【デレマス】-PREGNANCY-【R18SS】 (10)

アイドルマスターシンデレラガールズ、三好紗南ちゃんの処女懐胎SSです。



――――――――――――――――――

「うぅん…」

三好紗南は身に纏わりつく生温い空気に目を覚ました。

「…エアコン、止まっちゃった?」

目を擦りながら上体を起こす。薄暗いが、見慣れた事務所の一室。
部屋の角に据え置かれたエアコンの白さが異様に際立って見えた。

「リモコン…あれ?」

紗南は薄暗い中できょろきょろとあたりを見回す。さほど広くない部屋、暑くなってきたここ最近のせいで使用率の高いエアコンのリモコンは常に目のつくところに置いてあるはずだ。

グォーン…

その時、エアコンが彼女の意思を読み取ったかのように動き始めた。事務所は古く、モーションセンサーを搭載したような上等なエアコンは付いていない。

「…まあ、いっか」

ささやかな疑問も冷たい風を浴びればどうでも良くなる。彼女は薄暗いままの部屋の中、しばし吐き出される冷たい風を心地よく浴びていた。

プゥ―――ン…

紗南は次の音に目を開いた。
首を横に向ければ、事務所の棚に詰め込まれるように置かれた古いテレビに光が灯っていた。
今や絶滅危惧種にも近いブラウン管の光が、薄暗い部屋をモノクロに照らし出す。
まるで現実感のない、白黒に照らし出された世界。

「…あれ、なんだろうあの画面」

紗南はひょこひょことテレビに近づく。
黒く光を放つ画面には、対照的な白いドット文字で『PREGNANCY』と書かれていた。

「プレ…なんて読むんだろ」

若干14歳の紗南はこの言葉の意味を知らない。
そんな事より、その下に小さく書かれた文字の方が彼女にとってもっと身近であった。

『-press start-』

「スタート…?あ」

彼女はさらに目を落として小さく声を上げた。
いつの間にか、彼女の手前に古めかしいゲーム機が置かれていた。
白いボディに小豆色のワンポイント。その両端には同様に小豆色のコントローラー。

「ファミコンだ!」

憧れのゲーム機に、紗南は嬉々としてコントローラーを手に取る。
迷うことなくAボタン。画面が一瞬暗転し、左上に「♡×99」と書かれた画面に切り替わった。

「残機99かぁ…ところでこれ何のゲームなんだろう?」

トクン…

テレビが小さな拍動音を鳴らす。紗南はその音にピクリと体を震わせた。

「…?」

紗南は一瞬首をかしげるが、左上に文字の書かれただけだった画面に変化が訪れるとそんな些細な問題はどうでもよくなった。

背景は埃のような白いダストの舞う宇宙空間のようなステージだ。そして画面下方に、薄いピンク色のオーラに包まれた、ハートを逆さまにしたかのような自機が現れた。
そして画面上部からは、それを狙うように白い敵機が次々に降り注ぎ始めた。

「弾幕ゲーってわけね!任せてよ!」

紗南は誰に語り掛けるでもなく言い、見事なコントローラー捌きを始める。
上から降り注ぐ白い敵機は緩やかな追尾軌道を描いて薄桃色の自機を狙う。紗南は左へ右へ、時に上へ下へと動かしながら、それを避ける。
最初は穏やかだった敵機の出現だったが、時間を追うごとにその出現数は次々に増加し…

「…あっ」

チューン…

薄桃色のオーラに白い敵機が触れたかと思うと、自機は小さく弾けて消えてしまった。

トクン…

「っ…?」

自機が弾けて消えた瞬間、紗南は再び不思議な感触を得た。
下腹部がポッと熱くなったような感触と、そこから駆けあがってくる今まで感じた事のない不可思議な感覚。

「…?」

だが、それも一瞬だ。紗南は一度コントローラーを置いてふぅと息を吐く。

「意外と当たり判定大きいなー…これは結構キツいかも…」

画面に記された「CONTENUE?」の文字。紗南は迷わず「YES」にカーソルを合わせてAボタンを押す。

トクン…

再び拍動音が流れ、紗南は身を震わせた。
…彼女は知る由もない、拍動音と共に、彼女の下腹部の内側……卵巣から、一つの卵子が吐き出されたことに。
そして、先に吐き出された最初の卵子は、どこからともなく現れた精子によって貫かれたことに。
彼女は判る筈もない、先ほど感じた背筋を駆けあがるあの感触は、母になった事への本能の悦びであることに…

「…右、上、ここで大きく迂回して」

ふわり、ふわりと卵管を通り抜けていく紗南の卵子。その脇をすり抜けていく精子たち

「…あっ」

プチュン…。避けきれず、一つの精子が卵子と衝突した。すぐさま受精が始まり、彼女の遺伝子と誰とも解らぬ遺伝子が混ざり合う。

「もー!もう一回!」

トクン…トクン…拍動音が鳴るたびに彼女の卵巣は卵子を吐き出し、倒されるたびにそれは受精し、子宮へと下っていく

「ハァ…あと、ちょっとなんだけどな…」

♡×24。紗南は顔を紅潮させ、色っぽい吐息を出して伸びをした。
さす…。無意識的に彼女は下腹部をさする。

「…なんか、体が変な感じ」

そう呟く紗南の目はトロみをおび、吐き出す息は熱く、声は甘ったるい。

「…でも、最後まで挑戦してこそゲーマーだよねっ」

トクン…再び彼女の卵巣が拍動した。

♡×19。
トクン…

「ここはこう抜けて…それで…」

♡×11。
トクン…

「そう…こうして…そのまままっすぐ…」

♡×6。
トクン…

「もうちょっと…右、でそのまま…」

♡×2
「見えた、ゴール…」

トクン…

♡×1
「これで…決める…っ」

トクン。

トクン。

「…抜け、った!」

ドクン…!
[PREGNANCY COMPLETED]

「やったー!」

両手を上げて喜ぶ紗南。丁度彼女の子宮の中では、最初に受精を果たした卵子が張り付き深く深く根を下ろした所だった。


………
……



「紗南!」

「…っ」

聞きなれた声に紗南は目を覚ました。見慣れた事務所の部屋。午後の陽光が部屋を明るく照らす。

「起きたか。そろそろ行く時間だぞ」

「ああ…Pさん…あたし、寝落ちしてたんだ…」

「徹夜でゲームなんてするからだ。ほれ、立って顔洗って、時間がないぞ」

「うーん…はーい」

紗南は大きく伸びをして歩き出す。
彼女はまだ知らない。彼女の胎の中で、新たな命が芽吹いている事に……

以上です。
R-18SS書くのは初めてなんで罪悪感と興奮が半々。

ムラムラしてる時にふと思いついてしまったネタを書きなぐっただけです。
受精シーンとかが好みなんです。

普段はPixivにて紗南ちゃんその他を主役にした仮面ライダーエグゼイドクロスSSを書いています。よろしければそちらもどうぞ…
https://www.pixiv.net/series.php?id=839390

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