淡「雲の切れ間に」京太郎「星が瞬く」 (770)

まえがき

京太郎スレである

京太郎スレである

京 太 郎 ス レ で あ る

ので、京太郎がメインに出てくるssが苦手な方はブラウザバック!あと遅筆と地の文に注意、おまけに書き溜めなし

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426167617

あわあわ(あれ?AブロックとBブロックって違う日に試合してなかったっけ?)
あわあわ(いやよそう、俺の勝手な想像で皆を混乱させたくない)

               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽみんな~、聞こえてるか~い?
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .俺だよぅ~、大統領のジョン・ヘン……
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
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                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
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           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(

            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /あっはっはっはー!引っかかったか!?
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \須賀京太郎だよ~元気かーい?
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
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  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
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今日の夜に(多分)更新するからよろしく!

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麻雀狩りの夜、始まる

獣狩りしてたらいつの間にか随分と時間が経ってました。では再開といたしまする。あと白望さんには多分もう出番ないよ。

「で、その落し物の持ち主を探して、結構遅れた、と」

「そうです」

「お人よしねぇ……」

「流石にどうかと思うのぉ」

「早く帰って来れば咲さんの大将戦見れたのに」

「ひどいよ京ちゃん」

「バーカバーカ!」

「皆さんすいませんでした。優希除く」

控え室に戻ってきたらこの有様であった。試合が終わっても待っていてくれたらしい、ありがたい話だ。

「見つかったから良かったものの……普通に大会運営の係りの人に持ってけばよかったのに」

「返す言葉もありません」

ウカツ!な行動であったことは京太郎も自覚がある、素直に頭を下げて謝った。

「まぁこの辺にしとこうかの、久。決勝進出決まったことだしな!」

「そうでしたね!みんな、本当におめでとう!」

心の底からの、祝福だ。
中堅戦までを見ていた京太郎は相手が強いことはよくわかっていた。しかし、優勝候補の一角臨海を抑え、トップで決勝進出が決まったことは正真正銘快挙である。

「で、須賀くんの方は首尾はどうだった?フラグ立てるのに夢中で忘れてたなんてなしよ~?」

「ふらぐ……?」

首をかしげた京太郎であったが、とにかく偵察結果のノートを差し出した。

「ありがとう。どれどれ……おお、よく表情とかも見て観察してるわね!」

驚いた、という風に久は言うと食い入るようにノートを見つめた。他の四人もどれどれとより集まる。

「……須賀くん、他家が全員五シャンテン以降から始まったというのは」

「マジだ。二半チャン全部、そうだった」

「……信じられない」

オカルトを一切合切認めない和も思わず顔をしかめる。データに現れている以上、そこには確率を超えた何かがあることを理性でなく本能で感じたのかもしれない。

「噂で聞いたのマジだったんじゃな……」

「なんなんだじぇこいつ、ダブルリーチをほぼ毎回してるし!」

「うー、思ってたよりやばげね……」

かきつくように覗き込む優希を制しながら久は頭を抱えた。想定の数倍恐ろしい魔物であることは明確だ。ノートのデータからは表情に出やすいこと以外何も弱点がない。

「わ、私勝てるかなぁ……」

思わず、咲が弱音を吐く、それに反射的に京太郎は言葉を返した。

「絶対勝てる」

五人が、目を丸くして京太郎を見つめた。

「試合を見てきた俺が保証する。ぜーったいに勝てる」

「……身内贔屓?」

「客観的な判断でも同じですね。間違いなく勝てます。咲が負ける要素がありません。それよりも阿知賀の大将の方がまずいかも、そっちを注視したほうがいいです」

阿知賀の大将と聞いて和が少し反応したがスルー、京太郎は確信を持ってそう告げた。

「……そこまで信頼してくれるなら裏切れないわね。根拠は、何?」

「友情パワー?」

「……胡散臭くなったわ」

「……そりゃないよ京ちゃん」

「なんでだ!?」





会場を後にしたメンバーは旅館へ徒歩を進めていた。明日の中日を挟んでいよいよ大会も決勝戦だ。
対策会議はどんなにしてもしたりない……が、ともかく今日はもう休みたかった。すでに日が暮れかけている。

「いやー、疲れたわね、激戦だったもの……」

「肩凝ってかなわんわ」

ずいぶん軽くなった荷物を抱えて京太郎は後ろをついて行く。ふいに、進行方向の地平から上がりかけた月を見て奇妙な思考が頭をかすめた

(あいつ……淡は今どうしてるかな……)

ーーーーー

例によって大量のホテル飯を胃に詰め込んだ京太郎は、いざ部屋に戻りベッドに横になると教本を広げた。

明日、自分にできることはない、そして今日1日ずっと牌に触っていないせいでもはや我慢の限界だ。
明日は早くから、開店時間から雀荘に駆け込んで麻雀に明け暮れるとしようと思う。
しかしそれとは別の考えが、須賀京太郎の脳内に麻雀教本の知識を刻むことを阻害していた。

大星淡のことである。

確か明日が金を返すと約束した日であったか。しかしそっちはもはやどうでもよく、京太郎は今、淡が何を考えているのかがこの上なく気になっていた。

(あそこまで強いと、いったい普段何を考えているんだろう、戦う相手が何に見えてるんだろう……大将戦で、ある意味負けてしまってどんな気分なのだろう)

色めいた考えなど微塵もない、麻雀が強い人への疑問であった。
内にくすぶる麻雀への熱意があらぬ方向へと向かおうとしている。
無論そんなことを本人を前にして言う気はさらさらないが、なんとなく、スマートフォンを手に取り、真っ黒な画面をじっと見つめた。映るのは漆黒の中にきらめく自慢の地下の金髪である。

と、突然スマホが手の中で震えだした。

「お?」

番号を見てみると、登録されていない番号である、一体誰なのか……変な電話だとやだなぁと思いつつ京太郎は通話をタッチした。

『もしもーーしきょーたろーー?』

なんとも間の抜けた声が響いてきた。今朝自販機に頭突きをかます羽目になった原因、大星淡の声である。

「あん?淡か?」

『そうそう!出てくれてよかったー。昨日の電話ってホテルの公衆電話からしたからさー。今日急いで新しい携帯を買いに行ったんだ!前のやつ古かったし丁度いいかも!』

I's phone6.7の音質を聞いておどろけーと宣ってくるが、音質はこちらのスマートフォンの依存なので向こうの携帯の性能の一端も知ることができないようだ。

「そらまたご苦労さんだな」

『でしょー?親にも携帯壊して怒られてさー……あぁ、そうそう、今朝はごめんねー、あの時お金返そうと思ったんだけどさー、スミレに捕まっちゃってさー』

「スミレ……白糸台の次鋒か」

『そーそー!もー、自分は甘いもの我慢しないくせに他には厳しいんだから~!そんなんだから体重計恐怖症になるんだよね!』

散々な言い草だと京太郎は思う。普通部下が誰かの頭を自販機にぶつけさせてる現場を見たら怒るのが当たり前だとは思うが。

「まぁそれはともかく、なんの用事だ?」

あぁそうそう、と淡は思い出したかのように、世間話を打ち切り要件を告げた。

『明日さ、どうせなら一緒に遊ばない?』

「明日ぁ?お前、決勝は?」

『ミーティングは今日の夜と明日の夜、それ以外はフリーなんだよねー』

なんとも余裕溢れるスケジュールである。部長が聞いたら闘志に火がつきそうだ。対抗してこちらもオールフリーにするとか言い出しかね……かねる、か。

『でさー、京太郎も麻雀やるんでしょ?私がみっちりと指導してあげてもいーんだよ?それ以外にもー!ゲーセンとかー、マンガとかー!』

「優雅なこった……てか、金は?」

『乾かした!』

「……」

Q.金は?
A.乾かした!

歴史に残る珍解答であることは間違いないであろう。
事情を知ってる京太郎以外ではお前は何を言っているんだとなること請け合いである。

『ねーいーでしょー?せっかくの機会だから他の学校の、それも他県の人!遊べるなら遊びたーい!』

「……本当に珍しいやつだなお前」

『ほえ?』

「なんでもねーよ」

ここまで人見知りしない性格なのは珍しい、東京の人は全員他人に無関心で交通事故の現場を写メる奴ばかりだと思っていた京太郎は本当に淡が東京生まれの東京育ちか疑問になってきた。

「わかった、付き合うよ。俺も明日は雀荘に入り浸ろうと思ってた。強い奴と戦えるならこっちからお願いしたいくらいだ」

『お、いうね!もしかして強い?』

「すごくよわい」

『えー、なにそれ口先だけ~?口先マーン』

「やかましい。で、俺は10時頃には雀荘行きたいんだが」

『じゃあ10時頃にあのコンビニで待ち合わせしよーよ!』

「おうわかった。後でこの番号でLIMEの申請送っておくからさ、登録しといてくれ」

『はいよー!じゃあ明日ねー!』



通話が終わった。騒がしい声が途切れ、部屋の中に空虚なエアコンの音がかすかに響く。

「本当になんつーか、面白い奴だな」

一人呟く。しばらく黒くなったスマホの画面を眺めた後、それを充電器につないでまくらの傍に起き、京太郎は再び教本を読む。
先ほどまで頭の中を埋めていた余計な思考は、既に消え去っていた。

翌日、京太郎は六時には起きて朝風呂を堪能し、ストレッチののちに朝食をしっかりと食べた。ここで7時半。
そこから部屋で持ってきた荷物の整理及び纏めた牌譜をファイルに整理、そして近くのスーパーでメンバーはの差し入れを購入、この時点で9時、そして待ち合わせのコンビニに九時半にはついた。

この行動は別に京太郎に気合が入っていたわけではなく、差し入れの購入以外は基本的な行動であった。
そして集合時間よりも早く集まるのもハンドボール部時代の癖だ。

「少し早く来すぎたか」

私服の京太郎はクーラーの効いたコンビニ内で適当な漫画雑誌を手に取った。暇つぶしにはちょうどいい。

コンビニの外には様々な人が歩いて行く。スーツを着た如何にもなサラリーマン、無駄に化粧を重ねたおばさん、赤いジャケットにもみあげのすごい人もいれば、和服を着たちびっこも通る。

視界の端でそれを捉えながらもほとんど意識せずに漫画を読む。大して面白くもないそれでも暇はつぶせる程度には役に立つ。

しかし、視界の端にキラリと何かが光り反射的に京太郎は顔を上げた。
窓の外、以前会った時とは違う、柔らかく艶やかな金髪をたなびかせた、大星淡が窓の外からこちらを見つめていた、満面スマイルのおまけ付きだ。

すこしだけドキリとしたことを頭の奥底にしまいこみ、京太郎は漫画をしまうとてきとうなガムをひとつ買い、コンビニの外へ出た。

「おはよう京太郎!」

「おお、おはよう淡」

よい子は寝る時間だ、いいね?

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               | i  i:  :. "       ""  ; :| .:|  i :.
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               人八 ∨ 个ト  ,,_  <「∨ :/i   i  :.
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次回予告
ついに淡とのデートが始まった!一度気を抜けば1D200のSAN値チェックが始まってしまう超危険イベントを京太郎は乗り切れるのか!?

というわけでここで〆、多分またちまちま更新してく

二週間くらいまえ……

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         /          : :>     斗
     =―           : : : : :| ̄
    ̄                     ト 、



「おい」


  i   ::│i          ',    : : :           \/    ノ::.   i }
  l   :::: . l         ヽ   : : : :           |     /::::::.   /
  |   ::::::: l           ::ヽ                   i   /: ヽ::::  /
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  ',    ::::::::',        /::::::::\ ¬- 、         l  /  /ン /ん?
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   V  ‥‐- 、  \    |:::::\ヽ \ _》   》、_    ヽ_ ..:::: |
    \ \ _ ー  \.  {::::::::::::::: 、 _ 斗 匕         :}   }
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                   マ ´:::::/!   `ヾ≧r≦:::::__ヽ .ヽ、  ゞ、ヘ
                   マ:::::/::i!         ̄   ヽ、 ヽ  ヾマ
                    .マfY:::i!              .ヽ',    ヽ

                  ジ ャ ジ ャ ー ン !

                           俺 ☆ 主 任 !


                 ///  / |  _
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          |ヽ' { ∠ イ  ∠/ハ    〈 Y 「l^l
          ヽ| |∨f‘ヽ} | {‐´//  ! rニニニⅥノハイ__
.   ___  |\Ⅵ{‘l ⌒7/r ´/  |/l  /`ヽ___∧ ヾ廴
.    \  l_l__L. ┐Y l //  / /l  l//{i} |ヽ/ ∧ マz、
      _iYヽ{ Y r< └―< / //  l/ /_____| ∨ ∧、 マ, \
.      >‐\ト' // ヽ\ヽ  | /|   /|  __ -=二ノ∨ ∧ヽマ,\\いやぁ~今月の浮き厳しくてよぉ~www
     `T_´__/  ̄二  ∧l Y|/ \ |// / / / | イ∨/\ マ,ヾ、 \これから毎日三時間くらい残業してけよぉwww
.      {  〉   \| 〈   人__|/ |` ト l_ l l ∨´l\|  マ, i!
     /|_}`v^〉 /⌒ト⊥ィ |i| |   /__∧ \ ̄ ̄ ̄l´  l、  i!  i!
.     / ノ `v^〉 //\ 丶_¨_ノ   //  ∧  \ 〈〉 \ Ⅵ  i!  i
    /イ {/`v^〉 / / ト 、|_ , イ    ∧   \___ \_Ⅵ i!
.   / ∧./`v^〉´ /{\〈{>‐<}〉_∠ィ      ¨ ‐- __ \  |{  i!
   / /  \ /   / ! `{ ∧ } ///            \ \|\ |


                              {::ー::ヘ
                           ⌒\:`:::<
                             \:::::::::::::< __

                        ,...::――:::--::≧==≦::⌒ヽ::`丶
                     _ >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::Vム:::\ _
                   / \:::::::::: イ^> ::::::::::::::: ィ ,...⌒ヽ::::}:l:}::::::::ヽ:)
               _ > ^ 、  <        ` ¨¨ ´/::::::::::::}::::川::::::::::::::.  ,バカナァァァァァァァァァぁぁ
     __   ‐=<    z <⌒ヽ__ イ       /∨::::::::::::::::厶-=ヘ:::::::::::::::∨ !
    ゝ ::::::::::::::::::::::/   ノ                /  ∨::::::::/    ` x :::::::Ⅵ
      ` ー…‐=丶- ´                 ',   ` <           丶:::::\
                                / ゙ 、__  イ             \:::::ヽ
                               __ノ  /                  \::::::.
                           /-、  , ´                    \::丶_
                             /:::::::| }                        ゝ::ァ:〉
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                           |::::::::/
                        `¨´

※aaはイメージ

「おはよう京太郎!」

「おお、おはよう淡」

コンビニから出た京太郎にさっそく淡が元気いっぱいの挨拶をしてきた。
日本人離れした美貌とはミスマッチなはずのにこやかな顔だがそれがまたかわいい。美人は得である。

「おぉー……ねね、靴の裏見せて」

「は?」

「裏!」

いきなり訳のわからない要求だ。片足を上げてくいっと足首を曲げてやる。

「……あれー、スパイクないね」

「この季節にスパイク付きの靴はく奴がいるか」

「長野県民でしょ?」

「長野県民をなんだと思ってやがる」

        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Ⅵ ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-田舎モン!
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .

「……ガム食うか」

「食べる!」

包み紙を剥がし、一つくれてやる。なんの疑いもなく淡は口に入れた。

「……から!辛い~!」

「田舎モンっていった罰だ」

「ひょおはほおほはは~!!」

ペシペシと叩かれるが大して痛くない。いいザマだ。

渋い顔をした淡が落ち着くまで適当にぶらつく。ぷくーっと顔を膨らませた淡がようやく口を開いた。

「あー、辛かった」

「俺はそれくらいが好きなんだ。で、電話で話した通り、最初は雀荘でいいか?」

「んー……そだね、コテンパンにしてやるから!」

ウネウネと髪をうねらせながら不敵な笑いを浮かべる淡。どうやら辛口ガムで随分とヘソを曲げてしまったようで、本当にコテンパンにされそうだ。

「はは……手加減しないなら願ったり叶ったりだな」

「ほほー、いうねー、口先マンのくせに~」

「そこから得るものがあるかもしれないだろ」

折れない心とか、とは続けない。負けること前提で進めるのはあまりよろしくない気がする。プライド的な意味で。

というわけで、二人は近くの適当な雀荘に入った。決勝戦前の中日なだけあり、多くの学生で溢れかえっている。

「んー……あ、卓空いてる」

「お、本当だ」

空っぽの卓で対面になるように2人は席に着いた。この様子ならすぐに残りも埋まるだろう。

「ラッキーだね!」

「あぁ、待つかと思ったんだけど……」

しばらく待っているうちに空いた席に一人、また一人とつき、四方が埋まる。ついに開幕だ。

             「回ニニO
         _--ー「T「 ̄\  /二\
        「 l L_コュ 凵  ヽ |(::::::::::)|
        L 」コー゙゙゙゙゙ ̄ ゙゙゙̄ーヽ`二´.|
  /二\,, /: : : : : : : : : : : : : : : : :ヾ\ 〆)
. |(::::::::::)レ: : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : ヽ>ヽ
 .ヽ`二/: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : :.ヽ
. ヾ : :/: : : : : /: : : : : : : :ハ -/-ト: | 、.: : : : : : |
  `フ: : : : |: : :|ーヾ: : : : :| i/  |:/ ヾ: : : : : : :|
  |: : /: : |: : ハ: | ヽ\: :ヽ  __´   |: : : : : : ヽ
  |: :ハ: : : ヽ:| ヾ __.   ̄ ,,=≡ニ=,,. |: : |: :|: : :ヽ

   V >、ヽヾ ,,=ニ≡      /// ノ: : レ: : : : ヾヽよろしくおねがいします!
.    /: : : : :.| ´    _´___   ∠: : : : |: ルレ
.    |: :|: : : :|.///   ト--ー゙|   ,,. |: : :/レ
     |: | : : : :ヽ    ヽ _ノ_,,-i::´fヨヽ |
    レヽ: : :ト: :ド ̄ ̄日フヽ  |:::::::::::::ヾ

      ヽ_:ヾ     >::::::____::,ー 、::/ヽ
         ̄     ド:(  {   .|ベ/ ヽ
              | ヽヽ__ゝーノソ>  ト___
              |  (`ー(ー´ \. ハ::::::::ヽ
              ヽ |   ∧   ,ヘト::::::::o|ヽ
               ヽ|    トoヾ_へ\\::::| |
                ヽ_/ ヽoヽ  ,,ゝ弋コヾ|


                ─- 、 、

            ,   -───-ヽレ_
          ,  ´             `  、
        /                    \
.      , '                       丶
.    /                       ヽ
.    i       ,ィ ,ヘ                  l
    |       / !.{ ヽ \  ヽ          |
   l      ,イl| ヾ;、 \  ` ー-ゝ、_ 、      |
    i  l. i / ヾゝ  `''ー   ̄_ニ;三=ーヽ . |    |
.    ヽ ヽ!T'==-_、 `‐ `〒‐'fr;ゥj´ _j j リヽ  し1!
     \` l `'´ hタヽ    --゚‐'_  `T!´r) }   ,リ
        }. l   ̄ /j          `   リ r 'ノ    ラ
     ._.ノ  l.   ヾ:-            、_ニ1    ノよろしくお願いします
      `ー;ァ. ヽ    -ー‐一       ゞー-  ,∠ _
        ` ー ゝ、   `     r‐;-‐`''"~ ̄   |
           _,.> 、__, -‐',コ |        |

        「f´ ̄   ∠∟-‐''´ | |      ,. =‐ |
        | |     |       | |    /  -='
       | |    ,  j      ,>ヽ    /_ -‐`ー─
      _,.ゝニゝ/ / `ー---‐ '´  〉〉 / '´
     ̄  ノ/ .レ'        f ,ニニン /
.       くく ./l        | |   /  / ̄ ̄ ̄

「よろしくお願いします」

「よろしくね~」

全員挨拶が終わり、卓へと向かう。すると、突然対面に座る淡の雰囲気が変わった。

             .      ,  ´            ` 、
                /                 \
                //: ..::              ....:.:ヽ
               //:.:.:.:/.:.            ..:.:.:.:.:.∧
            //  :.:.:´:.:.:.:.:....:.:.:   ...  .......:.:.:.:.:.:.:.:、: ',
        .1}   } .:./  .: ::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト;.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:. ', .',
.         7ミニ彡 .:/:.:.:// /  ://}.:.:/ ,' .ヽ:.:. .',.:. 、.:.: |..:.∧
    __  { ,'.|   /}/:.:.://:/:.:.:.:.:..´/. ./ ./ /   V...ノ:.:.:.',.:.:|.:.:|:∧
.  /7}  ヽ{| ./.ノ.:.:.:./:/.:.:.:.:.:./  メ;..':.:/.     .V.;.:.:.:.:.}:::|.:.:|:.トヘ
.    {人_ .ヽ_ミx´,:.:.:./:/:.:.:.:ーx_  //ァ/    ./イ:.:.:.:.:.|.:.|.:.:|:.:ヽ.ヽ
.   ゝ   ̄...:.:.:., |:.:./:.:':.:.:./  _≧≦_.´    ._x≠キ":.:.:.|.:.|.:.:|:.:.:.:》 〉

   __`''ーt―r ' ./.:.,:.{:.l.:.:イ ',.〈丁≧ァ`    k´r‐=≠、.:.:.:.!.:.:.:.:!;/,_'_
r''´,-=、::`''ー==≧:.:.:.{{::';|:/ ゝ_,  r';_; }.    ./ 5、_/;}lノ:.:.:.|.:.:.:.:|.// ,Xァ
.` .≧=-`''-、_.:.:.:.:.:.:.:r<ヘ:.|.  ヘ ``'''.        ヾソ-'./.:.:./|.:.:.:.:|/ /  `、
         ̄´ /´.ヘ V   :ヘ      ,      /:.:.:/:/:.:ノノ /:::   .∧
        ト ./   ヘ ,ヘ   ::::> _  __ __   ,/イノ::::レ'/ /:::l:::    ∧
        |:`,'    :ヘ ヘ   ::::::::::::>.、 _, =r<:.,'.:.:.:.://// :/:::      ` ー、
          八_}    .:::.ヘ ヘ  ::::::::∧‐-   ./:/.:.:.:.:/::.//イ .l.::: .:::::::::::     }
        ,イ   .. ::::::::.ヘ .ヘ   ::::::∧`''ー.〈_:ゝ、:.:∧//:/:  |::::::::::::;:': .::::::  /


まだサイも回していない段階で既に真剣そのものな表情になっている。モニターで見た大将戦でもこんなに本気《マジ》の表情を見せただろうか。

(たぶん……さっき言ってたコテンパン、か?)

しかしその瞳の奥に悪戯心のようなものが見え隠れしている。さっきのガムの仕返し、といったところか。他二人はとくに気づいた様子もなく卓に向いているのでこのオーラは自分にだけ向けられているらしい。

(まいったね、こりゃ……)

処理が終わり、各々が自分の配牌を取っていく。
すべて理配し終えた段階で京太郎は思わず溜息を吐いた。

(マジで五向聴だ)

他の二人も表情が浮かばない。どうやら例の力が発動している……らしい。

六向聴ではないだけマシと割り切り、京太郎は手を入れ替えてゆく。決勝の様子から、自摸配まで弄くるパワーではないらしく、入れ替えは順調に進んでいく。
しかし……

「んー……」

7巡目ほどの、あの手からかなり早いテンパイにたどり着いた京太郎はチラッと対面の淡を見た。視線にも気付かずにジッと卓上を見つめている。

引いた三索を加え、二萬を切ればテンパイだ。しかしどうにも、気が進まない。

(俺がテンパイしてんのにこいつがテンパイしてねーのか?)

まさかダマテンで狙っているのではなかろうか、という疑念が浮かぶ。どちらにしろまだ東一局、焦らなくてもいいかと京太郎は淡には安パイの三索を切った。
二萬も通らない牌ではない故、和に見られたらどやされるだろうが。

しかし下家が次に二萬を切ってもそれはあっさり通った。

(ありゃりゃ)

予感が外れたか、と京太郎は頬をかく。

ダブリーなしだと……?

次順、あっさり京太郎は三索をひいた。オカルトは信じるが自分にそんな力はない、と知っている京太郎はどちらかといえばデジタルよりだ。もう大丈夫と安心して、不要牌の二萬を切り落とした。役は安い、リーチはしなくても……

「ロン」

「……え?」

宣言、その方向を向くと淡がニヤリと笑って牌を倒していた。

「えーと、3900!」

「あ、あぁ……」

マジで?という心情で京太郎は点棒を淡に渡した。まさかこんな露骨に狙い撃たれるとは……と思ったあたりで、他の二人がとくに変な様子はないことに気づく。

(……あぁ、そういえば)

よく考えれば下家が二萬を切った後安心した京太郎は淡を注意してみていなかった。その時に手を入れ替えたのかもしれない。

(俺のミス、か……)

淡に狙い撃たれたのではないかというバカバカしい疑問を京太郎は振り切り、さあ次だと親の一本場の卓に向いた。





           ,  ⌒ ー   ̄ ̄  、
         /_,. -            \
        /´ /     /⌒\      ヽ
        , ´ ,         V     :.
       /  /  /  / /      | V : V |
     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/
               从      '     八/はぁ……
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__
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               '´         `丶、
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           ,          /         \
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.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′あー楽しかった!
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕

結果的に京太郎は負けた。ぼろ負けした。ネギトロにされてしまった。

>>235本気の本気の時しか使わないからね、仕方ないね

その四人で4回卓を囲んだが、京太郎の結果は4着3着4着2着。
別に淡は京太郎だけを狙っていたわけではなかった。他の二人も特別強いわけではなかった。
しかしラスを二回引いたぶっちぎりのドベの京太郎に対し、淡は全局一位。まさしくコテンパンである。

            /l  ,,,;;-―''"::: ̄ ̄ ̄::::::::`ヽ、
              l::|/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::二`ヽ、
          ノ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\

          /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
         /:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::L、
       /::::::::::::::::::::::::::/::::::::/::::_::::::::::::_::ソ'ノイ:::::::::::::::`ヽ=、
      ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/  ___\  ∠:ノィ:::::::::::::::::::::\
     /::::::::::::::::::_::::::::::::::::::::l    ` _/::\\  ィ" ヘ::::::::::::::::::::::::ヽ
      |::::::::::::::::/ ┐):::::::::::::::::`ァ   ヽ、 `<_l! ` ´   \::::::::::l:::\:lくそ!トーレスめ!トーストにしてやる!
 、_ ノ: ::::::::::: :| r.〈::::::::::::::::/      ` 、       ∠、 |::::::::::|::::、:::|
  \´::::::::::::::::::::l ヽ \::___チ             `〈_:ノl!ノ::::::::ノ:::::|:::|
   Y::::::::::::::::::::\_  `ー          __  、 ノ .|:::::::::::::::|::| ||
    |:::::::::::::::::::::::: ̄フ´         /::ー-、_ヽ ´  |::::::::_ノイ /
    \::::::::::::::::::::::::チ´          /::::::::::::::::|;;;/   |::::/
   ,,r-、`、:::::::::::::::::ノ            l!_::::::: :::: :レ'    /::::L_,
  /;;;;;;;;;;`ー、< ̄ ̄  l \         `ー-、:ノ   /::::::チ
_ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;フー、   |  \      ー    /::::、::/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/   \」_   `ヽ、       /::::::::::チ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; /      `ヽ、_   .〉`ー― '"'" ̄ ̄
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ        // `ヽ.」

;;;;;;;;;;;_;;;;;;/         //   /`ヽ、
-―'"   \\      .//   /  / l__
.          \\    .//   /  / /;;;;;;;;;\
         \\ //   /  / /;;;;;;;;;;;;;;;;;\


お昼時になり他の二人が卓を離れたため京太郎と淡も雀荘を出る。

「いやぁー……京太郎、マジで弱かったねー」

「うるせーよ牌を見透かしたみたいに狙い打ってきやがって……」

「わざとじゃないしー」

ルンルン気分の軽い足取りで歩く淡とは対照的に京太郎は沈んだ気分でそれについて行く。

「かてねーとは思ってたけどここまでボコボコにされると自身失うぜ」

「ふふーん、この高校100年生の淡ちゃんに勝とうなど、一年生のきょーたろーじゃ99年はやいのさ!」

ビシィッ!と指で刺されてもぐうの音も出ない。ぐぬぬと唸った京太郎は何かいい返さねばと口を開いた。

「つ、次は負けねーからな!」

「……え?」

とたんに、淡の動きが止まった。

「次……?」

「え、ダメ?……あ、そうか、大会終わったらもうお互い遠くだもんな、でもネトマなら」

「いやそーじゃなくて」

京太郎の言葉を遮り、淡がポツリと呟く。

「また、してくれるの?麻雀」

「あぁ、そりゃ勿論」

「……そう」

「うーん……まぁ、いいか」

スッと顔を上げた淡は先ほどまでの明るい表情に戻ると、またずんずんと歩き出した。

「じゃあお腹減ったし、なんか食べようよ」

「奢らねーぞ」

「え?そりゃそうでしょ、学生同士だし。何食べるー?ラーメンとかどう!ラーメン!」

「……本当に、お前は珍しいやつだよ」

「ほえ?」





「で、次はここか」

礼儀正しくラーヌン次郎をペロリと平らげた淡に連れられて、京太郎はゲームセンターに来ていた。

「そうそう!麻雀ばっかしてちゃ麻雀だけの麻雀人間になっちゃうよ!アラフォー待った無し!」

「んー、確かにな……しかし、でかいな」

長野にこんなでかいゲーセンはなかったなーとおもいつつ、そのあまりにもやかましい店内へと二人は足を踏み入れた。

                           _,,r 、_

                        r-= /  V  `r、___
                        |  / 、 i!  i!  /
                        ! ∧ラ、.ル代デ7 }たったこれだけしか投下できない非力な私を許してくれ……
                        ト' ミ   !  彡}./
                        ! ト 、 .i!  ,r.クr 7
                        `=} 、 ゙ |  ' ノン
                __  ,. r== 、   マ > <ハリ
            _,. ≦  ≧ 、__;;. r≦ ヘ上   /    __
            \  ̄ ` .ァ---= ヘ く  =、 ,k'ヘ´ ヾ :::::::ヽ     ト
              ゝ ,__ ./       ヾ=== 、 .|:::ヾ\ ゞ  シ= 、  ヘ
                    ,   7 _,,,_      \\:} ` ァ=======ヾ V.ヘ
                i!/./    >、       ヾ、 / ハ  .i!    .V|:ヘ
                ,イ     /  ゝ、      | ヘ! |:::リ}  i!    V::: ヘ
        /      ./     .ハ   マ ≧ 、    Nリi!.|://  .}     ., ::::: ヘ
       ./      ./     / ∧   ヽ ヘ      i! /!リ        ',:::::: :..ヘ
       /,      /     /   ヽ    .\ヘ     Y| i!    ヽ   } :::: ::.. Ⅴ
        , {    ,.イ   |   /     ヽ     `   , rイリi!ヽ     ∨  } :::: ::::. ∨
     .,' i!    f    .レ./      i!        .!./´ | マ     ヘ  ! ::::: :::  ∨
     {  ヘ   /     /        i!        .|!  

淡「しかし笑えますねぇ。京太郎は闇の麻雀で対戦相手を発狂させ麻雀界を追放。一方私は全国インターハイの頂点……随分と差がついちゃったぁ。」          /    /     /  /     /         \
       /    /    ,/  /  、//  ,/ /   |       \
.    _人_, / /    /   ,  /  / /\   / / l     |   |  ||     ,         _
.   `Y´/ /    /   / /  / / / /\/ //        |   |  ||    ′      ,ノ /
 _人_  / /    /  / /  / / |l // /∨/    !    ∧  l|  リ    |      └1_|
 `Y´/ ,    /  / /  / /_,|/ l / /∧   |   / } / | ∧    | |         _
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/ / イ   ∨∧ il| l∧       /           `¨¨´ /   ,/ /|   `Y´
  \川川川川川川川/       |      \    l\l\l/   / / l|
―‐三            三\          /        / // / 八
  二   し  く     二      ` --           ..イ/ // / \\
  三   ょ   や    三    \         -=≦/|  /  {\  \_____彡'
  二   う   し   二    /  ----=≦/    /l 人     |  \  \
  三    ね   い    三   /      / /  /  l|\ \   人       \ ̄ ̄\
  二   ぇ   で    二 /         /  イ'ー―┬..┬ 、 \   \  |___}\    \
  三   っ      三            / / l|    |::::::|  |  }\   \}     }\   }
  二  !! ん.   二           /  l|    |::::::|  |  }  \     ̄ ̄ ̄ノ  }  /
  三          三

  /川川川川川川川\

京太郎「てめぇ!」



夜に更新できるようでしたぁ、悔しいでしょうねぇw

むかつくぜAA!俺の改変をことごとく邪魔しやがって!なんで俺に気持ちよく淡のAAを貼らせねぇんだ!俺は煽る淡のAAを見たいんだよ!



          /    /     /  /     /         \
       /    /    ,/  /  、//  ,/ /   |       \
.    _人_, / /    /   ,  /  / /\   / / l     |   |  ||     ,         _
.   `Y´/ /    /   / /  / / / /\/ //        |   |  ||    ′      ,ノ /
 _人_  / /    /  / /  / / |l // /∨/    !    ∧  l|  リ    |      └1_|
 `Y´/ ,    /  / /  / /_,|/ l / /∧   |   / } / | ∧    | |         _
.  ///  /|  l|  |  l|-‐≠≦苧ミxl/ ∧   /   / // | ∧l|   | |       ,ノ /
// / / /|  l|  |  l| /' 〃:.。:(__,ハヾ> } /   / -/―‐|/ /ll     |      └1_|
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  \川川川川川川川/       |      \    l\l\l/   / / l|
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  二   し  く     二      ` --           ..イ/ // / \\
  三   ょ   や    三    \         -=≦/|  /  {\  \_____彡'
  二   う   し   二    /  ----=≦/    /l 人     |  \  \
  三    ね   い    三   /      / /  /  l|\ \   人       \ ̄ ̄\
  二   ぇ   で    二 /         /  イ'ー―┬..┬ 、 \   \  |___}\    \
  三   っ      三            / / l|    |::::::|  |  }\   \}     }\   }
  二  !!   .   二           /  l|    |::::::|  |  }  \     ̄ ̄ ̄ノ  }  /
  三          三

  /川川川川川川川\

これなら正しいか……?

     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,      雀卓でなぁ!恋人や女房の名前を呼ぶ時というのはなぁ!
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /     瀕死の兵隊が甘ったれて言うセリフなんだヨォ!

  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|

  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ Ⅴ__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶

空き巣に入られたり車が粉☆砕したりしたけど私は元気です。やっぱりうそです。
書き溜めなぞないからいつも通り超☆スローペースでいくです、本当です。

「っ……」

「何を落ち込んでるんだお前は、ダントツ一位だろう。その顔見せたらさっきの先鋒のメンバーにすごい嫌なもの見る目で見られるぞ」

「いや……落ち込んではいない。ただ疲れた」

「ほう」

「あそこまで、喰らいつかれたのは久しぶり……まぁ、楽しかった」

「……うん、そうか。さて、私の番か……苦汁を舐めさせられたからな、準決勝で。名誉挽回と行こう。照のリードをより磐石にしなければならないな」

「スミレ~がんばってね~」

「菫せ、ん、ぱ、い。淡、阿知賀と清澄の対象の牌譜見ておけよ」

「は~い」

(読まないなあいつ……)

「……お」

またも、淡からのLIMEが届いた。

『う~、京太郎やるじゃん!』

『どうだ、俺の戦況千里眼は!』

『千里眼ってなに?千里山の親戚?』

頭を抱えた。

『千里眼ってのは千里先まで見渡せるほどの視力って意味だ』

『せん……なに(:・・)?』

『せ、ん、り!』

『距離じゃん、未来じゃないじゃん(′・3・)』

『戦術ってつけたろーが!』

素直に戦術眼と書けばよかったと後悔。予想以上に手間取らせる。

『それより次峰戦の予想!私はねー、白糸台が一位でドベは阿知賀!』

『おうそうかいそうかい』

チラリと画面を見て、返答

『阿知賀は二位かな、俺的には』

(あー、なんじゃろーなこれ)

まこは頭を抱えたくなるような無茶苦茶な卓上を見た。
そして、対局相手たちを見る。

松実宥、そんな格好をして頭が茹らないのか、問い詰めたい。
弘世菫、お前こっち見ろ、うちは二位だぞ。阿知賀ばっかみんな。あ、みた。
郝慧宇、お前は……まぁよく知ってる。一回やったし。

(なんじゃこれ)

頭を抱えたくなる。なんと混沌とした場か、面子も卓上も。
自分が地味に見えてくるから困る。緑髪だぞ緑髪。

(しかし、ま)

眼鏡を外し、卓を見つめる。

(やることは変わらん)

牌をきる。

(だいぶ、なんというか、見たこともない表情しとるけどな?ご機嫌とりは、いつもの通りやればええ)

(逃がさんぞ松実宥)

弘世菫は若干頭に血が上っていた。対面に位置する松実宥にただならぬ熱い視線を送っている。無論、あれじゃない意味で。

(無論これはチームの勝利を目指している。そのためなら感情を殺すべきだ、しかし……)

感情論を切り捨てては麻雀は勝てない、一度ならず二度までも躱してのけた松実宥に直撃をとらなくては、この劣等感が対局中ずっと足かせになる。

(必ず射抜 抜いて見せる、必ず)

神経を集中させる。名門校のプレッシャー、三連覇のプレッシャー。勿論、ある。
しかしそれすら一瞬忘れた。稼いでくれた友のため、後に続く後輩のため、この戦いは負けられない。

(清澄のはまだ手ができてはいない雰囲気だ、臨海もあと少しといったところが、なら、狙い撃つ!)

弘世菫は、狙いを定めた松実宥の捨て牌をみて、最高の待ちで満貫の聴牌を作り牌を切り出した

「ポン」

「!」

上家の清澄が鳴く。

(くっ、しかし、白糸台までツモが回れば!)

「ほれ」

「あ!」

「ロン、5200」

阿知賀が上がった。清澄の捨て牌で。
ほいほいとまるで気落ちせず清澄は松実宥に点を支払う。

(……なるほど、強敵じゃないか、清澄の……染谷まこ!)

弘世菫の、視線を感じ、染谷まこは少し笑った。

書き込み押してから気がついたぞ……

×(くっ、しかし、白糸台までツモが回れば!)

◯(くっ、しかし、阿知賀までツモが回れば!)

白糸台、123800で次峰戦を終える。
対して阿知賀、点数を10万点代まで回復させる。
清澄と臨海はもつれ合う形でわずかに臨海が上。

「帰ったぞー、いやーすまんの優希、お前さんの点棒まいてきちゃった」

「先輩……すごく意地が悪い麻雀だったじぇ……」

「まーこー……あなた白糸台への嫌がらせに集中しすぎじゃないのー?」

「しゃーないじゃろ怖いし、調子づかれて突き放されるよりなるったけフラットにフラットに。だいたいこのくらいの点差なら……お前さんら勝てるじゃろ」

まこは、三人に目を向ける。
竹井久、原村和、宮永咲、この三人ならきっと追い抜ける。

「わしの役目は、射程圏内で耐えることと、相手をぐしゃぐしゃにかきみだすこと……あとは任せたぞ、久」

「……まっかせときなさい」



「やられた!!まんまとやられた!!!!」

「お、落ち着いてください部長」

「落ち着けるか!染谷まこめ……私が狙い撃つ相手全員に自分で振り込むし!いざ染谷を狙ってみよにも上がりを目指さない上がり方のせいで手が読めない!」

「……おそらく白糸台を独走させないために、あえて自分の点を吐いて菫のペースを乱してた。自分が上がる気がないんだから、当然相手はいろんな牌を持てるしひらひら逃げられる」

「ウグググ、悔しぃ……!!」

「部長キャラ崩壊してます……」

「あっはっはっは!スミレおもしろーい!」

「うがあああ!!」

「ギャー!?暴力はいけません~!!スミレのアホー!」

中堅戦
清澄の部長竹井久、ついに憧れの舞台に立つ。

(やば……すごい緊張する)

なんせ悲願の優勝がかかった試合だ、今までよりはるかに大きい重圧がかかる。

(でもまぁ……後輩にかっこいい先輩の姿を見せつけるラストチャンス!怯えず行くわ!)

しかし久は引かない。強い気持ちで手を作っていく。
新子憧、渋谷尭深は、確かに強敵ではあるが、他と比べれば火力はマシだ。
問題は、雀明華。自風を使って速攻で上がられると、瞬く間にオーラスに突入してしまう、そしてそのオーラスは渋谷尭深の本領。
それまでに、何としても点を稼ぎたい。

(どう戦おうかしらー……)

んーと、少し考える。
そして、控え室のメンバーのことを思い出して、少し笑う。

(……かっこよく戦いたい。自分の好きなように、自分が楽しめるように、誇れる麻雀を)

きっと前を向く。かわいいかわいい後輩連中の目にやきつけよう、この戦いを。

「……ツモ!」

我らが大将咲、頼れる副将和、信頼するまこ、かわいい優希、面倒かけてしまった京太郎。

全員を思い、久はいつも通りに派手なツモ上がり(モーション的な意味で)を決めた



一方京太郎は控え室から抜け出てトイレへ向かっていた

「あーちくしょう!緊張して飲み物飲みすぎた!」

自分が戦っているわけでもないのに京太郎はいつの間にか2リッターのミネラルウォーターを飲み干していた。
それに気づいた瞬間尿意をもよおす、しかも強烈。
そのせいで京太郎は久の想いが詰まったツモを見逃した。運のない男である。

「くっそー……どうしてこう締まらないかねー」

小便器に用を足し、急いで手を洗う。
男子力高めな京太郎はしっかり隙間まで、液体石鹸を使って洗い流した。

「さてと!すぐさま観戦に!」

トイレを飛び出し、いざ走り出す!目的地は清澄控え室!目標は試合観せ……

「うはぅ!?」

「ぐおっ!?」

腹に、何か突き刺さった。
おそらく金色のものと視認したそれは走り出さんと身を乗り出した京太郎の硬い腹筋にドスリとめり込む。
カウンターの要領で名状しがたい金色に頭突きをもらった京太郎は二、三歩後ずさり、青い顔をして腹を抑えた。

「うっううぅ……ご、ごめん、前、見てなかった……」

「いや、俺も走ってたから……」

お互いくぐもった声で謝罪をし、お互いを見やる。

「……ん?京太郎じゃん」

「……淡?」

「ここでいいか」

「うん、オッケーオッケー」

そのあと、控え室に戻ろうとした京太郎に淡は、一緒に試合を観戦しようと持ちかけた。よって今二人は、大型モニターの備え付けられたスペースにいる。椅子は埋まっているため、壁に寄りかかる形だ。

「いやー、スミレを怒らせちゃってさー。大将戦までなるべく外にいようと思って」

「呑気すぎるだろ」

画面の向こう側では、控え室で後輩達が勇姿を見ているだろうと信じて戦う久が映っている。
その内の一人京太郎はその久の対戦相手の高校の大将とだべりながら見ているが。

「てゆーかー、京太郎勘鋭すぎー。この淡ちゃんより予想を当てるなんて、生意気だぞー!」

「理不尽な……」

プンスカ怒る淡を横目で見て、京太郎は苦笑いした。

「別に、勘が鋭いわけじゃねー。それなら麻雀弱いわけないしな」

「あーそっか」

「納得すんのな……俺は、ただ単に清澄に都合がいい展開を予想っぽく言ってただけだ」

「都合がいい?四位なのに」

「チーム戦だからな」

久が白糸台から直撃をとった。点数はそれなり、一気に差を詰める。

「わお。たかみーから直撃って、やるー。てかなにあの待ち」

「そういう人なんだよ。守り硬い相手の方がやりやすいんだ」

適当にだべりながら、試合を観戦する。画面の向こうで1回目の半荘が終了。風神こと明華が白糸台の大物手を阻止する。

「あーたかみー!」

「相性悪いな、ありゃ」

「うわー、点数が10万点だいに……でもいーもん!私が取り返すもんね!」

ふふーんと淡が胸を張る。

「そこ、ふつーは大丈夫かなーとか不安に思うとこじゃねーの?」

「高校100年生に負けはない!」

ふんすと語る淡の目に揺らぎはない、本当に、自分自身の実力を信じているのだろう

「チーム戦だぜ?これ」

「? 負けてても、私が取り返せばいーじゃん。大将の役目でしょ?」

「勝ってたら?」

「勝ってたら、ぶっ飛ばすまであがる!」

「なにもかわらねーじゃねーか戦法!」

「なにさー!よーはアガらせずにアガればいいんでしょ!私にはそれができる!」

再びふんすーと鼻を鳴らす。
京太郎は苦虫を噛み潰したような表情をした。

「……淡、俺の予想を教えてやろうか」

「予想?」

「多分な、白糸台は結構リードして、副将戦を終える。二位は清澄だ」

「ほほー」

一息、ついて

「……で、お前は、咲に負ける」

告げた。

「……ほっほーん」

結構カチンときたようだ。淡がメラメラと瞳の炎を燃やして見上げてくる。

「えーつまり、この淡ちゃんが、そのサキに、大きな点差ごと捲られて、逆転サヨナラ負けを喫すると」

「そうだ」

「……んにゃわけあるかー!」

淡は吠えてシュバッと京太郎の背後に周りベチベチと背中を叩いてくる。

「いててて、やめろ!」

「生意気だぞー京太郎のくせにー!てか、バカにしすぎー!」

フンッと今度は不機嫌に鼻を鳴らし、淡はきっと睨んできた。

「そんなに言うなら見てるがいい!この淡ちゃんがアッショーしてきてやるから!そしたら京太郎サーティーワンおごってよね、3段で」

何度目か、淡は鼻をふんすとならしてずかずかと歩き去って行った。

「……」

京太郎は、その背中を、少しばかり、心配そうに見つめた。

ここまでである。続きはまた明……淡!?何故淡がここに!サボったのか?仮病で部活を!?
淡ィィィィィィィィィィィ!!!



でも僕は明華ちゃん派です

       スター・ショートストーリー
       星 の S S!!

                    ____

                  ´       `丶
               /             \
               /          \
                /      |  i       .   i
             i/   / |  |  |\    |  | |
            /   L_|  |八イ⌒\ !  |  | |
            |     | 八  |  \___, |¦ |  | |
          ___彡'| i | 狄う心、| 〃てj仆|¦ |  |ノ\____ __
      '´     | i | 小.Vリ \ Vツ リ ,   ノ        `ヽ
    〃  /   ノ | i八 込""` 、 , ""//         丶  \
    {   '         \V≧ァ─zァ彡   /    \   \
      {/  / / __,ノ  <⌒∨ ___彡く__)     ヽ    〉j/
      /  /   i/    _,,厶-‐|/━━┛\__ i    i  ∨
     ;            〃    ヽ /    j⌒ヾ    ||
     i   {  / {  // {{___ __      __}}   ノ ¦|
         \{ 乂__, {  ,___彡┗;廴_/\_,广ア¨’ /   ノ
      \       ∨ 〈/ ̄/:::::/  ̄ ̄   ̄ ̄
                      ¨¨¨
淡「立てたssスレは必ず完結させる!それが星の流儀!」


京太郎「ふざけるなよ淡!」

本日の夜に続きを書くっぽい~

                             / .. .. .. .. .. .. .. .. .. .. ,.. .. .. .. .. .. . / ,' |.. .. .. .. .../ /   / _
                         〈 .. ..`, .. .. .. .. .. .. .. /.. .. .. ... ... .../  , | .. .. .. ../ /   //^|i
                        `, .. .. .. .. .. .. .. .. ./ . . / .. .. ../  /i |. .. .. ../ /   /  /|i
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                           } .. ..|.. ..|  丶'./ ,,. +''^^ア゙ ./:::'::| |``'/ /   /   /___
          ___________  } .. ..|.. ..|  .}}丶´_ ,,.. く  /:::::':::| |.../_/      /'´/′
        |i __________ i| } .. ..| ..人  .}} }}\    ) ./:::::,' ::,| |. .\ 、   / / /
        |i[ RUM - 有給休暇(魔)]i| } .. ..|. .. .. \}} }}  `'ーく 八``ァ ^ノ,ノ'ー 、,) )   / ./
        |i  二二二二二二二二  i|   . . | ..i .. |{ `丶、    ゙\ ヾ/,辷==ァ彡'     ____/
        |i |    ,☆,ー-r‐☆.、│ :i|.,゙ .. .. | ..| .. |,乂___ン\    ,  ´   / _ ,,.   ´フ⌒
        |i |   ,:'゙^Vム  } i⌒ヾ,| :i|′ . . | ..| .. |`^iト .,   i}    /   ,. + ア´}}^´/ /
        |i | ☆ー‐ ☆'゙ ノ   '| :i| .. .. .., .. | .. |  i|   ``ヾ  ,'  ,/ー‐''゛,ノ゙/ /
          /|i | { r‐- 、 ∧{☆  | :i|_ ,,,../ .. .| .. |_,ノ゙、        ⌒¨¨´、 _,.ィ.{
.         / .|i | 人{, ☆/⌒ヽ    | :i|  /.. .. ..| .. |\⌒`     ./  {{ ヾ,/´.. .. .{          , 、
        / ,/|i |     {   ∨  .| :i|. /.. .. .. .| .. |:. :.\     /   ハ,.イ.:|.. .. .. ...{      ./  \
     / ,/゙ |i |___________{     _____| :i|〈 .. .. .. ..| .. | :.`,: :.\  / ..< .: .: :|.. .. .. ...{‐-  .., /      丶
.    / '  :|i  ___________ヤ   }_____  i|^\.. .. ..| .. |: :. `,: : :.`'' ^´ :. :,.:゙ .: .: :| .. ..i .. {     ``' 、     \
    ′i  :|i |        ,    {   | i|`ヽ.,\ ..| .. |: : :. `,:. :. :. :. :./ .: .: : : | .. ..| .. {、
.   i{  i   :|i |_____________}   ,_____| i|   \ヾ, .|: :. :. `, : :. / .: .: .: .: .: | .. ..| .. `,∨/         |\
   八   .:|i_____}   }____|      ∧. |``丶、 ∧:'゙.:.:_,,. + ''^^.:.:| .. ..| .. .. , W            | |\、
     \         .}  }   }        / ∧j     /::::∨´      .:| .. ..| ../ }i          | |::::::`
           ┌────────────────────────────┐

           │  私 が 引 い た カ ー ド は                       │
           │  ラ ン ク ア ッ プ マ ジ ッ ク ゆうきゅう・きゅうかだ !      │
           └────────────────────────────┘

>>1「これでいつでもssを書くことが……ハッ!?」

カウンタートラップ
「海外出張」

部長「あ~らら、>>1ちゃ~ん、ちょっとイケてないんじゃなぁーい?」



ドーモ>>1です、夜になったら書きます
それとw役満の方は完璧にミスです、たかみーが奪われてた点数を調整して脳内補完してください、許してください、淡がなんでもしますから!

                       ´              \__

                         /                    マ三三三三三三ニ=-
                  /     /           \     ∨ /⌒> 三三三ニ=-
                         ,′          ヽ           \三三三ニ=-
                   /     _/ │  ∧          .     | ニ二  -=ニ\三三三ニ=-
.                /    / /│ '|  |\  :.       :. i   |\        ̄`丶三三三
           __/      / /  │/│  |   :. |\       :.   |             \三三
         _/´/ /    /| \| | |  |  |│ ::.     |   八   ー―‐=ニマ三\  マ三
       厂| |∨//    人 レl   | ト-|  |  |│ ::.     │ \ \       `マ三)  }三
__,,...  -┤│レ/゙∨   /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│              ー=ニ二 `マ  /_三    ねーむーいー……
       ││|{ {.  /  ∧ンリ 乂ツ   \|斗テ外、.|       卜、        丶、______ く_三三
       | ∨\八  {  /  Y::/::/  ,    乂)ツ 》│    | /\       \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人          ::/::/ / リ│  │  >ー──=ミ〃    `ヽ∨ニ三
          ̄    \__,))       ヽ      ∠/_7  イ /⌒)丿    \_ノ{ -‐~‐- }ノ三三
                      ≧=‐   -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=

                                 / /  厂∨ / -――=マ 〉|      |
                               ((⌒´     ∨ 〈       ∨/l.     │
                                           `ーヘ      ∨|     │
                                         `、      ヽ、____丿
                                               \     \


さあ始めましょ初めましょ

姫始めしましょ?(難聴)

>>452
まだ一年は折り返し地点ですぜ
……もう、折り返したんですぜ……





原村和にとって、対戦相手というとは実のところ、さほど重要ではない。

和にとっての麻雀とは、全員が同じ条件のもとで、運に左右されながらも、知略の限りを尽くし、できる限りの最良の道を選び続けるゲームだ。
無論、対戦相手の癖とか、そういうのはかなり重要な情報ではあるのだが、和はそれよりも、とことんデジタルに、とことん合理的に、低い確率よりも高い確率を、低い効率よりも高い効率を。

(配牌で暗刻がふたつ……両方筒子ですか)

それ以外もそれなりにまとまっている。向聴数こそ並の三向聴だが、高めを狙えそうだ。

一瞬で計算を済まし、最も不要な牌を切り出す。

そして、対局相手を見る。

臨海のメガン・ダヴァン
白糸台の亦野誠子
そして……阿知賀の、鷺森灼

部長曰く、全員が不可解奇妙な「パワー」を持っているらしい。

(そんなオカルトありえません……が)

普段なら、バカバカしいと一蹴するが、和は、考えを切り替える。
オカルトは信じないが、打ち回しに独特の癖があるというのは事実だろう。
だったら、それを見咎めない手はない。

和は、ただ淡々と、手を作り上げる。


恐ろしい速度で

「ツモ」

7巡目、裏目もなく、最高の牌効率で打ち回した良配牌は、素晴らしいスタートを切らせてくれた

「2000.4000です」

(……強いなー)

亦野誠子は、ため息をつきたくなった。もちろん対戦相手に失礼なので実際にはしない。

(……綺麗な手を作るな、無駄も一切なし、最短距離を突っ走る)

門前で上がったことがない自分からすれば羨ましい限りである、その運を、少しよこせ、あと胸も

(いや、運の問題じゃあない)

自分の手に、向き直る

(役割を果たせ)

現在白糸台は135000、他は全員マイナスで、4万近く突き放している。
ダントツで有利だ。このまま淡にバトンをつなげば、その圧倒的防御力とスピードと火力、つまるところパーペキな淡ならばきっと勝ってくれる。

(つまり、私のこの対局結構重要じゃん)

「ポン」

化け物どもを相手に、立ち向かう

(このままじゃ終われない)

(汚名返上の最後のチャンス、ふいにしてたまるか)

「チー!」

二副露、あと一つ

(綺麗にまっすぐ上がりを目指してくれて助かる、切る牌を結構絞れるからな)

「ポン!」

三副露

「ツモ!1000.2000!」

「……ふぅ、ただいま戻りました」

「和ちゃん!」

和がかなり疲れた様子で控え室に戻ってきた。頭を回転させすぎたのか、顔は赤く、足取りはフラフラだ。

「ほら和、買っといたぜ、水」

「ありがとうございます……んぐっ」

珍しくラッパ飲み、若干汗ばんだ喉をこくりこくりと上下させる姿は妙に煽情的だ。

「ふぅ……すいません咲さん、それほど差を縮められませんでした」

「全然大丈夫だよ!」

対局結果、白糸台、142400点、対して清澄、ツモ重視のデジタル麻雀で114600点まで回復する。
その差、役28000。
厳しい、しかし、不可能ではない。

「うーん、やっぱ白糸台強いわ」

久が呻く。望みはきれちゃいないが、ぶっちゃけ胃が痛くなる点差である。
初出場にして初優勝の悲願は潰えてしまうのか?

「いや、大丈夫ですよ」

京太郎がそう言うと全員が顔を向けた。

「だって、我らが大将、天江衣をぶっ飛ばした、妥当宮永照のスーパー雀士、宮永咲が大将ですよ?負けるはずないでしょう!」

「え、えっと、京ちゃん?」

「おう!咲ちゃんが恐ろしいほど強いのはみんな知ってるじぇ!ファイト~!」

「ゆ、優希ちゃんも……」

「……咲さん、お願いします」

「和ちゃん……」

「……咲、すまんが不甲斐なかったわしの分も頼むわ」

「染谷先輩……は、白糸台イジメに集中しなきゃ多分収支+でしたよね……」

「だってそうじゃなきゃ今頃白糸台もっとやばかったかもしれんぞ、なははは」

「……咲、よろしく頼んだわよ!」

「……部長」



「はいっ!行ってきます!」

『いってらっしゃい!』

「亦野、よくやった」

「あはは……汚名返上には少し、地味すぎ、ましたかね……?」

「お疲れ様、誠子ちゃん……はい、お茶」

「ありがと……」

「……さすが、白糸台の副将」

「よしてください、先輩……あれ?淡のやつは?」

「ここだよーん!」

「うわ!おま、どこから!」

「ロッカー!!」

「狭いところが落ち着くのって、なんだろうね、あれ」

「やめろ照。……ていうか淡お前なぁ……いや、なんかもういい」

「へへーん、見てたよー!すごいじゃん!でもこれじゃあ余裕すぎて私の見せ場ないかなー?」

「……準決勝で苦労させたからさ、少しでも楽になってくれれば気が楽になる……準決勝でも言ったけどさ、頼んだよ淡」

「まっかせときなさーい!高校100年生のこの大星淡様が!」

「……清澄に、ひいてはその中の一人金髪のデクのボーに思い知らせてやる……!!ケケケケケケ!!!」ユラユラユラァァァ



「……金髪のデクのボー?」

「誰のことかな?」

「……さぁ?」

(もしかして自販機に頭ぶつけてたあの男子か?ていうかあいつすでに髪がユラユラしてるぞ、地味にこのssで初の「」の後の擬音じゃないか?)

「……」

京太郎は画面を見つめる。

すでに、大将の四人がそろい踏みだ

起親、高鴨穏乃から順に、咲、ネリー、そして大星淡である。
全員がスタートを待ち、卓上に視線をおろしている。咲はああ入ったもののこの大舞台で死ぬほど緊張しているだろう。

……と、思ったら淡がちらりとカメラ目線になり、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。なんとなくこちらを見たような気がして少し後ずさる。

(はは、おっかねーおっかねー)

実は淡が入場する直前、京太郎のLIMEに淡からトークが届いていた
内容は『この私のアイス好きをなめるなよ、破産させるまで食ってやる!(#`д′)』

なんとも、腹に据えかねているようだ。それはもう、ものすごく。

京太郎は、今更それに返信をした。今は試合中、淡もマナーモードにしているはずだ。

文を書き終え、送信。

『テレレレテレレレーン』

『あ、マナーモードにしてないや、ごめんごめーん!』

「……」

絶句

(俺悪くねーよな?)

少し冷や汗をかいたが、気を取り直す。
ポケットにスマホをしまい、再び京太郎は画面に集中した

終わりである。白エイください。ないなら自分で書きます。嘘です。

次回!麻雀武闘伝G咲!
「謎の新ヒロイン現る!」に、レディーーーゴーーー!!!!(大嘘

何!? 月曜日になったらあわあわが来るのではないのか?

>>476
よく見破ったな……


      丶        .:/ /.:       :ハ  ,: ..       /
 \.     丶   .::/  {____/∨∨ヘ___} ∨:     /
   \      |:丶  :{                }:    :|       /
    \        ::|`  .,__∧_∧_Λ__,. '"´|:   :|      /
          | :.   :ト、            __}:    :|
           | :ハ  f= 予x 、   ▽厂_二二〉   :      _..  -‐     なんてこと言うと思ったか!
二ニ=―-    |  :  {! (_ァ) トしw 片゙::屯い:]:   |   ‐=ニ _    お前はあわあわだ!!!!
    /[   ,ハ  |  :|`=⇒ '^      `¬ユ刋:   |  .]         ̄
.   / :!   / .:} :|  :|       j{       |::   :| ,/::|     .__
   | :{___ノ :/ .:|  :k、     _..二.._    ,.::!::  :!|_/.::::| .1
   |  \___,:   .::}  :|彡,  {チ⌒^ }  .イ::::|:::   :弋___:L/:|
 _|     ..:::/ .::}:::::::::ト ` 二 ´ ィf{:::::::::|::..  \   .:::レ1  __
"   \  ...:::/ .::/.:::::::,」  >‐< ,八::::::::\:::..   \_/.:::|   ⌒
.     __/ .::/.::::::::::∧          /\:::::::::\::...      ノ





/`ヽ            .  - ─ ─-  .
 /`ヽ   . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼  .
/  /´    __.rr.─‐┐ノ:´Y´ .: : : : : : : : :_ 人 _: \
し '   r<´  |ll:    | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ
   } └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_

、 .斗 ‐‐─ァ── <:./: :/: /: /: : /: : : : :.:/:i: : : : :.`Y´
 > ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧
.       /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧
     /: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧

.    /: : /人.N: : : |  ⌒ ー ''     「笊ckくj /:/:./: /:.∧     夜からの更新だよ
    /: : //: : ヽ!: : :.| """"        辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧    マージャンスタンバイ!
.   /: : //__人_:j: : : |        ,   """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
  /: : //: :.`Y´.|: : : ト、    、_       /. :i: :.:|      `マ}
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\     ー '     . イ. :人_ |    i
∨`Ⅴ「ー`Y´─.! : : |:.|.  \    .  イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
 \ \       !: : ::l:.|     ̄「:i: : : : :j: :.:|: : :l: :.:l   `Y´
   \ \    从: :.j:.|      |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ    l
      ト、\   人: l:.|      } jト、 \j : リ: :/: :/
     | .\ \   ヽ j\ _ _j ハハ  ` <': :./
     |:::\\ \     \   ⌒ } i    `<}ト、
     |: :: :::\\ \      \   .N      // ト、

白玄はっきりつけるみたいなssは考えたことがあるね






さて、と

淡は卓上を見下ろした。
淡はラス親であり、起親の高鴨穏乃が元気よく牌を切り出したところだ。
準決勝では苦渋を舐めさせられたが今度はそうはいかない。
メラメラと燃え上がるリベンジ根性を抑え込み、続けて対面。

宮永咲

静かに、素早く牌を切った。手慣れた手つきだ……当然か。

宮永咲、最近知り合って、結構気があう京太郎が言っていたが、私はこいつに、捲られて負けるらしい。

やってみろと、やれるもんならやってみろと、高らかに叫びたい。

点数はおよそ28.000点。そして、相手は必ず五向聴。こっちはダブリー『かけてもいい』

負けるものか、うち負けるものか。

髪がざわつく。意識を集中する。上家のネリーが切り出した。

淡、それを受けて改めて自分の手配を眺める。

ニヤリと少し笑い、牌を切り出した。

リーチは、しない。

「なんと……」

久は唸った。大星淡がダブリーをかけなかったことに疑問を覚えたのだ。

「戦略を変えてきたかの」

まこの指摘の通りだろう。淡は聴牌を崩しー向聴に戻す。しかし、役を絡めやすい組み合わせに近づけたようだ。

「驚くことじゃありません。あの手なら確かにダブルリーチをかけずに粘ったほうがいいですね」

和は苦々しい表情で言う。相手の出だしがすこぶる好調なのに対し、咲の手牌がバラバラなのが気になるのだろう。

「ダブリーは制約じゃないのか……」

優希が呟いた。あの能力はドラゴンロードのような『制約』がないようだ。すなわち、遅い相手を眺めながら手を組み替える余裕があるのだ。

「……」

京太郎、黙って画面を見つめる。焦りは、ない。

(いいじゃんいいじゃ~ん!)

大星淡は大変機嫌よく牌を切り出した。
4巡目、二向聴まで戻したが役が絡みドラなしでも満貫にてが届く。
そして、手元には崩さずにとってある暗刻もある。
倍満もゆめじゃな~いとウキウキしながら相手を待ち受ける。さあ追いついて見せろ、と。



誰も、リーチをかけない。
五巡目に入って改めて淡は卓上を見下ろす。ここからは油断しない。もしかしたら上がってきやがるかもしれないのだ。
捨て牌からはその気配はない。
ツモり、切る。手は進まながったが別に構わない。
カドまでまだまだあるのだから。

~~~

(きたー!!)

「リーチ!」

高らかに宣言、リーチ棒をだす。
一応基本にならって、両面待ちの形にした。そして、次のツモ。

「カン!」

んでもって

「ツモ!」

淡はアガった。ところがどっこいカン裏がさっぱり乗らず、まさかの満貫そのまま。

(うぐぅぅぅなんでー!?)

満貫をツモあがりしたのに頭をかきむしる淡に三人の冷たい目線が刺さる。おっと失礼と姿勢を正し、気を取り直す。

(いいもんいいもん!上がったのは淡ちゃんだし!サァツギの局こそ……)

                       .  ¨  ̄ ̄ ¨   .
                . ´              `ヽ
               . ´                  :.
                ′                         :.
            /                        :.
            ,′                       ;.
            /                         /
              / {         ニニ二三三二ニニ       /
          /  \     ニ二二三三三二二ニ    /  イ
            /\_ \ ___   ニニ二三三二ニニ   ∠ イ |
        /  ,ィ   ̄ ̄三三|:ニニ三王 三l 三|ニニニ= | | |
.        厶イ |  i  二| 三トニ二三ト、三ト、 ト、ニニ= | |/
         j  j从|  | |、 | | | ト、ニ王ニ{{ o }}ニ=  | !
                 |  ト、圦乂| 乂| \{ \| ヽ{ヽ{   イノ
                 乂_{ jハ               从イ/´
               -=ニ`ト .    -    .イ二ニ=‐- 、_
              r=ニ    =ニ二|`ト   _ . r |二ニ   ニ7 }ニ〉
             ハ マニ   ニ二ハ         !二ニ    / / /ヽ
.            / Vハ \     ニ二ハー-  -一 j二ニ   / / / ∧
            ′ \\\   ニ二ハ───‐/二ニ  //イ /
            |      \\\  二∧    /二ニ ///,/ ,/  1
            |   }八  {\\\ 二∧  /二 /// // ∧   |

「!?!?」

対面の視線……否、死線を感じ体が震えた。
おもわず目をそらしてしまう。

(え、な、なになに!?ちょーこわい!?)

(あ、淡ちゃんは怯まないもんね!テルーの妹だとかなんとかだけど、そんなのカンケーないし!)

その照が控え室で咲にたいそう怯えていることなどつゆ知らず東二局。
相変わらず淡は好調であり他家のスタートはやはり遅そうだ。

(ふーんだ、このまま突っ切って……)

「カン」

「っ」

対面、宮永咲のカン。
おそらく有効牌を引き入れられたと、直感が告げる。

(少し余裕なくなったけど、でもまあ有利なのは……)



「カン」

「ぅ」

三巡目、再び咲のカン。

「カン」

五巡目。またもカン、しかも全て暗カン。

おまけに、その五巡目のリンシャン牌。

「ツモ」

淡にとって完全に想定外、五巡目のツモあがり。

「三暗刻三槓子、リンシャンカイホー、満貫」

早い、強い。ドラが載ってないことが救いだ。

清澄との点差、咲の親満で縮まる。

あ、ごめんなさい、淡はリンシャンでは上がってないです。見返してみたらこりゃ勘違いしそうに書いてあるわ……



咲は、すでに淡の急所を見抜いている……京太郎は悟った。
実は対局前に、淡攻略には簡単な抜け道があると言っておいた。どうやら見つけたらしい。

おそらく、ここから淡は相当苦い思いをすることになる。自分は聴牌スタート、相手は五向聴スタートで、自分の『遅さ』に苦しむ羽目になるのだから。

画面の中で、咲が左右の二人に目を運ぶ。その二人も各々を見合い、そして再び卓上を眺める。

スマとを開く。淡とのLIMEに当然、既読は付いていない。試合中だし。




「ポン!」

ネリーの牌に咲が無く。カンが積み重なり、淡の優位性が薄まる。

(カンでツモ増やして向聴数荒稼ぎとか、対抗できるかっつーのー!!もー!!)

淡はイライラしながら自分の親番の東4局を進める。手牌は相変わらず好調。ー向聴を維持しながら高めに作り変える。4巡目にして超良系の手が出来かけている。しかし

「カン!」

咲が、早い。恐ろしいほどの速度で手を作る。
理由は簡単だ。二人が、咲の鳴き頃の牌を切っている。

(私の点数を削りにきた……!!)

穏乃、ネリーの考えは読めた。防御力の異常に高い淡に手が届く咲に点数を稼がせ、その後に咲を削ろうという魂胆だ。そのために今は咲に協力しているのだ、『その方が手っ取り早いから』

(そんなのくやしーじゃん……!!)

強いから、警戒されているからこその作戦にしかし、まるで前座のように扱われてると感じ、淡はイラついた。そして、満貫確定の聴牌へと、牌を切り出す。

「カン」

(あっ)

もちろん、相手の暗刻がなんなのかなど読めるはずもないだろう。しかし、やっちゃったと思わずにはいられない。
わずか五巡目で生牌を危険視など普通はしない。しかし、咲にその考えが甘かった。

「ツモ、リンシャンカイホー」

責任、払い

頭がクラクラする。

淡の総合能力は確実に咲に勝る。
しかし、他二人のブーストで、咲の火力、スピードが恐ろしいことになっている。

(勝てる?これ)

責任払いの5200、安くない。
己の中に生まれた不安をしかし、淡は強引に呑み下した。

(弱気なこと考えるな!負けるわけにはいかないじゃん!!)

三人が協力したからなんだ。そんなもの言い訳にはしない。私が優位なんだから目をつけられるのは当たり前。

(負けるわけには……!!)

焦る。最初にあった余裕など、最早かけらも残っていない。


ドヤ顔でゴミ手をあがるあわあわを想像してあわあわした

>>571
すまんのぅ、>>1の中で最強の戦法がとにかく誰よりも早くアガることという持論がにじみ出ているのぅ
ついでにドヤ顔してないよ、この上なく真剣な顔してるよ。エクレアを食べてるテルーくらいの顔だよ。
それにしてもなんでモモのAAあんなにたくさんあるん?





ーーー
ーー



(あぁ……気が遠くなってきた……)

頭をフル回転させすぎて淡は顔がぼんやりと赤くなってきた。知恵熱を初めて実感している。
とにかく、とにかく早上がりを目指し続けた。他家は五向聴以下自分は聴牌というハンデを最大限活かして、とにかく早く流した。
全て安手であったが、相手のアガるチャンスを潰し続けた。
そして、ついに、オーラス。

(……ちくしょー)

手元を見る。配牌は確かに、聴牌、しかし役がない。

(黙聴は無理かー、でもなー、咲だっけ?相手に手を組み直してる余裕あるかなー)

対面をちらりと見る。咲の方も相当余裕がなさそうな顔をしている。じかし向こうはささっと鳴いて、ついでにリンシャン牌を掴んで五向聴を早ければ3巡で聴牌まで持ち込んでくる。なんの冗談かと思うが、自分は人のことを言えないか、と苦笑する。

(リーチ棒出したくないなー)

二位清澄との点差は、わずか2300まで迫っている。1000点の直撃ならまだギリギリで勝てるが、リー棒を出してたらもうアウトだ。

(怖いなー)

頭がボンヤリする。勝負を仕掛けるのが怖い。やはり手を組み替えるべきではないか。しかし、しかし、だがしかし……



(いや、迷うな、逃げちゃダメだ)

さすがに今ここで逃げられない、どっちみち黙聴はバレているのだから、先にアガったほうが勝ちというシンプルなルールで行こう、そうしよう。
淡、一世一代の大勝負、点箱から千点棒を取り出し、宣言。

「リーチ!」

場が張り詰める。他二校も、点差は1万程度まで迫っている。誰にでも勝機がある。

(この渾身のダブリー、振り込んでよね)

あぁ、手を伏せた後にドッと淡の背中から冷や汗が吹き出てきた。
怖い、ちょー怖い。こんなに緊張した麻雀はいつ以来だろうか。テルーに初めて順位で勝つかどうかの卓でも、これほどの緊張はなかったと思う。

(……この一勝負で考えれば私は20000以上く削られてるよね、ダメだなー、私)

しかし、しかし今自分は勝っているのだ、仲間の稼いだ点のおかげで

(よし、きめた、とりあえず控え室戻ったらみんなに謝ろう。とくに菫に……いや、菫部長って言ったほうが今はいいよね?多分)

牌が切られてゆく

(とにかく早くみんなにあって、謝ろう、そうしよう)

牌をひく、あたり牌ではない。

(で、そんでもって、うちが勝ったら、その後すぐに清澄の控え室行こう。そんでもって、きょーたろーが出てくるの待って、どうだーかったぞーって自慢してやろう、そしてすぐにアイスクリーム食べに行こう)

ツモ番が、咲へ回る

(……負けたら、そうだな、その時は)

「……カン!」

(あーーーーー)



大星淡は負けを悟った。

中断。
続きは夜に公式サイトをチェックDA!

                        ____
                      ´      `丶

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                .:   Ν 八八 Ⅴ´\ハ         |    | ┼ __ | \ (⌒⌒)
               i:  Λ x= ミ \ル‐ =ミV:| │  i │    レ(ノ\    レ 丿 \/
               | i  iハ   .       |.:| │  i │
               | i  i:  :. "       ""  ; :| .:|  i :.
               | i:. ∨込.  マ::::フ   / イ :リ  i  :.
               人八 ∨ 个ト  ,,_  <「∨ :/i   i  :.
                    /\[  |  __j_」   ∨∠:リ  リ   ::、
                /  リ jレ'´ 乂    У∨   ∧     \
                  /  /  /ー  --/ /  /⌒>、    \
                  / / /  /   广⌒゙ア  /  ///⌒\   \
            /     /   /  /   /  厶イ     ,  \ \
                 /   イ\   ,゙ /   __/   {//       |   \ \
             //  /イ 「\\_/  .:::´:::八 ∨ ′     | \      ヽ
              (/ ノ   人;::::\[__/ ::::::/::/ \∨{        人     ∨)_ノ
           \{    /   >::[_[\__;;;/    )У       〉   ト、 │
                 \__{ /::::::::几::::::\      〈          /|   |ハ |
                    [__∨::::::::∨| \::::::丶    込,,______ノ |  /  ∨
                   |__7 :::::::: ノ│  〈:::::::::|    〈 [_____________〕 |  ,   /

「はぁっ、はぁっ……」

慌てて外に出てきた京太郎は、旅館の正門付近で息を整えた。
それは厚い雲に覆われているが、町のネオンが目に眩しく、まるで暗くない。

「あ、きた」

声の方に振り向くと、塀に寄りかかっていた淡がピョコンと体を起こした。

「お前、こんな時間に……」

「いーじゃんいーじゃん!それより、あのバカ騒ぎの中に混じってなくてダイジョーブなの?」

「あぁ、あんなかにいるのは正直つらい……」

昨日までと同じ明るい笑みを浮かべる淡に拍子抜けした京太郎はほっと一息ついた。

「ふーん、そっか……ちょっと、近くの公園まで行かない?」

「おう、いいぜ」

淡の誘いに京太郎は乗った。
旅館から少し歩き、まるで人気のない公園のベンチに腰掛ける

「……」

「……」

二人とも、無言だ。

京太郎はなんとなしに空を見上げる。この辺りな東京にしてはまだ空気が綺麗な方らしく、空にはぼんやりと星が見えたりしたのだが、今日は雲が厚く、見ることは叶わない。

「負けちゃった」

唐突に淡がぽつりと呟いた。

「あの後さ、控え室に戻ったら……みんな、私のこと慰めてくれたんだ」

下を向いたまま、淡は言葉を紡ぐ。

「私が全部のリードを台無しにしたっていうのに、みんな、私は悪くないって、自分たちがもっとリードをって、無理させて、済まなかったって……」

声の調子は変わらないが、少しづつ、途切れることが多くなってきた。

「っ……あはは……こん、な……悔しい黒星、初めてだよ……白糸台の……大星、淡なのにね……笑えないや……」

なんとか声の平成は保っているが、ノイズのように混じる嗚咽で、もう、ごまかしようはない。

「っ……悔しい……!こんなの、悔しくて……みんなに申し訳なくて……!悲しくて、情けなくて……!」

一度決壊すれば、後はもうたやすい。きつく閉じた目からホロホロと大粒の涙が流れ出し、地面の色をポタポタと濃くしてゆく。

「みんなそれでも、優しく……!それで余計辛くって……!!」

隣でただうつむいて涙を長く淡を、どうすればいいか京太郎にはわからない。ただ、なんとなく、不器用に、淡の頭を優しく撫でてやった。
サラサラでツヤツヤの金髪が指をすり抜けてゆく。

そのまま、しばらく京太郎は淡の頭を撫で続けてやった。

何気に今更だけど、LINEじゃなくてLIMEなのはわざとなんだろうか

やがて、淡の瞳から溢れる雨が止む。

こてんと、倒れるようにして京太郎の肩に、頭を預けた。
甘く柔らかい香りがして、京太郎の鼓動が少し早くなる。




「なぁ淡」

ぽつりと、京太郎が言葉を漏らした

「空を見てみろよ。ひでー曇天だな」

言葉を受けて、淡がゆっくりと、腫れぼったい目を空へ向ける。その先には今にも降り出しそうな黒い雲が浮かんでいる。

「俺って、あんなんだ」

京太郎の言葉の意味がよくわからず淡は首をかしげた。

「いやな、俺の麻雀の戦績ってさ、あの曇り空に似てるんだ……」

「俺の一位率って、部内で一割を超えることないんだよ、三位以下が7割くらいだ、一位取れた日なんかもう、飛び上がって喜ぶね、そんくらい負け込みで、それがなんとなーく、あの空に似てるんだ」

淡は少し笑った。あの清澄メンバーにボコボコにのされてうめく京太郎の姿が脳裏に浮かんだからだ。

>>610
わざと!わざとです!



「でもな、どんな曇りでも、ほんの少しの風が、その雲を吹き飛ばしてくれるんだ」

「風?」

「うん、風。とっさの閃きとか、運とか、そう言うのだ。そういう要素で麻雀って勝敗が変わるんだ」

「お前は今日たまたま風向きが悪くて、雲に覆われちまった……でもな、きっとそんな雲、すぐに風が吹き飛ばしてくれる、万年曇り空の俺が言うんだ、間違いないぜ」

ポンっと、改めて京太郎は淡の頭に手を置いた。無抵抗のまま頭を撫でられる淡は黙って、京太郎の言葉を聞いていた。

「そっか……今みたいな曇り空でも……ちょとした風が吹けば……」

「雲の切れ間に」

「星が輝く」

「……ま、つまり麻雀なんて運ゲーってことだからそんな落ち込むなってことだよ!あー、夜更かしして眠いぜーったく……」

自分のセリフが恥ずかしくなったのか、京太郎は顔を赤くしてポンポンと淡の頭を軽く叩き、態とらしい伸びやあくびをする。
そんな京太郎をみて、淡はクスリと笑った。

「……うん、やっぱ、きょーたろーに、相談してよかった」

「なんかいったかー?」

ハンドボール仕込みの無駄にアグレッシブな柔軟体操を披露する京太郎に、淡はいよいよ頬を緩ませ、それこそ、満天の星空のような笑顔を浮かべた。

「きょーたろーに、ありがとーっていったの!」

「は、はは!礼を言われることなんてしてないぜ!お、俺そろそろ旅館戻るわ!じゃなー!」

「あ、まってよー!ウラ若き高校100年生を送ってかないつもりー!?」

思わず走り出し公園から飛び出す京太郎を淡が慌てて追いかける。



そんな、二人は気づかない。二人の真上に位置する雲が、ちょうど揺らいで切れ間を作り、そこに、輝く夜空が広がっていた。

須賀京太郎にとって東京という土地は、憧れと、驚きと、そして若干の嫌悪を抱かせる場所である。

この驚きというのは実に多彩な意味を持つ。
まさかの40℃越え、まさかの迷宮地下鉄、まさかの出会い、まさかのetcetc……

そんなこんなを体験しつつ、個人戦第1日目の朝、京太郎は新聞を読みながら朝食を喰らっていた。

「はー、『またも襲撃!?マフィアボスの執事がボコボコに……』なんかんだこの執事を集中的に狙った事件ってのは、ハギヨシさん大丈夫かな」

「あの人ならば暴漢に襲われても余裕で返り討ちにしそうじゃのう……」

「で、あるか」

同じく朝食をかきこむ先輩二人よりも早く、朝食のフレンチトーストを胃に収めた京太郎は、試合に出場する咲と和の荷物を肩にかけた。

「じゃあいってきまーす」

「はい、咲のお守りよろしくねー!」

「わしらも後で行くからのー」

「お待たせしました、須賀くん」

「京ちゃん、よろしくね」

「おう、じゃあいくぞ」

蒸し暑い日差しの中、三人は旅館の外へと踏み出した。

今日は2人の個人戦第一試合がある。京太郎は2人の荷物を運ぶ兼咲のお守りだ。ちなみに荷物運びはついでであり本命は咲の見張りである。

「あっつい~……」

早くもグロッキーになりかけている咲の頬に冷たい麦茶の入ったペットボトルを押し付けて、会場へと向かう。和はその暑さにはもう幾分か慣れたようで、うんざりしつつも順調二歩を進めていた。

「2人とも頑張れよ、今日の個人戦」

「はい!1位2位の��、両方清澄に飾ってみせますよ!」

「どっちが金かは勝負だね、和ちゃん!」

2人の満面の笑みを見て頼もしくなった京太郎は、気合を入れて会場へ到着足を進めた。

oh……おかしなことになっとる

「はい!1位2位の��、両方清澄に飾ってみせますよ!」


「はい!1位2位のトロフィー、両方清澄に飾ってみせますよ!」

そして、試合会場に到着した。会場内には初日に勝るとも劣らない観客が詰め寄っており、その盛り上がりはいろんな意味で団体戦を上回るかもしれない。

「じゃあ、私たちは控え室に入ってます。須賀くん、荷物ありがとうございました、重くなかったですか?」

「あんくらい軽いもんだよ!じゃあ、部長たちの席確保してくるわ、頑張れよ!」

2人から離れて、京太郎は巨大モニターの設置されたルームの中の椅子4つほどに確保を示す荷物を置いた。
そのうちの一つに腰掛けて、ふうと一息、モニターを眺める。

「部長たちが来るまで30分くらいか……」

その間、暇だ。
暇つぶしに自分の荷物から麻雀の教本を取り出し、パラパラとページをめくる。
そしてしおりを挟んでおいた『牌の透視方』の項目を開き、いざ読みふけようと気合いを入れた

「きょーたろ!」

「おわ!」

その途端、柔らかい何かが後ろからぶつかってきた。

「あ、淡か?」

「せーかーい!むー、つまんない」

首だけで振り返るの、ぷーっとむくれているのは見間違えようもない、星のような瞳を持つ大星淡である。

「あー、お前も個人戦出場枠か?」

「そう!こっちでは雪辱をハラハラしてやるんだからー!」

メラメラと燃え上がる闘志を瞳な携える淡は傍目から見ても相当気合いが入っている。

「そうか、俺は清澄の2人の応援だけど、お前も頑張れよ」

「そんなこと言っておきながら私のことも応援してくれるきょーたろーが好きだよ~!」

「好きってお前……」

呆れたような口調ながらも頬を少し染める京太郎をニヤニヤとチェシャ猫のような笑いで眺める淡は、すっと姿勢を正し、京太郎にビシッと指をさした

「そう、実は今日は個人戦以外にも一つ大事な用事があったのさ!」

「大事な、用事?」

「そう、きょーたろーに一つ、挑戦状を叩きつけに来たのだー!」

「挑戦状?」

意味がわからない。強い側から弱い側に挑戦状というのは意味がわからない。
頭にクエスチョンマークを無数に浮かばせる京太郎をくすくすと笑い、淡は、告げる。

「私こと大星淡は優勝してみせます!テルーよりも!咲よりも強く!優勝してみせます!」

なんと、と京太郎は思った。こういうことを臆面なく言えるのは淡の大きな強みだと思う。

「だから、一つ京太郎に約束してほしいことがあるの」

「え、それ強制?」

「モチのロン!」

「マジかよ」

京太郎はうなだれた。この元気っこが突きつけてくる無理やりの約束が、まともなものとも思えない。

「その約束ってのは、なんだー?」

「それはねー……京太郎、今年の冬までに、個人戦、長野枠で出場できるくらい強くなって!」

「……は?」

また、無理難題を押し付けられたものだ。第一、それで淡になんのメリットがあるのか

「私もネトマで協力するからさ!ね!頑張ろうよ!」

「なんでお前にそんなこと言われなきゃいけねーんだよ」

「だって、そうじゃないと季節ごとに絶対に会えるって保証、ないじゃん?」

「……は?」

にこやかに告げる淡に、京太郎は少し、固まった。
会えるって保証。つまり、会いたいって、こと?

「おまえ、それ、どーゆー」

「はい!約束したからね。それじゃ、これは契約の証!」

ぼーっとしてる京太郎の頬に、淡は唇を寄せて……






ちゅっ♪




「……は?はぁ!?はぁーーーーーーーーーーー!?!?」

椅子から飛びすさり尻餅ついて無様に交代した京太郎は声にならない声を上げた

「アハハ!キョータロー面白い!」

「おま!おま!だって!おま!!」

幸い周りに人は少ないが、その少ない人多々は全員こっちをガン見していた。

「いまのは、この淡ちゃんとの契約の証、約束破ったら、承知しないんだから!!」

そして淡は振り返り、まったねーと、去っていった。耳が、真っ赤だ。



しばらくへたり込んでいた京太郎は、顔は真っ赤のまま立ち上がった。周囲の人間の視線が、痛い、死ぬほど痛い。

「はぁ……やれやれ」

また面倒ごとが増えてしまった、と、京太郎は首を振った。



取り敢えず、今日個人戦が終わったらみんなに麻雀の指導を頼まなくてはいけない。

カンッ!!

フッフフフ…クッククククク……

  }     }-≦二L」  |       ,   / ;
  }   }  {气  ⊆刈 |N    /  x| i   /
 /,|   i  {ミ≧x、__,八| \_,彡と似 |  /  /
. { 人  人  マ'"´ 三‐-   {K( ヒぅ |ノイ    /
    `ヽ、  ∧        ,ノ'⌒ミー=彡'/   /  なーんちゃってwww
  \ 'ー-〕ト ト{`ニニ==-     _,ノ'´   ,
.    `¨T'ハ       -‐‐  `うx/     ,ノ
      | v〉、   ` 、 ___彡'´  `ア¨~ ̄
      } 」{  、           _. '′
  _,, -'¨ 八  \    _,。≪[__

イッヒヒヒヒハハハハハ、おかしくって腹痛いわ~wwww
面白いやつだな、ほんとに俺がこのスレをやめると…ウッヒヒヒヒヒヒヒw
なら見せてやろうかぁ!?もっとつまらないものをよぉ!!

本当に全然大したものじゃないおまけモード
安価のないように従って小ネタを書くぞ!
>>646
>>647

乙でした
あわあわあわいい

京ちゃんが好きだと自覚したあわい

ーーー京ちゃんが好きだと自覚したあわいーーー





「はいはい、呼ばれて飛び出て即参上」

たったいま、数秒前、LIMEを送ったばっかり。
それなのに、すっかり見慣れた金髪の京太郎は、そばの物陰から姿を表した。

なんでもうここにいるんだろう。
呼んだらすぐ来てくれた、まるでヒーローみたいな登場に、少しだけ、ほんの少しだけ、胸が高鳴る。

「ほれ」

何かを差し出された。
麻雀ダコだけではないその手には、チュッパチャプスくらいの棒付きキャンディーが乗っている。

「脳みそってスゲー大食いな器官でさ、しかも甘いもんしか受け付けねーらしいぜ」

「……そうなんだ」

なんとも、どうでもいい豆知識を聞かされた。

私のことを気遣って、甘いものを、持ってきてくれたのかな?

胸が高鳴る。

「……びみょー」

気恥ずかしさを隠すように、すこしだけ、尖らせた口調で言う。

「ははっ、まぁもらいもんの飴だからな、文句はその人に」

「もらったものを誰かにあげる?フツー」

何が楽しいのか、にこにこと、京太郎はわらっている。気楽そーな顔してさ。

「……なんで、送ってすぐに来たの?」

「こりゃ呼ばれるなって思って。紳士たるものレディの呼びかけには5秒以内に応じるもんだぜ」

「ストーカー?」

「ちげーよドアホ」

「アホだと~?」

あぁ、全く、こっちの気分も知らないで
ずいぶん前から、まっていてくれたんだろう。

すこしだけ、ほんの少しだけ、罪悪感が募る。

「なぁ、麻雀で勝つって、なんだと思う?」

すこしだけ話をして、不意に京太郎が問うてきた。

「……そんなの、点数が少しでも高ければ勝つでしょ」

「そおーだそのとーりだ!たとえ百点棒一本でも多い奴の、勝ちだ。100点でも低けりゃそいつの負けだ」

何を、当たり前のことを。京太郎は真剣な顔だ。

「そのルールのせいてで俺の部内の一年生四人の中では、トップ率はダントツドベの0.95だ。わかるか、10回やって1回目トップになれるかどーかだ。そりゃそーだ、何もかもが劣ってる俺があいつらに容易に点数合戦で勝てるわきゃないからな」

「何その自虐情けない」

「やめろ死にたくなる」

えらそーに語ってたかと思えば途端に顔を曇らせる。

……私にだって、わかる。それは私を励まそうとしてるんだ。
不器用に、どう慰めればいいかわからなくて、自分の情けない姿を見せるくらいしか、方法が思いつかないんだ。

なんだろう、そんな姿が、すこしだけ、可愛い

「まぁともかく麻雀ってのはそういうゲームだ……で、淡、聞くぜ。いま、この麻雀で勝ってるのは誰だ?」

「そんなの……私だよ。7000点、上にいる、けど……」

「そーだお前はまだ勝ってる!お前の仲間たちが、稼いでくれたおかげでな」

その言葉に、四人の顔が思い浮かぶ。

まったく、生意気だ。京太郎のクセに
きっと、私に足りないものが何かわかっててそれで、厳しい口調で私に教えてくれてるんだ。

思い込みじゃあない。その顔を見れば、真剣そのものな顔を見れば、そのくらいわかる。表情を読むのは、麻雀打ちの基本だし。

京憧、京衣、京戒、(妄想の中では)よりどりみどりやで……全部書くのは死んでも無理だけど

ところでベクター、書く前に聞くが、海編は今まで通りの文体と台本形式のどちらがいい?

時系列を気にしたら負け

「海に行こう!」

「……うん?」

唐突であった。
本当、本当に唐突であった。
第1巡目で不要牌を切ったら人和されちゃいましたーってくらい唐突だった。
りんりんらんらんと真横で鼻歌を歌っている淡をスルーし麻雀指導本『これであなたも神域の打ち手』を読みふけっていた京太郎は思わず聞き返してしまった。

「あ、いまうんっていったね!いいましたね!はい、確かに言いました!」

「まて、何もかもをお前の中で進めていくな」

とうっと、淡の頭にハエも殺せないチョップをかます。いった~いと、オーバーなリアクション。

「だって、せっかくの夏だよ!?麻雀だけで終わらせたらアラフィフになっちゃうよ!」

「お前その麻雀だけで終わらせる奴がこの東京に今何人いると思ってんだ」

「そいつらは全員アラカンになればいーの!私とキョータローは違う!」

ミャーミャーとやかましい猫のように騒ぎ立てる淡を前に、京太郎は深く、深海より深く、地球のコアくらい深くため息を吐いた。
短い付き合いだが、こう言い始めた淡が頑固だというのは重々承知している。ちうしれ、にもらずいぶん困らされたものだ。

「はいはいわかったわかったいってやるよ」

「やたー!じゃあ早速水着買いに行こう!」



「え?」

「だって持ってきてないでしょ?買わなきゃじゃん」

「あー……うん、そうか、そうだよな、変なことないよ……な?」

「ないない、ないよ、全然ない。すごく自然!」

というわけで、二人は仲良く連れ立って近くの水着専門店へとやってきた。

「水着、専門店……か。長野にこんなものはなかったな」

「え?マジ?」

「長野は内陸の土地だぞ」

「あっ……」

何かを察した淡はそれ以降何も言わず、そのまま店内へ徒歩を進めた。男女合わせて置いてあるらしく、カップルも少なくない…が、金髪コンビの二人は結構目立つ。

「じゃあ先に京太郎えらんじゃってよ!」

「そうか?じゃあ……予算的に……うん」

京太郎はどんな水着を選ぶのか、と目を輝かせる淡を背に、京太郎はドンドンと買い物カゴの中に商品を放り込んで行く。

「こんなもんかな……」

・麦わら帽子
・サングラス
・アロハシャツ
・真っ黒なトランクスタイプ
・サンダル
・ボディタオル

「……キョータロー……」

「な、なんだよ」

「ヤクザ?」

「ちがわい!」

しかしすでに淡の頭の中には浜辺のレディ達に恐れ慄かれる金髪長身でサングラスをかけた威圧感満載の筋肉モリモリマッチョマンしか浮かばなかった。

さて、今度は淡の番……となって、焦るのは京太郎である。
淡に手を引っ張られるままに連れてこられたが、女性用水着が木々のように辺りにそびえる女性水着コーナーは、なかなか近寄りがたいものがある。
これどうかしらとか彼氏に聞いてたりしてる人もいるから問題はないだろうが……

「あ、これかわいい!どうどうみて!」

と、声のほうを向くと淡は一つの商品に目をつけたらしく京太郎に見せびらかしている。

「あー……首の後ろで結ぶ奴か」

「そうそう!ホルターネックって奴!ビキニだよビキニ!」

どうどう~?と胸の辺りに水着を当てて見せびらかしてくる淡。その涼しげな水色の水着は淡によく似合うように思える。特に、こう、なかなかに豊満な淡のバストを持ち上げるように強調するビキニ姿を想像すると……



「ふふーん、これ気に入ったっぽいね、じゃあとりあえず保留!」

おもわずぼーっとしてたら悟られたらしく、淡はそれを買い物カゴに放り込んでしまった。どうやら好みを悟られたようだ……

「じゃあこれは?どう?真っ赤なパレオ!」

次に取り出されたのは、やはりというか、なかなか大胆に胸を露出するパレオタイプのビキニだ。下半身には長めのスカートのようなものがついているため、必然的に肌色の多い上半身に目がいってしまう。情熱的な赤色もまた、淡には似合うだろう。

「なるほど~、きょーたろーは正直さんだね!じゃあ次は~」

と、ドンドンと淡は水着を漁る。

ふと、淡の買い物カゴに大量の水着が積み重なった頃、ふと京太郎の視界に白い水着が目に映った。それを見逃さなかった淡はその視線の先の水着をバッと手に取る

「ふんふん、モノキニかぁ~」

取り出された純白のモノキニ。
ヘソの辺りにレースで編まれた花弁のような部位があり、そこから四方向に花弁が開いたようなデザインだ。胸の谷間、脇腹など、なかなかに挑発的なデザインをしている。

「ふふ~ん……こういうの、好きなの?」

「どうだか」

ニヤニヤと笑いながらたずねる淡に京太郎はそっけなく顔を背けた

……耳まで真っ赤だが

「ふふふふ~ん……ほんっとーに嘘つけないねーきょーたろーはさ!じゃあこれに決めた!サイズは~……」

「い、いや別に好きとは」

「あれ?嫌い?」

「いや、別に、どっちでも……その……」

「あ~もーかわいーなー!」

んーっと背伸びして淡は京太郎の頭を撫でてやった。

「ななっな、なにすんだよっ」

「うんうん、かっこいいきょーたろーもかわいーきょーたろーもいいね!じゃあ買ってきまーす!」

そのまま、選考落ちした水着を一瞬で元の場所に戻すと、他の幾つかの商品と一緒に淡はレジへとかけて行った。

「……知られてはいけないことを、知られた気がする」

周囲の生暖かい視線をこらえながら、よろよろと京太郎もレジへと這っていった。

淡のお買い物
・モノキニ
・ラッシュガード
・麦わら帽子

付き合ってるけど、突き合ってはいなさそう

そして、そのまま淡に引っ張られるがままに電車を乗り継いで、ついに二人は海へと到着した!

「海だ~~!やったーーーー!!ジャカジャン!」

「せーかい中をぼーくらのー……何言わすかこら」

すでに体力をほぼ削られた京太郎は、元気よく飛び跳ねる淡についていくのがやっとである。

暑い、すんごく、暑い。午後1時くらいだろうか、もう日差しは生命ある全てを焼き尽くさんとするほどサンサンと降り注いでくる。いや、惨々と言うべきか。

「じゃあ早速着替えてこよう!海の家の前で待っててね!」

元気よく更衣室へ飛び込んでいく淡を見て、まぁ、せっかくなら楽しむか、と、苦笑いしながら京太郎も男性更衣室へと足を運んだ。





「……」

海の家の前のベンチの一つ。一人の男が腰かけている。

その長身は、どうやら足の長さが理由らしく腰の低いベンチのせいでなかなかに窮屈そうだ。
短めの金髪は麦わら帽子に収められ、鋭い眼光は真っ黒なサングラスに隠されている。
アロハシャツの隙間から覗く分厚い胸板や割れた腹筋、トランクスタイプの水着から覗く引き締まった太もも。

それは、誰が、どう贔屓目に見ても、近寄り難いくらい、怖かった。おまけにそれがはるか虚空を眺めているのである。尚更だ。

>>734
ロン(フィジカル



「おっまたせ~~~!」

すると、そんな人々が思わず振り向くくらいかわいらしい声が響く!男どもはその声の主人を見て鼻の下を伸ばし、女どもは嫉妬に目を細めた!

その恐ろしい金髪男とお揃いの麦わら帽子からは、しかに長く、艶やかに、きらめく金色の髪が揺れている。
顔は喜色に染まり、クリーム色のラッシュガードに覆われた体躯はしかし、でるとこは出て、締まるところは締まったボディを隠しきれていない。
肌は日本人離れして白く、シミ一つもない。そして、それより何より、帽子の影に隠れているはずの瞳が、何よりも魅力的に輝いていた。

だれだ!!?この美女におっまたせ~と言われたのは誰だ!?と男たちが視線を走らせる!果たしてその美少女の向かった先には……



「きょーたろー!」

「ダアアアバカ!!抱きつくんじゃぁねえ!!!」

「イージャンイージャン!役得でしょ!」

「こっちは命がけなんだ馬鹿野郎!!!」

あの、おっかない男であった。

男たちは血の涙で砂浜を染めた。

「えっへへへ~、じゃあ早速泳ごう!」

「はいはい……」

淡にひかれるがまま、海辺の方へと向かって行く。砂浜を濡らして、引いてまた濡らし、を繰り返している浅瀬へと足首をつからせる。

「ひゃーつめたい!」

「あぁ……すずしいな……」

アロハシャツと帽子はベンチの近くに置いてきた。もう濡れるのは怖くない。だんだんとテンションが上がってきた京太郎は、手首を掴む淡の手を外すと、ぐっと身をかがめ、そして跳ねた!

「わ!」

「イヤーっ!」

そのまま、ダッシュ、そしてバク転、派手に着水。周囲に盛大に水しぶきが飛び散った。

「す、すごーいきょーたろー!」

「へへ、昔取った杵柄ってな」

頭の先まですっかりずぶ濡れた京太郎は、警戒心なく駆け寄ってくる淡に、一気に水をかけた!

「ひゃっ!」

「どうだ!お前も濡れろ!」

「やったなこの~!どりゃー!くらえすたーすぷらっしゅ!!」

「ただの水かけじゃねーか!」

そのままギャーギャーと、色気も何もないまま二人は盛大に水を掛け合う。
ついた当初感じていた疲れは、すっかり京太郎から消え去っていた。

「むぐむぐ……ぷはっ」

「どうだ」

「ちょっとはやいよー……」

暫くはしゃいだ後、少し離れた場所で二人は泳いでいた。淡は浮き輪装着、京太郎は立ち泳ぎである。

「お前がそんなのつけてるからだろ」

「むー、きょーたろーにはレディーを待つっていう精神がないんだね」

「お前以外にはあるよ」

「なにそれ!」

ギャーギャーと喚いてくる淡におもわず京太郎は笑ってしまった。それにつられて、少し遅れて淡も笑いだす。

「あははははっ!……ふー。ねー、京太郎」

「ん?」

急に真面目トーンになった淡に、京太郎も少しだけ真剣になる。

「……来年の夏も、その次の夏も、こうやって、二人で遊びたいな」

「……」

「もちろん夏だけじゃないよ。春は桜、秋はもみじ、冬は……雪、ないんだよなぁ……でも、インハイ出れば、こっちに来れるんだから……その……」

「……頑張って、麻雀」

「……おう」

こっぱずかしくなって、京太郎は浅瀬の方へとくるっと向いた。

「さあさあのろまな大星さん。浅瀬まで競争と行こうぜ。買った方がコーラ奢りな!」

「え、ちょ!」

「ヨーイドン!」

「ま、まってよー!きょーたろーのばかー!」

後ろで喚く淡を放って凄まじい勢いで京太郎は泳ぎ始めた。今日は散々やられっぱなしなのだから、このくらいの仕返しは、許してもらいたい





カン!

エピローグ

須賀京太郎にとって東京という土地は、憧れと、驚きと、そして若干の嫌悪を抱かせる場所であった



あった。過去形であって、もちろん今は違う。
須賀京太郎にとって東京という土地は、もはや長野についで二番目に長い時間を過ごした場所であり、もはや憧れや驚きなどとっくに枯れ果て、いまや臭い空気と濁った空と、蒸し暑い温度に嫌悪を抱くばかりである。

だが、それでも、ここには魅力がある。

「春のIH以来だな……」

去年の冬の頃に買ったキャリーバッグをどかっと地面に下ろし、京太郎は一息ついた。
予算を節約するために、交通手段は深夜バス。本来なら新幹線でひとっ飛びなのだが、個人的な理由により、夏休みに入ってから速攻で課題を終わらせた京太郎は一足早く東京入りしていた。
そのため、大会期間に入るまでは安ホテルで節約生活だ。財布の中にはバイト代が詰まっているが、無駄遣いは避けたい。

「……さて、あいつは……」

バスの止まる場所は教えてあったはずだ。
人で賑わう辺りを見回してみる。すると、見当違いの方向を向いてピョンピョンと跳ねている見慣れた金髪が目に映った。
ばれないよう、そろりそろりと近づいてみる。



「うーどこだろどこだろ……」

「……あーわい!」

「あわわわっ!」

後ろから、そいつを抱きすくめてやった。一瞬身を縮ませたものの、こちらの正体に気づいたそいつは、パアッと顔を明るくして無理やり振り向きこちらに抱きついてくる。

「きょーたろー!」

「春以来だな」

「うん!うん!長野県一位おめでとう!」

「おう!」

須賀京太郎。清澄高校二年生。
長野県男子個人一位である。

そのまま近くのカフェになだれ込んだ二人は、テーブルを挟んで、淡は紅茶を、京太郎は珈琲を口に運んでいた。

「いやー、本当に京太郎はすごいよ!」

「お前に散々叩き潰された成果が出たな」

「ふふーん、高校101年生の淡ちゃんのおかげだね!」

「お前それまだやってんのかよ」

苦笑いとともにブラックコーヒーを啜る。その好みだけは理解不能だと淡に突っ込まれた。眠いのだから仕方がない。

「で、京太郎……次の目標わかってるよね」

「おう、勿論……」

少し溜めて、宣言。

「次の目標は、俺とお前、揃って個人戦で優勝すること」

「そのとーり!二位なんてちゃちいことは言わないよ、やるんなら優勝!」

「そしてその後に……」

「エキストラマッチ!」

そう、今年の夏は、昨今さらに加速した麻雀旋風に乗るように、インターハイに新たな目玉が追加された。
それは、男子女子個人戦の1.2位を集めたエキストラマッチである。

「そこで戦うのが私たちの目標!忘れないでよね!」

「あったりまえだろ!お前こそ咲にやられんじゃねーぞ」

二人は、お互いの目標を再確認し、そして、お互いを激励しあった。

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          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく     きょーたろーこそ!
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕

もいっこ!カン!

         n∧
         i /

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         J( 'ー`)し   |  かんけつ |  
        .ノ†:::( ⌒\  |_____|

       (:::::::::::ヽへ \    .|
        i::::::::/   \\ . |   
       .|::::::(       \\、|    
        i:::ノ ヽ       ヽ、っ) 
        .i/   ノ        |
        /  / \
        /  ./ \ ヽ、_ 
        / /   ヽ、_ \ 
       / (       ヽ、\_ 
      /  ノ        \ ヽ 
     / /          ヽ ( 
     / /             ヽ)
   / )

  ./ / 
  .し' 

それでは依頼をしてきます。いやあ初ssはやっぱりグダグダだったね、死にたい

次スレ立てたらここにリンクはるかんね

憧「憧れた夢に」京太郎「立ちはだかる現実」
憧「憧れた夢に」京太郎「立ちはだかる現実」 - SSまとめ速報
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ヘイ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年09月11日 (火) 18:47:23   ID: uyEmJNx5

これガチで名作

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