ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」 (234)
途中まで以前ラブライブ板で書いていたものです。
――
ダイヤ「わたくしには1人の姉と7人の妹がいます」
ダイヤ「みんなそれぞれ個性があって、大切な私の姉妹ですわ」
ダイヤ「そんな8人の様子を、本日はこのホームビデオにおさめて行きたいと思いますわ」
善子「ダイヤお姉さま、何撮ってるの?」
ダイヤ「あぁ、サファイア。ちょっとばかりホームビデオを撮ろうと――」
千歌「ホームビデオ!? うつりたーい!」
善子「あ、サファイアが先にうつるんだから!」
ダイヤ「もう、順番ですわよ」クスクス
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ダイヤ「まずはわたくしの姉、黒澤ラピスラズリお姉さまをうつしに行きますわ」
ダイヤ「お姉さま」コンコンコン
ダイヤ「……。部屋にいらっしゃいませんの?」
鞠莉「だーいやっ」モミッ
ダイヤ「ぴぎぃっ!?」
鞠莉「うーん、やっぱりダイヤのじゃちょっと物足りないなー」モミモミ
ダイヤ「やかましいですわ!」
ダイヤ「大体妹の胸を揉んで何が楽しいんです?」
鞠莉「妹の成長を確かめるのも長女の務めってヤツ?」
ダイヤ「そんな務め聞いたことありませんわ!」
鞠莉「そっか、ダイヤはこっちだもんね」サワッ
ダイヤ「ぴぎっ!? ふ、ふとももを触らないでくださる?」
鞠莉「はー、ダイヤの太もも、むちむちで気持ち良い」モミモミ
ダイヤ「どこの変態親父ですか!」
鞠莉「長女の務めだから仕方ないの」モミモミ
ダイヤ「ですからそんな務めはありませんわ!」
鞠莉「それで、私の部屋の前でカメラを構えて何してたの?」
鞠莉「ま、まさか盗撮……!?」
鞠莉「いくら私が魅力的だからって実の姉に欲情するのはNoだよ!」
ダイヤ「そんなわけないでしょう!?」
鞠莉「じゃあ、えーっと……」
鞠莉「あっ、ドッキリ?」
鞠莉「ドアを開けた瞬間何か投げるつもりだったんでしょ」
ダイヤ「わたくしカメラ以外何も持っていませんけど」
鞠莉「じゃあ投げるのはないか……」Umm...
ダイヤ「ですからドッキリでもなく――」
鞠莉「あっ! わかった、ダイヤが甘えてくるドッキリ!」
ダイヤ「はあ?」
鞠莉「ドアを開けた瞬間抱きついてくるつもりだったんでしょ!?」
ダイヤ「そんなことして何になりますの?」
鞠莉「ダイヤも私に甘えたかったとか?」
鞠莉「だからドッキリにかこつけて甘えちゃえー的な?」
ダイヤ「わたくしはそんなことしませんわ」
鞠莉「昔はおねえさまーって甘えてきたのに、いつからこんな硬度10に――」
ダイヤ「7人の妹がいる以上わたくしも姉なのですから甘えてもいられませんわ」
鞠莉「ダイヤはそういうところが硬いんだよ」
鞠莉「姉でも甘えていいの、ほら、こんなふうに」ギュッ
ダイヤ「ぴぎっ!?」
鞠莉「私はダイヤにとってただ1人の姉なんだからどんどん甘えていいんだよ?」
ダイヤ「……長女であるお姉さまは誰に甘えますの?」
鞠莉「うーん、私はダイヤとかアクアマリンとか?」
ダイヤ「くすっ、それってどうなんですの?」
鞠莉「だって歳も同じだし、2人ともしっかりしてるし!」
鞠莉「長女の私でも2人に甘えるんだから、ダイヤも甘えていいの」
鞠莉「ずっと気を張り続けてたらおかしくなっちゃうよ」
ダイヤ「お姉さま……」
ダイヤ「では、少しだけこのままで――」ギュッ
鞠莉「うん、いいよ」ナデナデ
ダイヤ「お姉さま」ギュッ
ルビィ「じーっ」
ダイヤ「……ルビィ?」
ルビィ「あ、ご、ごめんなさい!」
ルビィ「見たくて見てたわけじゃなくて、その――」
ダイヤ「……まあ廊下の真ん中でこんなことしてれば嫌でも目に付きますわね」ハァ
ルビィ「おねえちゃん!」
ダイヤ「なんですの?」
ルビィ「ルビィにも甘えて良いからね! ルビィじゃ物足りないかもだけど、ルビィ頑張るから!」
ルビィ「だから、甘えたくなったら、ルビィのところにきてね!」
ダイヤ「ルビィ……!」ジーン
鞠莉「じゃあ今甘えちゃおうかな」ハグッ
ルビィ「ピギィッ!?」
ダイヤ「ちょ、ちょっとお姉さま!」
ルビィ「い、いつでも甘えてって言ったけど急すぎるよ……」
鞠莉「うーん、いい抱き心地」
鞠莉「癒されるなー」
ルビィ「……」ナデナデ
鞠莉「Oh,なでなでサービス付き!?」
ルビィ「い、いやだった?」
鞠莉「ううん、すっごく癒されたよ。ありがと、ルビィ」ニコッ
ダイヤ(……わたくしも今度秘密裏にルビィのところに行きましょう)
――
ダイヤ「というわけで次は三女であるアクアマリンのところへいきますわ」
ダイヤ「アクアマリンはどこに――」
果南「ふぅ、今日もトレーニング終了っと」
ダイヤ「……いましたわ」
果南「あ、ダイヤ何やってるの?」
ダイヤ「わたくし、一応あなたの姉なんですけど」
果南「いいじゃん、一月くらいしか変わらないんだし」
ダイヤ「まあ、そうですけど……」
果南「それで、カメラ構えて何やってるの?」
ダイヤ「あぁ、そうでしたわ。ホームビデオを撮ろうと思いまして」
果南「へぇ、とは言っても何をすればいいわけ?」
ダイヤ「普段通りでいいんですのよ?」
果南「普段通り、って言ってもトレーニングはしてきちゃったしなあ」
ダイヤ「いや、トレーニングの様子はおさめませんわよ?」
果南「んー、じゃあ、ハグッ!」ハグッ
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
ダイヤ「ちょ、ちょっとアクアマリン! 汗でびちょびちょですわ!」
果南「あー……。まあいいでしょ」ギュッ
ダイヤ「よくありませんわ!」
ダイヤ「ほら、風邪引きますわよ、脱いで脱いで」
果南「ちょ、カメラで撮ってるのに脱がせないでよ!」
ダイヤ「今はアクアマリンが風邪を引くほうが一大事ですわ!」
果南「自分で脱げるから!」
ダイヤ「ほら、脱ぎなさい!」グイグイ
果南「誰かダイヤをどうにかして!」
梨子「じーっ」
果南「あ、ガーネット! 助けて!」
梨子「あ、私に気にせず続けて?」
果南「えぇっ!?」
梨子「アクアマリンお姉ちゃんのことが大好きすぎて歯止めがきかなくなったダイヤお姉ちゃんもいいなあ」
ダイヤ「なっ!? そ、そういうのではありませんわよ!」バッ
果南「今だっ!」ササッ
果南「わ、私シャワーあびてくるからっ!」ササッ
ダイヤ「あっ! しっかり汗を流して拭くんですのよ!」
果南「わかってるから!」
梨子「ふふ、アクアマリンお姉ちゃんのシャワーが気になって仕方ないダイヤお姉ちゃん……」
ダイヤ「事実ですけれどなにか引っかかる言い方ですわね……」
梨子「あ、気にしないで」
ダイヤ「気にしますわよ!」
ダイヤ「まったく……」スッ
梨子「え? も、もも、もしかして今の撮ってた?」
ダイヤ「? えぇ、今ホームビデオを撮っていまして」
梨子「そういうのは先に言ってよ!」
ダイヤ「本当は上から順に行く予定でしたが、ちょうどいいですし次はガーネットにしますわ」
ダイヤ「こちら六女のガーネットですわ」
梨子「あ、え、えっと! く、くく、黒澤ガーネットです!」カチコチ
ダイヤ「カッチコチですわね」
梨子「だ、だってこういうの慣れてないし!」
ダイヤ「ピアノの発表会とか経験しているでしょう?」
梨子「あーいうのは集中してるから気にならないの!」
ダイヤ「そんな感じでいつも通りでいいんですのよ?」
梨子「あっ」カチーン
ダイヤ「……カメラを意識するとダメですのね」
梨子「あ、えっと、えっと――」
ダイヤ「もう少し自然体で」
梨子「自然体……。い、いえーい黒澤ガーネットですわ!」
ダイヤ「あぁ、ついには自分を見失ってますわ……」
千歌「あ、ガーネットちゃん今撮ってるの?」
曜「撮ってるって?」
千歌「ダイヤねえ、今ホームビデオ撮ってるんだって」
曜「あー、だからカメラをガーネットちゃんに向けてるんだ」
ダイヤ「あぁ、アンバーにオブシディアン。ガーネットがカメラを向けるとこうなってしまって」
梨子「あわわわわわ」
曜「うわぁすっごいカチコチ」
千歌「ガーネットちゃーん?」フリフリ
梨子「あわわ……」
曜「全然見えてないなー」
ダイヤ「ここまでカメラに弱いとは――」
千歌「じゃあ、こちょこちょー」
梨子「ぷっ!」
千歌「オブシディアンちゃんも手伝って」
曜「え、えぇ!? こ、こちょこちょー」
梨子「あ、あははっ! や、やめて!」
梨子「あはははは、くるしっ!」
千歌「どうだ、ガーネットちゃんまいったかー」
曜「まいったかー!」
梨子「あははっ! まいったからやめてぇ!」
ダイヤ「いい笑顔ですわ、ガーネット!」
梨子「ダイヤお姉ちゃんも撮ってないで助けてぇ! あははははっ!」
ダイヤ「いいですわよガーネット!」
梨子「あはははっ!」
曜「こちょこちょー」
梨子「……いい加減にしなさいっ!」
ダイちかよう「ひぃっ!?」
梨子「やめてって言ってるでしょ!? なんで続けるの!?」
曜「が、ガーネットちゃんをリラックスさせてあげようと思って」
千歌「ガーネットちゃんカチコチだったから……」
梨子「だからってあんなにくすぐる必要はないよね?」
ようちか「はい……」シュンッ
梨子「ダイヤお姉ちゃんも、どうして助けてくれなかったの?」
ダイヤ「ガーネットがいい笑顔だったので」
梨子「私苦しんでたんだよ!?」
ダイヤ「面目ありませんわ」
梨子「3人とも反省してる?」
ダイちかよう「はい……」
梨子「じゃあ私からも仕返しにこちょこちょー」
ダイヤ「ぴぎゃあっ!」
梨子「どう? くすぐられる気持ちは」
ダイヤ「くふっ、ガーネット、おやめなさいっ! ふふふっ!」
梨子「さっきそういってる私を助けてくれなかったよね?」
ダイヤ「反省してます、反省してますから! ふふっ!」
千歌「……」ソロソロ
曜「……」コソコソ
梨子「アンバーちゃん、オブシディアンちゃん」ギロッ
ようちか「ひっ!」
梨子「ダイヤお姉ちゃん、2人を捕まえるの手伝って」
ダイヤ「自分たちだけ逃げようだなんて許しませんわ!」ガバッ
千歌「うわぁっ!?」
曜「うわっ!」
千歌「あはは! や、やめてガーネットちゃん!」
曜「ダイヤお姉ちゃん、くすぐったいよ! あははっ!」
――
ダイヤ「ひどい目にあいましたわ、まさかガーネットがあんなに怒るなんて」
ダイヤ「あとここに全く写っていないのはトパーズにサファイアですわね」
ダイヤ「まあルビィもほとんど写っていませんが」
ダイヤ「あの3人のことだから一緒にいそうですわね」
ダイヤ「まずはサファイアの部屋に」
善子「あ、お姉さまみーっけっ!」
ダイヤ「あぁ、サファイアちょうどいいところに――は?」
善子「どう? 似合うでしょ?」
ダイヤ「なんですのその格好」
善子「ホームビデオ撮るっていうから気合入れたの!」
善子「テーマは堕天使よ!」
花丸「うぅ、サファイアちゃんに無理矢理着せられたずら……」
ルビィ「うゅ……」
ダイヤ「トパーズとルビィも着ていますのね……」
ダイヤ「サファイア、ホームビデオなんだから自然体で」
善子「これが自然体だけど?」
ダイヤ「あぁ、そういえばそうでしたわ」
花丸「うぅ……」
ルビィ「ぴぎぃ……」
善子「何してるのよルビィ、トパーズ。隠れてないで出てきなさいよ」
花丸「こんな姿残したくないずら」
ルビィ「……」ウンウン
善子「いいから出てくるの!」グイッ
花丸「わっ!」
ルビィ「ぴぎぃ!?」
ダイヤ「……あら」
善子「どう、かわいいでしょ?」
善子「この2人のテーマは天使にしてみたの」
花丸「は、はずかしいよ……」モジモジ
ルビィ「トパーズちゃんは似合ってるよ、でもルビィは……」モジモジ
花丸「ルビィちゃんは似合ってるよ! 似合ってないのはトパーズの方!」
ルビィ「ルビィの方!」
善子「うるっさい! どっちも似合ってるわよ! ねぇ、お姉さま?」
ダイヤ「そう、ですわね。3人ともかわいいですわ」
善子「ほら、自信もちなさい」
善子「確かにサファイアと並ぶと少しだけ劣るかもしれないけどちゃんと似合ってるから!」
ダイヤ「……サファイアのその自信はどこからくるんですの?」
善子「だって、かわいいでしょ?」
ダイヤ「まあかわいいですけど」
善子「お姉さまがかわいいって言ってくれるんだからサファイアは世界一かわいいのよ!」
善子「あ、お姉さまは世界一美人だから安心して♡」
ダイヤ「……この子の理論には時々ついていけませんわ」
花丸「お姉ちゃん」モジモジ
ルビィ「お姉ちゃぁ……」モジモジ
ダイヤ「なんですの?」
花丸「ほんとにトパーズ似合ってる……?」
ルビィ「ルビィも似合ってる……?」
ダイヤ「えぇ、2人ともかわいらしいですわよ?」
花丸「大好きなお姉ちゃんがそう言ってくれるなら……」
ルビィ「うん、ほんとに似合ってるんだね」エヘヘ
ダイヤ(ほんとかわいいですわ)
善子「そうよ、サファイアの次にだけどね」
花丸「お姉ちゃんはトパーズのこと一番かわいいって言ってくれたんだよ?」
ルビィ「ルビィだよ?」
ダイヤ「え?」
善子「ねえお姉さま、サファイアが一番好きでしょ?」グイグイ
花丸「トパーズだよね?」ギュッ
ルビィ「ルビィだよね?」
ダイヤ「ええ……?」
ダイヤ「いや、3人ともかわいいですけど」
善子「ちゃんと決めてよ!」
花丸「誰がお姉ちゃんにとって一番の妹なの!?」
ダイヤ「いや妹に順番をつけるなど……」
千歌「何やってるの?」
ルビィ「お姉ちゃんに誰が一番の妹なのか聞いてるの!」
曜「あー、あはは、ダイヤお姉ちゃんも大変だね……」
梨子「ね、私がお姉ちゃんにとって一番の妹なのに」
ようちか「「は?」」
曜「私でしょ? だっていつも『オブシディアンはかわいいですわね』って言ってくれるよ?」
千歌「アンバーもかわいいって言われるもん!」
梨子「私なんか時々膝枕してもらうもん!」
善子「何よそれ、ずるいっ!」
花丸「トパーズは勉強教えてもらってなでなでもしてもらうもん!」
ルビィ「る、ルビィなんかお姉ちゃんのプリンもらうもん!」
ダイヤ「それはあなたが勝手に食べてるだけでしょう!?」
果南「なになに何の騒ぎ?」
善子「誰がダイヤお姉さまの一番の妹か決めてるの!」
鞠莉「Oh, おもしろそう☆」
ダイヤ「あなたは姉でしょう!?」
鞠莉「気持ちは妹みたいな?」
ダイヤ「気持ちは妹ってなんですの!?」
果南「ダイヤのすぐ下の妹としてはこれは見過ごせないなあ」
ダイヤ「アクアマリンもやる気ですの!?」
花丸「ほら、誰ずら?」
千歌「ダイヤねえ!」
ダイヤ「み、みんなわたくしのかわいい妹ですわよ……?」
ダイヤ「1人姉がまじってますけど……」
果南「そんな中途半端なの認めないよ」
梨子「ちゃんと1人きめて」
ダイヤ「だ、誰かたすけてーですわ!」
ルビィ「あっ! ちょっとまっててー!」
ダイヤ「そういうことではなくて!」
おわり
鞠莉「黒澤9姉妹の日常」ダイヤ「次女ですわ!」
――
ダイヤ「ん、サファイアおはようございます」
善子「っ! お、おお、おはようお姉さま!」
善子「サファイアちょっと急いでるからっ!」
ダイヤ「……なんですのあの子」
ダイヤ「あ、ガーネット――」
梨子「っ! お、おお、お姉ちゃんおはよう!」
梨子「私急いでるから!」
ダイヤ「……ガーネットも様子がおかしいですわ」
――
果南「あ、ダイヤ、おはよう。ちょっとランニング行ってくるね」
曜「よ、ヨーソロー! ちょっと用事あるから!」
千歌「ダイヤねえ! あ、えっとえっと……。アンバー急いでるからっ!」
ルビィ「ぴぎぃ!? る、ルビィ勉強するからっ!」
花丸「トパーズちょっと読みたい本が溜まってるから部屋に戻るね」
ダイヤ「なんなんですのっ! みんなして用事がある急いでいると!」
鞠莉「シャイニー☆ どうしたのダイヤ?」
ダイヤ「お姉さま……」
ダイヤ「実は妹たちに避けられているみたいで」
鞠莉「避けられてる?」
ダイヤ「わたくしが声をかけるとあわててどこかに行ってしまって」
鞠莉「んー、ダイヤ大好きなあの子たちがダイヤを避けるとは思わないけど」
ダイヤ「きっとわたくしが厳しくしすぎたんですわ……」
ダイヤ「あの子たちもためになれば嫌われてもいいと思っていましたが、こうもつらいなんて……!」ウルウル
鞠莉「いやいや、そこのところはみんなわかってるって!」
ダイヤ「じゃあなぜあの子たちはわたくしを避けますの!?」
鞠莉「それは、わからないけど……」
ダイヤ「やっぱり嫌われたんですわ!」グスン
鞠莉「ほんとにみんな用事があっただけかもでしょ?」
ダイヤ「そう、でしょうか……」
鞠莉「うん、きっとそうだよ!」
ダイヤ「そ、そうですわよね! 嫌いになるにしても急すぎますわ!」
鞠莉「うんうん!」
ルビィ「あ、ラピスラズリお姉ちゃんいた――あっ」
鞠莉「ん? ルビィどうしたの?」
ルビィ「あ、あのえっと……」
ルビィ「お勉強! お勉強教えて欲しいの!」
ダイヤ「っ!」
鞠莉「ルビィが私に聞きに来るなんて珍しいね」
ダイヤ(いつもはわたくしに聞きにくるのに何故……?)
ダイヤ「あのルビィ?」
ルビィ「ぴぎぃっ!?」
ダイヤ「わたくしでよろしければ教えますわよ?」
ルビィ「い、いいの! ラピスラズリお姉ちゃんにきくから!」
ダイヤ「っ!」ガーン
ルビィ「だから、その……。ダイヤお姉ちゃんはゆっくり休んでて?」
ダイヤ「そ、そうさせてもらいますわ……」フラフラ
鞠莉「Oh...」
――
ダイヤルーム
ダイヤ「ふふ、サファイアはかわいいですわね」ナデナデ
ダイヤ「アンバーももちろんかわいいですわよ」ナデナデ
ダイヤ「あぁもう順番! 一気に来られてもわたくしは1人ですわ!」
ダイヤ「みんなわたくしのかわいい妹ですわよ」ナデナデ
ダイヤ「ふふ、ふふふ……」ポロポロ
ダイヤ「寝そべりぬいぐるみもかわいいですけど、やはり本物の温もりが恋しいですわ……」ズーン
ダイヤ「サファイアがわたくしにベタベタとくっついてくるあの温もりが」
ダイヤ「ガーネットを膝枕したときの温もりが」
ダイヤ「アンバーをなでたときの温もりが」
ダイヤ「アクアマリンにハグされたときの温もりが」
ダイヤ「オブシディアンと添い寝したときの温もりが」
ダイヤ「トパーズとルビィに両手を握られた時の温もりが――」
ダイヤ「恋しいですわ!」
ダイヤ「今やわたくしに普通に接してくれるのはラピスラズリお姉さまだけ」
ダイヤ「どうしてこうなってしまいましたの……?」
ダイヤ「サファイア」ナデナデ
善子「お姉さまっ!」バァン
ダイヤ「さ、サファイア!?」
善子「やっぱりサファイア無理!」ダキッ
千歌「あーっ、サファイアちゃん反則ー!」ピピーッ
曜「もう! サファイアちゃんがそうするなら私だって!」ギューッ
梨子「あ、ずるい! オブシディアンちゃんレッドカード!」
善子「お姉さまぁ……」ギューッ
曜「おねえちゃぁん……」スリスリ
ルビィ「あ! サファイアちゃんとオブシディアンお姉ちゃん抜け駆けしてる!」
花丸「ずるいずら! 離れて!」
果南「あー、もう……。半日も耐えられないの?」
ダイヤ「……どういうことですの?」
鞠莉「なんでもね、いつもダイヤには迷惑かけてるからダイヤに迷惑かけないように甘えるの禁止にしてたみたい」
鞠莉「で、みんながみんなダイヤと一緒にいると甘えちゃうからって避けちゃってたんだって」
ダイヤ「はあ?」
善子「でもサファイア、お姉さまがいないとむりぃ……」ギューッ
果南「姉離れ的な意味も含めてたんだけどね」
ダイヤ「なんですのそれ……」ヘナヘナ
ダイヤ「わたくしみんなに嫌われたとばかり」
千歌「アンバーたちがダイヤねえを嫌う……?」キョトン
花丸「そんなこと天地がひっくり返ってもありえないよね?」
梨子「いつも私たちに構ってくれるからお姉ちゃん自分の時間取れないだろうなって思って」
善子「お姉さまぁ……」スリスリ
曜「くんくん、お姉ちゃんの匂い嗅がないと……」
ダイヤ「か、嗅がないでくださる!?」
ルビィ「ごめんなさい、本当は1日お姉ちゃんに時間つくってあげようとしてたんだけどね」
ダイヤ「ぶっぶー、ですわ!」
ルビィ「ぴぎぃ!?」
果南「な、何がぶっぶーなの?」
ダイヤ「あなたたちはわたくしに気を遣ってくれたみたいですけど、逆ですわ!」
梨子「逆?」
ダイヤ「……わたくしも寂しかったの」
花丸「え?」
ダイヤ「わたくしもあなたたちと一緒にいれないのが寂しかったの!」
ダイヤ「折角の休日なんだからあなたたちといっぱい遊ぼうと思っていたのに!」
ダイヤ「おかげで寝そべりぬいぐるみと戯れてしまいましたわ!」
果南「あー、だからダイヤの周りに寝そべりぬいぐるみ並んでたんだ……」
ダイヤ「あなたたちは気を遣う必要なんてないんですのよ」
ダイヤ「あなたたちが甘えてくれることが、わたくしの幸せですわ」ニコッ
千歌「ダイヤねえ!」
善子「えへへ、お姉さまサファイアが入ってきたときサファイアのぬいぐるみ撫でてたでしょ?」
ダイヤ「なっ……!」カアアアアアアア
善子「本物のサファイア撫でていいのよ?」ニコニコ
ダイヤ「サファイア……!」ナデナデ
善子「えへへー」ニヘラ
曜「はいサファイアちゃん交代」グイッ
善子「ちょっと!?」
曜「お姉ちゃん、私も♡」
ダイヤ「ふふ、オブシディアンも甘えん坊ですわね」ナデナデ
千歌「あーずるいアンバーも!」
梨子「わ、私も!」
ルビィ「次はルビィだもん!」
果南「私がハグするの!」
花丸「トパーズが一番なでやすいサイズなの!」
ダイヤ「あー、もう! 順番ですわ!」
鞠莉「ふふ、よかったね、ダイヤ」
ダイヤ「よかったですけどやはりいっせいにくると大変ですわ……」
鞠莉「さっきまで死んだような目で『妹に嫌われましたわ』なんて言ってたのに」
ダイヤ「う、うう、うるっさいですわ!」
善子「そんなにサファイアのこと考えててくれたんだ」パアアアアアアア
ダイヤ「……あなただけではありませんわよ」
ダイヤ「かわいい妹全員のことを考えていたんですわ……」
鞠莉「ふふ、じゃあ私も加わっちゃおうかな☆」
ダイヤ「ちょ、お姉さまもですの!?」
鞠莉「ダイヤが妹大好きなみたいに私もダイヤが好きなの☆」
ダイヤ「わ、わたくしもお姉さまのこと大好きですわっ!」カアアアアアアアア
おわり
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」果南「三女かなん?」
――
果南「あ、アンバー――」
千歌「それでね、ねえダイヤねえ聞いてるー?」
ダイヤ「聞いてますわよ。それでオブシディアンがどうしたの?」
千歌「オブシディアンちゃんったらね、海に飛び込んじゃって」クスクス
ダイヤ「ふふ、あの子らしいですわね」クスクス
ダイヤ「あ、アクアマリンどうかしました?」
果南「ふんっ!」プイッ
ダイヤ「アクアマリン……?」
――
果南「あ、オブシディ――」
曜「でねでね! ガーネットちゃんったら」
ダイヤ「ふふ、そうでしたの」クスクス
果南「……」
ダイヤ「あぁ、アクアマリ――」
果南「ふんっ!!」スタスタ
ダイヤ「え……?」
――
ダイヤ「なんでかわかりませんがアクアマリンが怒っていますわ」
ダイヤ「わたくし何かしてしまいましたっけ……」
鞠莉「ダーイヤっ!」モミモミ
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
ダイヤ「ですからいつもいつもどうして胸を揉むんですの!?」
鞠莉「いつも言ってるけど妹の成長を確かめてるの! 長女の務め!」
ダイヤ「そんな務めはありませんわ!」
鞠莉「それで? 何か悩んでたみたいだったけど?」
ダイヤ「実はアクアマリンを怒らせてしまったようで」
鞠莉「怒らせた? Why? なんで?」
ダイヤ「それが分かりませんの。急に機嫌が悪くなって」
鞠莉「その時ダイヤはなにかしてた?」
ダイヤ「2回あったんですけど、アンバーやオブシディアンと話しているときでしたわ」
鞠莉「あー……」
ダイヤ「何かわかりましたの!?」
鞠莉「ジェラシーだよ」
ダイヤ「ジェラシー、ですの?」
鞠莉「うん。アクアマリン、ダイヤに対して嫉妬ファイヤーが燃え上がっちゃったんだよ」
ダイヤ「アクアマリンがわたくしに?」
鞠莉「アクアマリンってさ、小さい頃アンバーとオブシディアンをかわいがってたでしょ?」
ダイヤ「えぇ、それは仲睦まじく見ていて微笑ましかったものですわ」ホワホワ
鞠莉「なのに最近あの2人ダイヤにべったりだったから」
ダイヤ「あー、なるほど……」
鞠莉「きっとアクアマリンも戸惑ってると思うよ」
鞠莉「アクアマリンもダイヤのことは大好きだし、なのに嫉妬しちゃって」
鞠莉「もんもんとしてるアクアマリンからかいにいこっかな」クスクス
ダイヤ「……お姉さまはじっとしていてくださる?」
鞠莉「えー、もんもんとしてるアクアマリンみたいのにー」
ダイヤ「わたくしが様子を見てきますから」
鞠莉「……ん。行ってらっしゃい☆」
ダイヤ「えぇ、行ってきますわ」
――
果南「あああああああああ!」ゴロゴロ
果南「私のバカ!」
果南「なんでダイヤにあんな態度取っちゃったんだろう……」
果南「確かにさ、アンバーとオブシディアンは大事な妹だけど、ダイヤだって大好きな姉なのに」
果南「あんな態度取って嫌われちゃったかな……」
果南「よし、謝りに行こう!」ガチャッ
ダイヤ「あっ」
果南「あっ」
ダイヤ「アクアマリン、どこかいきますの?」
果南「あ、えっと……。ダイヤこそ私の部屋の前でどうしたの?」
ダイヤ「少しアクアマリンとお話がしたくて」
ダイヤ「ですが、どこかにいくなら後でもいいですわよ?」
果南「ううん! どこか行こうってわけじゃなかったから!」
ダイヤ「? そうですの?」
果南「うん、だからその。入って?」
ダイヤ「えぇ。ではお邪魔しますわ」
果南「……」
ダイヤ「………あの」
果南「んー?」
ダイヤ「アクアマリンは、アンバーとオブシディアンが大切ですのね」
果南「うん、初めてできた妹たちだったから」
果南「もちろん他のみんなも好きだけど、あの2人はちょっと特別かな」
ダイヤ「そうですわよね」
ダイヤ「ごめんなさいアクアマリン」
果南「え?」
ダイヤ「別に独り占めしようとかそういうつもりはなかったんですの」
ダイヤ「ただ、妹がかわいくて」
果南「ちがっ! ダイヤは悪くない!」
果南「謝るのは私の方だよ。一人で勝手に嫉妬して、きつく当たっちゃって」
果南「大好きな姉に取る態度じゃなかったよ……」
果南「姉に嫉妬するなんて私、すごく嫌な子だ……。嫌いになったよね……?」
ダイヤ「……アクアマリン」
果南「なに?」
ダイヤ「はぐっ! ですわ!」
果南「えぇっ!?」ドキッ
ダイヤ「嫉妬くらいしますわよ」
ダイヤ「わたくしだってもし仮にサファイアやオブシディアンやルビィがラピスラズリお姉さまにべったりしてたりしたら胸がざわざわしますわ」
果南「……へー、なんか意外」
ダイヤ「人間ですもの、嫌な気持ちくらい出て当然ですわ」
ダイヤ「わたくしは、そんなアクアマリンのことが大好きですわよ!」ギュッ
果南「ダイヤ……!」
果南「私も、大好きっ!」
果南「お、お姉ちゃん……!」カアアアアアアア
ダイヤ「……っ!」
ダイヤ「ふふ、ハラショーですわ」
――
善子「あ、いたいた。お姉さま! きいてきいて!」
ルビィ「お姉ちゃん、勉強教えて!」
花丸「お姉ちゃんのお部屋で一緒に本読んでもいい?」
梨子「ダイヤお姉ちゃん、絵のモデルになってもらいたいんだけど……」
果南「ダーメ」
善子「なんでよ、ケチ」
果南「今はダイヤは私のなの」
果南「ねー? お姉ちゃん?」
ダイヤ「え、えぇまあ」
曜「アクアマリンお姉ちゃんがダイヤお姉ちゃんをお姉ちゃんって呼んでるの初めてみたかも」
千歌「ね、いつもダイヤって呼び捨てだったのに」
果南「だって、お姉ちゃんだもん」
果南「いくらアンバーとオブシディアンでも今はダメだからね!」
鞠莉「ふふ、雨降って地固まるってやつかな」クスクス
果南「ほら、買い物いこ? お姉ちゃん!」ギュッ
ダイヤ「えぇ、いきましょう。アクアマリン」ニコニコ
おわり
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」曜「四女!」
――
曜「ふんふふーん♪ あ、ダイヤお姉ちゃん!」
ダイヤ「ん、オブシディアン。どうしました?」
曜「んーん、ただお姉ちゃんがいたから!」
ダイヤ「ふふ、オブシディアンはかわいいですわね」ナデナデ
曜「えへへー」
ダイヤ「ん、オブシディアン?」
曜「んー?」
ダイヤ「髪のケアはしてます?」
曜「してないけど?」
ダイヤ「道理で、髪が傷んでいると思いましたわ」
ダイヤ「少なくともトリートメントくらいはなさい」
曜「えー? でも私トリートメントとか持ってないし」
ダイヤ「わたくしのを使っていいですから」
曜「えぇっ!? お姉ちゃんの!?」
ダイヤ「まあ、わたくし以外に借りてもいいですが」
曜「ううん、お姉ちゃんの借りる!」
――
曜「えへへ、お姉ちゃんのトリートメント使っちゃった……♡」
曜「くんくん、お姉ちゃんの匂いだ……」
善子「くんくん、あれ?」
曜「あ、サファイアちゃん」
善子「あれ? オブシディアンじゃない。こっちからお姉さまの匂いがしたと思うんだけど」
曜「匂いでわかるんだ」
善子「サファイアほどのお姉さま好きになれば余裕よ!」
曜「サファイアちゃんもほんとダイヤお姉ちゃん大好きだなあ……」
善子「……あれ? オブシディアンから匂いがする」クンクン
曜「ふふ、ばれちゃったかー」
善子「ど、どういうこと!?」
曜「実はダイヤお姉ちゃんにトリートメントを借りたの」
善子「っ! と、トリートメントを!?」
曜「うん、髪が傷んでるからって貸してくれたんだ」
善子「サファイアも借りる!」
曜「いやいや、サファイアちゃんは髪綺麗だし」
善子「やだ、サファイアも借りるの!」
ダイヤ「……なんの騒ぎですの?」
曜「あ、ダイヤお姉ちゃん。サファイアちゃんがね」
善子「サファイアもお姉さまのトリートメント使いたい!」
ダイヤ「いや、あなたは自分のがあるでしょう?」
善子「でも、オブシディアンばっかりずるい!」
善子「だってお姉さまの匂いが常にするようになればいつも一緒にいるのと同じ!」
ダイヤ「それはどうでしょうか……」
善子「寝てるときでさえ添い寝してもらってるような気分に!」
ダイヤ「うーん……?」
曜「た、確かに!」ハッ
ダイヤ「そこ共感するところですの!?」
善子「あっ! いいこと思いついた!」
曜「ん?」
善子「オブシディアンと一緒に寝ればいいのよ!」
曜「へ?」
善子「そうすればお姉さまと一緒に寝てる気分になれる!」
善子「サファイアったら天才!」
ダイヤ「……えっと」
ダイヤ「それってわたくしと一緒に寝ればいいのではなくて?」
善子「あっ!」
善子「じゃあ一緒に寝てくれるの?」キラキラ
ダイヤ「まあ、かわいい妹の頼みでしたら」
善子「じゃあサファイア今日お姉さまと寝る!」
曜「えー、私もお姉ちゃんと寝たいんだけど」
善子「オブシディアンは匂いがあるからいいじゃない」
曜「えー……」
――
オブシディアンルーム
曜「はー、お姉ちゃんの匂いだ……」クンクン
曜「こうして寝ると、お姉ちゃんに添い寝してもらったときのこと思い出すなぁ」エヘヘ
曜「……でもあの時はお姉ちゃんが優しく抱きしめてくれて」
曜「……」
曜「………あれ?」
曜「サファイアちゃんずるくない?」
曜「今ダイヤお姉ちゃん独占してるんだよね!?」
曜「ベッドもお姉ちゃんの香りで、全身お姉ちゃんの香りに包まれてて」
曜「お姉さまぁ、サファイア眠れないーとか言って頭なでてもらったりして!」
曜「……よく考えなくてもずるい」
曜「これは抗議にいかないと!」
曜「くそ、あの堕天使めっ!」
――
ダイヤルーム
善子「お姉さまぁ、眠れないぃ……」
ダイヤ「はいはい、目を閉じて心を落ち着けて」ナデナデ
曜「タノモーソロー!」バァン
ダイヤ「な、何事ですの!?」
善子「なによオブシディアン。せっかくお姉さまに寝かしつけてもらってたのに」
曜「サファイアちゃん、よくよく考えるとずるいよ、匂いと本物じゃ全然つりあってない!」
善子「気付くのが遅いのよ! 今夜はお姉さまはサファイアのものなんだから!」
ダイヤ「え、えっと?」
曜「そもそもお姉ちゃんのベッドで寝る時点で条件が違う!」
善子「オブシディアンにも匂いがあるからいいじゃない!」
曜「温もりはないし匂いも頭だけだもん!」
ダイヤ「あ、あの2人とも……?」
善子「お姉さまはどっちと寝るの!?」
ダイヤ「いや、どっちといわれても――」
ルビィ「あ、あの、ダイヤお姉ちゃん」コンコンコン
ダイヤ「……ん? ルビィですの?」
ルビィ「あ、あのね。怖い夢見ちゃって……」
ダイヤ「あらそうでしたの」
ルビィ「だから、一緒に寝てほしいなって」
ダイヤ「ふふ、ルビィはいつまで経っても子供ですわね」ナデナデ
ダイヤ「いいですわよ、来なさい」
ルビィ「わぁい♡」
曜「あ、あのお姉ちゃん……?」
善子「サファイアたちは?」
ダイヤ「あぁ、ごめんなさい。今回はルビィが優先ですわ」
ダイヤ「あっ、そうですわ!」
ダイヤ「さっきサファイアが言っていたように2人で寝たら?」
曜「え?」
ルビィ「うゅゅ……」ウルウル
ダイヤ「ほら、怖くないですわよ」ナデナデ
ダイヤ「おやすみなさい、サファイア、オブシディアン」パタン
曜「え……?」
――
オブシディアンルーム
善子「確かにお姉さまのにおいはするけど……」
曜「あ、暗い中で見るとサファイアちゃんお姉ちゃんっぽい」
曜「匂いもあって温もりもあっていいかも」
善子「……オブシディアンばっかりずるい」
善子「お姉さまみたいになでてよ」
曜「ん、仕方ないなあ」ナデナデ
善子「えへへ♡ お姉さまぁ♡」
善子「すぅ、すぅ……」
曜「あ、もう寝ちゃったんだ」ナデナデ
曜「そういえばサファイアちゃんと寝るのも久しぶりかも」
曜「昔はよく一緒に寝たのにね」ナデナデ
曜「……まあ、大抵ダイヤお姉ちゃんも一緒だったけど」
曜「昔からサファイアちゃんとはお姉ちゃん取り合ってたっけ」クスクス
曜「おやすみ、サファイアちゃん」ナデナデ
――
翌朝
花丸「あ、サファイアちゃんいた!」
千歌「えぇ? オブシディアンちゃんの部屋にいたの!?」
果南「なんでまたオブシディアンの部屋に……」
梨子「サファイアちゃんを起こしに行ったらいないから何事かと思ったよ……」ホッ
鞠莉「ふふ、この2人仲いいんだね」クスクス
千歌「ね、結構ダイヤねえの取り合いしてるイメージだったのに」
果南「ケンカするほど仲がいいってやつじゃないの?」
曜「お姉ちゃん、サファイアちゃん……」ムニャムニャ
善子「おねえさまぁ、オブシディアン……」ギューッ
曜「んん……」パチッ
千歌「あ、起きた」
曜「うええっ!? なんでみんないるの!?」
梨子「サファイアちゃんが部屋にいなかったから探してたらここにいたから」クスクス
鞠莉「こんなに姉妹で仲良くてお姉ちゃん嬉しいなー」クスクス
曜「ち、ちがっ! これはちがくて!」
ダイヤ「ご飯冷めてしまいますわよー」
果南「あ、ダイヤが呼んでる」
花丸「じゃあオブシディアンお姉ちゃん。サファイアちゃん起こしてきてね」
千歌「よろしくね」フリフリ
梨子「えっと、ごゆっくり」ニコッ
鞠莉「ご飯冷めないうちにね」
曜「だからこれには事情があるの!」
善子「むにゃむにゃ」
曜「サファイアちゃんはさっさと起きてよ!」
おわり
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」千歌「五女なのだ!」
――
千歌(アンバーは今日ダイヤねえに恩返しをします!)
千歌(厳しいけど、とっても優しいダイヤねえ――)
千歌(小さい頃からいつか大きくなったら恩返しするんだ、って思ってたの)
千歌(だから、今日はアンバーが今までしてもらったことを恩返しするね!)
千歌「待っててね、ダイヤねえ!」
ダイヤ「呼びました?」
千歌「うわっ……!?」
千歌「え、えっとダイヤねえはなんでここに?」
ダイヤ「お風呂をいただこうと思いまして」
千歌「っ!」
千歌(これはグッドタイミングだよ! まずはお風呂で恩返ししよう!)
ダイヤ「では、わたくしはお風呂をいただきますわね」
千歌「うん、ごゆっくり!」
ダイヤ「ふんふーん♪」ヌギヌギ
千歌(鼻歌歌いながら脱衣するダイヤねえかわいい)
ダイヤ「」ガチャッ
千歌「お、ダイヤねえ入ったかな?」
千歌「じゃあアンバーも――」ヌギヌギ
ダイヤ「……誰かいますの?」
千歌「アンバーでーす」
ダイヤ「あぁ、アンバーですの」
ダイヤ「……なんでいますの?」
千歌「じゃあ失礼しまーす」
ダイヤ「っ!? な、なぜ入ってきますの!?」
千歌「まあまあ、背中流すからあっち向いてて」
ダイヤ「な、なんですの、急に――」
千歌「今日のアンバーはダイヤねえに恩返しするのだ!」
千歌「まずはダイヤねえの身体を洗ってあげるね」
ダイヤ「自分で洗えますわよ!」
千歌「でもダイヤねえ昔アンバーの身体洗ってくれたでしょ?」
ダイヤ「まあ、アンバーが小さい頃には」
千歌「だからその恩返しなの!」
千歌「ほら、あっち向いてて」
ダイヤ「で、ですから!」
千歌「えいっ」セナカツーッ
ダイヤ「ぴぎゃあっ!?」ビクッ
千歌「恩返しするんだからじっとしてて!」
千歌「うわぁ、ダイヤねえ肌白い」
ダイヤ「あ、あまりじろじろ見ないでくださる?」
千歌「えー、いいじゃん姉妹なんだしー!」
ダイヤ「姉妹でも恥ずかしいものは恥ずかしいですわ!」
千歌「あ、ダイヤねえの白い肌を傷つけないように手で洗うね」
ダイヤ「へ?」
千歌「うりゃー」ヌチャァ
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
千歌「どう? ダイヤねえ」
ダイヤ「くすぐったいですわ……!」プルプル
千歌「ダイヤねえの肌すべすべで気持ちいい」
ダイヤ「んぅっ。本当にくすぐったいですわ……」
千歌「あ、ダイヤねえ色っぽい声出してる」クスクス
ダイヤ「だって、声が勝手にぃ、あぁっ♡」
千歌「前の方も洗ってあげるね」
ダイヤ「ま、前は結構ですから! んんぅっ♡」
――
ダイヤ「はあ、ひどい目にあいましたわ……」
千歌「えー、アンバー頑張ったのに」
ダイヤ「いえ、気持ちは嬉しかったんだけれど――」ガチャッ
ダイヤ「ふふっ」ペリッ
千歌「あ、ダイヤねえプリン食べるの?」
ダイヤ「えぇ、お風呂上りに食べようと取っておきましたの」パクッ
ダイヤ「んんぅ♡ おいしいですわ♡」
千歌(こ、これはダイヤねえにあーんできるチャンス……!)
千歌(もう少し機を伺おう)ジーッ
ダイヤ「……ん?」
千歌「……」ジーッ
ダイヤ「はぁ、仕方ないですわね」スッ
千歌「え?」
ダイヤ「あーん」
千歌「あ、あーん、ぱくっ」
ダイヤ「おいしい?」
千歌「うんっ!」
ダイヤ「それはよかったですわ」
千歌「……って、ちがうよ!」
ダイヤ「何が違うんですの?」
千歌「逆だよ逆!」
ダイヤ「逆って? スプーンは逆じゃありませんけど?」
千歌「じゃなくて逆なの!」
ダイヤ「ですから何が!?」
千歌「アンバーがダイヤねえにあーんするの!」
ダイヤ「……はあ?」
千歌「スプーン貸して」
ダイヤ「いや、自分で食べられますわよ?」
千歌「いいからっ!」
千歌「ダイヤねえ、あーん」スッ
ダイヤ「いえ、ですから」
千歌「ダイヤねえが食べないんだったらアンバーが全部食べちゃうよ?」
ダイヤ「なっ! プリンを人質に取るなんて……!」
千歌「だから、あーん」
ダイヤ「あ、あーん」パクッ
千歌「ダイヤねえ、おいしい?」
ダイヤ「えぇ、まあ」
千歌「じゃあもう一口、あーん」
ダイヤ「まだやりますの!?」
千歌「全部食べ終わるまでやるけど?」キョトン
ダイヤ「恥ずかしいんですけど」
千歌「えー、アンバーはダイヤねえに食べさせてもらうといつもよりおいしく感じるのに」
ダイヤ「ま、まあ、それはありますけど……」
千歌「ふふ、じゃああーん」
ダイヤ「あ、あーんですわ」パクッ
――
ダイヤルーム
ダイヤ「恩返ししてくださるのは嬉しいけど、なんというか恥ずかしいですわ……」
ダイヤ「今日はと言っていましたしもう終わりですわよね」
ダイヤ「さて、そろそろ眠りましょう」
コンコンコン
ダイヤ「? はーい?」
ダイヤ「この時間に尋ねてくるとするとルビィかサファイアかオブシディアンでしょうか……」
千歌「ダイヤねえ! 一緒に寝よう!」ガチャッ
ダイヤ「あ、アンバー!?」
千歌「えへへ、一緒のベッドで寝るのなんて久しぶりだね、ダイヤねえ?」
ダイヤ「アンバーが小学校入る少し前以来?」
千歌「んーん、最後に寝たのは小学3年生の時」
千歌「アンバーがオブシディアンちゃんと喧嘩したときにダイヤねえがおいでって」
ダイヤ「……そんなこともありましたわね」
千歌「あの時ね、すっごくダイヤねえが温かかったんだ」
千歌「アンバーの話を聞いてくれて、一生懸命考えてくれて」
千歌「おかげで次の日には仲直りできて」エヘヘ
千歌「あの時のダイヤねえ、こうしてアンバーの頭なでてくれたんだ」ナデナデ
ダイヤ「……よく覚えていますわね」
千歌「だって、すっごく嬉しかったから」
千歌「小学校に入ってからいつもアンバーのこと叱ってダイヤねえはアンバーのこと嫌いになったんだ、って思ってたの」
千歌「けど、本当はアンバーのことすごく思ってくれてるっていうのがわかって」
千歌「ダイヤねえのこともっと大好きになったんだよ」ニコッ
ダイヤ「わたくし、アンバーのことを一度も嫌いだなんて思ったことありませんわよ?」ナデナデ
千歌「うん、ありがとう」
千歌「ダイヤねえ」
ダイヤ「なんですの?」
千歌「あのね」
ダイヤ「?」
千歌「だいすきっ!」モギュッ
ダイヤ「っ!」
ダイヤ「わたくしも大好きですわよ、アンバー」ナデナデ
千歌「えへへ、すぅ、すぅ……」
ダイヤ「もう、寝てますの!?」
ダイヤ「寝つきがいいのは昔から変わっていませんわね」クスクス
ダイヤ「少し恥ずかしかったけれど、恩返し嬉しかったですわよ」ナデナデ
ダイヤ「あんなに小さかったアンバーがこんなに大きくなりましたのね」ナデナデ
ダイヤ「おやすみなさい、アンバー」
――
翌日
千歌「待てー! アクアマリンちゃん!」ドタドタ
ダイヤ「……なんの騒ぎですの?」
果南「あ、ダイヤ! アンバーが一緒にお風呂に入ろうとしてきて!」
ダイヤ「一緒にお風呂に――あぁ……」
千歌「今日はアクアマリンちゃんに恩返しするのっ!」
ダイヤ「って言ってますわよ?」
果南「でもこの歳で一緒にお風呂は恥ずかしいって!」
千歌「待てー! アクアマリンちゃん!」ドタドタ
ダイヤ「ふふ、あまり家の中で暴れてはいけませんわよー」クスクス
おわり
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」梨子「六女です!」
――
ダイヤ「……今なんと?」
梨子「弟子にしてください!」
梨子「ダイヤお姉ちゃ――いえ、師匠!」
ダイヤ「………はい?」
梨子「師匠!」
ダイヤ「わたくしは師匠ではありませんわ!」
ダイヤ「大体なんの師匠なんですの!?」
梨子「私って六女でしょ?」
ダイヤ「えぇ、そうですわね」
梨子「上に5人のお姉ちゃんがいるけど下にサファイアちゃんとルビィちゃんとトパーズちゃんがいるの」
ダイヤ「えぇ」
梨子「そこで私は考えました、私は姉として誇れる姉なのかと」
ダイヤ「……誇れる姉?」
梨子「そういえばあの3人からあんまり甘えられたことがない、と」
ダイヤ「そうでしたの?」
梨子「だってみんなダイヤお姉ちゃんにベッタリだし、特にサファイアちゃん」
梨子「それってダイヤおねえちゃんが理想のお姉ちゃんだからだと思うの!」
梨子「私から見てもダイヤお姉ちゃんって素敵だし!」
ダイヤ「な、なんだか照れますわね」
梨子「だから、姉としての行動を学ぶために弟子にしてください! ダイヤおね、師匠!」
ダイヤ「……姉なのか師匠なのかはっきりしませんわね」
梨子「師匠お姉ちゃん!」
ダイヤ「さらに変な方向に!?」
ダイヤ「というか、わたくし別に理想の姉であるとは思いませんけど」
梨子「でも、9姉妹の中で一番お姉ちゃんしてるのって師匠お姉ちゃんだと思うし」
ダイヤ「あぁ、その呼び方で決定ですのね……」
ダイヤ「というかわたくしの上に1人姉がいますけど?」
梨子「あーラピスラズリお姉ちゃんは、ほら……」
ダイヤ「まあ、言いたいことはわかりますわ」
梨子「だから師匠お姉ちゃん!」
ダイヤ「しかし教えられることなんてありませんわよ?」
梨子「それでいいから!」
ダイヤ「いいんですの!?」
梨子「見て学ぶから!」
ダイヤ「……もしかして今日1日?」
梨子「1日といわず免許皆伝するまで!」
ダイヤ「それっていつになりますの……」
梨子「師匠お姉ちゃんはいつも通りにしてていいから」
ダイヤ「いつも通りといわれても……」
善子「お姉さま」コンコンコン
梨子「あ、ほら。サファイアちゃんきたよ!」
ダイヤ「……どうぞ」
善子「お姉さま! って、ガーネットも一緒なのね」
梨子「あ、私は気にしないでいいよ」
善子「……お姉さまっ!」ダキッ
ダイヤ「本当に気にしませんのね!?」
善子「だって邪魔しないなら別にいいし」
善子「ねえお姉さま、サファイアね、見たい映画があるの」
ダイヤ「……どういう映画?」
善子「恋愛映画なんだけどね」
善子「姉と妹の禁断の愛を描いた映画で――」
ダイヤ「それを姉妹で見に行くのはどうなんですの?」
善子「でもお姉さま映画好きでしょ?」
ダイヤ「まあ、それは」
善子「じゃあ約束! 明日みにいきましょ!」
ダイヤ「あぁ、ちょっと勝手に――」
善子「ゆびきりげんまん嘘ついたらキス千回さーせるっ」
ダイヤ「はあ?」
善子「ゆびきったっ!」
ダイヤ「ちょ、ちょっとサファイア!」
善子「約束だからね!」タタタッ
梨子「……師匠お姉ちゃんってなんであんなにサファイアちゃんに懐かれてるの?」
ダイヤ「正直わたくしにも分かりませんわ」
梨子「えー!? 分からないんじゃ参考にできないじゃない!」
ダイヤ「だからわたくしは教えられることなどないと」
ルビィ「ダイヤお姉ちゃん!」コンコンコン
ダイヤ「あぁ、ルビィどうしました?」
ルビィ「ガーネットお姉ちゃん一緒だけど今大丈夫?」
ダイヤ「えぇ、ガーネットはわたくしについてきてるだけなので」
梨子「お構いなく」
ルビィ「う、うん」
ルビィ「実はね、トパーズちゃんとケンカしちゃって」
ダイヤ「トパーズと? 珍しいですわね」
ルビィ「トパーズちゃんが楽しみにしてたおはぎ食べちゃって」
ダイヤ「あぁ……」
ルビィ「謝っても許してくれないの!」
ダイヤ「ルビィ、あなたはいつも確認しないから」
ダイヤ「何度わたくしのアイスやプリンを食べました?」
ルビィ「ぴぎぃ……」
ダイヤ「食べる前に確認するよういつも言っていますわよね?」
ルビィ「うん……」ウルウル
ダイヤ「その確認を怠ったから今回のことにつながったのでしょう?」
ルビィ「うん………」
ダイヤ「次からはどうすればいい?」
ルビィ「ちゃんと確認します……」
ダイヤ「じゃあそのことをトパーズに伝えて。そうすればきっとトパーズも許してくれますわ」
ルビィ「うん……!」
ダイヤ「ちゃんと食べたことも謝るんですのよ!」
梨子「……なるほど、叱るところはきちんと叱る」メモメモ
ダイヤ「甘やかしたら大人になってから大変ですから」
梨子「でもルビィちゃんって怒られたら怖がりそうなのになんで師匠お姉ちゃんのところにくるんだろう」
ダイヤ「さあ、正直わたくしのこと嫌いになってもおかしくないと思いますわ」
梨子「でもすごく信頼してるよね」
ルビィ「あ、ダイヤお姉ちゃん! あのね、あのね!」ドタドタ
ダイヤ「仲直りはできまして?」
ルビィ「うんっ!」
ダイヤ「きちんと謝れましたのね」ナデナデ
ルビィ「えへへ」ニコニコ
ダイヤ「ほら、せっかく仲直りしたんだからトパーズのところに戻りなさい」
ルビィ「うん、ありがとうお姉ちゃん!」トテトテ
ダイヤ「ふふ」ニコッ
梨子「……なるほど」
ダイヤ「なんですの?」
梨子「叱るところは叱る、褒めるところは褒める」メモメモ
梨子「師匠お姉ちゃんって厳しいだけじゃなくてみんなのこと思ってるって言うのがすっごく伝わってくるからみんな大好きなのかな」クスクス
ダイヤ「まあ確かにみんな大好きですけど」
梨子「みんなのことが大好き」メモメモ
ダイヤ「それもメモしますの?」
梨子「うん、まあ一応」
ダイヤ「ガーネットはみんなのこと好きではありませんの?」
梨子「いや、それはまあ、好きだけど」
ダイヤ「じゃあメモする必要もないでしょう?」
梨子「だから一応だって!」
――
梨子「じーっ」
ダイヤ「……」カリカリ
梨子「休みの日も勉強はかかさない」メモメモ
ダイヤ「あの、ガーネット?」
梨子「はい?」
ダイヤ「わたくししばらく勉強しますわよ?」
梨子「あ、お構いなく。私も勉強しつつ見守るから」
ダイヤ(……気になりますわね)
ダイヤ「……」
梨子「………」
ダイヤ「あの、ガーネット?」
梨子「はい」
ダイヤ「お茶にします?」
梨子「集中力が切れるのは早い」メモメモ
ダイヤ「誰のせいだと思ってますの!?」
ダイヤ「人に見られていると集中できませんわ」ハァ
梨子「人に見られてると集中できない」カリカリ
ダイヤ「それは書く必要ないでしょう!?」
梨子「あとで必要なことは抜粋するから」
ダイヤ「……お茶用意しますわね」
梨子「あ、私もいく!」
ダイヤ「じゃあせっかくだしリビングでお茶しましょうか」
ダイヤ「あっちの方が広いですし」
梨子「じゃあ行こう!」フラッ
ダイヤ「ガーネット!?」ギュッ
梨子「あれ? どうしたんだろう……」
ダイヤ「それはこっちが――ってあつっ!」
梨子「へ?」
ダイヤ「あなた熱ありますわよ!?」
梨子「あー……。そういえば頭重いかも……」
ダイヤ「妙にテンションが高いから変だと思いましたわ」
梨子「私は大丈夫だから、ほらお茶いこ?」フラッ
ダイヤ「お茶は中止。ほらベッドに寝て」
梨子「で、でも」
ダイヤ「でもじゃありませんわ。熱があるときはゆっくり休む」
梨子「うぅ……。はーい……」
ダイヤ「タオルと飲み物持ってきますわね、安静にしてますのよ」
梨子「……優しい」メモメモ
ダイヤ「メモもしない! 没収ですわ!」
梨子「あぁっ!」
梨子(ダイヤお姉ちゃんの香りがする……)
梨子(すごく優しくて、落ち着く)
梨子(昔はよくアンバーちゃんとかオブシディアンちゃんと一緒によく寝てたなあ……)
梨子(ダイヤお姉ちゃんって、私が目指してなれるようなものじゃなかったんだ)
梨子(ダイヤお姉ちゃんは昔からずっとお姉ちゃんで、これからもお姉ちゃん)
梨子(やっぱりダイヤお姉ちゃんには敵わないなあ……)アハハ...
善子「ガーネット!」バァン
梨子「あれ? サファイアちゃん?」
善子「熱出したって聞いたから!」
梨子「うん、まあそうみたい」
善子「っ! えいっ」ピトッ
梨子「え? な、なに?」
善子「サファイアの手冷たいからひんやりして気持ちいいでしょ?」
梨子「くすっ、ありがとう」ニコッ
ルビィ「ガーネットお姉ちゃん!」
花丸「熱出したって本当!?」
梨子「ルビィちゃんにトパーズちゃんも!?」
ルビィ「ガーネットお姉ちゃん死んじゃやだっ!」
花丸「えっ!? ガーネットお姉ちゃん死んじゃうの!?」
梨子「いや、そこまで大事じゃないから!」
ルビィ「え、えっと。じゃあルビィは手を握っててあげるね」ギュッ
花丸「トパーズは子守唄歌ってあげるずら!」
梨子「ふふ、ありがとう」クスクス
――
ダイヤ「ガーネット、だいじょ――あら」
梨子「すぅすぅ……」
善子「お姉さま、しーっ」
ルビィ「えへへ、今寝たところなんだ」
花丸「大好きなガーネットお姉ちゃんが倒れたって聞いていてもたってもいられなくて」
ダイヤ「ふふ、師匠とか言うまでもなく、慕われてるじゃありませんの」
千歌「ガーネットちゃん!」ドタドタ
曜「大丈夫!?」バタバタ
果南「あ、ちょっと、静かに!」
鞠莉「ガーネットが倒れたって聞いたんだけど!」ドタドタ
ダイヤ「今ガーネット寝てますのよ!? 静かになさい!」
梨子「すぅ、すぅ……」
ダイヤ(姉としても妹としても愛されて、ガーネットは黒澤家の誇れる姉妹ですわよ)ナデナデ
おわり
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」サファイア「七女よ!」
――
善子「あ、お姉さま!」
ルビィ「その時トパーズちゃんがね」
ダイヤ「ふふ、それはそれは」クスクス
善子「むーっ……」
――
善子「おねえさ――」
花丸「それでサファイアちゃんったらね」
ダイヤ「サファイアもかわいらしいところがありますわね」クスクス
善子「むーーーっ!」プクーッ
――
ダイヤ「あぁ、サファイアごきげんよう」
善子「……ダイヤお姉ちゃんごきげん――おはよう」
ダイヤ「? どうかしました?」
善子「何が?」
ダイヤ「なんだかいつもと違うというか……。熱でもあるんですの?」スッ
善子「触らないでっ!」パシッ
ダイヤ「っ!」
善子「っ!」スタスタ
鞠莉「あれ? ダイヤどうしたの? 廊下の真ん中で突っ立って」
ダイヤ「……サファイアが」
鞠莉「サファイアが?」
ダイヤ「サファイアが反抗期ですわっ!」
鞠莉「サファイアが? What?」
ダイヤ「サファイアが、サファイアがっ!」アセアセ
鞠莉「とりあえずダイヤ落ち着いて、Be cool!」
ダイヤ「だってサファイアが、サファイアが!」
鞠莉「ほら水飲んで落ち着いて!」
ダイヤ「んっ、んっ」
ダイヤ「ありがとうございます……」
鞠莉「それで、何があったの?」
ダイヤ「実はサファイアが反抗期で」
鞠莉「それは分かったから詳しく説明して?」
ダイヤ「実は、サファイアがわたくしのことお姉ちゃんって呼んだんですのよ!」
鞠莉「何かおかしいの?」
ダイヤ「明らかにおかしいでしょう!? あの子はわたくしのことお姉さまって呼ぶんですのよ!?」
鞠莉「あぁそういえばダイヤのことだけお姉さまだったね」
ダイヤ「わたくしのことダイヤお姉ちゃんって呼ぶのはきっと反抗期ですわ!」
鞠莉「そういう年頃じゃない?」
ダイヤ「ですから反抗期なんですわ!」ウルウル
ダイヤ「それに朝の挨拶もおはようでしたの!」
鞠莉「それこそ普通じゃない」
ダイヤ「違いますの! わたくしがごきげんようと言ったのにおはようだったの!」
鞠莉「??」
ダイヤ「サファイアの挨拶はわたくしに合わせますのよ、おはようと言えばおはよう、ごきげんようといえばごきげんよう」
鞠莉「あー、そうなんだ」
ダイヤ「わたくしがごきげんようと言ったのにおはようなんて明らかにおかしいんですわ!」
鞠莉「んー……?」
ダイヤ「それに、わたくしにいつもくっついて来るサファイアがくっついてこないどころかわたくしの手を払いのけたんですのよ!」
鞠莉「っ! あのサファイアが!?」
ダイヤ「やっとわかってくれました?」
鞠莉「あのダイヤにべったりだったサファイアがダイヤの手を……」Umm...
鞠莉「ダイヤ、心当たりは?」
ダイヤ「あったら悩んでいませんわ!」
鞠莉「あ、でもほら。前のアクアマリンのときも同じようなことあったじゃない?」
ダイヤ「嫉妬ですの!? サファイアと仲がいいのはルビィにトパーズ――」
鞠莉「いやいや、サファイアが嫉妬ファイアーが燃え上がるとしたらダイヤでしょ?」
ダイヤ「わたくしですの?」
ダイヤ「しかし一体どうしてまた……」ウーン
鞠莉「まあ、大体の見当はつくけど」
ダイヤ「見当がつきますの!?」
鞠莉「ちょっとサファイアと話してくるから待ってて」
ダイヤ「えぇ、お願いしますわ」
――
鞠莉「サファイア」
善子「……なによラピスラズリじゃない」
鞠莉「ダイヤ、サファイアが反抗期だって騒いでたよ?」
善子「私が反抗期? なんでまた――あぁ、心当たりはあるわ」
鞠莉「さしづめダイヤと誰かが話してて嫉妬ファイアーが燃え上がっちゃったとかそんなところでしょ?」
善子「……うん」
鞠莉「サファイア、ダイヤのこと大好きだもんね」ナデナデ
善子「お姉さまは、その、特別なの」
鞠莉「特別?」
善子「えっと、この話はお姉さま以外にはしたくないんだけど」
鞠莉「そっか、じゃあダイヤのところにGo!」
善子「……」
鞠莉「うだうだしてるとほんとに誰かにダイヤとられちゃうよ?」
善子「でも、今朝お姉さまの手払いのけちゃった……」
鞠莉「そんなの気にして――たけど」
善子「お姉さまに嫌われたー!」
鞠莉「嫌われてないからさっさといく!」グイグイ
鞠莉「ほら、そこにいるからっ!」グイグイ
善子「あっ」
ダイヤ「サファイア……」
善子「あ、あのね……」
ダイヤ「……」
善子「ごめんなさいっ!」
ダイヤ「へ?」
善子「私、嫉妬してたの!」
善子「昨日お姉さまとルビィ、トパーズが話してるのみて、もやもやってしちゃって」
善子「なんでお姉さまはあんなに楽しそうに話してるんだろう、サファイアよりいいのかなって」
ダイヤ「そんなことありませんわよ!」
ダイヤ「わたくしは妹全員が平等に好きですわ!」
善子「……うん」
善子「でもね、サファイアはね」
善子「お姉さまのこと、特別に想ってるの」
ダイヤ「はぁっ!?」
善子「あ、別に変な意味じゃないの! ただ、お姉さまに対する好きって他のみんなに対するのとはちょっと違うから」
ダイヤ「……どうしてサファイアはそこまでわたくしを好きでいてくれますの?」
善子「……」
善子「お姉さまを好きになったきっかけはね、サファイアが小さい頃のことなんだけどね」
善子「私、この目が嫌いだった」
善子「ぐって吊りあがってて、ルビィともトパーズとも違うこの目が」
善子「サファイアは嫌で嫌で、いつも目じりを指で下げてたの」
善子「ルビィやトパーズみたいに優しい目になりたくて」
善子「でもね、それを見たお姉さまがね」
善子「『その目は美人の証ですわ。他の子よりも少し大人びて見えるでしょう?』」
善子「『それに、わたくしとおそろいですわね』って言って、おでこをつんってしてくれたの」
ダイヤ「……ごめんなさい、覚えていませんわ」
善子「うん、お姉さまにとっては些細なことだったと思う」
善子「けどサファイアにとっては特別なことだったから」
ダイヤ「サファイア……」
善子「あ、でもそれだけじゃないのよ? お姉さまを特別に想うようになったきっかけはそれってだけ」
善子「時にはすごく厳しいからきっとサファイアのこと嫌いになったんだって思ったこともあった」
ダイヤ「……それ、アンバーも言っていましたわね」
善子「ごめんなさい、お姉さまの気持ちも知らずに」
ダイヤ「い、いえ、謝ることではないですわよ?」アセアセ
善子「ううん、謝らせてほしいの」
善子「実はね、サファイアがお姉さまの本心を知ったのには理由があるの」
ダイヤ「理由?」
善子「日記、読んじゃった……」
ダイヤ「……はあ!?」カアアアアアアアアアア
善子「あの頃のサファイアはね、元の優しいお姉さまに戻ってほしいってそう思ってて」
善子「日記を読めば変わった理由が分かるって思って、だから――」
善子「ごめんなさいっ!」
ダイヤ「ま、まあ小さい頃の話ですし、怒っても仕方のないことですわね」
ダイヤ「……変なことは書いてありませんでしたわよね?」
善子「変なことは全然」
善子「本当は叱りたくないとか、自分は嫌われてもあの子たちを立派な大人にしてあげたいとか――」
ダイヤ「恥ずかしいからやめて!」
善子「何よ、全然変なことなんて書いてなかったのに」
ダイヤ「充分恥ずかしいですわ!」
善子「ちょっと卑怯かもしれないけどね、それでお姉さまがサファイアを想ってくれてるんだってわかったの」
善子「だからそれからは叱ってくれる時もお姉さまがサファイアのことを想ってくれてるんだって嬉しくて」
ダイヤ「あぁ、そういえば一時期叱ると嬉しそうに笑うことがありましたわね……」
ダイヤ「変な趣味に目覚めたのかと思ってラピスラズリお姉さまに相談した覚えがありますわ……」
善子「えぇっ!? 何よそれ恥ずかしい!」
ダイヤ「だって叱って笑う人なんて普通いないでしょう!?」
善子「……普通はいないわね」
善子「それから、お姉さまを観察してたら、お姉さまって綺麗だし、勉強もできるしすごいなって思って」
善子「だから色々真似したの!」
ダイヤ「真似?」
善子「髪だって伸ばしたし、呼び方もお姉さまにしたし、挨拶も真似するようにしたの!」
ダイヤ「あぁ、わたくしだけお姉さまって呼ぶのはそういう理由でしたの」
善子「だからお姉さまはサファイアの憧れで、特別なの!」
ダイヤ「そうでしたのね」ナデナデ
善子「えへへ!」
ダイヤ「でも、嫉妬はよくありませんわ」コツン
善子「いたっ」
ダイヤ「わたくしを想ってくれてるのはありがたいですけど、サファイアも他の姉妹が好きでしょう?」
善子「お姉さまが一番だけどみんな好きよ?」
ダイヤ「じゃあ、嫉妬なんてしない。わたくしだって1人なんだから」
善子「はーい……」
善子「あーあ、お姉さまが2人――ううん、8人いたらいいのに」
ダイヤ「8人? どうして?」
善子「そしたら1人に1お姉さま!」
ダイヤ「一家に一台みたいに言わないで下さる?」
善子「サファイアのお姉さまにはお勉強教えてもらって、一緒に遊びに行って、一緒にお風呂入って――」
ダイヤ「……わたくしは1人ですけど出切る限りのことはしますわよ?」
善子「ほんと? じゃ、今からお買い物いきましょ!」
ダイヤ「今からですの!?」
善子「うん、今から!」
善子「実は昨日ね、お姉さまに似合いそうな髪飾り見つけたの!」
善子「だから、昨日誘おうとしてたの!」
ダイヤ「あぁ、そうでしたのね」
ダイヤ「わたくしに似合うならきっとサファイアにも似合いますわよ」ナデナデ
善子「っ! じゃあおそろいにしましょう!」
ダイヤ「えぇ、かわいい妹とおそろいだなんて、嬉しいですわ」ニコッ
善子「私も大好きなお姉さまとおそろいなんてうれしい!」
おわり
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」ルビィ「八女っ!」
――
ダイヤ(ついに来てしまいましたわ)ドキドキ
ダイヤ(この扉を叩けば――)
ルビィ「お姉ちゃん?」チョンチョン
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
ルビィ「えっと、ルビィの部屋の前で何してるの?」
ダイヤ「いえ、実はその……」
ルビィ「実は?」
ダイヤ「と、とりあえず中に入ってから話しても?」
ルビィ「あ、うん。どうぞ?」ガチャッ
ルビィ「それでなんでルビィの部屋の前にいたの?」
ダイヤ「前ルビィが言ってくれたでしょう?」
ルビィ「何を?」キョトン
ダイヤ「その、甘えたくなったらきて、と」
ルビィ「あっ!」パアアアアアアアアア
ルビィ「なかなかきてくれないからやっぱりルビィじゃダメなんだと思ってた!」
ダイヤ「そんな! 甘えたい気持ちはずっとありましたのよ?」
ダイヤ「でも、妹に甘えていいものかと葛藤があって――」
ルビィ「なんで悩むの?」
ダイヤ「だ、だって姉が妹にですわよ!?」
ルビィ「家族なのに妹には甘えちゃいけないの?」
ルビィ「ルビィはお姉ちゃんにいっぱい甘えてるのに……」
ダイヤ「……そうですわよね、家族だものね」
ダイヤ「お姉ちゃん、少し頭が堅くなってたみたい、ごめんなさい」ナデナデ
ルビィ「えへへ、ラピスラズリお姉ちゃんの言う硬度10だね!」
ダイヤ「……お姉さま、ルビィになんてこと教えてますの?」
ダイヤ「では、甘えても?」
ルビィ「うん! お姉ちゃんをいっぱい甘えさせてあげるね!」
ルビィ「えっと、まずは――」ギュッ
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
ルビィ「ルビィ、お姉ちゃんにぎゅってだきしめてもらうの好きだから」ギューッ
ダイヤ(ルビィのなんだか甘い香りと小さいながらも確かにある包容力――)
ルビィ「ど、どうお姉ちゃん?」
ダイヤ「癒されますわ……」ホワーン
ルビィ「やった!」
ルビィ「えっと、次は――」ナデナデ
ダイヤ「っ!」
ルビィ「お姉ちゃんみたいに上手じゃないかもしれないけど」ナデナデ
ダイヤ(確かに多少ぎこちないなで方、しかしルビィのぬくもりが確かに伝わってくる……!)
ダイヤ(そして同時にルビィの優しい気持ちも伝わってきて……!)
ルビィ「お姉ちゃん?」
ダイヤ「最高ですわ……」トロン
ルビィ「えへへ、よかったぁ」ナデナデ
ルビィ「よいしょ」
ダイヤ「……? 正座してどうかしました?」
ルビィ「どうぞ」ポンポン
ダイヤ「?」
ルビィ「膝枕っ!」
ダイヤ「はぁっ!?」
ルビィ「ちっちゃい頃よくしてくれたでしょ?」
ダイヤ「まあ、それはしましたけど」
ルビィ「あれ、すごく安心して癒されたから、お姉ちゃんにも!」
ダイヤ「なんというか、妹に膝枕は――」
ルビィ「むぅ……。まだ言ってる……」
ルビィ「わかった! お姉ちゃんが甘える時はルビィがお姉ちゃん!」
ダイヤ「へ?」
ルビィ「だから、ルビィがお姉ちゃんでお姉ちゃんが妹なの!」
ダイヤ「ルビィが姉?」
ルビィ「そうすれば妹がどうとかなくなるでしょ?」
ダイヤ「えっと……」
ルビィ「ダイヤ、おいで?」ポンポン
ダイヤ「っ!」ドキッ
ダイヤ「ルビィお姉さまっ!」ガバッ
ルビィ「ぴぎっ!? そんな勢いよく飛び込んでこないでよ……」
ダイヤ「あぁごめんなさいルビィ」
ルビィ「……ダイヤ?」
ダイヤ「お、お姉さま!」
ルビィ「うん!」
ルビィ「よしよし」ナデナデ
ダイヤ(あぁ、甘い香りがものすごいですわ……)
ダイヤ(それに加えて頭の下に感じる柔らかさ、堅すぎず柔らかすぎず最高ですわね)
ダイヤ(さらに頭をなでる手の温もり――)
ダイヤ(ここが天国ですのね……!)パアアアアアアアアアア
ダイヤ「ふわぁ……。あぁごめんなさい、気持ちよくてつい」
ルビィ「寝てもいいよ?」
ダイヤ「っ!」
ダイヤ(ルビィの膝枕で寝るなんて、なんて最高ですの!?)
ルビィ「であーいがーわたーしをー♪」ポンポン
ダイヤ「っ!?」
ルビィ「えっと、子守唄のつもりだったんだけど、嫌だった……?」
ダイヤ「いえ! 是非続けてください!」
ルビィ「う、うん! なりーたいーじぶーんをー♪」ポンポン
ダイヤ(確かになわとびはスローテンポの曲で、子守唄にいいかもしれませんわね――)
ダイヤ(ルビィ――じゃなかった、お姉さまらしい選曲ですわね)クスクス
ルビィ「なーけちゃうのーごめんねー♪」ポンポン
ダイヤ「すぅ……」
ルビィ「あ、寝ちゃったんだ、疲れてたんだろうなあ」
ルビィ「いつもありがとう、お姉ちゃん」ナデナデ
ダイヤ「すぅすぅ……」
ルビィ「なんだかルビィも眠くなってきちゃった――ふわぁ……」
ルビィ「すぅ、すぅ……」
――
ダイヤ「んん、なんだか下が柔らかいですわね……」
ルビィ「すぅ……」
ダイヤ「っ!?」
ダイヤ「あぁ、そういえばルビィに膝枕をしてもらって――」
ダイヤ「ふふ、ルビィも寝てしまったんですのね」クスクス
ルビィ「ん、ふわぁ……。あっ! お姉ちゃん起きたんだ!」
ダイヤ「えぇ、おかげさまですごく癒されましたわ」ニコッ
ルビィ「よかった」ニコニコ
ルビィ「ぴぎっ!?」ドサッ
ダイヤ「ど、どうかしまして?」
ルビィ「え、えっと、ずっと正座してたから足痺れちゃって……」アハハ
ダイヤ「あぁ、なるほど……」
ダイヤ「よいしょっ」
ルビィ「ひ、膝枕!?」
ダイヤ「足の痺れが治るまで、こうしてなさい」ナデナデ
ルビィ「うんっ! ありがとう、お姉ちゃん!」
おわり
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」花丸「9女ずら!」
――
花丸「もぐもぐ」
ダイヤ「トパーズ、何を食べていますの?」
花丸「プリン! お姉ちゃんも食べる?」
ダイヤ「プリン……?」
ダイヤ「まさか――」ガチャッ
花丸「? 慌てて冷蔵庫を開けてどうしたの?」
ダイヤ「やはり、そのプリンわたくしのですわね!?」
花丸「え?」
ダイヤ「冷蔵庫のものを食べる時は確認なさい!」
花丸「え、でもこれ――」
ダイヤ「なんですの? 何か言い訳が?」
花丸「言い訳じゃないもん! これはトパーズが買ってきたの!」
ダイヤ「嘘おっしゃい! ではわたくしのプリンはどこにいきましたの!?」
花丸「きっとお姉ちゃんが無意識で食べたずら!」
ダイヤ「そんなわけあるわけないでしょう!?」
花丸「でもこのプリンは本当にさっきトパーズが買ってきたんだもん!」
ダイヤ「……トパーズ、素直に謝ってくれれば許しますわよ?」
花丸「嘘ついてないもん!」
ダイヤ「っ! トパーズ、わたくしあなたをそんな妹に育てた覚えはありませんわ!」
花丸「だって本当にこれお姉ちゃんのじゃないもん!」
ダイヤ「トパーズっ! 正直にいいなさい!」
花丸「っ!」ウルウル
花丸「お姉ちゃんなんて嫌いっ!」ダッ
ダイヤ「あ、こらトパーズ! お待ちなさい!」
ダイヤ「はぁ、素直ないい子に育ってくれたと思っていたのに、なぜ――」
ルビィ「うゅ? お姉ちゃんどうしたの?」
ルビィ「トパーズちゃんがすごい速さで外に出て行ったけど」
ダイヤ「あぁ、ルビィ。いえ、トパーズがわたくしのプリンを――」
ルビィ「ぴぎっ!? ご、ごめんなさいっ!」
ダイヤ「……なんで謝りますの?」
ルビィ「ルビィ、冷蔵庫に入ってたプリンを食べちゃったから……」
ダイヤ「………はあ!?」
ダイヤ「ではトパーズが食べていたのは――」
ルビィ「あれ、なんだろうこれ」ヒョイッ
ルビィ「コンビニのレシート? プリン1個?」
ダイヤ「っ!」
花丸『これはトパーズが買ってきたの!』
ダイヤ「ではトパーズの言っていたことは……」
ルビィ「?」キョトン
ダイヤ「ルビィ、あなたがわたくしのプリンを勝手に食べるから!」
ルビィ「ぴぎっ! ごめんなさいっ!」
ダイヤ「……いえ、トパーズを怒らせたのはわたくしですわ」
ダイヤ「ちゃんとトパーズの話を聞いていればわかったことなのに」
ダイヤ「犯人はトパーズだと決め付けて、トパーズを責めてしまったばっかりに――」
ダイヤ「ルビィ、トパーズはどこに行ったかわかります?」
ルビィ「ううん、外に出て行ったことしか……」
ダイヤ「トパーズを探してきますわ!」
ルビィ「あ、お姉ちゃん!」
ルビィ「……なんだか今日はお説教短かったなー」ホッ
ダイヤ「あ、ルビィ! 帰ってくるまでに反省文を書いていなさい!」
ルビィ「ぴぎっ!?」
ダイヤ「わたくしのプリンを勝手に食べたのだから当然ですわ!」
ルビィ「うぅ……」
――
ダイヤ「トパーズ! どこにいますの!」
果南「あれ、ダイヤ。トパーズがどうかしたの?」
ダイヤ「今ちょっとトパーズを探していまして……」
果南「トパーズだったらさっきあっちの砂浜で見かけたけど」
ダイヤ「砂浜ですの!?」
果南「うん、ランニングの途中でちらっと見た程度だったけどあれはトパーズだったと思うよ」
ダイヤ「ありがとうございます、アクアマリン!」
果南「あ、ちょっと! どうしたんだろう……」
――
ダイヤ「アクアマリンの話ではこの辺に――」
花丸「……」
ダイヤ「いましたわ」
ダイヤ「トパーズ!」
花丸「っ!」スクッ
ダイヤ「待って! ごめんなさい、トパーズっ!」
花丸「……え?」
ダイヤ「わたくしの勘違いであなたを傷つけてしまいましたわ!」
ダイヤ「実は冷蔵庫のプリンはルビィが食べていて、その――」
ダイヤ「ごめんなさいっ!」ペコッ
花丸「お姉ちゃん全然トパーズの話きいてくれなかった……」ムスッ
ダイヤ「トパーズが食べていたのがわたくしの好きな種類のプリンだったので、ごめんなさいっ!」
花丸「知ってるずら……」
ダイヤ「へ?」
花丸「あれがお姉ちゃんが好きなプリンって、知ってたずら。だからトパーズは買ったの!」
花丸「お姉ちゃんが好きなプリンを食べたくて買ったの!」
花丸「なのに、トパーズは悪くないのに、怒られて……」グスッ
ダイヤ「本当にごめんなさいっ!」
花丸「うわあああああん、お姉ちゃんがトパーズを信じてくれなくて、悲しかったずら!」ギュッ
ダイヤ「本当にごめんなさい、トパーズ」ギュッ
花丸「大好きなお姉ちゃんに裏切られたような気持ちになって、それで、それで――」
ダイヤ「……トパーズ、あなたは素直ないい子なのに疑ってしまってごめんなさい」
花丸「お姉ちゃんのばかぁ」グスッ
花丸「なでて……」
ダイヤ「へ?」
花丸「トパーズの頭、なでて?」グスン
ダイヤ「えぇ、わかりましたわ」ナデナデ
花丸「ぐすっ……」
ダイヤ(トパーズの心をひどく傷つけてしまったみたいですわね……)ナデナデ
――
花丸「……」
ダイヤ「落ち着きました?」
花丸「うん、ちょっとは」
ダイヤ「もう一度謝らせて、ごめんなさい、トパーズ!」
花丸「……許さないずら」
ダイヤ「っ!」
花丸「お姉ちゃんのことなんてだいっきらいっ!」プイッ
ダイヤ「!!!!」ガーン
ダイヤ「そ、そんな……」
花丸「なーんて、嘘ずら!」
花丸「確かに傷ついたけど、お姉ちゃんのこと嫌いになんてなれないずら」
ダイヤ「トパーズ……!」
花丸「あ、でも、許さないっていうのはほんとだよ?」
ダイヤ「なっ……!?」
花丸「トパーズ、お姉ちゃんのことまだ許せないもん」プイッ
ダイヤ「ど、どうしたら許してくれます……?」オロオロ
花丸「えっと、今日一緒にお風呂に入って、寝る前に勉強教えてもらって、それで一緒に寝て――」
花丸「明日は一日トパーズに付き合ってもらうずらっ!」
ダイヤ「……それでいいんですの?」
花丸「うん! それで許してあげる!」
ダイヤ「トパーズっ!」ダキッ
花丸「ずらっ!?」
ダイヤ「大好きですわ、トパーズ!」ギューッ
花丸「トパーズもお姉ちゃんが大好きずらっ!」
おわり
鞠莉「黒澤9姉妹の日常、10女っ!」ダイヤ「長女でしょう!?」
――
鞠莉「ダーイヤっ!」モミモミッ
善子「……ラピスラズリ?」
鞠莉「Oh, サファイア!? 後ろ姿がそっくりだから間違えちゃった☆」
善子「いつもお姉さまにそういうことしてるの?」
鞠莉「え? まあ妹の発育を確かめるのも長女の務めだし?」
善子「……お姉さまのってどんな感触?」
鞠莉「んー、サファイアのに似てるけどサファイアよりちょーっとだけ大きいかな?」
善子「っ! 似てるのねっ!」
善子「つまり自分の胸を揉めばお姉さまのに近い――」スッ
ダイヤ「おやめなさいっ!」
鞠莉「Oh, ダイヤ。探したよ」
ダイヤ「探したよ、じゃありませんわ! サファイアになんてこと吹き込んでるんですの!?」
鞠莉「えー、だって知りたいっていうから」
ダイヤ「だからって変なこと吹き込まないでくれます!?」
善子「お姉さまの――」モミッ
ダイヤ「だからおやめなさいっ!」
ダイヤ「で、なんで探してましたの?」
鞠莉「じゃじゃーん、これなーんだ」
ダイヤ「なーんだ、ってカメラでしょう?」
鞠莉「そう、Camera!」
ダイヤ「無駄に発音がいいですわね」
鞠莉「前ダイヤがホームビデオを撮ったでしょ?」
ダイヤ「えぇ、撮りましたわ」
鞠莉「そこに重大な問題があったの!」
ダイヤ「問題……?」
鞠莉「なんと、ダイヤがほとんど写ってないの!」
ダイヤ「……それはわたくしが撮影してたのだから当然でしょう?」
鞠莉「No! ダイヤがいなきゃ黒澤9姉妹じゃないのっ!」
鞠莉「だからダイヤを撮ります」ジーッ
ダイヤ「わ、わたくしはいいですわよっ!」
善子「ダメっ! お姉さまも写らないと!」
鞠莉「ほら、サファイアもこう言ってる」
ダイヤ「……とは言っても何をすれば?」
鞠莉「ダイヤもいってたでしょ? いつも通りでいいの」
ダイヤ「いつも通り――」
善子「そ、お姉さまはいつも通りサファイアと一緒にいればいいの!」ギュッ
鞠莉「Oh, ラブラブ!」
ダイヤ「別にいつも一緒にいるわけじゃ――」
ダイヤ「結構一緒ですわね」
善子「でしょ?」
鞠莉「次女ダイヤは極度のシスコンであった」
ダイヤ「変なナレーションをつけない!」
曜「あっ! サファイアちゃん何やってるの!」グイッ
善子「見て分からない? お姉さまはオブシディアンよりサファイアを選んだの」
曜「むー、ダイヤお姉ちゃんは本当は私がいいよね?」グイグイ
善子「サファイアでしょ?」グイグイ
ダイヤ「痛いから両側から引っ張るのやめてくださる!?」
鞠莉「ダイヤに二股発覚! とんだ妹たらしであった」
ダイヤ「だから変なナレーションはなしですわ!」
果南「……何やってるの?」
鞠莉「見て分からない?」
果南「ダイヤをサファイアとオブシディアンが取り合ってて、それをラピスラズリが撮影してる奇妙な光景だけど」
鞠莉「ホームビデオを撮ってるの☆」
果南「はあ? ホームビデオ!?」
果南「あぁ、まあいつもこんな感じか」
善子「サファイアの!」グイグイ
曜「私の!」グイグイ
ダイヤ「痛い痛いですわ!」
果南「大岡裁きみたい」クスクス
鞠莉「あ、アクアマリン、カメラの写るところに入って」
果南「私も? なんで?」
鞠莉「いいから!」
果南「えっと、こう?」
鞠莉「ダイヤに3人目の妹現る……!」
ダイヤ「ですから変なナレーションは――」
善子「アクアマリンも敵!?」
果南「て、敵……?」
果南「なんか面白いしこっちで見てていい?」
鞠莉「ん、いいよ」
ダイヤ「見てないでこの2人をどうにかして!」
曜「だって、サファイアちゃん」
善子「言われてるわよオブシディアン」
ダイヤ「両方ですわ!」
鞠莉「と、言いつつも妹に挟まれて内心うきうきのダイヤであった」
ダイヤ「わたくしのシスコンキャラ付けやめません!?」
果南「え、違うの?」
ダイヤ「違いますわよ!」
千歌「あれ、また何か撮ってるの?」
鞠莉「アンバー、とりあえず入って」
千歌「え?」
ようよし「」グイグイ
千歌「えっと、こう?」ダキッ
千歌「ダイヤねえはアンバーのだもん!」
ダイヤ「っ!?」
鞠莉「ナイス、アンバーっち!」
鞠莉「この姉、一体何股をしていたというのだろう……」
ダイヤ「ですから変なナレーションは!」
梨子「なんのさわ――」カチン
鞠莉「? ガーネット?」
ダイヤ「ガーネットはカメラを向けられると緊張してしまいますの」
鞠莉「ふーん……」ニヤニヤ
ダイヤ「……なんだか悪い顔をしてますわね」
鞠莉「アクアマリン、ガーネットそこに置いて」
果南「いや、置くって表現はどうなんだろう」
果南「ここらへん?」
ダイヤ「結局手伝いますのね……」
鞠莉「OK!」
千歌「見事にガーネットちゃんかたまってるなあ」ツンツン
鞠莉「愛する姉の修羅場に直面したガーネット、あまりのショックに固まってしまう……!」
ダイヤ「……もう突っ込みませんわよ」
曜「まさかガーネットちゃんも敵だったなんて……!」
ダイヤ「いや、敵とかそういうのじゃないでしょう!?」
ルビィ「……何これ?」
花丸「ガーネットお姉ちゃんが固まってるずら」
鞠莉「ダイヤが浮気して修羅場になってるの☆」
ルビィ「修羅場!?」
花丸「ダイヤお姉ちゃん、妹に手を出すなんて……」
ダイヤ「違いますわよ!」
鞠莉「さすがのダイヤも末っ子2人にはまだ手を出していなかった模様」
ルビィ「ま、まだ!?」ビクッ
花丸「いつか出す予定だったの!?」
ダイヤ「ですから変なナレーションつけない!」
鞠莉「あ、突っ込んだ! ダイヤの負け!」
ダイヤ「負けって、いつから勝負になったんですの……」
鞠莉「じゃあせっかくみんな揃ったし、最後はみんなで――」
ダイヤ「そうですわね、最後はみんなで写って――」
鞠莉「ダイヤの取り合いっ!」
ダイヤ「はぁっ!?」
善子「お姉さまはサファイアのことかわいいっていつも言ってくれるもん!」
曜「私なんてトリートメント借りてるし!」
梨子「え? あ! そういえばお姉ちゃんの匂いする! ずるい!」
果南「まあ、ダイヤが一番信用してくれてる妹って私だけどね」
ルビィ「ぴぎっ!? ルビィにいつも甘えに来てくれるもん!」
ダイヤ「る、ルビィ、それは内緒の約束でしょう!?」アセアセ
千歌「アンバーなんて最近一緒にお風呂入ったし!」
花丸「トパーズも入ったもん!」
曜「えっ!? 抜け駆けだよそれ!」
善子「お姉さま、今夜はサファイアと!」
ダイヤ「1人で――」
鞠莉「今日はわたしと入るんだもんねー?」
ダイヤ「入りませんわよっ!」
善子「サファイア先月入ったきりだもん!」
曜「私なんて2ヶ月前だから私優先!」
梨子「オブシディアンちゃんはトリートメント借りてるから優先権なし!」
曜「何それ、差別だ!」
果南「まあまあ、歳が近いほうがいいだろうし一番誕生日が近い私がダイヤの背中を流すから」
千歌「あーっ! アクアマリンちゃんアンバーと一緒に入るときは嫌がったのに!」
鞠莉「あ、最後にナレーション入れないと」
鞠莉「黒澤9姉妹は今日も平和であった」
ダイヤ「これが平和ですの!?」
鞠莉「いつものことだし☆」
おわり
需要なかったかもしれないけどこれで完結
つまんなかっただろうけど長々書いてごめん
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