【モバマス時代劇】『面影を求めて』 (18)

・シンデレラガールズで時代劇をするSSが流行っているらしいので便乗です

・時代劇ってよくわからないけど古い時代のお話を書けばいいんですよね?


※作者は本家モバマス時代劇の人ではなくパチモンです

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……きて……おきて…うづき…

…まむー!……あさだぞー…


凛「起きて卯月。朝だよ」

卯月「ふわぁ!?」

未央「お、しまむー起きたねー!」

卯月「すみません。また寝坊しちゃいました…」

凛「今日はのんびりでいいよ。村の男たち、明け方には仕事に出ていったし」

卯月「仕事?ああ、予定通り出立したんですね」

未央「うん。うちの兄貴やお父さんも張り切って夜明け前に出てったよ」



未央「マンモス狩りに!」

卯月「うまくいけば、数日後にはお肉が食べられますね!」

未央「うまくいくといいんだけどね~」

凛「なんにせよ、それまで村の女たちは木の実や食べられる草を集めてようよ」

卯月「はいっ!島村卯月、今日もお仕事がんばります!」

未央「お、しまむー張り切ってるねー!」

凛「それじゃあ朝ご飯も兼ねて森に行こう。木の実を集めに」

卯月「はい、行きましょう!」

【森】

卯月「木の実、たくさん落ちてますね」

未央「うーん、でもこの木の実の殻、固くてなかなか割れないなぁ」がちがち

凛「この木の棒で何回も叩いてみたら?」

未央「やってみる!」

コンコンコンコンコンコンコンコン

未央「ん?」

コンカコンカコンカコンコンコンカコンカコンコン♪

未央「ねぇしぶりん!しまむー!これ、なんか一定の間隔で叩いてたらなんか楽しいよ!」

コンカコンコンコンカコンコン♪

卯月「はい!なんだかウキウキしちゃいます!」

凛「不思議だね…」


こうして人類史上初の『リズム』が誕生した!!

コンカコンカコンコンコンカコンカコンコン♪

凛「……」

凛「…フンフン♪フーン♪」

卯月「あれ?どうしましたか凛ちゃん?」

凛「あ、いや、なんだか木の実の殻を叩く音を聞いてたら、自然と出てきちゃって」

凛「こうして声を出してると、なんだか気持ち良いんだ」

フンフン♪フーン♪

未央「なんかキレイだね!」

卯月「はい!心が落ち着きます!」


こうして人類史上初の『歌』が誕生した!!

コンカコンカコンコンコンカコンカコンコン♪

フンフン♪フーン♪フンフフーン♪

卯月「……」うづうづ

卯月「な、なんだかその音と声を聞いていると、体が自然と動くような…?」

未央「自然に動く?どんな感じに?」

凛「ちょっとやって見せてよ」

卯月「はい、えっと、よくわかりませんが、こんな感じに…」くるくる

くるくる くるくる くるくるくるくる

卯月「あ!これ楽しいです!その音と声に合わせて動くと、すっごく楽しいですよ!」くるくる

未央「なにそれ!私もやりたい!」

凛「私も!みんなで交代でやろうよ!」

卯月「はいっ!みんなでやりましょう!」


こうして人類史上初の『ダンス』が誕生した!!

【数日後】

「おーい!男たちが帰って来たぞー!」

「マンモスが狩れたぞー!」


卯月「皆さん無事に帰って来たみたいですね!」

凛「マンモスも大きいのが狩れたらしいよ」

未央「それじゃあ今夜はお肉かな!?楽しみー!」


「宴だぁあああああああああ!!!」

「今夜はマンモス肉だーーッ!!!」

凛「今夜は宴だってさ」

未央「ねぇ二人とも。この前やった楽しいやつ、宴の席でみんなでやってみない?」

卯月「いいですね!アレ楽しいから、みんなにも教えてあげましょう!」

凛「そうだね。宴の時にやってみよう」


【その夜・宴】


「マンモス肉うめー!」

「肉うめえ!……でも、肉食うだけじゃ何か物足りないような…」


未央「みんなー!聞いてー!」


「なんだなんだ?」ざわざわ


卯月「私たち、この前森ですごく楽しいことを見つけたんです!」

凛「今からやるから、みんな見ててね」

コンカコンカコンコンコンカコンカコンコン♪

フンフン♪フーン♪フンフフーン♪

くるくる くるくる くるくるくるくる


「なんだ!?なんだあれは!?」

「心が躍る…!」

「美しい…!!」

「楽しい…!!!」

「この感情は、いったいなんだ!?」


未央「フンフン♪フーン♪」コンカコンカ

凛「フンフフーン♪」コンコンコンカ

卯月「フンフンフーン♪」くるくるくるくる


「わー!わー!もっとだ!もっとやってくれー!」
「楽しい!楽しい!もっと見たい!また聞きたい!」
「素晴らしい!素晴らしい!」

わぁぁぁぁ!わぁぁぁぁ!



こうして人類史上初の『アイドル』が誕生した!!

凛「なんだか大盛況だったね」

卯月「はい!みんな楽しそうで、やって良かったです!」

未央「村長が『宴のたびにやって欲しい』ってさ!」

卯月「私も村長さんに『今度は綺麗な服を着てやってくれ』と言われました。服を用意してくれるそうです!」

凛「『音を鳴らす役を別の人にして、三人は声と動きだけして欲しい』とも言ってたね」

未央「ん~~!次回が楽しみですなぁ!」ワクワク


【数年後】


卯月「 」
凛「 」
未央「 」


村長「ああ、そんな……巫女たちが、そろって流行り病で…ッ!!」ガクッ

「そんなぁあああ!!」
「ああっ!巫女様ぁ!!」
「卯月様!凛様!未央様ぁ!」
「そんな…それではこれからは宴で巫女様たちのアレが無くなってしまうのか…?」

村長「なんという事か…今まで巫女様たちとみんなで楽しんできたものが無くなるだけで…」

村長「こんなにもみんなの心にぽっかりと穴が空いてしまうなんて…」

村長「もうみんなでアレは出来ないのだろうか…?」


「できるよ」


村長「!!?」

村長「お前たちは…?」


村の女の子A「私たち、巫女様にアレのやり方教えてもらったんです!」

村の女の子B「私たちなら、またアレをできるかもしれない」

村の女の子C「巫女様たちのこと、私たち忘れたくない!!」


村長「おお、おお、娘たちよ…お前たちが巫女様たちの代わりをするというのか?」

村長「そうだ…どことなく三人とも巫女様の面影がある…」


「ああ、そうだ!みんなでやろう!」
「みんなでまたあの楽しい時間を作ろう!」
「巫女様を!巫女様と私たちとの楽しい時間をずっとずっと続けよう!」


村長「そうだ。続けよう。あの楽しい時間を!巫女様たちの思い出を忘れずに!!」



こうして人類史上初の『偶像崇拝』が誕生した


彼女らの面影は、今もなお受け継がれているのかもしれない…


時代劇が古い時代のお話って事しかよくわからなかったので、
とりあえず可能な限り古い時代の話にしてみました!!!!!


この辺で終わっときます

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