも居る人だが彼が居た事で解決した問題は多い 普段は頼りないがいざという時はしっかりする 美少女が関わると一転、恐ろしいまでの力を発揮する 最近、将来の夢を見つけた

美少女:もう一人の主人公 生徒会長 公認のファンクラブがあり、時々彼女の写真を巡りオークションが開催される程の美貌を持つが性格が残念な子←だがそれがいい 男と付き合っていて彼としょちゅうイチャイチャしているのが日常茶飯事であり、よく女に呆れられている 『女神モード』と『閻魔モード』という二つのモードを持ち、場合によって飴と鞭のように使い分ける 彼女が未来からやってきた男であることはもはや周知の事実となった

女:ヒロイン(?)な存在 美少女の幼馴染であり、生徒会広報委員 よく男と美少女に振り回されているが、お人好しな性格なため、見捨てることは出来ない模様 最近、色々な人を殴ってきたツケが回ってきた 本名はツクヨミであり、月の神 メイドと男7の母であり、男と美少女、女4の祖先である 祖先と子孫が幼馴染とかいいのかと思うかもしれないが気にしたら負け 過去に人と結婚をし、子供を産んだことで月に幽閉していたことがある これが月の神の由来 昔は大人しい性格だったらしい

男5:女の弟 本名はスサノオ 酒を飲ませたらとんでもないことをやらかすため、一滴もここ数百年は飲んでいない 但し、酒を使った食べ物は大丈夫 許嫁に酒を飲ませられて、担任を襲い子供を孕ませて追放させられた過去を持っていてその後、クシナダ姫と結婚したため2人の妻と多くの子供を持つ 美少女の写真は基本的に彼が撮っており、その腕前はコンテストで金賞を受賞する程 剣道部に所属しているが将来、本気でカメラマンになろうか最近悩んでいる

担任:男達のクラスを受け持つ学年主任 担当教科は古典 女と男5、現国先生の姉 よく美少女母に仕事を押し付けられる苦労人 事実婚になる前から男5のことを愛していた 本名はアマテラスであり、太陽神 主神であるが美少女母と美少女父が身近に居るためあまり存在感が無い 孫を許嫁によって人に頼りっぱなしの子にされたため、許嫁のことを恨んでいる 古風な性格ではあるが頑固という訳ではない

勇者:女によって召喚させられた異世界の男 魔王娘を幼馴染に持ち小さい頃から共に過ごして来たため、向こうの世界に居る彼女のことを常に気に掛けている 生まれ育ちが良いので言葉遣いは丁寧 だが最近、急に余所余所しい喋り方になったと男3と男4に文句を言われた こっちに来たばかりの頃は次元を越えた支障のせいか性転換しており、記憶力が無く女に勧められて『男2』と名乗っていた 今は女と保健先生のおかげで元の姿になれるようになったため、日常生活に支障は出なくなっている 頭が良く、向こうの世界で『フィールズ賞』に相当する賞を受賞する程の功績を持っている 魔法を幾つか使えるが周りを驚かせないようにするために敢えて使わないようにしている 尚、こっちの世界に来た際に現人神になった

男3:読書好きでよく難しい本を読んでおり読書の邪魔をされることを非常に嫌う 本名はバルドルであり、光の神 不死である体質をコンプレックスとしていて死ぬ方法を模索していたが、男4に『生きろ』と言われたことで考えを改め、そのことがきっかけで彼と親友になった 読書の習慣はその頃に身に付いた

男4:家族を大切にし、子供を溺愛している 本名はロキで、神と巨人のハーフ 悪戯好きでよく周囲を困らせていた過去を持つがそれは彼に流れる『巨人の血』によって日常的に起こる破壊衝動を紛らすためであった 今は『神の血』を開放したため破壊衝動は起こらなくなっている 異世界のロキに死に際に彼の子供であるヨルムンガンドを託されており同棲して育てている

男6:美少女の写真を集めまくる金持ちの変態 本名はファーブニル 北欧神話に描かれているように宝を集める癖があり、美少女の写真を集めるのはそれが理由である 株で生計を立てておりそのため、独自の情報網を持つ 皮肉めいた言い回しをするがそれは敢えて嫌われるようにして死んだ時に悲しむ人が居ないようにする彼なりの配慮の名残り

男7:女4の自由研究と評した召喚によって呼び出された元軍人で、女4の本当の曽祖父 目が物凄く良く、遠くの出来事を見たり、透視や人の記憶や心を見ることが出来る 幼少期に女に違う時代に飛ばされる際の言い付けを守り、どんな人に対しても丁寧な言葉遣いをするようになった 現在は旧友である女4曽祖父の持病である腰の病気を治すための手術費を稼ぐために様々なことをしている 余談だが、彼の容姿は女の本当の姿に似ており銀髪で片目が緑である

男8:担任の子孫であり、許嫁は彼の婚約者 サッカー部所属 主神の子孫であるだけあって現人神としての力は強く、試合中に男4を庇って風穴が空いたが病院に着く頃には傷が塞がる程の治癒能力を持つ そのため、怪我をすることを恐れず誰かを庇って怪我をすることが多い 町工場の職人の息子である

女2:剣道部副将であり、ヴァルキリー 彼女がヴァルキリーになる以前の記憶は無く、保健先生によって発見、保護され数日後、男父に試しに剣を持たせられたところ思った他上手くテストを飛ばしてヴァルキリーとなった 実は彼女はある神の一部であるがその名はNGワードとなっているため、現段階では不明 男父に命じられて男4の監視役として彼と同棲しており、最近はヨルムから『女2お姉ちゃん』と慕われていることを満更でもないと思っている 最近、主将である勇者と実力が拮抗してきた

女3:テニス部マネージャーと調理部の二足の草鞋を履いている 男4の妻 本名はアングルボザ 夫である男4のことを深く愛しており彼が倒れた際は少しでも早く回復するように徹夜で看護をしていた 恐らく男と美少女の次にイチャイチャしているバカップルの片割れ 勿論だが彼女も男4と同棲しながらヨルムを育てている

女4:高校一年生の半月までとある事情で引き篭もっていた男の再従兄弟 女を実の母のように慕っている 実の両親から実験道具のように扱われていた過去を持つ 郵便局、ホームセンター、喫茶店と複数のバイトを掛け持つがその目的は男7同様義理の曽祖父である女4曽祖父の持病を治す手術費を稼ぐため

一旦切ります

女5:ダンス部部長 本名はアメノウズメ 踊りの神 学校に入学したはいいが家が無いため、現国先生の家を荷物を持って訪ね、押し切って住み込んだ 喫茶店のオムライスが好きであり、しょっちゅう食べに行っている

女6:保健委員長であり、病院の院長でもある 本名はエイル 医療の神 美少女母とは随分と前から知り合いであるが詳しくは不明 唯一わかっていることは彼女が神になる前に何かしらの関係があったことである 

女7:神出鬼没で大抵はいきなり現れる 本名はヴェルダンディ 運命神の次女で、現在を司る 保健先生とは酒場で隣の席だったことから知り合い、彼女の手伝いをしている あまり成績が良くないことから男達に勉強を教わるようになった

許嫁:男8の許嫁 美少女母に似た話し方をする 本名はヒルコ 商業の神であり、七福神の恵比寿でもある 妹や弟のことを大切に思っているがよかれと思って取った行動が空回りし、家族のほぼ全員から恨まれている 学校では女と担任から目をつけられているため、あまり目立った行動は取っていない

男母:調理部顧問 しかし、彼女の魂は4年前の事故で既に死んでおり今はフリッグがその身体に憑依する形で生きている 生前はよく美少女母と週末に買い物をしていて、それはフリッグが憑依した今でも続いている 元生徒会長であった 尚、フリッグは二代目閻魔であり、美少女母に頼まれ暫く悩んだ末に引き受けた 三代目に閻魔の座を譲ったのはそろそろ引退しようかなと思っていた時になりたいと立候補してきたため 高所恐怖症

男父:剣道部顧問 男母と同様に魂は4年前の事故で既に死んでおり今はオーディンが憑依する形で生きている 元生徒副会長であった オーディンはクロノス封印に携わっておりそのため、何度かその命を狙われたことがある 極度のお化け嫌いでありお化け屋敷に行くとなると足が震えてしまう

男妹:男の家族で一番苦労している人 勇者の世界を創った創造神であり色々あって男の妹になった 元々はこっちの世界出身である出来事がきっかけで向こうの世界に行った その頃に美少女母と知り合ったらしい

男妹2:頭はいいのだが馬鹿であり、よく美少女妹2を振り回している 彼女が馬鹿なのには何か理由があるらしい

美少女妹:長女である美少女がしっかりしていないため、代わりに自分がと家族をまとめようと奮闘する子 吹奏楽部所属 しっかりしているのだが、兄である美少女弟にはきつく当たる

美少女妹2:美少女の家族の中で最も苦労している子 表向きは無関心を装うが裏でフォローするお節介焼き テニス部所属で、その腕前は全国大会に毎年出場する程

美少女弟:美少女のファンクラブの副会長 サッカー部所属 よくモテるらしいがすぐ別れるため、交流が続いている弟の美少女弟2を妬ましく思っている よく悪さをするため、妹2人からよく殴られることが多い

美少女弟2:美少女の家族の中で唯一の中学生 よく頭が悪い友達に勉強を教えているため、家に居ないことが多い 最近は彼女が出来たがその彼女も頭が悪いため一緒に教えている 因みに、その彼女の名前はニケであり、勝利の神である

美少女母:校長にして、この物語で一番やばい人物 人脈が広くとんでもない分野まで知り合いがいて、その情報網によりすぐに情報を知ることが出来る 本名はイザナミ 日本を創った創造神の片割れ 冥界を創ったのも彼女であり初代閻魔である よく仕事をサボり担任に押し付けて帰るのが普通 思い付いたことをすぐ実行に移すため様々な人が彼女に振り回されている 昔は今と正反対の性格であり当時の彼女を知る者はその違いに驚いている 過去が一番不明な人物であり、運命神でもその過去は知ることが出来ない クロノス封印に携わった神の一人 また、勘と評して未来予知が出来て、その正確さはかなりのもの

美少女父:教頭 担任が美少女母に最も仕事を押し付けられているが彼は最も美少女母の尻拭いをしている 事実上の校長 行事ごとではサボる美少女母の代わりに彼が責任者として舵を取っているため、保護者からは彼が校長なのではないかと度々噂される 本名はイザナギ 日本を創った創造神の片割れ 夫婦喧嘩をしても大抵は彼が折れる

現国先生:美少女の弟と妹達、男6と女5のクラスの担任にして、男達に現文を教えている先生 本名はカグツチ 火の神 昼食によく喫茶店のオムライスを食べるのが彼の習慣

メイド:男達の祖先にしてかつて大巫女と評される程の活躍を残した人物 生きたまま霊体となったため厳密には死んではいない 無類のアニメ好きであり、食費を円盤を買うのに使って度々バイトをしている 本名は女 かつては弟である男7を探して旅をしておりその時に弟だと気付かず男7に買ってもらった服がメイド服だったのが彼女が『メイド』と名乗るようになったきっかけ 弟である男7を溺愛している 彼女の姿は父親似で、耳が良く、人の心の声が聞こえるため、家族を失った幼少期は鬱になりかけた過去を持つ また、妖怪退治を巫女だった時に引き受けていたことが理由で冥界にコネがある

保健先生:よく女6が保健室に来る人の手当てをするため存在が薄くなっているが彼女が保健室の先生である 本名はフレイヤ 豊穣の神 美少女に二つのモードをつけたのは彼女である 女とは幼少期からの仲で、よく女のことを心配している 男4達は彼女の家に住んでおり、彼女一人で彼らを支えている(美少女母もそのことを知っているため、彼女の給料は他の先生に比べると多い)

男曽祖父:赤ん坊の時に両親を病気で失い、捨て子にされた結果、その時代に飛ばされてきた男7と同じ家に拾われる 戸籍上では男7の弟だが実際は彼の方が兄 今は山の中で植林をすることで生計を立てている 先祖帰りで成長が遅く実際の年齢より老化が進んでいない

女4祖父:警察官 名前は音 若い頃にやったことが孫である女4を苦しめてしまった原因を間接的に作ってしまったので女4に対して負い目を感じている

女4曽祖父:男7の『一生の頼み』により女4曾祖母と女4祖父を探し見つけたが、女4曾祖母に一目惚れし、交際を経て結婚した 名前は友 仕事を辞めざるを得ない程の腰の病気を数年前に発症し、女4達はその病気を治すために金を集めている

一旦切ります

マスター:女4と勇者がバイトで働いている喫茶店の主 女曰く、神でも人間でもない存在 あまり自らの過去を語ろうとしない 何が起こっても驚かず勇者の本当の姿を見た時も許嫁が神だと明かした時も動揺しなかった 先代から受け継いだオムライスにはこだわりがあり、喫茶店が赤字スレスレの経営になっているのもそのせいである

店長:女4がバイトで働いているホームセンターの店長 担任と男5の子供であり、本名はアメノホヒ 商業の神 同じく商業の神である許嫁には若干その力は劣る 見た目は担任そっくりだが性格は男5そっくりである

店長兄:スーパーの店長 本名はアメノオシホミミ 農業の神 弟である店長とはよく喧嘩をしており彼がスーパーの店長になったのは彼に対抗するため こちらは見た目は男5そっくりだが性格は担任そっくりである 

学食長:男達が通っている学校の学食長 彼もまた男5の子供であり、こちらはクシナダ姫との子供 異母兄弟である店長達とは仲が良く、母親同士が仲が悪いことを懸念している 彼の指導は厳しく何度かバイトとして雇った人が途中で辞める程 男とは学食の新メニューのアイデアを度々提供されそれがウケているため仲が良い

局長:女4がバイトで働いている郵便局の局長 いつも懸命に働いている女4のことを信頼している一方、彼女が疲労で倒れないか心配している 八百万の神の一人であり、空間の神 その能力故に緊急時にはよく人使いに駆り出される

魔王娘:勇者の幼馴染 何かしようとすると必ずやらかし、そのため彼女を護衛する四天王や父である魔王から次期魔王としてちゃんとやっていけるか心配されている 彼女の容姿は彼女を産んだ直後亡くなった母親そっくりであり、彼女の遺伝もあってか高難易度の魔法を容易く使うことが出来る 

魔王:男妹に一度殺されたが美少女の蘇生魔法によって復活した 元々は魔王の後継者ではなく、本来の後継者であった従姉妹である彼の妻が彼を推薦したことで魔王になった 人間と魔族の共存を第一とし、戦争終息後は勇者の兄である現国王と協力して復興に臨むなど、失われた人と魔物の繋がりを取り戻すために尽力している

言:八百万の神の一人にして、言葉の神の片割れ 『真実』を司る 彼女の話す言葉は本当のことになる この物語を編集する存在でもあり、絶えず駄文を書き続ける作者をディスり続けている

霊:言の妹 『嘘』を司る 彼女の話す言葉は嘘になる この物語を編集する存在であり、何かとへまをして、姉である言に怒られている

閻魔:三代目閻魔 本名はハデス ノリが軽く冥界に来た男達に美少女母が初代閻魔であることを伝えた 二つ名である『冥王』と呼ばれることを嫌っており、なら実際になってしまえばいいと当時閻魔であったフリッグに直訴し閻魔になった経歴を持つ 現在は死神長に閻魔の座を譲るため、彼女に閻魔の仕事を教えている

死神長:冥界の死神の長 メイドに閻魔から命じられた仕事を伝えていた過去を持ち、彼女が大巫女として活躍していた過去を知っている数少ない者の一人 鎌を取り上げられると人と向き合って話すことが出来なくなるらしい

閻魔補佐:女のかつての夫 メイドと男7の父 元伊勢神宮の神主であり、女と結婚して子供を持ったため、美少女母によって無間地獄に落とされたが色々あって閻魔の補佐をするようになった

市長:本名はウラノス 天空神 多くの神から恐れられており美少女母も例外ではない

クロノス:農耕と時の神 現在は冥界の無間地獄に封印されており、復活のために自分を封印した神全員を殺そうと模索している

~用語説明~

神力:神ならば誰もが使えるものとその神しか使えないものの二つに分けられる 使用時は使用者の体力を引き換えに発動し、強い神力になる程、使用する体力の量は多くなる そのため、強い神力の乱用はあまり出来ない

現人神:人でありながら神力を使うことが出来る者 先天性と後天性の二つに分かれていて、前者にはメイド、男7、男8 後者には美少女、勇者が該当する

勇者の世界:男妹によって創られた世界であり、魔族と人間が共存している 魔法を使うのは当たり前とされている 男達の世界とは次元のズレが生じていて、男達の世界の25日が勇者の世界の1日に相当する このズレは男妹が男達の世界に来た頃から生じており、男3に男妹が男達の世界に来たために発生したと推測されているが詳しくは不明 このままでは勇者が戻れなくなる可能性もあるため、このズレを無くす方法を見つけることが現時点での課題となっている

神の血:女を祖とする男、美少女、女4に流れる血の名称 メイドの祖先である男と美少女は神力を視ることが出来、男7を祖とする女4は神力を聴くことが出来る 男父、男母、男曽祖父、女4祖父も一応は該当するが、聴いたり視ることは出来ないらしい また、メイドを祖とする男達に流れる血は『巫女の血』と呼ばれている

冥界:美少女母によって創られた世界 死者は閻魔によって生前の行動に応じた判決を下され、天国か地獄に行くことになっている 

学校:美少女母によって開校され、現在は美少女母が校長、美少女父が教頭をしている私立中高一貫校 かつては悪い意味で有名な学校だったが美少女母によって改善され現在は評判のいい学校になっている 超難関校であり、入学するにはかなりの学力を要求される 途中入学や学費免除など教育制度は良いが、留年制度もある コネ入学が一切許されないため、所謂『お嬢様学校』とは一線を画いている

神の血の説明の修正 メイドの祖先である→メイドを祖とする

~男の家~

男 ズーン

男母「あれからずっとあの調子よ?お父さん」

男父「無理も無いさ 妹を一番可愛がっていたのはあいつなんだからな...それより他に解決策が無いか考えなくては...」

男母「そうね...妹が向こうに戻るのは最後の手段 でも一体どうすれば...」

男父「明日、校長に相談しよう あの人ならきっと解決策を知っている筈だ」

男母「それでわかればいいんだけど...」

~次の日 学校 校長室~

美少女母「...申し訳ないけど私にもわからないわ」

男父「校長なら何か解決策を知っていると思ったのですが...」

美少女母「そもそも次元のズレというものはあって当然のものなのよ 異なる世界同士を行き来出来ることはイレギュラーなの たまたまヨミちゃんが勇者を召喚したことでそのズレが修正されたのであって...時間が経てば元の状態に戻るのが普通なのよ だから例え私でもズレを修正したままにすることは出来ないわ」

男母「じゃあ勇者はもう自分の世界に戻れないんですか?」

美少女母「その可能性もあるわ...」

男母「そんな...」

男父「あいつは卒業したら自分の世界に戻るつもりですよ?あいつに何て言えばいいか...」

美少女母「...ズレを無くすことは出来ないけど...この状態を維持する方法ならあるわ」

男母「それは?」

美少女母「誰か神が向こうの世界に行ってこれ以上ズレが起きないように食い止めること こっち一方から食い止めようとしてもどうすることも出来ないけど向こうからもアプローチがあればどうにかなるかもしれない...」

男父「じゃあやっぱり妹が?」

美少女母「いいえ...別にあの子じゃなくても大丈夫よ 神であればいい でも少しばかり強い神力が使える神じゃないと無理ね」

男母「そんな神が居るんですか?」

美少女母「適してる神を知っているわ 私が説得する...彼女達なら引き受けてくれる筈よ」

男父「校長が言うのなら信用出来ますが...何か私達が協力出来ることはありますか?」

美少女母「そうね...じゃあ女を呼んできてくれる?多分、学食に居ると思うから」

~数分後~

メイド「来たけど...私に何か用?おばあちゃん」

美少女母「貴女に頼みたいことがあるの 貴女じゃないと出来ないことよ」

メイド「珍しく真剣だね....で、私しか出来ないことって?」

美少女母「この子達が今居る場所を探してここに連れてきて欲しいの」スッ

メイド「この2人は...」

美少女母「知ってるでしょ?幼い頃に一度会ったことがあると思うわ」

メイド「うん 一度だけ会ったことがあるよ...でもどうして?」

美少女母「彼女達に用があるのよ 私が会いたいと言えばきっとすぐ来てくれるわ...でも何処に居るかわからない...ヨミちゃんが何処かに飛ばしちゃったからね」

メイド「母さん...はぁ...親の尻拭いを娘である私がすることになるのか...」

美少女母「勿論引き受けてくれたらそれ相応のお返しをするつもりよ そうね~例えば貴女にぴったりの仕事を紹介するとかね~ また食費をDVDに使っちゃたんでしょ?」

メイド「え?知ってるの?」

美少女母「勿論よ~ヒルちゃんから貴女がバイトをする動機を聞いたからね~」

メイド「耳が早いな...その仕事、大丈夫なんだろうね?」

美少女母「私を信じなさい~ちょっと面倒事があるけど私が何とかするわ~」

メイド「わかった...でもこの2人があまりに遠い所に居たらどうするの?私、あまり遠出は出来ない身体なんだけど...」

美少女母「その時はね...」

~南極~

霊「さ、寒い...このままじゃ死んじゃうよ...言ちゃん...」

言「だったら火が消えないようにしなさい ったくあの馬鹿...迎えも来ないなんてどういうことよ...今度会ったら殺してやる...」

霊「ね、ねぇ...」

言「ん?どうしたのよ」

霊「何だか眠くなってきたよ...あれからもう随分と寝てないし...」

言「馬鹿!ここで寝たら死ぬわ 通りすがりの船が来るまで待つのよ...」コックリコックリ

霊「そう言う言ちゃんも眠そうだけど...」

言「何処かの誰かがお腹減ったって言うからでしょ そのせいで無駄な神力使って戻れなくなったんだから...」

バシャバシャバシャ

霊「ねぇ...何か聞こえて来ない?」

言「えっ?遂に幻聴まで聞こえ始めたの?しっかりしてよ...」

バシャバシャバシャ

霊「何かがこっちに近づいて来てる...こ、怖いよ...」プルプル

言「せめてもう一回神力が使えれば...くっ...」

???「おー居た居た まだ生きてて良かったよ」

言「び、美少女?どうしてここに?というか、あんたは私達のこと見たこと無いと思うんだけど...」

美少女「まぁ...確かにこの身体は美少女だけど...私は女だよ巫女やってた 憑依してるんだ」

霊「ひ、憑依?確かに女は霊体だから取り憑くこと出来るけど...どうして?」

美少女(メイド)「おばあちゃんに言われてね...彼女ならここまで着くのに十分もかからないだろうって言われたんだ 勿論本人の許可も取ってる」

言「まあいいや...助けに来たんでしょ?だったら長居は無用よ さっさと行きましょ」

美少女(メイド)「じゃあ2人とも私と肩組んで」

霊「こう?」ガシッ

美少女(メイド)「絶対に離さないでよ 死んじゃうから...じゃあ行くからね」

バシャバシャバシャバシャ

言「海を...走ってる!? しかも速い...」

美少女(メイド)「いやー母さん様々だね 普通ならこんなこと出来ないよ」

霊「まさかこんなことが出来るなんて...本当に美少女は人間離れしているね...」

美少女(メイド)「ほら...暖かくなってきたでしょ?ちょうど赤道付近を走ってるからね」

言「幾ら何でも早過ぎ...嘘...ヤシの木が見える...」

霊「す、凄い! この調子だとすぐに戻っていけそうだよ!」

~数分後 学校 校長室~

言「つ、着いた...ってここは?」

美少女母「久し振りね~2人とも 元気だった?」

霊「危うく死に掛けましたよ...二日間も南極に居たので...」

メイド「よっと お疲れー美少女」

美少女「何か身体中が痛いんだけど...何したの?メイドさん」

メイド「海横断して南極でそこの2人拾って戻って来ただけだけど?」

美少女「確かに使っていいって言ったけど...そこまですること無いでしょ...ん?今、海横断してって言った?」

メイド「本当に出来ないこと無いんだね...びっくりしたよ まさか...海の上を走るなんて芸当が出来るとは...」

美少女「はぁ!? そんなこと出来るの?!」

美少女母「ヨミちゃんが以前言ってたんだけど...もしかして知らなかった?」

美少女「知ってる訳無いでしょ...はぁ...物凄いお腹空いた...学食行こっと」

グゥー

霊「あっ...」

美少女母「どうやら貴女達もお腹減ってるようね じゃあ一緒に学食行ってらしゃい 話はまたその後にしましょ」

美少女「えっ...この2人の分のお金は?」

美少女母「美少女...会長らしいこと最近見てないけど...奢ってあげたら?」

美少女「何で私が...」

美少女母「生憎だけど今、持ち合わせてないのよね~お金」

メイド「私が持ってる訳無いし...誰か親切な人は居ないかなー」チラッチラッ

霊「お腹減ったよぉ...」ウルウル

美少女「あーもう 出せばいいんでしょ出せば ほら行くよ」ガチャ スタスタスタ

言「霊...今回ばかりはお前の嘘泣きに感謝してやる」ヒソヒソ

霊「伊達や酔狂で嘘を司っていないからねー私」ヒソヒソ

一旦切ります

手を放したら死んじゃうレベルだと捕まってても死にそうw

>>30 以前、男が遅刻しそうになって女に背負ってもらい走ることで間に合った時のことを覚えているだろうか?あの時の速度は新幹線より速いと男は言っていたが...運動神経抜群の美少女が、身体全身が痛くなる程の速さで走ることで起こる風圧は捕まってる者が神でないと即死レベルである 尚、掴まっていた2人は一切の怪我をしていない 神ってスゲー

~学食~

美少女「首が痛い...腰も...肩も...一体どれくらいの速度で走ったらここまで酷くなるの...」モグモグ

霊「ものすほいはやはったほ」モグモグ

言「口に物を入れて喋るな 行儀が悪い」パシン

霊「あうぅ...でも美少女ちゃんも喋ってるじゃない...」ヒリヒリ

言「こっちは口を閉じながら喋ってるからまだマシよ でもどうしてその状態で普通に喋れるかは『編集者』の私でもわからないね...ツクヨミとフレイヤはとんでもないことをやってくれたよ...」

美少女「あっ君達がそうなんだ 一昨日男達が話していた編集しているってのは」

霊「そうだよ 私が霊 で、こっちは言ちゃん 2人合わせて言葉の神やってるんだー凄いでしょ」

美少女「言と霊...二人合わせて言霊か...洒落た名前だね 誰がつけたの?」

言「今私が殺したいと思ってる奴 どうしようもないくらい文を書くのが下手なあいつよ 私達の名前を思い付いた時のあいつのニヤケ顔...正直吐き掛けたわ」

霊「え?あの時、あの人ニヤケてたの?よくわかったね言ちゃん」

言「ここまで付き合い長いとあいつの表情読み取ることぐらい造作も無いわよ あっ、一応言っておくけど 私が姉でこっちは馬鹿な妹ね」

美少女「わざわざ馬鹿って付け加えなくても...」モグモグ

言「事実よ あいつのアドリブに霊がノるからブレーキ役は私しか居ないのよ 本当、参っちゃうわよ...」

霊「そう言うけどさ言ちゃん 言ちゃんが編集した場面、立て続けにシリアスだったじゃん あれじゃあ読んでる人も重い気分になっちゃうよ?」

言「ただでさえも読むに耐えれない物を少しでもマシにしようとしているんだから感謝して欲しいんだけど...あんたが編集すると必ずギャグ方面に走るじゃない 波が無くてつまらないわ」

美少女「まあまあ落ち着いて...で?どうして2人は編集することになったの?」

言「ある日、起きたら目の前にあいつが居て...消されたくなかったら付き合えって言われたのよ 私は嫌だったんだけど霊がノリ気で...こいつ一人に任せる訳にもいかないから仕方なく手伝ってるのよ まさかあそこまで駄文だとは思わなかったわ...」

美少女「それって脅迫なんじゃ...」モグモグ

言「だからあいつが少しでもうだうだした文書いたらいつもボコボコにしてるわ すぐに復活するのが気に入らないけど...その時はあいつ...一旦切りますとか言うし...今こうしてる間も私達のことを見ながらその様子を書いてるのよ...」

美少女「えっ!?見られてるのこの様子 一体何処から...」キョロキョロ

霊「探したって無駄だよ あの人は滅多に姿を現さないから」

言「でも一回、あんたも見たことあるわよ?あいつのこと あの時はあいつ、姿を変えてたし気付かなかったと思うけど...」

美少女「えっ!?会ったことあるの?」

言「えぇ...思いっきり殴ってたわ まだまだ甘かったけど」

美少女「一体いつ...」

霊「まぁそのうちわかるんじゃない?あの人、結構目立ちたがり屋だし 荒らしが沸いて言ちゃんがげんなりしてた時もあの人、目を輝かせてたもんねー」

言「あの時は本気でキレたわよ...火に油そそぎやがって...」

美少女「大変そうだね...」

言「あいつが他の人のスレで書き込みしたせいでそのスレ荒れたのよ? 本当、一回死ねばいいのに...」

霊「あぁ...あのスレね...でもあの時はあの人も反省してたよ?」

言「私が許せないのはその後よ 謝罪文を書くなりするべきなのにあいつ...何食わぬ顔で続き書きやがったし」

霊「でも続きを書かなきゃ駄目でしょ?あの人、エタらないようにするとか言ってたし」

言「すぐ体調壊すあいつが? 人物紹介書いてる途中で身体壊して暫く更新出来なかったのに?」

霊「あの時はあの人、忙しい時期だったし...」

言「暇さえあればゲームやってたあいつに忙しい頃なんてあった?いつよ?」

霊「冬頃?」

言「あの時はあいつ、一日中ゲームやってたわ 書く気があればもっと書けたのに...」

美少女(駄目だ...さっきから話題について行けないからおかわりしか出来ないや...)

言「ところで...それで30杯目だけどいつになったら腹が満たされるの?美少女」

美少女「え!?もうそんなに食べてた?」

霊「私達の話聞きながら食べまくってたね...私、まだ一杯も食べ切ってないのに...」

言「あんたが食べるのが遅いだけでしょ...はぁ...イザナミ様、絶対怒ってるよ...」

霊「大丈夫でしょ あの人なら」

言「あんた...神力がまだ使えないからいいけどそろそろ抑えるようにしなさいよ 私達は神力抑えないと軽はずみな発言は許されないんだから」

美少女「でもお母さん...一体何の用で2人を呼んだのかな?」

言「さぁ?イザナミ様は腹に一物ある人だからね...多分あの人の過去全部知ったら驚くと思うよ?ネタバレになるから言えないけど」

美少女「そういえば男6が台本とかいうの見たって言ってたな...女に飛ばされた時に置いていったみたいだけど...」

霊「え!?あれが人の手に渡ったら大変なことが起こるよ どうしよう言ちゃん」

言「大丈夫よ あの時、男も居たからきっと処分してくれた筈よ そうでしょ?」

美少女「う、うん...女がビリビリに破いてゴミ箱に捨てたって聞いてるよ 多分今頃は灰になってるんじゃない?」

言「なら安心ね でも念の為に神力使っておこうかな おほん『台本はあの後、誰にも読まれずに灰になった』...これでよし」

美少女「え?それってどういう神力?」

言「私の神力は言った言葉が本当になる神力 過去、現在、未来問わずね 霊は私の逆で、言った言葉が嘘になるわ」

美少女「使い道次第ではとんでもないこと起きるね...」

言「そういうこと そろそろ行っていい?このままだと霊が何かやらかしそうで心配だから」

霊「あともう少しだけ待って...この米粒がもう少しで取れそうなんだよ」

言「意地汚いことするな さっさと行くよ」ガツン スタスタスタ

霊「あー 待ってよー」タタタタタタタタッ

美少女「...食器置きっぱなしだけど...仕方ない 一緒に持ってくか」

~校長室~

言「大変長らくお待たせしてしまい申し訳ありません」ペコッ

美少女母「別にそこまで頭を下げなくてもいいわよ~頼みたいことがあって来てもらったんだから~」

霊「それは校長として?創造神として?初代閻魔として?それとも...蛇として?」

美少女母「どれだと思う?」

言「まぁまぁ...そんな怖い顔しないで下さいよ 用件を話して下さい しがない言葉の神である私達に頼み事とは一体...」

美少女母「こっちの世界と勇者の世界の次元のズレが広がりつつあるわ...貴女達二人にはこれ以上広がらないように抑えて欲しいの」

言「無くすのではなくこれ以上広がらないように抑える?無くすことも出来ますがどうして...」

美少女母「...その方が君達も都合がいいだろう?」


霊「はぁ...その話し方は人前でしないようにした方がいいと思うよ?」

美少女母「勿論だとも 君達だからこの話し方が出来るんだ やはりこれが一番性に合うんでね」

言「『記憶を持つ者』...貴女には頭が上がりませんよ...一体何役演じるつもりですか?」

美少女母「さぁね...今となっては私も自分の正体が分からなくなったよ...」

言「ではいつ頃主人公達に真実を伝えるつもりですか?」

美少女母「遠くない未来...かな」

言「そうですか...いいでしょう 貴女の頼み、謹んで引き受けさせてもらいます 確かに後々のことを考えるとズレを無くすのは得策では無いですしね」

霊「で? 具体的にはどんなことをすればいいの?」

美少女母「これがさっき見た次元のズレの状況を書いたものだ」スッ

言「これは...かなり複雑ですね...」

美少女母「言、君はこちらの世界から 霊、君は向こうの世界からこの状況を維持するように努めてくれ その際に辛うじて抑えているようにするんだ...それくらいの演出なら君達にとっては容易いことだろう?」ニヤリ

言「やれやれ...やはり貴女は食えない人ですよ」

美少女母「...それが私だからね~」キャッキャッ

一旦切ります

霊「ところでこの部屋って防音設備あるの?今までの会話聞かれたら不味いんじゃない?」

美少女母「一応してあるけど...耳のいい人なら聞こえるわね~例えば...今外で待ってる女とか」

言「それ、絶対聞こえてるじゃないですか...」

ガチャ

メイド「余裕で聞こえてたよ でも、私はおばあちゃんの秘密知ってるから大丈夫 安心して」

言「あっ、知ってるんだ...」

美少女母「どうせ遅かれ早かれ知られるからね~言い触らされるよりマシだから前以て言っておいたのよ~」

言「あぁなるほど...言い触らされる『記憶』を持っていましたか」

美少女母「何回私がやってると思ってるの?舐めないで欲しいわ~」

メイド「で、話が終わったみたいだから入ったけど...さっき言ってた仕事について詳しい話をして欲しいんだけど」

霊「仕事?何それ」

美少女母「貴女達2人を連れてくるお礼に言っておいたのよ~ 勿論既に準備出来てるわ~これが依頼よ~」スッ

メイド「い、依頼?何それ...は?金庫の鍵?こっちはスマホのロック解除...」

言「鍵師か...まぁ女にはぴったりかもね 耳良いし...手先も器用だから」

美少女母「面倒な事っていうのは信頼商売だからってことよ でも大丈夫でしょ?旅してた時に金庫開けたことあるから~」

メイド「確かに開けたことあるけど...スマホのロック解除は職が違うよ?」

美少女母「大丈夫よ~その耳で聞けば分かるわ~」

言「ロックと言っても所詮パターンだもんね 電子の海に飛び込んで必要なもの拾えばいい簡単なことだよ」

メイド「気楽に言ってくるよね...はぁ...まぁ一応やってみるけどさ どうなるか知らないよ?」

美少女母「絶対大丈夫よ~ 巫女を遣り遂げた貴女ならね~」

メイド「巫女とこれは違うんだけどなぁ...」

ガチャン バタン

言「文句言いながら出て行った...」

霊「本当に大丈夫なの?」

美少女母「あの子なら心配無いわよ~ だって私の孫だもの~」

~市役所~

メイド「初仕事から責任重大なんだけど...やれるかな...」ポチッ

ピンポーン

『はい 用件は何でしょうか』

メイド「金庫の鍵の件と言えばわかりますか?開けにきました」

『あぁ...鍵師の方でしたか すぐに参りますので暫しお待ち下さい』

ピッ ガチャ

市長「お越しいただきありがとうございます 実は以前より開かなくて困っていたのですよ ささ、中にどうぞ」

メイド「し、失礼します」

市長「これがその金庫です 私の一つ前の市長の物なのですが...番号がわからないので開けようにも開けられなかったのですよ」

メイド「他の鍵師の方は?別に私じゃなくても良かったのでは...」

市長「勿論呼びました しかし呼んだ全員に壊すしかないと言われましてね...壊したくは無かったのでずっと開けていないのですよ」

メイド「なるほど...事情は理解いたしましたがそんな代物...私如きが開けるとは到底思えないのですが...」

市長「ご謙遜を...校長先生の令孫である貴女ならきっと問題無いですよ」

メイド「そんな...過大評価ですよ...私はただ耳が人より少しばかり良いのが取り柄ですから...しかし承りましたからには微力ながら精一杯努める所存です」

市長「何卒よろしくお願い致します」

~数分後~

メイド(何これ...開けても開けてもマトリョーシカみたいに次から次へと扉が出てくる...)

市長「調子はいかがですか?」

メイド「正直言ってかなり厳しいですね...これで10枚目になりますが...厚さから判断するとまだまだありますよ...」

市長「やはりそうですか...先代は安全面に力を注いでいたと聞いています 恐らくそれがそのように扉の数が多い理由なのではないでしょうか」

メイド(これ、置いた本人も大変だっただろうね...一枚一枚、番号が違うし覚えなくちゃいけないから...私だったら紙に控えておくけどなぁ...あ、そうだ)

メイド「あの...これだけ扉が多くて番号がそれぞれ違いますと何かに控えておかないといざという時に開けることが出来なくて困るのではないしょうか?」

市長「確かに...そうですね 使う時に開けられないのであれば置いておく意味も無いです...先代が残した物の中に手掛かりが無いか捜してみます」

メイド(いや...普通手掛かりなり探してから依頼すると思うんだけど...この人、しっかりしてそうに見えるけど抜けてない?)

~数十分後~

市長「あ、これだ! ありました金庫の番号 日記に書いてありました」

メイド(やっぱり書いてあるじゃない...私が来た意味無いなこりゃ...)

市長「しかし...これでは番号がわかりませんね...」

メイド「え?それはどういうことですか?」

市長「これを見て下さい 1枚目から50枚目まで書いてあるのですが...」スッ

メイド「これは...暗号ですね...これを解かないとわからないようになっているということですか...」

メイド(しかもご丁寧に一つ一つ違うし...あーもう、面倒くさいなぁ...)

~2時間後~

メイド「それは白い部分を塗り潰せば...」

市長「おお...数字が浮かび上がった...この数字の順に回せば...あれ?開きませんね...」

メイド「恐らく順番が決まっているのでしょう あっ...さっき解いた意味が不明だった順番! あれの順に回せば...」

市長「試してみます...」

カチッ...カチッ...カチッ...カチッ...ガチャ

市長「おぉ!遂に全ての扉が開きました」

メイド「こういうのって中身は入ってないのが普通ですが...これは...いっぱい書類が入ってますね...」

市長「恐らく辞める際に出し忘れた物でしょう...これでやっと引継ぎが終わります...今日は本当にありがとうございました」

メイド「いえいえ...お役に立てて良かったです」

市長「何とお礼を申し上げたら良いか...ああそうでした 謝礼金のことですが...依頼の紙に書いた金額の何倍か色を付けさせて貰いますよ」

メイド「お言葉ですが...公費をそのように使うのはあまりよろしいことではないでしょうか」

市長「ご心配無く この依頼は私個人がした物ですから謝礼金も勿論ポケットマネーです 公費をこのような私情で使うなんてことはしません」

メイド「それなら良いのですが...おっともうこんな時間ですか...では私はこれで」

市長「本日はご多用の中お時間を戴きましてありがとうございました お気をつけてお帰り下さい」

メイド「何もそこまで畏まらなくても...依頼されたことをしたまでですよ」

市長「いえいえ...今後とも変わらぬ付き合いの程、よろしくお願いします」

メイド「それは...こちらこそよろしくお願いします」

~勇者の家~

メイド「ただいま」ガチャ バタン

勇者「お帰りなさい 帰りが遅いので心配しましたよ どうしたんですか?」

メイド「おばあちゃんの紹介で鍵師紛いのことやってね...それがかなり大変だったんだよ」

勇者「ほぉほぉ...そうだったのですか お疲れ様です ところで...先程メイドさんの部屋を掃除したところまた新しいDVDがあったのですが...買いましたね?」

メイド「え、えーと...それは...うん 買ったよ」

勇者「最近、家計簿の計算が合わないところがあるのですよ 詳しく調べた所『謎の出費』があったことがわかりました...食費を使ってますね?」

メイド「あ、バレた?」

勇者「バレたじゃありません そこに座って下さい 以前よりおかしいと思ったのですよ大体貴女は...」

~数分後~

勇者「確かに趣味を持つことは良いことです しかし食費に手を出すのは流石にいけませんよ」

メイド「ハーイ ハンセイシテマース」

勇者「これで何回目ですか いい加減にして下さいよ...はぁ...」

メイド「そう言うけどさ 勇者さんも人のこと言えないよね 私知ってるよ?また通販で何か買ったでしょ 電話の履歴見ればすぐわかるんだからね」

勇者 ギクッ

メイド「この前、新しい掃除機買ったばかりじゃない それも食費使ってさ...お姫様だから金銭感覚が庶民である私とは違うのはわかるけどそういう所はしっかりして欲しいな」

勇者「でも...高機能で手軽に使えるって聞いたら買うしかないって思うじゃないですか...」

メイド「そう言って買った家電が十数台、ロデオマシーン買ったけど全然乗ってないし...荷物置き場になってるじゃない」

勇者「今度乗ります」

メイド「出た...いつもそう言うよね...で、結局乗らない...使わない...定期的に売ってる身にもなってよ」

勇者「使いたい時に見当たらないと思ったら...売ってたんですか!?」

メイド「そりゃ売るでしょ...じゃなきゃ足の踏み場が無くなるし...」

ピカッ

女7「おやおや...これはまた醜い争いをしているね...そういうのを五十歩百歩って言うの知ってる?」

メイド「あんたには関係無いでしょ」

女7「ところがこれが大有りなんだよね...君の弟君に頼まれてるんだよ 君が無駄遣いしないように程々の所で止めてくれってね」

メイド「男が?」

女7「うん 以前、この家に来た時あったでしょ?彼、目が良いからさ 見たくないものも見えちゃうんだよね」

メイド「知ってるよ 私はあの子のお姉ちゃんなんだから」

女7「で、その時に君が隠してるDVDの数に呆れてね...私に頼んだってこと 因みにこの前の勇者の注文、私がキャンセルしておいたから」


勇者「何勝手なことしてるんですか」

女7「君も浪費癖が酷いねー 経済面にゆとりが出来たらすぐ物買うし 自分の首を時分で絞めてること自覚して欲しいよ」

勇者「し、しかし...」

女7「言い訳なんて聞きたくない 取り敢えず明日になったら使ってない物全部売るから 頼まれたからにはとことんやるからね私は」

メイド「ちょっと待った 私のことならまだしも何で勇者さんのことまで干渉するの」

女7「何でって、お馬鹿三人組のメンバーに聞いてよ 私は彼らに頼まれたんだからさ じゃあそういうことで じゃあね」

ピカッ

勇者「男3と男4が頼んだのですか?」

メイド「多分そうだろうね...」

勇者「取り敢えず...晩御飯食べましょうか...」

メイド「そうだね...ごめん勇者さん 私、言い過ぎたよ」

勇者「そんなこと無いですよ...自分のこと棚に上げて言ってた私に非があるのですから...」

メイド「思い返せば買っただけで全く見てないDVDも多いなぁ...良い機会だし必要無いのは売ることにしよう」

勇者「でも見たくて買ったのでは?」

メイド「集めたくて買っただけだよ 録画したのをダビングして編集した物があるから観たくなったらそれを観れば良い...まぁ特典映像があるのは除くけど」

勇者「私は何も活かせていませんね...昔から欲しいと強請ったものは全て貰えたので...バイトをして初めてお金のありがたみを知った筈なのに...」

メイド「もしかして女7はこのことに気付いて貰いたくて私達の前に現れたのかもしれないね...」

勇者「そうですね,,,知らない間に皆を心配させてしまったようです...」

メイド「お互いまだまだだけどさ...これからも頑張っていこうよ 心機一転してさ」

勇者「はい これからもよろしくお願いします」

メイド「こちらこそ不束者ですが今後ともよろしくお願いします」

~時の流れ~

女7「やれやれ...手が焼けるよ...」

ウルズ「それは貴女でしょ?ヴェル」

女7「おや ウルズ姉さん 珍しいね帰って来てたんだ」

ウルズ「貴女がやらかさないか心配なのよ 昔からそうだから...」

スクルド「ヴェル姉ならあり得るね 今後も何かとやらかすし」

女7「スクルドまで...もしかして封印が弱まった?」

スクルド「おいおい...明日は槍は降らないよ?僕はただヴェル姉に会いに来ただけさ 順風満帆な生活を送ってるヴェル姉にね」

ウルズ「運命神である私達は必要以上に運命に干渉しないのが規則なんだけど...貴女のここ最近の行動は目に余るわ」

女7「大丈夫だよ 規則を逸脱するような行動は取るつもりは無いって」

ウルズ「そう言うけどね...現に貴女、美少女に警告してるじゃない あれは充分規則を破る行為だと思うけど」

スクルド「まぁそこまで責めないであげてよウルズ姉 ヴェル姉は司ってるだけなんだし 僕から言わせればウルズ姉の方が規則を重んじ過ぎて使命を全うしてないと思うんだけど」

女7「そうだそうだ 放任主義にも度があるぞ」

一旦切ります

ウルズ「別に放任主義じゃないんだけど...あっそうそうヴェル 今度会ったら貴女に聞こうと思ってたことがあったの忘れてたわ 貴女、教会にここ数年行ってるけどどういうつもり? 神である貴女が修道女になるなんて...」

女7「別にいいでしょ 私が何しようとウルズ姉さんには関係ないんだし」

スクルド「それに...ヴェル姉が修道女の資格無いと困るしね」

ウルズ「未来にヴェルが修道女じゃないと困ることがあると言うの?スクルド」

スクルド「ああその通りだよ だから僕はヴェル姉が修道女やってないと困るんだよね」

女7「へぇ...私の趣味って意味あったんだ...」

スクルド「あれ趣味だったんだ...」アセアセ

女7「まぁ私の趣味の話は置いといて ウルズ姉さんは規則規則って縛られ過ぎなんだよ そもそもあの規則って誰が作ったの?」

ウルズ「それは...無理ね 私達が発音出来る名前じゃないから」

女7「旧支配者だっけ?彼らをまとめた名称って あれが何故人間の創作物ってことになったか今でも理解できないね」

ウルズ「それよりも....彼らを見て発狂しなかった人間が居ることが異常よ 理解しようとすると頭がいかれるのに...」

スクルド「西洋人はともかく...日本人は恐らく彼らを直視しても大丈夫だろうね タコの親戚かと思うだろう」

ウルズ「た、タコ...確かに彼らは海の生き物に似ているけど...」

女7「触手見て興奮する民族だよ?彼らのSAN値は最初からマイナスなんだって 元から壊れてる物を壊すことなんて出来ないでしょ?それと同じだよ」

ウルズ「そこまで言う?まぁ、あれを萌えに昇華したのも彼らだから出来た所業だけど...」

女7「日本人に見つかったのが悪い」

スクルド「それに...未来で例の彼らが接してるけど発狂してないしね」

ウルズ「『巫女の血』の子達ね...まぁあの人が託したのだからそれぐらい出来なきゃ困るわよ」

女7「さて...じゃあそろそろ私は行かないと 勇者とメイドの物を売らないと...」

ウルズ「本当に売る気なの?」

女7「彼女らもそれを望んでるからね...」

ピカッ

ウルズ「ヴェル...」

スクルド「大丈夫だって 『例の出来事』まではヴェル姉に心配無いって」

ウルズ「そうかしら...」

~女4の家~

男7「...ふぅー出来ました 後はこれが乾けば完成ですね」

女4「んー?ひいおじいちゃん、おはよー もしかして出来たの?」

男7「お早うございます 完成ではないですが...私がやる工程は全て終わりました」

女4「寝ずにずっとやってたよね...何徹したの?」

男7「あれから一睡もしていないので...そうですね...2徹ではないでしょうか」

女4「たった2徹でそれ作ったの!?凄いね...」

男7「手先が器用なことが私の唯一の取り柄なので...師匠が作った物に比べれば天地の差がありますがね...まだまだですよ」

女4「そんなこと無いと思うけどなぁ...芸術品の域に達してると思うよ?」

男7「そう言って貰えるだけで嬉しいですよ それより友さんは?この時間帯に起きると思うのですが...」

女4曽祖父「わしはここだよ よくもまぁ、人が起きる時間を覚えられるなぁ男」

男7「これ位造作も無い事ですよ 腰の調子は如何ですか?」

女4曽祖父「いつもと変わらんよ?それがどうした?」

男7「いつ悪化するかわかりませんから...心配なのです」

女4曽祖父「お前に心配される程衰えてはおらんよ さて...畑の様子でも見に行くかね...」

スタスタスタ...

男7「やはり...無理をなされてる...」

女4「ひいおじいちゃんもわかった?あの様子だと...」

男7「以って3日...それ以上は厳しいですね...音、今の金額は?」

女4祖父「ちっ...聞いてたのバレてたか...確か1億8000万だったな...父さんのおかげで手術費ももうすぐ集まるな」

男7「それでは間に合いません...今の段階から入院しなくては...それにまだこれが完成していないのですよ?」

女4「それって幾らで買い取ってくれる予定なの?」

男7「詳しくはわかりません...恐らく見てから決まるかと あっ今日は男6さんのホームクリーニングの日でした そろそろ行かなくては...」

女4祖父「待て父さん 2日も寝てなくて尚も働こうとするのか?少し寝てから...」

男7「友さんの命が危ないのですよ!? 事は一刻を争います...急がなくては...」

ヨロッ ガシッ

女4祖父「無理すんな 限界をとっくに越えてるんだぞ?今は休め」

男7「し、しかし...」

女4祖父「死に急ぐことをするな! このままだと父さんの方が先にくたばるぞ!」

女4「おじいちゃん...」

女4祖父「女4 父さんを部屋まで連れてって寝かせてやれ」

女4「うんわかった 行くよひいおじいちゃん」

男7「私はまだ動けます...」

スタスタスタスタ

女4祖父「無理しやがって...そんなに親父のことが大切か...さて、俺も見回りに行かんとな 朝飯は...途中のコンビにで買うか」

~公園~

女4祖父「今日もやってるなぁ...暇人ばっかだなこの町 ん?あそこに居るのは...確か男のもう一人の妹か...確か名前は男妹2...よく見たら隣に美少女妹2が居るし...あいつ、今日大会だったよな 大丈夫なのか?」

ピピー ピピー

女4祖父「おっ 3分経ったか いただきます」

モグモグ

女4祖父「やっぱり焼きそばはうめえなー インスタント飯は色々あるがこれに限るな」

男妹2 ジィー

女4祖父「うわっ...何だお前 体操はどうした?」

男妹2「もう終わったよーほら、押してもらったんだー」

女4祖父「その見た目でスタンプかよ...まぁ俺も人のこと言えんが...美少女妹2はどうした?」

男妹2「何かバスに遅れるとか言って行っちゃったねー」

女4祖父「そうか...で、俺に何か用か?」

男妹2「おにぎり一緒に食べてくれる?」

女4祖父「はぁ?見てわからねえのかよ 俺は焼きそば食ってんだぞ」

男妹2「別にいいじゃないー 一個だけでいいんだからさー」

女4祖父「いや...要らないんだが...」

男妹2「いいじゃん 一個だけでいいんだよ?一緒に食べようよー」

女4祖父「しつこいな...一個だけだぞ?」

男妹2「わーい じゃあこれねー」スッ

女4祖父(何だこれ...想像以上にでかいぞ...俺、食えるか?)

一旦切ります 女4祖父は見た目こそ40代ですが実年齢は60越えしてます また、おにぎりは男が作ったもので運動部の美少女妹2が大きいと言っていたものです

なろうにでも投稿してきちゃどうだ
これだけ長くなるとあっちでも十分やっていけるだろうし、この無駄に多い登場人物にしたって名前つけてやらにゃややこしくてかなわんだろ

>>67 登場人物の名前が本名です 幾つかの人物には偽名もありますがそれが彼らの名前です 仮名ではないので紛らわしいと思いますがそこの所、ご了承下さい それと移転する気はありません 書き始めた場所で終わらせたいので

女4祖父「ええい ままよ」パクッ

男妹2「美味しいでしょー? お兄ちゃんが作ったんだよー」モグモグ

女4祖父「確かに旨いが...量が多すぎるぞ...俺、焼きそばも食ってることわかってんのか?」

ヨルム「...美味しいそう...」ジィー

女4祖父「また湧いた...今度は何だ?何だその目...焼きそば食いたいのか?」

ヨルム「...うん」コクッ

女4祖父「じゃあやるよほら 俺、このむすびで腹一杯になるし」スッ

ヨルム「ありがとう...いただきます」

モグモグ

女4祖父「小さいのにちゃんと挨拶出来るのか...しっかりしてるなーお前」ナデナデ

女3「あっーこんな所に居たのね...目を離したら何処か行っちゃったから心配したんだから ヨルム」タタタタタッ

ヨルム「ママ...これ美味しいよ」モグモグ

女4祖父「ママ!? おまっ...その齢で子供居るのかよ...確か女3とか言ったよな」

女3「ええそうですけど...どちら様ですか?」

女4祖父「俺のこと知らないのか...俺は女4の爺ちゃんだよ 服装で分かると思うが警察官だ」

女3「お、お爺さん!? 女4には警官のお爺さんが居るとは聞いてましたが...貴方が...お若いですね...」

女4祖父「お前には負けるよ...学生だろ?ちゃんと食わせてるのか?」

ヨルム「ごちそうさま」

女4祖父「それも特盛をこんなに早く食べるし...ん?容器はどうした?」

ヨルム「食べたけど?」

女4祖父「と、とんでもねえ子供だな...」

女3「こらヨルム 容器まで食べちゃ駄目って言ってるでしょ?大丈夫なの?」

ヨルム「大丈夫だよ?ママ」

男妹2「それよりも女4のお爺さん...手が止まってるよー?食べないのー?」

女4祖父「食べるよ食べるけどさ...目の前でこんなの見せられたら手が止まるだろ」モグッ

女3「男妹2?あれ?おかしいわね...さっき男の家を通りかかった時に男が起きろって声が聞こえたんだけど...」

ヨルム「ママ...何言ってるの?この人は校長先生だよ?」

女3「えっ?」

ピカッ

美少女母「バレちゃったわね~ でもよく私だってわかったわね貴女」

女4祖父「こ、校長!?じゃあこれは...」

美少女母「勿論男が作ったおにぎりよ~ あの子が寝たままだったから私があの子の姿になって来たのよ~」

ヨルム「匂いが校長先生と同じだったからすぐわかった」

女3「そうか...ヨルムは鼻が良いから分かったのね」

女4祖父「じゃあ美少女妹2は...」

美少女母「私だって気付かずに行ったわね~ 流石に気付くかと思ったんだけどな~私、そこまで演技力あるかしら~?」

女3「全然わかりませんでしたよ...」

女4祖父「ふぅ...やっと食べ終えた...俺の齢分かってて食べさせたんですか?」

美少女母「貴方なら食べられるでしょ~?まさかそこまで歳はとってないわよね?」

女4祖父「痛い所を突いてきますね...ハハハ」

美少女母「でも良いの~?こんな所に居て~ 親孝行したい時分に親は無しって言うじゃない~」

女4祖父「...どういうことですか?」

美少女母「今は午前6時28分...今、引き返さないと間違いなく彼はお陀仏ね~」

女4祖父「まさか親父...やばいな急がないと...」

ダダダダダダダダッ

女3「どうしたんですか?あの人...」

美少女母「女3 ちょっと頼まれてくれないかしら?」

女3「えっ?別に構いませんが...」

美少女母「今からヨミちゃんの家に行ってヨミちゃんを女4の家に連れて行ってくれないかしら?5分以内に」

女3「ええ!?どうして急に...」

美少女母「別にいいわよ?貴女が行動しなかった所為で一人の成人男性が死んでも良いって言うならね~ じゃ、頼んだわよ~私もやらなきゃいけないことが沢山あるからね~」

スタスタスタスタ

男4「おっこんな所に居たのか...ん?どうした?」

女3「あなた...ヨルムを家まで連れてってね 私、やらなきゃいけないことがあるから」

ダダダダダダダッ

男4「どうしたんだ?あいつ...」

~女4の家前~

女4祖父「おい親父! しっかりしろ!」ユサユサ

女4曽祖父「お、音か...急にめまいがしてな...大丈夫だしばらくすれば治るさ」

女4祖父「馬鹿野郎!その体調で意識があるだけ奇跡だ...すぐに病院に...」

女3「女を連れてきた訳?」

女「...なるほどな 私の神力が狙いか...ったくそういうのは前以て言ってくれよな」

女4「何の騒ぎ...ってひいおじいちゃん!?それにお母さんも...」

女「女4 いいから男を叩き起こして来い 疲れは私が何とかする」

女4「わ、わかった...すぐ起こしてくるね...」タタタッ

美少女母「ええ...ええ...頼んだわよ」ピッ

女4祖父「何をしているんですか?」

美少女母「まだ足りないでしょ?手術代 だから今、警察署に電話してやり忘れた貴方のボーナスを寄越すように言ったのよ あ、もしもし?悪いけど女4の給料をくれないかしら?ええ...急用でね ありがと~助かるわ~ じゃあね」ピッ

女3「なるほど...手荒ですが校長先生にしか出来ないことですね...」

女「無茶苦茶を言いやがるな...まぁ母さんの頼みを断れんが...」

美少女母「よし...これで手術代は揃ったわね もしもしエイル?緊急オペの準備してくれる?大丈夫よ私もやるから」

女4「連れて来たよ...」

男7「あ、あの...どういうことですか?」

女「そこでじっとしてろ」

ピカッ

女「はぁ...はぁ...これでいいな」

男7「疲れが...消えた...」

女「お前の肉体状態を一週間前にした...その頃は疲れてないからな」ゼェ...ゼェ...

女3「大丈夫?女」

女「すまんな女3 肩貸してくれ」ユサッ

女3「おおっ...ったく無理するのは貴女も一緒ね」

男7「母様...何故そこまでして...」

女「母さんが言うのならやるしかないだろ...母さんはいきなりとんでもないこと言うがそれには必ず意味があるからな...」

美少女母「ありがとね~ヨミちゃん じゃ、行くわよ」

女4「えっ?何処に?」

美少女母「決まってるじゃない病院よ すぐにやらないと死ぬわよ?その人 男、貴方も同行して貰うわよ?軍医の経験あるでしょ?」

男7「あ、ありますがどうしてそれを...」

美少女母「説明している暇は無いわ」

女4「と、とにかくひいおじいちゃんをまず乗せないと」

女4祖父「そうだな...父さん そっちを頼む 行くぞせーのっ」

~救急車内~

美少女母「ええ...ええ...わかったわ そこに連れて行けばいいのね」ピッ

女4「校長先生...随分慣れてるようですが...」

美少女母「これ 私の医師免許よ」スッ

女「い、医師免許まで持ってるのかよ母さん...」

美少女母「勿論手術の経験はあるわ だからすぐ呼んだのよ」

女3「じゃあさっき女6に電話したのは...」

美少女母「聞こえたでしょ?オペの準備をするためよ」

女4祖父「助かるんですか?親父は...」

男7「腰から癌が全身に転移しています...本当ならばもっと早く手術するべきでした...」

美少女母「恐らく...成功する確率は一桁を切るわ...」

女4「そ、そんな...」

美少女母「まぁ、それは貴方が手伝わない場合の話だけど...」チラッ

男7「確かに私は一時期軍医をやっていましたが...手術となると...」

美少女母「その眼よ そのMRIより正確な情報を読み取る眼 貴方は私達のアシストをしてくれれば充分よ」

男7「なるほど...そういうことですか では若輩ながら手伝わせて貰います」

女4「助けてもらうのは嬉しいですがどうして赤の他人であるひいおじいちゃんを?」

美少女母「ここで死んでもらったら困るからよ せめて結婚式を挙げるまでは生きてもらわないとね 貴方達もその為に今まで頑張ってきたんでしょ?」

女4祖父「ま、まぁそうですが...」

ガタン

美少女母「着いたわね 扉開けて」

女3「は、はい」

ガチャ

~病院~

女6「...来たな こっちだ」

美少女母「患者の容態は意識不明...かなり不味い状況よ」

男7「速やかに手術を行わなくてはなりません」

女6「ん?君はどうして...」

美少女母「彼の眼のことは貴女も知ってるでしょ?この状況だと検査をしている時間は無い だから彼に手伝ってもらうのよ」

女6「そうか...お前、メスは握ったことがあるか?」

男7「ええ...ありますが...」

女6「なら合格だ 行くぞ」

~控室~

女4「大丈夫かな...ひいおじいちゃん」

女4祖父「父さんが居るなら大丈夫だろ」

女「あいつの眼は凄いからな...私の自慢の息子だ」

女4祖父「えっ!?息子? じゃあ助手さん...あんた...」

女「I am your grandmother」

女4祖父「う、嘘だろ...」

女4「知らなかったの?おじいちゃん」

女4祖父「初耳に決まってるだろ お前は...知ってたか」

女4「うん」

女3「あの...私って居る意味ありますかね?成り行きで一緒に来ちゃいましたが...」

女「何言ってんだお前 私の肩を背負う役があるじゃないか あの神力、かなり体力を使うんだからな」

女3「まぁあのレベルの神力になるとちょっとやそっとじゃ直らないと思うけど...」

男「女!ここに居たのか...」

女「おい男 ここは病院だぞ静かにしろ」

美少女「少なくとも病院のソファーで女3の膝を枕にして横になってる女には言われたくないんだけど...」

女3「い、いつの間に...」

女「お前の膝、なかなか寝心地がいいぞ」

男4「よくもまぁ人の妻の膝で寝れるなお前...」

ヨルム「ママ...来たよ」

女3「あなた...ヨルム...どうしてここに?」

男4「ヨルムから話を聞いたからさ それより大丈夫なのか?女4のひい爺さん」

美少女「結構無理してたもんね...」

メイド「もうすぐですよ...」

女4曾祖母「悪いねえ...おんぶしてもらっちゃって...」

女4「ひいおばあちゃん...メイドさんも...」

メイド「ちょうど売った後に偶々出会ってね...母さんも居るって聞いたから飛ばして来たんだよ」

女「飛ばしてきたって...お前...自転車の2人乗りは駄目だろ...」

メイド「何言ってんの母さん 走って来たに決まってるでしょ その方が速いし」

男「尚更駄目でしょ...」

女4曾祖母「でもお蔭様で早く着くことが出来ました...ありがとうございます」

メイド「いえいえそんな...当たり前のことをしたまでですよ」

女「ところで女...勇者はどうした?」

メイド「勇者さんなら男の代わりにホームクリーニングに行ったけど...」

男4「どうして勇者が...」

メイド「偶々会ったからよ なかなか来ないから向こうから来たんだって そしたら救急車で行っちゃったから仕方なくって感じで」

女「あいつ、今は手術のアシストやってるからな...今日は無理だろうし...勇者ドンマイだな」

美少女「誰が手術してるの?」

女「母さんと男と女6」

男「手術も出来るのかよ校長...多才だな...」

女「私もびっくりしたよ まさか医師免許持ってるとは...」

一旦切ります

枕元に何か凄いいっぱい人が立って続き書けって俺に迫ってくる夢を見た...俺、疲れてるのかな...

女3「...もしかしてだけど 医療知識知ってたからヨルムの命を創造出来たのかもしれないわね」

男4「ヨルムの命を? どういうことだ?」

女3「そういえばあの時、あなたは気を失っていたわね...あの時ね あなたをヨルムが庇った時 ...一回死んだのよ この子」

男4「えぇ!? そうなのか?ヨルム」

ヨルム「うん...自分でもこれは駄目だなって思ったんだ...でも気が付いたらみんなの顔が見えて不思議だったんだよ」

男4「じゃあ校長は...」

女「ああ お前の考えている通りだ 母さんが父さんに支えて貰ってやっと立てる程の体力を使って...お前の子供の命を創造したんだよ」

男「でもその様子だとお前には言ってなかったみたいだな」

美少女「お母さんは照れ屋だからね だからじゃない?」

ヨルム「...でもおかしいな パパはあの時、私が最後に叫んだアレを聞いていたでしょ? なら、死んだってわかってたんじゃないの?」

男4「あの時な...お前がぶっ飛ばされることに怒ってたから...死んだこと、知らなかったんだ てっきり気を失ったのかと思ってたんだ...」

メイド「何というか...おめでたい人だね...」

男4「何とでも言え ヨルムが生きていればそれでいいんだ」

美少女「出た...男4の子煩悩...」

女4「全く違う話題で盛り上がってるけど...今、ひいおじいちゃんの手術してるんだよね...」

女4祖父「まあまあ...いいじゃないか こいつらが頑張っていたのは事実だろ? ...お前は最後の方に来て応援しただけらしいけど」

女4曽祖母「馬鹿! 応援するのも大切なことよ? 女4、貴女は決して無力じゃないからね?勘違いしては駄目よ?」バシン

女4「う、うん...」

男「ところで話は変わるけどさ 男4、お前は今 そのヨルムを育てることに夢中になってるけど...こっちの世界にもヨルムンガンドが居ること忘れてないか?」

女3「大丈夫よ ちょくちょく会いに行ってるし...この人も考えがあってこんなことを...」

男4「ヤベッ 忘れてた」

美少女「駄目だこりゃ...」

男4「確かにな...そろそろヨルムを他の3人に会わせた方がいいな 特にこっちのヨルム お前も興味あるだろ?」

ヨルム「うん...一度会ってみたい...」

男4「じゃあ今度の休みに会わせるか あいつらも会いたがってると思うし」

女「気になってたんだが...お前達がこっちに来ている間、誰がお前達の子供の面倒を見ているんだ?」

女3「えっ?トール様とヘイムダル様だけど」

男「主神の次に偉い神が面倒見てるのかよ...主神は父さんだけどさ」

男4「トールは順列2位だけど...ヘイムダルはそこまで高くないぞ?」

メイド「じゃあどうして面倒見てるの?」

男4「あー...なんて言えばいいかね....俺さ、両親2人とも小さい時に死んでるんだよ その時に俺を引き取って育ててくれたのがあいつなんだよ」

男「育ての親ってことか...」

男4「そういうこと 女3と結婚する時は大変だったな...なかなか許可してくれなかったんだよ」

女3「あの時は大変だったわねー 双方から猛反対されて...」

男父「私とフリッグが言ってやっと許可したもんな」

男母「説得するのは大変だったわよ」

男「父さん、母さん 来たんだ...」

男父「教頭から連絡を受けてな...お前達も来ているって聞いたから急いで来たんだよ」

男母「大丈夫なの?女4のひいおじいさんは」

女「わからん...今、母さん達が手術しているところだ」

男母「校長が!? あの人、手術出来たのね....」

男父「資格持ってるって聞いたことあるが....冗談じゃなかったのか...あれ?男7は?」

女4「ひいおじいちゃんは校長先生達のアシスタントをしています」

女「あの子は眼がいいし...内地に居た頃は軍医をやってたからな...適役だろう」

メイド「えっ?そうなの?母さん」

女「姉であるお前が知らないとかどういうことだよ...旅してた時に調べてないのか?」

メイド「ほんの少しだけしか知らない...」

女「マジかよ...」

ブー ブー
女「誰だ?こんな時に電話してくるのは...」

メイド「私の携帯だ 掛けてきてるのは....どうしてこの人が? もしもし」

閻魔『もしもし、僕だよ ちょっと今、問題が起こってさ 君の意見聞きたいから悪いけど冥界に来てくれる?』

メイド「えっ? でも今、病院だからすぐには行けないんだけど...」

閻魔『大丈夫 僕が呼ぶから じゃあね』

女「誰からだ?」

メイド「閻魔 何か問題が起こって私の意見を聞きたいみたい 病院だからすぐには行けないって言ったら呼ぶから大丈夫だって言ってたけど...」

ゴゴゴゴゴゴゴ

男「な、何だ?地鳴り?」

男母「違うわね...これは...」

ピカッ

男4「あれ?男達は?」

ヨルム「消えちゃった...」

~冥界~

男「うおっ」ドスン

美少女「痛たたたた...まったく、手荒なやり方で呼ぶね」

女「何で私達まで...」

男父「全くだ 私と母さんは無関係だろ」

男「父さん達も呼ばれたのか?」

男母「そうみたいね...」

メイド「どういうことだよ 閻魔」

閻魔「いやー悪いね いきなり呼び出したりして ちょっと僕の手じゃどうにかならない問題だから君達の力が必要だったんだよ あっ、先代様 お久しぶりです」

男父「...母さん? 先代ってどういうことだ?」

男「そういえば母さんが閻魔やってたのって父さんには内緒だったね」ヒソヒソ

美少女「うん まさかこんな形でバレるとは母さんも思わなかっただろうね」ヒソヒソ

女「召喚されるとはなぁ...フリッグも運が悪い」ヒソヒソ

男父「その様子だとお前達も知ってたのか」

3人 ギクッ

男「ま、まあね 校長先生から偶々聞いたんだよ な、美少女」アセアセ

美少女「う、うん まさか母さんが2代目閻魔だったなんて思わなかったよ そうでしょ?女」アセアセ

女「あ、ああ その時にフリッグからお前には内緒にしてくれなんて一言も言われないからな 本当だぞ!?」アセアセ

メイド「嘘付くの下手だね...母さん達...」

男父「そうなのか?母さん そういえば随分と前に友達の家に行くとか言って長い間留守にしてたことがあるが...」

男母「はぁ...これだからお父さんには内緒にしたかったのよ...そうよ、私はその時、校長に頼まれて閻魔をやってたのよ」

閻魔「あの時はありがとうございました 一つ一つ丁寧に教えて貰って...お陰様で職務を全う出来ましたよ」

男母「貴方がいきなり押しかけて閻魔やらせてくれ閻魔やらせてくれってせがんだからね...まぁ、そろそろ辞め時かなとは思ってたけど」

男父「どれくらいやってたんだ?」

男父「3000年くらい?」

男父「結構やってたんだな...」

>>93 の修正 下から2番目の言葉は男母が言ったものです

女「でもどうして女だけじゃなくて私達まで呼んだんだ?オーディンに至ってはお前とは初対面だろ?」

閻魔「彼は主神だからさ...ほら、死神長が居ただろ?あの子が今度、閻魔になるから死神長に空きが出来るからさ...彼女に指名してもらったんだよ 次期死神長を そしたら...」

ペルセポネ「別にいいでしょ?ハデっ君 死神長は実力で私を選んでくれたんだから」

男「だ、誰?その女の人」

閻魔「...僕の奥さん ペルセポネだよ」

美少女「あぁ...なるほど...よりによって自分の奥さん選ばれたから一悶着あったんだね...」

メイド「そんなことで私、呼び出すなんて....暇じゃないんだよ?私」

女「んな訳無いだろ 暇さえあればアニメ見てる奴が...365日暇じゃねーか」

メイド「母さんだって暇さえあればゲームやってるでしょ」

女「私は学生だからいいんですー ちゃんと勉強してるからお前とは違うんだよー」

ペルセポネ「何か喧嘩し始めたけど...」

男母「気にしないで いつものことだから で?どういうこと?ハデス あの子にもちゃんと訳があって選んだんでしょ?それをどうして嫌がるの」

閻魔「ペルちゃんには辛い目にあって欲しくないんだよ 死神になるって言った時も反対したんだよ?」

男「あぁ...こいつも惚気夫婦の1人だったか...」

ペルセポネ「ハデっ君が閻魔として頑張ってるんだから奥さんである私も頑張らなきゃ駄目でしょ?」

美少女「何というか...バカップルだねこりゃ...」

男父「やれやれ...で、その選んだ死神長とやらは何処に居るんだ?」

閻魔「ああ...彼女なら僕達が言い合ってる時に仲裁しようとした時に鎌取られたから...ほら、あそこに隠れてるよ」

死神長 プルプル

男「うわっ...前に会った時とは別人って程の変わりっぷりだね...」

男父「ん?お前...どうしてここに居るんだ?主神であるお前が...」

死神長「あ...オーディン...こ...こんにちは...」

男「えっ!?主神?!」

美少女「おい女 詳しく話を聞かせてもらおうか」

女「別に...あいつ、行き場が無かったから死神の仕事をやらせただけだが?」

男「父さん...死神長って誰なんだ?」

男父「エジプト神話の太陽神って言ったらわかるだろ? はぁ...トトも探してるんだぞ?お前のこと」

美少女「エジプト神話の太陽神で主神って...ラーじゃない」

死神長「う...うん....元...だけど...ね...」

女「おいおい...この調子だと話終える時には日が暮れるぞ 鎌返してやれ」

閻魔「あぁうん はい鎌」スッ

パシッ

死神長「はぁ...やっと普通に話せるや 久し振りだねオーディン」

男父「最初見た時はお前ってわからなかったぞ 肌が白くなってるし 褐色だったのに...」

死神長「随分とここに居るからね 肌も白くなるさ それにあたしは追放された身 主神なんてもう昔のことさ」

美少女「確かラーって自分を信仰してくれないからって騒いだ末に追放されたんだっけね」

死神長「ありゃ作り話さ 本当はあたしがダラけてたのを見かねた他の神があたしを追放したんだよ だから今のあたしは主神じゃない トトが主神代理をやってるみたいだけどね」

男「だ、ダラけてたんだ....」

女「私とよく遊んでたもんなー 度が過ぎる程に」

メイド「母さんが度が過ぎるって言うことは...余程のことだねこりゃ...」

男母「それで行く当てがないラーを女が私に相談してね...当時は閻魔だったから死神の職を与えたのよ そうしたらまさか死神長になるなんて....思わなかったわよ」

男父「そうは言ってもな あれからお前が居なくなってエジプト神話のあいつら、困ってたんだぞ?居なくなったことで色々大変なことが起こって...だからずっとお前を探してる 皆、お前に戻ってきて欲しいんだよ」

死神長「そう言われてもねぇ...今のあたしは死神長だよ? あいつらとはもう縁を切ってるし 今更戻るなんておこがましいって」

閻魔「それに彼女には4代目閻魔になってもらうしね」

男父「はぁ...お前もクロノス封印に携わった1人じゃないか なんてあいつらに言えばいいんだよ」

死神長「元気でやってるって伝えてよ」

男「やっぱり主神やってただけにクロノス封印に関わってたんだね....」

美少女「ということは何度か命、狙われたの?」

死神長「何回かね 最近は来てないな あいつ、無間地獄に居るのに一向に反省しないしね...少し前なんか無間地獄から脱走しようとして大変だったし」
閻魔「あの時は彼に助けられたね ね?補佐君」

閻魔補佐「いえ...大したこと無いですよ 私はあの時、すべきことをやったまでですから」

女「お、夫!? どうしてお前が...」

メイド「と、父さん...」

男「そういえば女の夫って校長に無間地獄に落とされたんだっけ...」

美少女「じゃあ脱走しようとした時にクロノスを抑えたの?」

閻魔補佐「いえ、それだけではありません クロノスが脱走しようとしたのに応じて大勢の者が便乗していましたから...それらの鎮圧もしました」

閻魔「彼には頭が上がらないよ 流石、大巫女の父だけあって速やかに鎮圧してね それで、彼には僕の補佐をしてもらうようになったんだ」

女「じゃあ何でこの前来た時は私に会わなかったんだよ」

閻魔補佐「私は一度無間地獄に落ちた身ですから...貴女に会えるような身分ではありませんよ」

メイド「まさか父さんが閻魔の補佐をしていたなんて...知らなかった...」

閻魔補佐「大きくなりましたね...女 貴女にも詫びなくてはなりません 幼い身である貴女を一人きりにしてしまいましたから...」

メイド「そんなこと無いよ...またこうして会えただけ充分だって それに私は父さんの足元にも及ばないし...」

閻魔補佐「いえ 貴女は立派に巫女をやり遂げました 貴女の父親であることが誇らしいですよ」

男「うぅ...生き別れた親子が今こうして再会する...感動するなぁ...」ポロポロ

美少女「めっちゃ泣いてるし...」ポロポロ

男父「お前も泣いてるじゃないか ったく涙脆い奴だな」

女「まさか夫を補佐にするとはな...お前のセンスを疑うよ こんな馬鹿の何処が役に立つんだって」

閻魔「君のネーミングセンスには負けるさ それよりもだ 今日こうして呼び出した件、忘れてないかい?」

男「えっ?死神長が誰か教えるのと親子を再会させる為じゃないのか?」ポロポロ

閻魔「違うよ ペルちゃんが次期死神長になることだって」

男母「ペルセポネ 貴女、死神長になる覚悟は出来てるの? 数多くの死神を率いるってことは責任も貴女にあるってことなのよ?」

ペルセポネ「はい 出来てますよ」

男母「なら決まりね いい?ハデス 死神長であるラーが勧めて本人もやる気なら貴方にそれを止める権利は無いわ 彼女が次期死神長よ」

閻魔「でもなぁ...大変だよ?死神長」

ペルセポネ「大丈夫だって それとも私を信用出来ないの?」

閻魔「とんでもない ペルちゃんのことはいつだって信じてるさ」

閻魔補佐「閻魔様は仕事は早いのですがいつも奥様のことになるといつもこれですからね....」

メイド「頑張れ父さん」

男「そういや女の旦那さん...名前なんだっけ?」

女「夫だよ」

男「まんまだな 夫さんって、男7に話し方そっくりだよな」

メイド「まぁそうだね 男は父さんに似たし 話し方が似てもおかしくないよ」

閻魔補佐「男のことを知っているのですか?」

男「知っているというか....同級生だよね」

美少女「彼の孫にあたる女4が召喚した時に偶々召喚されたんだよ で、紆余曲折の末、学校に入学して...今は友人である女4の義理のひいおじいさんの手術の手伝いをしてるよ」

メイド「立派になったよ 男は」

閻魔補佐「そうですか...あの子にも長い間会ってませんからね...一目でいいのでまた会ってみたいですよ」

閻魔「...じゃあさ 彼が結婚式挙げる時に会わせてあげるよ いいでしょ?先代様 それくらいのことなら」

男母「別にいいわよ 閻魔である貴方が決めたならね」

閻魔「じゃあ決まりだ 楽しみだねー彼の結婚式 相手は誰だと思う?」

男「うーん...あいつ、無駄に義理堅いからな...とんでもない人と結婚するかもしれない...」

美少女「孫の女4だったりして」

女「まさかー それは無いだろ まぁ、出来なくは無いがな 戸籍上ではあいつ、女4の遠い親戚ってことになってるから」

メイド「じゃあ近親婚出来るんだ...」

女「まぁあり得ないがな 真面目なあいつのことだ 誤っても女4と結婚なんてしないだろ デキ婚でもない限り」

男「デキ婚?何それ」

男母「できちゃった婚の略よ お腹に赤ちゃんが居ることをきっかけに結婚することね」

男「えっ!? 赤ちゃんって結婚してからじゃないとできないんじゃないの?」

女「は? お前何言ってんだ?子供は...」

ギュッ ゴキッ

美少女「ハハハ そこまでにしようか女」

女「でもほ そほそほいっはほうはいひいじゃはいは?」モゴモゴ

男「なんて言ってるんだ?」

メイド「多分...『でもよ、そろそろ言った方がいいんじゃないか?』って言ったんだよ」

死神長「女は耳がいいからこれくらいなら聞き取れるか」

男「言った方がいいって何を?」

美少女「男には関係ないことだよ 気にしないで」

男母「男は昔から性知識に疎いからね...保健の授業も確か、何言ってるのかわからないって言ってなかった?」

男「うん さっぱりわからないね」

ペルセポネ「こりゃ重症だね ハデっ君」

閻魔「どうするんだろうね...この様子だと次の世代が生まれないよ?」

美少女「ご心配無く 私がどうにかしますから」

メイド「嫌な予感がする...」

閻魔補佐「女 彼らのこと、よろしくお願いしますね」ヒソヒソ

メイド「任せてよ 父さん あの子達は私の子孫だしね」ヒソヒソ

一旦切ります

~病院~

男4「あれから暫く経つが一向に帰ってくる様子が無いな...」

女3「あれは恐らく召喚する神力ね...でも桁違いの神力を他愛もなく使うなんて...」

男4「俺達とは違うんだよ...あっちは本家だからな...所詮俺達は分家だよ」

女4「??? 本家とか分家とかどういうこと?」

男4「本当にお前、何も知らないんだな...いいか?本家というのはな...」

パン

女4祖父「おっ 終わったようだな」

ウィーン

美少女母「いや~ お疲れ様~ 頑張ったわね~男」

女6「正直君が居なければこの手術をやり切ることは出来なかっただろうな...どうだ?高校を卒業したらうちに来るか?」

男7「いえ...私はあくまでもアシスタントとしてやれることをやっただけですから...」

女4祖父「なぁ父さん 親父は?」

男7「今は眠ってますよ 手術は無事終わりました」

女4曽祖母「ほっ...良かった...」

美少女母「でも暫くは入院してないと駄目だからね~ ここ数日はICUに居るのは間違いないわ~」

女4祖父「あいしーゆー?何だそれ?」

女4「集中治療室だよ おじいちゃん」

男4「あの歳で全身麻酔となると解けるのは暫くかかるだろうな...まぁ、それが正解だろう」

女4「で...これからどうするの?」

女6「私は術後もやるべきことがあるから勿論残る これでも院長だからな イザナミ、お前は?」

美少女母「帰るわよ~ほら、汗だくだし~」

男7「私は...」

女4祖父「まぁ、帰るのが当然だよな 父さんも疲れただろうし」

女4「あっ、じゃあ帰りに喫茶店寄ろうよ 私もバイトだし」

男4「えーと...俺達はどうする?」

女3「ここに居る理由も無くなったものね...ヨルムはどうしたい?」

ヨルム「オムライス食べたい」キラキラ

男4「てことはお前らと同行することになるのか...」

~喫茶店~

女4「ほら、ひいおじいちゃん 入って入って」

男7「わわっ...押さないで下さい」

マスター「いらっしゃ...ん?貴方は...」

男7「バイトさん?どうして貴方が此処に...」

マスター「そういう貴方も...何故その姿で...」

男4「おっとまた面倒事に巻き込まれるなこりゃ...」

女4「??? マスター、ひいおじいちゃんのことを知っているんですか?」

マスター「知ってるも何も...彼はよく来ていましたから...でもおかしいですね...あれから数十年経っていますが...」

男7「まぁ...色々ありましてね...そういう貴方もまったく変わってないですよね?」

女4祖父「薄々勘付いてはいたがよ...年月を重ねても変わらない見た目でマスターが何処となく人間離れしてるってことはな いい機会だ白黒はっきりつけさせてもらおうか 女4も気になっているだろ?」

女4「まぁ...そうだね...」

女3「以前、女から聞いたのよね マスターは神でも人でも無いって」

男4「じゃあ何だって言うんだよ」

マスター「...宇宙人ですよ」

男4「えっ?」

マスター「私はこの星の者ではありません 世間一般的には宇宙人と呼ばれる者です」

女4「でも宇宙人って何か灰色の肌で細いイメージがありますが...」

マスター「それは違うよ テレビでよくやるUFOは全て偽物だ 第一、あんな物で宇宙空間を移動するなんて夢物語にも程があるからね」

男7「じゃあ実際は...」

マスター「ロケットですよ まぁ、今ある最新技術のものを発展させたものを想像して下さい 墜落した時に全て壊れましたがね...」

女4祖父「じゃあその時に先代のマスターに...」

マスター「ええ 燃料切れで墜落し傷を負った私を引き取って治療してくれました せめてもの恩返しで手伝っていたら...こうなったって訳ですよ」

男4「故郷に帰りたいとか思わないのか?」

マスター「私の星は...私が離れて少しした後で無くなりました...巨大隕石の衝突で...」

男4「あっ...その...悪かったな 嫌なことを思い出させて」

マスター「謝らなくて結構ですよ もう昔のことです それに今の生活にも満足してますから」

男7「まさか貴方にそんな過去があるとは思いませんでしたよ...貴方の淹れたコーヒーは美味しいものでした」

マスター「いえいえ あの頃はお湯を沸かすのもままならなかったのでとても飲めるようなものでは...今は少しマシになったのではないですかね ご賞味下さい」 スッ

男7「いただきます」

女4曽祖母「でもどうして地球に?」

マスター「当時の私はある任務を受けていました...私達の星もまた、人口問題を抱えていましてね...移住出来る星を求めていたのですよ」

女3「それで、地球が移住出来るのではないかと調査をしてたら燃料切れで墜落したと?」

マスター「いえ...偶々打ち上げられたミサイルに直撃しましてね...それで運悪く燃料を積んでいた部分に損傷が生じてあれよあれよという間に墜落したのですよ どうですか?コーヒーの味は」

男7「凄いですね 昔飲んだ物も良いと思いましたが...更に良くなっていますよ」

マスター「それは良かった」

女4「あっ、だから勇者が女性だとわかっても驚かなかったんですね?」

マスター「まぁ...それもあるね 異星人である私にとって全てのことが未知なることだからというのもあるけど...何処となく彼女の仕草が女性っぽかったからね ああやっぱりねと思ったんだ」

男4「それな あいつ、男の頃から何か女々しかったんだよな...趣味も行動も...虫見て驚いた時なんかこっちが驚いたし...」

ヨルム「おかわり」

マスター「はいどうぞ 貴方のことは勇者ちゃんからよく聞いてますよ いつも一緒に行動している仲なんですよね?」コトッ

男4「まあな 昔は俺と勇者と男3でバカ3人組とか言われてたよ...でも最近のあいつは何処かおかしいんだよな...急に俺達に対して敬語使うようになったし...」

女3「海でもそのこと言ってたわね」

男4「だって少し前まではタメ口だったのにある日突然敬語になったんだぜ?違和感ありまくりだろ」

一旦切ります

ガチャ カランカラン

マスター「いらっしゃい」

男5「マスター、コーヒー一つ」ドスン

男4「堂々と俺の横に座るなよお前...」

男5「なぁ男5 お前、姉さん見なかったか?」

女3「どうして女を探してるの?」

男5「そろそろ出してもいいと思うんだよ...時期的にな」

女4「何を?」

男5「...会長の写真集」

男4「さ、流石ファンクラブ会長...考えることがチゲーや でもあの男が許可するか?」

男5「馬鹿言え だから外堀から埋めていくんだろうが あっ、どうも」

マスター「熱いから気をつけてね」

>>114 お前が男5だろ...2回目の男5の言葉は男4に向けて言った言葉です

女4祖父「いきなり来て話題を掻っ攫ったなあいつ...」

男7「まぁ、それが叔父様ですから...」

女4祖父「そっか...助手さんが俺の婆ちゃんだからあの人は俺の大叔父さんなのか...あれ?親族多くね?」

男5「おうそうだな 後、姉貴、姉さん、カグツチの3人居るからな忘れんなよ」

女4祖父「ま、マジかよ...」

男4「寧ろ今まで気付かなかった方がおかしいんだよな...で?さっき外堀から埋めるって言ったがどういうことだ?詳しく聞かせろよ」

男5「まず男が文句言っても強制的に実行出来るようにする 母さんと男6とヨミ姉さんと姉貴 この4人と会長の許可さえ出ればもう決まったも同然だな だが...探してもヨミ姉さんが見当たらないんだよ...朝、女3が女4の家に連れて行ったから向かったら病院行ったって聞いてそっち行っても居ない で、母さんに会ったから聞いたら喫茶店行ったって言うから来たんだよ でも居ないし...」

女4「お母さんなら病院で待ってた時にメイドさんに掛かってきた電話の後の地鳴りみたいな神力で何処か行ったよ」

男5「女に掛かった電話の後?また、冥界が絡んでるのか...面倒なんだよな黄泉比良坂行くの...あー、仕方ねえ うじうじ言ってても何も変わらんしちょっと行って来るわ マスター、これお金ね」

マスター「ちょうどだね またのご来店を」

バタン カランカラン

ヨルム「台風みたいに来て行ったね...あの人...あっ、おかわり」

マスター「はいどうぞ 小さいのによく食べるね」

男4「ヨルムはよく食べるからな...でも会長の写真集か...あいつも実質野良の写真部だからな...でも男が出版を許す訳ないからって外堀から埋めるってのはどうかと思うんだよな...」

女3「でもあなたも欲しいんでしょ?会長の写真集」

男4「まぁ、欲を言えばな 女を探してるってことは許嫁と男6には既にその話はしているんだろう...で、校長にはさっき会った時に話したって訳か...」

女4「ファンクラブが絡むと男5って行動早いもんね...」

女3「でもよく冥界に召喚されたなんてすぐわかったわね男5...まだわからないのに...」

男4「あいつは日本の神だからな...メイドさんってあいつの姪なんだろ?だったらどういう用で呼ばれたかはともかく何処に連れて行かれたかはわかるんじゃねえか?」

女4曽祖母「女4...さっきから思ってたんだけどこの人達って...」

女4「ひいおばあちゃん 世の中にはわからない方がいいこともあるんだよ」

女4曽祖母「そう...じゃあ私は聞いてるだけにしますかね...」

女4祖父「そういえばさ 父さんが生まれた年っていつなんだ?何か凄い昔に生まれたってのだけは分かってるんだが...」

男7「私が生まれた年ですか?うーん...なんて言えばいいのですかね...」

男4「伊勢神宮なんだろ?確か生まれたのってさ 建てられた年が7、8世紀辺りだからそこら辺なんじゃないのか?」

男7「いえもっと昔ですよ 確かに文献には7、8世紀に建てられたとありますが...本当はもっと昔に建てられた物ですよ 西暦が生まれる以前からあったのではないでしょうか...」

女3「えっ?伊勢神宮ってそんなに昔からあるの!?」

女4「あれは人が造った物なのかどうかも怪しいからなぁ...お母さんに聞けばわかるんじゃない?」

男4「まぁ、そうなんだけどよ 産んだ本人が一番覚えてるだろうし...でも今ここに居ないだろ?だから考えてるんだろうが」

女4祖父「結局振り出しに戻ったのか...でも凄い昔に生まれたのは確かなんだよな?」

男7「ええ...姉様が活躍した功績が書物として残されていれば話はまた変わって来るのですが...」

男4「女から嫌になる程聞かされたよ メイドさんって4歳の時から妖怪退治してたんだろ? しかも途中から空飛べるようになったらしいし 恐ろしいよなそう考えると まぁ、弟のお前もとんでもないけど」

男7「そんなことは無いですよ...私は逃げてばかりでしたから...臆病者としか呼ばれていません」

女4曽祖母「そう言いますがね...お父さんは貴方を優しい人だったっていつも言っていましたよ? 人殺しを決してせず、功績よりも仲間の命を優先したって」

男7「そのせいでいつも殴られていましたがね...まぁ、人殺しが正当化されていた当時は私のような者は異端者だったのでしょう」

マスター「...帰ってくる度に貴方の目は段々と輝きを失っていましたよ...何故自分じゃないのかっていつも嘆いていましたよね...」

男7「教え子が死ぬとわかっていて見送ることは辛いことですよ...出来るなら代わりたかった...」

女4「でもひいおじいちゃんは今こうしてここに居るじゃない 確かに軍人であった過去は消えないけどさ 大事なのは今なんじゃないの? 私も辛い過去があったけどさ...今はこうしてみんなが居るから楽しいよ」

女4祖父「お前には迷惑掛けたもんな...」

女4「自分で進んでやったんだからおじいちゃんは悪く思わないでよ 誰だって何かしら思い出したくないことはあるけど...でもそれを理由に今から目を背けていいとは私は思わないね」

~黄泉比良坂~

メイド「あーもう 雑草みたいにまた湧いてて限が無いよ...」ペタッ

女「そう言うなって 妖怪退治はお前の本職だろ?」

メイド「元だよ元! まったく...私以外やってくれる人は居ないのかな...はぁ...」ペタッ

男母「でも貴女が一番向いてるのは事実だと思うけど?」

男父「私の力だと出力誤るとこの地が消し飛ぶからな...その分一つ一つ送る方が無駄な力を使わずに済むから良いんじゃないのかい?」

メイド「やってみてから言って欲しいんですがねぇ...これ、結構辛いんですよ?ばら撒けばいいって訳じゃないですから」ペタッ

美少女「これ始めてどれ位経った?」

男「かれこれ1時間は経ったんじゃないかな 多分手術終わってるよ...きっと...」

ビュウウウウ

メイド「こ、この風は...」

男5「何か大変そうだな...手伝おうか?」

女「男5...どうしてここに?」

男5「姉さんに用があってな ほっ」ブン

ビュウウウ

男父「これはまた凄い風だな...下手をすると私達まで吹き飛ばされるぞ...お前ってそんな力あったのか?」

男5「まぁ、俺は色々と呼び名があるからな その中に荒神ってのがある 荒ぶる神って意味でな やろうと思えば嵐も起こせるぜ?」

男「うわァァァァァァァァァァァァ」ピュー

ガシッ

美少女「大丈夫?男」

男「いやー 君が居なかったら飛ばされてたよ ありがとう美少女」

女「おいおい...やり過ぎだぞお前」

男5「えっ?そうか? じゃあこんなもんでいっか」

メイド「やり過ぎってレベルじゃないと思うんだけど...ここだけ台風通ったって言っても通じちゃうよこれじゃあ」

男5「俺は壊すのは得意だからな おっ、会長 今の表情いいね」カシャカシャ

女「お前も変わらんな...で?私に用とか言ってたが...」

男5「そうそう そのことなんだがさ ちょっと向こうでしないか?ここだと不味い」

女「まーた何か企んでるのか...悪いが面倒事は御免だぞ?」

男5「大丈夫だって 姉さんも聞けば賛成してくれるさ」

男「で...僕達は一体ここからどう帰ればいいんだろうね...」

メイド「私の神力だとちょっとしか行けないし...母さんは叔父さんに連れて行かれちゃったしなぁ...」

男父「じゃあこういうのはどうだ?神力とはまた違うがな」カキカキカキカキ

パァァァァァァ

~学校前~

男父「よし、着いたぞ」

男「あれ?ここは学校?」

メイド「何したんですか?」

男父「なに、ちょっと魔法を使っただけさ ルーン文字を使ってな」

美少女「あっ、じゃあさっき書いてた魔法陣みたいなのは魔法を使う為だったんだ...」

男父「こんな時の為に学校に魔法陣刻んでおいて正解だったな...これは魔法陣を通して二箇所の場所を行き来出来る魔法だ まぁ、魔法陣を書かないと使えないのが面倒だが神力を使わないから疲れることが無くて良いんだよ」

男母「お父さんがルーン文字使って魔法使うの、久し振りに見たわね...」

男父「なかなか使う機会が無いからな...使わない方が良いのもあるが」

メイド「あっ、でも母さん達がまだ向こうに居るけど」

男父「あの風を引き起こせるんだ すぐに帰って来れるだろう」

一旦切ります

スーッ

美少女「おい芸能の神様 何処に行こうと言うのかね?」

女5「芸能の神じゃない! 踊りの神!」プンカプンカ

男「えっ?女5って神なの?」

美少女「そうだよ ほら、岩戸隠れの時に裸踊りした神居るでしょ?アメノウズメ あれが女5」

女5「私は真剣にやったんだからね それを皆が寄ってたかって笑って...」

男母「あの格好で踊るんじゃそりゃ皆、笑うわよ」

男「...僕は笑わないよ だって真剣にやってたんでしょ?なら笑ってはいけないと思うんだ」

美少女「男...」

男「もし良ければなんだけどさ...女5、踊り見せてくれないかな」

女5「え、えぇ!? でもあれは準備がいるからなぁ...わ、わかった じゃあ家に来て」

男父「お前、カグツチの家に居候してるじゃないか」

女5「そうだけど...いいからこっち!」グイッ

男「お、おぉ...予想以上に力強いな...」

タタタタタタッ

美少女「男が連れて行かれた...」

男母「大丈夫よ そのうち戻ってくるだろうし」

~現国先生の家~

女5「ここが私の家」

男「でもここって現国先生の家なんだよね?」

女5「うっ...まぁ、居候しているのは否定出来ないけど...でも今は関係ないでしょ ほら、入って入って」

男「お、お邪魔します」

女5「今はあいつ居ないから多分大丈夫な筈...じゃあ準備するからそこで待ってて」ガチャン

男「うん わかった」

男(女5とは部費以外で話した機会が無かったからあまり知らなかったけど...まさかアメノウズメだったとはなぁ...)

女5「よ、よし 出来たよ」ガチャ

男「じゃあやってくれ」

~数分後~

女5「...これで終わり やっぱり笑えるよね...」

男「す、凄い...何というか...その...綺麗だった...」

女5「本当に?お世辞とかは嫌だからね」

男「嘘じゃない 流石、神様だね...一応僕なりに評価をしようと思ったんだけどさ 見入っちゃって書けなかったよ...」

女5「嬉しい...」

男「えっ?どういうこと?」

女5「確かにあの場はお酒が入ってたけど、私の踊りが笑われたのは悲しかったんだよね...挙げ句の果てには芸能の神にされるし...でも男はちゃんと見てくれた ありがとう」

男「そんなことは無いよ 僕は真剣に何かをやる人は好きなだけだからさ...」

女5「男大好き」ギュー

男「お、おい...僕には美少女が居るから...」

美少女『おいお前...僕の男からさっさと離れろよ』ゴゴゴゴゴ

男「ま、窓に美少女が...」

美少女「まったく...心配だから後を追って来たら男を抱きしめるとか私に喧嘩売ってるの?」

女5「そ、そんなこと無いって あれは表現の一つであって...」

美少女「今度からは私に許可を得てから抱きしめるように わかった?」

男「何もそこまで言わなくたっていいじゃないか 彼女は一生懸命踊ったんだぞ?」

美少女「裸踊りの何処が良いんだよ あんなの、笑えるだけじゃない」

男「おい美少女 女5に謝れよ 君は誤解してる」

女5「いいよ男...どうせわかってもらえないって...でもありがとね さっきの言葉は嬉しかった もし私の手が必要になったらいつでも言ってよ 喜んで手伝うから」

男「女5...」

女5「さてと 今度踊るダンスの振り付け考えないとね」

男「...美少女、話がある 踊りを見せてくれてありがとう女5 じゃあ僕はこれで失礼するよ」

女5「うん じゃあね」

~外~

男「いつも思うんだが君はどうして人を色眼鏡で見るんだい?」

美少女「そんなこと言われてもな...」

男「人がコンプレックスとして気にしていることを面白おかしく弄るなんて人としてどうかと思うんだけど 君だって食べ過ぎだって言われたら気分が悪いだろ?それと同じだよ」

美少女「う、うん...」

男「確かに君は可愛いし、頭も良いし運動神経抜群だけど...そういう所は僕は嫌いだな」

美少女「反省します...」ズーン

男「そこまで落ち込まなくていいよ わかってくれればいいんだ まだ時間あるし、これからどうする?」

美少女「何か食べたい」

男「相変わらず君は食べることが好きだな...分かったよじゃあこの前出来たお店あるから行こう」

美少女「やった! 一緒に行きたいと思ってたんだよねー」

~学校 職員室~

現国先生「今、女5の身が危ないような予感がしたんだが...」

担任「気の所為だろ あいつは人に恨みを買うようなことはしないだろうし」

現国先生「だよな 俺の勘違いか」

美少女父「おいカグツチ さっき提出した書類のここ、間違ってるぞ 修正しろ」

現国先生「えっ?間違ってないと思うんだが...」

美少女父「二重尊敬になってるだろ これじゃあ相手を貶すことになる」

現国先生「あっそっか...わかったすぐに直す」

担任「お前な...それでも国語の教師か?」

現国先生「うるさいな...アマ姉さんは黙ってろよ」

プルルルルルル

担任「こんな時に誰だ?...もしもし?どうした」

女『私、ツクヨミ 今、伊勢神宮に居るの...』

担任「おい何の真似だ 悪ふざけなら切るぞ」

女『ちょ、ちょっと待ってくれ 本当に困ってるんだよ』

担任「はぁ? どうせお前のことだからまた帰って来れなくなったとか言うんだろ?男5に言え 私は今、仕事中だ」

男5『俺もここに居るんだよ』

担任「何でお前まで...あぁ、あの話をする為か で?仕事中の私に何を望むんだ?」

男5『頼むよ姉さん 迎えに来てくれ...』

担任「ヤダね 金ならあるだろ切るぞ」

女『今、持ち合わせて無いんだよ...だから今、姉さんの助けが必要なんだ』

担任「姉貴に頼めばいいだろ 何で私に...」

女『この時間の姉やんは昼寝をしているんだ だから電話を掛けても出ない』

担任「ひ、昼寝...姉貴らしい...でも抜け出せないのは事実だ 今も父さんに睨まれているしな 切るぞ」

男5『た、頼む 姉さん...いやアマちゃん』

担任「その名前で私を呼ぶということは...私を正妻にする覚悟は出来たということか?」

男5『え、えーと...それは...その...』

担任「一生そこにいろ」

男5『わ、分かった アマちゃんが正妻だ』

担任「本当か?後からやっぱり嘘でしたとか通じないからな」

男5『本当だ 嘘じゃない』

担任「はぁ...分かったよ 迎えに行く でも私は今忙しいのは本当だから代わりにあいつを送るからそれで我慢してくれ」

男5『あ、ありがとう...』

担任「今日の夕飯は楽しみにしてくれ じゃあまた後でな」ピッ

美少女父「お前...恐ろしいな...」

担任「何のことだ?父さん 生憎だが私はもう一本電話をしなくてはならないんでな ...もしもしヤタガラス 今、大丈夫か?」

ガイド『ちょっと...アマテラス様 その名前で呼ばないで下さいよ ガイドと呼んで下さい』

担任「お前がヤタガラスなのは変わらないだろ 大丈夫なのか?」

ガイド『まぁ、暇ではありますが...どうかしましたか?』

担任「私の夫と愚妹が伊勢神宮に居る 悪いが迎えに行って家まで送ってくれないか?」

ガイド『えー...あそこ、遠いんですよね...』

担任「頼む 式であるお前だから言えるんだよ』

ガイド『後で何かしてくれますか?』

担任「...じゃあ今年の修学旅行の私のクラスのガイド役、お前にすると言ったらどうだ?」

ガイド『すぐに行きますよ ちょうど誰かを導きたいと思ってたんですよねー 伊勢神宮でしたよね?では失礼します』

担任「...現金な奴だな」

現国先生「姉さんの式はヤタガラスってのは知ってるが...どうして修学旅行の姉さんのクラスの担当になるだけで引き受けたんだ?」

美少女父「あいつがバスガイドをやっていることは知ってるだろ?修学旅行のバスガイドをあいつは前々からやりたがっていたからな...夢がこんな形で叶うとは思わなかったんだろ」

現国先生「ふーん...単純だな」

担任「そう言ってやるな あいつのガイドは優秀だぞ?それよりも父さん、今日はこれで帰らせてもらうぞ」

美少女父「料理作る時間が欲しいか...はぁ、お前も人のこと言えないな 仕方ない、残りは私がやっておくよ」

担任「助かる」

~伊勢神宮~

女「姉さん、誰に送るって言ってたっけ?」

男5「多分、ヤタガラスだな あいつは姉さんの式だから」

ブゥゥゥゥーン

女「な、何だ!? バスが目の前で止まった...」

男5「そっか 姉さんは知らないだったな...あいつ、今はバスガイドなんだよ」

ガタン

ガイド「お待たせしました お二人様 さ、乗って下さい」

女「ヤタガラス...随分と変わった格好だな...」

ガイド「妹様...今の私はガイドです そう呼んで下さい」

男5「よし、乗るぞ」

女「バスガイドなのにお前、バスの免許も持ってるのか...」

ガイド「こんなこともあろうかとってヤツですよ アマテラス様も人使いが荒いですね...偶々今日は休みだったから良かったものの...あっ、右側を見て下さい 綺麗な海が見えますよ」

女「職業病だな...この状況でガイドをするなんて...」

~マンション 男6の部屋~

男6「...あの まだかな」

勇者「もうすぐ終わります」ゴシゴシ

男6「いつも来る彼なら30分もあれば終わるのだがね...やはりお姫様は違うか 使用人に任せっきりだからな」

勇者「今の私は学生です」ゴシゴシ

男6「ハハハ そうだったね 悪い悪い、忘れてたよ」

勇者「...ふぅ 終わりました」

男6「3時間27分か...まぁ、初めてにしては上出来とするか お疲れさん」

勇者「男7さんはこの作業を本当に30分で?」

男6「初回はね 今なら15分程度で終わってるよ」

勇者「す、凄いですね...」

男6「彼だからあの時間で終わるというのもある 彼の眼は汚れのある場所を的確に見つけることが出来るからね」

勇者「私には到底出来ない所業ですね...」

男6「そうだな さて、彼の代わりとはいえ 君が頑張ったのは事実だ 給料として受け取ってくれ」スッ

勇者「こ、こんなに沢山...受け取れませんよ」

男6「君の労働に見合った報酬だよ 疲れただろう?」

勇者「ま、まぁ...疲れましたけど...」

男6「ならば受け取りたまえ 私は慈悲で君に金を渡す訳ではないのだからね」

勇者「は、はぁ...では受け取らせてもらいます」

男6「タクシーを呼ぼうか?その足だと家まで行けるか不安だろう?」

勇者「いえ 大丈夫ですよ これくらいならまだ...」

バタン

男6「やれやれ...だから言ったんだ タクシーを呼ぼうかとな 自分の体調ぐらい気遣うことを知らないのか よいしょっと」

ポイッ ボフン

男6「今日は2人分作るとするか...」

>>137 修正 体調ぐらいじゃなくて体調を です

~勇者の家~

メイド「ただいまー...ってあれ?勇者さん、まだ戻って来て無いんだ...あれ?メールが来てる」

男6『恐らく君は勇者の帰りが遅くて心配しているのではないかと思い、彼女の携帯からメールをさせてもらった 私は男6だ 彼女は現在、私の部屋のソファーの上で眠っているよ 別に迎えに来いという訳ではない 今日の夕食は君の分だけで充分だ 家までは私が送る』

メイド「な、何これ...えーと、こういう時はどうすれば...でも夕食は私の分だけでいいって書いてあるし迎えに行かなくてもいいのかな?まぁいいや そのうち戻って来るだろうし 洗濯物寄せて畳んどこっと」

~数分後~

メイド「よし、終わり」

ピンポーン

メイド「あれ?宅配便は来る予定は無いだろうし...どちら様ですか?」ガチャ

男7「あっ、姉様 連絡も無しに来てしまいましたが...今、宜しいでしょうか?」

メイド「大丈夫大丈夫 ちょうど洗濯物を畳み終わったところだから 散らかってるけど上がってよ」

~リビング~

メイド「手術はどうだったの?」

男7「無事終わりましたよ 恐らく安静にしていればもう安心ではないかと」

メイド「男ってお医者さんだったんだねー お姉ちゃん、知らなかったよ」

男7「いえ、一時期軍医をやっていただけですから...」

メイド「もー すぐそうやって謙遜するんだから 偉い偉い」ナデナデ

男7「あの...姉様?私が今日、訪ねに来た理由を話してもよろしいですか?」

メイド「あぁうん そうだったね で?今日は何の用で来たの?」

男7「もうすぐ母様の誕生日ですよね?何を差し上げようかと思ったのですが...何も思い浮かばなくて...姉様に相談すれば何かわかるのではないかと思い、こうして参りました」

メイド「そうか...母さんの誕生日、もうすぐだったね 忘れてたよ プレゼントか...花束は喜ばないと思うんだよね」

男7「やはりそうですよね...」

黄泉のご馳走でも振舞おう

メイド「うーん...こういうのは昔から知ってる人に聞くのが一番なんじゃない?フレイヤさんに聞くのはどうかな?電話してみるよ」

~数分後~

保健先生「来たわよ ツクヨミの誕生日祝いでしょ?あの子は盛大に祝われるのは好まないからね~ 去年は私と2人でひっそりと祝ったわ」

男7「その時はどのようなことを?」

保健先生「ケーキを食べて、その後は思い出話をしたわね...他は特にしてないわ」

メイド「何かあっさりしてるね...」

保健先生「毎年そんなものよ?昔のあの子は大人しかったのよ だからサプライズとかそういうことされるとあの子、泣いちゃうのよ」

メイド「母さん、涙脆いもんね...私と再会した時も泣いてたし」

男7「私の時もそうでしたね...」

保健先生「でも折角、子供達である貴方達2人が祝おうとするんだから思い切って盛大に祝福するのも良いと思うわよ?ずっと会いたがっていたからね」

メイド「じゃあやっぱりサプライズが良いかな」

保健先生「そうね...でもちょっとしたことでもツクヨミは勘付くから慎重に事を運ばないと駄目ね 疑わせたらその時点でアウトと思った方が良いわ」

男7「やはり知人である貴女様に相談して正解でしたね、姉様」

メイド「そうだね 流石、幼馴染なだけあって母さんのことを知り尽くしてる 子供である私達だったらわからなかったことも」

保健先生「そんなこと言わないでよ 照れるわね」

>>141 おい、ペルセポネさんとイザナミさんの悪口はよせよ

~次の日~

美少女「それでさ...」ヒソヒソ

男「うん いいねそうしよう」

女「何の話をしてるんだ?お前達」

美少女「ん?いや、今度の生徒会で話す議題について話しててね」

女「珍しいな...お前らがそんなことを話し合うなんて」

男「これでも生徒会長と副会長だぞ?やる時はやるさ」

女「そうか...じゃあ出来たら私に言ってくれよ 他のメンバーに伝えるのは私の役割だからな」

美少女「うんそうするよ」

男(あ、危なっ...あともう少しで女にバレる所だった...)

美少女(今年は生徒会を挙げて祝おうってことにしてるからね...女には迷惑掛けてるし)

女(なーんか怪しいんだよな...最近、私の顔を見て避ける奴らが多い...嫌われるようなことしたかな...)

男5「おっ、会長...男も一緒か」

男「??? 僕が一緒じゃ駄目なのか?」

男5「まぁ...そうだな 会長に相談したいことがあるんだよ」

美少女「ここじゃ不味いことなの?」

男5「そうだな ここだと非常に不味い」

男(女の誕生日祝いのことか...)

女(昨日話してた写真集のことだな...)

2人「「じゃあ向こうで話して来たら(どうだ)?」」

美少女「そうだね...じゃあ向こうに行こうか」

スタスタスタスタ

美少女「で?何の話?」

男5「2つある 1つ目は姉さんの誕生日祝いのことだ 姉さんに内緒で生徒会メンバーを呼んで話し合う機会を設けておいた」

美少女「おぉ 助かるよありがとう」

男5「気にすんなって で、2つ目なんだがな...その...これは個人的なお願いになるが...」

美少女「私達の仲でしょ?遠慮なく言ってよ」

男5「...写真集出さないか?」

美少女「え?写真集?」

男5「以前からファンクラブ内から要望が出てたんだ...でも会長にそんなこと言えないし、男が許可してくれるとも思えない...」

美少女「じゃあどうして今話したの?」

男5「昔は俺も写真を撮る技術が無かったから夢のまた夢だと思ってたんだが...この前の写真コンテストで優勝したこともあるし、そろそろ良いんじゃないかと思ったんだ」

美少女「男にこのことは話したの?」

男5「いや...まだだ まず会長に話してから...」

美少女「じゃあ駄目だね 男の許可が無いなら無理だよ だって男は私の彼氏なんだよ?」

男5「でもあいつにそんなこと言ったらタコ殴りにされるし...」

美少女「そりゃ男5が言ったら殴られるよね どういう目的で写真集出すかって言わないと」

男5「まずファンクラブ会員の要望に応える為だな 男6に昨日話したら喜んでくれた やっとかって言ってたがな 2つ目は俺の腕を改めて確認する為 姉さんに話したら呆れながら認めてくれたよ 3つ目は会費だけじゃファンクラブを維持するのが足りないからな、その資金集めの為だ 姉貴に相談したらそれがいいと言ったよ」

美少女「やっぱりファンクラブも許嫁が一枚噛んでたんだね」

男5「ああ ファンクラブが立ち上がったのも姉貴の後押しがあったのもあるしな」

美少女「じゃあ男にそのことを話したら?多分納得してくれると思うよ?変な写真は撮るつもりは無いんでしょ?」

男5「勿論だ 如何わしい写真を撮るつもりは更々ない グラビアでは無いからな」

美少女「...だってさ 男」

男5「え!?聞こえてたのか?」

男「この程度の距離ならね グラビアとかそういうのはわからないけど...ファンクラブを維持させるのに必要なら仕方ないな...でも1つだけ条件がある」

男5「な、何だよ...」

~学校~

女5「まさか私がポーズの担当になるとはね...確かに手が必要ならいつでも言ってとは言ったけどさ」

男「踊りの神である君が一番ぴったりだと思ったんだよ」

女3「衣装係で私呼ぶのもどうかと思うけどね...もっと居るでしょ」

男「いや、女3だから良いんだ」

女3「ふーん...まぁ、頼まれたからには全力を尽くすわ」

男5「幾つかの担当をお前に任せるって条件だったが...よりによって企画役を母さんに任せるとか...大丈夫かよ」

男「大丈夫だって 喜んで引き受けてくれたし」

美少女母「出来たわよ~ こういう構成はどうかしら~」

許嫁「広報担当であたいを選ぶのは考えたね~ てっきりヨミちゃんに頼むかと思ったけど~」

男「商業の神なら校長程ではないけど人脈はあると思うからね ファンクラブの広報係というなら尚更ね」

許嫁「任せてよ~ 在庫が幾らあっても足りないって程の売り上げにしてみせるからね~」

女2「でもよりによって私に化粧をさせるか...そこまで上手くないぞ?」

男「何を言ってるんだ この前の旅行の時の君のメイクは上手だった だから君に頼んだんだよ」

女2「そ、そうか?」

男「ああ」

女2「し、仕方ない奴だな そこまで言うのならやれる限りのことはさせてもらうよ」

女4「会長、入りまーす」

美少女「よろしくお願いします」

美少女母「まずはこの場面からね~ 小道具係の人、頼んだわよ~」

ガヤガヤワイワイ

男5「何か思ったより良い感じだな...さて、俺も準備をするか」

~数日後~

男妹「...で、出来たものがこれと」

男5「ああ でも最終確認がお前とはな...旅行帰りなのに...悪いな妹」

男妹「別に気にしてないよ うーん...この場面さ、ちょっと露出し過ぎない?」

男5「そうか?じゃあここ、よろしくな」

男4「了解 頼んだぞ、男3」

男3「分かったよ」

男5「他はあるか?」

男妹「....特に無いね これで良いんじゃないかな?」

男「おい男5 ちょっといいか?」

男5「ん?どうした?」

男「さっき、ファンクラブのサイトの広告として打ち込む予定の紙を見たんだ...これ、どう思う?」スッ

男5「これ、姉貴が作ったのか?」

男「ああ、そうだ」

男5「ちと文章が硬いな...これじゃあ途中で読む気が失せる」

男「だよな だからそう言ったらこれを渡された」スッ

男5「今度は軽過ぎる...校外にも会員が居るんだぞ もっと当たり障りのない文章にしてくれ」

許嫁「む~ 文句が多いぞ?スサ君」

男5「そう言うがな姉貴 今回の写真集は絶対に成功させないと駄目なんだよ 分かってくれ」

許嫁「仕方ないな~...じゃあこれでどう?」カタカタカタカタ

男5「...まぁ、悪くないな これで行こう」

男「後は校長が出版社に話をつけてもらえば終わりかな...」

男5「思った以上にお前、この企画に関わってるな どういう風の吹き回しだ?」

男「どうせやるなら1番良いのを作りたかっただけだよ」

男5「まぁ、会長はお前の彼女だもんな...売れ残ることは無いと思うが用心して損は無いか」

男6「万が一、売れ残るなんてことがあった場合は私が全部買うから安心しろ」

男5「...こういう奴も居るしな」

一旦切ります

男「一応確認の為に聞いておきたいんだけどさ...」

男5「まだ気になることがあるのか?」

男「いや、大したことじゃないよ 僕はファンクラブに入会してないからわからないだけなんだ その...美少女のファンクラブの会員の総数って大体どれくらいなんだ?」

男5「そうだなー 1000万人?」

男「おい どう見てもこの県の総人口より多いぞ...というか東京の人口ぐらいじゃないか...多過ぎだろ...」

女「当然だ 私とフレイヤがかんがえたさいきょうのびしょうじょなんだからな」ドヤァ

男5「彼氏持ちでこれなんだからな」

男「何だよ まるで僕が彼氏なのが不満みたいな言い方じゃないか」

男6「否 寧ろその逆だよ 君が彼氏になってから彼女の輝きは更に増した 安っぽい言い方をするならば太陽を凌駕する程にな」

女「おう 変態は黙ってろ」

男6「へ、変態!? 私は変態ではないぞ」

男5「変態という名の紳士ってのはもう時代遅れだから勘弁な 彼氏居る人の写真集めまくってるんだから充分変態だろ 国家予算の3倍の金額を出したしな」

男「その金でファンクラブの維持をすることは容易なんじゃないのか?」

女「お前...いつも美少女がどれだけ食べてるか分かっててその言葉を言ったのか?あの金は全て美少女の食事代に回されるだろうな 遅かれ早かれ ここ最近益々食べる量が増えてるし...」

男「あぁ...なるほど...そういうことか なら腑に落ちるね」

許嫁「流石にヨミちゃんが言ったのは誇張してると思うけど...あのお金はちゃんと近いうちに有効活用されるからね~ 男の家の改築とかに」

男「へ?どうして僕の家を改築するんだ?」

許嫁「する必要があるからだよ~ 天才が産まれるからね~ あっ、これはお母たまから聞いた話ね」

女「また情報源:母さんか でも言ってること確実に当たるんだよな...あの金額を使い切るなんて大量に実験機材でも買わないと無理だぞ」

許嫁「でもお母たまがそう言ってたんだからそうなんでしょ~ あたいもその頃には何か偉くなってるらしいしね~」

男5「姉貴が偉くなる?まさか...天と地がひっくり返ってもあり得ないぞ」

許嫁「言ったなスサ君 じゃあもしあたいが偉くなったらどうする?」

男5「姉貴の子供の専属カメラマンになってやるよ」

許嫁「じゃあ決まりだね~ 忘れないでよ?」

女「おいおい...姉やんは商業の神だぞ?偉くなろうとしたらすぐになれるからな 男5、その賭けは間違いなくお前の負けだよ」

男5「そこまで言うか姉さん...じゃあもし賭けに俺が買ったらどうする?」

女「高天原を逆立ちで一周してやるよ」

男「なぁ許嫁 高天原一周ってどれくらいなんだ?」ヒソヒソ

許嫁「そうだな~ 北海道から沖縄までの距離くらい?」ヒソヒソ

男「マジすか」ヒソヒソ

許嫁「マジっす」ヒソヒソ

女「何話してるかわからんがまぁ安心しろ、私は姉やんを信じてるからな 母さんも言うんだし間違いなく偉くなる」

男「でも具体的に目標めいたものが無いと後からあーだこーだ言い争うよね それはどうするんだ?」

男6「じゃあこういうのはどうだ? 男8と許嫁が共同で会社を立ち上げてそれが世間に知れ渡るようになったら」

男5「何だそれ 姉貴と男8が会社を立ち上げる?」

男6「許嫁は商業の神なんだろ?町工場が潰れかけたのを立て直したということを耳に挟んだことがある ならば会社経営などお茶の子さいさいなのではないかと思ってな」

許嫁「いいねそれ じゃあ高校卒業後に会社立ててみるよ どんな会社にしようかな~」

女「多分、姉やんのことだからきっと凄い会社になるよ」

男5「このご時世に高卒で会社立てるとかそもそも銀行が金貸してくれないだろ」

許嫁「甘いなスサ君 あたいを舐めないで欲しいね お母たまには劣るけどあたいなりの人脈があるんだよ~」

男5「そもそも男8がその話に賛同してくれるかがまず問題なんじゃないのか?」

男8「別に俺は構わないぞ?」

男5「お、お前っ...いつから居たんだよ」

男8「男6が変態って言われた辺りからだな 許嫁は凄い神様なのは知ってるからな 多分大丈夫だろ」

許嫁「流石、私のダーリンだね」

男8「おいおい 急に抱きしめるなよ びっくりするだろうが」

男「多分結婚しても長続きするわ この2人」

女「お前もな」

男8「話は変わるがな 男、お前に聞きたいことがある」

男「ん?何だ?」

男8「お前の名前は知ってるけど名字をどうしても思い出せないんだよ...何だっけ?」

男「は?僕の名字?神宮だけど」

男8「神宮?珍しい名字だな...」

女「こいつには私の娘の血が流れている そして娘は伊勢神宮の巫女だ 勿論一門だよ まぁ、神宮ってのは奈良時代辺りから呼ばれたんだけどな」」

男8「てことはお前、血筋スゲェ奴なんだな」

男「ま、まぁそうなるね お前は?」

男8「俺か?確か...箱入とか言ってたな」

男「は、箱入? 聞いたことないぞそんな名字」

男8「俺だって聞いたことない 調べても出て来なかったしな 何でだろう...」

女「姉さんの子孫って今は箱入って名乗ってるのか...」

男5「天孫の子孫がどうしてそんな名字になったんだ?」

女「お前の子孫だろ?知らないのか?」

男5「知るかよ 俺、ずっと高天原に居たからな」

男「じゃあ先生なら知ってるかも...」

~職員室~

担任「男8の名字がどうして箱入なのか?私に聞かれてもなぁ...」

女「姉さんも知らないのか?」

担任「子孫のことまでは知らん 私には引き篭もってる娘が居たからな 今もそうだが」

男「えっ?娘さん居るんですか?」

担任「そりゃ居るさ 私が何人産んだと思ってるんだ」

男5「あ、あのさ その話題はまた後にしようぜ」

女「あれのせいでますますクシナダと姉さんの仲が悪くなったもんな...」

男「また許嫁が何かやらかしたのか?」

許嫁「いや?あたいは何もしてないよ?」

女「男5には姉さんとクシナダ姫 2人の妻が居ることはもう知ってるだろ?」

男「ああ知ってるよ 先生の方は話を聞いてもよくわからなかったけど...確か男5が酔っ払った勢いで先生を孕ました?それがきっかけなんだよね」

男5「お、おい...もっと言い方があるだろ」

男「そんなこと言われてもなぁ...で?それがどうしたんだ?」

女「当然2人とも子供を産んでいる ところがまぁ...皮肉なことにな 姉さんの娘とクシナダの息子が互いに一目惚れしたんだよ」

担任「私は勿論反対したんだ 男5にも絶対に認めてはならないって念を押した だが...結果として2人は結婚したんだよ」

男「へー親の反対を押し切って結婚したんだ...で?この話の何処が駄目なんだ?」

許嫁「その後だね~ 結婚した後の2人は幸せな生活を送ってたんだけどさ...突然何処か現れた女の神に夫の方が取られちゃってね~ で、奥さんであるアマちゃんの子が自宅に戻って引き篭もったんだよ~」

男「何でそんなことが起こるんだよ」

担任「さぁどうしてだろうな?私としては夫が母親から悪い部分を受け継いだからこうなったと思ってる」

女「蛙の子は蛙ってことだよ こいつが浮気性だから息子もそうなったんだ」

担任「おいツクヨミ スサ君の悪口は許さんぞ」

男8「それでどうなったんだ?夫の方は」

担任「結婚したよ しかも後から来た方を正妻にしてな」

男「許せないな...親の反対を押し切ってまで結婚したのに...誰なんですか?その夫は」

男5「オオクニ...学食長だよ」

男「が、学食長!?」

担任「嘘だと思うなら直接本人に聞くといい 忘れてると思うがな」

男「そ、そんな筈は...」

ガラッ タタタタタタタッ

女「おい男! ったく...追うぞ」

許嫁「あれ~おかしいな~ ダーリンの名字の由来を聞きに来た筈なんだけど...」

男8「まぁいいじゃないか こっちの方が面白いし」

~学食~

女「だ、大丈夫だろうか...」

男5「凄い剣幕だったからな...」

男6「勢いで着いてきてしまったが...これ、私は関係ないことだよな」

男8「まぁそう言うなよ 乗りかかった船だ 最後まで付き合え」

男「どうしてそんなことを!」

ドゴッ

女「お、おい...この音、殴ったぞ...」

男5「やばいな...あいつを止めるぞ」

学食長「殴られてもなぁ...もう彼女とは終わったんだよ」

男「でも愛し合って結婚したんでしょう!?」

学食長「もう昔のことだよ...今更、よりを戻したいと言ったとしてもあいつが許してくれる筈がない」

男「あ、あんたって人は!」

グッ バシッ

女「そこまでにしろ...どうせこいつに言ったってわからないさ すまなかったなオオクニ」

学食長「気にせんよ...俺も昔は若かった...それがあいつを怒らせてしまうことを引き起こしたんだろうな...」

男「今だってまだやり直せる筈だ!あんたが奥さんを愛してるって言うなら! あんたは過ちを繰り返すことを怖れてるんだよ!ちゃんと自分の気持ちと向き合え!」

男5「こいつを連れていくぞ」

許嫁「何処に?」

男5「少なくとも此処ではない何処かだ」

男「逃げるなこの卑怯者ォォォォォ」ズルズルズルズル

~店長の家前~

男「離せ!まだ話は終わってないんだぞ」ジタバタ

女「今のお前は興奮している 一旦落ち着け」

男「落ち着いてられるか 愛し合ってるのにどうして別れるんだよ!」

男5「ならもう1人の方の言い分を聞けばいい ちょうど家は目の前だしな ただ...話してくれるかは別だが」

男6「確か、ここに住んでいるんだったな アポは私が取ってみる 訳を話せば入れてくれるかもしれない」

許嫁「男6 どうして君もこんなことに肩入れするの?」

男6「私も恋をしたことはある...だから男が怒るのにも理解出来るのさ もしかすると男なら別れた夫婦の仲を取り持つことが出来るかもしれない...可能性があるならそれに賭けてみるのも悪くないと思ってね」

~数分後~

男8「...思ったより時間かかってるな」

店長「俺達が幾ら言っても無理だったんだぞ?本当に出来るのか?」

男6「大丈夫さ 男ならきっとな」

女「おっ、来たか」

店長「父さん...スセリに会いに来たって本当か?」

男5「俺ではなく男がな 話を聞きたいそうだ」

店長「あいつ、ここ数百年も引き篭もってるんだぞ?高天原から部屋ごと持って来てもずっとこの調子だし...」

男「取り敢えず...会わせて下さい」

店長「無理だと思うけどなぁ...まぁ上がってくれよ」

~店長妹の部屋前~

店長「ここがスセリの部屋だ」

女「何か泣き声が聞こえるんだが...」

店長「ずっとこの調子だよ 訳を聞こうにも話してくれない 飯を置いたら出るかと思ったらいつの間にか食べ終わって空き容器を置いてるし...」

男「あの...初めまして 僕は男と申します」

男5「自己紹介し始めたぞ...」

男6「取り敢えず黙っていよう」

男「オオクニさんのことで話を聞きたいのですが...」

シクシクシク

男「...もう彼のことは愛してないんですか?」

シクシク...ピタッ

女(ん?泣き声が止んだ?)

店長妹『愛してますよ...今でも』グスッ

店長(し、喋った...今までどんなことを言っても泣いてたあいつが...)

男「じゃあどうして別れたんですか?」

店長妹『だ、だって...大国さんはもう私のことなんか相手にしてくれないんですもの...』

男「それは貴女の独りよがりなのでは?本当は相手の気持ちを確認するのが怖いんじゃないですか?そうやって自己完結して思い出に浸れば時が解決してくれると思っているんでしょうけどね 行動を起こさなければ何も変わりませんよ?」

店長妹『あ、あんたに...私の何が分かると言うのよ...』

男「分からねーよ だって何も話してくれないもの そうやって殻に閉じ籠ってる限りな!神様だか何だか知らないけど数百年も引き篭もってる馬鹿には誰も目を向けてくれないよ!悔しかったら部屋から出て来やがれ 本当はもう愛してないんだろ!」

ガチャ グイッ

店長妹「愛してるって言ってるでしょ!馬鹿って言う方が馬鹿なのよ!」グワングワン

男「ほ、ほら...この通り部屋から出して見せたよ...く、苦しい...」

店長妹「あっ...」

店長「お、お前...凄いな...」

男「こういう人は甘やかすと駄目なんだよ...きつく当たらなきゃ...」

~リビング~

店長「こうして顔を合わせるのは久しぶりだな...スセリ」

店長妹「そうだね...ホヒお兄ちゃん」

男「さてと 改めて話を伺いましょうか 先程は失礼しましたね」

店長妹「あ、あの時は私も動転して...申し訳ありません...」

男5「スセリは元々大人しくて優しい子なんだ...だからだろうな オオクニが他の神と結婚したら自分が本妻だと主張したりせず、黙って部屋に引き篭もった」

店長妹「お父さんってそんなに若い顔してたっけ?随分と見てないからわからないや」

女「そりゃ何百年も引き篭もってたら親の顔も忘れるわな...因みに私は叔母のツクヨミ で、こっちは」

許嫁「ヒルコだよ~ 久し振り~」

店長妹「え、えーと...どちら様でしたっけ?」

ズテン

許嫁「あたいも貴女の叔母ちゃんだよ~」

店長「でも俺の顔は覚えてたんだな...」

店長妹「ホヒお兄ちゃんは私に優しくしてくれたからね...いつもご飯、扉の前に置いてくれたし その時にちょっとだけ見てたんだ」

店長「そっか...でももう引き篭もるのは勘弁してくれよ お前が泣く声はもう嫌になる程聞かされたからな」

男8「余計なことだと思うが扉の鍵、閉めれないようにしておいたぞ まぁ、また元に戻すことも出来るがな」

男6「仕事が早いな...」

男8「まぁこれでも工場の跡取りなんでね これくらいならすぐに出来るんだよ」

男「どういう経緯で貴女は大国さんと別れたのか...聞かせてもらいませんか?」

店長妹「ある日、私はいつものように大国さんが帰って来たからお出迎えをしたの そうしたら...」

男「彼の服に自分のものではない女性の髪の毛が付いていたのを見た...ということですか?」

店長妹「はい...」

女「何で分かったんだよ」

男「ほら、よくあるだろ?夫の迎えをして服を預かった時に自分が見たことない物を見たらもしや...ってこと」

男5「お前、それドラマの見過ぎだ」

店長妹「でも大国さんは当時、色々な神と仕事をしていたから付いていてもおかしくないかなと思ったの それが1ヶ月も連続して付いていなければ...」

許嫁「そりゃ疑いたくなくても疑っちゃうよね~」

店長妹「思い切って彼に聞いて見たんだ...この髪の毛...誰のって そしたら彼、ヤカミヒメのだって言ったのよ...しかもお腹に赤ちゃんが居るって...私はまだ赤ちゃん居なかったのに...」

女「それで自分はもう愛されてないと思って自宅に帰って引き篭もったってことか」

店長妹「はい...」

男「...ここに来る前に大国さんに...今は僕の学校の学食長をやっているんだけど...彼に話を聞いたんですよ...貴女と同じようなことを話してくれました...まぁ、彼の場合は浮気をしたことですがね...」

店長妹「やっぱりもう私のことは忘れてましたよね...」

男「忘れていませんでしたよ?貴女のことを聞いたらすぐに悲しい顔をしましたから...彼もまた忘れられないんでしょうね 貴女と共に過ごした日々を...だからこそ、僕は彼を許せなかった...悪いと分かっていて謝れないでいた彼を...」

男5「男...お前...そういう理由であいつを殴ったのか...」

男「悪びれも無く話したならまだ我慢は出来た でもあの人は後悔していながらも昔のことだと自分に言い聞かせて忘れようとした 今でも愛している筈なのに...」

ガタッ

店長「ど、どうした?」

店長妹「私、もう一度だけ大国さんに会いたい 彼がもし私のことをもう愛していないと言うならもう忘れる...でもそうじゃなかったら...」

男5「俺がぶん殴るよ あいつがああなったのも俺が原因だしな...」

店長「確か学校だったよな?俺が送ろう」

男6「ええ...では... あの、タクシー呼んだけど」

男8「そういやお前、金持ちだったな...」

男6「二台呼んでおいた 多分全員乗れると思う」

~数分後 学校 学食~

メイド「あの...学食長 本当に大丈夫なんですか?さっきから顔色が悪いですけど...」

学食長「ちょっと昔を思い出してね...」

男5「おい オオクニ!」

メイド「この声は伯父さん?」

学食長「どうしたんだ父さん...また来たりし...!? どうして君が...」

店長妹「お久し振りです...大国さん 私のこと、覚えていますか?」

学食長「忘れる訳が無い 君は俺の...ごめん でもどうしてここに?」

男5「お前に喝を入れる為だ! 歯ァ食いしばれェェェェ」

ドゴッ

男5「痛いか?痛いよな でもスセリはその何十倍も胸が痛かったんだ お前が浮気したことがな お前は俺とは違う人生を生きて欲しかった...なのにお前は俺とまったく同じ道を歩み...そして挙げ句の果てにはスセリを悲しませやがった」

男「貴方は心の中で自分がしたことに後悔した筈だ あの時、どうして謝ることが出来なかったんだろうって」

女「言っておくがこれが正真正銘最後の機会だ 泣きの一回とかはあり得ないからな お前は今でもスセリを愛しているのか?それとも愛していないのか? この場ではっきりと言ってもらおうか」

許嫁「嘘ついたらお母たまに言って学食長、辞めさせてもらうからね~」

店長「逃げようとしたら地獄の果てまでお前を追うから覚悟しろよ」

店長妹「どうなんですか?大国さん」

学食長「俺は...俺はお前のことを...今でも...あ、愛している...悪かった...この通りだ...」

女「じゃあこれは離婚したことで悲しんだ姉さんの分だ!」ドゴッ

許嫁「これは同じく悲しんだクシちゃんの分」ドゴッ

店長「これは妹を悲しませた俺達兄弟の怒りの分」ドゴッ

男「そしてこれは...自分の心に正直になれなかった貴方自身の分」ドゴッ

男5「顔を上げろ オオクニ...お前はもう逃げるな それが親として俺が言えることだ わかったな」

学食長「...ああ」

店長妹「大丈夫?腫れてるよ?」

学食長「なに、暫くすれば治るさ...」

女「ああ、男 言い忘れていたがな オオクニはもう随分と前にヤカミヒメとは離婚している だからお前の考えているようなことは起こらんから安心しろ」

男「そ、そうなの?」

男5「ああ、そうだ それなのにスセリと縁を戻さなかったから俺達は参ってたんだ...男、お前には世話になったな」

男「い、いや...僕は思ったままにやっただけだからさ...褒められるようなことじゃないよ」

店長「じゃあオオクニ 後でお前の家にスセリの部屋の荷物、持ってくよ これからはまた同棲するんだろ?」

学食長「い、いきなりか!?」

店長「だってよりを戻すってことはそういうことだろ?」

メイド ポカーン

女「女...無理に理解しようとするな 長い年を経て漸く元の鞘に収まっただけだ」

メイド「え?...ああ、そうなの?」

男6「さて...私は家に帰るとするか...男8、君はどうする?」

男8「そうだなー 俺もやる事無いし...帰るとするか 行くぞ許嫁」

許嫁「あーもう 待ってよ~」タタタタタタッ

女「見ろよ...さっきまで雨降ってたのに虹が架かってる」

男「そうだな...」

美少女「あーこんな所に居た 探したんだよ?2人とも 途中で居なくなっちゃったから妹が困ってたんだから」

男妹「はいお兄ちゃん チェックは終わったよ」

男「えーと...これ何だっけ?」

男5「会長の写真集だ」

男「あーアレね 忘れてたよ」

一旦切ります

美少女「あともう少しで終わるって時に居なくなるなんて止めてよね...何してたの?」

男5「俺の娘と息子を復縁させたんだよ」

美少女「は?どういうこと?」

男5「そのままの意味だが?」

女「こいつ凄いからな 数百年も引き篭もってた奴を部屋から出したんだ」

男妹「どういうことか詳しく聞かせて欲しいんだけど...」

~~~

男「...ということなんだよ」

美少女「この短い時間の間でそんなことしてたんだ...」

女「でもまいったな...姉やんがもう先に帰ってしまった」

男5「あっ本当だ 姉貴の姿が見当たらないと思ったら先に帰りやがった」

男「もう許嫁が居なくても大丈夫だろ?校長が後は何とかしてくれるだろうし」

男妹「それよりもさ、お兄ちゃん 私に何か言うことあるんじゃないの?」

男「お土産ちゃんと買ってきたのか?」

男妹「勿論買ってきたよ でもそのことじゃない...」

男「じゃあ何だよ...」

美少女「相変わらず男は鈍いね...」

女「じゃあお前ならわかるのか?」

美少女「当然だよ これから食べるご飯のことでしょ?」

女「それはお前だろ ほら、まだ言ってないだろ?帰って来たこいつに向かって」

男「えっ?お帰りって?確かにまだ言ってないけど」

男5「良かったな妹 お帰りって言ったぞ」

男妹「誘導されて言うのは嬉しくないんだけど...まぁいいや ただいま 私が居ない間、妹2はちゃんと起きれた?」

男「昨日は寝坊してたな...でもラジオ体操のスタンプカードには何故かスタンプが押してあったんだよな...それが不思議でさ」

女「多分それ、母さんの仕業だな 女3が母さんが妹2の姿になってラジオ体操に参加したって待合室に行く前に聞いた」

美少女「またお母さんか...」

女「昨日、母さんは女4の曾祖父さんの手術やっただろ?となると...美少女妹2と一緒にラジオ体操をした後、女4の家に救急車を呼び、病院で手術して家に帰ったのか...」

男5「ラジオ体操した後に手術したのかよ...母さん...」

美少女「しかも妹2と一緒にね...確か妹2は昨日、テニスの大会だった筈」

男「全国大会だろ?結果はどうだったんだ?」

男妹2「優勝したよー 昨日、優勝トロフィー見せてもらったもん」

美少女妹2「あれはあんたが見せろって言ったから仕方なく見せたのであって...」

男「優勝したのか...流石、美少女の妹だけあって凄いな」

美少女妹2「いえ...練習の成果が偶々出ただけですから」

女「何処かの誰かさんにもこの謙虚さを見習って欲しいもんだな」

美少女「えっ?私?」

女「お前以外に誰が居るんだよ 大食い怪獣美少女ゴン」

男5「何だそのB級映画に出て来そうな名前...」

一旦切ります

女「だってこいつ、やろうと思えば巨大化できるんだぞ?」

男「まだあったか...美少女の特技」

美少女「伸縮化と同じ系統だね...果たしてそれは特技と言えるのかな...」

男5「それよりもだ 会話に2人の妹2が参加していることに気付いてないだろ...お前ら」アセアセ

男「ん?...あれ?いつの間に...いつから居たんだ?2人とも」

男妹2「ついさっきだよー」

美少女妹2「昨日の男妹2が母さんだとは...一本取られたよ」

美少女母「妹2なら気付いてくれると思ったんだけどね~ あっ、終わらせたわよ~準備」

男5「確か遊園地行った時も姉さんを欺いたんだったな、母さん」

美少女母「そんなこともしたわね~ あの時、アマちゃんがいきなり私のこと褒めたからちょっと驚いたわ~ あの子はそういう子じゃないから...」

男「昨日のラジオ体操用に作ったおにぎり、いつ持っていったんですか?あの時は母さんしか居ませんでしたけど...」

美少女母「それ、私よ? あの状況では貴方の母の姿が一番相応しかったからね~」

男「えっ...じゃあ本当の母さんはあの時何をしていたんですか...」

美少女母「トイレに居たわね~」

美少女妹2「でもおかしいな...私が家を出た時には母さんの靴があったけど...」

美少女母「フフフ...甘いわね~誰が靴を一足しか持っていないと言ったの?」

美少女「そういえばお母さんの靴...それぞれ2つずつあったね...」

女「本当に変わったよな...母さん 昔は悪戯なんてしなかったのに...」

一旦切ります

美少女父「いや、そうでもないぞ 昔から母さんは茶目っ気に溢れていた 宴会の時にアマテラスとヒルコの酌を隙をみて入れ替えていたしな」

美少女母「あれ、見られてたの? バレてないと思ったんだけどな~」

美少女父「何千年お前の夫やってると思ってるんだ」

美少女「尚、馴れ初めは平打ちです」

女「ビンタされて一目惚れするとかあり得ないよな?普通」

美少女父「おいツクヨミ その言い方は語弊があるぞ 母さんに一目惚れした直後に平手打ちされたんだからな」

男「烏のフン付けられて怒ってたんですよね?確か」

美少女母「ええそうよ で、その時にフン付けたのがあの子」

数学先生「??? どふかしまひた?」モグモグ

美少女妹2「ん?数学先生を指差してどうしたんだ?母さん 烏と数学先生は関係ないでしょ」

美少女母「彼はフニンよ 男、貴方ならわかるでしょ?」

男「父さんの使い魔じゃないですか...確か、記憶の方ですよね」

美少女「ここに来て使い魔か...男4達から紹介されていなかったんだけど...」

女「多分、オーディンから口止めされてたんだろ...まぁ、主神が居るなら使い魔も居るとは思ったが...まさか先生だとは思わなかったな...ということはムニンも?」

美少女父「ああ、倫理先生だな」

男5「あぁ...話聞いてると眠くなるあの人か」

数学先生「おい 俺の嫁の悪口は止めろ」

男「えっ!?よ、嫁? 結婚してるんですか?」

数学先生「そうだけど...悪いのか?」

>>182 フニンって誰だよ... フニンではなく正しくはフギンです

男父「おいフギン いつからそんなに口が軽くなったんだ?」

数学先生「お、オーディン様...こ、これは失礼しました」

男「父さん 何で数学先生と倫理先生が父さんの使い魔だって教えてくれなかったんだよ この前、母さんが言ってただろ?家族の間に秘密は無しだって」

男妹2「そうだそうだー」

男父「聞かれなかったから言わなかっただけだが...お前のことだからもうとっくに知っていたと思ったし...」

美少女「言われなきゃ気付かないよ ね、女」

女「ああ そういうことはもっと早くに言ってくれなきゃ困る」

男5「でもまぁ、使い魔同士で結婚してるとは思わなかったなぁ...で?あんたが母さんにフン付けたのか?」

数学先生「付けたというか...偶々したらその真下を校長が通り掛かったというのが真実だな 俺だって付けたくて付けた訳じゃない」

倫理先生「その後しっかり叱っておきましたが...校長には申し訳ないことをしました...」

美少女妹2「あっ、倫理先生」

美少女母「別にもう昔のことだし気にしてないわよ~ そのことがきっかけでお父さんと出会ったようなものだしね~」

数学先生「じゃあ俺は校長と教頭の恋のキューピッドだったって訳か」

倫理先生「馬鹿なこと言わない」バシッ

女「この学校、夫婦で教師やってるの多いな...これで3組目だぞ?というか、うちの学校は卒業生しか採用しないんじゃなかったっけ?お前らも卒業したのか?」

男父「いや、この2人は卒業してない ラグナロクが近い為、校長に以前から頼んでいてな...2年前になってやっと許可が下りたんだ」

美少女母「コネ採用は避けたかったんだけどね~ まぁ、今回は特例ということで許したのよ~ 理由が理由だったし~」

数学先生「まぁ、俺達が居なかったらオーディン様の命は危なかったしな...」

倫理先生「あの人がまさかあんなことを企てていたとは思いませんでしたけどね...しかもその後ろにクロノスが居たなんて...」

男「異世界の男4のことか...」

男父「最初、フギンからそのことを聞いた時は耳を疑ったよ とてもそういう人物には思えなかったからな...」

男5「副顧問の先生はいつも俺に親切にしてくれたよ...ここを直したらもっと良くなるって優しく教えてくれた...」

美少女妹2「さっきから話している人って剣道部の副顧問の先生のこと? 長期休暇してるって聞いたけど」

女「お前、あの場に居たのに知らないのか? あの人は死んだんだよ...男4を庇ってな...」

美少女妹2「えっ!?そうなの?」

男「直前まで暴れてたけどね...後から男4から聞いた話に寄るとそれは『巨人の血』が原因だったらしい...」

女「あの時は大変だったな...美少女を追いかけて学校に走って行ったら斬りかかられそうだったから焦ったよ」

男「その直前まで女、埋められてたけどな」

男5「あの写真のことだろ?姉貴と一緒に埋められてたよな 姉さんからデータ貰ってな...ほら、この写真」スッ

女「お、おまっ...見せるなよ」

美少女妹2「ブッ...何これ」

美少女母「頭だけ残して埋められてるわね...本当に...」

数学先生「綺麗に埋められてるな...誰が埋めたんだ?これ」

美少女「私ですけど」

男「あの時の美少女は怖かったな...いきなりシャベル取り出したかと思ったら次の瞬間には2人が埋められていたし...」

女「抵抗の余地が無かった...しかもガチガチに固められて自分で出られないようになってたからな...そういえば姉やんの方は誰が出したんだ?男5、お前か?」

男5「いや...俺が姉貴を迎えに行く頃には既に出ていたな 近くで息切らしてた勇者が居たから多分あいつだと思う」

女「そういや、あの場に勇者居たな...忘れてたよ」

一旦切ります

男妹「ね、ねぇ...お兄ちゃん?」

男「どうした?妹」

男妹「あと3日で2学期だよね?」

美少女「そうだね それがどうしたの?」

男妹「お兄ちゃん達の自由研究って...何やったの?」

女「あっ...自由研究って課題あったなそういえば...」

男5「不味いな...全くやっていない...」

男妹2「じゃあお姉ちゃんは何を自由研究としてやったのー?」

男妹「私?私は美少女妹と共同で海岸付近にある崖の地形の調査をやったよ 旅行はその調査をする為でもあったんだ」

男「そ、そうだったのか?」

男父「お前...行く前にちゃんと言ってただろ...聞いてなかったのか?」

男「妹が旅行行くと聞いて成長したなと黄昏ていたのは覚えてるよ」

美少女父「美少女、流石にお前は覚えていたよな 全員が居る前で話していたから...」

美少女「あっ、ごめん 食事中は基本食べるのに夢中だからあまり覚えてないや」

数学先生「本当にこの2人が生徒会長と副会長でよくやっていけたな...この学校...」

女「ま、まだ3日あるし まだやれるし 写真担当で男5が居るしな」

男5「おい俺を巻き込むな 終わってないのは事実だが」

男「自由研究...すっかり忘れていた...何でも良かったんだよね?父さん」

男父「女4がそれと評して召喚をして課題クリアになったし...恐らく大丈夫だと思うぞ? ...いいですよね?」

美少女母「別にいいわよ~ でも生徒会長とあろう人が朝顔の成長日記みたいな低レベルでつまらない物をやったらそれは駄目だけどね~」

美少女妹2「おい母さん 私の自由研究、ほぼ中身こいつに振り回された記録みたいなものなんだけど...」

美少女母「妹2のことは言ってないわよ?私が言ってるのは美少女のことだからね~」

美少女「手前味噌なことをやったら絶対駄目だ...ど、どうすれば...」

女「...そうだ 登ろう! で、登りながらその様子の写真を撮って研究っぼいことを模造紙に書けばいいんだよ」

男「それってつまり登山をしようってことか?何に登るのかに寄ると思うぞ?」

女「富士山に登るなら文句は無いだろ 無論、車で行ける5合目からではなく1合目からな」

美少女「へぇ~本格的だね 行ってらっしゃい」

女「お前も行くに決まってるだろ なに、さも自分が行かないのが当然みたいな言い方してんだ」

男5「でも富士山か...色々と懸念することがあるな...母さん、あいつを連れて行っていいか?」

美少女母「ああ、あの子?別にいいわよ~高校生とはいえ生徒だけは危険だものね~」

女「あいつって誰のことだ?」

男5「この前会ったろ?ヤタガラス あいつが一緒なら安全に行けること間違いなしだ」

数学先生「ヤタガラスがねぇ...あいつ、抜けてるところあるからなぁ...」

倫理先生「でも趣味で登山してたからある程度の知識はあるし きっと大丈夫よ」

数学先生「そうだと良いんだが...」

女「その様子からして...ヤタガラスのことを知ってるのか?」

数学先生「勿論 あいつは俺達の幼馴染だからな よく泣いて俺の側を離れなかったあいつが一丁前に主神の式やってるんだからびっくりだよ」

倫理先生「最初聞いた時は冗談だと思ったのだけど...まさか本当にそうだとは...」

美少女父「まぁ、それはともかく ヤタガラスを同伴者として選ぶのは正しいと思うぞ この前もあいつ、富士山登ったって聞いたしな」

美少女母「私の方からあの子に言っておくわよ~ 実行日は当然明日よね?」

女「まぁ...そうなるな...」

男5「どうせ俺も同行させられるんだろうな...はぁ、面倒臭い...」

男「そう言うなって 1番嫌がってるのは美少女なんだぞ?」

美少女「いーやーだー 疲れることしたくなーい」ジタバタ

男父「...ツクヨミ 本当に美少女って元は男なんだよな?あまりにも変わり過ぎてないか?」

女「育った環境が環境だからな...温室育ちだとこうなるんだろう...」

一旦切ります

男父「それじゃあ今日はここまでにして、帰って準備をするべきだな 行くぞ男、妹、妹2 フギン、ムニン 何かあったらすぐ連絡するんだぞ」

倫理先生「了解しました」

男妹2「おうちに帰ろー」

美少女妹2「じゃあ私らもぼちぼち行きますかね おい姉さん、その食券は駄目だぞ 返して来なさい」

美少女「えぇぇぇ...そんなぁぁぁ...」

女「暫くは準備で忙しくなるからな...お前は食い物ばかり入れそうだが...登山だからな ちゃんと考えろよ」

男5「会長のことだから駄目だと言っても食べ物持って行きそうだよな...」

美少女父「私と母さんが最終チェックするが...そこの所が心配だな...」

~女の家~

担任「は?富士山に登ることになった?しかも自由研究で?お前ら馬鹿の集まりかよ 残り三日でそれ、普通しようと考えないぞ...」

女「うるさいな...姉さんは関係ないんだから黙ってて うぐぐ...閉まらない...」グイッグイッ

男5「ちょっと貸せ よいしょっと」ズィィィ

女「流石だな これで私の分は終わった お前はどうだ?」

男5「姉さんが詰め込む前に終わったよ 母さんから何か連絡きたか?集合時間とかの」

女「まだだな...」

ブー ブー

担任「おっ?どうしてこいつが....もしもし?どうしたヤタガラス」

ガイド『ガイドですって それよりもアマテラス様...ついさっきイザナミ様から頼まれたのですが...今そちらに妹様と弟様は居られますか?』

担任「居るが...それがどうした?」

ガイド『では妹様にお伝え下さい いきなり無理難題を申さないようにと』

女「どうした姉さん 私の顔なんか見つめて...」

担任「ヤタガラスがお前に、無理難題を言うなって伝えろって言ってな...どういうことだ?」

ガイド『事前の打ち合わせも無しに一合目から登ることですよ イザナミ様に頼まれたので渋々引き受けましたがね...私を先導役にするのは参りますよ』

担任「お前も行くのか!? 大変だな...」

ガイド『そのせいで明日の休みが潰れましたからね...はぁ...家でゆっくりしたかったのですが...』

担任「まぁ今回ばかりは観念してやってくれ こいつらも必死に考えた末に思い付いた苦肉の策だろうしな」

男5「それで姉さん...集合場所と時間については言ってないのか?」

担任「集合場所と時間について知りたいそうだ」

ガイド『そうですね...移動時間も考えますと今日の10時にバス停前で集まるのが妥当でしょう』

女「そんなに早くか...」

男5「姉さん...今、なんて言ったのかわかったのか?」

女「ああ...これでも耳はいい方なんでな 時間は今日の10時...勿論夜のな 場所はバス停前だそうだ」

男5「今日中なのか!? 不味いな...会長の準備はかなりかかる筈だ...」

女「私達も手伝う必要があるな...姉さん、宜しく言っておいてくれ」

ガチャ...バン ダダダダダッ

担任「ヤタガラス...くれぐれも気を付けてな」

ガイド『だから何度言ったらわかるんですか...はぁ、勿論ですよ やるからには最高のガイドをする所存です』

担任「頼むぞ...じゃあな」

一旦切ります

~美少女の家前~

ガタンバタンドタドタ

男5「外に居るのにこの音...中はとんでもないことになってるぞ...」

女「そうだな...よし、行こう」

ガチャ

女「美少女?食べ物を入れるのは大抵に...」

美少女弟「こんな感じでいいか?」

美少女「駄目だね...このままだと死んじゃうよ...もっときつく縛らないと...やり直し」

美少女弟「マジかよ...これより強くなんて...解けなくなるぞ?」

美少女「解けたら一大事なんだよ 弟は家族の中で一番力持ちなんだから頼んでるんだよ?」

美少女弟「姉さんの方が強いだろ...いつも馬鹿力で...」ボソッ

美少女『えっ?今何か言った?』

美少女弟「何でもありません すぐ結び直します」タタタタタタタタッ

美少女妹2「姉さん 言われた通り非常食作ったけど...これ本当に欲しいの?」

美少女「もしものことがあったら大変でしょ?家にあるものはお湯が無いと駄目なものばかりだから欲しいんだよ ありがとう」

美少女妹2「まぁ、力になれたなら良いけどさ...」

2人 ポカーン

女「あ、あの...美少女さん?これは一体どういう状況なのかな...あんだけ行きたくないとか言ってたお前がこんなに準備に力入れてるなんて...」

男5「凄く会長が頼もしく見える...あれ?おかしいな...涙が止まらない...」ポロポロ

美少女「もしかして私が心配で来たの?2人とも 山登りは何が起こるかわからないからね...ちゃんとした装備にしなきゃ 私が元ボーイスカウト隊員であること忘れてない?」

女「あっそっか...お前、こういうのに慣れてたんだっけな...じゃあ男も...」

美少女「今頃準備が終わってるだろうね...あそうだ いつ出発かわかった?多分夜頃だろうからもうご飯もお風呂も済ませておいたけど」

男5「何この人...もしかして、神か?」

美少女「神はそっちでしょ...私は現人神だけど...」アセアセ

女「男5...もしかしたら登山...私達の方がお荷物になるかもしれんぞ...」

男5「そうだな...凄く頼もしいし...もう一回準備し直すか?」

女「それがいいかもしれんな...私、要らないものしか入れてないような気がするし...」

男5「...帰るか 会長、集合場所は22時 場所はバス停前だ」

美少女「バス停っていっぱいあるけど...駅?」

女「駅だと思うぞ あそこは駐車スペース広いからな まぁ、確認して違ったらメールするよ じゃあまた会おう」

美少女「うん また後でね あっ、寝袋忘れないでよー」

女「欲しいのか?まぁ慣れてるお前が言うなら持って行くよ」

~数時間後 駅前バス停~

男5「バス停はまだかよ姉さん...」

女「そろそろ着くと思うが...うわっ、もう居る...」

男「遅いぞお前ら 10分前集合を心掛けろよ」

美少女「まあまあ...2人はやってないんだから仕方ないよ」

ガイド「恐ろしいのは私が早めに来たらもうその時には居たことですけどね...」

男「早めって5分前は遅いけど...30分前から居たよね?美少女」

美少女「うん 大体そのくらいから居たね」

男5「軍隊かよ...あんたら...」

2人「「えっ?当然のことじゃないの?」」

女「駄目だ...この2人には常識が通じない...」

~バス~

ガイド「既にお二方には挨拶はしましたが改めて自己紹介をさせて頂きます 私はヤタガラス アマテラス様の式をやっております 普段はバスガイドを生業としていますのでガイドと名乗っていますからそう呼んでいただけると幸いです」

男「これはこれは...ご丁寧にどうも」

美少女「小さい頃はよく泣いて幼馴染の傍を離れなかったって本当なの?」

ガイド「ハハハ...面白いことを仰りますね それ...誰から聞きました?」

美少女「父さんの使い魔やってる数学先生 確か、フギンだったね...」

ガイド「あいつ...今度会ったらぶっ殺す...」

女「おいおい...穏やかじゃないなぁ そんなに昔のことを知られるのが嫌か?」

ガイド「あれは私の黒歴史です...主神の式にそんな過去があったと皆に知られたらアマテラス様の顔に泥を塗ることになりますので...」

男5「姉さんはそういうのを含めてお前を式にしたと思うぞ? 俺の方がお前の何倍もやばい過去だしな」

女「そうだそうだ 私なんて人と結婚して子供産んだから最近まで月に幽閉されてたんだぞ?」

美少女「私だって元々は男だったしね...」

男「あれ?この中でまともな過去なのってガイドさんと僕だけじゃない?」

ガイド「...あっ本当だ 大した事無いですね」

女(こいつ...男と似てすぐ些細なことで落ち込むけどチョロいんだよな)

男5(こいつが単純で助かったぜ...)ホッ

美少女「ところで...いつ頃到着予定なの? 途中休憩するよね?」

ガイド「トイレ休憩のことですね?勿論しますよ エコノミー症候群になることも有り得ますからね 大体3時間後の予定です」

男「じゃあそこまで眠るか...ガイドさんは大丈夫なんですか?眠らなくて...」

ガイド「ついさっきまで眠っていたので大丈夫ですよ それに私は夜行性ですし」

女「私と同じか」

男5「姉さんは夜型だろ 全然違うわ」

ガイド「到着は...道路の状況に寄りますが...恐らく8時間後ではないでしょうか」

美少女「やはりそれくらいかかるか...わかりました ありがとうございます」

女「じゃあそれまでトランプでもするか?」

2人 スヤァ...

男5「寝るの早っ!!」

ガイド「弟様も眠ることをお勧めしますよ?勿論、妹様もですが」

女「嫌だぞ 私は朝になるまでゲームをするんだ!」

男5「寝ろ 馬鹿姉さん」ガツン

女 スヤァ...

男5「よし寝たな じゃあ俺も寝るからサービスエリアに着いたら起こしてくれ」

ガイド「畏まりました お休みなさいませ」

一旦切ります

キャラクター多すぎじゃない?

マンガとかなら絵で見分けられるけど、小説だとキツいよ。さらにそれぞれのキャラクター書き分けるスキルが>>1に無いかなと

むしろマンガだとしてもキャラクター多いくらい?コレだけ増やした理由はありますか?必ずこの人数じゃなきゃいけませんでしたか?


主人公は男なのにスレタイで勇者物だと思ってたし、何がやりたいのか不明。

主人公の男に対してそれぞれのキャラクターがどういった役割を持ってるのか、それぞれのキャラクターが必要じゃなきゃいけない理由がさっぱり?

とはいえこういうの書くの大変よね。勉強して次に生かして下さい。おつ

>>208 登場人物が多い件は以前から言われていますが...勿論理由無く無闇矢鱈と増やしている訳ではありません 出番の差はあれど登場人物の誰か一人が欠けたらこのssは成り立たないと俺は思っています スレタイについては...誤解させてしまったのであれば申し訳ありません 未熟者ではありますが今後とも暇な時にちらっと読んで頂けると幸いです

~女4の家~

女4祖父「さーてとそろそろ寝るとするか...」

男7「普段寝る時間はもう少し遅いですが...明日何かあるのですか?」

女4祖父「ああ 明日、棋士が来るみたいでさ 俺が護衛することになったんだよ...俺、警部なんだけどなぁ...」

女4「確かその人って今まで一度も負けたこと無いんだよね でもご年配だからそろそろ引退するんじゃないかって噂されているよね」

女4祖父「そんな人がどうしてまたこんな町に来るのかよくわかんねえんだよな...将棋教室でゲストとして来るんだが...」

男7「その人の写真...良かったら見せて貰えますか? 少し気になりまして...」

女4祖父「この人だけど...父さんは知らないだろ?」スッ

男7「この人は...」

女4「もしかして...知ってるの?」

『先生 本当に行っちゃうの?』

『その呼び方は止めて下さい ええ...今度はいつ戻るかは分かりませんが...』

男7「...はい 見た目はすっかり変わりましたが私が昔、将棋を教えた人です 立派になられましたね...」

女4祖父「父さんって将棋指せたのか...しかも凄い人に教えたんだな...」

男7「下手の横好きですよ 対戦してもすぐに負けてしまう程の腕です 音、本当に明日彼がこの町に来られるのですか?」

女4祖父「だからさっきからそうだって言ってるだろ 父さんも来るか?将棋教室」

女4「行くべきだよ!ひいおじいちゃん 知り合いなんでしょ?」

男7「しかし...」

女4祖父「しかしもかかしも無いだろ 仕方ねえな...この人に会えるように掛け合ってやるよ 俺が護衛役で良かったな父さん 感謝しろよ じゃ、俺はもう寝ないとやばいから 父さんももう寝ろよ」

男7「あっ...音 まだ行くと決まった訳では...行ってしまいました...」

女4「これも何かの縁だしさ 会いに行くのが良いと思うな こんな機会、滅多に無いし」

男7「そうですかね...」

~サービスエリア~

ガイド「到着しましたよ皆さん 起きて下さい」

美少女「ううーん...おかわり...」ムニャムニャ

ガイド「寝惚けていますね...トイレ休憩ですよ ほら、起きて下さい」ユサユサ

美少女「...ん? ここ何処?」

ガイド「やっと一人起きた...サービスエリアですよ」

美少女「あっ! トイレ休憩か 起きて男 着いたよ」ユサユサ

男「おっ...もう着いたか じゃあ残りの2人も起こさないとね こら女起きろ」ペシペシ

女「痛いな...だからそうやって人を平手打ちするのは止めろって わかったよ起きればいいんだろ起きれば」

男「じゃあ男5も...あれ?男5は?」

ガイド「弟様なら着いた時に起きられまして...一足先に行かれました」

美少女「私達が寝てたのに?」

ガイド「はい」

女「マジかよ...あいつ、私を殴って無理矢理寝かしたのに起こさないって...」

男「最低だなあいつ」

男5「幾ら殴っても起きなかったからだよ はぁ...やっと起きたか3人とも」

女「おまっ...寝てた私を殴って起こそうとしたのか」

男5「揺すっても起きなかったから仕方なくな...でも起きなかったから先に済ませてきたんだ」

美少女「通りで男がビンタしてすぐ起きた訳だ さっ、2人とも 私達も行くよ」トントン スタスタスタ

女「私ってそんなに眠り深かったかな...」トントン

男「結構深いぞ」トントン

女「そうか?」

男5「...行ったか お前は行かないのか?」

ガイド「途中で済ませたので大丈夫です」

男5「そうか」

ガイド「あの...アマテラス様はお元気ですか?」

男5「元気だよ」

ガイド「そうですか...なら良かったです」

・・・・・シーン

ガイド(話題が続かない...どうしよう...)

2人「「あの...」」

男5「お前が先に言え」

ガイド「弟様からどうぞ」

男5「じゃあ...姉さんから聞いたが修学旅行の俺達のガイド役...お前なんだってな」

ガイド「ええそうなんですよ! 長年の夢でして...こんな形で叶うとは思ってもいませんでした」

男5「修学旅行の? お前ならもうしてると思ったが...」

ガイド「バスツアーのガイドしかしていませんから...まさかアマテラス様のクラスを担当するとは思いませんでしたけど」

男5「俺も姉さんのクラスなんだが...大丈夫か?お前って昔からおっちょこちょいだからな...」

ガイド「以前の私と同じだと思わないで下さい しっかりと導いて見せますよ」エッヘン

男5(不安だなぁ...)

一旦切ります

~次の日 駅前~

女4祖父(もうすぐ時間か...)

棋士「もしかして...あんたが音さんかい?」

女4祖父「えーと...じいさん 誰だ?」

棋士「写真を見たか?これが先生の息子だとは到底思えんな...」

女4祖父「ああ! そうか、あんたが...えーと何て読むんだっけあれ...」

棋士「別に無理して思い出さなくて結構 とにかく、今日一日宜しく頼むぞ」

女4祖父「その前に...一つ聞いていいか?」

棋士「名前の読み方か?」

女4祖父「違う 俺を護衛役に選んだ訳だよ あんたが俺を指名したって事は知ってるけど...まあさっき言ってたことから大体わかるが...」

棋士「わかってるなら答えなくてもいいな ほら、さっさと車に連れて行かんか」ブンブン

女4祖父「おい、杖を振り回すなって...あーわかったよ 連れて行けばいいんだろ連れて行けば こっちだ」

~車内~

棋士「まったく...大体あんたが本当に先生の息子なのかも怪しいな...養子か?」

女4祖父「実の父親だよ」

棋士「わしとあまり年が離れてないはずなのに、随分と若い風貌だが?」

女4祖父「そういう体質なんだ 悪かったな」

棋士「そうやってすぐ口答えする辺りが似てないんだがな」

女4祖父「どうしてそんなに父さんのことを気にするんだ? 子供だからって性格まで似る訳じゃない」

棋士「先生のお陰でわしは将棋を始めた...あれはわしが外を走り回ってた時にちょうど先生の家を通りかかった時のことだ」

女4祖父「えーと...話が長くなりそうだから要点だけまとめて言ってくれないか?」

棋士「はぁ...わしがたまたま先生が将棋をやってるのを見て興味を持ち。それから教わるようになったんだ」

女4祖父「へぇ...そうだったのか 父さんの腕は?」

棋士「強かった これまでわしは何人もの棋士と対局して来たが...先生を越える者はおらんかったよ」

女4祖父(結構強いじゃねえか...父さん...)

女4祖父「父さんは死んだが息子の俺が居る たまたまこの町に来ることになったから俺を指名した そういうことか?」

棋士「本当なら来ようとも思わなかったんだがな...護衛だって必要ない」

女4祖父「じゃあどうして...」

棋士「虫の報せだ 行くべきだって思ったんだよ もう長くないしな...」

女4祖父「は?もう長くないって...」

棋士「この歳だと嫌でも病気になる そういうことだ」

女4祖父「まさかあんた...」

棋士「もう言わんでもわかるだろ さっきから喋りぱなしで疲れた 暫く寝かせてくれ」

女4祖父(とんでもない仕事をさせれちまったな...これで父さんが来なかったらこの人、マジで浮かばれんぞ...)

~女4の家~

女4「ひいおじいちゃん、そろそろ始まるよ?行かないと...」

男7「私は死んだ身です 今更彼に会うなんて...」

女4「いいの?本当に会わなくて 会えるうちに会っておかなきゃ...一生後悔するよ?」

男7「・・・・・・」

女4「こうなったら力づくで連れて行くからね こう見えても私、結構力あるから ほら、行くよ」グイッ

男7「え?あっ...駄目ですよ そうやって力で解決しようとするのは...」ズルズル

女4「いいから! じゃあひいおばあちゃん、ちょっと行ってくるよ」

女4曾祖母「気をつけて行くんだよ」

女4「うん ほら、抵抗しない!」

~富士山麓~

ガイド「到着です さっ、登りますよ」

男5「それは良いんだが...お前、大丈夫か? 運転するのは結構疲れるし、その上登山でしかも富士山」

女「幾ら慣れてるお前でも無謀過ぎるぞ...」

ガイド「私のことならご心配なく」

男「なぁ、美少女...ガイドさんの顔色、明らかに悪いよね...」ヒソヒソ

美少女「うん...もしも何かあったら大変だから一応お母さんに連絡しておくよ...」ヒソヒソ

男「頼んだ 校長ならどうにかしてくれるだろうしね」ヒソヒソ

ガイド「お二人様ー 行きますよー」

男「今行きます」

~数分後~

ガイド「あっ、妹様 そちらに石がありますから転ばないように注意して下さい」

女「うおっ...危なっ...危うく転びかけたよ ありがとな」

ガイド「いえいえ 当然のことをしたまでですよ 皆様、水分補給はしっかりこまめして下さいね」

男(今の所は大丈夫...まだそこまで険しくないからね...)

男5「おっ、あれ もしかして二合目の看板じゃないか?」カシャカシャ

美少女「そうだね この調子なら今日中に7、8合目までいけるんじゃないかな」

美少女(ガイドさんの体調がそれまでに悪化しなければの話だけどね...)

女(さっき美少女が母さんに電話しているのを見たが...見られないように気をつけていた辺りからして...恐らく最悪の事態が起こった時に備えてか 軽はずみに登山しようだなんて言わなきゃ良かったな...)

男「女、どうした?そんな顔して ほら、上見ろよ こんな所でへばってたらリタイヤ確定だぞ?」

女「違うわ 実はさっき美少女が電話しているのを見てな」ヒソヒソ

男「別に小声で話すことじゃないだろ」

女「馬鹿野郎 ヤタガラスに聞こえたらどうするんだ あいつの体調が優れてないのは私でもわかる それで母さんに助けを求めたってこともな」ヒソヒソ

男「お前...聞こえてたのか」

女「私が女の母親なの忘れてないか?あの距離なら余裕で聞こえるわ」

男「メイドさんの耳の良さ、遺伝だったなそういえば...」

女「勿論目もだが...この身体だとそうはいかん ともかく、あいつにバレるようなことはするな」

男「言われなくてもわかってるさ」

一旦切ります

~マンション 男6の部屋~

男4「で?その魔王娘の前ではしっかりしていたいから普段から敬語使うようになったって訳か?」

勇者「え、ええ...」

男3「だからって僕らの仲で敬語は無いよね」

男6「正直薄ら寒かったな 違和感しか無かったよ」

男4「だからよ...その娘だっけ?そいつの前では好きなだけ敬語使っていいからさ 普段はタメで話してくれよ な?」

勇者「でも...」

男3「僕からも宜しく頼むよ この通りだ」ペコッ

男6「バルドルに頭下げさせるなんてな...ここまでやって断るなら絶交した方がいい」

勇者「...わかった そこまで言うならこれからはそうする」

男4「それでいいんだよそれで すまなかったなファーブニル、わざわざ部屋まで来ちまって」

男6「私は一向に構わんよ こういうのも偶には悪くない」

グオオオオオオ グオオオオオオオ

男4「な、何だ!?」

男6「固定電話の着信音だよ もしもし、私だ」ガチャ

男3「あれ、竜の咆哮音だったけど...」

男6「...そうか...わかった じゃあまたな」ガチャン

男3「どうしたんだい?そんな顔して」

男6「ユグドラシルの根っこの齧られる頻度が増えているらしい...」

男4「ユグドラシル?何だそれ」

男3「自分の世界のことなのに知らないのかい...君は...」

男4「そういうのには疎くてな...」

男3「ユグドラシルは北欧神話の世界の要になっている大樹だ あれが無くなったら一大事なんだ 僕達の世界が滅びるんだぞ?」

男4「そうなのか!? じゃあ誰がそんな危害を加えているんだよ」

勇者「私が調べた限りでは...ニーズヘッグだよね」

男6「ああ...あいつはドラゴンの中でも忌み嫌われている 昔は大人しい奴だったんだがな...」

男4「そいつを倒すことは出来ないのか?」

男3「無理だ お父さんもトールさんも何度も倒しに行ったけど...傷を付けるのが精一杯だった」

勇者「装甲が硬いの?」

男3「うん...危うくグングニルが壊れるところだったって聞いた」

男4「そんな手を付けられない奴が更にユグドラシルを傷付けるようになったなんて...どうすればいいんだよ」

男6「...男なら」

男4「は?男?どうしてあいつが?」

男6「勇者、君の世界に二回目に戻った時に会長は一度男妹2に破壊されたんだよな?」

勇者「女から聞いた話に寄るとね....でもそれがどうしたの?」

男6「運命というのは絶対なんだ絶対にそれを覆すことは出来ん それを男は変えた あいつならきっと...」

男3「ニーズヘッグを退治出来ると言うのか」

男6「きっとな...」

男4「でもどうして会長が破壊されたって話をお前が知っているんだ?行ってないんだろ?」

男6「校長から聞いた」

勇者「あの人、口軽いもんね...」

~学校 校長室~

美少女母「ヘクション!...うぅ、最近噂される回数が多いわね」

女7「風邪引いてるんじゃないの?」

美少女母「違うわよ~...まぁエアコン付けっ放しで寝てるけど」

女7「それが原因じゃない」アセアセ

美少女母「それよりいいの?一応、彼に伝えておいたけど そのうち消滅しちゃうなんて有り得ない話じゃないのよ?」

女7「私はまだ大丈夫だけど、スクルドがね....根は未来の部分だから...」

美少女母「未来を司るあの子は大変でしょうね...でもそのうち幹に手を出し始めたら...」

女7「手の打ちようが無くなるね...私が消えたらもうあの世界は終わり...」

美少女母「大勢が帰る場所を無くす...それだけは避けないとね...」

女7「ユグドラも一応は抵抗してくれているけど...ますます力をつけているあいつの前では蟷螂の斧に等しいね」

美少女母「やはりあの子じゃないと駄目か...」

女7「何か考えが?」

美少女母「ちょっとね でもまだ覚醒してないし...」

女7「私が力になれるなら手伝うけど」

美少女母「勿論貴女の手も借りるわよ でも他にも色んな人に手伝ってもらわないと...正直無理ね 大体いつまで保てるかわかる?」

女7「....3日かな」

美少女母「きついこと言ってくれるわね~ ...じゃあ私はこれから色々と電話掛けるから貴女もヨミちゃん達迎えに行ってね 頼んだわよ」

女7「富士山か...よし、位置がわかった 行って来るよ」

美少女母「行ってらっしゃい~」

ピカッ

美少女母「あっ、もしもし フリッグ?私なんだけど...今大丈夫?」

~富士山~

ガイド(不味いな...視界が更に霞んできた...)

男「あの...ガイドさん? 大丈夫ですか?かなり顔色悪いですけど」

ガイド「この程度どうってこと無いですよ」フラッ

ガシッ

男5「危ねえな...しっかりしろよ」

『ここ何処だよー 何か空気薄いんだけどー』

『大声出さないほうがいいよ 結構標高高いからね』

美少女「おかしいな...何か前方にメイドさんと女7が見えるんだけど...」

女「何でここに居るんだよお前ら」

メイド「知らないよ 家で洗濯物畳んでたらいきなり現れて無理矢理連れて来させられたんだ」

女7「貴女の協力が必要不可欠だからね そこの顔色悪い人に取り憑いてあげてよ」

ガイド「あっ...どうも」

メイド「どうしてアマテラス様の式のあんたが此処に居るのかわからないけど...色々やばいね 仕方ないな...じゃあ意識だけ残してっと」

スーッ

男「メイドさんがガイドさんの中に消えた...」

ガイド「おおっ! 疲れが消えた!」

女7「よし じゃあ今からあちこち行くから男5、ちゃんと写真頼んだよ」

男5「はぁ? 何言ってんだおま...」

ピカッ

女7「まずは四合目 はい、みんな並んで並んで」

男「お、おう...」

女7「じゃあ男5、写真撮って」

男5「指図すんなよ...じゃあ行くぞー はいチーズ」

カシャ

女7「じゃあ次行くよ 空気更に薄くなるからね」

ピカッ

女「...ここは?」

女7「五合目のちょっと手前 ほら、道中の写真も欲しいでしょ?」

男5「この調子だと1時間以内に頂上行かされそうだな...」カシャカシャ

~数分後~

女7「よし、終わったね」ゼエゼエ

女「全然登った感が無いな...写真撮ってすぐ場所移動だったし...」

美少女「まぁ、私達らしくていいんじゃない? でも帰りはどうするの?疲れてるでしょ?

女7「女、私の体力戻して」

女「はぁ!? 母さんといい...お前といい...人使いが荒いぞ ったく」カチャ

ピカッ

ツクヨミ「よーし、戻したぞ これでいいかー?」

女7「うん充分だよ じゃあ行くよ」

ピカッ

~学校前~

女7「はい、到着ー」

ガイド「あの...私のバスは...」

女「そこにあるだろ」

ヒューン

メイド「母さん、戻るの早っ!」

ガイド「うぅ...眩暈が...」

メイド「あっ...ごめん 家、何処なの?送っていこうか?」

女「お前、バスの免許なんて持ってないだろ」

メイド「持ってるけど?」

男5「持ってるのかよ...じゃあ送ってもらえ」

ガイド「すみません...皆様に醜態を晒してしまい...どうお詫びすれば良いか」

女「修学旅行のガイド、お前なんだろ?その時にちゃんとやってくれればいいよ」

美少女「今日はゆっくり休んでね」

ガイド「はい...では失礼します...」

ブッブー ウオオオーン

女「あいつ...楽しんでやがる...」

男「でもどうして女7が? まさか校長から頼まれたのか?」

女7「まあね あの人、今色々と忙しいからさ代わりにね」

男父「おいヴェルダンディ 校長から聞いたぞニーズヘッグに何があったんだ?」タタタタタタッ

男「父さん!? 家に居たんじゃないの?」

男母「そんなこと言ってる場合じゃないわ 緊急事態なのよ」

女「どうしたんだよ...主神が揃うなんて...」

男3「やっぱりお父さん達も来たんだね...」

男6「そりゃそうだ 我々の世界の危機なんだからな」

美少女「えっ?どういうこと?」

男4「ユグドラシルがニーズヘッグに食い尽くされるかもしれないんだとよ」

男「食い尽くされるとどうなるんだよ」

男父「ルーン魔法が無くなり、ノルンが全員死んで北欧神話の世界が消える」

男5「存亡の危機とか笑い事じゃねえぞ...」

一旦切ります

男父「早く手を打たないと大勢の者が犠牲になる...しかし一体どうすれば...」

男6「オーディン この件は私に一任してくれないか?」

男4「おいお前、本当に男に託す気か!?」

美少女「言っておくけど男に危険なことをさせるのは私が許さないからね」

女「今は言い争ってる場合じゃないだろ で?どんな考えがあっての発言だ?男6」

男6「校長から聞いたが男には運命を変える力がある それに賭けるんだ」

女「美少女が男妹2に破壊されたのを男が変えたって話か あれは作り話だと思ったんだがな...」

美少女「それは違うよ あの時、男が危なかったから押したのに次の瞬間には私の前に居たもの」

勇者「私も遠目で見たよ 会長に押された筈の男が会長を庇って妹2を殴ってたよね」

男「うーん...あの時のことはいまいち覚えていないんだよな...」

男母「貴方が男のことを気に入っていることは知ってるけどこの子だけに任せるのは...」

男6「なら、会長と勇者も同行するならどうだ?」

勇者「会長はまだわかるけど...どうして私も?」

男6「君は並行世界の男だと聞いたことがある なら、君にもあるんじゃないか? 何かしらの特別な力が」

男3「勇者にそんな力があるとは思えないけどねえ...」

男6「それに道中は魔物が多いからな 居てもらえると非常に助かる」

男父「なら女2も同行させよう 彼女が居た方がより楽になるだろう」

男母「じゃあ女2に伝えないと...」

女2「ご心配無く 全て聞いておりましたので」

男4「うおっ!? お前、いつの間に...」

女2「今日一日のお二人様を尾行していました 何かやらかさないか不安でしたので」

勇者「男6のマンションに居た時はどうしてたの」

女2「隣のビルから双眼鏡で見ていた」

男5「お前、それストーカーだぞ...しかもこの暑い中でよくもまあそんなことやってたな」

女2「こうでもしないとこの人のお目付け役など出来んよ」

男6「まあ話を聞いてくれていたならこの際好都合だな どうだ?任せてもらえるか?」

男父「万が一に備えて避難させなくてはならないしな...わかった ファーブニル、お前に任せるとしよう」

女7「こうしている間もあいつは齧る速度も増している...早くしないと...」

男「でも一体どうやって行くんだ?」

男6「そのことか なに、簡単なことだ」

ボオッ

ファーブニル『私の背に乗っていけばいい』

男「で、でかっ...」

美少女「流石ドラゴンなだけあって大きいね...えーと何処から登ればいいの?」

ファーブニル『尻尾からなら登りやすいだろう』

男5「登山用の荷物は俺達が代わりに家に持ってくよ ほら、姉さんも」

女「えー ダルいんだけど...よっこいしょっと」

男4「男、念の為にこれを持って行け」ブンッ

男「危なっ...」パシッ

男3「その剣、君が持っていたのか」

男4「一応あいつの形見でもあるからな...」

ファーブニル『私が作った剣か それならドラゴンキラーがあるしニーズヘッグに有効だろう』

一旦切ります

美少女「でもいいの?それ、大切にしてた剣でしょ 奪われたとはいえ男が持つのは...」

ファーブニル『あの時話しただろう?捨てられなかっただけだと 男の役に立つのなら喜んで渡すさ』

勇者「あー...どうしよう 私が乗ったら定員だけど...女2乗れない...」

女2「私はヴァルキリーだ 翼を生やすことぐらい造作でもないことだ」バサッ

男「何か綺麗だな...その翼...」

女2「そうか?スタンダードな物だと思うが」

美少女「他の物見たこと無いからスタンダードって言われてもわかんないんだけど...」アセアセ

女2「ともかく、私は自力で飛べるから問題は無い そろそろ行こう」

ファーブニル『そうだな...3人ともしっかり掴まっていてくれ 落ちても拾いに行けないからな』

バサッバサッ

男「おお...飛んでる...皆が小さくなっていくね...」

美少女「当たり前でしょ ドラゴンなんだから」

勇者「そうでも無いですよ?飛べないドラゴンだって居ますから」

男「えっ?そうなの?」

勇者「はい 私の国ではまずドラゴンが生まれたら飛行訓練をさせることが決まりになっています 最初から飛べる方が珍しいんですよ」

女2「それは知らなかったな...まぁそもそも私はお前の世界に行ったことが無いんだが」

勇者「機会が合ったら来たらどう?歓迎するよ」

女2「...考えておく」

ファーブニル『やはり君はそういう喋り方がしっくり来るな 全ての人に対して敬語を使うのはどうも気味が悪い』

男「おい、男7のことを悪く言うんじゃない」

ファーブニル『彼の場合は別だ 勇者にはそうのは似合わないって意味だよ』

勇者「そうかな...一応、私って姫なんだけど...」

女2「お前みたいな姫が居てたまるか 名前、勇者だしな」

男「本当に本名なんだよね?君の勇者って名前」

勇者「勿論ですよ お父様が付けてくれた名前です」

美少女「まぁ子供に男って名前付ける人が居るんだから居てもおかしくないよね」

男「それを言ったらおしまいでしょ」

女2「私も女2って名前だしな...」

ファーブニル『その...すまんな 一人だけまともな名前で...』

美少女「なにも男6が謝らなくてもいいよ 別に付けられた名前を嫌ってる訳じゃないし」

男「一時期コンプレックスだった時期もあったけどね...」

女2「お前って本当にちょっとしたことですぐ落ち込むよな 会長が元男だなんて信じられん」

美少女「本当だよー 私は男だったんですー」

ファーブニル『男、君はもっと自分に対して自信を持つべきだと思うぞ それさえ無ければもっと良くなるな』

男「そうかな...僕って昔から何をやっても人の足を引っ張るからさ...役立たずだと思うんだよね...」

美少女「男が役立たずだったら私はもっと役立たずだよ 生徒会を引っ張ってるの男だし」

勇者「初対面だった男妹に対して、『妹になれ』って言った貴方は凄かったですよ」

美少女「あったねーそんなこと あの時はびっくりしたよ 抱きついたと思ったらあの言葉だもん」

一旦切ります

男「あの時はそうするしかないと思ってね...必死だったんだよ」

美少女「でも彼女の私を差し置いて他の女の人にあんなことをするのはどうかな この前だって女5に告白されてたし」

女2「男って無意識で落とし文句言うもんな...相手によっては誤解させるぞ?」

女2(かく言う私もその一人だがな...)

勇者「来年のバレンタインチョコ、男宛ての本命チョコ多いかもしれませんね」

美少女「そうなったら私が全部食べるよ 男は私のチョコだけ食べればいいからね」

男「いや...それはくれた人に申し訳ないでしょ...それに美少女以外に僕にチョコくれるのは母さんしか居ないだろうし」

ファーブニル『それは無いな 君を慕っている者は多い な?女2』

女2「は?何のことだ?」

ファーブニル『しらばくれても無駄だ 男4から君が暇な時に男の写真を眺めていることは聞いている』

美少女『おっ? 何?女2 男は渡さないよ?』ゴゴゴゴゴ

女2「待て会長 私は会長が考えているようなことは思っていない おい、ファーブニル 誤解させるようなことは言うな」

ファーブニル『はて? 私は事実を言っただけだがな....』

美少女『勇者、剣貸して こいつ、殺さなきゃ』ゴゴゴゴゴ

勇者「嫌ですよ...少し頭を冷やして下さい」

男「どうどう...落ち着けよ美少女 ほら、深呼吸して」

美少女「スーハー...スーハー...よし 勇者、剣貸して」

男「おい調子に乗るな」ポカッ

美少女「あ痛た...冗談だよ...冗談 もう、真に受けちゃってさ...」

女2(危うく殺される所だった...会長の目、本気だったし)アセアセ

ファーブニル『おっ、見えてきたな もうすぐ到着するぞ』

勇者「あれは...教会? って、ここ何処?」

女2「北ヨーロッパだ 私達の世界が北欧神話の世界と呼ばれているが、その所以の一つはここに私達の世界への入り口があるからなんだ」

男「ゲルマン民族の神話だから北欧神話なんじゃなかったのか?」

ファーブニル『それはあくまで一部に過ぎんよ 着いたから降りてくれ この姿だと入り口を通れないんでね』

~公民館~

棋士「...負けました ありがとうございました」ペコッ

男7「こちらこそありがとうございました」ペコッ

女4「か、勝っちゃった...ひいおじいちゃん凄い...」

女4祖父「女4、それもこれもお前が父さんをここに連れてきてくれたお陰だよ ありがとな」

女4「ううん 大したこと無いって でもあの人、ひいおじいちゃんを一目見てすぐに対局してくれって言ったよね」

女4祖父「覚えているんだろうな...ここに来る直前に聞いたが父さんと最後に会った日付がちょうど特攻する一年前だった 姿が変わってないからすぐわかったってことだな」

女4「将棋についてあまり知らないけど、指してる時のあの人 楽しそうな顔してたね」

女4祖父「ああ、そうだな...」

棋士「やはり...君は...」

男7「何方か勘違いされていませんか?私は男7と申します」

棋士「...そうか 打ち方が先生に似ていたのだが...勘違いだったか」

男7「しかし...」

棋士「ん?」

男7「昔は男と名乗っておりました その...お久し振りですね...」

棋士「せ、先生...やはりわしの目に狂いは無かった...お会いしたかったですよ いつの日か先生を越えられるように指してきたつもりでしたがやはり先生に敵いませんね...」

男7「いえいえ...紙一重で勝てただけです 歴戦を潜り抜けた貴方と私とは雲泥の差がありますから...」

棋士「御自身を卑下なさるのは相変わらずですね...」

男7「それが私ですので...」

一旦切ります

~教会 地下 階段~

コツン...コツン...

美少女「ねえ...どうしてこうも階段って長いの? 下りだからまだマシな方だけど上りになると絶対疲れるよね...」

男6「階段が長いのは仕方が無いことだ 私達の世界に行く手段がこの先にあるからな...これでもマシな方だ」

女2「今のうちに言っておくが...途中で引き返すのは厳禁だからな したら魔法によって此処を死ぬまで永遠に彷徨うようになっている ほら、こんな感じにな」ヒョイ

勇者「さり気なく白骨化した頭拾わないで欲しいんだけど...」アセアセ

男「それよりもさ、ここ隠し階段なんだよね?祭壇の下にあるんだし どうしてこんなに人の骨多いの?」

男6「噂だよ 何処かの誰かがここに宝があると広めてな...大変だったよ 目撃者を出してはならないから皆殺ししてな... 罪の無い子供を殺すのは流石の私も罪悪感を感じた」

男「それってどういう...」

男6「一時期、私はここの守りをしていたんだ 破壊工作でもされたらたまらないからとオーディンに頼まれてな」

女2「オーディン様がお前に? 一体どういう関係なんだ?」

男6「なに...昔、彼の武器を作っただけの間柄に過ぎんよ ドワーフだったと言っただろう?」

勇者「作ったって...グングニルを?」

男6「ミョルニルもギャラルホルンもレーヴァテインも皆な...昔は道具や装具を作ることが生き甲斐だったよ」

美少女「北欧神話に出てくる神器を作ったなんて...一体何者なの...貴方...」

男6「元ドワーフのドラゴン 以前は神器の創り手などと呼ばれたりもしたが...別に私が作らなくても他の誰かが作っただろう 偶々私が作ったに過ぎん」

勇者「じゃあどうしてそんな人がドラゴンなんかに...」

男6「死んだ後に無理矢理叩き起こされたんだ 私ほどの作り手を死なせるのはもったいないとな それも禁忌の儀式までして...その結果がこのざまだよ」

女2「死者蘇生なんて...神々がそれを許す筈が...」

男6「許さざるを負えなかったんだよ 傷ついたり壊れたりした神器を修理出来たのは私だけだったからな 神器は作り手にしか修理は出来ん だから許したんだ」

男「男6...君も大変だったんだね...」

男6「大変で済めば良かったんだがな...蘇生に成功をしたはいいが私は竜に変貌していた 仲間は勿論、神々にも忌み嫌われたな 受け入れられなかったとはいえ、少々傷ついたよ」

女2「そんなことが...」

男6「これで終わればまだマシな方だ その後、私は様々なドラゴンに命を狙われた 汚らわしい血を排除するとか言ってな...」

男「・・・・・」

男6「そんな中で一匹だけ私を匿ってくれたドラゴンが居てな... それがニーズヘッグだったんだ」

4人「「「「えっ!?」」」」


勇者「ニーズヘッグって邪竜なんじゃないの!?」

男6「ネットや本の情報を鵜呑みにするな 彼はそんな者ではない 争いを好まない心優しいドラゴンだよ ...昔はな」

美少女「『昔は』ってじゃあどうしてこんなことになったの?」

男6「...恐らく知的好奇心に従った結果、ああなったのだろう 彼は動物の肉が食べられない体質でな...植物の根っこなどを主食にしていたんだ」

女2「ユグドラシルの根には世界を支えるが故に膨大な力が蓄えられていると聞く もし、それが本当ならば...」

男「今のニーズヘッグは異世界の男4同様に力に飲み込まれているということか...」

男6「彼は私の恩人だ 彼が私を匿い人型の姿になるやり方を教えてくれなかったら今の私は居なかっただろう...彼を楽にさせることしかその恩を返せないのが悲しいことだがな...」

4人「「「「・・・・・・・」」」」

男6「さて、私の昔話が終わってた所で最下層だ ここが入り口になる」

美少女「でも行き止まりじゃない 壁に何か文字が書いてあるだけで何処に入り口が...」

勇者「『神の力を持つ者よ ここから3歩下がりてその力を示せ さすれば扉は開かれん』」

女2「お前、ルーン文字が読めるのか!?」

勇者「えっ?これがルーン文字なの?私の世界の魔法を唱える時に使う文字そっくりなんだけど」

男「言われてみれば...この文字、勇者の世界でも見たような気がする...」

美少女 スタスタスタ パチン

ギィィィィィ

美少女「...あっ 本当に開いた」

男「おい、自然な流れで扉開けるなよ」

美少女「もしかして...まだ開けるの早かった?」

男6「いや構わんよ 勇者の世界で何故ルーン魔法が使われているか気になるがそれはまた後で話し合おう 今は一刻も早くユグドラシルに向かわないとならんからな」

~アースガルド 入り口~

男「うっ...この感じ...いや、まさかね...」

女2「ん?どうした?」

美少女「向こうからクロノスの神力が感じるんだよ...しかもかなり強い この前のよりもね...」

男6「どうしてクロノスの神力が...」

勇者「もしかして今回の危機もクロノスが原因だったりして...」

男「その線が濃いな...父さんと母さんがこの前ので殺せなかったから今度は世界を破壊しにきたという訳か...」

美少女「卑劣な真似を...」

女2「不味いな...恐らく先行したんだろうヴァルキリーの気が次々と消えている...全滅も時間の問題か...」

ボゥ

ファーブニル『急ぐぞ すぐに背中に乗れ』

~アースガルド 泉~

男「こ、これは...」

ファーブニル『間に合わなかったか...くっ...』

美少女「酷い...これが全員ヴァルキリーだというの...」

勇者「戦場ではよくある風景だけど...ここまでの死体の山は見たこと無い...」

女2「どれも歴戦の戦士だ...それをあれがやったというのか...」

グギャァァァァァァァ

美少女「あれがニーズヘッグの鳴き声...」

勇者「竜の鳴き声だとは到底思えない...」

ファーブニル『苦しんでいる...自我が無いだけでなく力にその身体を蝕まれているな...』

男「あんなのに...果たして勝てるのかな...」

美少女「今更、弱音を吐いたって駄目だよ やらなくちゃ」

男「わかってるけど...身体の震えが止まらない...」ガタガタガタ

女2「...男 お前はここに残れ」

男「...えっ?」

女2「私にはわかる このままお前が行ったとしてもどうせ足を引っ張るだけだ だからここに残れ」

ファーブニル『だが...』

女2「いい加減にしろ! ここは戦場だ 男のような者は真っ先に死ぬ 会長も薄々わかっているだろ」

美少女「・・・・・・」

男「美少女...」

美少女「ごめん男 女2の言う通りだよ このまま一緒に行っても私、男を守れる自信が無い」

勇者「ここは私達に任せて下さい」

男「で、でも...」

美少女「お願い男...わかって...」

ファーブニル『...行こう すまんな男、無理をさせてしまって...そこで見ててくれ』

バサッ バサッ

男「...くそっ」ドンッ

男「これじゃあ...何も変わらないじゃないか...見ているだけで...何も出来ない...」

男「何が運命を変える力だ...臆病者の僕にはそんな大それたものは無い...」ウルウル

男「変わりたい...こんな...傍観している自分を...うぅ...」ポロポロ

~~~

毒蛇達 シャァァァァァ

勇者「何この数の蛇...さっきまで居なかったのに...」ズバッ

ファーブニル『ニーズヘッグの力が具現化した物だろう...これらを倒さないと先には進めんな』ボォォォォォ

美少女「こんな数、いちいち相手にしてたらキリが無いよ...仕方ない...ここは...」

ピッカァァァァ

美少女『これで一気に片付ける!』キラキラ

女2「会長が...光ってる...しかも強い...」ズバッズバッ

勇者「『閻魔モード』と『女神モード』を同時に発動しているんだろうね...さしずめ『無敵モード』かな でもそんなことしたら...」ズバッ

ファーブニル『体力を急激に消費する...不味いな...どんどん先に向かってるぞ』シッポバシン

美少女『どけェェェェェェェ!!!』ダダダダダダダダッ

パシュン

美少女「うぐぅ...目の前に来て切れるなんて...あともう少しなのに...」

毒蛇 シャー

美少女「まだ生き残りが...くっ...」

男『止めろォォォォォォォォ』ダダダダダダダダダダダッ ズバッ

美少女「男!?どうして...」

男「君は僕が守るって...そう言ったじゃないか...」ゼエゼエ

ニーズヘッグ「グギャァァァァァァァ」ボオッ

男「!! 美少女、危ない!」ドンッ

美少女「うわっ」ドスン

バーン ボォォォォォォ

美少女「そ、そんな...嘘でしょ...」

女2「大丈夫か、会長」タタタッ

美少女「私は...でも男が...」

女2「敢えて非情なことを言わせてもらうが...仕方ないさ...これでもあいつなりに懸命に頑張ったんだ...」

美少女「嫌だ...返事してよ...男ォォォォォォォォ」

一旦切ります

~???~

男「...? ここは...一体...何処なんだ?僕は美少女を庇って...」スタスタスタ

男「でも勝手に足が動いている方が不思議だな...僕は何処に向かっているんだろうか...」スタスタスタ

?「あー...ちょっと...その...良いですか?」パッ

男「貴女は...誰ですか? 急に現れて話しかけてくるなんて...」スタスタスタ

?「えーと...私は...あっ! 待って下さい 話を...」

男「足を止めたいのは山々なんですが勝手に足が動くもので...」

?「やはり...では致し方ありませんね...」

ボンッ

男「姿が変わった!? さっきまで女性だったのに男性に...」スタスタスタ

?「ちょっと飛ぶが我慢しろよ ふんっ」

ガシッ ブンッ ダーン

男「痛たたたたた...でも足が動くのが止まった!」

?「そいつは良かった...さっきまでお前が進もうとしてた先の場所は結構やばい所でな...一度入ったら戻って来れなくなる場所なんだとよ 本当なら手荒な真似はしたくなかったんだが...まぁ結果オーライだな 立てるか?」

男「何とかね...君は誰だい?それにここは...」

異世界男「俺か? 俺はお前だよ と言ってもこれじゃあ通じないか...俺の名前は男 此処とは違う世界のお前に当たる存在だ」

男「異世界の僕!? ...驚いたな まさかもう1人会うことになるとは...美少女が聞いたら驚くだろうな」

異世界男「あいつならきっと吹き出すだろうな...」

男「へ?君は...美少女のことを知ってるのかい?」

異世界男「そりゃそうだ さっきの俺の姿見たろ?女だったアレ あの姿になるようになったのはあいつが原因だからな」

男「...ちょっと待った 君は異世界の僕なんだよな?さっきから君が言ってる『美少女』と僕が言ってる『美少女』は違う存在だと思うぞ?」

異世界男「...あー そっか...じゃあそっちの世界にも居るのか...美少女って名乗ってる奴が...紛らわしいな」

男「おい 僕の彼女のことを悪く言うなよ」

異世界男「お前、彼女居るの!?冴えない顔してるのに!?」

男「おいおい...随分と攻撃的だな...僕は異世界の君なんだろ?そんなこと言わなくてもいいじゃないか...傷ついたよ...今の言葉...」ズーン

異世界男「おいおい...そこまで落ち込まなくてもいいじゃねーか 悪かったよ...俺の所の美少女は魔女でな...まぁ、詳しい話は出来んが良い奴ではないんだ」

男「へぇ...そうなのか...じゃあ僕の美少女とは全然違うな 彼女は僕であり君でもあるからね」

異世界男「は?どういうことだ?お前の彼女がお前であり俺でもあるって...」

男「そのままの意味だよ 実は僕の名前も男と言うんだけどね...彼女は未来から来た僕なんだ つまり、この世界には男という存在は2人居るということなんだ まぁ、今は3人なんだけど...」

異世界男「未来から来た?何だそりゃ...それに今、3人とか言ったよな?お前にその美少女と...あと誰だ?」

男「勇者だよ 女って言って僕の先祖に当たるクラスメイトが召喚したら偶々彼女が来たんだ まぁ、来た当初は男だったんだけど...」

異世界男「色々とツッコミたいことがあるが...まぁいいわ だからさっき俺で2人目とか言ったんだな」

男「そういうこと で?どうして君はここに?それとここは何処なんだ?」

異世界男「此処はそうだな...この世とあの世の狭間の場所って言えば分かるか? 俺も詳しいことは知らんがな 俺が来たのは俺の友達がとある人物からの依頼でお前が死ぬのを止めてくれと頼まれたからでな その時に俺が行くことが条件だったってことよ で、その依頼した人物に此処に飛ばされてさっきに当たるって訳だ」

男「てことはもしあのまま僕が歩き続けていたら...」

異世界男「死んでたな 間違いなく」

男「ありがとう 助けてくれて...なんて言えばいいか...」

異世界男「おいおい...俺は頼まれたからやっただけだ 礼を言われる筋合いは無い それを言うならお前んとこの校長とか言う人に言うんだな」

男「校長先生が!? まぁ、あの人なら異世界行くなんて他愛も無い事だろうけど...」

異世界男「おっと...そろそろ時間だな じゃあ俺はこれで じゃあな」

シュン

男「消えた...いや自分の世界に帰ったのか...異世界の僕にもあんな凄いのが居るんだな...」

男母「貴方も凄いと思うわよ?」スタスタスタ

男「母さん?...どうして此処に...父さんと一緒に僕達が行くのを見送った筈じゃ...」

男母「その人は私であって私ではないわね 私は4年前に死んでいる...とでも言えばわかるかしら?」

男「えっ!? でも魂は消滅したって...」

男母「まぁ、色々あってね...ギリギリ消える直前に貴方に取り憑く形で生き長らえたのよ とは言ってもこうして貴方の意識が生と死の狭間に居ないと会話することさえもままならないんだけどね」

男「そうなんだ...でも良かったよ またこうして母さんと会話することが出来て...」

男母「今までの貴方の様子、全部見てたわ...成長したわね...本当に...」

男「そんなこと無いよ 僕なんか大したこと無いって」

男母「いいえ もっと自分に自信を持ちなさい 貴方は男6が言ったように運命を変える力を持っているんだから」

男「...そのことか でもそれは迷信だよ さっきだって僕は震えてただ美少女達が戦うのを見守ることしか出来なかった...」

男母「でも直前に美少女を庇ったじゃない 自己犠牲なんてそう簡単に出来ることじゃないわよ?」

男「あの時は体が勝手に...美少女を助けないといけないと思ったら力が湧いたんだ...」

男母「あの時の貴方の行動が無かったら美少女は死んでいた...言い方を変えるなら貴方は美少女の運命を変えたのよ」

男「物は言いようだね...」

男母「他にもあるわよ?貴方も知ってるように美少女に告白した時に彼女のことを受け入れたことで彼女は存在することが出来た あの女神を妹にしなかったら彼女はあの時点で死んでいた これも運命を変えたことに入るのよ」

男「妹はあの時点で死ぬ運命だったの!?」

男母「ええ...でも貴方が妹になれと言ったことで運命が変わり彼女は生きた そしてそれが同時にあの世界を救ったのよ あの時、彼女の支援が無ければ美少女の蘇生魔法は成功しなかったからね」

男「確かに...そうかもしれないけど...でも...」

男母「まだ終わってないわよ?貴方と美少女...まぁ他にも校長とか居たけど...女のことを怪しんだことで女4の記憶は取り戻された 本当だったら蘇らなかったのよ」

男「僕が...女4の記憶を蘇らせたと? でもあれは女が...」

男母「あの場に彼女が来たのは校長が密かに呼んだからだけどそうするようにした原因は貴方と美少女にあるのよ 彼女もまた運命を変える力があるからね 彼女が女が漏らした言葉を聞き、貴方に相談したことで女4の家に行くことが決まったでしょ?まぁ、妹も全く関係していない訳ではないけどね」

男「• • • • •」

男母「美少女が破壊されたのを巻き戻して助けたのも男4が覚醒するきっかけを作れたのも一度別れた夫婦が再び結ばれたのも全部貴方だから出来たことよ」

男「それが事実だったとして...どうしてそんなことを言えるの?」

男母「私も彼女と一緒だから...女2にとある神の一部が存在することは聞いたわね?私もそうだったのよ...死ぬまで知らなかったけど」

男「母さんにも...女2の神の一部が存在するってこと?」

男母「ええ...恐らく魂になったからだろうけど、死んだ瞬間にその神の声が聞こえたのよ それが私が貴方に取り憑けた理由 本当ならその神が現れても良かったんだけど...母親である私の方が適任だって言われてね こうして現れたってこと」

男「その神は男4を助けた理由に僕と美少女と父さんがこの先居なくてはならないからと言ってたらしいけど...母さんは何か知ってる?」

男母「勿論よ 何者であるか何を目的としているかその全てを知っているわ まぁ、口止めされてるからあまり多くは言えないけど...あの人は貴方達の幸せを祈っていてその為に行動していることは確かよ」

男「女7は名前を明かすことさえも出来ないって言ってたのに...母さんは大丈夫なのかい?」

男母「言って大丈夫なことを言ってるから大丈夫よ 私はあの人本人でもあるから言っていい事と悪いことが分かるから言えるけど...それ以外の人は分からないからね...それに会ったことがある人も少ないし だから基本的にあの人の存在は秘密になっているの」

男「じゃあ聞くけど...その神は僕に何を求めているの?」

男母「生きることよ 貴方が生きたい物をね」

男「僕が...生きたい物?」

男母「過去、現在、未来...どれでもいい 貴方が生きたい物を生きたいように生きること それがあの人が貴方に望んでいる唯一のことよ」

男「僕が生きたいように生きる...か なら僕は現在を生きたい 美少女と...皆と一緒に今を生きたいよ!」

カッ パァァァァ

男「!? この光は...」

男母「貴方の神力が完全に覚醒した証よ 『革新』の神力がね」

男「『革新』...それが僕の神力...」

男母「神力は求める人によってその力が異なる物...貴方は美少女が破壊された時、それを否定した 言い換えるなら変えることを望んだ だから一部的とはいえ神力が覚醒したの でも今は違う...貴方は皆と共に生きる為にその力を求めた だから神力が覚醒したのよ」

男母「今の貴方ならこの絶望的な状況を変えることが出来るわ さぁ、そろそろ目を覚ましなさい 美少女が貴方を待ってるわよ」

男「母さん...」

男母「そんな顔しないの 貴方は私とお父さんの自慢の子供なんだからね...あっ、お父さんで思い出したんだけど 一さんにもし会ったら伝えて欲しいことがあるんだけどいい?」

男「伝言? 別にいいけど」

男母「貴方の励ましが無かったら私は生きようとは思わなかった 貴方と結婚出来て本当に良かった...そう伝えてね?お願いよ」

男「...母さんは父さんのことが大好きなんだね」

男母「勿論! 好きでもなきゃ結婚しないわよ じゃ、よろしくね」

男「わかった...本当にありがとう...母さん」

シュン

男母「行っちゃったか...はぁ...」

一旦切ります

男母?『よく彼の前で涙を見せなかったわね...結』ピシュン

男母「私はあの子の母親だもの 涙なんて見せられないわ...」ポロポロ

男母?『でもこれで未来が生きる...現在を生きる者によってこれから先の世界は変わることが出来る やはり貴女に頼んで正解だった 私だったら彼を覚醒させられなかったもの...』

男母「今度あの子に会う時はあの人も一緒なのよね?」グスッ

男母?『ええ、彼の存在もまた必要だから 『来たるべき時』に備えましょ』

男母「男...頑張ってね...貴方ならきっと出来る...信じてるわ...」

~アースガルド 泉~

美少女「こうなったら...私諸共あいつを倒す! 私は男を殺したあいつを許せない!」

女2「辞めろ会長 また再びあの力を使ったら今度こそ死ぬぞ!?」

美少女「構わない 男が居ない世界なんて...生きたくないから」

カシャッ

女2「何だ?今の音は?」

スタスタスタ

男「泣いてる君も怒ってる君も良いけど...やっぱり僕は笑ってる君が好きだな」

2人「「男!?」」

美少女「よ、良かった...もぉ~生きてるなら生きてるって言ってよね 泣き損だよこれじゃ」

男「いや~ごめんごめん つい死に掛けてね...」

女2「さも当然にそんなこと言うなよ...」2人「「男!?」」

美少女「よ、良かった...もぉ~生きてるなら生きてるって言ってよね 泣き損だよこれじゃ」

男「いや~ごめんごめん つい死に掛けてね...」

女2「さも当然にそんなこと言うなよ...」アセアセ

誤字った...一旦切ります

ファーブニル『君なら生きていると信じていたよ でも驚いたな...神力が覚醒しているとは...何かあったのか?』バサッバサッ

男「母さんに会った」

美少女「母さんって...もしかして...」

男「うん 4年前に死んだ母さんだよ どうやら僕に取り憑く形で生きていたみたいなんだ」

女2「でもフリッグ様は魂は消滅したと言っていたぞ? どうして彼女はお前に取り憑くことが出来たんだ?」

男「君と同じだよ 女2 母さんは君と同じ神の一部だったんだ」

ファーブニル『ほぅ...男4の神力を覚醒させたような神が君の母親にも存在したのか...』

美少女「母さんがそんな凄い存在だったなんて知らなかった...」

男「僕もだよ でも母さんと話して分かったんだ 僕と美少女、君には運命を変える力があるってね」

美少女「私にも?」

男「女が前に言っていただろ?遺伝子から書き換えても巫女の血だけは消せなかったって あれは多分神力も同じなんだと思うんだ 僕と君の神力は『変革』 今ある物をより良くしたいが為に運命を変える そんな力だと思う」

勇者「あのー話してる途中ですけどまだ戦ってるってこと忘れないで下さいよー さっきから私しか戦ってないですからー」

男「分かってるよ だから今こうやって話すことで君の協力を仰いでいるんだよ...聞こえているんだろ?ユグドラ」チラッ

パッ

ユグドラ「神力が覚醒したことで私の存在を感知出来るようになったのか...で?私に何の用?もうすぐ死ぬから早目にして欲しいんだけど」

美少女「だ、誰!?この小さい子」

女2「彼女はユグドラ さっきからガジガジ齧られているこの木の化身だ まさか実在していたとはな...」

男「君の神力を貸して欲しい 僕が無理矢理奪うんじゃなくて君が僕に貸して欲しいんだ」

ユグドラ「何の為に?私の神力はこの世界限定だけど使い道によっては破滅へと向かう程の力だけど」

男「この世界を救いたい 君や女7、それに死んだ多くのヴァルキリー達の命を助けたいんだ それには君の協力が不可欠なんだよ」

美少女「...一体どういうこと?男6」

ファーブニル『ユグドラの神力はこの世界限定だが時を自在に操るものだ 過去にも未来にもな』

美少女「じゃあ男は...」

ファーブニル『ヴァルキリー達が来てニーズヘッグと戦う前に戻って倒すつもりなんだろうな...』

『でもその力を使うには私の神力も必要になるよね』

ピカッ

美少女「女7...いや、この場合はヴェルダンディと呼ぶべきかな」

ヴェルダンディ『私の神力を使わなければただ時を巻き戻すだけ この場に居ることは出来ないよ』

ユグドラ「待てヴェルダンディ どうしてお前がこいつに肩入れする お前には運命を守る使命があるではないか」

ヴェルダンディ『妹が...スクルドが死んだってことは...もうあんたも知ってるでしょ?あんたの根っこが食い尽くされることはスクルドの死に直結するから』

ユグドラ「...そうだな 根っこを食い尽くされた今、お前の妹は死んでいる...」

女2「聞いた話と違うぞ...3日は持つ筈では...」

ヴェルダンディ『食べる速さが上がっているんだ...このままでは私が死ぬのはあと数分...そして私の死はこの世界の死に繋がる...そうなったら北欧神話は消えて皆が居なくなる...そんな運命、クソ喰らえだよ 黙って見ているなんて嫌だ』

男「女7...」

ヴェルダンディ『男...私が今持つ全ての神力を貴方に渡す だからお願い 妹を...皆を...この世界の運命を...助けて...』

ファーブニル『男...』

男『...当たり前だ その為に僕は今、此処に居る この世界の運命を変えて見せる!』

美少女「僕じゃなくて僕達でしょ? 男1人にそんなことやらせないよ」

ヴェルダンディ『頼んだよ...約束だからね...』パァァァァ

シュゥゥゥゥゥ

ユグドラ「あの馬鹿...本当に渡すなんて...仕方ない ヴェルダンディがその命を賭けて神力をお前に託したんだ 私の神力もやる だが絶対に失敗するなよ 私の命と引き換えなんだからな!」パァァァァァ

シュゥゥゥゥゥ

男『無駄になんかするもんか...僕を信じてくれた君達を裏切ることは出来ないよ』

ゴゴゴゴゴゴゴ

美少女「この揺れは...」

女2「この世界の滅亡の始まりか...男!」

男『ああ! 皆、僕の近くに寄って!』

勇者「こ、こうですか?」

男『まずは女7の神力で僕達をこの場所に固定する!』ピカッ

バァァァァァァ

美少女「透明なドームが出来た...」

男『そして、ユグドラの神力でニーズヘッグが暴れ出したところまで巻き戻す!』ピカッ

クルクルクルクル

男6「おぉ...本当に巻き戻っている...」

女2「いつの間に人間態に戻ったのか」

男6「この方がゆとりが出来ると思ってな」

男『...! ここだ!』シャキン ズバァ

ニーズヘッグ「グギャァァァァァ」

女7「このままだと不味い...早く伝えな...!? どうして此処に?!」

男『話は後だ 男6、僕を乗せてあいつの頭上まで行けるかい?』

ボオッ

ファーブニル『朝飯前だ 行くぞ!』バサッバサッ

男『ああ!』バッ スタッ

美少女「私は男達の援護 邪魔な蛇達を倒すよ!」

勇者「言われなくても...」ズバッ

女2「やってやるさ!」ズバッ

女7「えーと...じゃあ私も!」

ピカッ

ヴェルダンディ『現在神として、やれることをやるだけだ!』バスッ バスッ

美少女「あっ、女と同じ弓使いなんだ...」ドゴッ

女2「知らなかったのか?会長」ズバァ

勇者「見たこと無いんだから知る訳無いでしょ!」ズバァ

~ニーズヘッグの頭ら辺~

男『見た所、あいつは身体の表面が毒で覆われているようだけど...間違ってるか?』

ファーブニル『いや、間違いない あの毒は神器でもない武器を水のように溶かす 肉体だったら尚更すぐにな』

男『一瞬だけでもいい あいつの毒を弾く方法があるか?』

ファーブニル『...無い訳では無い でもあまりにもリスクが高過ぎる』

男『今は手段を選んでいる場合じゃないんだ その方法を教えてくれ!』

ファーブニル『私の最大火力の火球が当たった一瞬 その部位の毒が弾かれる』

男『なら充分だ 僕が火の玉に覆われればいいんだな?』

ファーブニル『火傷で済まないぞ!?』

男『君は僕を信じているんだろ? 僕も君を信じている 行くぞ男6!』

ファーブニル『...君には負けたよ どうなっても知らないからな!』

バッ ボオッ メラメラメラ

男『くっ...想像以上の熱さだな...でもこれで!』シャキン

男『この一撃で終わらせる...食らえ!紅蓮滅神斬!』

バシュッ ズバァァァァァ

ニーズヘッグ「グギャァァァァァァァァァァァ」

スタッ ドッタァァァン ボコッ

美少女「...ん?今、何か隆起した音がしたな...見に行ってみよっと」タタタタタタッ

女2「あっ会長!...行ってしまった」

勇者「でも周りに居た蛇が全部消えたってことは...」

ヴェルダンディ『うん...勝ったんだね』

男「あー疲れた...」ドタン

バサッバサッ ボオッ

男6「まさか本当にやってのけるとはな...これで彼も...少しは浮かばれるだろう...」

男「ん?何言ってんの?男6 ニーズヘッグは生きてるよ?」

男6「はぁ!? でも君は確かに彼を切ったろ?」

男「そりゃ切ったよ? でも皮膚だけだ 彼の心臓の周りから強い神力を感じたからね その神力を滅すれば倒せるかなと思ってやってみたんだけど...正解だったみたいだね」

男6「あの短時間でそこまで分析していたとは...それも彼を生かす形で倒すとはな...男、君には死んでも返してきれない恩が出来たな ありがとう」

男「止めてくれ そんなことを言われたくてやった訳じゃない 僕はただ...倒した後に皆が喜んでいる中で君が悲しい顔をしているのが嫌だっただけだよ」

男6「ニーズヘッグに与えた切り傷だが...あの程度ならそのうち自己修復して綺麗さっぱり無くなるだろう」

男「へー ドラゴンって凄いなー」

男6「外敵が多いからそれに合わせて進化しただけだ それよりも...さっきから向こうで会長が騒いでるが...行かないのか?」

男「えっ?美少女が?」バッ タタタタタタッ

男6「会長のことになると疲労も忘れるんだな...本当、君には勝てないな...」

~ユグドラシルの木の根元~

美少女「おーい 此処に宝箱があるよー」

男「宝箱? それってどんな...うわっ 凄い大きい」

美少女「こんなに大きいなら中身も凄いものだよね!」キラキラ

女2「うおっ...会長が眩しい...」

勇者「ところで男さん...さっき炎の塊となってニーズヘッグを斬った時、何か叫んでましたよね?」

男「えっ?...あー、あれは...その...」

女7「必殺技みたいな名前だったよね...確か...」

男「わーーわーー」

美少女「...紅蓮滅神斬だったよね 私はカッコイイと思うけど...」

女2「いやダサいだろ ヒーローごっこじゃないんだから」

勇者「えっ?いいじゃない そういうの、ありだと思うよ?」

女2「はぁ...お前らのセンスが理解出来んよ...」

男6「そんなことよりもその宝箱を開けないのか?」ギラギラ

勇者「うわぁ...目がギラギラしてるよこの人...」

美少女「あぁ...すっかり忘れてたよ 何か錠前あるけど壊しちゃえ」バキッ

女2「あの錠前に使われてた金属...神器にも使われている金属で決して壊れないことで有名なんだが...」

男「美少女に不可能は無い! 流石だね」

勇者「まぁ、会長は馬鹿力が唯一の取り柄ですもん...」

2人『『あ〝っ? 何か言った?』』

勇者「何でも無いです 一生黙ってます」ガタガタガタ

美少女「いや...そこまでしなくていいんだけど...じゃ、開けるよー」

パカッ

? ジィー

美少女「あっ、どうも」バタン

フゥー

男「いや今誰か人、居たよね」

女2「...居たな」

美少女「えっ?気の所為でしょ」

ダンダンダンダンダン

男6「物凄く中から叩いている音が聞こえるけど...開けないのか?」

美少女「き、聞こえないなぁ...」ダラダラ

男「よし、女2 勇者 美少女を押さえてて」

2人「「了解」」ガシッ

美少女「いーやーだー 離せェェェェ」ジタバタ

男「あっ、どうも 僕の彼女がご迷惑をお掛けしてすみません ほら、美少女 謝れよ」

美少女「ごめ〝ん〝な〝ざい〝」

?「あっ、大丈夫です 気にしていませんので それより助けてくれてありがとうございます 気が付いたらこの箱の中に居て...今、何年ですか?」

男6「2017年だ お前が居なくなって20000年以上経つ その話し方、疲れるんだろ?無理しなくていいぞ?ブリュンヒルデ」

女2「ブリュンヒルデって...あの!?」

男「ヴァルキリーだよな それがどうしたのか?」

女2「伝説のヴァルキリー...かの大戦時にオーディン様の右腕として活躍し、その後消息不明となったという...私の大先輩にあたる人だ」

女7「だそうよ? 本当はグータラでしょっちゅうサボってたブリュンヒルデさん 私のこと、知ってるでしょ?ヴェルダンディだよ」

ブリュンヒルデ「あー...ヴェルダンディ様..じゃあそっちの人は...」

男6「ファーブニルだ 色々あってこの姿になってな お前と私はよく酒を飲み交わした仲だろ?ここに居る者は私の知り合いだ 本性晒しても何の問題は無い」

ブリュンヒルデ「そうなの?じゃあお言葉に甘えて...だぁー疲れたー もーやってらんないよねーこんな敬語使うなんてさー」

女2「• • • • • •」カチーン

男「お、女2が固まった!? おーいしっかりしろー」

女7「憧れてた人がこんな性格だったらそりゃショックよね 教科書では美談しか書かれてないし」

ブリュンヒルデ「あっもしかしてアタシ有名人なの?やったーこれで色んな奴に威張り散らせるー」

勇者「想像以上に弾けてる人ですね...この人...」

男6「私も最初、知った時はびっくりしたよ 全然違ったからな」

一旦切ります

ageたるわ
不当な圧力に負けず、書き切ってほしい
周りは糞だの駄文だの責めるかもしれんが、ワイは応援してるからな
続きはよ

もう…駄文でいいや 駄文なりに必死こいてやる 俺は俺のこの気持ち悪い位俺を掻き立てるこの妄想を書く どう書いても叩いたり貶したりするならしろ それは俺と同じように時間の無駄遣いだからな あと >>319 さん ありがとうございます 励みになります

シュン

ユグドラ「まっさか...本当にやるとはな 大した奴だよ男...お前って奴は」

女7「ユグドラ!? どうして...絶対に人目に現れたりしないのに」

男「君の助けが無かったら成功しなかったよ ありがとう」

ユグドラ「礼を言われたくて手を貸した訳じゃない ああ...ヴェルダンディ...そっか お前は憶えてないんだったな」

女7「へっ? どういうこと?」

美少女「自分で言ったでしょ...この世界の運命を変えてって あんな台詞、私なら恥ずかしくて言えないよ」

ブリュンヒルデ「何それ...アタシにも分かるように詳しく説明してよ」

男6「耳貸せ」

ゴニョゴニョ

ブリュンヒルデ「えっ...そんなことあったの!?」

男6「ついさっきな...」

ブリュンヒルデ「...やるじゃんあんた 冴えない顔してるのにさ」

美少女『あ〝ぁ〝!? 今、何て言った?!』ゴゴゴゴゴゴ

ブリュンヒルデ「ひっ...」

勇者「まあまあ落ち着いて この人なりに褒めてるんですよ きっと」

美少女「だとしても今の言い方は気に入らない 一回叩く」

男「君がやると洒落にならないから止めて」

女7「えっ...私、そんなことしたの?」

ユグドラ「お前がやらなきゃ私はあんな奴に神力託したりせん 事実だ」

女7「...そうなんだ 分かった ねぇ、男」

男「もー暴れないでって...ん?どうした?女7」

女7「その...ありがとう 妹の命を助けてくれて...お礼と言っちゃなんだけどさ 私の一番の秘密、教えるね 耳貸して」

男「う、うん...」

ゴニョゴニョ

男「!?」

美少女「あーズルいー 私にも教えてよー」

男「今の...本当なのかい!?」

女7「うん...みんなには内緒だよ?」

男「そうか...とんでもないことを知ったな このことを家族以外で知ってるのは?」

女7「ユグドラとオーディン かな」

男「母さんは知らないのか...分かったよ 誰にも言わない」

美少女「えー私ならいいでしょ 同じ人物なんだからさ」

男「君が知ると女経由で色んな人に広まるから駄目だ」

女7「会長なら充分あり得るね...」

美少女「そんなに大事なことなの!? ...改めて自分が信頼されてないって痛感したよ...」ズーン

男「あっいや、君を信じていない訳じゃないよ ただ、口が軽いのは本当でしょ」

美少女「そうだけどさ...もっと言い方ってものがあるでしょうが」

ユグドラ「あーいいのか? そろそろ来るぞ?そこの倒れてるドラゴン殺そうとしてる奴らが」

男6「ん?でも、ヴェルダンディが此処に居るからヴァルキリー達は来ないんじゃないのか?」

女7「ごめん...神力でオーディンに伝えちゃった...だから来るのは本当だよ ほら、見えるでしょ沢山の人影」

勇者「どうしましょうか...私達が言っても通じませんよ?きっと 女2はまふぁ固まったままだし...」

男6「いや、たった1人居るぞ あいつら全員に言うこと聞かせられる奴が」

ブリュンヒルデ「えっ誰?」

男6「お前だ ブリュンヒルデ」

ブリュンヒルデ「えっ!? アタシ?」

男「そういや女2が言ってたな 大戦で父さんの右腕として活躍したって」

ブリュンヒルデ「は?どうしてあんた...オーディン様のこと、父さんって呼んでるの?」

男「どうしてって父さんだからだよ ね?美少女」

美少女「うん 父さんは父さんだよ 何か文句ある?」

ブリュンヒルデ サァー

ブリュンヒルデ「あんた...じゃなくて男様 これはご無礼を...申し訳ございません」ドゲザー

男「えっ!? どうしたの、いきなり改まったりして」

男6「大方オーディンに本性知られたくないからだろ お前、オーディンの前だと猫被ってたもんな...」

男「告げ口とかしないのにな...いいよそんなこt...」

美少女「いや待って ははーん これは良いね 男、交換条件にしたら?」

男「交換条件?」

美少女「父さんに言わない代わりに今、向かって来てるあの大群をどうにかしてもらう 悪くないんじゃない?」

勇者「会長...それは...」

男6「まぁ...悪くはないと思うぞ 随分と行方眩ましていたもんな...お前 箱の中にずっと居ましたなんてとてもじゃないが言えんだろ 体裁を保てるしここは一つどうだ この条件を飲むのは」

ブリュンヒルデ「オーディン様に言わないのでしたら...このブリュンヒルデ、謹んで承りましょう」

男「言わないよ...弱音握るつもり無いし」

ブリュンヒルデ「では...」

タタタタタタッ

美少女「速っ...もうあんなに遠くに行った...」

勇者「群勢の動きが止まった...」

男6「...引き返したな 流石、伊達に伝説のヴァルキリーと呼ばれてはいないか」

女2「はっ! 私は何を...」

女7「夢を見ていたのよ 貴女はね」

女2「ゆ、夢? だよな...ブリュンヒルデ様はグータラでだらしない筈が無いんだ...」

男(これは...うん 女2の為に夢だったことにしよう)

美少女(憧れの人だもんね...信じたくないのは分かるよ)

~アースガルド 入り口~

女7「じゃあ、ここでお別れだね」

ユグドラ「お前はまた後で会うことになるだろ じゃあなお前ら、向こうでも元気でな」

男「うん...君もね」

美少女「男ー 行くよー」

男「あっ、うん 今行くよ それじゃ」

スタスタスタ

ユグドラ「男か...あいつならもしかすると...やり遂げるかもしれんな」

~教会 地下 最下層~

美少女「本当に登るしかないの? エレベーターとかあればいいのに...」

男6「贅沢言わないでくれ これでも行き来がしやすい設計にしたつもりだ」

女2「まさかと思うが、これ作ったのもお前か?」

男6「設計はな 流石にこの規模は私1人では無理だ」

勇者「螺旋階段なのは...」

男6「私の趣味だ いいだろ?」

~数分後 教会 入り口~

美少女「はぁ...疲れた...出来ればもう行きたくないね...女2達はいつもこの手段で行き来してるんだよね?きつくないの?」

女2「最初のうちはしんどかったが...もう慣れたよ」

美少女「あっ...そうですか...慣れちゃったんだ...」

男6「しかし、今回ばかりは私も疲れたよ...全力で炎吐いたりしたしな」

男「あれは熱かった」

男6「熱いで済むお前が怖いよ...」

男3「ご苦労様」

勇者「男3...」

男3「お父さんは忙しいから代わりに僕が迎えに来たんだ 疲れたでしょ?」

女7「あそっか...後始末で忙しいもんね...」

男3「そういうこと お父さんから学校に中継地点があることは聞いたからルーン魔法で行くよ」

勇者「魔法なら私も使えるけど...」

男3「勇者 君も疲れてるだろ?偶には僕を頼ってくれ」

勇者「そこまで言うなら...お願い」

~学校~

男3「到着っと」

男6「便利だな...ルーン魔法」

男3「神力より体力使わずに済むからね 一々魔法陣書かなきゃいけないけど」

男「富士山登って父さん達の世界行って...今日は大変だったなぁ...」

美少女「女達はちゃんとやってるかな?サボってそうで心配だ」

女7「それなら大丈夫だよ 今、写真貼ってる」

男「現代神の力ってすげー そんなことも分かるのか」

女7「まぁ、これくらいはね」

男7「あっ...皆様 お疲れのようですね」

男「男7?どうした?目、真っ赤にして...」

男7「知り合いと会いましてね...元気そうでした」

美少女「男7の知り合いってなるとかなり歳取ってるね...そりゃ...」

女4「ひいおじいちゃんって凄いんだよ 将棋が凄く強くてさ...」

男6「何?男7、お前 将棋が指せたのか?」

男7「そ、それは...」

女4「あの人って負け無しで有名な人でしょ? それに勝っちゃうんだから強いでしょ」

男3「そういえば今日、将棋名人が来るとかチラシに書いてあったね...」

美少女「将棋盤と駒、作るだけじゃないくて指せるんだ...何でも出来るね男7は」

男7「そんなこと無いですよ...偶々勝てただけですし...」

男6「偶々で名人に勝てるか それがお前の実力だろう」

女2「凄いですね...私は剣を振るうしか能がありませんから...感服致しました」

勇者「ん?どうして女2、男7に敬語使ってるの?」

女4「何か使いたくなるんだってさ」

勇者「へー 意外だなー」

女2「それ相応の人にはちゃんと礼儀を尽くすべきだ 違うか?」

勇者「う、うん...別に悪いとは言ってないよ」

美少女「これからどうする?私は帰りたいけど」

男「僕も一緒かな...」

男6「それじゃ各々帰るとしよう ...男7 今度掃除に来る時は多少帰るのが遅くなるかもしれんが構わんかね?」

男7「構いませんが...」

男6「分かった ありがとう ではな」

スタスタスタスタ

女4「じゃ、私達も帰ろうか...ん?どうしたの?ひいおじいちゃん」

男7「い、いえ...少し胸騒ぎがしましてね...勘違いだと良いのですが...」

~男の家~

男「ただいまーはぁ...疲れた」

男母「お帰り お風呂入れといたわ 入って来なさい」

男「うん そうするよ」

~数分後~

男「ふぅ...さっぱりした」

男母「男...」

男「何?どうしたんだよ母さんまで 辛気臭い顔しちゃってさ」

男母「逞しい顔つきになったわね 神力も前より強くなってる...」

男「あーそれはね...会ったんだ 母さんに」

男母「私に?会いに行って無いけど」

男「違うよ 母さんが僕の母さんになる前の母さん」

男母「えっ?でもあの人は...」

男「うん...死んでる でも僕に取り憑いていたみたいでね...檄を入れられたよ」

男母「そう...」

男「そんな悲しい顔しないでよ 僕の母さんは2人居るんだ 死んだ母さんと母さん いつもありがとう」

男母「何よいきなり...照れるじゃない」

男「本心だよ 普段伝える機会が無いから今ね 母さんから料理を教えてもらって少しずつだけど作れるようになってる」

男母「男は覚えるのが早いからね」

男「母さんの教え方が上手いからだよ ねぇ、母さん」

男母「ん?何?」

男「いつか僕も...なれるかな 母さんみたいに料理で皆を笑顔にする人に」

男母「...なれるわよ 男なら 貴方は諦めが悪いからね」

男「何だよそれ」

男母「冗談よ でもなれると思うのは本当 それが男の夢?」

男「そんな感じだね 職業としては栄養教諭になろうかと思ってる」

男母「栄養教諭?また珍しい職業を選んだわね」

男「父さんも母さんも教師やってるからってのもあるけど、美少女が先生やりたいらしいからそれを支えられたらなってね」

男母「一途ね...本当に」

男「駄目?」

男母「いいえ それが男の夢なら私は応援するわ 頑張ってね」

男「ああ ...ところで妹と妹2は?」

男母「妹2は寝てるわ 妹は...」

男妹「後ろに居るよ」

男「うわぁ!? いつの間に...」

男妹「ずっと居たんだけどな...そんなに影薄い?私」

男「そんなこと無いよ えっ?じゃあさっきまでの会話も?」

男妹「聞いてたよ全部」

男「」

一旦切ります

必要無いと思うが酉変えておこう こんな奴の酉使う馬鹿が居ないと思うけど

男「妹...あの、これはな...」アタフタ

男妹「何も言わなくていい」

男「で、でもさ...」

男妹「お兄ちゃんが嘘をついてなくて真剣なことは分かってるよ ...昔の私もそうだった」ボソッ

男「えっ?」

男妹「何でもないよ 夢に向かって頑張る人を突き落とすつもりは無いからさ ところで、お母さん 夕飯はまだ?」

男母「今、出来たわ 妹2を起こしに来るわね」

スタスタスタ

男妹「...ねぇ、お兄ちゃん」

男「...何だよ 2人きりになった途端に」

男妹「私もさ...先生になりたいんだよね」

男「なれるんじゃないか?お前なら」

男妹「そこは普通、どうしてか聞く所じゃないの?」

男「いや...流石に鈍い僕でも分かるよ お前から感じる神力が聞いて欲しく無いって言ってるし」

男妹「あら...いつの間に漏れていたか...いやまぁ、言ってもいいんだけどね 私は昔、この世界に居たってことはこの前言ったよね?」

男「ああ、そういえばそんなこと言ってたな それと関係あるのか?」

男妹「うん その頃にお世話になった人が居てね...その人みたいにって訳じゃないけど、私もいざという時に誰かに寄り添える人になりたいんだ...で、1番それが出来ると思ったのが先生だったんだ」

男「看護師とか他の職業じゃ駄目なのか?」

男妹「それは違うんだよ...なんて言えばいいんだろ...うーん...」

男妹2「無理に言わなくてもいいと思うよー? 言葉にすると却ってややこしくなることだってあるからねー」

男「妹2、起きたのか」

男妹2「お母さんが起こしに来たんだもん お兄ちゃん、何かブワーってなってるね 顔付きも何か違うしー」

男「そうか?特に変わったように思えないけど」

男妹「あっ...話変えられた...」

ポン

男母「大丈夫よ 男には伝わったから」

男妹「お母さん...」

男母「思い出すわねー昔、お父さんと付き合っていた頃、こんなやり取りしてたっけ...」

ガチャ

男父「そうか?お前はすぐ思ったこと言うからな...そんなことは無いと思ったが...」

男母「失礼ね それはお父さんの方でしょ?」

男「お帰り父さん その様子だともう大丈夫そうだね」

男父「一先ずはな 男、お前の神力が覚醒したって聞いたよ 随分と無茶をしたそうだな ファーブニルの炎を纏うなんて...ちょっと見せてみろ 火傷を侮ったらいかん 放っておいたら大変なことになるからな」グイッ

男「特に何も感じないけど...さっきお風呂入った時にも一応確認したけど変な所は無かったし」

男父「...おかしいな 最大火力の火球を全身に食らって何もないなんて...幾らお前が丈夫な身体で神の血を引いているとはいえ...」

男母「まあまあ...怪我していないならいいじゃない それより、ご飯冷めちゃうから食べましょ ね?」

男妹2「そうだよー 美味しくなくなっちゃうよー」

男父「そう...だな まぁ、食べながらでも続きをするとしようか バルドルから聞いたがお前の口からも聞きたいしな」

男「男3から聞いたならそれでいいんじゃないの?」

男父「馬鹿言え お前の口から聞くからいいんだ さっ、席に着け 食べるぞ」

男母「今日は男の好きなものばかりだから妹2にはちょっときついかもしれないわ 妹、いざとなったらよろしくね?」

男妹「分かってるよ」

~~~

男父「...そうか そんな伝言を頼まれたのか」

男「父さん宛の伝言じゃないと思うけど一応ね」

男父「ああ、私に向けた伝言ではない 彼女の夫は私ではなく一だからな でも、もし彼に会ったらか...彼の魂は消滅した筈だから会うことは不可能なんだが...もしかしたらということもある 忘れずに覚えておけよ、男」

男「勿論、忘れるつもりはないよ」

男妹「女2さんだけでなくお母さんまでも神の一部だったとはね...かなり強大な力を持っているよね?その神」

男母「そうね...私を凌駕しているのは間違いないわ 下手するとお父さんまで...」

男妹2「流石にそれはないと思うなー」モグモグ

男妹「食べながら喋るなって ほら、案の定零しているし...」

男父「そういえば...ブリュンヒルデと会ったんだったな 率直な意見を言ってくれ あいつのこと、どう思った?」

男「どうって...そうだね 二面性がある人物 かな」

男父「凡用性が高い言い方だな...はっきりとオンオフの差が激しいと言っていいんだぞ? よくファーブニルからあいつの愚痴は聞かされていたからな...本人はバレていないと思ってるだろうがよくサボっていたのは私も知っている それさえ無ければ完璧なんだがな...」ハァー

男(随分と前から知っていたんだ...)

男母「女2もあの場に居たのよね? あの子、ブリュンヒルデのこと、尊敬してたからショック受けてないといいけど...」

男「豹変っぷりに驚いて固まった後、記憶が飛んでいたから大丈夫だと思うよ」

男妹「それ、大丈夫とは言えないと思うけどな...」

~保健先生の家~

女2「ヘブシっ」

男4「大丈夫か?お前 風邪引いたらすぐに言えよ?この時期の風邪は拗らせたら大変だからな」

女2「だ、大丈夫ですよ ご心配無く」

男3「そういえばどうだったの? 憧れていたんだよね?ブリュンヒルデ 実際に会った感想を聞かせて欲しいな」

女2「それが...何故かそこの部分の記憶飛んでいまして...思い出そうとすると頭が痛くなります故、はっきりとは言えないのですが...噂通りのお方でした」

保健先生(流石に後輩の居る前では猫被ったのね...本当のこと言わない方が女2の為になるし、黙っておこっと)

ヨルム「明後日からパパ達、また学校行っちゃうから1人ぼっちか...」ズーン

女3「どうしたの?今迄は大丈夫だったじゃない」

男4「無理は無いさ ここ最近、毎日一緒に居たからな...それに慣れちまったんだよ 誰か一緒に居てやったらいいと思うが...俺達は無理だからな どうすれば...」

保健先生「私と一緒に居るのは駄目なの? 養護教諭って基本、保健室に居るからそこにヨルムを連れて行けば学校終わるまで一緒に居れるわよ?私」

男3「校長先生が許可してくれるかな...」

男4「あの人なら大丈夫だろ だが、問題はヨルムだな こいつが嫌ならその提案は採用出来ないし...それでいいか?」

ヨルム「時々会いに来てくれるなら...いいよ」

女3「休み時間や昼休みになら会いに行けるし...よし!それで行きましょ じゃ、宜しくお願いしますね フレイヤ様」

保健先生「ええ、任せてちょうだい」

ヨルム「ねぇ...お姉ちゃん」

女2「ん?どうした?」

ヨルム「絶対来てね?約束だよ?」

女2「フッ...当然だ 必ず会いに行くよ」

~次の日 女の家~

女「本当に覚醒しているな...どう思う?男5」

男5「へっ?いやまぁ...良かったんじゃないか?」

美少女「だったらもっと喜びなよ あの時の男、カッコ良かったんだからね」

男「僕の事はいいからさ...それより自由研究の方はどうなったんだ?」

女「そのことか 一通り終わらせておいたぞ ほら、模造紙に写真貼って色々と書いておいた」バサッ

美少女「おぉ...いい感じなんじゃない?」

男「何か中学生の研究発表みたいだな...」

男5「姉さんに高クオリティを求めるなよ これでもマシな方だぞ?」

女「おい、どういう意味だそれは」

男5「そのままの意味だが...言い方が癪に触ったなら謝る」

女「もっとオブラートに包めよ 私ならともかく、アマ姉さんだと怒るぞその言い方」プンプン

男「女は本当に先生のこと、好きだな...やっぱり家族だからか?」

女「それもあるが、1番世話になっているのは姉さんだからな...姉やんや母さんに振り回されながら私達をフォローするなんて並大抵の所業じゃないぞ? お前達はもっと姉さんを敬え 特に男5 お前は姉さんの夫でもあるから尚更な」

男5「言われなくても分かってるつもりだが...」

女「出来ていないから言ってるんだろうが」

美少女「男5は不器用だから仕方ないよ...大目に見てあげてよ ね?」

男5「フォローしてると思わせて貶すの止めてくれよ 会長」

男「もっとここをこう書き換えたら...うん ちょっとは良くなったな」カキカキ

女「私達が話している間に何やっているんだ?お前」

男「修正しているんだよ これはもっと良くなる筈だからさ 女達も観てないで手伝ってよ」

美少女「男ってこういうことになるとすぐ集中モード入るよね...」

女「お前も元々は男だろ 他人事みたいに言うなよ」

美少女「もうあれから5年も経ったんだよ?好みはともかく、性格も一緒な訳無いでしょ」

男「美少女...手を動かしてないのは君だけだぞ?」

美少女「えっ...でも女も...」

女「道中だから何かしらのエピソードでも書いておくか...」カキカキ

美少女「は、嵌められた...」ガーン

女「別に嵌めたつもりは無いんだがな...」カキカキ

美少女「むぅ...あっ、そういえばさ あれからガイドさんどうなったの?」カキカキ

男5「休養取ったとか言ってたな 多分今も寝ていると思うぞ おい男、その場面でその表現は好ましくないんじゃないか?」

男「そうか?じゃあ...こういうのは?」カキカキ

男5「それならさっき書いた方がまだいいな」

男「そうか?難しいな...」

女「女がバスの免許持っていたのは意外だったな...車の免許持ってないのに何で取ったんだ?あいつ」カキカキ

美少女「今度会った時に聞いてみれば?ねぇ、ここの部分 文体変えて強調するのはどうかな?」

女「ん?何処のこと言ってるんだ?...ああ、山頂の所か ゴシックにするのか?」

美少女「いや、明朝」

女「それだと却って地味になるだろ...」

>>352修正
女「それもあるが、1番好きなのはうんこだ。姉さんのうんこは素晴らしい。実に味わい深い。鼻が曲がりそうなほど強烈な臭気を放っちゃあいるが、滑らかな舌触りがたまらない。黄ばんだ腸液のヌチッとしたとろみが決め手だろう。味わいもまた秀逸でな、クリーミィな苦味が港口から胃の内部まで染み渡り、胃の内部で更なる発酵を経てメタンガスを生み出す。ガスが喉元をせり上がり、放出されるときの恍惚と言ったら、ああ...」

男「神だな...今度、俺にもご馳走してくれよ」

女「だめだ。姉さんのうんこは私の主食だぞ。私に餓えろというのか」

美少女「な、なら男、私のうんこを今度ごちそうしよっか?」

男「は? うんこ食うとかおまえいきなりなに言ってくれちゃってんの? 大丈夫? 消化器科行く?」

女「異常性癖か? 脳ミソにとぐろでも巻いているのではないか?」

美少女「このスレ主ほどじゃないわよ、失礼ね」

男「それもそうだな」

女「これは一本とられたな、一本糞だけに」

美少女「>>1のうんこは血液まじりのビチグソだけどね」


ワハハハ、ワハハハハハハ

切り分けたうんこを口に運び味わいながら、彼らは笑った

いつまでもいつまでも便所からは笑い声が響いていた

~ジエンドならぬ痔うんこ~

~数分後~

男「まぁ、ザッとこんな感じかね」

美少女「さっきよりずっと良くなってるよ やっぱり、写真貼り直して正解だったね」

女「そのせいで新しい模造紙にする羽目になったがな...まぁ、結果オーライか」

男5「写真、余分に刷っておいて正解だったな これなら胸を張って提出出来る」

男「さて...余った時間、何する?」

美少女「勉強...はやる気にならないしね 小論文の確認でもする?」

男5「小論文?何だそれ?」

女「夏休みの課題にあったろ まさか...やってないのか?」

男5「たった今、知ったんだぞ 無論やってない」ドヤァ

男「威張るな馬鹿野郎 さっさと終わらせるぞ ほら、原稿用紙持って来い」バシン

男「ああああああ!!!!!!!」ブリュブチュブリュリュブリブリ

女「げ、原稿用紙が! ごちそうに!」

男「ふう...ケツを拭く紙をくれ」スッキリ

男5「おまえが今ひりだしたところに原稿用紙があるじゃろ?」

男「それがなにか」

男5「>>1のケツを拭くための紙だ」

男「どっちみち糞まみれか」

一旦切れ痔しますああああああ!!!!!!!ブリュブチュブリュリュブリブリ

女「普通そういうのは1人でやるものだろ?どうして手伝うんだ?」

美少女「男5なら途中で詰まって辞めそうだからさ...夏休みの最終日に宿題やるなんて何年振りかな...」

男5「持って来たぞ原稿用紙 で、どうするんだ?」

男「この冊子からお前が1番書けると思ったテーマ選んで書くんだ 念の為に持って来て良かったよ」スッ

男5「一から十まですまないな...じゃあこれにするか」

女「環境問題? 書けるのか?」

男5「ニュースでよく観るからな この中で一番書けると言ったらこれになる」

美少女「じゃあ書けたら言ってね 私達は向こうに居るからさ ほら、女 行くよ」

女「...あれ?つきっきりじゃないのか?」ヒソヒソ

美少女「見られながら書くって結構きついよ? 頃合いを見計らって見に行けばいいよ」ヒソヒソ

一旦切ります

~登場人物紹介~ 注)かなり薄っぺらいです

男:ああああああ!!!!!!!ブリュブチュブリュリュブリブリ

美少女:ああああああ!!!!!!!ブリュブチュブリュリュブリブリ

女:食糞家

男5:近親相姦好きの寝取り好きというカルマを背負って生まれてきた

担任:しょっちゅううんこを食われる

男5「持って来たぞ原稿用紙 で、どうするんだ?」

男「この冊子からお前が1番書けると思ったテーマ選んで書くんだ 念の為に持って来て良かったよ」スッ

男5「一から十まですまないな...じゃあこれにするか」

女「環境問題? なるほどうんこか...ひろうか?」

男5「一番いいのを頼む」

女「ああああああ!!!!!!!」ブリュブチュブリュリュブリブリ

男「五重塔...だと...!」

~うんこ~

ふう…

~学校 校長室~

美少女母「また明日から学校か~ ちょっと鬱になるわね~」

コンコン

美少女母「どうぞ~」

女7「失礼します」

美少女母「あら~? どうしたの~ 珍しいじゃない 部活やってないから学校来る理由なんて無いのに...」

女7「惚けないで 昨日も会話したよね?私達」

美少女母「あら? 覚えていたの? デスキャンしたから私と話した記憶無くなる筈なんだけど...」

女7「自分の神力の能力は把握している 記憶のバックアップを残さないで男に神力託す程私は馬鹿じゃないよ」

美少女母「なるほど~ それで?私に何か用?」

女7「運命神として尋ねるけど...これでこの時代の危機は全部終わった?」

美少女母「私が知る訳無いじゃない~ 私はしがない日本の神で今は校長やってる者よ?他にもっと適する人が...」

女7「私が一度死んだって誰から聞いたの?昨日の貴女は一日中家に居て、誰も電話もメールもしてないのに」

美少女母「...参ったな 私としたことがうっかりしてたよ」

女7「私が現在神であることを忘れないで欲しいね ウルズ姉さんにもちゃんと裏は取ってある」

美少女母「しかし...聞いてどうする 君が干渉してどうにかなるレベルではないぞ?」

女7「内容を知るつもりは無い 知りたいのはあと何回起こるかってこと」

美少女母「2回 あと2回起こる 一つは小規模だが下手すると未来が消える もう一つはこの世界が消える可能性がある」

女7「結構差があるね...でも男と美少女が居るから大丈夫ってこと?」

美少女母「そうとも言えんよ? 何たって小規模の方は男と美少女が原因で起こることだからね」

女7「...それも運命で定められているってことか」

美少女母「そう 君達が好きな運命でな」

女7「はぁ...面倒だね でも解決策が無い訳じゃないんでしょ?」

美少女母「ああ 私に任せてくれればいい」

女7「ホント、何者なの 貴女」

一旦切ります

美少女母「おいおい...勘弁してくれ 私達の付き合いは数百年程度の物ではないだろう それなのにその質問をするのかい?」

女7「知れば知る程分からないんだよ...だから貴女の口から答えを聞かせて欲しいんだ」

美少女母「そうだな...私は様々な呼び名を持つが君の望む呼び名を言うとするなら...『アカシックレコードを創りし者』 これかね」

女7「あ、アカシックレコードって...私達運命神が司るアレを!?」

美少女母「ああ まぁ、君達は覚えていないだろうがね この世界の歴史、誕生から終焉にかけて全ての生物の行動が刻まれていると言われている記録 創るつもりは無かったんだがね...心当たりがあるだろう?君の姉と妹が私の過去と未来を視ようとしても視れないってことを」

女7「先日も女に頼まれてウルズ姉さんに視てみるように頼んだけどやっぱり無理だったって言われたよ...それが関係あるの?」

美少女母「本当は『視れない』のではなく『視せない』だがね...情報量が多過ぎて脳が処理し切れないから視れないように感じるんだ 私の過去は未来でもある そしてそれは無数に存在する...例え、記録の神でもその全てを視たら壊れるだろう...」

女7「うーん...何言ってるのかさっぱり意味が分からない...」

美少女母「一言で言うなら...私の人生の軌跡を君達はアカシックレコードと呼んでいる かな」

女7「は?...えっ?...ちょ、ちょっと待って じゃあ私が視ている現在は?」

美少女母「私が選んだ現在だよ 私の行動一つで幾らでも変わる ツクヨミが人間と結婚し、子供を産んだのも美少女がこの時代に違う存在としているのも君が男に神力を託したのも全部、私が取った行動によって決まったことだ」

女7「...全部、貴女の計画通りだった...ってこと? マッチポンプにも程があるでしょ...」

美少女母「それは違うぞ 私は加害者ではなく被害者だ 何回も同じことを繰り返させられているんだからな 言っただろう?創るつもりは無かったと」

女7「貴女にアカシックレコードを創らせた何者かが居ると言いたいの?...もっとマシな作り話をして欲しいね」

美少女母「信じられないのは無理は無い...では一つ尋ねようか 男の母親と女2の中に存在する神 あれが何の神かどういう神力を使うのか君は知っているかね?」

女7「そ、それは...」アセアセ

美少女母「言えないことになっているが、そもそもどういう存在なのかも知らない だろ? 性別も出身も経歴も目的も何もかもな」

女7「私の心を読んだんだね...」

美少女母「読めない訳ではないが読むまでも無い 顔に書いてあるよ」

女7「私はすぐに顔に出るタイプだからね...ってそうじゃない! じゃあその神が...」

美少女母「そう思いたいならそう思うがいいよ 解釈は人それぞれだからね」

女7「またすぐそうやって曖昧な答え方をする...じゃあ最後に一つ教えてよ...貴女の最終目的は何なの?」

美少女母「人間が人間らしく生きる未来を創ることだよ」

女7「その為なら何だってするって言うの? そんなの...」

美少女母「間違っているって? この世界は君が思っている程甘くはないよ? 君のご両親に聞いてみるといい 私と同じことを言う筈さ 誰かが手を汚さなきゃいけない それを私が引き受けているだけのこと まっ、愚弄したければ幾らでもすればいいさ 既に敵は幾らでも居る 今更1人増えたところでどうってことは無い」

女7「...それが貴女の覚悟なんだね 分かったよ 質問に答えてくれてありがとう」

美少女母「お役に立てたなら光栄だ」

女7「• • • • • •」

ガチャ バタン

美少女母「ふぅ...これで良かったかしら~ 不満なことがあったら遠慮なく言って欲しいんだけど~」

ススッ

男父「充分だ 危うく私も信じかけたよ...演技も上手いとは...流石だな校長」

美少女母「憎まれ役は慣れているからね~ あの子に真実を言えなんて貴方も酷いこと頼むわね~ しかも辛辣で嫌われるレベルでなんて...自分でも途中から嫌な奴だな~って思っちゃったわ~」

男父「これも必要なことだからな 私の口から言っていたらきっとあいつは一生立ち直れなかっただろう...改めて校長の覚悟も確認出来たし、頼んで正解だったよ」

美少女母「あら~抜け目無いわね~ そういうところはちゃっかりしてるんだから~」

男父「これで立ち直れないならあいつは運命神失格だ そうならないといいんだが...」

美少女母「大丈夫よ~ 今のあの子には仲間が居るもの~ 信じてましょうよあの子達を」

~公園~

女7(私がやってきたことは本当に正しいことだったのかな...皆のためにやったつもりが...却って傷つけていたのかも...)キーコキーコ

スタスタスタスタ

男7「どうしました?暗い顔して...私で良ければ聞きますが」

女7「君は...」

男7「以前、校長室でお会いしましたが...覚えておられないなら改めて自己紹介を 私は男 今は男7と名乗っております」

女7「知ってるよ 女4と同棲しているよね...でもどうして此処に?」

男7「これから将棋盤と駒を届けるところでして...公園の前を通りかかったら悲しい顔をしてブランコを漕いでいる貴女を見かけましたからつい声を...ご迷惑でしたか?」

女7「ううん 気にしてないよ 寧ろ嬉しかった...私ね 知ってると思うけど運命神で現在を司っているんだ...本当は運命に介入しちゃいけないんだけど、困っている人が居るとつい助けちゃうんだよ...でもそれは逆にその人のことを苦しめることになって...私は間違ったことをしてるのかなって思っていたんだ...」

男7「素晴らしい事だと思いますよ? 人助けなんてなかなか出来ない事です 普通は自分のことで精一杯ですから 私は貴女を誇りに思います」

女7「そんな事ないよ...運命を曲げたらその分戻ろうとして跳ね返る...つまり、ちょっとしたことで済んだのに私のせいで取り返しのつかないことになっちゃうんだから...」

男7「でも貴女は困っているのを見過ごせなくてしたんですよね? 『孟子』に惻隠の心という言葉がありまして 人の不幸を憐れみ傷むことを言うのですよ そして、それは仁の端である つまり、人として当たり前なことを身に付ける糸口であると言っているんですよ 貴女のやったことは決して悪いことではありません 自分を責めないで下さい」

女7「私は神なんだけど...」アセアセ

男7「それを言うならば私だって神の子供ですよ しかし、他の人と何ら変わった所はありません 強いて言うならば視力が人より良いだけですよ それに...他人の不幸に無関心な人よりお節介焼きの人の方が私は好きです」

女7「...どうしてそんなに明るく居られるの?哀しい事ばかりあっても何故前を向いて居られるの?私には...分からない...」

男7「確かに私の人生はお世辞にも良い物だとは言えません...この手は血で汚れている...それは例えこれから先、どんな事をしても変えられないでしょう しかし、それが終わりではありません 姉様と母様と再会することが出来ました 旧友の為に何か手助けをすることが出来ました こんな私でも誰かの役に立てる もう少しだけ生きてみよう、そう思う事が出来ました 生きる事が必ずしも悪い事ではない そう思えたからです」

女7「凄いね 私にはそんな事考えられないよ...」

男7「いいえ 今の貴女は知っている筈ですよ 生きる事の素晴らしさを 多くの『現在』を見て来た貴女ならその中で光る物を見ている筈です 永遠に変わる事の無い生命の輝きを それを守りたくて貴女は人を助けて来た それが本当は禁じられていたとしても...違いますか?」

女7「そう...なのかな...でも...何でだろう 何か熱い物が込み上げて来る...」

男7「それは情熱ですよ 信じたい物を信じる 助けたい物を助ける 自分は自分だという想いです」

女7「私は...私...うん そうだよね 大切な物を見失いかけたよ ありがとう男」

男7「いえ...お役に立てたならば光栄です それと、人前ではあまりその名前を呼ばないで下さい 男さんと勘違いされる恐れがありますので」

女7「ははは...ごめんごめん じゃ、お礼と言ったら変だけどさ 一緒にその荷物、届けてもいいかな?」

男7「構いませんよ では参りましょうか」

女7「行くぞー おー」

~喫茶店~

女7「紙によると此処がそうだよね こんにちはー」カランカラン

マスター「いらっしゃい... おや?珍しい組み合わせだね...」

男7「此処は喫茶店...!! 貴方でしたか...お祖父様の知り合いで将棋やろうかと考えられているお方は...」

マスター「ということは...君が...そうか お互い知っているつもりがまだまだだった訳だ...いや、失敬 教頭先生のお孫さんだとは存じ上げて居なかったよ」

男7「いえ、此方こそ 住所の紙を渡された時点で気付くべきでした...」

女7「何か私、置いてかれている気がする... ねえねえ、2人はどういう関係なの?」

マスター「古くからの仲と言ったところかな 私がまだバイトだった頃からのね」

女7「へー そうだったんだね ところで、その将棋盤と駒さ 君が作ったんだよね? 見てたよ?頑張ってたの」

マスター「えっ!? 作ったのかい?君が?」

男7「ええ...まぁ...まだまだ未熟ですからお粗末ですが...」

コトッ シュルシュル パサッ

マスター「これは...また凄い物を...」

女7「ちゃんと作り込まれているよね...ほら、これなんかさ 龍っていう字が凄い綺麗に彫られているし...器用だねー本当に で?どうするの これってさ友人君の手術費を賄う為に作ったんだよね? でも、もう終わったし...お金貰う?」

男7「いえ...結構ですよ これは差し上げるつもりで持って来ましたから」

マスター「でも何か悪いな...こんなに良い物を貰うのに何もしないなんて...あっ、オムライス食べるかい?」

男7「気持ちだけで充分ですよ」

マスター「しかし...このままだと受け取れないなぁ...」

男7「ふむ...では、こういうのはどうでしょうか」

~~~

女4「すみません...ちょっと遅れちゃって...ってあれ?マスターとひいおじいちゃん?何してるの?」

女7「マスターに将棋教えてるんだよ 男7って凄いんだよ 作るだけじゃなくて打つのも得意なんだから」

男7「そんな事無いですよ...大袈裟です」

マスター「謙遜しなくていいよ 初めての私でもここまで出来るようになるんだから教え方が上手いんだろうね」

女4(あの将棋盤ってひいおじいちゃんが作ってた奴だよね...ってことは将棋始めようとしてたの、マスターだったんだ...へぇ...意外だな)

女7「今、意外だなーって思ったでしょ」

女4「え、えっ!? どうして分かったの?」

女7「顔に書いてあったからだよ 分かりやすいなーもう」

一旦切ります

マスター「心なしか彼女、以前会った時より機嫌が良いけど...ははぁ さてはまた何かしたね?男さん」パチン

男7「特に何もしてはいませんよ? 話を聞いただけです 王手」パチン

マスター「初心者相手に容赦無いなぁ...どうせ何か励ましの言葉でも送ったんだろう?昔の私に言ったように...これで如何かな?」パチン

男7「いえ、通りませんよ 取らせて貰います まぁ...送っていないと言ったら嘘になりますが元来あの人は強いお方です 私は信念を想起なさるようにしたまでのこと 大したことではありませんよ ありがとうございました」ペコッ

マスター「ありがとうございました 簡単に言うけど、それ 難しい事だよ」ペコッ

女7「将棋指しながら私のこと話すの止めてよ...何かむず痒くなるからさー」

女4「でも本当に以前会った時より女7、明るくなったよね どうかしたの?」

女7「ふふん...内緒だよ」

女4「いいじゃない 教えてくれたってさー」

女7(私の行動があの人によって定められていたとしても...私はこれからも助け続ける それが私の運命神としての役割だと信じているから...)

~次の日 学校 教室~

男「新学期が始まったなー 昨日の男5の宿題を手伝った疲れがまだ取れないよ...」

男5「いや~助かったよ まさか全部やってないとは思わなかった お陰で姉さんに怒られずに済む ありがとな」

女「わ た し は良いのかよ ったく...今回きりだぞ 次は無いからな」

ガラガラ

男「おっ おはよう美少女 遅かったけど何かあった?」

美少女「おはようございます 生徒会室に寄りまして全校集会で読む原稿の練習をしておりました」

男5「...姉さん 学校始まって早々に会長に何かすんなよ」ハァー

女「私じゃない! 学校への道中で会った時はいつも通りだったんだ!」

男5「おい姉貴 悪ふざけにも程があるぞ」ギロッ

許嫁 ブンブン カキカキ スッ

男5「『何の得にもならないからそんなことしない』? 姉貴でも無いのか?」

許嫁 コクコク

女「じゃあ...また母さんか 母さんならこんな事平気でするからな...」

美少女母『私じゃないわよ~』

スタスタスタスタ

男5「教室の前に居たのか...姉さんでも姉貴でも母さんでもないなんて...じゃあ誰が会長をこんな風にしたんだよ 男、お前もおかしいと思わないのか?今の会長」

男「ん?新学期が始まったから張り切っているんだろ?違うのか?」

女「こいつの鈍感ぷりは筋金入りだな...」 アセアセ

男5「予想はしていたが...ここまで予想通りだとはな...」アセアセ

美少女「あの、副会長 実は相談したいことがあるのですが...宜しいですか?」

男「別にいいけど...女達が居ては駄目なのかい?」

美少女「出来れば内密に話したいんです」

男「そうか...朝の朝礼まで時間はまだあるし それじゃあ場所を変えて話そうか」

美少女「ありがとうございます」

女「本当に何の違和感も感じてないなこいつ...」

男5「俺達の方がおかしいのかと思っちまうよ...」

男「じゃあ2人とも 何かあったらメールしてよ」

スタスタスタ ガラガラ

女「何かあったらってもう既に異常事態が起こってるんだがな...」

男5「あんな会長だと調子が狂って良い写真が撮れん 何とか元に戻す方法を探すぞ姉さん」

女「そうだな ああいう凛々しい美少女も悪くないがやっぱりいつもの美少女が一番だ ここは私達で原因を探そう」

許嫁「...ねぇ 2人とも」

女「どうした?姉やん」

許嫁「女...あっ、ヨミちゃんじゃないよ? あの子の姿が見えないんだよね いつもなら朝早くから学食に居るのに今日は居なかったんだ...もしかしたら...」

男5「あいつが会長に取り憑いている?」

許嫁「...かもしれない」

女「あの子はそんなことしない筈だが...まぁ、確かめてみて損は無いな 学食に行くぞ男5 情報ありがとう姉やん」

許嫁「役に立てたなら嬉しいよ...」

男5「学校だと本当に別人だな 姉貴...」

~学食~

学食長「女?いや...今日は見てないな」

男5「そうか...ありがとなオオクニ やっぱりあいつが怪しいな...」

女「そんなことする子じゃないんだけど...」

学食長「彼女がどうかしたのか?父さん」

男5「実はな 今日の会長の様子がおかしいんだよ 姉さん曰く、通学路で会った時はいつも通りだったらしい...姉貴や母さんの仕業ではないから困っていたら女の姿が見えないって姉貴が言うから来たんだ」

学食長「おかしいって...どういう感じだよ」

女「立ち振る舞いが凛々しくて敬語使ってる」

学食長「確かにいつもの彼女じゃないな...普段なら明るくて口を開けばお腹空いたって言うし」

女「それは言い過ぎだ まぁ...よく食べるけど」

男5「ともかく、女が取り憑いている可能性が高まった以上、あいつを追い出す方法を考えないとな」

女「なぁ...本当に取り憑いているのか?私はあの子の母親だ 女が無断で美少女の身体を乗っ取るような行為をするとはとても思えない」

男5「姉さん...今日の転入生に男が居るだろ?弟が大好きなあいつの事だ 良からぬ事を企ててもおかしくない」

女「た、確かに...女は男を溺愛している...で、でも...」

学食長「叔母さん...俺も話を聞いて彼女が取り憑いていると思うよ 一緒に働いている時、彼女はいつも弟のことを嬉しそうに話していたからな...」

女「う、うぅ...そうだ! 勇者に聞こう あいつは女と同棲しているから何か情報が分かるかもしれない」

男5「姉さん...裏は取れてるようなものだぞ...」

女「うるさい!行くぞ!」

男5「はぁ...仕方ないな」

~体育館~

勇者「メイドさんですか?確か、今日は朝早くから出て行きましたね...どうかしたんですか?」

男5「あいつが会長に取り憑いている可能性が高い というか、ほぼ確実だ いつもと違った様子は無かったか?」

勇者「やけに張り切っていましたね...弁当を3つ作っていました」

女「お前と自分用と...男の分か だとしたらあいつの事だ 男に直接渡しに行く筈だが...美少女は生徒会室で原稿の練習をした後、そのまま真っ直ぐ教室に来ている 違うんじゃないのか?」

男5「転入生は応接室に居るもんな...でも誰も会長が真っ直ぐ教室に行ったとは言っていないぞ?寄った可能性もあり得る」

女「じゃあ、応接室に行こうじゃないか そこではっきりさせよう」

~応接室前~

男5「姉さん...これでもし女が会長に取り憑いているって分かっても俺を恨むなよ?」

女「う、恨む訳無いだろ! ...頼む...違っていてくれ...」

ガチャ

メイド「ほら! これ、大好物でしょ?お姉ちゃん、頑張ったんだからね!」

男7「ね、姉様...もう分かりましたから...」

2人「「」」

男妹2「んー? どうしたの?2人ともー 何か用?」

女「ほ、ほら! やっぱり違うじゃないか!ほら、謝れよ」

男5「そ、そうだな...すまなかった姉さん...ん?じゃあ今、会長に取り憑いているのは誰だ?」

メイド「何の事かよくわからないんだけど...説明してくれるかな」

~~~

メイド「へぇ...そんな事が 私は男に弁当を届けに来てそのまま今まで話していたんだよ」

男7「今の話を聞き、確認したところ 美少女さんは確かに女性の霊に取り憑かれていますね...現在2人は生徒会室で2人きり...鍵は全て閉められていて外部からの侵入は無理かと...非常に危険です」

女「このままだと男が危険だ...神体になって中に入るか?」

男5「そんな目立った事したら後で何て言われるか分からないぞ」

女「今は緊急事態だぞ! そんな事言ってられるか!」

メイド「待って母さん 私なら霊体になって中に入れる 私が行くよ」

女「そうか...頼めるか?」

メイド「任せてよ 彼を末代にさせる訳にはいかないからね じゃあ、行ってくる」

スゥゥゥゥ

女「間に合うといいんだが...」

男妹2「大丈夫だよー お兄ちゃんだって気付いていない訳じゃないからねー」

男5「そうなのか?」

男妹2「うん そうだよー」

~生徒会室~

男「...お前は誰だ 美少女から出て行け!」

美少女『ほぅ...気付いていたか』

男「お前から只ならぬ力を感じた...敵意、殺意の類いの物がな...あの場だと他の人に被害が出る だからわざと気付かない振りをしたんだ お前の狙いは最初から僕だろ 違うか?」

美少女『その通り...私は昔、告白をし断られその後自殺したこの学校でかつて生徒会長をやっていた者だ...こいつは幸せそうな顔をしてお前の名前を呼んでいたよ...私にはどうしてもそれが許せなかった...同じ生徒会長でありながら付き合っているこいつが...だからお前を殺す そうすればこいつも苦しむだろうからな...』ケケケ

男「お前は...狂ってる...」

美少女『何とでも言うがいい...少しでも抵抗してみろ この娘の命は無いぞ?』

男「ひ、卑怯者め...」

グギリリリリ

男「い、息が...出来な...」

美少女『ククク...そのまま死ね...』

「呪いの力を使う時、取り憑く力も弱まる この瞬間を待っていたよ!」

バシン ビリビリビリビリ

美少女『な、何ィィィィ し、しまったァァァァァァ』

ジュワァァァァァ バタン

メイド「ふぅ...除霊完了っと 大丈夫?生きてるよね?」

男「カハッ...ま、まぁ...辛うじてですが」

メイド「返事が出来るなら充分だよ まさか、美少女に霊が取り憑くとは...結界張っておくか...またこんな事あったら今度は被害が出るしね」

男「あっ、それより美少女は?」

美少女「...うーん 痛たたた...頭が痛い...あれ?此処は?確か、トイレに入ろうとしたら声が聞こえて...その後の記憶が無い...」ムクッ

男「美少女! 気が付いたんだね 良かった...」ポロポロ

美少女「男? 何で泣いてるの?」

メイド「まぁ...何から話せばいいのかね...」

一旦切ります

美少女「あれ?何か顔に貼ってある...何これ?」スッ

メイド「剥がしちゃ駄目!」

美少女 ビクッ

メイド「今の貴女は取り憑かれやすい体質になってるの だから、それを剥がしたらすぐに別の霊に憑かれるよ」

美少女「れ、霊?何のこと?」

男「ついさっきまで君は霊に取り憑かれていたんだ...メイドさんが来てくれたから良かったけど...危うく君に殺されかけたよ」

美少女「えっ!?私、男を殺しかけたの!?」

メイド「ギリギリだったよ...一体どうしてこうなったのかね...今迄は何も無かったのに...」

ガチャッ

担任「美少女! 男! 無事か?」

男「先生...どうして此処に?」

担任「時間になってもお前らの姿が見えなかったからな...探しに行ったら此処に居るとツクヨミから聞いて...走って来たんだ」

メイド「大丈夫ですよアマテラス様 彼女に取り憑いていた霊はもう浄化しました 暫く札を貼っていれば問題はありません」

担任「そうなのか?...うーん参ったな 美少女はこの後全校集会で前に立つんだ その札は目立つ 何とか出来んか?」

メイド「難しい注文ですね...彼女は暫く札を貼ってないといけないんですよ...じゃないと霊に身体を乗っ取られます 今の彼女はそういう体質なんです」

男「僕が代わりに言うのは駄目なんですか?体調悪いって理由にして」

担任「駄目だ 新学期始まっての集会だぞ?会長が出ないと成り立たない 無論、お前も欠かすことは出来んよ 副会長だからな」

美少女「でもこのお札は目立ちますよね...せめて目立たない場所に貼り替えるとかは出来ないの?」

メイド「駄目だよ 顔じゃないと効果は無いんだ 私が結界を張るまでの時間を誰かが貴女に取り憑いていればいいんだけど...そんな人は...あっ!」

担任「ん?何か思い付いたか?」

メイド「アマテラス様...神降ろしは出来ますよね?」

担任「出来るが?それがどうしたのか?」

メイド「私が結界張り終えるまで彼女に神降ろしして貰えますか? アマテラス様の力ならば絶対に霊は取り憑けないので」

男「神降ろしって...宣託をする時に神霊をその身に乗り移すアレを!?」

メイド「それをすれば札をしなくても大丈夫 でも、意識はアマテラス様が乗っ取ることになるけどね」

美少女「...それしか札無しでの手段は無いんだよね...意識が無いのは困るけど...皆に迷惑を掛けるくらいなら...お願い出来ますか?先生」

担任「お前がいいのなら...じゃあ行くぞ?」

ヒュン シュパァァァァン

美少女(担任)「あー あー ...どうだ?成功したか?」ピカー

男「び、美少女が...光り輝いてる...」

メイド「大丈夫そうですね では、私は結界張って来ます 放課後になるくらいには終わるかと ご武運を」

スタスタスタスタ

美少女(担任)「まさか美少女の身体に取り憑くことになるとは思わなかったな...ん?どうした?男 そんな神妙な顔して」

男「あっ、いや 美少女は普段そんな言葉遣いではないので...違和感を感じました 顔も若干睨んでいるような顔ですし」

美少女(担任)「そうか? 睨んでなんかいないのだが...言葉遣いはまぁ、努力するよ」

男「大丈夫ですか?ボロが出そうで怖いんですけど...」

美少女(担任)「心配するな こう見えても演技は得意なんだ 大船に乗った気でいろ」

男(心配だなぁ...泥舟かタイタニックじゃなきゃいいんだけど...)

美少女(担任)「でも参ったな...担任である私が居ないとなると誰があいつらを体育館に行くように言うんだ?...副担任のニニギは今日は居ないし...ったくこういう時に使えんとは...」ハァー

男「大変ですね...先生も...」

美少女(担任)「まあな...おっと、こんな所で話してる場合じゃない 教室に行くぞ」

男「はい、そうですね」

~教室~

ガラガラ

美少女(担任)「すみません...遅れました」

担任「遅かったな...何かあったのか?」

美少女(担任)(何で私が居るんだ!?)

男「あっ...えっと...集会の打ち合わせをしていたら時間を忘れてしまいました...」

担任「そうか...まぁいい 席に着け 出席を取るぞ」

美少女(担任)(誰かが私の姿をしている...ツクヨミも姉貴も居る...母さんか?まさかな...ついさっき校長室を通った時、中からお茶を飲んでる音がしたし...)

男5「なぁ...何か会長、心なしか光ってないか?」

男4「はぁ?...本当だ...若干光ってる」

美少女(担任)(おっと...神力が溢れ出ていたか...)シュウウウウ

男3「えっ?光ってなんかいないけど...見間違いじゃないの?」

男4「いや 確かに光ってたんだって!」

担任「おい男4 うるさいぞ 静かにしろ」

男4「お前のせいで怒られたんだからな...バルドル」

女3「騒いだ貴方が悪いんじゃない...」

美少女(担任)(まぁいいか...今はこの場を乗り越えるのが最優先だ)

担任「よし...全員居るな 知ってる者も多いと思うが...というか全員か 転入生が2人来る 中に入っていいぞー」

ガラガラ スタスタスタ

担任「男7と男妹2だ 不要だと思うが一応挨拶を頼む」

男7「男7と申します まだ分からないことが多く、ご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが何卒宜しくお願いします」

メイド『カッコいいよー 男ー』

美少女(担任)(あいつ...結界張ってるんじゃなかったのか?ここまで声が聞こえてきたぞ...)ハァー

女「全く...こういう時も平常運転だな...」ハァー

女4「お母さんはともかく...何で会長まで溜息吐いてるの?」

美少女(担任)「えっ!?...いや...その...男7が恥ずかしいかなーと思ってね あははは」ダラダラ

女4「怪しい...」ジィー

美少女(担任)(何でこういう時だけ勘が鋭いんだお前...)

男妹2「次は私だよね 私は男お兄ちゃんの妹の男妹2だよー 好きな事は食べる事かなー まぁ、よろしくねー」

男妹「あれが実の妹だと思うと頭が痛いや...」

男「安心しろ 僕も一緒に居るからな」

美少女(担任)(そうだった...こいつが居るのを忘れてた...また大変になりそうだなこりゃ...)

担任「それじゃあ男7は美少女の隣、妹2は妹の隣に座ってくれ」

男妹「予想はしてたけど私の隣なのね...」

男妹2「よろしくーお姉ちゃんー」

男7「あの...伯母様ですよね?どうして彼女の身体に?」ヒソヒソ

美少女(担任)「色々あってな...放課後には戻る ところで...前に居る私は誰だ?お前なら分かると思うんだが...」ヒソヒソ

男7「分かりません...何故かあの人の心が見えないのですよ...親族の何方かであるのは間違い無いのですが...」ヒソヒソ

美少女(担任)「そうか...お前にも分からないか となるとツクヨミに聞いても分からないな あっ、くれぐれも美少女の中に私が居るのは皆には内緒にしてくれよ 男は知っているがな」ヒソヒソ

男7「畏まりました」ヒソヒソ

女「さっきからなに、ヒソヒソ話しているんだお前ら」

男7「母様の昔話を色々と聞いていました」

女「はぁ!?美少女...内容によっては後で覚えておけよ」

美少女(担任)(男の咄嗟のフォローで事無きを得たが別の問題が発生したな...すまん美少女...場合によってはお前に迷惑掛けるかもしれん...)

担任「そろそろ時間だな...お前ら 体育館に行くぞ」

美少女(担任)「いよいよか...緊張するな...」

女「大丈夫だって いつもみたいにすればいいさ というか、今の言い方 姉さんに似てたな モノマネ上手いぞお前」バンバン

美少女(担任)(本人だから似てるに決まってるだろ...なんて言える訳無いか やれやれ)

許嫁「...アマちゃんなの?」

美少女(担任) ギクッ

許嫁「頑張ってね...あたい、応援してるから...」

スタスタスタスタ

美少女(担任)(ば、バレた...姉貴のことだから言わないと思うが...気付かれたのか...あれだけの言葉で...)

一旦切ります

~体育館 ステージ裏~

男「先生...大丈夫ですか?」

美少女(担任)「ちょっとな...いつもは見ている側だから分からなかったが...美少女はいつもこのプレッシャーの中で挨拶をしていたのか...」

男「そろそろ出番ですよ 頑張って下さい」

美少女(担任)「簡単に言ってくれるな はぁ...行って来るよ」

スタスタスタスタ

~体育館 ステージ~

美少女(担任)(おぉ...視線が私に集中している...はっ いかんいかん 挨拶をしてなくては...)

美少女(担任)「皆さん、おはようございます 夏休みが終わり新学期が始まりましたね この夏をどう過ごしましたか?私は...そうですね 勉強ばかりしていたと記憶しています」

美少女(担任)(いや...海とかあちこち行ってただろ...ん?2階に誰か居る...)

学ラン着てハチマキしている許嫁が『頑張れ会長』と書かれている旗を振り回している

美少女(担任)(あのバカ姉貴...私しか見ていないからって好き放題やりやがって...後で覚えていろよ)

美少女(担任)「2年生の皆さんは3年生の先輩から受け継いだ物を胸に、この学校を引っ張って行って下さい 1年生の皆さんはそんな2年生に負けないよう、勉強でも部活動でも活躍して下さい そして、3年生の皆さんは最後の最後で悔いが残らぬよう、勉強に励んで下さい これを以って、挨拶とさせていただきます 生徒代表 美少女」

パチパチパチパチ

~体育館 ステージ裏~

美少女(担任)「はぁ...緊張した...」

美少女母「お疲れ様~ 頑張ったわね~アマちゃん」

美少女(担任)「やっぱり母さんには気付かれていたか...」

美少女母「当然よ~ 私は貴女の母親だもの~ でも娘の中に娘が居るって不思議な状態ね~」

美少女父「仕方ないだろ...アマテラスだって好きでこうしている訳じゃないんだ そろそろお前の番だぞ母さん、行かないのか?」

美少女母「もう~? じゃあ行って来るわね~」

スタスタスタスタ

美少女(担任)「なぁ父さん、少しいいか?」

美少女父「ん?どうした?」

美少女(担任)「何か私がもう1人居るんだが...誰か分かるか?さっきから気になってさ」

美少女父「ああ...そのことか...もう明かしてもいいか おーいこっちに来てくれ」

担任「呼んだ?」スタスタスタスタ

美少女(担任)「そうそうお前だ 誰なんだ?神力までそっくりだし...」

担任「お母さん...娘の私の顔、もう忘れたの? まぁ、暫く引きこもっていたから忘れられても仕方ないけど...」

美少女(担任)「母さん? まさか、お前...スセリか!?」

店長妹「うん 久し振りだね 私とお母さんってよく似てるって言われてたよね 声真似すればお兄ちゃん達も見極められなかったし...」

美少女(担任)「でもどうしてお前が此処に?何で私のフリをしたんだ?さっぱり分からなかったぞ」

店長妹「大国さんが弁当忘れてさ 届けに来たんだよ そしたら迷子になっちゃてね 偶々、生徒会室の前を通りかかってお母さんがその子に神降ろしするのを見たんだよ で、暫くの間、代わりをしようかなって思ってやったんだ」

美少女(担任)「お前、昔からすぐ迷子になるもんな...よく1人で学校に来れたな...そっか...でも生徒会室と学食は正反対の方向だぞ?案内があった筈だが...」

店長妹「さっきおじいちゃんからも同じこと言われた...見落としてたよ...」

美少女父「私が此処まで連れてきたんだ よく教室まで迷わず行けたな」

店長妹「適当に走って偶々目に入った教室に入ったら合ってたんだよ 神力で髪型と服装変えて声真似してお母さんの口調にしたら誰にもバレなかったよ」

美少女(担任)「ツクヨミの息子の男がお前の心が見えなかったって言ってたがそれはどういうことだ?」

店長妹「えーと...無心でやってたからかな? バレないように余計なこと考えないようにしてたんだ」

美少女(担任)「そ、そうか...でもこれからどうする?私の代わりをしてくれるのは嬉しいが授業、出来るのか?」

美少女父「流石にそれは無理だから母さんがお前の姿になる 母さんなら大丈夫だろ?」

美少女(担任)「まぁ...母さんならな...じゃあスセリ、お前はもう帰るのか?」

店長妹「うん さっき、大国さんに弁当渡して来たからね」

美少女(担任)「1人で帰れるか?心配だな...」

店長妹「大丈夫だって おじいちゃんが送ってくれるから」

美少女(担任)「そうなのか?すまないな...父さん スセリが迷惑掛けて」

美少女父「気にするな 母さんに比べれば可愛いものだよ それよりお前、今日はツクヨミの誕生日だって覚えているか?」

美少女(担任)「当たり前だ 妹の誕生日を忘れる程私は非情ではない 既にケーキを買ってあるしな」

美少女父「そうか...美少女から聞いたのだが昼休みに生徒会を挙げてツクヨミの誕生日を祝うことになっているらしいが聞いているか?」

美少女(担任)「初耳だよ でも生徒会を挙げてなんて大袈裟だな...」

美少女父「それ程あいつの世話になってる者が多いってことだ 今のお前は美少女だ 宜しく頼むぞ?」

美少女(担任)「私が美少女の代わりにあいつを祝うのか...面倒だな...」

店長妹「頑張れお母さん ファイトだよ」

美少女(担任)「はぁ...どうやら面倒事に巻き込まれるのが私の天命らしいな 分かったよ 今日一日、こいつの代わりに頑張るとするか」

美少女父「お前にはいつも迷惑を掛けているな...アマテラス...」

美少女(担任)「もう慣れたよ 今更騒いでも何も変わらないしな これからもそうだろう さて、そろそろ集会も終わるし私は教室に戻るとするよ じゃあな、スセリ」

店長妹「うん またね、お母さん」

~教室~

美少女(担任)(さて...まだ誰もいないうちに済ませておくことは...)

ガツン

許嫁「痛い~ アマちゃん、何するんだよ~ 応援してあげたでしょ~」

美少女(担任)「あんな応援を望んだんじゃない どうして姉貴はいつもそうなんだ」

許嫁「あたいはアマちゃんのことを思ってだね...」

美少女(担任)「はぁ...どうやら面倒事に巻き込まれるのが私の天命らしいな 分かったよ 今日一日、こいつの代わりに頑張るとするか」

美少女父「お前にはいつも迷惑を掛けているな...アマテラス...」

美少女(担任)「もう慣れたよ 今更騒いでも何も変わらないしな これからもそうだろう さて、そろそろ集会も終わるし私は教室に戻るとするよ じゃあな、スセリ」

店長妹「うん またね、お母さん」

~教室~

美少女(担任)(さて...まだ誰もいないうちに済ませておくことは...)

ガツン

許嫁「痛い~ アマちゃん、何するんだよ~ 応援してあげたでしょ~」

美少女(担任)「あんな応援を望んだんじゃない どうして姉貴はいつもそうなんだ」

許嫁「あたいはアマちゃんのことを思ってだね...」

美少女(担任)「ふざけるな バレなかったから良かったもののバレていたらツクヨミやスサノオにまで迷惑が掛かったんだぞ 少しは自重しろ」

許嫁「そ、そこまで迷惑掛けたなら金輪際しないと誓うよ...ごめん...」ズーン

連投してしまった... >>399 は無かったことにして下さい

美少女(担任)「...悪気があってやった訳じゃないってことは分かってる 姉貴の姿を見て緊張が吹き飛んだのは事実だ あれを見なかったら無事に挨拶を終わらせられなかっただろう...」

許嫁「つまり...どういうこと?」

美少女(担任)「少しだけなら...目を瞑ることにする やっちゃ駄目だとは言っていない ...今日の昼休み、期待してるぞ」

許嫁「あ、アマちゃん...」ウルウル

美少女(担任)「だからそんな顔するな 姉貴らしくない」

許嫁「う、うえーん」ギュウウウ

美少女(担任)「おい止めろ 誰かに見られたらどうする 私が姉貴を泣かせたみたいじゃないか」

許嫁「あたい...あたい...アマちゃんのお姉ちゃんで良かったよ~」

美少女(担任)「ああ...私も姉貴の妹で良かったよ いつもありがとう...お姉ちゃん」

許嫁「ふぇ? 今なんて言った?お姉ちゃんって言ったよね!?」

美少女(担任)「そろそろ皆が来る 暫くは美少女として接してくれ頼むぞ」

許嫁「うん 任せといてよ お姉ちゃん、頑張るよ!」

美少女(担任)(変なスイッチ入れてしまったな...)

~教室前~

男4「お、おい...見たか?許嫁が会長に泣きながら抱きついたの...」

男5「あ、あぁ...何てうらやま...いや、けしからんことを...証拠として写真を撮っておいたぞ」

男4「後でその写真くれよ」

男5「分かってる にしても、姉貴にあんな好みがあったとは...予想外だったな...」

男4「いや、無理はない 会長は女子からも好かれている そっちの人気も無いと言ったら嘘になるさ 2人きりだからこそ、あんな大胆な行動が取れたんだろう...察してやれ 弟だろ?」

男5「う、うるせーな 言われなくてもそうするさ...そろそろ教室に入るぞ 此処に居るとそのうち覗いていたってバレるからな」

男4「ああ、そうだな...早めに戻って来て正解だった...まさかこんな物を拝めるとは...」

男5「他の奴らには秘密だぞ?俺達2人だけの秘密だ」

男4「任せろ こう見えても俺は口が堅い 絶対に言わんよ」

男5(そう言って何回も口を滑らせて来たから言ってんだよ...)アセアセ

~数分後 教室~

許嫁(何か分からないけど、スサちゃんからの視線を感じる...もしかして、アマちゃんが会長の中に居るのがバレちゃった?)

男5(姉貴...男にバレたらとんでもないことになるぞ...会長のことは諦めてくれよ...)

男(どうしたんだ?2人とも...見つめ合ったりして...)

男5「な、なぁ...姉貴 会長のことで聞きたいことがあるんだけどさ...」

許嫁(あっ、バレてる...仕方ない ここは...)

カキカキ スッ

男5「『誰にも言わないでくれ』って言う訳ねーだろ...あのこと(許嫁が美少女に抱きついたこと)は...」

許嫁(だ、だよね...スサちゃんならあのこと(担任が美少女の中に居ること)言わないでいてくれるよね...良かった...)ホッ

男(何かお互いに誤解してそうだけど...面白いからこのままにしておくか)

女「あっ...しまった やらかした... なぁ、美少女 頼みがあるんだがいいか?」

美少女(担任)「ん?どうしたの?」

女「筆記用具、家に忘れて来てさ...貸してくれないか?」

美少女(担任)「何だ、そんなことか いいよ(ツクヨミ...あれ程支度はちゃんとしろと言ったのに...まったく...)」スッ

女「いや~助かった 姉さんにバレたら大変なことになってたよ」

美少女(担任)「先生って怒ると怖いもんね...(フフフ...後で覚えてろよお前...)」

男7(母様...本当は言った方が良いのでしょうがここは母様の為に敢えて黙っていることにしましょう...)

女「ああ...姉さんはちょっとしたことですぐ怒るから困るよ...」

美少女(担任)「例えばどんなことで怒るの?」

女「食器洗ってないとか夜更かしし過ぎだとか女性としてだらしなさ過ぎるとか...そんなことかな」

美少女(担任)「へー そうなんだー(全部、当たり前のことだろ...今月の小遣い、少な目にするか...)」

女「でも...それも全部、私のこと思って言ってくれてるんだよな...このままだとそのうち姉さんに見捨てられちゃうよ...」

美少女(担任)(ツクヨミ...)

女「...なぁ、どうすればいい?姉さんは昔から私のことを気遣ってくれてるからさ 甘えてしまうんだよ...でも流石にこれ以上は駄目だって分かってるのについ甘えてしまう...」

美少女(担任)「...少しずつでいいからやれることをしろって私が先生なら言うかな」

女「そうか?」

美少女(担任)「うん 一気に変わろうとしても無理だけどちょっとずつなら出来るでしょ? 例えば、今度は筆記用具忘れないように学校に行く前にもう一回確認するとかさ」

女「なるほど...それなら出来るな ありがとう美少女」

美少女(担任)「気にしなくていいよ 当然のことを言ったまでだからさ(...小遣いはそのままにしといてやるか)」

一旦切ります

女「ところで美少女...お前、大丈夫なのか?」

美少女(担任)「えっ?何が?」

女「何がって...お前、さっき取り憑かれてただろ?取り憑かれてから暫くの間は憑かれやすい体質になるんだよ この学校には霊が多いからな...今、女が結界を張っているけどな...普通なら顔に札を張るんだが...大丈夫なのか?」

美少女(担任)「えーと...よく分からないけど多分、大丈夫だよ!」

美少女(担任)(美少女ならこう言う...と思う)

女「本当かぁ?...ん?姉さんの姿が見えないな...まさか...神降ろししてるのか?姉さん?」

担任(美少女母)「ん?私がどうかしたか?ツクヨミ」

美少女(担任)(母さん! た、助かった...もし、ここでツクヨミにバレたら暫くこの事でイジられそうだからな...)

女「姉さん?...もしかして、母さんか?」

ガラガラ

美少女母「ん~? 私の事を呼んだかしら~」

女「母さん...分身か?...いや、神力が半分になってない...本人で...合ってるのか?」

美少女母「私は私よ~ ヨミちゃん...もしかして、疲れてる~?」

担任(美少女母)「無理は禁物だぞツクヨミ 早退するか?」

美少女(担任)「顔色も悪いし...本当に大丈夫?」

女(思い出せ...集会の時の姉さんはスセリだった...美少女の外見に何かしらの対策が見られない以上...きっと姉さんが取り憑いている筈...でも、そうなるとこの姉さんは一体? 母さんなら完璧に姉さんの振りが出来るが... でも、そうなると目の前に居る母さんが分身ではない以上、母さんが2人同時に存在する事に...そんな事はあり得ない筈が無いし...)アセダラダラ

カタトントン

女「ん?誰だ? 今、考え事をしててそれどころじゃ...」

男5「姉さん...姉さんが今どんな事を考えているかは分からないけど...多分、それ 考えるだけ無駄だぞ」

女「はぁ?お前に何が分かるんだよ」

男5「どうせ姉さんの事だから答えの出ない事についてあーだこーだ考えてるって姉貴が云ってよ このままだと倒れそうだから止めてくれって頼まれてさ 今日は姉さんの誕生日だろ? 主役の姉さんが倒れたら俺達も色々困るしな...取り敢えず、今の所はその問題は置いといてくれないか? 頼むよ な?」

女「...お前、私の誕生日の事 覚えていてくれたのか?」

男5「当たり前だろ 俺は姉さんの弟だぞ 忘れる訳ねーよ 冗談きついぜ」

女「私の誕生日を祝う為に...色々と準備をしてくれていたのか?」

男5「やべっ... 口滑っちまったな...ま、まぁ 一応な だが内容は内緒だぞ あっ!心の声聞くなよ! 台無しになるからな!」

女「分かってるさ 楽しみにしておいてやるよ」ニヤニヤ

男5「あーあ...サプライズで驚かせて嬉し泣きした姉さんを撮ろうと思ってたんだがやらかしちまったな...まぁ、これで姉さんが倒れずに済むならそれでいっか...会長もそう思うだろ?」

美少女(担任)「えっ!?...あー...まぁ、そうだね サプライズじゃなくなってしまったけど、女の誕生日を祝えなきゃ今までこの日の為に練って来た計画が全て水の泡だし...助かったよ ありがとう、男5」

男5「おっ、今の顔イイネ いただき」カシャッ

担任(美少女母)「そろそろ授業始めるから席に戻れよスサノオ...母さんもそろそろ校長室に戻ってくれ」

美少女母「分かってるわよ~ もぅ...アマちゃんは相変わらず真面目なんだから...じゃ、私は戻るわね~」

ガラガラ バタン

男5「じゃあ俺も席に戻るわ 姉さん、あまり考え過ぎるなよ」

スタスタスタ ギイッ ガタン

美少女(担任)(...さっきの母さんとあそこに居る私は本当に母さん...なんだよな...? 何だか分からなくなって来たな...)ウーン

女「どうした?美少女? 珍しくしかめっ面で考え事なんかして...悩み事なら相談に乗るぞ?あっ、私の誕生日関連だったら相談に乗れないか」

美少女(担任)「それは嬉しいけどさ...その台詞、さっきまで考え事で冷や汗かいてた女が言う?」

女「あー云ったなお前ー こうしてやるー」

女が美少女(担任)の顔を横に引っ張る

美少女(担任)「やふたなーこふぉー」

仕返しに美少女(担任)が女の顔を横に引っ張る

担任(美少女母)「お前達...いい加減にしろ! 授業が始められないだろ!」

女「ひぇぇ...ったく、お前の所為で姉さんに怒られちゃったよ...」ヒソヒソ

美少女(担任)「いや、女が先だからね...」ヒソヒソ

美少女(担任)(...こうして、ツクヨミと何かやって怒られるのも久し振りだな...とは言っても、今の私は美少女って事になっているが...)ニヤニヤ

女「怒られたのに何でニヤついてるんだ...お前...」アセアセ

美少女(担任)「あぁ...えっと...やっぱりいいや 言っても分かんないし」

女「はぁ?お前な...はぁ...姉さんがさっきからこっち見てるから我慢してやるよ...」

美少女(担任)(ツクヨミ...いい顔するようになったな...私の背中に居たお前が今ではこうして堂々としているなんて...昔は想像も出来なかったよ...)シミジミ

女「今度は何だよ...人の顔を見つめやがって...私の顔に何か付いてるか?」

美少女(担任)「いやね...女の顔、よく見たら綺麗だなって思ってさ」

美少女(担任)、黒板の方を向き、板書を写しながらそうはぐらかす

女「よく見たらって...この顔は私の娘の女がもし学生だったらをテーマに姉さんに作ってもらったんだが...そんなに良いか?」

女も黒板の方を向き、板書を慌てて写しながらそう返す

美少女(担任)「結構良い顔してるよ?自覚して無かったんだね...へぇ...先生が作ったんだ...知らなかったなぁ...」

女「あれ?以前にもこの事、言ってなかったか? まぁ、覚えてなくても構わないけどな...兎も角、今は授業中だ これ以上、無駄口利いてるとまた姉さんに怒られるからこの話はここまでな」

美少女(担任)「うん、分かった」

~1時間後~

担任(美少女母)「今日はここまでだな 黒板に書いてある事を書き終えた者から休み時間にしていいぞ」

そう言えると同時に教室中がうるさくなる

ギイッ ガタッ スタスタスタ

男「美少女、もう書き終わった?」

美少女(担任)「うん、終わったよ」

女「私関連の話になるなら席外すぞ?」

男「お気遣い結構 ちょっと2人で生徒会室行くだけだから」

美少女(担任)「そうそう じゃ、行こうか」ギイッ ガタッ

女「いつもならどうして行くか詮索するが...まぁ、今日は放っといてやるよ 行ってら」

男「行ってくる 次の授業までには戻ってくるから安心して」

女「バーカ 一々言わなくなったって知ってるよ 私達はそんな事を毎回言わなきゃいけない仲じゃないってのはお前が1番知ってるだろ」

男「ハハハ そうだったね」

美少女(担任)「そんな事言ってる場合じゃないでしょ 行かなきゃ」

男「うん、そうだね 行こう」

~生徒会室~

女の誕生日を祝う為の準備をしている男と美少女(担任)

男「そっちの方は大丈夫ですか?先生」カッカッ

黒板に祝いの言葉を大きく書きながらそう訊く

美少女(担任)「ああ...問題ない」

人数分のコップや飲み物などを用意しながらそう返す 本当は力を使う仕事をしたいと云っていた美少女であったが「会長にはあまり力仕事をして欲しくない」と皆に説得され、渋々了承してこの仕事になった

美少女(担任)「ところで男...こうして私がお前と2人きりで時間を過ごす機会はあまり無いだろうから聞くが...ツクヨミが何故人間態で居るか お前、知っているか?」

男「いえ...知りませんね そんな事、女から聞いたことありませんし 聞こうと思った事無かったので...」

美少女(担任)「そうか...あいつの2人の子供の体質を思い出せばその理由は分かる筈だ あの2人の体質はツクヨミから遺伝したものだからな」

男「えーと...確か、メイドさんは耳が良くて他の人の心の声が聞こえる 男7は目が良くて他の人の考えている事が見える でしたよね? という事は女は...目が良くて耳も良くて心が読める?」

美少女(担任)「その通りだ あいつは目と耳が良く、人の心が読める あいつの意志とは関係無くな 今でこそ、明るい性格だが昔はそんなんじゃなかった...人の心が読めてしまうという事は本音が分かってしまうという事だからな...その事を何気なく言ってしまい、相手を傷つけ自分も傷つき...あいつは私の背中の後ろに居ないと人と会話する事もままならない状態まで行ってしまった...家族以外の誰も信じられなくなってな...」

男「女にそんな過去が...」

美少女(担任)「あいつはあまり自分の過去を話したがらないからな...ましてや、嫌な過去になると尚更な...だが、お前は違う お前は今後もツクヨミと共に過ごしていくし それに子孫でもある あいつの息子、男がクラスメイトになったしな 知る資格があるんだよお前には」

男「そんな大袈裟な物、僕は持ってないですけど...それで、どうして女は明るくなったんですか? 人と結婚してますし 何か他人と話せるようになる出来事が無きゃそんな事起きませんよね?」

美少女(担任)「フレイヤと出逢った事だよ あいつと出逢い、友達になったお陰でツクヨミは私達家族以外と面を向いて会話が出来るようになった まぁ、言うなればフレイヤがツクヨミに他人を信じるようにさせたって事だな」

男「保健先生が...確かに、女と保健先生は仲良いですけど...」

美少女(担任)「そんな言葉じゃあいつらの関係は言い表せんよ フレイヤがツクヨミの事をどう思っているかは知らないが、少なくともツクヨミはフレイヤの事を親友だと思っているし、恩人とも思っている 昔、ツクヨミがそんな事を云っていた」

男「そんなに仲が良かったんですか...でもどうして仲良くなったんですか? 女は人の心を信じる事が出来なかったんですよね? 面を向いて話す事が出来なきゃそんな...友達になるなんて...」

男がそう言うと美少女(担任)は笑ってこう答えた

美少女(担任)「なに、簡単な事さ フレイヤが馬鹿だった それだけだよ」

ガラガラ

保健先生「私が馬鹿ってどういう事よ!」

凄い剣幕でそう言いながら保健先生は生徒会室に怒鳴り込む

男「保健先生!? どうして此処に? というか今までの話聞いてたんですか?!」

保健先生「美少女がツクヨミの昔話をし始めた所からね! 何で知ってるのかは後で聞くとして...私が馬鹿だからツクヨミが友達になったってどういう事よ!」

そう言って保健先生が肩を怒らせると美少女(担任)は冷静にこう言い放った

美少女(担任)「だってお前さ...初対面のツクヨミに対して凄い勢いで話しかけていただろ? ツクヨミが逃げようとしたら手を握って逃げないようにしてたしさ それでツクヨミがお前が傷付くような事言ったらお前、泣いて帰って行ったよな で、次の日になったら何食わぬ顔でまた来てツクヨミに話しかけてただろ? そんなの、馬鹿じゃなきゃまた来ようなんて思わないってだろ?」

保健先生「あれは...まぁ...私が悪かったかなって思っただけよ...無理矢理引き留めてまで話し掛けてたからあんな事言っちゃったのかなって私なりに真剣に考えたのよ それを...馬鹿だなんて...失礼でしょ!」

美少女(担任)「まぁ、馬鹿は誇張表現だったかもしれんな...謝るよ 正しくはお馬鹿だった」

保健先生「お、お馬鹿って...さっきよりはマシになったけど...おが付いただけじゃないの...ま、まぁ...確かに私は多少はお馬鹿かもしれないけど...」

美少女(担任)「まぁ、その話は置いといてだ お前がそうやって何回もツクヨミに話し掛けたからあいつも次第にお前と話すようになり、他人と向き合うようになった 感謝しているんだよ私はな 一度は心を閉ざしたあいつの心をお前が再び開いてくれたからな...」

保健先生「あの...さっきから何様のつもりで話してるの? というか、何で知ってるの?」

男「もしかして...保健先生...分からないんですか?」

保健先生「分からないって...何が? さっきから美少女がツクヨミの事をまるで家族みたいに話してる事?」

美少女(担任)「男...言っておくが私、さっきバルドルとロキにバレそうになったからな」

男「...保健先生...すみません...こんな事言うのは失礼ですけど...先生って確かにお馬鹿ですね...」

保健先生「えぇ!? 男まで...どうしてそんな事言うのよ!! 私、泣くわよ!!」

そう言いながら保健先生は涙目になる

男「まぁ...事情を知らないのは仕方ないですけど...今の美少女は先生なんですよ...分かる筈なんだけどなぁ...今の先生、自分の神力隠してないし...」

保健先生「??? どういう事?」

美少女(担任)「私だよフレイヤ アマテラスだ 訳あって今は美少女に神降ろししていてな...今は私がこの身体を使っているという事だ...とは言え、まさか気付かなかったとは思わなかったな...あの場に居たのはお前とツクヨミと私の3人だろ? 仮に私から美少女が話を聞いたとしても、美少女はツクヨミの事をツクヨミって呼ばないし、お前の事は保健先生って呼ぶだろ」

美少女(担任)は困惑しながらそう弁明する

男「それに...僕みたいに神力が視覚化される体質じゃないとしても、先生は主神ですからすぐ分かると思うんですよね 確かに美少女の神力もありますけど、それ以上に先生の神力を感じますし...分からない方が変ですよ...」

保健先生「な、何よ...2人して...そうよ!私は馬鹿よ!主神の神力感じてもアマテラスだって分からないただの大馬鹿者よ!」

美少女(担任)「そんなつもりで言った訳じゃないんだが...気を取り直して下さいよ 保健先生?」

保健先生「私だって...私だって一生懸命頑張ってるのに...オーディン様といい...ツクヨミといい...貴方達といい...皆揃って馬鹿馬鹿言って...もう嫌...元の世界に帰って引き篭もる...」グスングスン

そう言いながら床にしゃがみ込んで泣く保健先生

男「せ、先生...今のはわざと言った訳じゃないですからね...落ち着いて下さいよ...」アセアセ

美少女(担任)「分かっているさ...だが、自分の黒歴史に触れられて少しだけイラッとしただけだ...安心しろ、私は落ち着いている」ワナワナ

男「殺意丸出しで説得力皆無なんですけど...先生も保健先生も落ち着いて下さいよ ほら、笑って笑って こんな所、皆に見られたら大変ですよ」

保健先生「そう言いながら貴方もどうせ心の中で私を嘲笑っているんでしょ? そうよね!! そうに決まってるわ!!」グスッ...グスッ...

男「違いますって 感情的にならないで下さいよ 僕は保健先生の事、尊敬してますよ? 覚えてますか?去年、入学初日に僕が倒れて保健室に運ばれた時の事」

保健先生「忘れる訳無いわよ...入学初日に倒れる生徒なんて貴方以外居ないもの...」グスッ...

男「あの時、目を覚まして落ち込んでいた僕に保健先生がなんて言ってくれたか覚えますか?」

保健先生「えっと...確か...こんな事気にせず過ごしていけば良いのよ 寧ろ、印象に残って良かったじゃない この事をキッカケに大勢の人と仲良くなれるかもしれないわよ?...こんな事言った気がするわね」

男「ええ...僕はその言葉を送ってもらえたからあの後も学校生活を送れたんです 落ち込んでいた僕を笑いながら励ましてくれた保健先生があの時居てくれたから...僕は今、こうしてこの場に居るんです だから保健先生...いつもみたいに笑って下さいよ じゃなきゃ保健室に行った人が皆、陰気臭くなってしまいますよ」

美少女(担任)「お前のお陰で怪我をして暫く復帰出来なかった生徒も治った後に再び競技に参加しようと思えたって声を幾度と無く聞いている お前のその明るさが皆を前に進めさせたんだ お前が居なきゃ駄目なんだよフレイヤ お前が保健室の先生じゃなきゃ駄目なんだ 例えエイルに知識や技術で負けたとしても...お前にはその笑顔がある だから自分がやっている事に誇りを持て ツクヨミを救ってくれたその笑顔を見せてくれよ 泣かせた私が言うのも何だけどな...それに...今日はあいつの誕生日だ 親友のお前が祝ってやらなきゃ誰が祝うんだ」

保健先生「...そうね...こんな事で落ち込んでるとロキ達に笑われちゃうわ...それに、ツクヨミにもね...あの子は笑顔が一番似合うのよ でも私が笑ってなきゃあの子はきっと心配してしまうもの...よし!もう大丈夫よ 私は馬鹿だけど...でも、そんな事で落ち込んでいられないからね」

そう言いながら保健先生は立ち上がり満面の笑みを男達に見せた

男「それでこそ保健先生ですよ! ところで先生...さっき言っていた話と女が人間態で居る理由...まだ分からないのですが...」

美少女(担任)「お、お前な...あそこまで話したら分かるだろ? えーと...フレイヤ! 言ってやれ!」

保健先生「私に振る!? まぁ、いいけど...ツクヨミが人間態で居る理由よね? それはあの子が心の声や考えている事を読めたり聞こえたりしないようにする為よ さっきアマテラスが言ったようにあの力はツクヨミ自身にも制御しきれない力なのよ あの子の子供の2人はどうかは分からないけれども...幸せな学生生活を送って欲しいと願ったアマテラスが私にそう言って一緒にツクヨミの人間態を普通の人間みたいにしたのよ ツクヨミもその事は理解しているわ 見た目はツクヨミの要望通りにしたけどね 眼鏡は...あの子、ゲームよくやるでしょ? しかも毎日夜遅くまで だから目が悪くなって眼鏡掛けるようになったのよ」

男「あれ、ゲームのし過ぎで掛けるようになったんだ...じゃあ、神の姿に戻るのに眼鏡外すのは?」

美少女(担任)「カッコつけてるだけだ 別に眼鏡付けたままでも神の姿に戻れる その時は眼鏡も消えるし、 その状態からまた人間態になれば眼鏡を掛けるようにした だが...一々外すからその機能は使われていないがな...」

男「あー...女、すぐカッコ付けますもんね...」

保健先生「ところで、そろそろ次の授業始まるけど...大丈夫なの? やり残しは私がやっておくわよ?」

美少女(担任)「もうそんな時間か!? 不味いな、男!」

男「分かってます! 保健先生、頼めますか?」

保健先生「勿論よ 本当なら廊下は走らずにと言いたいけど...そんな事してたら到底間に合わないわね...怪我しないように気をつけてね2人とも」

美少女(担任)「了解だ 行くぞ男!」

男「はい!」

一旦切ります

~教室~

女(まだ終わらないのか...結構時間かけてるな...)

ガラッ ガタガタ タッタッタッ ガチャン ストッ

次の瞬間、有無を言わせぬ勢いで扉が開き、男と美少女が入り着席をしていた 呆気に取られていた女だったが、きちんと扉が閉まっている事を確認して、急いでいる時もするべき事はしっかり行う2人の性格を改めて認識しつつ内心呆れ果てていた

女「お前らなぁ...まだ1,2分あるがギリギリだぞ...そこまで手間掛かるものか?普通...」

男「アハハハ...返す言葉が無いよ...あっ、そうだ 忘れる所だった 男4 僕達の担当の部分、まだ仕上がってないから次の時間も行くけど大丈夫だよね?」

男4「えっ!? 珍しいな...会長は兎も角、お前が居たのにまだ終わってないとは...別に良いけどよ...」

美少女(担任) (美少女ってそこまでズボラだと思われているのか...)

男3「...えーと もしかして、女...何やってるか分かってる?」

女「まぁ...大方はな...馬鹿な弟のお陰で今日が何の日か思い出したよ...」

女2「立て男5 お前の口の軽さは前々から気に入らなかったがここまで台無しにしてくれると一周回って感心する 今ここで、お前の性根を叩き直してやる」

女3「刀構えて言う事じゃないと思うけど...ほら、男5も構えないでって...」アセアセ

現国先生「授業やろうと思うんだが...大丈夫か?お前ら...」

痴話喧嘩から殴り合いに発展しかけるも仲介に入った現国先生のお陰で何とか大事にならずに済んだのだった...

~1時間10分後~

美少女(担任) (3限目も乗り越えられたか...やれやれ、それにしてもカグツチの教え方は雑だな...何故、採用試験に合格出来たのか未だに理解出来んよ...)

現国先生(なーんか今日の美少女から鋭い視線が度々感じるな...何かやらかしたか?俺...)

女「ほら、休み時間になったぞ 行って来いよ、お前ら」

男4「こいつに言われる何の為に行くか分からなくなるな...やっぱり前々から準備した方が良かったんじゃないか?」

男3「君が面倒臭いとか言ったから今日になったんだって事、忘れないでよね... はぁ...」

男「よく男4と友達関係続けられたな男3...」

男3「まぁ、彼の行動は友人の僕でも制御出来るものじゃないからね...吹き荒れる台風の前ではじっと耐える事が最大の対処法だよ」

男4「本人の前でそこまでこき下ろすかよ...ったく、さっさと行くぞ」

~生徒会室~

男と美少女(担任)の2人が準備を始めた数分で終わらせた事で男4達の手伝いに回れた為、予想より早く準備が終わる事が出来たのだった

男4「最初はどうなるかと思ったが...何とかなるもんだな...」

女2「なぁ...やっぱりこれ、やるべきか? 私は嫌なんだが...」

勇者「原案出したの女2だよね...」

女2「こんな事になるなんて思ってなかったんだ...軽弾みな発言なんてするべきじゃなかった...」

そう言いつつ机に項垂れる女2

女3「こう見えて女2は抜けてるからね...侍従揃ってこれだから困り物よね...」

男4「お前にまで言われると凹むんだが...」

そう言って女2の隣で項垂れる男4

男「ま、まぁ...そこまで落ち込む事は無いんじゃない? 話は変わるけど、男3...僕達の関係ってどうなるの? 年齢的にも君が兄?でいいのかな?」

男3「考えた事無かったなぁ...確かに今の君はお父さんの息子と言っても過言じゃないけど...弟ってのは変な感じだね...友人ってのはどうだい?」

男「...そこまで仲良かったっけ?僕達」

男3「僕とロキの関係程では無いけど僕は君を友人だと思っているんだけど...」

男「えっ?そうなの? てっきり、男3と男4ってお互いに友達居ないのかって...」

男3「いや、普通に居るからね 僕達2人とも よく誤解されるからこの際だし言っておくけど僕もロキも男色を好まないよ 僕達それぞれ家庭あるし...」

男4「えっ!? お前、結婚してるの!?」

男4以外の全員「「「えっ!? 知らなかったの!?」」」

男4「聞いてないし、知らなかったわ 何だそれ というか、結婚式の時、呼んでくれよバルドル!」

女3「だってあの時、あなた 熱出して寝込んでいたじゃない...それに、あなたの事だし 独自の情報網で知ってるかと...」

男4「知らないよ! 確かにそれなりに情報網広い方だけどさ...」

勇者「あの...横から失礼するけど...いい?」

男4「もういいよ...勝手に口出ししてくれ...」

勇者「男3と男4って仲良いよね? 同棲もしているし...だから、皆 2人間の事ならもう分かりきってる事だと思って言わなかったんじゃない?」

男4「...あり得るな あいつらの事だし、そう思って言わなそうだ...」

男3「...ロキ フォルセティの事は?」

男4「ん? ...あぁ、あいつか 正義の神だろ? そういや...あいつに会う度に『今後とも父を宜しく』とか云われるが...」

男3「やはり知らなかったか...フォルセティは僕の息子だけど...」

男4「マジか!? 全然似てないな! ...いや、待てよ よく考えれば性格めっちゃそっくりだわ...父親似か...」

女2「まさかご存知無いとは...」

男4「おい...まさか、お前...」ワナワナ

女2「バルドル様の奥様と御子息は存じております...」

男4「何でお前が知ってるんだよ!」

女3「私が教えたのよ...ほら、フェンリル達を紹介した時に偶々一緒だったから...」

女2の胸倉を掴み揺らす男4の手が止まる

男4「えっ...なに...?...フェンリル達も知ってるのか...?」

女3「そりゃ...ねぇ...だって、私がフェンリル達産んだのとナンナさんがフォルセティ産んだの1日違いだし...あなたとバルドルの仲が良いから家族ぐるみでの付き合いもあるわよ...」

男4「おい、バルドル という事はお前...自分の嫁さんが妊娠している時に、嫁さんほっぽかしてアングルボザの体調気にしに見に来てたのか!?」

男3「ナンナが行けって云って仕方が無かったんだよ ほら、彼女は服飾の神だろ? 君達の子供の服作るんだって張り切ってさ...三つ子だと分かったら尚更だし...」

男(バルドルの奥さんって服飾の神なんだ...)

男4「そういえばフェンリル達が産まれた時に服とかの準備が妙に良かったな...あれ、ナンナが作ったのか...そりゃ、出来が良いわな...今も世話になってる訳だし...」

男「何でそこで僕達の方を見渡すんだよ」

男4「いや、ナンナが立ち上げたブランド 結構有名処だぞ? お前達もよく着てるしな この前、担任の先生が着てたアレもナンナのブランドの奴だしな...」

美少女(担任) 「嘘!?」

男4「本当だよ 何で会長が驚くんだよ...ナンナは作るのは勿論、デザインするのも上手いんだ まぁ、服飾の神だから当たり前なんだけどな...」

男3「自分の妻の事を褒められると何かこそばゆいな...」

男4「事実だろ? 道理でよく郵送で服が送られて来る訳だ...俺以外別段驚かなかったのはそういう事だったのか...知らなかったなぁ...」

男3「じゃあ今度の正月、2人とも呼ぶかい? 君が知らなかったなら改めて紹介したいしね」

男4「頼めるか? フェンリル達も世話になってるならちゃんと礼言わないといけないし助かるぜ」

美少女(担任)「ねぇ...ずっと前から思ってたんだけどさ...どうして男3って男4達と同棲してるの?」

男「(えっ!?知らなかったんですか!?先生!)」ヒソヒソ

美少女(担任)「(北欧神話の主神の息子だぞ! 下手に聞けば一触即発だ そうなれば私の立場が危うくなり、皆に迷惑を掛ける 主神というのは結構辛い立場なんだ...)」ヒソヒソ

男「そ、そうなのか...」

男3「何か揉めてたけど...大丈夫かい?」

男「あ、あぁ...もう大丈夫だよ」

男3「えぇと...僕が男4達と同棲してる理由だったね ナンナの事はさっき話したよね?」

美少女(担任)「うん」

男(物凄い前のめりだな先生...)

男3「彼女が凄い心配性でね...こっちに来る時に僕が一人暮らしするって言ったら泡を吹いて倒れてね...暫く介抱して意識を取り戻したら今度はもうカンカンに怒ってさ...僕に何かあったら大変だって 僕は...まぁ...嫌だけど不死だからさ...大丈夫だって言ったらクロノスの事を持ち出してね...」

美少女(担任)「あぁ...主神の息子だもんね...」

男3「うん 僕を利用としてお父さん達を害する事をするかもしれないって心配してね...だったら一緒に住めばいいってアングルボザが云ってくれたんだ」

男「そうなのか?女3」

女3「ええ ちょうどお茶をしてた時だったからね...倒れた時は私も驚いたわ 彼女は心配性で有名だったけどあそこまでとはねぇ... 私達で良ければ一緒にどう?って言ったら大賛成で...でも住む場所に困ってたらフレイヤ様が家に来ればいいっておっしゃってくれたからご厚意に甘える事にしたのよ」

女2「そして、私も一緒に住みなさいと仰られて...断る理由なんて無いから今に至るという訳だ」

美少女(担任)「なるほどなるほど...わかったよ!ありがとう」

男(メモ取り出して書くの速いな先生...)

美少女(担任)「(母さんに唐突に大事な事云われるからな...いつでもメモするようにしているんだ 母さんの事はいいとしていつでもメモ出来るようにする事は社会人として大切な事だぞ?)」ヒソヒソ

男「(そ、そうなんですか...分かりました...)」ヒソヒソ

男4「また内緒話か? 今日のお前達は変だぞ...」

男「い、色々あってね...」

男4「何かあったら俺達にも相談しろよな...ったく...」

ガラガラ

保健先生「そろそろ4限目の授業だけど大丈夫? 体育だからすぐに着替えないと間に合わないと思うけど...」

男4「えっ!?体育なのか!?次の時間 持って来て無いぞ...不味いな...」

男3「ハァ...君の事だから忘れると思って君の分の体育着も持って来てあるよ」

男4「マジかよ 最高だなバルドル お前が友達で良かった」

男3「現金なんだから全くもう...ほら、行くよ皆」

保健先生「(雲行き怪しかったから助け舟を出したけど...迷惑だった?)」ヒソヒソ

美少女(担任)「(いやいや、助かったよ...すまんな、フレイヤ)」ヒソヒソ

保健先生「(今度、学食奢ってくれれば良いわ)」ヒソヒソ

美少女(担任)「(了解)」ヒソヒソ

男「おーい 行くよ美少女ー」

美少女(担任)「今行くよー」

保健先生(ふふ...貴女なりに今の状況を楽しんでいるようね...アマテラス...)

走って行く美少女(担任)の姿を温かい目で見る保健先生なのであった

~1時間10分後 昼休み 校庭の広場~

メイド「ふぅ...こんなものかな...あー疲れたー」

学校に結界を張り終えて横になるメイド そこに足音が近付く

担任(美少女母)「ご苦労 女 ほら、受け取れ」

ポン パシッ

メイド「おにぎりか...ありがとうお婆ちゃん アマテラス様が神下ろししてるから仕方ないとはいえ、その姿だとびっくりするよ...」

担任(美少女母)「ふっ...まぁ、そう言うな 私とて好きでこんな事をしている訳じゃないさ...言い忘れていたが神力で人払いをしたから暫くここに誰も来んよ...」

そう言って担任(美少女母)は隣に座る

メイド「ん?私に何か話があるの? ん!これ、美味しいね お婆ちゃんが作ったの?」

姿勢を正しつつアルミホイルの塊を1つ空けて頬張るメイド

担任(美少女母)「ああ...本当は私が食べる為に持って来たものなんだがな...」

メイド「ゴホッゴホッ えぇ!? じゃあ、これ...お婆ちゃんの昼食!? 食べちゃ駄目なやつじゃない」

担任(美少女母)「多めに作って来たから安心しろ 快眠する為に作ってきた物だがお前の役に立つならそれでいい」

そう言いながらメイドの背中を摩る

メイド「それ、お腹いっぱいになってお昼寝する為じゃない...自分が校長だって事、分かってるの?!」

担任(美少女母)「こいつは手厳しいな...アマテラスに云われるならまだしも、お前に云われるとは...」

メイド「これでもかつては大巫女と呼ばれた身だからね...やるべき事はしっかりやるタイプだよ、私は それで?話って?」

担任(美少女母)「お前にとってとても大事な事だ 2つある」

メイド「そりゃ大変だ...続けて?」

担任(美少女母)「1つ目は勇者の世界の事だ 厳密には魔王娘と呼ばれる存在の事だ」

メイド「あぁ...あの子? それが私に何の関係があるの?」

担任(美少女母)「彼女があの世界の美少女にあたる存在だ」

メイド「ゴホッゴホッ えぇ!? でも、美少女って未来の男だよね? どうしてそれが...あっちの世界にも対応する存在として存在している訳なの!?」

驚きのあまり咽せるメイドの背中を摩りつつ担任(美少女母)はこう返す

担任(美少女母)「男が美少女に告白した日、男は美少女の存在を認めた ...本人にその気は無かったけどな だが、その事がきっかけで無意識で男と美少女の固有神力『革新』が発動した 革新と言っても意味が分かり辛いだろうから解説するぞ この場合での革新は、今ある物を他の物に書き換える事 つまり、全ての世界で美少女を確立させたんだ」

メイド「嘘!? そんな事が...あの日に起きたの!? 運命を変える力とは聞いたけどそこまでの力とは...ん?でもおかしいな...勇者さんからは2人の神力は『変革』だって聞いてるけど...」

担任(美少女母)「あぁ...それはきっと覚醒したばかりの男が混乱して言い間違えたんだろう...変革と革新はよく誤用されるからな...それに、変革の神力は他の世界の物だ」

メイド「変革の神力の持ち主も居るんだ...ややこしいね...」

担任(美少女母)「あぁ...天皇をやっているよ...」

メイド「はぁ!? 日本の象徴であるアレを!?」

担任(美少女母)「厳密には似て非なる物だがな お前が云ったのはあの世界では『表の天皇』と呼ばれる者だ 彼は『裏の天皇』 陰ながら日本の平和を守る為に戦う戦士とでも言えば分かるか?」

メイド「大変だな...下手すれば政治に関わる立場だし...」

担任(美少女母)「政治といえば内閣総理大臣である男も居るぞ」

メイド「総理大臣!? まさか、まだ他にもとんでもない職に就いてる男が居るとか言わないよね...?」

担任(美少女母)「勇者、王様、メイドとかだな」

メイド「メイドって...今の私の格好みたいな?」

担任(美少女母)「うむ、それだ 男が固有神力に覚醒するきっかけとなる時間を稼いだのが彼...いや、彼女か? まぁ、いい その存在だ」

メイド「何か面倒そうな事聞こえたけどまぁいいや...どうせそのうち会う事になるんでしょ?」

担任(美少女母)「否応にな」

メイド「やっぱりね...」

担任(美少女母)「話が逸れたから戻すぞ 魔王娘がもうすぐこっちに来る 理由は分かるな?」

メイド「勇者さんの誕生日を祝う為でしょ? ...もしかして...私に関係あるってのは...」

担任(美少女母)「お前と男、お前の弟の方だ それと、ツクヨミ 3人でこっちとむこうの世界を渡すゲートを作ってもらう ゲートだけなら神であれば誰でも作れるが、そうじゃない こっちで過ごした時間分、あっちで過ごした事になるように調整した物だ それを行きと帰りの2回な これは魔王娘本人に直々に頼まれた事だ しっかり果たせよ?」

メイド「うわー 凄い疲れるやつじゃない...この事は母さんには?」

担任(美少女母)「まだ言っていない 男には言ったがな 今日、お前達2人で祝う予定だろ? その時に伝えてやってくれ」

メイド「気乗りしないけど分かったよ...で?2つ目は?」

担任(美少女母)「お前...何で車持ってないんだ?」

メイド「なんだその事ね...私、旅してたでしょ?居る場所安定しないから持ってても意味無いし、それに普通車免許持ってないからね 理由が無いから持ってなかったんだ」

担任(美少女母)「大型免許持ってるから大丈夫だろ バス運転出来るし」

メイド「あぁ、あれね...随分と前にお世話になった場所で幼稚園のバス運転する必要があったから取っただけだよ まぁ、更新してるけど...」

担任(美少女母)「あの頃のお前は面白かったな...皆の為に頑張るだって張り切ってたし 教え甲斐があった」

メイド「そうそう...って、えっ? 何で知ってるの?」

担任(美少女母)「あの時、お前に教えたの私だぞ? 当時、教育職から離れていたからな...偶々、地方で教習所の教官をやっていたらお前が来て教えたという訳だ」

メイド「偶然にも程があるでしょ...」

一旦切ります

担任(美少女母)「まぁ、偶然であれ必然であれ私がお前の免許取得を手助けした事には変わりは無いさ それで? 大型免許持っている以上、車は運転する事ぐらい造作ではないだろう? まさか、運転のやり方を忘れたとか宣う事はあるまい? 今のお前の居住先は私が管理している物だ 充分車を停められるスペースはあるぞ?」

メイド「運転方法は覚えてるって...ただね...ほら、車って燃料定期的に入れに行かなきゃいけないでしょ? アレが面倒でどうも...それに、車検とか色々やりなきゃいけないしさ...そうなると、お金が今の倍は稼げないと駄目だし...」

担任(美少女母)「面倒って...はぁ...やはり、お前はツクヨミの娘だな...親子揃って面倒臭いって云うか...金なら私が出せばいいだけだろ 遠慮は不要だぞ? 私とお前は祖母と孫 別に援助した所で文句は言われまい」

メイド「その姿と声で云われると何か変な感じするなぁ...それに、ただでさえ助けてもらってるのにこれ以上してもらうのは流石にどうかと思うよ? 大体、私には自転車が合ってると思うんだよね 車は渋滞した時に動けないけど、自転車なら小回り利くから迂回して通る事出来るしさ」

担任(美少女母)「あぁ、その事で1つ言うべき事があった事を今思い出した お前な...多少は点検してるだろうが...自転車がボロボロだぞ? 此処に来る以前から大分使っているようだが...」

メイド「昔、お世話になった人に貰ったものでね...もう何十年前になるんだろう...随分昔のモデルだから、簡単な手入れしか出来なくてさ...部品交換したくても今の私には高くて出来ないし...」

担任(美少女母)「あそこまでガタが来ていると買い替えた方が良いな 思い入れがあるのは分かるが、それで怪我をされては私は疎か、お前の母親であるツクヨミ、そしてお前の弟や勇者が心配するだろ 分かった 車の件は諦めよう ただ、自転車は買い替えろ その分の費用諸々は私が出す 安心しろ、防犯登録なり面倒な事は全部やってやるから これくらいはやらせてくれ な?」

メイド「うーん...まぁ...お母さん達に迷惑掛けたく無いし...じゃあ...ご厚意に甘えさせて頂きます...」

担任(美少女母)「決まりだな じゃあ、今日の夕方には届くようにしておくから」

メイド「えっ!? 流石に早すぎない!?」

担任(美少女母)「私の人脈を舐めるなよ? ではな...そろそろ私は戻るとするよ お前はもう少しゆっくりしていけ」

そう言って立ち上がりながら、担任(美少女母)はメイドが食べ終えたおにぎりが入っていたラップを回収する

メイド「ごめんね...迷惑掛けちゃって...」

担任(美少女母)「気にするな それに、その言葉はツクヨミに言うんだな あいつの方が私の何倍もお前の事を心配しているぞ」

そう言い残して担任(美少女母)は校舎へ戻っていった

メイド「• • • • •」

一方その頃、生徒会室では...

男4「さぁ、現在 男3と女2のチームが2ポイント有利で進んでいます」

女3「ここから巻き返す事は充分可能なので他のチームも諦めないで下さいね」

女「...めっちゃ恥ずかしいんだが...」

そういう女は今日の主役と書かれたタスキを付けて椅子に座っていた

女2「安心しろ 企画を立てた私の方がもっと恥ずかしい というか、後悔している...あの時は疲れていて変なテンションだったからな...」

男3「まぁ、いいじゃないか 僕はいいと思うよ? ただ渡すのもつまらないし、クイズでポイントの高い順に女にプレゼント渡す順番決めるってのもさ」

女「だからって...さっきから私の事ばかりじゃないか...おい、進行のバカ夫婦 他に何か無いのか」

男4「バカは余計だ そうだな...じゃあ、こういう形になるが...後悔するなよ? 問題 昔、先生が幼い頃に女と喧嘩...」

ピンポン

女3「はい、男と美少女チーム」

美少女(担任)「おやつの最後の1つをどっちが食べるか」

女3「正解 ...何で分かったのかしら...」

男「(あの...先生...)」ヒソヒソ

美少女(担任)「(私だってそういう頃はあったんだよ!)」ヒソヒソ

美少女(担任)「おほん この前、偶々先生に聞いたからね それと女 後で覚えといてね...」

女「めっちゃ怖っ!」

男4「続けるぞー 問題 中学の頃、会長が...」

ピンポン

男4「はい 勇者と女4チーム」

勇者「デザートを無理矢理取った」

男4「正解 これは全文言った方がいいな 中学の頃、会長が給食時に女にした行動は何でしょう 答え、デザートを無理矢理取った」

勇者「以前、愚痴られたのを聞きまして...」

女「今は少なくなったが昔はマジで酷かったな...結構、楽しみにしてたの取られたし...」

美少女(担任)「それは...ごめん...」

女「気にすんな 今となってはそれも思い出の1つだよ 今こうしてここに居る事自体、私には有難い事だからな...」

男「女...」

女3「しんみりしていますが、クイズは続いていますよー 問題 男5が...」

男5「俺も問題に出されるのかよ!」ピンポン

女3「はい、男5と許嫁チーム」

男5「えーとな...姉さんに関してだろ? じゃあ...冷蔵庫に取っておいたプリンを黙って食べた」

女3「正解 情報提供元は先生ね」

女「お前か! あのプリン、楽しみにしてたのにー」

男5「今度、弁償するから今は勘弁してくれ...」

男3「食べ物で被害多いね...」

女「まぁ、姉と弟に挟まれているからな...昔からこういう事は多いよ...」

女3「ふーん...じゃあ、こういうのは? 1年前、先生のティーカップを割ったのは...」

ピンポン

女3「はい、勇者と女4チーム」

女4「...お母さん?」

女3「正解でいいわよね?」

男4「女4は女の事そう呼んでるしな 正解!」

男5「割ったの姉さんかよ!めっちゃ怒られたんだからな!あの時!」

女「うるせー いつも散々庇ってやってる身にもなれ!」

女2「人の事言えないな...」

男4「おっと、次で最後になります 正解したチームには3ポイント差し上げますよ!」

女「やっと終わるのか...」

男4「これは女の家族有利な問題だな...問題 昔、女が子育てをしていた時に1番困っていた事は?」

男5「俺は知らねえ...姉貴は?」

許婚カキカキ

男5「こんな時まで書くなよ!」

ピンポン

男4「おっ?答えられるか? 男と美少女チーム」

男「男7の好き嫌いの激しさ」

男4「正解! 因みに何で分かった?」

男「以前、女が云ってたのを覚えてたんだ」

女「言ったっけ?」

男「云ったよ!」

男(本当はさっき先生に教えてもらったんだけど...内緒にしておこう...)

男5「今書き終えるなよ! なになに? 女の障子をよく破った事?」

女「それは2番目だな いやーあの頃はよく障子貼り替えたっけ...」

勇者「意外ですね...メイドさんは兎も角、男7さんにそんな過去が...」

女「昔のあいつは手が焼けたんだよ だからこの前再会した時に全く変わっていて驚いたな...」

一旦切ります

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