凛「なんだろう……?この『星形』のエンブレム…………」 (62)

・モバマス?ジョジョ
・初投稿
・6番煎じくらい
・オリジナルスタンド

ジョジョの奇妙な遊園地からの脱出が楽しみすぎる!

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凛「…………………」



   ――――――人には、乗り越えなければならない『壁』がある



凛「アンタは………この私が直々にブチのめす………」




   ――――――たとえ、その『壁』が




凛「………………プロデューサー」





   ――――――どんなに『大切なもの』であったとしても。




第一話「その『星』に手を伸ばせ ~Reaching for the Stars~」


----------------5月16日 14:12 某スタジオ

凛「お疲れ様でしたー」

この物語は、既に初夏の日差しが降りそそぐ5月の半ばから始まるッ!


凛「さて……そろそろ事務所に戻らないと」

渋谷凛、15歳。誕生日は8月10日、趣味は愛犬ハナコの散歩。

凛「(事務所に戻ったらちひろさんに今日の報告をして……借りてたマンガも奈緒に返して……それから……)」

そして、彼女の職業――


ドンッ

凛「いたっ!?」
P「うおっ!?」

ドサーッ!!

P「す、すまん凛!怪我はないか!?」

凛「うん、大丈夫だよ……こっちこそごめん、考え事してた」

P「それなら良かったけど……ほら、台本やら何やら、カバンの中身が出ちゃったな」

サッサッ

凛「あ、ありがとう」

P「さっきの収録で疲れてるんだろう。事務所戻って報告終わったらすぐ帰るんだぞ」

凛「分かってるって。明日もあるし、ゆっくり休むよ」


――彼女は、類まれな才能を持ったアイドルである。

----------------5月16日 16:33 CGプロダクション事務所 事務室

ガチャ

凛「ただいま」

ちひろ「お帰りなさい、今日もお疲れ様でした♪」
奈緒「お帰りィ~」

凛「ちひろさんもお疲れ様です……これ、今日の報告書」

ちひろ「はい、確かに受け取りました。それじゃあ私は奥で仕事してますね~」

凛「分かった。それから奈緒、これ借りてたマンガ」

奈緒「おっ、昨日貸したばっかりなのにもう読んだのかい?その『デッドマンズQ』!私これ大好きでさァ~~!なァなァどうだった!?面白かったろ!?」

凛「うん。絵はキモ……独特でちょっと敬遠してたけど、一度読み始めたら引き込まれるっていうか」

奈緒「だろ!?だろ!?『死刑執行中脱獄進行中』ってのもあるけど……」

凛「う……そのタイトルは……ちょっと遠慮したいな……」

奈緒「そっか……」シュン

凛「私はそろそろ帰らないとだから、ごめん……また今度ね」

奈緒「面白いのにナァ……」 ブツブツ…

菜々「あっ、凛ちゃーん!」ピョンピョン

凛「菜々さん。今日はロケじゃなかったんですか?」

菜々「だから、ナナでいいですって……実は急に先方の都合が変わったみたいで、今日は一日事務所でレッスンだったんですよ」

凛「だからそんなジャージ姿だったんですね」

菜々「えへへ、ちょっと恥ずかしいですけどね。凛ちゃんこそ、最近お仕事が忙しいみたいですけど、大丈夫ですか?」

凛「うん。もっともっと頑張らないと……」



菜々「……それじゃあ、ナナから頑張る凛ちゃんへアドバイス!乗り越えなければならない『壁』の話をしましょう!」ピコーン

凛「……『壁』?」

菜々「えっと、これはとある番組のとある共演者さんのとあるご親戚のとあるご友人が仰っていた話なんですけどね――」

菜々「凛ちゃんは、『黄金の精神』という言葉を知っていますか?」

凛「いや……聞いたこともない」


菜々「これはどこかの街で殺人鬼をやっつけた高校生たちの、どんな困難にも屈しない強い精神力のことを指すそうです」

菜々「他にも、恐怖に屈しない『勇気』や大切な人を思う『優しさ』、『覚悟』とか『潔さ』……」

菜々「それらは全て、どうしようもない絶望という荒野に、進むべき道を切り開くことなんです」

菜々「きっと凛ちゃんも、今は苦しいけど……困難に立ち向かう『黄金の精神』が芽生え始めているのかもしれません」


凛「『黄金の精神』……か」

菜々「だから、今日はこのウサミン星特製スムージーをあげちゃいます!これ飲んで元気出してください!」バーン!

凛「ありがとう。少し元気が出た」

凛「じゃ、お先に失礼します」ガチャ

ちひろ「凛ちゃん!ちょっと待って!」タッタッ

凛「ん、どうしたの?」

ちひろ「忘れてたわ……。はいこれ、凛ちゃんの新しいスケジュール表!」ドサッ

凛「こ、この紙束全部!?」

ちひろ「最近トライアドでの出演も多くなってきたからね……負担はかからないはずだから安心して!」

凛「…………」ジッ…


ちひろ「大丈夫?もう少し分散させようか?」

凛「いや、もっともっと頑張りたい」

ちひろ「まあ、それは頼もしいこと!でも今夜はゆっくり休んでね?」

凛「大丈夫だって。現場でプロデューサーにも釘を差されたし」

ちひろ「ふふっ、それなら安心ね。それじゃあ、また明日!」

凛「うん、また明日」

----------------5月17日 22:40 渋谷家 凛の部屋

凛「"beyond" 『越える』……と。ふぅ…………」

凛「学校の課題こなすのも大変だなぁ…………それに」

ガサガサ

凛「新しいスケジュール、かなりびっしり」

凛「(ちょっと減らしてもらおうか……いや、もっと頑張らないと)」



……………………ドクン


凛「…………あれ?カバンの奥に、何か……」



…………ドクン…………ドクン…………ドクン…………ドクン


スッ


凛「なんだろう……?この『星形』のエンブレム…………」

…ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…ドクンドクンドクンドクンドクン


凛「硬い……それに結構重い……こんなもの持ってなかったはずなのに…………」



ドクンドクンドクドクドクドクドドドドドドドドドドドドドド


クルリ


凛「(裏に何か彫られてる……)」


凛「『What STAND do you have?』…………」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨








凛「スタ……ン…ド……?」








ブシュウウウウウゥゥゥッッ!!


凛「…………え?」


ボタッ…ボタッ…


凛「な……何ィィイイイイイッ!?」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



凛「指先から血がッ!?切れるような所なんて無かったのにッ!?」

ドクドク…

凛「は、はやく止血しないと…………!タオルはっ…………!」

スゥ…

ダダダダダッ!!

凛「お母さん!タオル無い!?」

母「どうしたの!?そんなに慌てて……」

凛「いいから早くッ!こんなに血が………………ハッ!?」


シーン…


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


凛「あれ……血が、止まってる…………?」

母「血?どこか怪我でもしてるの?」

凛「ううん……私の勘違いだったみたい……(おかしい…………確かにさっきは出ていたのに)」



母「そう……収録が終わったから、疲れてるのよきっと。今日は早く寝ちゃいなさい」

凛「うん…………そうする」

ガチャ

凛「(おかしい……あの感覚は確かにキズが出来ていたのに)……あれ?」

凛「あのエンブレム…………どこに行った?」

フラッ

凛「うっ…………今度は頭が痛い…………」

凛「どうしちゃったかな…………ハァハァ…………本当に…………ハァハァ」

ドクン……ドクン……

凛「ダメだ………………立ってられない…………ゼェ……ゼェ……体が熱くなって……………………」

ドサッ

凛「……………………誰かに………………連絡を………………」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



凛「…………プロ……………………デューサー………………………………」



----------------5月17日 9:18 CGプロダクション事務所 エントランス

ガチャ

凛「おはようございます」

凛「(起きたら体調も治ってた…………変なの。あの『星形』のエンブレムに触れてから、奇妙なことばかり…………)」

卯月「おはようございます、凛ちゃん」

未央「しぶりんおっはよー!今日もまた一段とクールでございますなァァ~~!」

凛「未央こそ、今日はパッション全開じゃない?まるで拾った宝くじで500万当てたような」

未央「それはそれで嬉しいけどね……今日は1ヶ月ぶりのニュージェネだから気合入ってるんだよ!」

凛「そうだね、最近みんなソロでの活動も多いから」

卯月「でも、未央ちゃんと凛ちゃんと一緒にお仕事してる時が一番楽しいかな」

未央「お、しまむーもいいこと言うじゃない……収録は午後からだし、移動まで休憩室でのんびり待ってよーよ!皆のロケの話聞きたいな!」

凛「じゃあ、私荷物置いてから向かうから。二人は先に行ってて」

卯月・未央「はい、行ってらっしゃい!」バイバーイ

----------------5月17日 9:25 CGプロダクション事務所 ロッカー室

凛「二人とも元気そうだったな……私も熱なんか出してる場合じゃないか」

ガサガサ

凛「(そういえば、妙に体が軽い…………力がみなぎっているみたいだ)」



ワイワイガヤガヤ

巴「…ちゅーわけで、二人も応援に行かんか?」

晴「野球も面白れーかもな!行こうぜ!」

みりあ「わー!楽しみー!」

凛「(あれは…………巴?)」



巴「今シーズンも快勝快勝!勢いも止まらんわ!」

みりあ「『今年はすごく強い』ってお父さんも言ってたよ?」

巴「時代がウチらに味方したんじゃ!今年も広島魂見せつけたるけぇのォ!」

晴「プレーするのもいいけど、応援するのも楽しいからな」

巴「ああ、全員で熱唱すう応援歌…………クゥーたまらん!」


凛「おはよう、巴」

巴「おお凛!ちょうど今こいつらを今度の試合に誘ったところじゃ!」

凛「ふふっ、楽しそうだね」

みりあ「凛ちゃんも一緒に行く?」

凛「えっ?わ、私はいいよ……そういうの行ったことないし」

晴「大丈夫だって!ルールさえ知ってれば十分だよ!」

凛「うーん……どうしようかなぁ…………」

ワイワイ…





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



巴「…………………………」ジッ…






巴「……………ほう、凛が…………………………」ボソッ



巴「そうじゃ……おい凛、ちょっとええか?」

凛「なに、どうしたの?」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




巴「今ここで…………『こないなモン』突きつけられたら…………どうするかのォ?」



  メギャン!



凛「なっ…………(け、拳銃!?)」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


凛「な、何持ってるの!?」



巴「やはりか……場所を移そう!ついて来いッ!」

ダッ!

凛「逃げたッ!?コラ!待てェーーーッ!!!」

ダッダッダッ…



……………………



みりあ「…………巴ちゃん、『何か』持ってた……?」

晴「いや……『何も』見えなかった……」



晴「一体『何が』起きたんだ…………?」



 /|_________ _ _
〈  To BE CONTINUED…//// |
 \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ~  ̄

第2話「渋谷凛とゴゥ・ビヨンド」

----------------5月17日 9:36 CGプロダクション事務所 裏庭


ザッ!

凛「……ハァ…………ハァ…………」

巴「ふうむ……ここまでくれば一安心じゃのう…………さて」

カチャリ

巴「凛、そろそろ『スタンド』を見せてみぃや」

凛「スタンド…………?何を言って――」



バキュン!!

ガクッ

凛「ッ!(何かに……右脚を撃たれたッ……!?)」

巴「これが見えるちゅーことは、『あれ』を手にしたんじゃろ?」

カチャリ

凛「『あれ』?」

バキュン!!

凛「グッ!?(今度は左腕…………!)」



巴「とぼけるんじゃあないぞッ!!渋谷凛ッ!!!『スターエンブレム』を持っとるじゃろが!!!!」

凛「…………スターエンブレム!?まさか、あの時の…………!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



巴「やはり凛!お前も『スタンド使い』か!」

凛「さっきから『スタンド』『スタンド』って…………一体何のこと!?」

巴「知らんなら構わんが……野放しにもできん、ここで『再起不能(リタイア)』してもらおう!」

カチャリ

凛「(ま、また撃たれるッ!)」

バキュゥゥン!!


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

凛「う…………うおおおおおおおおおお!!!!!!」

バッ!

バギャン!!ガラガラガラ…



巴「ほう……避けたか。」スッ…

凛「後ろの壁にヒビが……!何なんだ……本当に一体…………!」

ガクッ

凛「ぐっ……(避けた衝撃で…………脚を挫いたか……)」

巴「2箇所も撃たれ、体への衝撃も凄まじいはず……流石に二度は避けられんのォ」

ザッ…ザッ…

凛「く、来るなッ!来るなと言ってるんだッ!!大体なんでそんな銃なんて持ってるの!?」


巴「これは、ウチのアイドルとしての『才能』……名前は『リフレクション』」

凛「……『才能』だって?」

巴「……こんな才能、ウチも欲しゅうなかったわ……」

メギャン!

巴「じゃが、これで事務所の皆を護れるなら、ウチは喜んで手を染めたる…………!」


ザッ…ザッ…

ピタッ

巴「スターエンブレムは才能の塊……『リフレクション』で凛のエンブレムを破壊すれば、アイドルとしての才能を打ち砕ける」

凛「ハァ-……ハァ-……(こんなところで……アイドル生命が『再起不能(リタイア)』するの?)」



巴「…………安心せい。死にはせん。しかし、アイドル『渋谷凛』には二度と戻れん」

カチャリ

凛「ハァ-……ハァ-……ハァ-……(ここまでやってきたのに……こんなので)」

巴「じゃあ……元気でな」




凛「(ダメだ……3人で約束した…………!トップアイドルになるって…………!!)」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


凛「(こんなところでッ……!終わってられないッ…………!!)」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


巴「『リフレクション』!!こいつを事務所からハジキ出せェェ!!!」

バキュン!

凛「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」






    ――――――人には、乗り越えなければならない壁がある

    
    
    
    
    ――――――これは、私が出会った奇妙な壁を『乗り越える』物語だ









凛「………………………………」



巴「………………………………これは」


その時ッ!凛の前に奇妙な人型が現れたッ!

胸に大きなスピーカー、しなやかな黒色の全身を黄金に輝く草花が覆うその影はッ!!

凛を守るように右腕を伸ばし、弾丸を受け止めたッ!!!



    ???「ゴゥ………………ビヨン………………」


    ???「Go Beyond!」


ハ¨ァ―――z_______ンッ!!


凛「……これが私の…………『スタンド』なのか!」


巴「クッ、この期に及んで発現しよったか……」


凛「……さっきから本当に奇妙なことばかり……巴は銃を『スタンド』と呼ぶし、私を『再起不能』にしようとするし」

巴「のんびり見物しとる暇ァ無い……スタンドを使われる前に弾ブチ込んだらァ!!」

バキュン!バキュン!


凛「そして『これ』が私のもとに現れた…………『スタンド』」

???「Gooooooo!!!!!!!」

バキ!バキィ!

巴「なっ…………スタンドで防御したっ!?」


凛「ふうん、アンタ……以外と素早いんだね」

???「……ヒェヒェスウォセェイ!」







凛「……なんて?」



巴「くっ、この速さをガードされちゃあたまらん」クルリ

凛「『スタンド』ッ!捕まえて!」

ガシッ!

巴「させるか!」カチャリ…バキュン!

カッ!

凛「!?伸ばした腕が弾かれた!」

巴「心配せずとも、『リフレクション』は既に発動しとるッ!」ダッ

凛「また距離を取られた……」


???「…………ウイィアュラア、ナシルァヴァレ……」






凛「…………なんだって?」


凛「巴……」

巴「なんじゃ、凛……」

凛「私はアイドルを続ける。ここでリタイアするつもりはない」

巴「それをさせんと言っとるんじゃ!こんな危険な『能力』……組のモンに触れさせるわけはいかん!」

凛「私は……このスタンドで!巴も!この奇妙な『壁』も!『乗り越える』ぞッ!!」


凛「このスタンド…… こ れ か ら は 『 ゴ ゥ ・ ビ ヨ ン ド ( G B ) 』  と 呼 ぶ !!」

GB「ゴォォォォ…………!!!」

ハ¨ァ―――z_______ンッ!!



凛「(不思議だ……こんなにピンチなのに、心が晴れ晴れしている)」

巴「ほんなら……本気出していこうかの!」

カチャリ

凛「また来る……!」

ザッ!

巴「違う……狙うんは凛やない」

バキュン!

凛「…?地面を……?」

カチャリ…バキュン!

巴「『スタンド』の力は公正さ……スタンド使いなら見えるじゃろ、これが」



◎ ◎ ◎ ブゥーン…


凛「……何だ?このカーリングのストーンみたいなのは……」

巴「これだけ揃ってれば十分じゃ……行くぞッ!」

カチャリ…バキュン!

凛「今度はこっちに撃ってきたッ!守れ、『ゴゥ・ビヨンド』!」

GB「ゴラァーッ!」



巴「もう一つ教えたる……スタンドの右腕を見てみ」

凛「!?同じのがくっついて……」

ガッ……ブシュウウウウン!!


凛「うおおおおっ!!!(私の体ごとふっ飛ばされた!?)」

巴「オブジェ同士の反発……これが『リフレクション』の能力!」

巴「さらに……吹っ飛んだ先にも既にオブジェが設置されとる」

ガキッ……ブシュウウウウン!!

巴「着地の衝撃と反発の衝撃……更にもう一発吹っ飛べェ!」

ヒュウウ...

ドサッ!

凛「ガ…ハァッ…………」バァーン!

巴「あ、今回は凛の本体についたのも含めて……4つか」


巴「これがスタンド……ほんに危険な才能じゃ」

ザッ……ザッ

凛「ッ――………………(衝撃で呼吸が……)」

巴「ウチが最後の一人になれば、これを壊して終い。ウチの才能なんて、組のモンには代えられん」

巴「だからまずはッ!何が何でもここで『スタンド使い・渋谷凛』を再起不能にするッ!それがウチに課せられた使命!!」

メギャン!

凛「…………まだ……終わらない」

巴「………………?この期に及んで何を――」


シュルシュルシュル……


巴「……!?これはッ!?」


シュルルル…

巴「凛の周りからツタが伸びている……!凛!!これはお前の仕業かッ!!!」

凛「……これが、ゴゥ・ビヨンドの真の能力……!はっきりと感じられる」

巴「ふん、こんなものッ!」

カチャリ……バキュン!!

ブチッ!

凛「………………」

巴「強度は普通の植物と何ら変わらんようじゃのぉ!このツタ、ウチの障害とはならんッ!!」


凛「そうじゃない……そうじゃないんだ」

巴「……?」

凛「私には分かるんだ……このツタの力が……」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


巴「ぐっ……(何じゃ……?この『凄み』はッ!)」タラー

巴「(追い詰めているのは間違いないのに……!何故こんなにも気圧される!?)」



凛「よし……だいぶ体も落ち着いた」

ムクッ

凛「巴!もう一度行くぞッ!」

ダッ!

巴「再び来るかァァーッ!『リフレクション』!!」メギャン!

カチャリ…

凛「『ゴゥ・ビヨンド』!あの銃にツタを伸ばして!」

GB「ゴオオオオッ!!」シュルルルル!!

巴「ほう……チャカごと絡めとるつもりか!」

バキュン!

凛「グフッ!?」ギュオーン!

巴「しかし本体を狙えば問題ない!反発で吹っ飛べ!!」

凛「うおおおーーッ!!」






シーン…







巴「…………!?凛が消えたッ!?」


凛「こっちだよ……」

巴「ハッ!?」クルッ


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


巴「い……いつの間にッ!?」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


巴「どうやって……ウチの後ろに来たんだァーーーッ!?」


バァーーーーンッ!!!


凛「…………ツタは」

ザッ

凛「ツタは、そこに到達しようという意思を叶える」
 
シュルルル……

巴「ツタが……壁を這っているッ!?」

凛「このツタ……『私』が、私の『スタンド』が……この中を移動できる」


凛「これが『ゴゥ・ビヨンド』!!!私の……『乗り越える』力ッ!!!!」



凛「これで射程圏内……」ガシッ!

巴「な……何をするッ!離せッ!!」

シュルルルルルルルルル……

巴「また壁にツタが……」

凛「オラァ!」バキッ!

巴「ぶべっ!?」

ズザーッ!

凛「後ろの壁にもツタを張り巡らせた……片腕をどこからでも出せるように」

巴「ま、待ってくれッ!これは!この状況はッ!?」

凛「前は私、後ろはツタ……さあ、思いっきり行くぞッ!!」


巴「う…………うわアアアアアアアァァァァーーーーーーッ!!!!」



GB「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!」


巴「ブオオオアアーーーーーーッ!!!!」ビュゥゥ…

ベシャ!!

巴「り…ン…――――――」バタンキュー




凛「ふぅ…………やれやれだね」


ハ¨ァ―――z_______ンッ!!



フラッ

凛「あっ……まずい…………私も力が抜けて……」

ドサッ

凛「……………………――――」スゥ…スゥ…




スタンド名:『ゴゥ・ビヨンド』
本体:渋谷 凛
タイプ:近距離パワー型・人型

破壊力:C スピード:A 射程距離:B
持続力:B 精密動作性:B 成長性:A  女子力:C

能力:胸に大きなスピーカー。しなやかな黒いフォルムに、腕や胴体に黄金の草木が絡みついた渋谷凛のスタンド

触れた部分からツタを伸ばし、そのツタの中を本体とスタンドが自由に移動できる
腕や脚の一部分だけを出し入れすることもできるが、そのとき残った部分は入れた場所から動くことができない
ツタは地面や壁を這うようにして伸び、10メートル程なら数秒で届く

ツタ自体は人間の力でも引きちぎれてしまい、中を移動しているものもそこから漏出してしまう


A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ





<リンチャン!コレハ!?

ドウシタンダヨトモエ!シッカリシロヨ!>




----------------5月19日 14:11 CGプロダクション事務所 休憩室

凛「(…………あのあと)」

卯月「はい、あーん」ヒョイ

凛「大丈夫だって、リンゴくらい自分で食べられるから……///」

卯月「なに言ってるんですかあんなことがあったんですよ、まだ後遺症が出るかもしれないのに!!」

凛「うっ…………あーん」パク

卯月「えへへへへ……(凛ちゃんかわいい♪)」


凛「(『私の上に落ちてきた植木鉢を巴が助けてくれた』ということで、スタンド能力のことは内緒になった)」

凛「(あれだけラッシュをかました巴も、翌日にはすっかり治っていたらしい。私の怪我もすっかり治っている)」

凛「(スタンドを持つと、体が丈夫になるのかなぁ……)うーん……」

卯月「なっ!凛ちゃんが難しい顔をしています!!」

未央「何だとォォオオオ~~~~!!しまむー、すぐプロデューサーに連絡!私は誰か応援を呼んでくる!!」

凛「ちょ、ちょっと大丈夫だって!ああもう、何でこんな事に……!」


その後3日間で……
凛:ロケ中も手厚い看護を受けつづけた
巴:怪我もケロリと治り、予定通りみりあと晴を連れて野球観戦に行った

 /|_________ _ _
〈  To BE CONTINUED…//// |
 \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ~  ̄


第三話「『モンキー・ビジネス』にご用心」



---------------6月8日 10:45 CGプロダクション事務所 給湯室

巴「お、来たか凛」

凛「うん、そっちの様子はどう?」

巴「目立った動きは何もない。凛の現場はどうじゃ?」

凛「こっちにも気配はない……まだスタンド使いは現れてない」




凛「(話は一週間前に遡る……私達はスタンド使いを探し始めた)」



---------------6月1日 16:01 CGプロダクション事務所 休憩室

巴「凛、ちょっとええか」

凛「巴……!」フォン!

GB「ゴォォ……!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


巴「ま、待て待て!もう凛と戦うつもりなんて無い!」

凛「それじゃあ……何の用事?」

巴「凛、結局スタンドが何なのか分かっとるか?これからウチの知っとることを話そうと思う」

凛「スタンドのこと……」


巴「まずはここからじゃ」フォン

巴「『スターエンブレム』に触れたアイドルは、スタンド使いになる。凛のも出してやろう」スッ

凛「エンブレムを……私の右手に?」

ズズズズズ……

凛「!?」

カラン!

凛「こ、これが私のスターエンブレム!」

巴「スタンドと同様に、自分の意思でしまうこともできる」フォン

凛「……」フォン


巴「スターエンブレムは3つのルールがある」

巴「まず1つ目『スターエンブレムを持つ者はスタンド使いになる』」

巴「そして2つ目『スターエンブレムを破壊すると、アイドルとしての才能を失う』」

凛「……!」

巴「スターエンブレムは才能の結晶、これの破壊はアイドル生命の破壊を意味する。もちろん、破壊されるとスタンドは使えなくなる」

凛「あの時必死になってスターエンブレムを探していたのは、破壊するためだったんだ」

巴「忌々しいモンじゃけえ、さっさと破壊したかったところを抵抗されてしまったがの」


巴「最後に3つ目……『スタンド使いは惹かれ合う』」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………


凛「『スタンド使いは』……『惹かれ合う』……?」

巴「正確にはスターエンブレム同士がさっきのように引き合うという意味らしいが」

巴「つまり、ウチらの周りにはどんどんスターエンブレムを持つアイドルが現れるということになる」

凛「この前みたいな戦いになるってことだね」

巴「ああ……今この瞬間にも、ウチらを狙って襲ってくるかもしれん」


巴「凛……手ェ組まんか?一緒にこのスターエンブレムを破壊していかんと、きっと無害なアイドルまで巻き込んでしまう」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

凛「…………いいや、それはしないよ。アイドルの才能を潰すなんてこと、私にはできない」

巴「なっ、さっき説明した意味が分かっとるじゃろ!こないなモノ――」

凛「でも皆を巻き込むことだけはしたくない。だから、出来る限りスタンドを良い方向へ使ってもらうよう説得する」

凛「現にこうやって、私も巴も互いのエンブレムを壊そうと思っていない。みんなきっと理解してくれるよ」



巴「『アイドルたちは守る』『スターエンブレムも壊さない』両方やらなくちゃあならないのが、この作戦の辛いところじゃな……覚悟はええか?」

凛「私は……できてる!」

巴「『黄金の精神』……」ボソッ

凛「?」

巴「菜々さんから教わった『黄金の精神』が、凛には見えとるわ」

巴「ウチは……力を目の当たりにして周りが見えんようになってたかもしれん」


巴「改めて礼を言おう、ウチの目を覚まさせてくれてありがとう」ズバーン!

凛「もう大丈夫だよ……こうして分かってくれるだけで嬉しい」

巴「いいや、しかし落とし前はキッチリつけたる、ウチも凛のその作戦に協力しよう……」

巴「まずはスタンド使いを探すぞ!凛ッ!」



---------------6月8日 16:02 CGプロダクション事務所 給湯室

凛「ううん、まだスタンド使いは少ないのかな?」

巴「かもしれん……どのようにしてスターエンブレムが手に入るのかも分からんしな」

凛「とりあえずは様子見か…………」


ドタドタドタドタッ!!

<ギャーーー!!!ミズーーーーー!!!


凛「な、何ッ!?」

巴「……『ヤツ』じゃろ、また怒られても知らんわ」ヤレヤレ

凛「まさか……」

巴「ウチは次の収録があるけぇこれでお別れじゃ」スタスタ

凛「うん、行ってらっしゃい」


凛「(……?何か大事なことを聞き忘れたような気がする……)」



---------------6月1日 16:04 CGプロダクション事務所 休憩室

麗奈「オ~~~~~~~ッホッホッホッホ!!すりたてワサビ入りシュークリームの味はどうかしらァーーッ!???」

麗奈「イヤーーーー最高の気分よ!!『これ』さえあれば悪戯し放題じゃない!」

麗奈「さてさて、次は誰を恐怖のどん底に陥れようかしらねぇーーーッ!!オ~~~ッホッホホホホホhゴホッゴハッ!」

タッタッタッタ…

~~~~

凛「やれやれ……麗奈、いい加減にしておかないとまた――」ガチャ


蘭子「ら……らいへいふぉふぉろふあふまのへひん……(口の中がヒリヒリする……)」ウルウル

飛鳥「―――――」グッタリ

小梅「ヒッ……私のDVDが……お、お笑いライブに……」ガーン...

沙南「…………………………………………でーたがぜんぶきえてる……」ヒヒヒヒヒヒヒ...

ありす「『私は嘘を言っている』……正しい…………正しくない……………………」ブツブツブツブツ...


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

凛「こ、これは…………!?」


美玲「り、凛さん!よかった、麗奈のヤロー見なかったか!?」テローン

凛「いや、私も来たところだけど……なに?その格好は」

美玲「見れば分かるだろ……麗奈がウチの衣装を3サイズも小さくしやがったんだ!ちくしょう!絶対許さねーからなァァ!!!!」ガオー!!

凛「これはひどい……悪戯の限度を超えている!」

美玲「だろ!?数日前の長期ロケ辺りから急にこんな醜悪な悪戯始めやがって、今日戻ってきたと思ったらすぐこれだ!全く、どこからこんな用意してるんだ……」

美玲「ほんと、人が変わったようだよ…………」


凛「……人が……?(まさか……?)」

凛「…………麗奈の件、私も協力するよ」

美玲「本当か!?よし、手分けしてとっちめよう!」

凛「(この人が変わったような悪戯……まさか、『スタンド』に関係があるのかもッ!)」ダッ!


---------------6月1日 16:14 CGプロダクション事務所 食堂

凛「麗奈ッ!どこにいるのッ!?」バンッ!


麗奈「あら……凛じゃない!ちょうど一仕事終わったところよ!見てみなさいッ!!」

小春「……うう…………zzz」
千佳「…………zzz……ダメ、助けて…………ムニャムニャ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

麗奈「ちょ~~~~っとだけ眠ってもらって悪夢を見てもらってるのよ…………この『睡眠薬』でね!」

凛「…………麗奈!そんな物まで使って、人を苦しめるのがイタズラかッ!」ギリッ

麗奈「アタシの本気にかかればこんなプロダクション、簡単に恐怖の渦に巻き込めるのよォォ~~~~~ッ!!!」

麗奈「次は誰にしようかしら……?あのPがいいわね!恐怖に怯える顔が目に浮かぶわ!!」




ブチッ


凛「…………………………あ゛?」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

麗奈「凛にもここで再起不能になってもらうわッ!ここから悪の帝王の大活劇が始まるのよッ!!」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

凛「ごめん巴……さっそく加減できないや」

凛「…………Pに危害を加えるってなら……アンタは…………」



凛「絶対に、この私がブチのめすッ!!」キッ!


凛「『ゴゥ・ビヨンド』!麗奈をぶん殴れッ!」

 GB「ゴラァ!」ブン!

麗奈「おっと、その足元には…………」


ツルン!

凛「あだっ」コテン

麗奈「バナナの皮があるわよ」



凛「くっ……屈辱的……!」フルフル

麗奈「ん~~~?『私をブチのめす』って話はどうしたのかしらァァアア~~~~ン?」

凛「…………それなら、心配いらないよ」

シュルルル!!

麗奈「ん?何よこのツル…………」

ニョキッ

麗奈「ひっ、ツルから腕がッ!?」

凛「オラァ!」

バギャーン!!



凛「手応えあり……やったか!?」


麗奈「………………フフッ」

凛「!?」クルッ

麗奈「アンタが殴ったのは……だたの椅子よ」

イス < コワレチャッタゼ...

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………


凛「ど、どうして後ろに!?」

麗奈「焦ってる焦ってる…………その表情、サイコーだわ!!オ~~~ホッホホホホ」

凛「オラァ!」ブンッ

麗奈「ほぐへぁ!」バキッ


凛「余裕かましてるからこうなるのよ」

凛「(とは言ったものの…………どうして、いきなり背後に現れたの!?)」

麗奈「ガハッ……な、何すんのよ!痛いじゃないの!」ムキー!!

凛「(何とかして麗奈のスタンド能力を解明しなくては……!)」


凛「もう一度だ……行けっ!GB!」

 GB[ゴオオオオッ!」

シュルルルルッ!

麗奈「またツル!?しかもあちこちに伸ばして!」

凛「正面がダメなら……これでどうだ!」ズズズッ

麗奈「うへぇ……ツタに入っていった!?どこよ、どこにいるのッ!?」キョロキョロ

ズルルルル……

凛「(よし、このまま一気に決めるッ!)うおおおおっ!」ズルッ!



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


麗奈「…………」ニヤッ

麗奈「……………本日の予報はァ~~~~~~~~ッ」

凛「!?」ピタッ

麗奈「局地的に……………『タライ』」

ブウウン!!

ドドドドドドドドド


  「ソォ~~~~~~ホォォォォ~~~~~~~ット!!」


凛「す、スタンドだ……!猿の形のスタンドが麗奈から発現したッ!まずい!!」

ヒュー……

バァン!!

凛「っ痛ァ!」

麗奈「凛ちゅわ~~~ん?悪の親玉を前に止まるのはマヌケの証拠よォォ~~~~?」


凛「これ、タライだ……地味に痛いな……」ヒリヒリ

麗奈「さぁさぁ、私の力を思い知ったかしら~~~~?」


凛「……それなら今度は」

ガシッ

麗奈「ん?」

凛「さっき壊した椅子、使わせてもらうよ……!」ブンッ!

麗奈「なっ、椅子の脚が!」

バキン!!


凛「……また消えた!?」

麗奈「ハァ……ハァ……な、投げるのは反則じゃない!?もう少し当たるところだったわよ!」

凛「今度は横に避けられたか……」


********

麗奈「さっきのは焦ったけど……もう十分かしら?」ザッ

凛「!」

麗奈「アンタの攻撃なんてカスリもしないのよ……」スタスタ


麗奈「アタシの恐ろしさが!嫌ってほど理解できたでしょう!」

凛「ぐっ……(実際、手も足も出ない……)」

麗奈「最後の仕上げと行こうかしらね……」



麗奈「こんな一方的なスタンドバトルなんてアホらしい……だから、アタシはあなたに『能力』を教えるわ」

凛「なにッ!?」

麗奈「恐れ慄くがいいわ……………私のスタンド能力はッ!」


麗奈「 超 ス ピ ー ド で 移 動 す る ! !」

麗奈「これが私の『モンキー・ビジネス(MB)』の能力!」

 MB「オーゥ!」


凛「なんだって……!超スピード!?」

麗奈「だから……こんな事もできるのよねェェ~~~」

ヒュンヒュン!!

凛「め、目で追えないくらい早く……」

麗奈「それっ!」バキッ

ドサーッ

凛「グハッ……(一撃が重く……!)」

麗奈「とまぁ、こんな具合で」ヒュッ

麗奈「多少非力でも」バシッ

麗奈「スローすぎる相手なら」バキッ!

麗奈「こうやって!」バキッ!

麗奈「タコ殴りに!!」バキッ! ドカッ!

麗奈「できるって寸法なのよォォォ~~~~~!!!」ドガーン!!

ズザーッ!
ガシャーン!!

凛「うう………………」グッタリ

麗奈「あらあら凛さァ~~~ん?テーブルに頭から突っ込む遊びでも始めたのかしらァ~~~~?」


凛「(まずい……こんなスタンド、勝てるわけがないッ!)」

麗奈「水差しまで被ってビショビショ、ホントいいザマね!これで完全勝利よ!オーーーホッホッホッホッホッッhッ、ゲホェ!ゲホッ!」


凛「目で追えないくらい……速い相手なんて、どうすれば……」ググッ

麗奈「あらあら~~~~まだ立ち上がってレイナサマに歯向かうだなんて……ホント正真正銘のアホねェェェ」

凛「とにかく……体制を立て直さないと……」スッ

ツルッ

凛「あたっ」ベシャ

麗奈「ププププ……おっ被った氷踏んで躓いてるわ……まぁそれはアタシのじゃないけど」

凛「く~~~っ……こんな氷まで――」


ドドドドドドドドド


凛「…………………………ハッ!?」

凛「氷が………………待って、これは…………?」


 コオリ < ヒエテルヨー

凛「(私の近くの氷はまだ解け始めてすらいない……そんなに涼しい部屋でもないのに)」チラッ

 コオリ < ジュワァァ...

凛「(麗奈のほうまで飛んでいった氷は……!)」

凛「まさか……………この現象はッ!?」


麗奈「さぁて………いよいよトドメの時間よオォ」

麗奈「悪の帝王の第一歩!その礎となりなさい、渋谷凛ッ!!」


凛「(私は勘違いをしていた……!)」



凛「………『逆』なんだね…………?」ボソッ



麗奈「!?なっ、何を急にッ!」ドキッ

凛「目にも留まらぬ速さで動くのではなく………全く逆の発想ッ!」グググッ………

麗奈「ヒィッ!?動くなッ!!!」


                    ・ ・ ・ ・ ・ ・
凛「麗奈が速いのではなく、私が『遅くなっている』ッッ!!!」

バァーーーーン!!

麗奈「ヒ…………ヒエエエエエエエエ~~~~~~~ッ!?!?!?」

ドシューン!!


スクッ

凛「……良し、ちゃんと『追える』」

麗奈「ま、まさか私の能力が…………見破られるなんて………!!」ガクガク

凛「さぁ、たっぷりお返しさせてもらうよ!」


麗奈「…………なぁぁぁぁんちゃってェェ~~~~~」ポイッ

ボフン!

凛「うっ……(これは……煙玉!?」)」

麗奈「それじゃあ聞くけど、遅くなるのは『いつ』かしらァ!?」ガシッ

凛「まずい……前が見えない……!!」

麗奈「さっきのお返しィ!MB(モンキー・ビジネス)ッ!このまま椅子の破片でブッ叩くわよ!」ブン!

 MB「キャッキャッキャッ!」


麗奈「そらそらそらそら!」ブンブンブンブン!!!

麗奈「ほれほれほれほれ!」ブンブンブンブン!!!

麗奈「まだまだまだ……まだ……」ブンブンブン……


スゥ..

麗奈「なっ、いないッ!?」

ズルッ

凛「……ふぅ、もう終わったね」

シュルルル..

凛「ツタの中に避難させてもらってたよ」


麗奈「避難……ハッ!まさか!!」

凛「『罠に引っかかる』と『遅くなる』……ってところかな」

麗奈「な、何でそれを!?どうしてこの短時間で理解できたっていうの!?」

凛「…………さぁ、『凄み』かな?アンタを必ず『ブッ潰す』っていうね…………!」ザッザッ


凛「(なんて、ハッタリかましてみたら墓穴を掘ってくれた)」

凛「(ただ遅くするならイタズラなんてする必要がない。罠に何か意味があると思ったら、やっぱり!)」



麗奈「ヒイッ、来るな、来るなァ~~~~」ズリズリ


麗奈「(な……な~~~~~んちゃって!下がってるときにこっそり落とし穴を『仕掛けた』!)」ニヤリ

麗奈「(能力の正体を見抜かれたときは焦ったけど……ここで引っかかったら完璧に再起不能にしてあげるわ!)」


凛「……………」ピタッ

麗奈「……?く、来るなら来なさいよ!一思いに!」

凛「スタンドは、公正さの戦い……」

麗奈「は……?」


凛「いいことを教えてあげる」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

凛「スタンドは、嘘を能力を説明すると………」

凛「能力が『 自 分 に 跳 ね 返 っ て く る 』ッ!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド



麗奈「な。何ですってェ!『モンキー・ビジネス』ッ!」フォン!

 MB「…………?」

麗奈「………フフフ、アーッハッハッハッハ!!残念だったわね、MBは動かないわ!そんなのただのハッタリじゃない!!」


凛「そうだね、ただのハッタリだよ。でも……………」シュルルル

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド

麗奈「…………………あっ」


凛「ツタを通って罠を避けながら、アンタの目の前まで近づく時間は作れたかな」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



麗奈「…………………………モ、『モン――」



凛「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!!!!!」

ドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガ

麗奈「う……うわああああああああああああああああああああああああーーーーーー!!!!!!!」

ヒュー...ドサッ


麗奈「…………」ブクブフ……

凛「罠にかけられた人の気持ちになってなさい」

バァーーーーンッ!!!


スタンド名:『モンキー・ビジネス』
本体:小関 麗奈
タイプ:遠隔操作型・人型

破壊力:D スピード:C(罠設置時:B) 射程距離:B
持続力:B 精密動作性:B 成長性:E  女子力:D

能力:本体の腰ぐらいの身長をした、アロハシャツを着ている猿型のスタンド。大きな目の片方にはバナナとドルマークが刻まれている。

相手を引っ掛けるための『罠』を作成し、設置する。引っかかった相手とその周囲を、自分のタイミングで『遅く』することができる。
発動には相手の心の動揺が必要。遅くする時間は、かんたんな罠なら数秒しかもたないが、相手の動揺を強く揺さぶるほど長い時間遅くすることができる。
遅い相手からは、周囲のもの全てが数倍のスピードで動いているように見える。

相手の動揺を誘うため、使用する罠の見極めが必要。たとえ効果的な罠に掛けたとしても、相手に動揺がなければ遅くすることはできない。

A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ





凛「さて」

グチャァ……

凛「これ、どうしよう……」



凛:食堂の惨状を、食事中に椅子から転げ落ちたことにして誤魔化す。当然お説教。
麗奈:各方面からキツい『お叱り』を受け、行き過ぎたイタズラをした人に謝罪。それぞれ同じ目に遭わされ相手の痛みを知る。


 /|_________ _ _
〈  To BE CONTINUED…//// |
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