Sans「展開的には唐突すぎる、だが、お前さんにとってはどうもそうではないらしい」

Sans「まるでずっと前からそう計画していたかのような躊躇いのなさだよな？」

Sans「何故何も言わない？」

Chara「言葉は要らない」

Sans「…」

Chara「まぁでも、どうしても喋れって言うなら喋ってあげる」

Chara「人を、いいや、モンスターを殺す理由なんてないよ」

Chara「殺したいから殺すんだ」

Sans「…だったら何で世界を救った？なぜ誰も殺さなかった？」

Chara「…」

Sans「一回は救っておきながら、どうして自分で壊す真似をする？Frisk」

Chara「…Friskね」

Sans「どうやらお前さんは放っておいたらまずい存在らしい」

Sans「兄弟から離れろ、死にたくなければ」

Chara「…」

Chara「…そんなに兄弟が大事？」

Sans「…？」

Sans「あぁ、大事だね」

Chara「…」

Chara「じゃあ、殺そう」ｸﾞｱｯ!

Sans「…っ！！」

Chara「…あれ」

Sans「…」

Sans「お前さん、本当にそいつを振り回すのが好きなんだな…」

Chara(…奪われた…殺意があるって言ってもレベル1…流石に叶わないか)

Sans「…」

Chara「…ふふふ」

Sans「何が気に入らない？何が気に食わない？」

Chara(躊躇いが見えるな、一度友達ごっこしてやったから信じきれないのか)

Chara「…」

Sans「…いいや、何を投げかけても無駄だな」

Sans「お前さんは俺が今こうして質問してる間にも、俺を殺す算段をつけてる」

Chara「正解」

Sans「…Frisk…なんで…」

Chara「…Friskね、その名前、かっこ悪いからやめて欲しいな」

Sans「…？」

Chara「Chara…って、呼んでよ」

Sans「…Chara…？」

Chara「そう、Chara」

Chara「自分で世界を救って、その世界を壊そうとする僕は、その時点でもう分岐した」

Chara「Gを経て、耐えられなくて、Pに逃げ込んだ弱虫のソウルはもう、僕のものだ」

Chara「だから、Charaって呼んで？」

Chara「親しみと、殺意を込めてね」

Sans「…P？G？」

Sans「お前さんが何を言ってるのか分からないが、つまりお前さんは俺達の敵になるんだな？」

Sans「それでいいんだな？」

Chara「敵？死体はもう敵じゃないでしょ」ｸﾞｱｯ!

ｶﾞｼｬｶﾞｼｬｶﾞｼｬ!!

Chara「…っ」

Chara「…居ない」

Chara「手負いを抱えたまんまじゃ流石に勝てないと思ったのか、賢明すぎる判断だね」

Sans「…はぁっ…はぁっ…」

Sans「…おいっ…おいっ…！！」ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ!!

Undyne「…なんだ…うるさいな…」

Undyne「…」

Sans「…夜遅くに、済まないな」

Undyne「…いいや、夜が来なかった地下で住んでたんだ、大したことは無いさ」

Undyne「…で、どうした？」

Sans「…」

Undyne「何故Papyrusはそんな風になってる？何故だ？誰だ！？」

Sans「…」

Undyne「…」

Sans「信じられないだろうな、だが、真実だ」

Undyne「…何故Friskが…」

Sans「…いいや、あいつはFriskじゃない、Charaだ」

Undyne「…Chara？」

Sans「自分でそう呼べと言っていた」

Undyne「なら簡単な話じゃないか！Charaを殺せばいい！」

Undyne「そうと決まれば殺しに行くぞ、お前もこいSans！」

Sans「…Charaを殺すと、Friskを殺すことにもなる…そんな気がするんだ」

Undyne「…そんな訳があるか！」

Undyne「Friskがそんなことをするはずが無い！そいつはFriskじゃない！」

Sans「まぁ待て、落ち着け」

Sans「…あいつがFriskか別の何かなのかは些細な問題だ」

Sans「…それに、地上では殺しはご法度だ」

Undyne「…でも…！」

Sans「…問題は、あの存在は俺たちに固執してないってことだ」

Undyne「…は？」

Sans「…お前さんも見ればわかる、あれは、生きてるだけで死を振りまく存在だ」

Sans「憎いんだ、人間もモンスターも、生きとし生ける全てが」

Sans「…へへ」ｶﾀｶﾀ

Undyne「…」

Undyne「…ならどうすると言うんだ」

Sans「…」

Undyne「だったら尚更、早く殺しておかないとダメだろ！」

Sans「お前さんにそれが出来るのか？」

Sans「さっきはああ言ったが、あいつは紛れもなくFriskだ、あいつを殺すってことは、Friskを殺すってことだぞ」

Undyne「…っ」

Sans「…お前さんにそれが出来るのか？」

Undyne「…出来る出来ないじゃなく、やるかやらないかだろう」

Sans「…」

Undyne「…あいつがFriskなら尚更だ！あいつは決してこんなことは望んではいないだろう！」

Chara「あのさあ」

Undyne「っ！！！」

Sans「…どうやら本当にバケモノのようだな」

Chara「人のことを勝手にFriskだとか、死を望んでるとか、勝手なことを言わないでくれる？」

Chara「僕がたった1度でもそんなことを言った？ほんと、大人ってば子供の意見を当たり前のように決めるよね」

Undyne「Frisk…！」

Chara「…Charaって呼べって、言ってるだろ」

Sans「どうしてここが分かった？」

Chara「僕達は、引かれてるんだ」

Chara「殺し合うのは運命なんだよ」

Undyne「2対1で勝てると思うのか？」

Chara「勝つまでやる、当たり前のことだよね？」

Undyne「…勝つまで…？」

Sans「お前さん、この期に及んでまだ殺されない自信があるのか？見逃してもらえる自信があるのか？」

Chara「…うふふ」

Chara「だからさぁ、君たちは自分の枠組みに囚われすぎだよ」

Chara「君たちは、君たちの想像に及ばない力があるってことを知った方がいい」

Chara「さぁ、僕を殺してよ」

Chara「いつか、1回でも君たちに勝つから」

Chara「それでおしまい」

Sans「…」

Undyne「…」

Chara「武闘派2人を殺したら、もうこっちのものだね、TorielもAsgoreも、Alphysも、皆寝首を掻けばいい」

Chara「さぁ、僕が親の敵であるかのように、殺意を向けて向かってきてよ」

Chara「…ね？」

Undyne「…お望み通り…！！」

ｶﾞｼｬｶﾞｼｬｶﾞｼｬ!!

Undyne「…っ！！」

Chara「また骨の結界？」

Chara「…いいや、骨の牢獄か」

Sans「お前さんは当分の間そうしてろ、俺達はその間に逃げさせてもらう」

Undyne「Sans！」

Sans「…」