【ガルパン】みほ「戦車道女子の私服」 (34)
優花里「あっ、西住殿!おはようございます!」
みほ「おはよう」
みほ「あっ」
みほ「優花里さんちって床屋さんだよね!?」
優花里「はい。そうですけど」
みほ「実家は美容系のお仕事ってことだよね!?」
優花里「まぁ、広い意味で言ったらそうなりますけど」
みほ「実は相談に乗ってほしいことがあって……」
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……
優花里「雑誌の企画で私服を披露しないといけない?」
みほ「うん……」
優花里「いや、西住殿の私服見たことありますけど全然オシャレだったと思いますよ」
みほ「あれね、転校するからって急きょネットで買った服なんだ」
みほ「しかもサイズ合ってないからあんま着たくないの」
優花里「黒森峰にいた時の服でいいんじゃないですか?」
みほ「あのさ、ネットで、プロ戦車道選手の服装がダサいみたいな記事見たことない?」
優花里「あー、まとめサイトとかでたまに見ます」
みほ「あれってほぼ黒森峰出身の人たちなんだよね……」
優花里「え、そうなんですか?」
みほ「黒森峰って一応戦車道界では名門でしょ?自分で言うのは何か恥ずかしいけど」
優花里「はい!もちろんです!」
みほ「だから生まれてこの方戦車道しかやっとことないみたいな人ばっか集まるんだよね」
みほ「オシャレする暇があったら戦車道!みたいな感じで、服装に気を使ってる者は軟弱者って風潮もあるの」
優花里「はぁ、そうなんですか」
みほ「一年中ジャージみたいな人ばっかりだし、かと思えば極端になってゴスロリ着る人とかいるし」
みほ「だから私もジーパンとシャツしか持ってないんだ」
優花里「でも、私もそこまでオシャレってわけじゃないですよ?」
優花里「武部殿とかに相談してみたらどうですか?」
みほ「したよ。沙織さんにも」
みほ「でもね」
……
沙織『絶対これ!インパクトも抜群だし!』
みほ『いや私服でこれ着てますっておかしくない?』
……
優花里「ウェディングドレスですか!?」
みほ「うん。それ着て撮影しろって」
優花里「それはさすがに……ですね」
みほ「で、優花里さんに相談したんだけど……」
優花里「……すみません!この話一旦持ち帰らせてください!」
優花里「というかあんこうチーム全体での案件にしませんか?」
優花里「私だけじゃ荷が重すぎるというか」
みほ「えーでも……」
優花里「武部殿も冗談で言ったんですよ!真剣にお話しすれば相談に乗ってくれますって!」
みほ「そうだね。麻子さんと華さんにも話聞いてみよう」
……
…
沙織「というわけで第一回みぽりんオシャレ化会議ー!」
華麻子優花里「いえーい!」
華「全員でお気に入りの服を持ち寄ってみました」
沙織「この中からいいと思ったの着てもらって構わないから」
麻子「私たちじゃ役者不足かもしれないがな」
みほ「みんなごめんね、なんか大事にしちゃって」
優花里「いえ、隊長はその高校を表す鏡ですから。オシャレな西住殿を皆さんに見てもらいたいです!」
みほ「ちなみにこれ、去年の雑誌ね。今の3年生が隊長に就任した時に特集された号なんだけど」
麻子「ダージリンさん、ケイさん、カチューシャさん、アンチョビさん、後は西住さんのお姉さんが載ってるな」
沙織「みんなオシャレだねー。各国のトレンドを上手く取り入れてるって感じするよ」
華「お姉さんは……割とシンプルな格好をされていますね」
優花里「黒いシャツにミリタリーパンツにドックタグのネックレスですか、なんか本当に軍人さんの私服って感じですね」
みほ「私が持ってる服も全部こういう系統なんだよね」
沙織「これだとオシャレって感じはちょっとしないかなぁ」
麻子「西住さんはどんな格好がしたいんだ?」
みほ「私は……正直どんなのがオシャレなんか全然わからないんだけど」
みほ「流行は抑えつつ、70年代80年代の懐かしさもあって」
みほ「見る人が見れば、おっ、この人オシャレがわかってるね、って思われるような、そんな感じの」
華沙織麻子「………」
みほ「えっ、ど、どうしたの?」
麻子「いや、そんなの難しすぎるぞ」
華「そういうのはモデルの方でないと出来ない表現かと」
沙織「てかそういうことを聞きたいんじゃなくて、どういうジャンルの服が着たいかって聞いたんだけど」
みほ「えー、じゃあちょっとギャル、みたいな感じ?」
優花里「ダメです!西住殿はそんな服装似合わないです!」
みほ「そ、そうだよね」
沙織「いや、意外とありかもしれないね」
ぎゃーぎゃーわーわー
麻子「……」ペラッ
麻子「ちょっといいか」
麻子「なんなんだこの雑誌、戦車道に関するインタビューじゃなくてパーソナルな質問ばかりじゃないか」
麻子「写真もグラビアみたいな撮り方で」
優花里「あぁ、その雑誌はファンの間でも賛否あるんです」
優花里「戦車のことは興味なくて選手をアイドル的な目線で応援している女の子向けの雑誌なんですよ」
麻子「いろんな層のファンがいるんだな」
みほ「昔からそういうファンの子多いよ。お姉ちゃんなんてバレンタインデーに段ボール5個分チョコ届いてたし」
沙織「マジ!?それもうジャニーズじゃん!」
麻子「まほさんはガチ恋のファン多そうだな」
華「ガチ恋ってなんですか?」
沙織「まぁ簡単に言うとその人と本当に付き合いたいっていうファンのことだね」
華「秋山さんは購読していないんですか?」
優花里「気になった選手が特集されている時は買ってますけど毎回買ってはいないです」
沙織「だったらさー、思いっきり媚びた感じでいいんじゃない?腋出してミニスカみたいな」
沙織「みんなそういうのが見たいんでしょ」
みほ「えぇ!?私普段そんなの着ないよ!?」
華「何を着たらいいかわからないならファンの需要に答える形を取ってもよろしいのではないかと」
麻子「かといって露骨すぎてもよくないと思うがな」
みほ「私ノースリーブもミニスカも持ってないんだけど……」
麻子「上なら私のを貸してやろう、ちょっと小さいかもしれないけどな」
沙織「下は私に任せて!キワッキワのやつ持ってるから!」
……
…
みほ「ど、どうかな」
麻子「おーいいじゃないか」
沙織「すっごい合ってる!」
華「ファンの方も喜びそうです」
優花里「……」ピピッカシャッ
沙織「コラコラコラ!盗撮してるファンがいるぞ!」
優花里「す、すみません。つい可愛くて」
優花里「あの、ちょっと腕挙げてもらっていいですか?」
みほ「こう?」チラッ
優花里「そ、そうです!」カシャシャシャシャシャ
華麻子沙織(……)
華麻子沙織(みぽりんの腋エロッ!!)
麻子「ちなみにパンツはどんなの履いてるんだ?」ピラッ
みほ「きゃっ!ちょっと麻子さん!」
麻子「すまんすまん、可愛い白パンだったな」
沙織(麻子ナイス!)
優花里「……」カシャッ
華「秋山さんそのアングルはさすがに……」
優花里「すみません!もうやめます」
沙織「ねぇパンチラ撮れた?」ヒソヒソ
優花里「はい、バッチリです」ヒソヒソ
沙織「じゃあ後で送って」ヒソヒソ
麻子「私にも送ってくれ」ヒソヒソ
華「すみません。私にも……」ヒソヒソ
優花里「じゃあグループ作ってLINEで送りますね」ヒソヒソ
みほ「この服装みんなに見られるのかぁ。ちょっと恥ずかしいなぁ」
……
…
優花里「西住殿可愛いなぁ」スッスッスッ
優花里「んっ?こ、これは!」
優花里(西住殿の腋に黒い点々が……)
優花里(これはまさか、俗にいう)
優花里(剃り残し!)
優花里「……これは私だけの秘密にしておきましょう」
翌朝
優花里(このまま西住殿にこの事実を伝えないでいいのでしょうか)
優花里(もし腋毛を生やしたまま西住殿が雑誌に写ってしまったら……)
優花里(選手をアイドル視しているファンもいると言いましたが)
優花里(現実には下衆な考えを持った人の方がたくさんいて)
優花里(その人たちにオカズを与えてしまう可能性があります)
優花里(しかし、腋毛が生えているので処理してくださいと直接言う勇気は私には……)
優花里「あっ」
優花里「西住殿!おはようございます!」コチョコチョコチョジョリッ
みほ「きゃあああ!!優花里さん!?」
優花里「……す、すみません。つい無防備だったもので」
みほ「もーう、ビックリした。おはよう」
優花里「あのぉ、取材を受けるのはいつなんですか?」
みほ「次の日曜日だよ」
優花里「あっ、そうだ!西住殿!ムダ毛の処理を怠ってはいけませんよ!足とか腕とか」
みほ「それは大丈夫。毎日お風呂で剃ってるから」
優花里「そ、そうですか。良かったです」
優花里(毎日剃っててこれってことは剃り方が甘くて毎日この状態ってことなんですね)
優花里「あの、土曜日って空いてますか?」
みほ「土曜日?空いてるけど」
優花里「西住殿の御宅に遊びに行ってよろしいですか?」
みほ「うん。いいよ」
優花里(不肖、秋山優花里。直接剃らせていただきます)
―――土曜日
優花里「お邪魔しまーす」
みほ「いらっしゃい」
優花里「西住殿!お風呂入りましょう!」
みほ「えぇ!?急になに!?」
優花里「お風呂です!汗をかいてしまっていて臭いで西住殿を不快にさせてしまってはいけないので!」
みほ「え、い、いいけど。どうぞ」
優花里「一緒に入りましょうよ!」
みほ「いやウチユニットバスだよ!?」
優花里「いいじゃないですか!裸で語り合いましょう」
みほ「そういうのって温泉でやるもんだよね……」
……
優花里「♪~」ゴシゴシ
みほ「せまっ……」
優花里「西住殿、背中洗いますよ」
みほ「うん、ありがとう」
優花里「あっ、そうだ!(唐突)」
優花里「西住殿!明日撮影ですよね!ムダ毛ムダ毛!」
みほ「えっ、あっ、そうだ。忘れてた」
優花里「……私に剃らせてもらっていいですか?」
みほ「えぇ!?いいよ自分でやるから!」
優花里「お願いします!西住殿の力になりたいんです!」
みほ「えぇ……」
優花里「お願いします!」(土下座)ゴボゴボゴボゴボ
ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ
みほ「いや優花里さん死ぬ死ぬ!溺れるから!」
優花里「剃らせてくれるんですか!?」
みほ「じゃあお願いするよ……お湯張った浴槽で土下座する人初めて見た……」
優花里「じゃ、じゃあ失礼します」
ジョリジョリジョリ
優花里「ふぅ……じゃあ反対側を」
ジョリジョリジョリ
優花里「爆弾解体完了しました!」
みほ「爆弾……?」
優花里「あっ、いえ!剃毛完了です!」
みほ「ありがとう優花里さん、やっぱり床屋さんって上手だね」
優花里「じゃあ私先に上がってもう帰りますね。月曜日に会いましょう。撮影頑張ってください」
みほ「えぇっ!?もう何がなんだか……」
そして雑誌の発売日……
沙織「買ってきたよー」
麻子「特集されてるのはアリサさん、逸見さん、ペパロニさん、ルクリリさん、クラーラさん、そして西住さんか」
華「クラーラさんは留学生なのに隊長をされるんですね」
沙織「みぽりんは……32ページか」ペラッ
沙織「えっ?」
麻子「なっ、なんだこれは!?」
華「アウターは流行りのチェスターコート、インナーは有名なブランドとボコがコラボしたチェックのシャツ!」
沙織「パンツはすらっとした足を強調するためにスキニージーンズ、靴は定番のコンバースの黒!」
麻子「オシャレ上級者しか扱うことの出来ないベレー帽と丸眼鏡、大人っぽさを出すためにイヤリング!」
華沙織麻子「これめっちゃオシャレなやつだ!」
華「流行りを取り入れてアクセントも付けて、更にみほさんらしいボコのアイテムも取り入れて……」
沙織「やばっ!なにこれ!これ私が求めてたやつだ!私がしたい格好だ!」
麻子「インスタとかWEARにこういう格好した人いっぱいいるぞ」
みほ「みんなごめんなさい!」
優花里「ど、どうしたんですか?私たちが提案していた服は……?」
みほ「あのね、取材のことがウサギさんチームにバレちゃったみたいで」
みほ「で、あの服着ようと思ってるっていったら全員から説教されちゃって」
みほ「それで吟味に吟味を重ねて結局こういう形になりました……」
みほ「ごめんなさい!」
沙織「いや、全然いいよ」
麻子「オタクに媚びてエロい格好しとけとか言った自分がすごく恥ずかしくなってきた」
華「ウサギさんチームってみなさんオシャレなんですね」
みほ「これ全部丸山さんの服なんだよ」
全員「えー!!!」
終わり
すみません、腋の件は全て忘れてください
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