【モバマス】n年後の関係 (33)

未来への初投稿です

このSSにはPが複数人登場します、ご了承ください

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重複してんじゃねーよゴミ

>>2
申し訳ありません、以後気をつけます


5年後、渋谷凛と凛P。

凛「…五年でいろいろあったけど、なんかあっという間だった気がする」

P「そうか?」

凛「うん、仕事の内容も変わって、お酒も飲めるようになったけど、まだ五年前から変わった気がしないな」

P「…十分変わったよ、その…なんて言うか…お、大人になった?っていうか…」

凛「何それ」フフッ

P「いやほんとごめん、上手く言葉に出来ないわ…」

凛「…でも、変わってないって自信を持って言えることもあるよ」

P「へぇ、何なんだ?」

凛「…言えないよ、まだね」

P「何だよそれ…気になるなぁ…」

凛「…」


凛「プロデューサー」

P「うん?」

凛「これからもずっと…変わらないでプロデュースしてくれる?」

P「当たり前だろ、ずっと面倒見てやるわ」

凛「…うん、約束だよ」

~二十歳の凛編、終わり~


4年後、橘ありすとありすP。

P「ルームシェア生活も、2年続けるとやっぱり慣れてくるな」

ありす「…」

P「この前、ルームメイトにイブPも加わってさ。やっぱり見知った顔がいると安心するよ」

ありす「そうですか…これどうぞ、私が取材を受けた雑誌です」

P「ああ、ありがと。ここは娯楽が少ねえから助かるわ」

ありす「…」

P「表紙を独占か…流石だな、ありす」

ありす「…ありがとうございます」

P「…この現場に立ち会いたかったなぁ」

ありす「…しょうがないじゃないですか、またこの前みたいなことをしたら」

P「我慢できないよ、こんなに可愛くなったのに。一緒にいたいのに」

ありす「…我慢すれば、いつでも一緒にいられるようになるのに」

P「…ありす、ここから出たら、言いたいことが「364番!面会時間は終わりだ!」


P「…早くないですか?」

看守「時間通りだ!さっさと切り上げろ!それとルームシェアってなんだ!ここは刑務所だ!!」

P「せめて現実逃避くらいさせてくれませんかねぇ?」

看守「幼女に手を出して、何回も脱獄する奴なんかがそんなことするな!現実をみろ!」

P「現実なんか見たくない!」

看守「橘さん、あなたを襲ったのはまさにこの男なんでしょ?なのに何故週一で面会に…」

ありす「…」

看守「まただんまりですか…さあ、さっさと戻れ!昼の労働だ!」

P「…くっそ!ありす!この雑誌ありがとう!大切に読むからな!」

看守「その前に検閲だ、寄越せ」

P「脱兎!!!」ヒュン!

看守「逃げるな!!」

ありす「…」

2年前、プロデューサーさんは私に性的に手を出してしまいました。事務所で寝ている私にいろいろなことをしてしまったのです。

私としては何も問題がない、というかむしろ嬉しかったのですが、その場面を偶然ちひろさんが発見し通報、そのままプロデューサーさんはここに入ることになりました。

初犯で私の弁護もあったことから、刑期は半年足らずでした。ですがプロデューサーさんは私に会うために何度か脱獄をしたため、更に刑が重くなり、あと数年は出られない模様です。

私は待ちます。プロデューサーさんが刑期を終え、ちゃんと胸を張ってここから出るまで。

ありす「私は…待てますから」

看守「待てやゴルァ!」

P「待つかヴァーーーーーーーーーーーーーーカ!!」

~脱獄のありすP編、終わり~


7年後、高森藍子と藍子P。

藍子「ウェディングドレスって、女の子のあこがれなんですよ」

P「…そうだね」

藍子「これを着ているときは、誰だって世界で一番幸せで綺麗な女の子になれるんです」

P「…うん、綺麗だよ」

藍子「…プロデューサーさん、そんな私を撮ってくれませんか?」

P「…僕でいいの?プロの人とかの方が」

藍子「プロデューサーさんがいいんです、お願いします」

P「…わかった」


藍子「この…私のカメラでお願いします」

P「分かった。じゃ、行くよ。こっち向いて…」

カシャッ

藍子「…どうですか?」

P「ちょっと待ってて…うん、今までで一番綺麗かも」

藍子「ふふっ、嬉しいです♪」

P「…そろそろ行こうか、みんなを待足せるわけにはいかないし」

藍子「そうですね、行きましょうか」

P「…藍子」

藍子「はい」

P「これからも…世界で一番、幸せにするから」

藍子「…はい、お願いしますね、あなた♪」

~花嫁写真編、終わり~


6年後、日下部若葉と若葉P。

P「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」ジタバタシ

警察A「おとなしくしろ!こら!暴れるな!!」ガシッ

若葉「え、えっと…」オドオド…

警察B「お嬢ちゃん、もう大丈夫だよ。さっき成人男性が少女を連れ回していると通報があったんだ」

警察A「懐から何を取り出した!お前はあの子に何をみせたんだ!言ってみろ!」

P「ゆ、指輪だよ!指輪!」

警察A「首輪!?首輪だと!?お前いたいけな少女に何を見せてやがる!まさかあの子を性的な意味で飼うつもりだったのか!この変態め!」

P「指輪だ!ゆ・び・わ!つーかその発想がパッと出る時点であんたも大概変態だろうが!」

警察B「…お嬢ちゃん、なんでそんなに泣いているんだい?」

若葉「お、お嬢ちゃんじゃないです!…その、彼にプロポーズされて、その…」

警察B「先輩こいつ幼女に求婚したド変態らしいですよ」

若葉「嬉しくて…私もいい歳ですし、本当に嬉しくて…ひっぐ…」

警察A「この稀代の大変態め!この未来ある女の子になんてことを!」

警察B「法律知らないんですか?女性の結婚は16歳からで、そうじゃないと違法なんですよ」

P「人の話は最後までちゃんと聞けよ!それなら正真正銘合法だわ!それにほら!あの涙見て!嬉し涙だよ!」

警察A「とりあえず署までこい!お前みたいな鬼畜ロリコンのド変態にはルームシェアをさせてやる!」

P「ルームシェアって何なんだよぉぉぉぉぉ!!」

~誤認逮捕編、終わり~


3年後、輿水幸子と幸子P

幸子「高校生になってからというもの、最近カワイイって言われることが少なくなったきがします!」

P「そうかなぁ?」

幸子「そうですよ!綺麗になったとか、大人びたとか!もっと私はカワイイって言われたいんです!」

P「う~ん…でも、綺麗になったのも大人びたのも両方事実だし、幸子ちゃんはどんどん魅力的になってるから仕方ないんじゃないかな?」

幸子「ふぇ?」

P「カワイイだけじゃない輿水幸子ってのも悪くないと思うよ」

幸子「…フ、フフーン、まあプロデューサーがそう言うならそうなんでしょうね!いいでしょう!これからは綺麗で大人びてカワイイアイドルをボクは目指します!」

P「あ」

幸子「え?あ?」

P「今『ボク』って…」

幸子「あ、ああ!もう!矯正しようと思ってるのに!」

P「ははは、そんな幸子ちゃんもカワイイよ」

幸子「か、からかわないでください!」

P「カワイイカワイイ」

幸子「もう~~!!」

~私とボクの幸子編、終わり~


3年後、イブ・サンタクロースとイブPと。


3年前のクリスマスから、俺はイブの手伝いとして事務所の年少組にプレゼントを配っている。

毎年恒例のクリスマス会、そしてその後にあるお泊まり会。皆が寝静まった頃が、俺とイブの仕事時間だ。

「それでは、今年もよろしくお願いします~」

「う~い」

プレゼントの入った白い大袋を担ぎ、俺はお泊まり会場と化した会議室へ入った。

すやすやと寝息を立てているみんなの枕元にプレゼントを配り終える。今年も、ちゃんと仕事をこなすことが出来た。

「あ、一つ忘れてました~」

イブが袋からカラフルな包装紙で包まれた一つの箱を取り出した。

「これ、ちひろさんにです~」

なるほど。去年と一昨年の反省を生かし、今年は保護者役を買って出たちひろさんにもプレゼントを用意したのか、さすがはイブだ。

「俺が届けてくるよ、いつもちひろさんにはお世話になってるし…それに、イブはこれからが本番だろ?」

「ありがとうございますぅ、では…」

イブからプレゼントを手渡される。包装されたプレゼントの大きさは片手に収まる程度だが、やけに重かった。

「中は何なんだ?」

「それは明日までのお楽しみということで♪」

そういうとイブは、ブリッツェンに乗り屋外へ出て行った。


「…失礼しま~す」

会議室は皆が寝ているので、ちひろさんは仮眠室で寝ている。俺はちひろさんを起こさないようにそっとドアを開けた。

「…すぅ…すぅ…」

侵入は成功、後は枕元にこの重いプレゼントを置き、起こさないようにまたこの部屋から出るだけだ。

「ぅう…ん…」

しかし、そうはいかなかった。俺は普段見ることの出来ないちひろさんの寝顔に興奮してしまった。俺の中の男が蠢き出す。

(いかんいかんいかん!)

必死になって、今脳内で湧いた欲情をかき消す。去年、こんなシチュエーションで逮捕されて、今なお帰ってきてない人がいることを思い出せ。

「………いや、違うんじゃないか?」

だが俺は考えを改めた。あの人が捕まったのは、対象人物の年齢が低いからだ。ちひろさんは成人済み、どこからどう見ようと、誰がなんと言おうと合法だ、俺が逮捕される義理はない。

そう思うと気が楽になり、俺は手に持ったプレゼントを床に置いて服を全部脱いだ。全裸でも、暖房がよく効いてるこの仮眠室は少しも寒くない。俺はありのままの姿でちひろさんの上にポジショニングした。

いわゆる床ドン、ラブコメの定番。

「それじゃ…」

俺は寝息を遮らないように慎重に掛け布団をちひろさんの体から剥がす。いつもの見慣れた蛍光色ではない、地味な青色のジャージを寝間着代わりにしていたちひろさんの姿がそこにあった。それを見た俺はこの上なく興奮した。出来れば脱がしたくない。

でも脱がさないと俺の「Pくん!夜はこれからよ!まだ飲めるわ…え?」

全裸で四つん這いになっている俺の背後から、ビール瓶片手に酒の回った早苗さんが勢いよくドアを開けてこの仮眠室に来た。後ろから俺のアレをガッツリ見てしまった早苗さんは、酒気に帯びて赤かった顔を、一瞬で真っ青にする。

「うぅ…あれ…?早苗さんにイブPさ…ええぇ!!!?」

ちひろさんが、早苗さんの出した音で目を覚ました。ベッド上の俺の存在に気づいたようだ。這うようにベッドから抜け出し、泣きながら早苗さんにすがりつく。

「さ、早苗さ、これ、なに、何が!!」

「だ、大丈夫、大丈夫よ」

早苗さんはちひろさんを慰めながら、冷静に110へコールする。

「…とりあえず、そこ開いてると寒いし服着ていいですか?」

これがこのクリスマスに、俺が最後に発した言葉だった。あとは、早苗さんにあごを脳が揺れるほど強く殴られたところまでは覚えている。

~イブPの失敗編、終わり~


6年後、ライラとライラP。

P「………でかいな」

ライラ「そうでございますね~」

P「ライラさんの実家って、もしかして結構お金持ち?」

ライラ「そうだとおもいますよ~」

P「うわぁ…こんなちょっと奮発したレベルの日本のお土産で大丈夫かなぁ…」

ライラ「大丈夫ですよ、大切なのはP殿のお気持ちですから」

P「お気持ち…」

ライラ「わたくしもP殿の気持ちのこもったアイスはとても嬉しかったものでございますですよ~。何かよりも、それが一番大切なのでございます」

P「…うん、ありがとうライラさん。なんだか自信が出てきたよ」

ライラ「それはよかったでございます~、ではパパの元へ行きましょうか」

P「うん、お気持ち、お気持ち…!」
ライラ「パパもP殿のことをよく思ってくれると、ライラさんは信じてるでございます、だから緊張しなくても大丈夫ですよ」

P「…ライラさんは強いなぁ」

ライラ「ふふふ、P殿と一緒だからですよ~」

~ライラとご挨拶編、終わり~


4年後、姫川友紀と市川仁奈と二人のP。

友紀「仁奈ちゃんソフト部に入ったんだ!」

仁奈「はい!友紀さんが野球に打ち込んでるのをみると私もなんだか興味が出ちゃって…」

―・―・―

P「で、この一打席勝負?」

友紀「うん!プロデューサーはキャッチャー、私がバッター!ピッチャーは仁奈ちゃん!」

仁奈「行きますよ、P!」

P「おーう、どんな球でも捕ってやる~」

友紀「仁奈ちゃん、手加減なしで!」

仁奈「はい!」

ピュッ

友紀「!」

バシッ

P「ストラーイク」

友紀「え~オーバスローなの?」

仁奈「こっちの方が投げやすいんですもん!二球目、行きますよ!」

友紀「いいねー!来い!」

ピュッ

仁奈の手からボールが放たれる。タイミングを合わせ、友紀は積極的にバットを振りに行った。キレイなフォームのレベルスイング。その軌道は、ボールをバットの芯で捉える――はずだった。

ボールが軌道を変える。変化球。これはストレートではなく、下に落ちるフォークボール。過去に仁奈が友紀から教わった球種の一つ。慌てて友紀はバットの軌道を修正しようとするも間に合わず。ボールはバットに上部分を叩かれ、地面へたたきつけられる。そして地面に当たりショートバウンドしたボールは

そのままPの股間へ。


ドコッ。

仁奈「あ」

友紀「あ…」

P「あ…?」

Pはスーツの上着を脱ぎ、キャッチャーミットをはめただけの状態。当然股股間には防具などつけていない。軟球とはいえ、男の球に勢いよく当たった場合は地獄すらも凌駕する痛みを生む。

P「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

友紀「ぷ、プロデューサー!!」

P「うあああああっああああああうぬあっあああああああああ股間がっああああっあああああああぬう゛うあう゛ああああああっあうるううるうううあぁぁあああうううああああるうるあああああ!!!(玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる玉が内側にめり込んでいる)」

仁奈「白目むいてる!しっかりしてください!P!」

悲しい事件だった。誰もこんな風になるなんて思わなかった。この事件以降、事務所にはキャッチャー用の防具が置かれることとなった。

~金的編終わり~


1年後、新田美波と美波P。

美波「お酒って本当にいいですね~…」

P「美波、美波、帰るよ美波」

美波「え~もうちょっと~」

P「ほんと酒が入ると人が変わるなぁ…居酒屋もう閉まるし、帰るよ」

―・―・―

P「大丈夫?歩ける?」

美波「肩貸してください~…」

P「はいはい…」

美波「…えへへ~」

P「ん?」

チュッ

美波「…むふふ~、顔が近くにあるとすぐにキスできますね~」

P「…本当に美波は。酒が入ると人が変わるなぁ」

美波「本当はほっぺじゃなくて口がいいんですけど…」ムスッ

P「はいはい、人気アイドルがそんなコトしたらダメだよ、というかほっぺもアウトだよ」

美波「じゃあ引退!引退します!」

P「もっとダメだよ」


―・―・―

美波「おはようございます!」

P「おはよう、二日酔いとはかない?」

美波「それは大丈夫ですけど…最初の一杯以降よく覚えてなくって…私、失礼なこととかしてませんでしたか?」

P「…大丈夫、迷惑はかかってないから」

美波「そうですか…よかった~、私、Pさん迷惑かけてないか心配で…」

P(迷惑というよりもあれはなぁ…)

美波「じゃあ今日も仕事終わり一緒に飲みに行きませんか?昨日のあのお店の雰囲気が結構好きになっちゃって…」

P「それはちょっと…」

P(これ以上はもう理性が耐えられる気がしないし…)

ありすP「大丈夫、もっとジブンに、正直に生きようぜ」

P「お前どっから入ってきた!」

1年後、正直になったありすPが逮捕されることを、まだ誰も知らない。

~酔いどれ美波編、終わり~


2年後、城ヶ崎美嘉と美嘉P

ベッドの上で、美嘉と口づけをかわす。

「んぅ…」

唇をノックするような軽いキスではなく、互いに求め合う深いキス。これだけで二人はもう十分すぎるほどに熱が高まる。美嘉は俺に異変に気づき、下半身へ目を向ける。

「…男の人って、そんな風になるんだ」

「…初めて見たの?」

「そ、そりゃあ…こういうことも、初めてだし…」

聞けば、キスもこの前のが初めてで。アイドルになって2年、カリスマギャルとして一世を風靡する彼女も、ふたを開ければただのかわいらしいお嬢様だ。

でもいまから、俺がこの女の子を、美嘉をこのt~危険な美嘉編、終わり~


n年後、Pたち。

「…短い間でしたが、お世話になりました」

「ああ、もう戻ってくるなよ」

ほたるPが俺たちに深々と礼をする。

「ほたるPさんのモラトリアムももう終わりか~」

イブPが寂しそうにそう呟いた。

『モラトリアム』、というのは『ルームシェア』同様俺たちルームメイトだけで通じる言葉の一つ。意味は『刑期』。本来の意味とはかけ離れているが、いつか誰かがいいだしたものがそのまま定着した。

「ありすPさんも、イブPさんも、モラトリアムもあと少しですよね、外で楽しみに皆さんの出所を待ちます」

「そん時は酒でも飲もうぜ」

「はい!」

俺は、数年ここでルームシェアを続けている。この数年で、いろいろなことがあった。いろんなやつと出会って、別れた。

その間に外の世界で起こったことは、ありすに教えてもらった。

CGプロに何人も新しいアイドルとプロデューサーが入ったこと。アイドルと結婚したPが何人かいること。そのうち、子供が出来たやつもいること。ドバイに渡ったやつもいること。睾丸を片方破裂させてしまったやつもいること。

数年で、外の世界もいろいろあったらしい。

俺は数年の間、ここでかつての知人友人達と一緒に生活してきた。

仮面ライダーみたいな改造バイクで公道を走って、普通に捕まった光P。

作品へのリアリティを求め、自ら望んで投獄された比奈P。

担当のためにと、持ち帰っちゃいけない外国のキノコを日本に持ち込んだ輝子P。

パワースポット巡りの為に監獄に来て、一日で帰った朋P。

なんやかんやで逮捕されたみくP。

担当からのアタックが強烈すぎて、安全地帯へ逃げ込むようにルームシェアをしに来た美優P、留美P、瞳Pの三人。

それ以上のアタックに心が壊れ、泣きながらルームシェアしに来たまゆP。

棟方愛海。

以下30人を超すルームメイトだった同志達。

でもみんな、もうモラトリアムを終え出所していった。

あの女性のアタックに悩む4人は、結局みな元担当と結婚したらしい。「結婚するのが、一番安全だと悟ったんでしょう」とありすは語る。

そうして残ったのは、脱獄常習犯の俺、性なるプレゼントイブP、医者が匙を投げ、女王が鞭を投げつけたドMの時子P、そしてこれから出所するほたるPだけ。


ほたるPは、1年前にした神との契約のせいでここに来た。『ほたるを不幸じゃない女の子にしてくれ』と言う願いを叶えるため、試練として神に『ほたるがこれからの人生で受ける予定だった不幸』をこの一年間で肩代わりすることを強いられた。

試練が開始して二秒後には誤認逮捕され、冤罪裁判、前時代じみた拷問を経て、俺たちのルームメイトとなった。この一年、こいつに不幸が起こらなかった日はない。

骨は折れてない時の方が珍しく、常に下痢だからいつも脱水状態、野鳥はこいつを目がけて糞を落とし、道を歩けば十中八九何かしらに足の小指をぶつける…言い切ることの出来ない不幸が、毎日こいつを襲った。

「俺が不幸になる分だけ、ほたるが普通に戻れるんですから。だから、苦じゃないです」

顔が包帯に隠れてまくっていたために表情は一切分からなかったけど、多分笑顔だったと思う。しかし、不幸だったのは昨日までの話。こいつは今日、試練とモラトリアムを終える。

こいつは神の試練に勝ったのだ、愛する女のために戦い抜いたのだ。


「……………流れ星を~探そうよ~」

ふいに、さっきまで黙っていた時子Pが歌を歌い出した。しかしこれもいつものこと。俺たちは、誰かがモラトリアムを終えるごとに、こうして唄を送るようにしているのだ。

歌は決まって、『流れ星キセキ』。

「「この物語は、一つ星たちの出会いのキセキ~」」

俺とイブPも後を追うように歌い出す。男三人が無理して原キーで歌おうとして、必死で出した汚い高音が奏でる地獄のようなハーモニー。

「おい!おい!!またお前等か!うるさいからやめろと何回も言っているだろう!!」

Aメロに入る前に看守がやってきた。回を重ねるごとに早く来るようになっているのが無性に腹立たしい。

「看守殿!私がッ!二人に歌えと強要しました!なので全ての責任は私にあります!」

「懲りないやつだなお前は!懲罰房だ!覚悟しろ!」

「はい!99時間コースでお願いします!!!」

時子Pが、満面の笑みを浮かべながら看守の後についていった。これもここ数年で見慣れた光景だ。

「…それでは、お世話になりました」

「…ああ」

そのまま、車いすに乗ったほたるPは俺たちの前から旅立っていった。


「…ここも、広くなりましたね」

「…そうだな」

ほたるPが旅立ち、これでモラトリアムが残ったのは俺とイブPだけ(時子Pは好き好んでここに残っている)。

「…なあ、イブP」

「なんですか?」

「俺たちもここを出るときは…あいつ等みたいに胸張って出て行こうぜ」

「…そうですね」

俺たちは、何人もここからルームメイトを見送ってきた。そいつ等はみんなさっぱりとした顔で、ここから出て行った。俺もかくありたい。

俺はあと半年モラトリアムが残っている。それまでに、ありすに再開したとき、最初に伝える言葉を考えておこう。

遠くからは、時子Pの歓喜の雄叫びが響いて聞こえた。

~n年後の関係編、終わり~

ここまでです、ありがとうございました。

獄中生活を「ルームシェア」と言う呼称にしたのは「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」内のワンコーナー、地球兄弟から着想を得たものです

不快にしてしまうネタも多かったと思います、本当に申し訳ありませんでした

前作→
佐藤心「優しくしてくれよ☆」
佐藤心「優しくしてくれよ☆」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498134748/)

時間とお暇があれば


重複してスレ立てしてしまい、本当に申し訳ありませんでした
以後、このようなことが起きないように細心の注意を払い、作品の投稿をしていきます

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