晶葉「できたぞ助手! アイドルがメス猫になるスイッチだ!」 (30)



 ・下品です。


晶葉「できたぞ助手! アイドルがメス猫になるスイッチだ!」

P「…………………………」

晶葉「できたぞ助手! アイドルがメス猫になるスイッチだッ!」

P「音量上げなくても聞こえてますよ」

晶葉「ならばなぜいつものようにノってこない?」

P「メス犬スイッチという忌まわしい前例があってだな」

晶葉「心配ご無用! 今回はアイドルの精神だけがメス猫になる仕様だ!」

P「さすがあきえもん! 失敗から原因を学び取ることで次の成功をつかみ取るゥ! 昨日の自分への飽くなき挑戦こそが、人間が人間として成長するプロセス! そして己の限界を突破するサクセス! まさに失敗は成功の母! そうだお前が新時代のトーマス・エジソンッ!」

晶葉「マッドサイエンティストA・Iに不可能はない! それにしても疑惑と不審に満ち満ちた眼差しが、まさかまばたき一つでこうも変わるとはな! じつに輝かしい目ではないか! 見事なまでの手の平返し、かの佐々木小次郎も瞠目するだろうよ!」

P「翻雲覆雨! 翻雲覆雨!」

晶葉「うむ! しかし裏を返せばそれはつまり手が早いということである! 生き馬の目を抉り抜くこのアイドル業界にあって、その俊敏さはまさに生存力の証! 誰が何と言おうとその軽薄さを私は笑わないぞ、助手! では受け取るがいい! メス猫スイッチだ!」

P「よし! 良しッ! 善ォしッ! これさえあれば! アイドルを撫でまわしすぎた挙句、うっとうしがられてフシャァァァ! って言われながら! 猫パァンチッ! 桃華に! 舞に! 薫に! あのちんまい指で! ぺちーんってしてくれる! ああ、生きているってこんなにも素晴らしい!」

晶葉「うむ。なかなか歪んだ願望を持っているようだが、決してアイドルに手を出そうとはしないその姿勢! それでこそ我が助手である! では行くがいい、助手よ! 失敗を成功へのステップに変えた私の努力と根性! しかとその目に焼き付けよ!」

P「曇りなき眼で見定め 決める」

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 ――事務所――

みく「あっ、Pチャン。おはようにゃ!」

P「猫といえばみく。みくといえば猫。これがシュタインズ・ゲートの選択だよ」スッ

みく「そ、それは晶葉チャンのスイッチ……まさか、Pチャン……そのスイッチを使って、みくにえっちなことするつもりなんでしょ!? 比奈チャンが書いてる薄い本みたいに!」

P「しねえよ」ポチッ

みく「にゃっ!? にゃ……ふにゃあ……」ゴロン

P「荒木先生にはあとで事情聴取するとして、それにしても目を見張るほどの即効性である」

みく「…………にゃ~ん」ゴロゴロ

P「ソファでくつろいでおられる……まじでネコだなこれ。みく、おいでー」

みく「むしろお前が来いにゃ」

P「えっ」

みく「何を呆けてるにゃ。このみくにゃん様がせっかく撫でさせてやろうと、こうして腹を見せて待ってやっているというのに……鈍いヤツだにゃ」

P「うん、待ってね? ちょっとライフライン使うから」ピポパポ

晶葉『なんだ、助手』

P「あのさ、晶葉。さっきのスイッチみくに使ったんだけどさ……みくがしゃべってる」

晶葉『ユカタン半島』

P「いや、だから。猫になるスイッチなのに、しゃべったらおかしいじゃん?」

晶葉『精神だけ猫になるスイッチだぞ。脳の構造は人間のままだ。しゃべれないほうがおかしいだろ』

P「晶葉ァアアアッ! よくもだましたアアアア! だましてくれたなアアアアア!」

晶葉『!?』

P「俺は! きまぐれな! メス猫になった! アイドルに! 猫パンチされたかったのに!」

晶葉『お、おう……では次はそこを改良しよう。報告ご苦労』プツッ

P「くそ……男の純情をもてあそびやがって……」

みく「なんだ、猫ぱんちされたかったのかにゃ」

P「おう。できれば構いすぎた挙句の上で、うぜぇんだよテメェみたいな目でさげすまれつつも、一抹の配慮を感じられる力加減で殴られたかったですハイ」

みく「注文多くね? まあいいにゃ。こっちに来てみくを撫でるにゃ」

P「撫でたら猫パンチしてくれる?」

みく「それはお前次第なのにゃ。みくの気が済んだら、一発くらいならお見舞いしてやってもいいにゃ」

P「フシャーッ! って言いながら殴ってくれる?」

みく「はいはいはいはい。殴ってやるから、まずはみくがイヤというほど撫でまわすにゃ」

P「オーキードーキー」

みく「やっと来たのにゃ。いいから座るにゃ」

P「で、俺は何をすれば?」

みく「座れっつってんだろ」

P「アッハイ」

みく「それでいいにゃ。忠実な僕には、みくの枕になる栄誉を与えてやるにゃ♪」

P「膝枕っすか」

みく「うむ、くるしゅうない。では撫でろ。まずは頭からにゃあ」

P「こうでしょうか」

みく「ん~、悪くないにゃ。でももう少し指先に愛情を込めてもいいのにゃ。あといつも頑張ってるみくに対して、プロデューサーとしてなにか言うことがあるんじゃないかにゃ?」

P「いつもありがとな、みく。仕事でしんどい時にも、みくを見てると元気が出てくるよ。これからもよろしくな」

みく「……さらっと言いやがったにゃコイツ……///」

P「なんか言ったか?」

みく「な、なんでもないにゃ。というか左手がお留守にゃ。背中も撫でるにゃ」

P「みくにゃん様の仰せのままに」

みく「うにゃぁ~♡」

美波「おはようございます」

蘭子「煩わしい太陽ね!」

アーニャ「ドーブラエ・ウートラ。おはようございます」

みく「おはようにゃあ」ゴロロロロ

P「おう、おはよう」ナデナデ

みく「あっ♡ そこ、そこにゃ♡ もっともっとにゃ♡ んにゃあ♡」

美波「」

蘭子「」

アーニャ「」

蘭子「と、ところで我が友よ。あまりの衝撃ゆえに我が魂すら黄泉をさまよったが、なぜそなたはチェシャ猫を愛でておるのだ?」

P「それは説明すると長くなるんだが……」

みく「コイツは自分の欲望のために、みくをこんなふうにしたのにゃあ」

美波「男性プロデューサーが、自分の欲望のために担当アイドルを……まさか、事後!?」

P「おいやめろ」

みく「Pチャンがそんな畜生なら、とっくにこの事務所は更地になってるにゃ」

美波「そ、それもそうね……ごめんね、みくちゃん。でも、あんまりにもその……仲が良さそうだから……仲良ししたのかなって……///」

みく「躊躇なく隠語ぶっこんでくるのやめろにゃ」

アーニャ「ジゴ?」

蘭子「なかよし?」

P「二人はまだ知らなくてもいいんだぞー」

美波「そんな、プロデューサーさん……いつか二人に教えるつもりで……!?」

P「俺をスケベ魔人にしようとするその積極的な姿勢やめーや」


蘭子「メス猫になるスイッチとな……マッドサイエンティストめ、また奇怪なモノを」

美波(猫パンチされたい。つまりプロデューサーさんはマゾ。美波、覚えました)

アーニャ「なるほど。事情、わかりました。ではアーニャが、プロデューサーの願い、叶えます」

P「えっ、いいの?」

アーニャ「はいっ! アーニャ、いつもプロデューサーに、お世話なってます。恩返し、したいです。それに、アーニャ、パパにうんと教えてもらいましたから……きっと、上手にできます、ね?」

P「うーん、手の平をキュッと握りしめて、にこって笑うアーニャはかわいいなあ……でもその握り方って、すっげぇナチュラルだけど殺人拳なんだよなぁ……パパスタシアさんは娘に何を教えたのかなあ……」

アーニャ「それじゃあスイッチ、押しますね?」

美波(アーニャちゃんがネコに……じゃあ私はタチにならなきゃ……!)

P「あ、ちょっと待って。そういえば晶葉に詳しい効果範囲聞いt」

アーニャ「えいっ」ポチッ

P「押しちゃったかぁ」

アーニャ「…………」

蘭子「………………」

美波「………………」

P「嫌な予感しかしないっすねぇ」

みく「自業自得にゃ」

あにゃすたしあ「……ニャー♪」

神崎にゃん子「にゃあ……?」

新田みにゃみ「にゃんっ♡」

P「オイオイオイ」

みく「死ぬわアイツ」

P「他人事とはさすがみくにゃん様! 危ういと見るや否やすでに避難済み!」

みく「君子危うきに近寄らずというにゃ。名残惜しいけど、みくには李衣菜ちゃんがいるにゃ。Pチャンは用済みだにゃ」

P「見捨てないで!?」

みく「仕方ないにゃあ。みくのとっておきの猫チャンのおやつをくれてやるにゃ。これでなんとかしろにゃ」ポイッ

 ――CIA○ちゅーる

P「ありがとう、みくにゃん様! ところでこのスティックパックどうすればいいの!?」

みく「自分で考えろにゃ」プイッ

P「吐き捨てて去ってゆくその後ろ姿! キュートなのに最高にクールだぜ前川ァ!」

あーにゃ「プロデューサー、それよりもアーニャを見てください。そして撫でるです。たくさん。にゃあ」

にゃん子「私も撫でてほしいです。いつもみりあちゃんとか莉嘉ちゃんばっかり……ずるい! 私だっていい子いい子してほしいのに! にゃお!」

みにゃみ「プロデューサーさんは小さい子ばかりひいきにするから……今日はみんなで、たくさんにゃん♡にゃん♡してもらいましょうね♪ にゃぁ~ん♡」

P「待って待って待って。落ち着こ? ほら、みくからもらったおやつあるから、これで」

みにゃみ「あ、それ知ってます。猫がちゅるちゅるするやつですよね。直接あげたり、餌に塗ったり、手に付けたりする、あの」

P「お、おう! そうらしいな!」←無知蒙昧

みにゃみ「ということは……つまり、それを塗りたくったプロデューサーさんの色んな所をおしゃぶりすればいいんですね?」

あーにゃ「それはとても素晴らしい、ですね! さっそく、ヤりましょう!」

P「落ち着いて。アーニャさん、落ち着いて。わーお。信じられないほどの握力で俺の手首をロックしないで。やめて、ひったくらないで。あっ」

あーにゃ「あっ」グッ

 ビュルルルルッ

P「目がぁ、目がァ……ッ!」

にゃん子「プロデューサーの顔に……いい匂いのする、どろどろしたのが……いっぱい……///」

あーにゃ「ごめんなさい、プロデューサー。チカラ、入れすぎてしまいました……」

みにゃみ「いいのよ、アーニャちゃん。むしろ最高のBUKKAKEだったわ!」

あーにゃ「そうですか? でも、こんなにプロデューサーを汚してしまって……」

みにゃみ「ええ。だからこそよ。私たちで責任を取って、プロデューサーをしっかりキレイにしてあげないと!」

あーにゃ「アー、なるほど……そういうコト。わかりました。このままだとシミになってしまうかもしれません……だから、アーニャと、ミナミと、ランコで、ぺろぺろちゅっちゅ♡ ですね?」

P「待って待って待って待って待って」

あーにゃ「あきらめてください、プロデューサー。アーニャ、関節技ではパパにも抜けられたこと、ないです」ギリギリギリギリ

P「あっ、凄い! ホントだ! ちょっとでも外そうとすると全身がバラバラになっちゃうヤツだコレ!」

にゃん子「じゃあ私は……ほ、ほっぺた……で……///」

みにゃみ「私はシャツについたのを吸い取っちゃいます♡」

あーにゃ「では、アーニャは後ろから、プロデューサーの首筋と耳を、食べる、しますね♪」

P「あっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっ♡」

晶葉「できたぞ助手! アイドルとのコミュニケーションが必ずパーフェクトになるスイッチだ!」

P「さすがあきえもん! 連日連夜の過酷業務にすり減った神経ではまともなコミュニケーションさえままならない俺を気遣うその姿勢! 恐怖と混沌を振りまくマッドサイエンティストでありながら、仲間への優しさを忘れない! そこに痺れる憧れるゥ!」

晶葉「マッドサイエンティストA・Iに不可能はない! なに、これも助手のプロデュース業が円滑に行われることによって、私との実験検証の時間も増えると見込んでのこと! 情けは人の為ならずということだ、助手よ! では受け取るがいい! パーフェクトコミュニケーションスイッチだ!」

P「相互利益! 相互利益!」

晶葉「ふはははは! これぞまさにパートナーシップ! ちなみにスイッチは一度押すと数時間は効果を発揮するぞ! では行くがいい、助手よ! アイドルとパーフェクトコミュニケーションしまくってくるがいい!」

P「よっしゃあああああ! 事務所の輝かしい未来が待ってるぜぇぇぇぇえええええ!」ポチッ

 ――亜音速疾走

P「さて……では最初のパーフェクトコミュニケーションは……おっと」

心「……だから、どうしてそんな勝手なことするんだよ! はぁとはアイドルなんだぞ!? いや、その……はぁとの白無垢を見て一目惚れとかいわれても……確かに嬉しいけど! でもお見合いとか……いきなりそういうのって困るし……だいたい、はぁとにだっていい人くらいいるんだからね!?

 た、ただ……その、アイドルだからまだ紹介できないけど、ちゃ、ちゃんといるから……! ほ、ホントだって☆ はぁとがいままでよっちゃんにウソついたことあった? ないよね? はぁと、精いっぱいお姉ちゃんしてるもんね☆ うん、うん……信じて。お願い。それじゃ……また連絡するから……」

P「終わった?」

心「おおう!? プロデューサー、いつからそこに!? っていうか……聞いてた?」

P「うん、まあ」

心「も、もう……いけないんだぞ☆ 乙女の秘密を盗み聞きなんて。大目にみてやるからいますぐ忘れろ☆」

P「俺もそうしたいのはやまやまなんだがな……佐藤、お前、恋人がいるのか?」

心「えっ」

P「だってさっき、紹介できないけどいい人がいるって……」

心「あ……あー! あれは! その……えっと……ウソじゃないけど、ウソだから……」

P「どっちなんだ?」

心「ぇぅ……あ、あの……そう! はぁとは恋する乙女だからぁ☆」

P「片思いってことか?」

心「ごまかされろよ☆ てかなんでこういう時だけ察しがいいんだよお……」

P「プロデューサーだからな。それより、まあ。なんだ。ウチは恋愛禁止してるわけじゃないし、お前のファン層からして恋愛に反対する人は少ないと思うが、進展があったらちゃんと報告してくれよ? 用意とかあるからな」

心「それは、うん。だいじょうぶかな。きっと片恋で終わるから」

P「……そうか。お前がそれでいいなら俺は何も言わないが……本当に、いいのか?」

心「いいの。だって、その人だって迷惑だろうし。もう二十六にもなって、こんなナリで、家事も苦手で、ぶりっこで、わがままで、臆病で。変わりたいって思っても……はぁとは、こんなふうにしか……なれなかったんだもん……ぐすっ……」

P「まあ、確かに佐藤の言うとおりだな」

心「……オイ、そこはウソでもいいから慰めとけよ☆」

P「嘘のつけない男ですまん。けどな、佐藤。お前は自覚ないかもしれないけどな、二十六歳で家事もできなくて頭の中もスウィーティだけど、お前の笑った顔は、そのマイナスを全部プラスにしてもまだおつりがくるんだぞ?」

心「……ほんと?」

P「ああ。それに家事とかは経験でなんとかなるもんだ。人間、大事なのは内面だ。外側は取り繕えても中身はいじれない。佐藤の中身は綺麗だと俺は思ってる。年少組に対する接し方とか見てればわかるさ。うん、だから、佐藤はいいお嫁さんになれる。俺が保証するよ」

心「プロデューサー……」トゥンク

P「だから、自分を信じろ。な?」

心「……いつか、また……ううん。今度こそ、本当の白無垢姿……みんなに見せてあげられるかな?」

P「おうともさ。佐藤は素敵な女の人なんだから」

心「そっか。ありがと、プロデューサー……///」


 ――パーフェクトコミュニケーション!

P「いやー、すっげーわ。パーコミスイッチ。オートモードで進んでくからADVみたいだわ。見てるだけでパーフェクトとかチートすぎるぜまったく。この調子でガンガンいこうぜ。さてお次は、っとぉ……」

美優「――――はぁ」

P(あれは確か、美優さんのウェディングドレスが載ってるブライダル情報誌の見本誌……昔の仕事でため息をついてるのか? いかん、ここはプロデューサーとしてパーフェクトコミュニケーションせねば……!)

P「美優さん、どうかしましたか?」

美優「Pさん……あの、少しだけお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

P「もちろんです。どうかしたんですか?」

美優「その、先日……ですね。ふとしたきっかけで、両親に聞かれたんです。将来のことは、ちゃんと考えてるのかって」

P「人生設計ということですか?」

美優「はい。私ももう二六歳ですし……アイドルというお仕事をやらせてはもらってますけど、芸能界は浮き沈みが激しいので、両親はそういうところを心配しているんだと思います。もし、アイドルが続けられなくなった時はどうするのかって……以前のようにOLに戻るくらいなら、早いうちに身を固めたほうがいいんじゃないかと言われまして……」

P「まさか、お見合いを……」

美優「あっ、いえ、そこまで話が進んでいるわけではないんです。人生は山あり谷ありで、幸せになるためには、選べる道はたくさんあったほうがいいというのが親の考えですから……アイドルじゃなくなっても幸せになれるようにしておきなさい、って言いたかったんだと思います。

 それで……もしこのお仕事が続けられなくなったとき、どうやって生きていけばいいんだろうって考えてしまって……私、不器用ですから……もう、結婚くらいしかないなって思ってしまって」

P「それで、昔の仕事を振り返ってたんですか?」

美優「はい。でも、やっぱりダメですね……知らない人との結婚生活というのが想像できなくて……それに、男女の出会いっていうんですか? ああいうのも全然わからないですし……恋愛の駆け引きとか、知らないですし……結婚なんてできるのかなって……」

P「それは大丈夫だと思いますよ。男が結婚相手に求めてる条件を美優さんはすべてクリアしてます」

美優「えっ? そ、それはどういう……」

P「そのままの意味です。ちょっと俺のことを仕事から帰ってきた亭主だと思って、おかえりって言ってみてください」

美優「えっ……ぁ、はい……/// お、おかえりなさい、あなた……♡」

P「たまんねえなコレ」

美優「こんな感じでいいんですか……?」

P「うーん、一〇〇点満点でいうと五〇〇〇兆点くらいですね」

美優「それはさすがに過大評価では……///」テレテレ

P「じゃあ次は、そうですね。休日に何もする気が起きなくて、ソファでぐだってる亭主を見て、美優さんはどうしますか?」

美優「……ひざ枕、でしょうか?」

P「あのねえ、美優さん。そんなんされたら男はイチコロなんですよ? 自覚あります?」

美優「えっ……? す、すみません……あれ、でも……ときどき、Pさんにしてますよね? ……その、ひざ枕……」

P「大変お世話になっております」

美優「じゃ、じゃあ……Pさんも……イチコロ、なんですか……?」

P「されるたびに結婚してえなぁって思うくらいにはイチコロですよ?」

美優「そ、それって……つ、つまり……///」

P「あっ、勘違いしないでくださいよ。あくまで思うだけです。アイドルとプロデューサーなんですから、それ以上はとてもとても」

美優「…………そう、ですか……すみません。舞い上がって……私、馬鹿みたい……」

P「けど、そうですね。もし美優さんが何らかの事情でアイドルを続けられなくなったとしたら、その時はキッチリやらせてもらいますから」

美優「……なにを、です?」

P「そんなの決まってるじゃないですか。一世一代のプロポーズですよ」

美優「Pさん……!」トゥンク


 ――パーフェクトコミュニケーション!

P「……うん。今気づいた。これやべえ。まじやべえ。オートモードだから自分で制御できない。たぶん会話イベントが発生した瞬間に、強制的に前後不覚になる。そして途中で第三者にインターセプトされない限り、その会話イベントから発生しうる最高のパーフェクトコミュニケーションが発生する……絶対やばいってこれ……業務は分身に任せて、スイッチの効果が切れるまでどこかに身を潜めないと……」

ありす「やはりここでしたか、Pさん」

P「あ、ありす!? どうしてここに!?」

ありす「スマホにGPS機能がついてることを知らないんですか? それより、説明してください。美優さんにプロポーズしたそうですね」

P「それは違うぞ、ありす。限定された条件下でプロポーズすると約束しただけで――」

ありす「詭弁はやめてくださいッ!」

P「あ、ありす……?」

ありす「待てるって……言ってくれたじゃないですか……っ……それともあれはうそだったんですか!? 子供だからって私を騙したんですか!? こんなにも! こんなにもあなたのことが好きなのに! 子供だからって……それだけで相手にされないなんて、ひどすぎます!」

P「ありす、聞いてくれ。正直にいえば、お前の好意は嬉しい。でも応えるわけにはいかない。いいか、人間ってのは変わるもんなんだ。ましてやお前はまだ一二歳だ。心も身体もまだ幼い。四年後なんてどうなってるかわからない」

ありす「変わりません! 変わるわけがないです! あなたが、あなただけが……ひとりぼっちだった私を見つけてくれた……! この手をつかんでくれた……っ! あなたへの想いが変わることなんてありません!」

P「いいや、変わる。絶対に変わるんだ、ありす。なぜならお前は成長しているからだ。俺はのびのびと大きくなっていく橘ありすが見たいし、ファンの人にも見てほしい。人と触れ合って、友達と遊んで、社会と向き合って、笑ったり、泣いたり、悩んだり、頑張ったりして、どこまでも大きくなっていくお前を知ってほしいんだ」

ありす「……知ってますよ、そんなの。あなたはいつだって私を見守ってくれてる……だから、私だって待てると思った……なのに! 美優さんとプロポーズの約束なんてして……! 嫌です! 私が大人になる前に、私の手の届かないところにいかないでください! 約束してください! 私が、せめて……美優さんと対等の条件になるまで……プロポーズしないって……やくそく、して……くだひゃ、ぃ……ひぐっ……ぇぐ……」

P「ああ、約束だ。ありすが大人になるまで、俺は誰とも結婚なんかしない」

ありす「ほんとう、ですか?」

P「本当だとも」

ありす「P、さん……! Pさん……っ! 大好き!」


 Tulip
 作詞:森由里子
 作曲・編曲:石濱翔(MONACA)


ありす「…………ん、っ……はっ、はぁ……♡」

P「」

ありす「誓いのキス、です……/// 続きは、私が大人になったあとで……♡」


 ――パーフェクトコミュニケーション!

晶葉「おや? どうした、助手。こんな時間にラボに来るとは珍しいじゃないか」

P「あきえもん……助けて……もう無理……死ぬ……」

晶葉「おいおいなんだ、精も根も尽き果てたような顔をして。エナドリの静注でもするか?」

P「そうじゃないんだよ……パーコミスイッチのせいで、俺の人生がやばいんだよ……」

晶葉「事務所の輝かしい未来が待っているのではなかったのか?」

P「知らなかったんだよぉ……あんなことになるなんてぇ……晶葉ぁ……このままじゃ血の雨が降るよぉ……助けてよぉ……」

晶葉「まったく、しょうがない助手だ。どんな状況になってる?」

P「プロポーズの約束したり、婚姻届にサインしたり、こっちに出張してた巴のお父さんと盃を酌み交わしたり、ウサミン星の移民審査とか受けたりしたけどさ……やばいのはLiPPS全員にそれぞれ合鍵渡したあと、家に帰ったらさ……八時になる前に全員集合しててさ……」

晶葉「ザ・ドリフターズ」

P「死にたくねぇ……死にたくねえよぉ……」

晶葉「あーもー泣くな泣くな。こんなときのために私だろう」

P「うっ、うっ……晶葉ぁ……でもいくら晶葉でも今回は無理だよぉ……」

晶葉「愚か者め。マッドサイエンティストA・Iに不可能はないのだ。これを見るがいい」

P「そのスイッチは……いったい?」

晶葉「うむ。助手の運命はまさにゴルディアスの結び目。何者にも解けぬ、複雑怪奇に絡み合う縁だ。しかし私に不可能はない。少々手荒な方法になるが……なに、心配することはない。かのアレクサンドロス大王を見習うだけだ」

P「かなり嫌な予感しかしないんですがそれは」

晶葉「ふはははは! 刮目せよ! これこそがすべてをなかったことにするスイッチである!」

P「少々どころじゃなく手荒な手段が提示されたァ!」

晶葉「マッドサイエンティストであるが故に! ただし、このスイッチには致命的な欠陥が存在する! それは本当に何もかもをなかったことにしてしまうため、私自身にすらスイッチの成否を観測できないことである!」

P「宇宙の法則が乱れるやべーやつ!」

晶葉「イグザクトリィ! では行くぞ助手よ! フゥーハハハハハッ!

   わたしは 狂気の天才科学者 池袋晶葉

   すべての記憶 すべてのそんざい すべての次元を消し

   そして わたしも消えよう 永遠に!!」ポチッ






P「……………………う、ん……?」

晶葉「どうした、助手」

P「いや、なにか……立ちくらみ? が……」

晶葉「不摂生ばかりしているからだ。それより助手、間もなく完成だぞ」

P「おっ。今度はなんのスイッチなんだ?」

晶葉「ふっふっふ……あと十秒待っていろ。ここを繋いで……電池を入れて……よしっ!

   できたぞ助手! アイドルとのコミュニケーションが必ずパーフェクトになるスイッチだ!」

晶葉「できたぞ助手! アイドルが汗だくになるスイッチだ!」

P「さすがあきえもん! 暑さも日増しに厳しくなりそうらえば、生い茂る若葉の陰が恋しくなるような初夏に相応しき発明をなされましたこと、誠にお慶び申し上げます! 慶賀!」

晶葉「マッドサイエンティストA・Iに不可能はない! これからドンドコドンドコ気温も湿度も不快度指数も右肩上がり! 忌々しい暑気にアイドルがやられないよう、新陳代謝を活発にすることで肉体の健康を保つというわけだ! まあぶっちゃけ健全な魂は健全な肉体からとか、暑気払いなどという大義名分噓八百があれば、助手が風の吹くまま気の向くまま、股間の羅針盤を頼りにアイドルというアイドルを汗まみれにしても、たぶんそんなに怒られはしないだろうという雀の涙ほどの配慮である! むせび泣きつつ受け取るがよい、助手!」

P「平身低頭! 平身低頭!」

晶葉「ふはははは! そんなにへりくだる必要はないぞ助手! 助手と私の仲ではないか! では受け取るがいい、これが汗だくスイッチだ!」

P「ィィィヤァァァァハァァァァァアアアッッッ! 汗だくつゆだく汁まみれ! 暑い日だらだらで俺のちんちん代謝も鯉の滝登り! 海綿体にドラゴンインストォォォルッ!」ポチッ

晶葉「うむ! 助手の頭の中もいい感じにゆだっているな! 正直に言うが気持ち悪い!」

P「あるぇ? あるぇ?」ポチッポチッ

晶葉「どうした、助手」

P「晶葉が汗だくにならない不具合。物理現象仕事しろ」

晶葉「この天才が手ずから設計し施工した冷暖房完備の快適空間である。一切の希望を捨てよ」

P「白衣をはだけ、汗ばんだ胸元を手であおぐ晶葉が見たかったというのに、この仕打ち。訴訟も辞さない不退転の覚悟である」

晶葉「ほう、おもしろい。ではその覚悟のほどを見せてもらおうか、助手よ!」

P「げっへっへ。劣悪な労働環境を生き抜くために会得した経絡秘孔術! セルフチャクラドーピングによって暗黒競争社会での適者生存を果たした俺のツボマッサージで、研究と開発に勤しむそのカラダをじっくり労わってやる!」ワキワキ

晶葉「某ウサミン星人が、ふにゃんふにゃんになるほどのリラクゼーション効果を誇るあの術式か……よろしい。やってもらおうか」

P「えっ」

晶葉「えっ」

P「……ええの? 乙女の柔肌べたべた触るけどホントにええの?」

晶葉「うむ。思えば反射区療法というのは体験したことがなかったからな。何事も経験というだろう。それにウサミン星人からの苦情も聞いたことがないしな」

P「ウサミン星人の健康管理も仕事だからね。というかツボとリフレクソロジーは似て異なるものなんだが……まあ結果は同じようなものだからいいか。よーし、おじさん張り切っちゃうぞー」ワキワキ


 ――数十分後――


晶葉「……予想以上に……すごかった……ぞ? ……全身の血管が開いて血流が激しくなっているのがわかる……マッサージの後にウサミン星人がアヘ顔になるのも納得だ……」ハァハァ

P(うつ伏せでぐったりと横たわり、耳まで紅潮した美少女が、額に張り付いた髪を拭うこともできずに火照った吐息を漏らしている……実に股間に悪い光景である!)

晶葉「……素晴らしい体験だった……助手よ、お礼にこのスイッチを使うがよい」

P「このスイッチは?」

晶葉「嗅覚が犬並みに高まるスイッチだ……」

P「まさか、晶葉……!」

晶葉「ククク……その通り。汗だくスイッチを押してからしばらく時間が経過した……つまり、レッスンを終えたばかりのアイドルはぐしょぐしょのベタベタ……ならば、シャワーを使わざるを得ない……必然、アイドルは湯上り! ……助手は何食わぬ顔で事務所で待機するだけ……デスクで存分に深呼吸するだけの簡単なお仕事……ッ!」

P「なんという悪魔的発想……! だが晶葉! レッスンを終えたアイドルが事務所に顔を出す可能性は――」

晶葉「案ずるな。計算するまでもなく一〇〇パーセントだ」

P「なん……だと……」

晶葉「見るがいい、助手。御覧じろ、そこな雄姿を。あれはこの天才が持てる知識と技術とちょっぴり余ったジャンクを結集し、夜なべ仕事で製造した、ハーゲンダッツ専用ポータブル冷凍庫とハーゲンダッツ専用スプーンである……すなわち、最高のくちどけが約束された勝利のアイス……ッ! 試食の告知はすでにLINEで出しておいた……ククク! 汗だくレッスンの後の……よりにもよって風呂上りのハーゲンダッツ……! まさに究極! これを素通りできるアイドルなど女子の風上にも置けぬッ!」

P「晶葉……おそろしい子……!」

晶葉「ふはははは! 我が頭脳に恐れおののくがいい! では行け、助手よ! 汝の欲することを為せ!」

P「では早速いただきマンモス!」ポチッ

晶葉「……おい、助手。待て、冷凍庫はあっちだ。どうしてこっちに来る? 私はいま猛烈に動きたくないんだぞ? おい、落ち着け。まずは深呼吸しよう。ゆったりと呼吸をして副交感神経を……ちょっと。こら。くすぐったい」

P「すぅぅぅううううううう――――――ッ! んああああああああ! 深呼吸キモチいいいいい!!! 晶葉の頭皮から立ち上る濃ゆい汗とほのかなシャンプーが交じり合ったナイススメルがオーバードーズ! 大脳皮質がお馬鹿になりゅぅぅうううううううううううう!!!」肺活量8000cc

晶葉「ええい、やめないか! 肩を押さえつけるな! においを嗅ぐな!」

P「無理無理無理無理ィ! うつぶせの晶葉に覆いかぶさったらあとはもう全身を隅々まで堪能するしかない! しとしとおぐしの次は汗ばんだうなじ! そこから白衣の下の小さな肩甲骨にほおずりして! ほわほわのプリティヒップに鼻をうずめたあと! ツボマッサージでムレムレになった足の裏まで! 最低でも40リットルは深呼吸してやるからな! 覚悟しろよ晶葉ァ!」

 ――数分後

P「よし、晶葉。それじゃあ冷凍庫借りてくなー」ツヤツヤ

晶葉「……行ったか……くっ、なんという屈辱だ……頭のてっぺんから、つま先まで……許さぬ……我が矜持にかけて絶対の応報を誓うぞ……助手め……///」

P「それはまさに、夢のような時間でございました。シャワー上がりの薄着のアイドルたちが、シャンプーの香りを身にまとって、無邪気な笑顔を振りまいていたのです。本当に、素晴らしい体験でした」

 ――はい、蘭子ちゃん、あーん♪

 ――あ、あー……ん……っ///

 ――ランコ。こちらもどうぞ。アーン♪

P「風呂上りの火照った肌の匂いと、アイドルの舌の上でとろけるアイスの芳香……犬畜生と化したわたくしめの嗅覚であれば、それらを嗅ぎ取ることなどお茶の子さいさいでございました。ええ、馥郁とはあれをいうのでしょう」

 ――ウフフ。知りませんでしたわ、皆さんといただくアイスクリームがこんなにも美味しいだなんて。

 ――桃華ちゃん、それひとくちちょーだい! 薫のもひとくちあげるから!

 ――もちろんですわ。はい、どうぞ。

 ――ありがとー! えへへー。いただきまー!

P「天国でございました。悪鬼羅刹が跋扈するこの現世に、つかの間の理想郷が顕れたのでございます」

 ――プロデューサーさんも、どうですか? 千枝のでよければ、ひとくち。はい、あーんしてください……///

 ――美味しい、ですか? ……ふふ、それはとてもよかったです。

 ――あーむっ……えへへ……アイス、本当に美味しいですね……。

 ――もうひとくち、どうですか? はい、あーん。

 ――あっ、ごめんなさい、プロデューサーさん。千枝、手が滑っちゃって(棒

 ――すぐにキレイにしますから、すこしかがんでください。……ふふ、じっとしててくださいね……///

 ――ペロッ♡

P「本当に、夢のような、時間でございました」

唯「……ふーん。それで、そのあとは?」

P「元気溌剌、意気軒昂。孤立無援なるも獅子奮迅。定時までに翌日の仕事まで片づけてしまいました。そして帰ろうかというところで、こうして唯ちゃん様に女子更衣室に呼び出され、奸計に陥るや否や事情聴取と相成ったわけでございます」

唯「うんうん。それに関してはまさか唯も、こんな簡単にPちゃんが引っかかるとは思わなかったなー」

P「いや仕方ないですやん。鍵がロッカーの下に入り込んだとか言われたらさあ……ひょいっとロッカー浮かせておしまいだと思ったらこれだもんなぁ……」

唯「本当によく効くよね、土下座スイッチ」カチカチカチカチ

P「俺も↑ そう↓ 思う↑ よ↓」

唯「さて、と。じゃあPちゃん。事情が分からないだろうから説明してあげるね☆」

P「唯の半分は優しさで出来ている」

唯「えっとねー、要するに晶葉ちゃんの復讐なんだよね。著しい辱めを受けた、助手を絶対に許すなって言われてるの」

P「仕方ないやん!? あんな仕上がったボデーが目の前に横たわってんで!? 嗅ぐなっつーほうが無理やら!?」

唯「確かに唯もメールで呼び出されたときは、晶葉ちゃん超えっちぃなぁって思ったけど、それはそれ。これはこれ。というわけでPちゃんにキツイお仕置きをすることになった唯なのでーす☆」

P「はは……お手柔らかにお願いします」

唯「うん。じゃあまずは状況の把握からしよっか。Pちゃんは女の子のニオイが嗅ぎたくて、嗅覚がワンちゃんと同じくらいに鋭くなってるんだよね?」

P「うん、まあ」

唯「それで、アイドルのみんなが汗だくになるスイッチを押して、レッスンの後にシャワーを浴びせて、事務所で何食わぬ顔してニオイを嗅ぎまくってたんだよね? 唯がオフで事務所にいないの、知っててやったんだよね? つまり唯のニオイは嗅ぎたくなかった、ってことでイイんだよね?」

P「あの、唯さん?」

唯「この前、唯がどれだけPちゃんのこと好きなのか、あんなに思い知らせてあげたのに……まだ懲りないんだね」ニコッ

P(あっ、これやべーやつだ)

唯「晶葉ちゃんにいろいろ借りてきたんだー。とりあえず準備してくるから、それまで唯のキャップで我慢しててね☆」

P「おいおい帽子だけとか……そんな、めっちゃフローラルですやん……く、悔しいけど感じちゃう……!」

 ――十数分後

唯「たっだいまー! お待たせ、Pちゃん☆」

P「んお!? お、おおおおおお………………!」

唯「いやー、すごいねー。汗だくになるスイッチ。ちょっとランニングしただけでパンツまでぐしょぐしょ。髪もぐちゃぐちゃ。でもこれで準備できたし、それじゃあ始めよっか。楽しい楽しいお仕置き☆ターイム!」

P「あの、唯さん。ほんとに、あの、許しっ」過呼吸

唯「ところでPちゃん。ワンちゃんの嗅覚って、人間の何倍か知ってる?」

P「い、一万倍、くらい?」

唯「晶葉ちゃん曰く、100万倍から一億倍なんだってさ。そ・れ・でぇ……このスイッチ、覚えてるかなー?」

P「そ、それはまさか――」

唯「うん。そう。嗅覚が性感帯になるスイッチだよ☆」ポチッ

P「ブヒイイイイイイイィィィ――――――――――!!!!!!!!!!!!」ビクンビクン!

唯「声が出なくなるスイッチ」ポチッ

P「――!? ――! ――!!!」ガクガクブルブル

唯「……ふふふっ。ごめんね、大声出すとだれか来るかもしれないから……それにしても、土下座したままぷるぷるしてるPちゃんって、けっこうキュートだよねー☆ かっわいー」

P(やばいやばいやばい唯の匂いが脳天直撃セガサターン!)

唯「ねえ、Pちゃん。いま唯が何してるかわかる? えへへ。正解はね、じゃーん! 着替えでーす! ん……よいしょっと。うわあ、シャツもびしょ濡れだよー。汗が絞れそうなくらいにスポブラもベタベタだし……気持ち悪いから脱いじゃうね」

P(え? え? なに? 唯さん俺が土下座してる目の前でキャストオフしてんの?)

唯「スパッツも脱いで……びちゃびちゃのパンツも捨てて、足に張り付いた靴下もはがしてっと……」

P(全裸!? 全裸なんですかアナタ!?)

唯「服って濡れるとこんなに重いんだねー。それじゃあPちゃん、顔上げて?」カチカチ

P(あかん。見たらあかん。ただでさえ匂いでパンパンなのに、唯のツユだくドスケベボディ見たらぼきのバキバキバナナ破裂しちゃう!)

唯「あ、ちゃんと目を閉じてくれてるんだ。Pちゃんってば変なところで紳士なんだから……そんなステキなPちゃんに、はいっ、プレゼント☆」

 ――ビチャッ

P(アイエエエ!? ティンコ!? ティンコナンデ!?)戸愚呂100%

唯「唯のぉ、脱ぎたてほかほか☆ぐっしょりパンツだよ。あとブラとスパッツとシャツもねー。さっきまでPちゃんの顔があったところに置いといたから、そのまま土下座してぇ、唯のフェロモン☆ 好きなだけくんくんしていーよ?」

P(顔を上げて息を止めている状態でこれとか、直接嗅いだらどう考えても全身の毛穴から射精して死んでしまうんですがそれは)

唯「もう、Pちゃんってば素直じゃないんだからー。しょうがないから土下座スイッチ使ってあげるね?」カチカチカチ

P(おいこらやめろや鼻先に生暖かい濡れた感触が幸せすぎて天に召してしまうやろやめろぉないすぅ)

唯「ほらほらー。唯がいいって言ってるんだから、素直に嗅いどきなよー」

P(だから死ぬって言ってんだろ!?)

唯「――ねえ、どうして息止めてるの?」

P「」ゾクゥッ

唯「……そっか。そんなに嫌なんだ……やっぱりPちゃんは、唯のこと嫌いなんだ……」

P(善悪も好悪も関係ねえよ! 単純に生死がかかってんだよ!)

唯「でも、いいの。唯はPちゃんが大好きだから……へーきだよ。でもね、ちょっとだけ悲しいかな」

P(え? 待って。待って、唯さん。ガサゴソ聞こえるんだけど。なに? カバン漁ってんの? なに探してるの? ねえ、あの、唯さん?)

唯「ごめんね、Pちゃん。このスイッチはあんまり使いたくなかったんだけど……」

P(あっ、これすごい。死の予感すごい。走馬灯がメリーゴーラウンドしてる。やばい)

唯「……あった。Pちゃんの感度が3000倍になるスイッチ」

P(犬の嗅覚が人間の100万倍から一億倍で、それをさらに3000倍? まったく、ここはジンバブエじゃねえんだぞ)

唯「ごめんね、Pちゃん。ひょっとすると壊れちゃうかもしれないけど……でも晶葉ちゃんが直してくれると思うし、もし元に戻らなくっても、唯がセキニンとってあげるから。唯が、唯だけが、Pちゃんをずっと愛してあげるから……何も心配せず、気持ちよくなってね?」ポチッ


   やれやれ、僕は射精した。


      -Fin-


メス猫になったちゃまを膝の上で愛でたいだけの人生だった。終わります

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