【艦これ】男「深海棲艦の島?」 ヲ級「ヲッ」 (377)

このSSを始める前に

・深海棲側の台詞は普通の文章で進めます
・不定期更新←これ重要
の2点があります

では始めます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498751419

男「うっ・・・ここは・・・?」

目が覚めると小屋のベッドで寝ていたようだ・・

そんな粗末でもなく きちんとしたベッドだった

男「どこなんだここは・・・確か俺は修学旅行で飛行機に乗ってて・・そのまま寝て・・」


男「そこから先は覚えてないな・・・」

グゥー

男「腹が減ったな・・・外に出て何か探すか・・」

男(でもここってどこなんだ? 外を見る限り島のようにも見えるが・・)

男(とりあえず外に出てみるか・・)ガチャ

ヲ級「ヲキュ」

男「・・・・・・・」

ヲ級「ヲッ」

男「う、うわぁあああああああああ!」

ヲ級「ヲッ?!」

男「な、何だよお前!?う、宇宙人か?!化物か?!」

ヲ級「ヲッ!ヲッ!ヲキュ!」ブンブン

男「は、はぁ?」

ヲ級「ヲッヲー」

男(・・・なんて言ってるか分からないけどどうやら戦意はなさそうだ)

ヲ級「ヲッヲッ」スッ

男「? このバナナを俺に?」

ヲ級「ヲッ」コクッ

男(どうやらそうらしいが・・)

男「見ず知らずの奴に貰った食べ物とか食べるわけないだろ!」バンッ

ヲ級「ヲ?!」ガーン

ガチャ

レ級「オー!オキタカニンゲン!」

男(こ、今度はフードを被った奴が来たぞ・・)

レ級「オイオイニンゲン、セッカクヲ級ガモッテキテクレタバナナヲ無駄ニスルッテノカ?!」

男「無駄とかじゃなくて知らない奴に貰うっていうところが怪しいんだよ!」

男(しかしこのクラゲの奴と言いフードの奴と言い、何か波長でも出してるような声だな・・」

ヲ級「ヲー・・・・ヲッヲッ」

レ級「ナニナニ・・?アー・・・」

レ級「・・・・どうやら人間はオレ達の言葉を聞き取りにくいらしいな。人間が聞きとりやすいように合わせてやるよ」

男(確かにさっきまでの声だと耳がキーンとなっていたが、今の言葉では問題はなさそうだ・・それなら・・)

男「教えてほしい。ここは一体どこなんだ?俺は一体なぜここに居るんだ?他のみんなはどうなった?」

レ級「ここはどこだ?何故ここに居るのか?他のみんなは?」

レ級「まぁそれは後で分かる話だから今は話さねぇよ。とりあえずバナナ喰え」

ヲ級「ヲッ」スッ

男「だから!こんな見ず知らずの奴に貰えるわけが―――」

グッ

レ級「グダグダ言わずにさっさと貰えよ人間・・・」

男「ガッ・・・(な、なんて力なんだ・・)」

ヲ級「ヲーキュ!ヲキュ!」

レ級「あぁ?わかったよ・・・・乱暴にしちゃ"中枢"に怒られるからな」

男(中枢・・?)ゲホッゲホッ

レ級「とまぁそういうわけだ。バナナ食え」トン

男「で、でも大丈夫なのか・・・?毒とか入れてないだろうな?」

ヲ級「ヲッヲッ」

レ級「"新鮮のバナナだから大丈夫"だってさ。だから安心して食え」

男「そいつの言葉が分かるのか・・?」

レ級「まぁな、長い付き合いだし」

男「じゃあ・・・貰っておくよ」

こうして貰ったバナナを早速食べてみた、何故かは知らないがとてもおいしく感じられた

まるで何日か食べてないような気持ちで・・

レ級「じゃあオレ達は中枢に報告しに行くからそこでじっとしてろよ。別に危害を加えることもしないし安心して寝てろ」

ヲ級「ヲキュ」

バタン

男(危険な目に合うことはなさそうだな・・・それよりも"中枢"って何だ?あいつらの主か?)

男「・・・考えるのは後にして今はゆっくり休もう・・」

今日はここまでです
別のSSと並行して進めていくのでこっちの方が更新速度が遅いです

――――――???

男「・・・・・・」

――――おい 起きろよ

男「うーん・・・何だ?」

クラスメイトA「おっ 起きたか!もう後1時間で着くってよ!」

男「ん・・?あぁ、ハワイか・・」

クラスメイトA「いやーまさか修学旅行でハワイに行けるなんてな!夢見てるみたいだぜ!」

男(・・・夢?そうか、さっきのは夢だったんだな・・)

男「・・・そんなにはしゃぐのは良いけど俺はまだ眠たいから寝かせてくれ」

クラスメイトA「あー・・わかったよ。着陸したらど派手に起こしてやるよ」

男「派手にしてくれとは言わないが、着いたら起こしてくれ」

男(そう・・・さっきの出来事は夢なんだ・・夢・・)

―――――おら!起きやがれ!ドサッ

―――――小屋

男「ぐふぅ!な、何だよゆっくり起こしてくれって・・」

俺がそう言いながら上を見上げるとさっきのフードの奴がいた

レ級「おー起きたか。よく眠れたか?」

男「・・・あぁ。目覚めは最悪だけどな」

レ級「んだよ。こんな可愛いオレが起こしに来てやったのに、素直に喜べないのかよ」

男(自分で可愛いっていうのか・・)

レ級「起きたのならついて来いよ。"中枢"が話があるってさ」

男「"中枢"・・?誰なんだそれは?」

レ級「まぁ、簡単に言えばここのボスみたいなところか。さっさと起きろよ」

ヲ級「ヲッヲッ」

男「大丈夫だ、立てる」

男(その"中枢"と言う人物に会えるらしいな・・何かしら情報を聞き出せれるのだろうか?)

―――――森林道

男「・・・そうだ、一応だけどお前たちの名前を聞きたい」

レ級「あぁ?そうか、まだ教えてなかったな。オレは"レ級"って言うんだ。んでこのクラゲ頭みたいなのが"ヲ級"」

ヲ級「ヲッ」

男「レ級にヲ級か・・・それじゃあ次に俺の名前だが・・」

レ級「あー、面倒くさいから"人間"で良いだろ?」

男「お、おい!?」

男(あっさり"人間"と言う名前になってしまった・・)

ヲ級「ヲー」

レ級「よーし着いたぜ」

森林の中を数分歩いたところに大きな建物があった

綺麗でもなくそれほど汚くもない 普通の大きな建物だった

ル級「ん?レ級じゃないか。その後ろにいるのは・・」

レ級「よぉル級、例の人間だ。連れてきたぞ」

ル級「わかった。少し待て」ギィ

男(どうやら門番をしていたのはル級と言う人物らしい)

男(レ級と同じ種族か・・?)

今日はここまでです
もう一つの作品が終わり次第、こちらの方の更新速度も上げていきたいです

何書いてんの?

>>14
【艦これ】鹿島さんのほのぼの日和
【艦これ】鹿島さんのほのぼの日和 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497745288/)

こっちの作品も書いています
なのでこの作品が終わり次第 こっちの方の更新も進めていきたいと思っています

ギィ

防空棲姫「起きたか、人間」

レ級「ゲェ!ぼ、防空!」

防空棲姫「何だ?私では嫌なのか?」

レ級「い、いや・・そういう訳じゃあ・・」

男「なぁ、この防空って奴は偉い奴なのか?」ヒソヒソ

ヲ級「ヲッ」コクッ

防空棲姫「まぁいい、付いて来い人間。中で話そう」

レ級「気を付けろ・・あいつはオレ達の中でも結構強いからな・・下手な真似をするなよ」

男「あ、あぁ・・」

男(・・・とりあえず付いていくか)

―――――廊下

アレガ...
ソウナノカ...ヒソヒソ...

男(俺がそんなに珍しいのか・・?)

ヲ級「ヲ?」

男(こいつらは人間と言うか宇宙人と言うか・・・何者なんだ?)

レ級「ケケッ!人間、お前モテモテだな!」

男「なぁ・・・ここの島って俺以外に男はいないのか?」

レ級「いや、全くいないさ。・・・昔はいたけどな」ボソッ

男(・・・?どういうことだ?)

防空棲姫「着いたぞ。この中に中枢棲姫がいる」

――――応接間

防空棲姫「中枢、例の人間を連れてきたぞ」

中枢棲姫「そうか、ようやく起きたのだな。人間」

男(こいつが中枢と呼ばれてる奴か・・・・何ていうか威圧感があるな・・)

中枢棲姫「それで、三日間寝続けた気分はどうだ?」

男「三日・・・三日間?!そんなに寝ていたのか?!」

中枢性姫「ああ、三日前に砂浜で倒れてるお前をそこのヲ級が見つけてな」

ヲ級「ヲキュ!」

男「そんな・・・そうだ!他のみんなはどうなったか知らないか!?」

中枢棲姫「他の人間か?そんなことを知ってどうする?」

男「生存してるかどうかを知りたいんだよ!」

男「誰でもいい!俺と同じ服を着たやつでも!そうじゃない奴でも!」

中枢棲姫「・・・・そこまで言うのなら教えてやろう。防空、案内してやれ」

防空棲姫「私か?・・・わかった、この人間を連れて行こう」

防空棲姫「レ級、ヲ級。お前たちも来るか?」

レ級「ケッ、あんなとこ行ったって何にもないさ。オレはパス」

ヲ級「ヲッキュ!」

防空棲姫「そうか、ではヲ級と共に案内してくる」

中枢棲姫「頼む。それと人間、一つ言っておこう」

中枢棲姫「"お前は幸運の持ち主だ"」

男「えっ・・?」

中枢棲姫「どうした?さっさと行かないと置いていかれるぞ」

男「あ、ああ・・(どういうことだ・・?)」

男「なぁ?いったいどこに連れていくんだよ。外に出て随分と歩くぞ?」

防空棲姫「人間と言うのは何故そんなに知りたがるのか・・・・」

男「知ってもいいだろ!?」

防空棲姫「まぁいい、そんなには遠くはない。付いて来い」

ヲ級「ヲッヲッー」

男(・・・・今は黙ってついていくしかないか)

男(それにしても、さっきの中枢とかいう奴が言っていた"お前は幸運の持ち主"ってどういうことだ・・?)

その時、脳裏で様々な考えが走ってきた 良いニュースと悪いニュースどちらとも頭の中で駆け巡っていた

男(悪い方向には進まないでほしいが・・・)

――――墓地

男「ここは・・・墓が立ってるな。誰のなんだ?」

防空棲姫「・・・いずれ分かる」

男(・・・・?)

ツ級「! お疲れ様です!」ピシッ

防空棲姫「うむ、ご苦労だ。すまないな、こんな指令を頼んでしまって」

ツ級「いえ、指令であれば・・・ところでその隣にいるのは・・」

防空棲姫「例の人間だ、ようやく目覚めた」

ツ級「そうですか、人間。体調はどうだ?」

男「あ、あぁ・・特に問題はない・・」

ツ級「そうか、それはよかった。助けてもらったヲ級にも感謝するが良い」

ヲ級「ヲッヲッー」

男(・・・何て言ってるのか分からないが・・誇ってるように見えるな・・)

―――砂浜

防空棲姫「着いたぞ、人間。あれに見覚えはないか?」

男「あれって・・・"飛行機"か?」

俺は近づいて、飛行機を観察してみた。不時着をしており機体が黒焦げになっているが確かに飛行機だった

でも、その飛行機を観察していくうちに俺はこの飛行機の正体がわかってきた

男「・・・・!?嘘だろ・・?」

唖然とするしかなかった、それはそうだ。なぜならこの飛行機は

修学旅行でハワイに向かうはずだった飛行機なのだから

男「何だよ・・・何だよこれ!!」

男「なぁ!これって作りものだよな?!そうなんだろ?!」

防空棲姫「・・・残念ながらこれは作り物でもない。本物だ」

ヲ級「ヲキュ・・・」

男「そんな・・!じゃああの墓ってまさか?!」

防空棲姫「・・・・お前と一緒にこの飛行機に乗っていた他の人間の墓だ」

男「!!!」

俺は一瞬で突き落とされた感覚だった

そう・・絶望に落とされた・・そういう感覚だった

男「待てよ・・!じゃあ中枢とかいう奴が言ってたあの意味って・・」

防空棲姫「? 何か言われたのか?」

男「・・・・くそっ!」ダッ

俺は飛行機の中に入り、探索を始めた まだこの事実を受け入れてないのだから

男「嘘だ・・嘘だ嘘だっ!そんなことありえない!」

クラスメイトの死なんて知りたくもなかった

バサッ

男「これは・・・真っ黒だが本に見える・・」

男「・・・・!?本じゃない・・!これは・・」

----修学旅行1ヶ月前

男「なぁ?少しだけでもいいからしおりの内容見せてくれよ?」

クラスメイトB「えぇ?!待ってよ!まだ未完成なんだって!」

----

男「はは・・・汚れてるけどタイトルは見えるな・・修学旅行の手引きって・・」パラ パラ

男「・・・・・・クソッ!」

PT子鬼「ギー?」

男「!?何だよお前!こっち来るなよ!」バサッ

PT子鬼「ギーッ!」

投げた手引きがあいつの頭に当たった けどそんなことには目もくれなかった

その後も物を漁ってみた けれど、出てくるのはクラスメイトの持ち物ばかりだった

やっぱり・・この飛行機は作り物でもなく、俺が乗ってきた飛行機だったのだ

今日はここまでです
次の大規模で防空さんの参戦あるんでしょうか?

何か議論が始まってるんですけどぉ!

とりあえず夜に続き書こうと思うんですけど・・・・大丈夫ですよね?

―――――――砂浜

北方棲姫「防空お姉ちゃん!帽子、拾った!」

防空棲姫「ほぉ、よく似合うじゃないか。大切にするんだぞ」

北方棲姫「うん!大事に使う!」

男「・・・」フラフラ

防空棲姫「ん?戻って来たのか」

防空棲姫「これでわかっただろう?・・・これはお前たちが乗ってきた飛行機だ」

男「そうだったよ・・・悪い、連れてきてもらってあれなんだけど小屋に戻る・・」

防空棲姫「・・・・・そうか、今はゆっくり休め」

ヲ級「ヲー・・・」

男「俺一人で戻れる・・・」スタスタ

防空棲姫「私たちも戻るか」

ヲ級「ヲッヲッ!」

北方棲姫「ヲ級、心配か?」

防空棲姫「確かにあの様子だと心配だが・・・今は一人にしておいた方が良いだろう」

防空棲姫「とりあえず中枢に報告しにいくぞ」

ヲ級「ヲー・・・」

北方棲姫「みんな!帰るぞ!降りて来い!」

PT子鬼「ギー!」

防空棲姫(やはり自分一人だけ助かり、周りの人間の死を受け入れなかったか・・)

防空棲姫(無理もないな・・明日もあの様子でなければいいが・・)

―――――小屋

男「・・・・」ドサッ

男「・・・・・何もする気がない・・」バサッ

男「・・・・"修学旅行の手引き"・・・か・・・」ペラペラ

男「・・・今頃海で泳いでたり、買い物とかしてるんだろうな・・・」

男「お土産買ったり、上手い料理食べたり・・それが今がこの有様だ・・・」

男「・・・・くそおおおおおおおおおお!」ビリビリ

男「ちくしょおおおおおおおお!うわあああああああああ!」




ヲ級「ヲキュ・・・」

ガチャ スッ バタン

ヲ級「・・・・」タッタッタッ...

男「・・・・」ムクッ

気が付くと寝ていたようだ・・あれだけ叫んだら疲れるのも分かる

男「・・・・今何時だ?まだ外は暗いな・・」グー

空腹のせいか寝ることも満足にできないようだ・・・

男「外は危険そうだが、何か食料を探さないと・・・って、これって・・」

ドアの前にバナナが置いてあった・・しかも朝食べたやつと同じだ・・

男「・・・ヲ級が持ってきてくれたのか?とりあえず食べるか・・」

バナナ一房を食べ終えた後はもう一度横になって目を閉じた

腹も少しは膨れたし、このまま眠れそうだ・・

―――――???

----聞いたぞ!修学旅行はハワイなんだってな!

男(・・・親父)

----良いなぁ!お兄ちゃん!私も行ってみたいなー!

男(・・・妹)

----お土産、期待してるわよー!

男(・・・お袋)

男(・・・みんな・・元気にしてるかな・・もう一度会いたいな・・)

----気を付けてね!行ってらっしゃい!

男(・・・・・・)

―――――翌日

男「・・・・夢か」

俺は無気力の状態だった 昨日のあの光景を見たからだ

男「クソッ・・・」

思い出したくもない光景が頭をよぎる

ガチャ

レ級「オイスー!人間!起きてるかー?」

頭にガンガン響きそうな大声でレ級が挨拶しながら入って来た

男「・・・朝からお前は元気だな」

レ級「逆にお前は元気なさそうだな!ニシシ!」

男(元気になれる要素が欲しいぞ・・

ヲ級「・・・」コソコソ

男「お前もいたのか」

レ級「ヲ級はお前が泣きわめいている姿を見て心配してたんだぞ?」

男「そうだったのか・・・あのさ・・・」

ヲ級「ヲッ・・?」

男「どうしてお前はそんなに俺を構うんだ?何か理由があるのか?」

ヲ級「ヲー!ヲッヲッ!」

男「・・・・通訳頼む」

レ級「毎度!ふむふむ・・・どうやらお前のことは放っておけないらしいからだな!」

男「そうなのか・・けど、昨日のバナナありがとうな。おかげで寝れたし」

ヲ級「ヲー」テレテレ

男(俺の言葉はわかるのか・・)

レ級「よーし、人間も起きたし飯でも食いに行くか」

男「え?バナナをくれるんじゃなかったのか?」

レ級「毎日バナナとかお前は猿かゴリラかよ、たまにはちゃんとした朝飯も食いたいだろ?」

男「まぁな・・それで、どこに行くんだ?」

レ級「深海棲鎮守府だよ。ほら、昨日オレ達が行った建物」

男「あそこか・・・そういや、食堂みたいなところがあったな」

レ級「そこで朝飯を食べるんだ、ほら行くぞ」

ヲ級「ヲッヲー」

男(・・・まともな飯を食べるのは結構久しぶりだな・・胃が受け入れてくれるのだろうか?)

今日はここまでです

>>50
細かいですけど
男(元気になれる要素が欲しいぞ・・→男(元気になれる要素が欲しいぞ・・)に訂正します

――――深海棲鎮守府 廊下

男「あっ・・・」

防空棲姫「むっ・・」

レ級「ろ?」

防空棲姫「・・・その様子だと、睡眠はできたらしいな」

男「まぁ・・最低限睡眠はとれた・・」

男「とはいえ、昨日の光景が頭を過って気分はあまり優れないけどな・・・生きているだけましだが・・」

レ級「ケケッ!朝からだらしねぇなおい!」

防空棲姫「お前は元気過ぎるんだ」

防空棲姫「とにかく、早く食堂に来ることだ。そろそろ集まるだろう」スタスタスタ

レ級「オレ達も早く行こうぜ。腹が減っちまった」

ヲ級「ヲキュ」

男「あぁ・・」

―――食堂

中枢棲姫「来たか。人間の席は駆逐棲姫の隣だ」

男「駆逐棲姫・・?」

防空棲姫「そこにサイドテールの姫がいる。その隣だ」

男「あ、ああ・・えっと・・おじゃまします・・」

駆逐棲姫「・・・」ペコッ

男(車いすに乗っているんだな・・足が悪いのか?)

防空棲姫「よし、これで全員揃ったな」

重巡棲姫「いや、まだ揃ってない。"あいつ"がまだ部屋に閉じこもっている」

男「"あいつ"・・?」

重巡棲姫「今戦艦棲姫が連れてくる。ちょっと待て」

戦艦棲姫「はーい、お寝坊さんの到着よ」ズルズル

集積地棲姫「やめろ!離せ!」

男(強引だな・・)

レ級「へっ!あんなのが姫なんて情けねぇなおい!!」ゲラゲラ

防空棲姫「レ級、静かにしろ」

中枢棲姫「ようやく全員揃ったか、では朝食の時間だ」

そう言うと全員朝食に手を取り始めた

隣同士で世間話をしたり、黙々と食べる深海棲姫

そういう俺も黙って食うしかなかった・・・が・・・

男「・・・・・」

男(でかい魚丸ごとってどういうことだよ・・しかも生で・・そのまま食えっていうのか・・?)

中枢棲姫「どうした?魚は苦手か?なら肉もあるが」

男「いや・・そういう訳じゃないんだが・・切り身か焼いて持ってくるかだな・・」

中枢棲姫「・・・・人間はそうやって食うのか、よし、港湾水鬼」パチン

港湾水鬼「・・・・」スッ

男「あ!おい!何も取り上げなくても!」

中枢棲姫「慌てるな、少し待て」

男「あ、あぁ・・・」

数分後..

港湾水鬼「・・・・・」コトッ

男(魚が綺麗に捌かれている・・刺身か)

男「お前・・結構器用なんだな」

港湾水鬼「・・・ありがとう」テレテレ

男(意外と声可愛いな・・顔は怖いけど・・)

そうこうしてるうちに朝食を食べ終わり ほとんどの深海棲艦は部屋に戻り始めた

俺は中枢棲姫と話をするために残った

中枢棲姫「それで?昨日の光景を見て納得したか?」

男「・・・ああ、お前の言ってた幸運の持ち主の意味が分かったよ・・」

男「俺だけ助かったんだよな・・・」

中枢棲姫「・・・こちら側も多くの人間を助けたかったが、手遅れだった」

男「・・・・・・」

中枢棲姫「奇跡的にお前だけが生きていてな、砂浜で倒れているお前をヲ級が見つけたのだ」

男(俺だけが砂浜で倒れていたということはどこかで放りだされたというわけか?)

男「調べることがたくさんありそうだな・・・・」

中枢棲姫「人間、お前に呼び名を着けたいが何か不満でもあるか?」

男「別に"人間"でもいいさ、俺の名前なんて知ってもここじゃ意味ないし」

中枢棲姫「そうか。それで人間、お前はこれからどうする?」

男「どうするも何も、この島から脱出して俺の家に帰るまでだ」

中枢棲姫「・・・・本気か?」

男「本気だ、まずはこの島の場所を把握しておきたい。ここはどこの辺りだ?」

中枢棲姫「・・・ここはお前が知っている世界ではない」

男「・・・・・は?」

中枢棲姫「簡単に言えば"異世界"ということか」

男「おいおい、そんなファンタジーっぽいジョークはよしてくれよ」

中枢棲姫「不思議と思わないか?お前達団体が乗っていた飛行機が墜落したんだ」

中枢棲姫「大きな事件ともなり、捜索もするはずだ」

男「・・・そういえば俺たちの目的地は"ハワイ"だったよな・・」

男「あれだけ大きな旅客機が島に墜落したら、見つけやすいはずだ・・・」

中枢棲姫「それが来ないということは・・・分かるか?」

男「そんなことあるか!!でたらめを言うな!」

中枢棲姫「なら、集積地棲姫の部屋を訪ねると良い、あそこなら情報源はそろってるはずだ」

男「集積地棲姫・・?あぁ、朝食の時に連れてこられた奴のことか・・」

中枢棲姫「部屋にいるはずだ、下手なことをしない限りは協力してくれるだろう」

男(・・・まだ信じがたいが行ってみるしかないな)

短めですが 今日はここまでです

・・・何かいろいろ議論が飛び交ってて申し訳ない気分ですけど書ききります
スローペースですがよろしくお願いします

男(ここが集積地棲姫の部屋か・・)コンコン

集積地棲姫「誰だ、今日はもう出ないぞ」

男「いや、俺だ。人間だ。少し話を聞きたいんだ」

集積地棲姫「・・・・少し待て。部屋を片付ける」ドタン バタン

男(少しどころか・・?これ・・)

ガチャ

集積地棲姫「さっさと入れ、戦艦に目を付けられたら面倒くさいことになる」

男「あ、ああ・・お邪魔します・・」」

―――――集積棲姫の部屋

男(散らかってるようだがそんなには汚くない部屋だ)

男(ゲームや本がたくさん積まれている)


重巡棲姫「ん?朝食以来だな人間」

部屋の中にはもう一人くつろいでる人物がいた

男「お前は・・えっと・・」

重巡棲姫「重巡棲姫だ、お前も大変だったな」

男「まぁな・・・それよりもそれって・・」

重巡棲姫「ん?テレビがどうかしたか?」

男「それ、映るのか?」

集積地棲姫「何故かは知らんがお前の世界の番組も映るぞ、というよりも私がゲームしてるんだからな」

男「何だって?!頼む!少しだけニュースとか見せてくれないか!」

集積地棲姫「今ゲームで使ってるって言ってるだろ!」

重巡棲姫「なら、"ラジオ"はどうだ?」

男「ラジオもあるのか?」

集積地棲姫「このテレビとかは砂浜に流れ着いてくることもあるからな、ほとんど子鬼達が拾ってここに持ってくる」

男「このラジオ・・使えるのか?」

集積地棲姫「修理はしてあるし、そっちの世界だと思う放送も聞けるぞ。ただ、周波数を合わせないといけないが」

男「よし・・!こうなったらやってやる!」

集積地棲姫(正気かよ・・合わせるの大変なんだぞ・・)

数分後...

ザッ・・ザザッッ・・・

男「・・・!よし!何とか聞こえそうだ!」

PT子鬼「ギー?」

重巡棲姫「ほぉ・・人間でもできたようだ。なぁ集積?」

集積地棲姫「うるさい。今いいところなんだ」

"―――――次のニュースザザッです"

"数日前に行方不明になった――――高校の修学旅行の旅客機は現在も見つからず捜索中です"

男「そんな・・・!小さいものでもないしハワイ行きだから簡単に見つかるはずだろ?!」

"悲しみに明け暮れる遺族や、抗議をしている人も・・ザザッザー..."

男「お、おい!・・・・くそっ!」ガン

集積地棲姫「物に当たるな!壊れてしまう!」

男「・・・・じゃあ中枢棲姫が言ってたことは本当だったのか」

重巡棲姫「?」

男「俺は俺の世界からこの異世界に飛ばされたってことだよ!」

重巡棲姫「まぁ、そういうことになるな」

男「・・・・すっげぇファンタジーじゃねぇか畜生・・」ガックリ

集積地棲姫「それで?話とは何だ?」

男「・・・もうこのラジオでわかったよ」

男「すまない、邪魔をしたな・・・」バタン


集積地棲姫「そうとう落ち込んでいたな」

重巡棲姫「人間からしたらショックなんだろうな、ここが異世界だと知ると」


男(ここは本当に異世界だってのか・・・!くそっ!)

男(・・・ただ一つ気になることもあるな・・"俺の世界の放送や番組が見れたり聞けたり"って・・)

男(少し中枢棲姫に聞いてみるか・・)

――――応接間

中枢棲姫「どうだ?何かわかったか?」

男「ここが異世界っていうのは分かったよ・・ところでさ、あのラジオって俺の世界のニュースとか流れるんだな」

中枢棲姫「私もあの"ラジオ"と言う物を使った時は歌が流れてたな。大勢の女が歌ってたが」

男「・・・あり得ない話かもしれないけど・・"ラジオ"や"テレビ"は俺の世界から流れてきたものじゃないのか?」

中枢棲姫「・・・なくもないな。たまにこっちの世界ではないものも流れ着いてくると聞いたが」

男「つまり、旅客機がこの世界に来たということは何かしらの"門"を通って来たとしたらどうなる?」

中枢棲姫「"お前の世界"と"ここの世界"をつないでる"門"が存在するだと・・?」

男「俺はファンタジーとかはあまり信じないけど、今ならこう考えれる」

男「つまり俺は元の世界にも帰れるんじゃないかと思うんだ」

中枢棲姫「ほぉ・・随分と面白い考えをするんだな、人間」

防空棲姫「しかし、その"門"の手がかりとかあるのか?」

男「・・・・今はないけどこれから探していくしかない」

中枢棲姫「できるのか?お前に」

男「できるかどうかわからないけど・・こうやって生きてるんだし、何かするべきだと思う」

男「それだと、せっかくの"幸運"も台無しになるしな」

中枢棲姫「・・・・そうか。それがお前の答えか」

男「ああ・・・。じゃあ俺は行くぞ」バタン


中枢棲姫「・・・・昨日とはずいぶんと様子が違うな、防空」

防空棲姫「あぁ・・まるで"希望を持った目をしている"ようにも見えるな」

中枢棲姫「"提督"が見たら、必ず協力していただろうな」フッ

防空棲姫「中枢・・・」

中枢棲姫「すまない・・・もういないのだったな・・・」

一旦ここまでです
ちょっと外出するので書けたら続きまた書きます

しまった・・・寝落ちしてしまった・・
続きはまた今度書きます・・

――――砂浜

男「さてと・・まずはこの島の周辺を調べてみたいが・・・この服装で泳ぐのもなぁ」

男「水着もないし、裸になるのも流石にちょっと・・・しかたない、こうなったら・・」

レ級「こうなったら?」ヒョコ

ヲ級「ヲキュ?」ヒョコ

男「うわ!お前ら!吃驚させるなよ!」

ヲ級「ヲー・・・」

レ級「ケケッ、人間が水平線眺めながら悩んでたからだろ?それで、どうした?」

男「いや・・まず島の周辺とか調べたいんだけどこの姿で泳ぐのもなぁって・・」

レ級「ははーん・・ならこのレ級様の出番だな!来い!ヲ級!」

ヲ級「ヲッ!」

俺の目の前には忍者がいるのだろうか・・レ級とヲ級が水面上で立っている光景が目に映っている・・

男「何だよお前ら・・!忍者か何かか?!」

レ級「ニンジャ?なんだそりゃ?」

ヲ級「ヲ?」

男(よく考えたらここは"異世界"なんだし、ここのみんなにとっては当たり前なのかもしれないな・・)

レ級「ほら、人間」スッ

男「へ?運んでくれるのか?」

レ級「おうよ、どうせ泳ごうとか考えていたんだろ?」

男(うっ・・図星だ・・)

レ級「その服のままで泳ぐのもあれなんだし、おぶってやるよ」

男「じゃ、じゃあ・・お言葉に甘えて・・」

レ級「よいしょっと・・じゃあ!探検隊、しゅっぱーつ!」

ヲ級「ヲー!」

そんなこんなで島の周辺を見ることにした。乗せて貰いながらだけど・・・

男「この島も結構でかいんだな」

レ級「森の中には動物とかもいるぜ。肉を食うのなら動物を狙うことだな」

ヲ級「ヲッヲー!」

レ級「ああ、もちろん果物もな」

男「なぁ一ついいか?お前達って何者だ?」

レ級「んー・・簡単に言えばお前、"人間"とは違う物かな」

レ級「オレ達は"深海棲艦"と言ってこうやって水上に立ったり海に潜れたり出来るんだ」

レ級「中でもオレとヲ級、姫達は人型に近い姿をしているものもあればPT子鬼みたいなやつもいる」

男「その"姫"とかいうのは上位階級みたいなものか?」

レ級「まぁそうだな、特に防空と中枢はトップクラスだ」

男「お前達ってずっと前からここに住んでるのか?」

ヲ級「ヲー・・」

レ級「これまた長い話になりそうだから、短めに説明するぞ」

レ級「昔、"戦争みたいな"ものをしていた」

男「戦争・・?!」

レ級「要はオレ達"深海棲艦"と"艦娘"という二手で戦争してたんだ」

レ級「長年にわたって対峙していたけど、平和の締結やら結んで今はのほほんと暮らしてる訳よ」

レ級「それで、この島を拠点にして住処にしてるんだ」

男「長年にわたっての・・戦争か・・・」

レ級「あー・・・」ムズムズ

レ級「ちっくしょー!戦争のこと思い出したらあの戦艦の艦娘思い出してきた!だあああ!くっそおお!」プンプン

ヲ級「ヲキュ!ヲキュ!」クイクイ

レ級「あぁん?何だよヲ級」クルッ

レ級「・・・あれ?人間、どこいった?」キョロキョロ


男「プハァ!」ザバァ

レ級「あっ・・・」

男「・・・・・・」

レ級「・・・・・ごめりんこ☆」

男「そんな可愛く謝るなよ!」

――――深海鎮守府

中枢棲姫「・・・・まぁその姿でわかった。レ級が迷惑をかけたな」

男「いやまぁ・・乗せてもらったから文句は言えないし・・・」

中枢棲姫「その濡れた服じゃ満足にも動けないだろう、乾くまで服を貸してやろう」

防空棲姫「人間、この服だ。あっちに着替えるスペースがある」

男「わかった。着替えてくるよ」

数分後...

ヲ級「ヲー!」

中枢棲姫「ほぉ、似合うじゃないか」

男「なぁこれって・・"軍服"なのか?」

防空棲姫「昔の人物のものだ、大事に保管してあったから綺麗なままだ」

男「すまない、服を貸してくれて」

中枢棲姫「いや・・そこのレ級が迷惑をかけた詫びだ。気にするな」

レ級「ケッ・・わざとじゃないのに・・」

中枢棲姫「それはそうと、この島で手掛かりを探すついでに"交遊"してはどうだ?」

男「交遊・・?」

中枢棲姫「手掛かりに探すにしても長い期間にはなるだろう」

中枢棲姫「交遊することで何か情報や手がかりをつかめるかもしれんぞ」

男「そうだな・・・とは言っても簡単にできるのか?」

中枢棲姫「・・・お前も男だろ、女の一人や二人、話したこともあるだろうに・・」

男「で、でもそう簡単にできるかよ!」

防空棲姫「心配するな、お前のことを敵視してる深海棲艦はいないし、警戒もしないだろう」

防空棲姫「ただ、やましいことをしたら引かれるがな」フフッ

男「するかよ!」

男(とにかく・・長い間ここに滞在すると考えてみると、交遊してみるのもありかもしれない・・)

今日はここまでにします
また日を空けて書いていこうと思います

――――翌日

男「とは言うものの・・どうやって話しかけようかって・・あれは・・」

砂浜を歩いてて目線の先には駆逐棲姫がいた 車いすに乗っているようだ

男「あのさ・・・お前って朝食の時、俺の隣にいた駆逐棲姫だよな?」

駆逐棲姫「えっ・・あっ・・・そうだけど・・//」

男(恥ずかしがってるのか・・?)

駆逐水鬼「待たせたな、駆逐棲姫・・ん?お前は・・」

駆逐古鬼「ちょっと!何ナンパしてるのさぁ!」

男「じょ、情報収集だって!」

駆逐水鬼「ふむ・・・その"門"とやらの情報を聞きたいがために話しかけてるのか」

駆逐古鬼「そんなもの見たことないわよ」

男「流石にそう簡単にはいかないか・・それより、駆逐棲姫って足が悪いのか?」

駆逐水鬼「うむ、義足を着けたことだし立って歩けるようにしたいのだが・・」

駆逐古鬼「中々立てないのよ。むしろ棲姫が立とうとしないし」

駆逐棲姫「・・・・」

男「なぁ、どうして立とうとしないんだ?義足を着けたんだから一度は立ってみた方が・・」

駆逐棲姫「この足で本当に立てるのかって時々思うの・・本当に歩けるのかなって・・」

駆逐棲姫「いつもそんな考えをしちゃって・・怖いの・・」

男「・・・・」

男「ほら」スッ

駆逐棲姫「え・・・?」

男「支えてやるから、俺の手を掴んでみろよ」

駆逐棲姫「で、でも・・」

男「そんなんじゃあいつまでたっても車いす生活のままだぞ。本当に立ちたいという気持ちがあるのならやってみるべきだろ」

駆逐棲姫「・・・・」スッ

そういうと駆逐棲姫は俺の手を掴んだ そしてゆっくり ゆっくりと立ち上がった

駆逐水鬼「おぉ・・」

駆逐棲姫「あ・・・立ってる・・私、立ってる・・!」

男「あぁ、まだ他人の手を繋いでだけどな」

駆逐棲姫「えへへ・・・何だかうれしいな・・・」

男「よし、ゆっくりと離すぞ」

駆逐棲姫「あっ・・ちょっと待って・・!きゃっ!」ドサ

駆逐古姫「ちょっと!あんた何急に手を放してるのさ?!」

男「あ、いや・・・悪かったって!」

駆逐水鬼「しかし・・立つことはできたな」

男「ああ、後は他人の手を繋がずに立てるかだな、それについては駆逐棲姫、お前次第なんだ」

駆逐棲姫「私・・・次第・・」

駆逐棲姫「・・・うん。人間の手を掴んでだけど立てたのは嬉しかった・・・」

駆逐棲姫「今度は・・一人で立って、そして歩きたい!」

駆逐水鬼「駆逐棲姫・・!そうとなれば、力になってやろう!」

駆逐古鬼「あんた・・!私も協力するわ!」

駆逐棲姫「みんな・・・ありがとう!」

さっきまでの暗かった表情は嘘のように明るい笑顔になっていた

駆逐水鬼「人間、感謝する。駆逐棲姫に立たせる勇気を与えてくれたことを」

男「いや、そんな大したことはしてないから気にしないでほしい」

駆逐水鬼「例と言っては何だが、情報を集めたいのなら"ジャンク広場"に行ってみてはどうか?」

男「"ジャンク広場"・・?」

駆逐古鬼「この先にあって海から流れ着いたものがあるのさ、ほとんどが使えそうにないものだから"ジャンク広場"って呼ばれてるの」

男(集積地棲姫が修理すれば治してつかってるのもそうなのか・・?)

駆逐水鬼「もしかしたら何か分かるかも知れないし、役に立てる道具も見つけれるかもしれない」

男「そうか・・・ありがとうな」

駆逐棲姫「私・・頑張ってみる。そして、一人で立ってみる!」

駆逐棲姫「そ、それで・・・///」

男「・・?どうした?」

駆逐棲姫「う、ううん!何でもない!」

男「・・・・よし、じゃあ俺は行くぞ。じゃあな」タッタッタッ


駆逐棲姫「えへへ・・・//」

駆逐古鬼「もしかしてあんた・・恋したの?」

駆逐棲姫「そ、そんなんじゃあ・・//」

今日はここまでです
現状、リアルで忙しい状況になりそうなので書ける日とか限られてきそうです(白目)

――――ジャンク広場

男(ここがジャンク広場か・・確かにいくつか流れ着いてるな・・)

男「一つ一つ調べていくか」

ヨォニンゲン!

男「レ級にヲ級か、お前たちも来たのか」

ヲ級「ヲッ!」ピシッ

レ級「オレは良くここに来るんだよ。ヲ級もな」

PT子鬼「ギー」

男「うぉ!?お前もいるのか?!」

レ級「おー子鬼、お前も来てたのか」ケケッ

ヲ級「ヲー?」

レ級「ふむふむ・・どうしてここに来たんだ?だってさ」

男「駆逐棲姫と一緒にいた姫達に教えてもらってな。何か使える物を探しに来たんだ」

レ級「使えそうなものってあるか?」キョロキョロ

男「まぁ調べてみるよ」


男「これは・・ゴムボートか!・・でも穴が開いてるな・・」

レ級「穴を塞いでも無理そうだな」


男「ウェットスーツか・・・これは使えそうだ」

ヲ級「ヲー?」

男「まぁ全身を覆う水着みたいなものだ。これで泳げそうだ」

男「後は新聞や雑誌とかか・・・俺の世界から流れ来てるってのは正解だったな」

男「結局使える物はウェットスーツと銛だけか・・」

PT子鬼「ギー?」ブンブン

ヲ級「ヲキュ?ヲー・・ヲッヲッ!」

男「ん?これは何だって?これは・・・"フリスビー"だな」

ヲ級「ヲ?」

男「これはこうやって投げるんだ・・それ!」ブンッ

PT子鬼「ギー!」

ヲ級「ヲー!」キラキラ

ヲ級「ヲッ!ヲッ!」

男「え?もう一回投げろって?よーし、行くぞ!それ!」ブン

PT子鬼「キャッキャッ」タタタ...

ヲ級「ヲー!」タタタ...

PT子鬼「ギ!」パシッ

男「おお!お前中々やるなぁ!」

レ級「おい!何か面白そうなことやってんじゃん!もう一回やってくれよ!」ヒョイ

男「ん?ああ・・・そらっ!」ブンッ

レ級「おらおらおら!」ズドドドドド....

レ級「貰った――」

ヲ級「ヲ!」ビュン

レ級「ぬわっ!」ドテッ

レ級「てめぇ!ヲ級!艦載機でオレの邪魔をするなんて卑怯だぞ!」

ヲ級「ヲッヲー♪」

男「はは!よく頑張ったな!レ級は俺を海に落とした罰かも知れないな!」ナデナデ

ヲ級「ヲー♪」

レ級「うぐぐ・・・もう一回!もう一回だ!」

その後俺はフリスビーを投げたり、投げ方を教えたりした

ここに来て初めて楽しいと思える時間だった・・時間も経つのも早く感じた

まるで本来の目的を忘れたかのように・・

男「・・・・もう俺投げ疲れたぞ」ゼェゼェ

レ級「おい!まだ勝負はついてねぇぞ!」

男「とは言っても俺にも限界があるんだよ!水とか飲ませてくれ・・・」

ヲ級「ヲッ!ヲッ!」クイクイ

男「どうした?ヲ級、付いて来いって言ってるのか?」

ヲ級「ヲッ!」タッタッタ

男「あ、おい待ってくれよ!」

レ級「子鬼!オレたちも行くぜ」

PT子鬼「ギー!」

―――森林

ヲ級「ヲッ!」

男「これは・・・湧き水か!飲めるのか?」

ヲ級「ヲッヲッー」コク

男「じゃあ・・飲んでみるか・・」ゴクッ

男「冷たくておいしい!これは使えるかもしれないな・・」

レ級「うお!こんなとこに湧き水とかあったのかよ!?」

ヲ級「ヲー!」フンス

男(この湧き水なら水分を補給する際に持って行けそうだな・・入れ物がないとだめだが・・)

―――小屋

男「ふぅ・・・今日はありがとうな」

ヲ級「ヲッ!」

レ級「なぁなぁ、これで服の件はチャラにしてくれるよな?」

男「それはもういいよ、気にするな。・・・ところでさヲ級」

男「"言葉"覚えてみないか?」

ヲ級「ヲ?」

男「なぁレ級、ヲ級も話せるようになる可能性はあるよな?」

レ級「まぁな、訓練さえすればの話だけど・・どうする?」

ヲ級「ヲッ!ヲッ!」コクコク

レ級「話せるようになりたいってさ!」

男「よーし、まずは文字の読み方からだな・・」

―――数時間後

男「よし、じゃあ"おはよう"って言ってくれるか?」

ヲ級「ヲッ・・・おっ・・おは・・おはヲッ・・」

男「うーん・・あと少しなんだけどな・・」

レ級「もうちょいだ!頑張れヲ級!」ヤンヤヤンヤ

ヲ級「ヲッ!・・ヲッ・・おは・・ヲッ・・」

男「まだまだかかりそうだなこれは・・」

ヲ級「ヲー・・」ガックリ

レ級「そろそろここら辺にしようぜ、夕食の時間だ」

男「ああ、そうだな。続きは明日にするか」

ヲ級「ヲッ!」

―――――???

ユサユサ

レ級「んー・・・んだよこんな夜中に・・」

ヲ級「ヲッ」ボウッ

レ級「うおっ!?・・・何だヲ級か・・どうした?」

ヲ級「ヲー」

レ級「あん?話せるようになりたいから勉強に付き合ってくれってか?」

ヲ級「ヲッ」コク

レ級「しゃーねーな・・少しだけ付き合ってやるよ」

ヲ級「ヲキュ♪」スリスリ

レ級「そんなに近づくなって・・いいか、まず挨拶からだな・・」

今日はここまでです
週に2回ペースで書けたらいいなと思っております(書けるとは言っていない)

――――翌日

男「なんだかよく眠れたな・・・昨日久し振りに運動したからか?」

男「とりあえず朝食を食べに鎮守府へ行くか」ガチャ

ヲ級「ヲッ!」

男「お、迎えに来てくれたのか?」

ヲ級「ヲッヲー・・」

ヲ級「ニンゲン おはよう!」

男「ヲ級!?いつの間に上達したんだ?!」

ヲ級「・・・・ヲッ」バタッ

男「お、おい!しっかりしろ!・・・・いや寝てるのかこれ・・」

レ級「そう、それがヲ級の最後の言葉であった・・」

男「そんな不吉なこと言うなよ!・・ってお前その目の下のクマ・・・」

レ級「ああ・・ヲ級の勉強に付き合ってやったんだ・・おかげでそこまで話せるようになったよ・・」フワァ

レ級「とりあえずヲ級連れて朝食に行こうぜ・・・その後は寝る」

男「ああ、・・・すまないな手伝ってくれて」

レ級「なぁに気にするな」

男「じゃあ行くか」

レ級「おー、よいしょっと・・」

ヲ級「スヤスヤ・・・」

男(なんだかんだで努力家なんだな・・)ナデナデ

――――数時間後...

男(さて・・・朝食を食べ終えたし、また情報でも聞きに行くかな・・)

男(ヲ級はレ級と一緒に寝てるし同行は無理そうだ)

男(なら俺一人で頑張るか!)

―――砂浜

男「ん・・・?あれって・・」

遠くの砂浜を見てみると釣竿を持った姫二人ともう一人姫がいる

男「おーい!何してるんだ?」

北方棲姫「ほぽ!人間!」

港湾棲姫「人間か・・今から食料を調達するところだ」

男「そうなのか、それはそうとお前は前の朝食の時に魚を綺麗に捌いてくれた・・・」

港湾棲姫「それは人違い・・いや、姫違いだな・・」

男「え?」

北方棲姫「港湾お姉ちゃんは2人いる!」

港湾棲姫「恐らく魚を捌いたのは調理担当の"港湾水鬼"だろう・・」

男「そうなのか・・悪かった」

港湾棲姫「い、いやそんな謝らなくても・・私は"港湾棲姫"と言うものだ・・」

北方棲姫「ほっぽは"北方棲姫"っていう!"ほっぽ"でいいぞ!」

男「ああ、よろしくな。ほっぽ」

港湾棲姫「ちなみにこちらは潜水棲姫だ・・」

男「潜水と言うことは・・」

潜水棲姫「その名の通り、潜ることを得意とするのよぉ」

港湾棲姫「潜水棲姫で水中の貝を獲り、私たちは釣りで魚を釣る」

男「なるほど・・・なぁ、俺にも手伝わせてくれないか?」

北方棲姫「ほぽ?人間、何かできる?」

男「丁度ウェットスーツを手に入れたことだし、泳ぎは得意なんだ」

男「銛もあるし、漁はできそうだ」

潜水棲姫「けど、使ったことあるの?結構難しいわよぉ?」

男「まぁ・・そこは気合いで何とかするしか・・」

港湾棲姫「手伝ってくれるだけありがたい・・・では準備に取り掛かろう」

男「あぁ、少し待ってくれないか。着替えてくるよ」

――――数分後

男「よし・・」

北方棲姫「人間、結構似合う!」

男「ありがとうな、じゃあ早速始めようか」

潜水棲姫「そうね、ほら行くよ!」パンパン

そういうと他の潜水隊だろうか、仲間が集まってきた

男「うおっ!すごい不気味だな・・」

潜水棲姫「そんな心に来る言い方はやめてよぉ!」

港湾棲姫「人間、あまり無理はするな・・体を壊したら身もふたもない・・」

男「ああ、無理はしない程度で頑張るよ」

港湾棲姫「では行くぞ、ほっぽ」

北方棲姫「ほぽ!」

潜水棲姫「じゃあ私たちもポイントへ向かうわよ」

―――――沖 岩場ポイント

男「・・・・結構疲れるな」

潜水棲姫「漁なんて素人が急にやったらそんなもんよ」

男「うーん・・テレビで見たとおりにやったんだけどなぁ・・」

潜水棲姫「でも魚も取れてるし上出来じゃない?私たちはまだまだ獲るつもりだけどどうする?」

男「俺はちょっと休憩したらまた潜るよ」

潜水棲姫「そう、でも無茶は駄目よ。せっかく助かった命も無駄になるし」サブン

男(・・・無駄になんかしないさ、必ず生きて帰って見せる)

男「よしっ!もう一潜りするか!」ザブン

しばらくの間、潜水棲姫と漁を行った

最終的には俺は魚を数匹獲ったぐらいで終えたが、潜水棲姫達は様々な魚介類を獲っていた・・

すいません短めですがここまでです・・・

―――――砂浜

男「ふぅ・・ありがとうな、運んでくれて・・」

潜水棲姫「あんたが疲れて溺れないか心配だったわよ・・」

男「まだ港湾棲姫と北方棲姫は戻ってきてないみたいだな・・」

潜水棲姫「そうね、少し様子でも見に行ったら?あの岩場の近くでよく釣りをしてるわよ」

男「ああ、少し見に行ってくる」

――――岩場

北方棲姫「ほぽ!人間!漁は終わったのか?」

男「まぁな、そっちはどうだ?」

北方棲姫「中々釣れない・・今日はいまいち・・」

男「はは・・釣りなんてそんなもんだしな・・ところで港湾棲姫は?」

北方棲姫「森の中で果物獲りに行ってる!」

ググン

北方棲姫「!! かかった!結構・・強い・・!」

男「大丈夫か?!」

北方棲姫「かなり・・・大きい・・!ダメ・・引っ張られる・・!」

男「俺も手伝うぞ!・・・結構大物じゃないか?!」

北方棲姫「ほっぽ!頑張る!」

男「ぐぅ・・!なんて力なんだ・・!二人がかりでも引っ張られそうだ・・!」

そんな時だった 急に力が入ったかのように釣竿が振りあがった

そしてその上空には・・・カジキマグロが飛んでいた

男「釣れたのは・・・カジキマグロだったのか・・大きいな・・」

北方棲姫「大きい魚!」ピョンピョン

港湾棲姫「二人とも、大丈夫か・・?」

男「港湾棲姫だったのか・・ありがとう、手伝ってくれて」

港湾棲姫「礼を言うのはこっちの方だ・・ほっぽ一人だったら海に引っ張られてた・・」

北方棲姫「人間!ありがとう!」

男「そうか?港湾棲姫のおかげだよ、俺でも駄目だったし・・」

北方棲姫「港湾お姉ちゃん!果物たくさんとれたの?」

港湾棲姫「ああ、果物も十分とれたしそろそろ砂浜に戻るとしようか・・」

北方棲姫「ほぽ!この大きい魚、食べれる?」

男「ああ、凄くおいしいぞ」

北方棲姫「晩御飯、楽しみ!」ピョンピョン

3人で会話しながら砂浜に戻っていった・・

――――砂浜

男「・・・それでだ、誰か海で"門"みたいなものを見たとかないか?」

潜水棲姫「ないわよ、そんなもの」

港湾棲姫「私もだ・・」

北方棲姫「ほっぽも!」

男「ここでもだめか・・」

潜水棲姫「それって何処にあるものなの?水中?海上?」

男「それは・・・」

港湾棲姫「人間が飛行機で来たというのなら空ではないのか?」

男「うーん・・そうかもしれないんだけど、どうやって探すかだな・・」

港湾棲姫「"空母棲姫"に頼んでみればいい」

男「"空母棲姫"?」

北方棲姫「白くて長い髪をしてるお姉ちゃん!」

潜水棲姫「サイドテールもしてるわね」

港湾棲姫「一見怖そうに見えるが、事情を話せば協力はしてくれるだろう・・」

男「でも・・話は聞いてくれそうなのか?」

北方棲姫「ヲ級に頼んでみればいい!」

男「ヲ級に?」

港湾棲姫「空母棲姫の部下だからな・・・そうするといい・・」

男「そうか・・また晩飯あたりにヲ級に頼んでみるよ」

港湾棲姫「その方が良いな・・そろそろ夕食の時間だ・・」

男「ああ、鎮守府に行こう」

――――小屋

男「・・・というわけで、明日空母棲姫と話がしたいんだ」

ヲ級「ヲー、ワカッタ 聞いてみる」

男「ああ、頼んだぞ」

ヲ級「・・・ニンゲン 辛い?」

男「? 何がだ?」

ヲ級「ニンゲン 家族に会えなくて サミシイ・・・?」

男「・・・ここに来た当初は訳が分からなくて辛い思いはしたさ」

男「でも今は寂しくはないさ、ここに居る姫達はみんな優しいし」

ヲ級「ヲー、ヨカッタ」コクコク

男「前にも言ったと思うけど・・助けてくれてありがとうな」ナデナデ

ヲ級「ヲッ、どういたしまして」

ヲ級「じゃあ ヲ級 そろそろ寝る オヤスミ」

男「ああ、おやすみ」

――――翌日 鎮守府内

空母棲姫「・・・・・」

男「お前が空母棲姫か?」

空母棲姫「来たか・・待っていたぞ」

男「あ、ああ・・(凄い威圧だな・・)」

男「急にすまないな・・・話をしたいだなんで・・」

空母棲姫「この私と話をしたいだなんて面白い人間だ・・それなりの覚悟はできているのだろうな?」

男「もちろんだ・・・たとえ悪い話でも挫けないさ」

空母棲姫「ふふっ・・そうか・・ではさっそく」



空母棲姫「"お茶会"でも開くか」

男「・・・・は?」

――――ラウンジ

男(・・・・急にお茶会を開くと聞き、俺は呆然と座っていた)

飛行場姫「あらぁ?人間も来てたのねぇ」

水母棲姫「そんなに緊張しなくてもいいのよぉ?リラックスしなさい」カタモミモミ

中間棲姫「コーヒーか紅茶、どちらがいい?」

男「あ・・・コーヒーで・・」

男(こう姫が集まると緊張するな・・」

空母水鬼「今日はいろいろ話をしてもらおうか」

男「あ・・俺が話を聞きたいんだけど・・」

空母棲姫「どっちにしろ情報を交換するんだ、別に構わないだろう」

男「・・・・そうだな」

男(こうして、和やかな?お茶会が始まった)

今日はここまでです
そろそろイベントも始まりそうなのでペースアップしていきたいと思います

――――数分後

水母棲姫「ふぅーん、人間の世界には猫カフェとかあるのね」

空母棲姫「それは猫と触れ合えるのか?」

男「まぁ・・・店のルールによって違うけど、触れ合うことはできるぞ」

空母棲姫「くっ・・・なんてうらや・・じゃなくてけしからん!」

男(猫好きなのか・・)

飛行場姫「そういえば、フクロウカフェとかもテレビで見たわね」

男「それは初めて聞いたな・・」

空母水鬼「動物がいる喫茶店とは珍しいものだな」

中間棲姫「一度は行ってみたいわね」

――――
空母水鬼「夜は一人で寂しくないか?」

男「いや・・そんな寂しくはないぞ?」

水母棲姫「ふぅーん?親の事を思い浮かべると泣いたりとかしないのね?」

男「泣きはしないけど・・少ししんみりしたりは・・」

水母棲姫「じゃあ私が添い寝してあげよっか?」

男「な?!」

水母棲姫「冗談よ。照れちゃって、かわいいわねぇ」

中間棲姫「大丈夫?おっぱい揉む?」

男「何でそうなるんだよ?!」

中間棲姫「だって人間の世界ではこれが流行ってるらしいじゃない」

空母棲姫「・・・・人間の世界では不思議なことをしてるんだな」

男「だから違うぞ!」

飛行場姫「この前、集積地の部屋でテレビ見てたらおかしなことやってたわね」

空母水鬼「おかしなこと?」

飛行場姫「人間が投げた球をもう一人の人間が棒で叩いてたのよ」

男「それって・・"野球"じゃないのか?」

空母棲姫「ヤキュウ・・?そっちにも深海棲艦はいるのか?」

男「そうじゃなくて、俺たちの世界で行われてるスポーツだ。9人のチームと9人のチームで試合をするんだ」

中間棲姫「どうして9人なの?」

男「それは知らないけど・・そう決まっているんだ」

水母棲姫「ふぅん、私が部屋を訪れたときは人間が球を蹴ってたわね」

男「それは"サッカ"ーだな。11人のチームが二チームあって試合をするんだ」

空母棲姫「種類によって人数は違うのか」

飛行場姫「ねぇ、その"ヤキュウ"と"サッカー"っていうのどんなのか教えてくれないかしら」

男「ああ、いいぞ」

空母棲姫「ヲ級に言葉を教えたのは人間か?」

男「簡単には教えたけど、じっくり教えたのはレ級だな」

水母棲姫「あのレ級が・・?」

空母棲姫「そうか・・しかし、人間も教えてくれたことは変わらない、感謝する」

男「俺はそんな大したことはしてないさ、でもヲ級って最初から言葉を話せないのか?」

空母棲姫「ヲ級のタイプは言葉を話せないタイプだからな」

中間棲姫「最初から話せるのはレ級やツ級からのタイプね」

飛行場姫「カタコトだけど話せるようになったのはすごいわねぇ」

男「なぁ・・そろそろ俺の話も聞いてくれないか?」

水母棲姫「なぁに?好きなタイプ?」

男「じゃなくて!海で"門"みたいなのを見たことあるか?」

飛行場姫「うーん・・知らないわねぇ」

空母水鬼「それは海の中か?それとも上か?」

男「仮説としては、俺たちが乗っていた飛行機が"門"をくぐったとなれば空にあるかもしれないということなんだ」

空母棲姫「しかし、私たちも偵察をしているがそんなものは見たことはないぞ」

男「そうか・・・」

水母棲姫「落ち込む人間もかわいいわね」ナデナデ

男「な、何やってんだよ!//」

水母棲姫「うふふ、照れてるわよぉ」

中間棲姫「人間、一つ聞くけど」

中間棲姫「あなたがその飛行機に乗ってる時、何が起こったか覚えてないの?」

男「俺が飛行機に乗ってる時・・・?」

中間棲姫「ええ、その記憶から何かわかるかも知れないでしょ?」

男(そういえば、あの時何が起こったのか思い出してないな・・)

男(・・・・あれ?何が起こったんだ?)

男「・・・おかしいぞ。何があったのか覚えてない・・」

水母棲姫「一時の記憶喪失かしら?」

飛行場姫「恐らくそうね」

空母水鬼「それなら、墜落した飛行機に行ってみてはどうだ?記憶を思い出すかも知れないぞ」

男「そうだな、一度そうしてみるよ。・・・気は進まないけど」

ガチャ

戦艦棲姫「空母棲姫、そろそろ偵察の・・って人間もお茶会に参加してたのね」

男「えーっと・・お前は確か、前に集積地棲姫を朝食に無理やり連れ込んだ・・」

戦艦棲姫「"戦艦棲姫"よ。紹介がまだだったわね」

男「ああ、よろしく。ところで偵察の時間って?」

空母棲姫「平和になったとはいえ、何が起こるか分からんからな。艦載機を飛ばして偵察するのだ」

男「そうか、俺はもう一度飛行機の中を探索してみるよ」

空母棲姫「ああ、でもその前に片づけを手伝ってくれ」

男「わかった」

そういうとみんなせっせと片づけを始め、終えると空母棲姫達は偵察に戻った

戦艦棲姫「ねぇ、人間は飛行機の中を探るの?」

男「ああ、何か思い出すかもしれないしな」

戦艦棲姫「それなら私とあの二人も付いて行っていいかしら?」

男「あの二人?」

戦艦棲姫「先に行っててくれないかしら?一人は引きこもりで連れ出すのに時間がかかるのよね」

男「もしかして・・・集積地棲姫か?」

戦艦棲姫「あら、正解よ。墜落した飛行機の探索メンバーの一人だったのよ」

男「そうだったのか、じゃあ俺は先に行ってくるよ」

男(あそこで何があったかを思い出す・・・簡単にできれば良いけど・・)

重い足取りの中 俺は墜落した飛行機がある砂浜へと向かった

――――砂浜 飛行機前

男(・・・何度見ても悲惨な姿だな・・それにしてもどうして墜落したんだろうか・・)

男(・・・・ん?あれは・・)

泊地水鬼「・・・・・」

男「なぁ?どうしたんだ?飛行機なんかじっと見て」

泊地水鬼「あなたは・・人間ね。どうしたの?ここに来て」

男「ちょっと飛行機の中を調べたくてな、ここに来たんだ。お前は・・」

泊地水鬼「"泊地水鬼"よ。それにしてもでかい飛行機ね・・」

男「まぁ・・俺たち団体を乗せてたからな。それなりに大きい飛行機じゃないとな」

泊地水鬼「それにしても可哀想ね・・翼が折れちゃって・・」

男「うーん・・墜落したときに折れてしまったかだな・・」

男(でもどうして飛行機はここに墜落したんだ・・?)

男(・・・わからない。何があったんだ?)

そう考えながら髪の毛を掻き上げたときだった

泊地水鬼「!!!?」

男「えっ・・?どうしたんだ急に・・」

泊地水鬼「嘘・・・まさか・・・?」

男「え?」

泊地水鬼「あっ・・何でもないのよ・・じゃあ私は帰るわね・・」スタスタ

男「・・・?どうしたんだ?」

その時 すれ違いで戦艦棲姫達がやってきた

戦艦棲姫「お待たせしちゃったわね。でもどうしたの?泊地水鬼と何かあったの?」

男「いや・・・急に驚いただけなんだけど・・」

戦艦棲姫「ふーん・・どうしたのかしら?それよりも連れてきたわよ、例の二人」

集積地棲姫「くそっ・・・何でまた・・」ブツブツ

重巡棲姫「部屋にいてもゲームしてるだけだろ」

戦艦棲姫「じゃあ早速始めようかしら、重巡棲姫と私と人間で中を探索」

戦艦棲姫「集積地棲姫と子鬼達は外装を調べてね」

重巡棲姫「任せておけ」

集積地棲姫「わかったよ・・」

子鬼「ギー!」

男「よし、飛行機内に入るぞ」

俺たちは飛行機内に入り、探索を始めることにした

今日はここまでです
夏イベントが始まる前に終盤まで書き切りたいです

――――飛行機内 客室

重巡棲姫「ふむ、人間たちはいい乗り物に乗っていたんだな」

男「まぁ、高級クラスって聞いてたし・・」

戦艦棲姫「それじゃ今ではこの有様ね」

男「・・・・ダメだ、どの雑誌も黒焦げになってて読めない・・」

重巡棲姫「そういえば人間が座っていた席はどこだ?」

男「俺の席は・・・確か目の前に乗務員がいて・・」

男「まだ先の方だな」

戦艦棲姫「でもこの先って崩れてて通れないのよね」

重巡棲姫「この狭さでも人間なら通れるが・・どうする?」

男「ああ、俺に任せてくれ。行ってくる」

男「・・・よし、通れたぞ。ここも酷い有様だな・・」

戦艦棲姫『人間、どこか私たちが通れる場所はないの?』

男「うーん・・・なさそうだな。こっち側は俺が探索してみるよ。そっちは任せてもいいか?」

重巡棲姫『ああ、わかった』

戦艦棲姫『また後で落ち合いましょ』

男「頼む。・・・・さて、俺の席はもう少し前の方だったな・・」

ガタッ

男「おっと・・危ないな・・・足場も脆くなってそうだから気を付けないとな」

俺はゆっくりと歩きながら周囲を探索し始めた

男(この先に・・何かを思い出させるものがあるに違いない・・)

不安が募る中、一歩一歩進み始めた

男「ここが俺の席だな・・・とは言ってももう座席じゃないなこれ・・・」

男「俺の席の近くのドアも剥がれてしまってるな・・」

男「・・・・え?ドアがない・・?」

男(・・・・・!?頭が痛い・・!)

------数日前 飛行機内

――――皆さま!現在機体は嵐の中を通過しています!!シートベルトをしっかりと閉めてください!

クラスメイトA「なぁ!俺たちどうなっちまうんだ?!」

男「分からないに決まってるだろ!早く避難の体勢をとれよ!」

クラスメイトA「そんなこといってもさぁ!」

――――ああ!非常用ドアが!

男「な・・・!ドアが外れた?!」

クラスメイトA「おいおいおい!これまじでやばいんじゃねーか?!」

カチャン

男「え・・・・?う、うわあああああああ!」

------

男「・・・・そうか!俺たちが乗っていた飛行機は嵐の中を通っていたんだ!」

男「それで俺のシートベルトが外れて無防備な状態で外へ放り出されて・・・この島の砂浜に流れ着いたんだ!」

男「そして飛行機は嵐の影響で不安定になりこの島に墜落したんだ!」

男「・・・これでわかったぞ!あの嵐の暴風域がこの世界と俺の世界を繋いでることを!」

男「とりあえずこの事を報告しないと・・!」


重巡棲姫「お、帰って来たか。どうだ、何か見つかったか?」

男「・・・・思い出したよ。ここで何があったか」

戦艦棲姫「本当なの?」

男「ああ、一から話していくよ」

―――数分後

戦艦棲姫「だからあなただけ助かったのね・・」

重巡棲姫「不幸中の幸いと言うわけか」

男「そして、あの嵐の中でこの飛行機はお前たちの世界に入り込んでしまったと考えられる」

戦艦棲姫「確かにそうね、あなたが放りだされたとなると砂浜に流れ着き、ヲ級に助けてもらったと」

重巡棲姫「そして飛行機は嵐の影響で島に墜落した・・・か」

男「その通りだな・・・」

重巡棲姫「それで、この後どうする?」

男「嵐の出現時期が不明瞭だしなぁ・・。一度報告しに行ってくるよ」

戦艦棲姫「そうね、集積と子鬼達にも戻るように伝えておくわね」

―――鎮守府 応接間 

中枢棲姫「なるほど・・つまりその嵐の中に飛行機は入り込み、この世界に入ったというのだな」

男「そうだ、そして俺はあの嵐の領域内に繋がる空間があると思うんだ」

防空棲姫「それが"門"の代わりと言うのか・・」

中枢棲姫「人間は嵐の出現時期とかはわかるのか?」

男「・・・それがわからないんだ」

防空棲姫「ふむ・・・壁にぶつかったか・・」

中枢棲姫「・・・・今協力できることは空母の姫達に協力してもらい、艦載機で探してもらうことだな」

男「協力してくれるのか?」

中枢棲姫「ああ、ただそう簡単には見つからないと思うが・・」

中枢棲姫「"提督"ならこうしていただろうなって思ってしまってな」

男「"提督"・・?」

防空棲姫「かつて、私たちの艦隊を指揮していた人間だ」

男「何だって?!今もどこかにいるのか?」

中枢棲姫「・・・・とうの昔に死んだ。感染病でな」

男「そうだったのか・・」

防空棲姫「とても情に厚い人間だった・・でも提督のおかげで私たちはこうやって平和に過ごせているのだ」

男「・・・・・・」

中枢棲姫「話は戻るが・・朝から夕暮れまでに艦載機で偵察を一人ずつ交代制で行う」

中枢棲姫「嵐を見つけ次第、人間に報告する。地味だがこうするしかない」

男「協力してくれるだけ助かる。ともあれ、何かしらの前兆があればいいんだけど・・」

中枢棲姫「ふむ、それもついでに探すように伝えよう」

男「わかった。じゃあ俺は小屋に戻って何をするべきか考えてくる」クルッ

中枢棲姫「・・・・!」ガタッ

男「? どうした?」

中枢棲姫「いや・・・何でもない。すまない、足を止めてしまって」

男「・・・?ああ・・じゃあまた何かあったら報告するよ」バタン

中枢棲姫「・・・・防空、一瞬だが私は人間の後姿をあの提督のように見えた・・」

防空棲姫「・・・中枢もか。一瞬だったが私にも見えた」

中枢棲姫「・・・・・・」

防空棲姫「・・・・それでは早速、空母の姫に集まるよう呼びかけてくる」

中枢棲姫「ああ、頼んだ」

ガチャ

????「・・・・・」

中枢棲姫「おまえは・・・」

――――小屋

男「うーん・・・まずは船だな。それには土台と帆が必要なんだよな・・」ブツブツ

男「それと食料も必要なんだよな・・後は水・・」

男「必要なものはまだまだありそうだな・・」

今日はここまでです
・・・・夏バテでダウンしてしまって中々思うように進めないのが辛い・・

コンコン

男「・・・?誰だ?」ガチャ

駆逐棲姫「あ・・・こんにちわ・・」

駆逐水鬼「人間、少しいいか?駆逐棲姫がどうしても渡したいものがあって連れてきたんだ」

男「渡したいもの・・?」

駆逐棲姫「えっと・・・リハビリついでにクッキー焼いてみたんだ・・」

男「クッキーか・・そういやお茶会はコーヒーしか飲んでなかったな・・くれるのか?」

駆逐棲姫「う、うん。この前のお礼で・・」

男「そうか、ありがとうな。よかったら一緒に食べないか?」

駆逐棲姫「えっ・・//」

男「駆逐水鬼もどうだ?せっかく作ってくれたんだし、食べて行ってもいいだろ?」

駆逐水鬼「ふむ・・そうだな。お前も来るか?駆逐古鬼」

駆逐古鬼「ぐっ・・・!仕方ないわね・・」

男(もしかして隠れてたのか・・?)

駆逐水鬼「元の世界に戻れる手がかりを知れたというのか」

男「ああ、でもいつになるかはわからないがな」

駆逐棲姫「いずれは帰っちゃうんだね・・・」

男「まぁな・・・準備ができるまではここにいるけど・・」

駆逐棲姫「私も何かできたらいいけど・・」

男「クッキー焼いてくれたんだしそれだけで嬉しいよ」

駆逐棲姫「えへへ・・//」

駆逐古鬼「・・・・」ムス

駆逐水鬼「古鬼?クッキー食べないのか?美味しいぞ」

駆逐古鬼「・・・食べるわよ」ヒョイ

駆逐古鬼「それで、肝心の嵐はいつ来るか分かるの?」

男「それなんだよな・・・」

駆逐水鬼「そういえば、ジャンク広場に物が流れ着いたのは嵐の影響だったのだな」

男「俺の世界から流れ着いたものが来てるんだからな」

駆逐棲姫「じゃあ、集積地棲姫に聞いてみたらどうかな?子鬼達が持って帰ってくるって言ってたし」

男「なるほど・・嵐で物が流れ着いたその日からまた嵐が来た日にちを引けば・・」

駆逐水鬼「ふむ・・予測できることになるな」

男「そうとなれば、集積地棲姫に話を聞かないとな。・・・このクッキーを食べてから」

駆逐棲姫「無理して食べなくてもいいんだよ?」

男「せっかく作って持ってきてくれたんだ、誠意を無駄になんてしたくない」

男「それに、このクッキー美味しいしな」

駆逐棲姫「あ・・ありがとう//」

駆逐古鬼「・・・・・」ゲシゲシ

男(何で俺蹴られてるんだろ・・)

――――集積地棲姫の部屋

集積地棲姫「そうだな・・・不定期だがおおよそ2~3ヶ月のペースで発生してるな」

レ級「前に嵐が来たのはつい最近だっけか」

ヲ級「ソウダッタ」

男「そうなると準備はしていた方が良いな・・」

集積地棲姫「ああ、空母の姫達も艦載機で探してくれてるらしいしな、いつでも出れるようにしとけば大丈夫だろう」

男「そうだな、ちょっとジャンク広場にもう一度行ってみるよ」

レ級「おっ!オレも行くぜー!」

ヲ級「ヲ級も行く!」ピョン

男「集積地棲姫はどうする?」

集積地棲姫「今日はもう外には出ないぞ」

男「そうか、じゃあ俺たちで行くか」

レ級「オー!集積ー!たまには外に出て運動しないとだらしなくなるぞー!」

集積地棲姫「うるさい!とっとと行け!」バタン

男「・・・いつも部屋にいるのか?」

ヲ級「ウン」

――――ジャンク広場

男「そういやまだ探してない場所とかあったよな・・・こことか・・」ゴソゴソ

男「これは・・ロープか・・使えそうだし持っておくか」

男「ん?これって・・・パドルだ!よし!これで船を漕げるな!」

レ級「人間、順調か?」

男「ああ、この調子でどんどん探しに行ってくる」

数分後....

男「結局見つけて使えそうなものはパドルとロープだけか」

レ級「何か惜しいよなー・・」

ヲ級「ヲー!ヲ級 ヘンナモノ ミツケタ!」

男「どれどれ・・野球のグローブじゃないか」

レ級「ヤキュウってなんだ?深海棲艦か?」

男「俺たちの世界で行われてるスポーツだ、まさか流れ着いてるなんて・・・」

ヲ級「フタツ アッタ」

男「ボールもあるんだな・・・キャッチボールぐらいはできそうだな」

レ級「お?運動する系か?」

男「ああ、ヲ級。一緒に遊ぶか?」

ヲ級「ヲッ!人間!イッショにアソブ!!」ピョンピョン

レ級「おいおい、オレも入れてくれよなー!」

男「分かってるよ。じゃあ砂浜に行こうか」

――――砂浜

男「いいかヲ級、ボールをグローブで掴むんだ」ヒョイ

ヲ級「ヲッ・・・ヲッ・・」ワタワタ ポロリ

ヲ級「トレナカッタ・・」

男「まぁ最初はそんなものだ、何回か繰り返すうちに取れるようになるさ」

ヲ級「ヲッ!モウイッカイ!」

男「よし、行くぞ。それ」ヒョイ

ヲ級「ヲー・・・ヲッ」パシッ

男「よーしいいぞ!次はもっと遠くから投げてみるぞ」

ヲ級「ヲッ!」

レ級「おい!オレを忘れるなって!早くやらせろー!」

男「ヲ級がある程度取れるようになったら交代するさ。もう少し待ってくれ」

レ級「うーし!オレが投げてやるからヲ級絶対捕れよ!」ブンブン

ヲ級「ヲー・・」

男「あまり強い球を投げるなよ。ヲ級も捕れないからな・・」

レ級「まーかせとっけ!いくぜ・・・オリャアア!」ビュッ

ヲ級「ヲ!?」

レ級が投げたボールはヲ級の遥か上を通過した そして・・海に落ちた

男「おい!一つだけのボールだったんだぞ!?」

レ級「あちゃー・・・力加減間違えたかな?」

男「間違えすぎだろ!?」

結局ボールはレ級が取りに行き、再びキャッチボールをして楽しんだ

本当に楽しい時間だった 時が経つのも忘れるほどだった

一旦ここまでです

また帰ってきたら続き書きます  書けたらですけど・・

男「ふぅ・・・二人ともすぐにできるようになったな」

レ級「まぁな、体を動かすのは苦手でもないし」

ヲ級「ヲ級 タノシカッタ!」

男「ああ、俺もな」

レ級「なぁ、手掛かりを探すのなら少し離れた島に行ってみねぇか?」

男「そこに何かあるのか?」

レ級「オレたちがまだ戦争していたころ、拠点にしてた鎮守府があるんだ。まぁ今となっては廃墟になってるけど」

男「そうだな・・。よし!案内してくれ!」

ヲ級「ヲー・・。今日は 疲れた」

男「あ・・今すぐにでもじゃないから良い。明日でも構わない」

レ級「じゃあ明日の朝、人間の小屋の前に来るわ」

男「ああ、じゃあそろそろ夕食の時間になりそうだし、鎮守府に行こう」

――――小屋

男(戦争してた頃の鎮守府か・・・。まだ"提督"という人物が生きてた頃の時なのか?)

男「何にせよ、何か手掛かりがつかめるかもしれないし、今日はもう寝るか」

男(上手くいけばもうすぐ元の世界に帰れるんだよな・・・それはそれで寂しいけど・・)


――――砂浜

????「・・・・・・」

防空棲姫「どうした?こんな時間に人間の小屋なんか見つめて」

????「・・・・もし・・本当だったら私・・」

防空棲姫「何を言っている、もういないと言っているだろう」

????「でも・・!」

防空棲姫「あんな状況で生きてるということはあり得ん。お前の勘違いだ」

????「・・・・やっぱりそうよね・・・ごめんなさい・・帰るわね」スタスタ

防空棲姫(私も信じがたいが・・本当にそうなら人間は・・)

防空棲姫(・・・・・・・・)

――――翌日

レ級「よぉーし!みんな集まったな!」

ヲ級「ヲッ!」

北方棲姫「みんな、おはよう!」

男「ああ、おはよう。ほっぽも来てるんだな」

北方棲姫「うん!探検楽しいからついてきた!」ピョンピョン

レ級「とは言っても廃墟になった鎮守府だけどな、じゃあ人間は俺の背中に乗ってくれ」

男「悪いな・・また乗せて貰って」

レ級「気にすんなって、よーし!探検隊出発だー!」

一同「おー!」

男(こうして俺たちは少し離れた島に向かい、廃墟の鎮守府を探検することになった)

コンコン

防空棲姫「人間、居るか?」

防空棲姫「・・・・いないのか、どこに行ったのだろうか・・」

港湾棲姫「防空じゃないか・・どうした?」

防空棲姫「ああ、人間に話があってここにきたんだが・・」

港湾棲姫「そういえばほっぽがレ級達と探検に行くとか言ってたな・・恐らく人間も一緒だろう・・」

防空棲姫「人間もか・・・?」

防空棲姫(仕方ない・・時間が経った後にまた来るか・・)

――――旧鎮守府

レ級「よーし着いたぜ」

男「ここが・・・」

ヲ級「ココニ来るの 久し振り」

北方棲姫「ほっぽも久しぶり!」ギィ

男「ドアはまだ開くんだな」

レ級「封鎖とかはしてないらしいからな、じゃあ入ろうぜ!」

―――――旧鎮守府 エントランス

男「思ったより広いな・・。みんなで探索するか?」

レ級「んー・・・一度バラバラになって探索した方がよくないか?」

男「でも何かあったらどうするんだよ?」

北方棲姫「一人より二人で探索した方が良い!」

レ級「そうだな・・・オレとほっぽ 人間とヲ級で探索しようぜ」

男「ああ、集合する時間はどうする?」

レ級「んー・・ある程度探し回って目途が立ったらここに集合でいいんじゃね?」

男「よし、わかった」

レ級「よーし!じゃあ探索開始だ!」

男(ここで何か見つかるといいが・・・今はどんな情報でも手に入れたいところだな)

今日はここまでです

イベントまでには終盤・・・!終盤まで進めたい・・・!

―――――旧鎮守府内 廊下

男「ここの鎮守府もたくさん部屋があるな・・・」

ヲ級「ヲー・・・ドコガドコナノカ忘れた」

男「まぁここに来るのは久しぶりなんだろ?仕方ないんじゃないか?次はこの部屋だな・・」ガチャ

―――――旧鎮守府内 提督の私室

男「ここは・・誰かの部屋なのか?」

ヲ級「ヲキュ!提督の 部屋!」

男「"提督"がまだ生きていたころに使っていた部屋なのか・・」

男(この部屋にあるのは机とベッドだけだ・・他のものはここから出る際に捨ててしまったのだろうか?)

ヲ級「人間 この部屋 探す?」

男「ああ、何か日記とかあるかも知れないしな」

男「俺は机を調べるから、ヲ級はその他の所を調べてくれないか?」

ヲ級「ヲッ!ワカッタ!」

男「引き出しの中に何かありそうだが・・」ガラッ

男(ん・・・?何だこの封筒・・中に何か入ってるのか?)

ガチャ

レ級「ヲ級!いるか?!」

ヲ級「レ級 どうした?」

レ級「ほっぽが猫を追いかけて木の上まで行きやがったんだ。おまけに降りられなくってなぁ・・」

レ級「あいつも浮遊要塞今持ってないし、ヲ級の艦載機でクッション作ってくれねぇか?」

ヲ級「ヲッ ワカッタ デモ・・・」

男「気にするな、俺一人で探索はする。早く助けに行ってあげた方が良い」

ヲ級「ヲッ!ソレジャ 行ッテクル!」

レ級「よし、こっちだ」ダッ


男「さて・・・俺はこの封筒の中にあるものを調べてみるか」

男「写真が数枚入ってるな・・」

男「これは・・・提督みたいだな。その隣の・・この姫って・・」

―――――それにしても可哀想ね・・翼が折れちゃって・・

男「"泊地水鬼"じゃないか・・提督と仲が良かったのか?」

男(この写真だと笑っているけど・・・俺と会った時は暗かったな・・)

男「まだ写真はあるな・・ん?これは赤ん坊を抱いてるな・・二人の子供か?」

男「額に傷があるな・・生まれた時からなのか・・?」

男「待てよ・・・この赤ん坊の額にある傷・・どっかで見たことあるぞ・・!?」

恐る恐る近くの窓に目を向け、額を確認してみる

-------

クラスメイトA「なぁ、その額の傷って何だ?」

男「何だろうな・・・俺が小さいころからあったって親が言ってたんだ」

クラスメイトA「へぇー、何かかっこいいな!」

男「そ、そうか・・?」

------

男「嘘だろ・・・?」

俺の額の傷は・・・その赤ん坊の額の傷と形が一緒だった・・

男「・・・・・どういう・・ことだ・・?」

俺の中で更なる疑問が生まれた


俺は俺の世界で生まれたのではなく この世界で生まれてきたのか・・・?

男「・・・・・・・」

何も言葉が出なかった 考えることもできなかった

ただただ茫然としているだけだった

男「・・・・・・・」

???「・・・ゲン!ニンゲン!」

ヲ級「ニンゲン!ダイジョウブカ?!」

男「・・・!」

男「・・・ヲ級か。どうした?」

レ級「どうしたも何も、オレ達が呼びかけてるのにずーっと突っ立ってたんだぞ?」

レ級「もしかして耳の中詰まってんじゃねぇのか?」

男「・・・・・悪い。少し考え事をしててな・・」

レ級「・・・その割には深刻な表情だったぞ。本当に大丈夫か?」

男「ああ・・・大丈夫さ。それよりもほっぽの方はどうなんだ?」

ヲ級「無事 ホッポ 助かった」

北方棲姫「もう帰れないかと思った・・・」グス

男「ほら、泣くなよ。今度からは気を付けろよ」

レ級「それで、どうする?ここから出るか?」

男「・・・・ああ、鎮守府に帰ろうか」

ヲ級「ヲッ!」

北方棲姫「人間、何か見つけたか?」

男「・・・・・いや、何も見つからなかったよ」

北方棲姫「そうか・・・帰って一緒におやつ食べる!それで元気になる!」

男「ああ、そうだな。レ級、また頼んでいいか?」

レ級「・・・・ああ、わかったよ。じゃあ帰るとしますか」

結局廃墟になった鎮守府で有力な情報は見つからなかった

ただ、あの写真を自分のポケットに隠し持ってることは言わなかった

俺は嘘をついた 有力な情報どころか、俺の人生を変えるかもしれない情報を持っていることを・・

―――――小屋

俺は廃墟になった鎮守府で手に入れた写真をずっと眺めていた

この赤ん坊は本当に俺なのか、そうじゃないのか・・・

仮に俺だとしたらどのようにして俺の世界に行ったのか

男「・・・・・・・・」

男「・・・・・クソッ!どうなってんだ・・・!」

コンコン

男「・・・・誰だ?開いてるぞ」

ガチャ

防空棲姫「人間、帰ってきてたのか」

男「・・・防空棲姫か」

防空棲姫「・・・・どうした?そんな難しい顔をして」

男「い、いや!何でもないぞ!・・・それでどうしたんだ?」

防空棲姫「・・・・実は嵐に関する情報を手に入れたので人間に報告しようと思い、朝に訪れたんだがいなくてな」

防空棲姫「時間を改めてまた来た。それで、その情報なんだが・・」

男「・・・悪い。その話は今はやめてくれないか・・一人にさせてくれ・・」

防空棲姫「・・・?ふむ・・そういえばほっぽ達とどこかに探検したと聞いたが・・」

男「・・・・廃墟になった鎮守府に行ったんだ。何か手掛かりがあるか探しにな」

防空棲姫「あそこにか・・・?それで何か見つけたのか?」

男「・・・・・・・」

男「・・・・いや、何も見つからなかった。きれいさっぱりなかったよ」

防空棲姫「そうか・・・落ち込んでいたのはそれのせいか」

男「まぁ・・・当たってるな」

防空棲姫(人間・・何か隠してそうだが・・・)

防空棲姫「情報ならいつでも話せる。聞きたいときは声をかけてくれ」

男「ああ、わかった。わざわざ来てくれてなんだけど悪いな・・」

防空棲姫「別に構わない。では、私は帰るぞ」バタン

男「・・・・・・また嘘ついちゃったな」

男「ひとまず横になるか・・・夕食まで時間があるし」

男(・・・・・本当に・・あれは俺だったのか・・?)

横になっても様々な考察が過り、なかなか寝付けなかったが

しばらくして ようやく寝付けることができた 束の間の休息を・・

今日はここまでです
結局イベントまでに終盤に行けませんでした

今後はイベントと平行に進めていきます(イベントはまだ様子見ですが・・)

――――深海鎮守府

男「・・・つまり嵐が来る数日前に何かしらの前兆があるというんだな?」

中枢棲姫「急な静けさや、風の強さ、匂いなどが有名だな」

防空棲姫「空母の姫達に交代制で出撃させ、前兆が分かり次第人間に伝える。それでいいか?」

男「・・・・・・」

中枢棲姫「どうした?浮かない顔をして」

男「・・・・あのさ、こっちの世界から俺の世界に入って来たって言うのもありえるんだよな?」

中枢棲姫「そうだろうな、お前の世界の物がこっちに来てるのだから互いに通じてる"門"があると考えられる」

防空棲姫「まぁこれは何回も言ってる事だがな」

男「じゃあさ・・この写真、見てくれるか?」スッ

防空棲姫「写真だと・・・?」

中枢棲姫「ほぉ・・この写真を見るのはずいぶん久しぶりになるな」

男「俺とヲ級、レ級とほっぽで探検目的で旧鎮守府に行ったときに見つけた写真だ」

中枢棲姫「そうだったのか、ありがたい。墓に供える写真を探してたのだがどこにも見つからなくてな、まさか旧鎮守府にあったとは・・」

男「その写真を見る限り、泊地水鬼と提督は結婚したってことなんだよな?」

中枢棲姫「ああ、平和の条約を結んだ後、二人は結婚して子供を授かった」

防空棲姫「しかしその後、提督は感染病によって死亡した・・」

中枢棲姫「それで、この写真がどうかしたのか・・・・・。?!」

防空棲姫「どうした?中枢・・・。!!?」

男「・・・・この傷、見覚えがあるか・・?」

中枢棲姫「・・・・写真の赤ん坊と同じ傷跡だと?!」

防空棲姫「やはり、泊地水鬼の言うことは本当だったのか・・?!」

男「待てよ!まだそう決まったわけでもないだろ!」

男「たとえ傷跡が一緒だったとしても、単なる偶然で似てたとも考えられる!だからまだ・・・!」

レ級「いやぁ・・・そうでもないんだ・・・」

男「レ級?!どういうことだ!?」

レ級「あのさ、オレが人間と初めて会話した時の言葉って覚えているか?」

男「あ、ああ・・ヲ級がくれたものを無駄にするのか?と言う内容だったよな」

レ級「・・・・あの時さ、オレ・・普通の人間じゃ聞き取れない声で話しかけてたわけよ」

男「おい・・・!じゃあまさか・・!?」

中枢棲姫「都合のいい話とでも言えるが、ここで生まれた人間は特別な波長を脳内に流し、私たちの言葉を聞けるようにしている・・」

中枢棲姫「つまり人間・・・その傷跡、そして深海棲艦の言語を理解できることから答えは結びつく」

男「やめろ・・・!やめてくれ・・・!!」

中枢棲姫「人間・・・お前は・・」


中枢棲姫「この世界で生まれてきたのだ」

男「・・・・・」

中枢棲姫「・・・・・」

防空棲姫「・・・・・」

レ級「・・・でもさぁ・・このことが明らかになったわけなんだし・・」

レ級「ここにずっといてもいいんじゃないか・・?」

防空棲姫「おいレ級!!言葉を考えろ!」

レ級「だってよぉ!人間にとっちゃあ泊地水鬼は本当の母親なんだろ?!だったら問題ないじゃん!」

防空棲姫「貴様・・・!どうやら頭を冷やしたいようだな・・!」

中枢棲姫「防空!レ級!静かにしろ!仲間同士で争うのは愚の骨頂だ!」

レ級「・・・・だってよぉ」

防空棲姫「・・・・・」

男「中枢棲姫の言うとおりだ。仲間同士で争っても何も解決しないに決まってる・・・」

男「そしてレ級。俺はお前の発言に疑問がある」

レ級「疑問だって・・?!」

男「何故俺は俺が育った世界にいたのか・・ということだ」

中枢棲姫「何が言いたい・・?!」

男「泊地水鬼は・・・・俺の事を見放したんじゃないのかって・・」

中枢棲姫「なっ・・・!何を馬鹿なことを言い出す人間!」

男「だってそうだろ?!実の母親だったらここで育ててくれるはずなのに俺が育ったのはあっちの世界だったんだぞ!」

男「考えてみると・・・!泊地水鬼は俺の事を捨てたんじゃないかって・・・!」

中枢棲姫「ふざけるな!!それはお前の勝手の妄想だ!」

男「妄想??そんな訳あるかよ!だったら何で俺はずっとこの世界にいなかったんだ?!どうして飛行機でこの世界に来たんだ??!」

男「そんなもの・・・・!あいつが捨てたとしか考えられないだろ!」

中枢棲姫「話も聞かずにのこのこと戯言を言うか・・・貴様ぁ!!」

レ級「あっ・・・これやばいんじゃね?!」

防空棲姫「おい!中枢!」


パシン

俺は頬を強く叩かれた 前を向くとヲ級がいた

その眼は涙を浮かべて 俺の方を見つめていた

ヲ級「泊地 人間を捨てる 悪い奴じゃない!」

男「ヲ級・・・」

ヲ級「泊地 人間の事 ずっと優しくしてきた!」

男「・・・・・・!」

ヲ級「ダカラ モウ 喧嘩 ヤメテ・・・」

男「・・・・ごめんな、ヲ級・・・。俺・・安直に考えすぎてたかもしれないな・・」

中枢棲姫「・・・・・・・」

男「中枢棲姫、さっきの発言は取り消させてくれ・・・。そして・・何があったのか教えてくれないか・・?」

男「俺があっちの世界に入り込むまでの事を・・!」

中枢棲姫「・・・わかった。だが、ひとまず休憩を入れさせてくれ・・私も頭を冷やす・・」

男「ああ・・・ひとまず解散しよう」

こうして少しの間休憩を入れることにした その間、ヲ級を慰めたりして時間を過ぎるのを待った・・

今日はここまでです
最近仕事も落ち着いて来そうなので書くペースも早くなりそうです

――――数分後

中枢棲姫「待たせたな、では話そうか」

男「ああ・・」

中枢棲姫「あれは・・私たちが提督の下にいた時だった」

-----数年前 深海鎮守府

深海提督「なぁ・・中枢。この戦争に意味はあるのだろうか?」

中枢棲姫「どういうことだ提督?」

深海提督「俺たち深海側は今まで艦娘達と戦争をしているが埒もなく、仲間も度重なる出撃で傷を負うことも多い。もちろんあちら側もそうだ」

深海提督「こんな日が続くとつくづく戦争を終わらせたいと思うんだ・・」

中枢棲姫「しかし、今となってはどうしようもないが・・・」

深海提督「・・・一か八か俺も一緒に行って会談を開くように説得するというのはどうだ?」

中枢棲姫「何だと・・?!危険承知の上か?!」

深海提督「でもこの方法しかないんだ、あちらも話を聞いてくれるだろう」

中枢棲姫「・・・・了解した。だが、もし危険が生じるのなら・・」

深海提督「ああ・・・砲撃戦は免れないだろうな」

――――深海鎮守府 中庭

泊地水鬼「えっ・・?あなたも一緒に?」

深海提督「ああ、この戦争を終わらせるのはこれしかないだろうな」

泊地水鬼「でもあなたが怪我することもあるのよ?それにもしかしたら・・・」

深海提督「・・・死にはしないさ、生き延びて見せる」

深海提督「それに、戦争が終わったら・・その・・」

泊地水鬼「終わったら?」

深海提督「・・いや、何でもない。じゃあ夜も遅いし、そろそろ寝るとするか」

泊地水鬼「ええ、おやすみなさい」

――――翌日 海上

重巡棲姫「うむ、いい天気だな」

空母棲姫「そろそろ艦娘がいる地点にたどり着くぞ」

泊地水鬼「・・・やっぱりあなたが傷つくところは見たくないわ!今すぐあなただけでも・・・!」

深海提督「今更引き返すわけにはいかない、ここまできたらやるしかない」

中枢棲姫「いたぞ、艦娘達だ」

榛名「・・・深海棲艦発見しました!砲撃――」

深海提督「待ってくれ、俺はこちら側の提督だ。今日は話があって来た」

深海提督「そちら側の提督に会いたいんだ、お願いする」

榛名「深海側の提督ですか・・しかし深海棲艦も一緒と言うのは・・」

中枢棲姫「安心しろ。こちら側は砲撃する武装は装備していない、これが証拠だ」スッ

榛名「・・・・わかりました。鎮守府に連絡を入れてみます」

深海提督(これが吉と出るか凶と出るか・・)

――――――数分後...

榛名「提督もあなたと話がしたいそうです」

中枢棲姫「そうか」

深海提督「まずは第一関門突破だな」フゥ

泊地水鬼「でもまだ分からないわ、警戒はしないと・・」

空母棲姫「いざとなったら緊急用の煙幕もある」

――――艦娘鎮守府

榛名「・・・すみませんがここから先はあなただけ来てもらえますか?」

深海提督「どうやらここからは俺一人で来てほしいそうだ」

泊地水鬼「そんな・・!」

中枢棲姫「・・・仕方ないだろう。私たちはここで待つとしよう」

駆逐水鬼「提督、無事を祈る」ビシッ

戦艦棲姫「艦娘達に囲まれるのも慣れてきたわね」

深海提督「みんな、すまない。少し待っててくれ」

――――――数時間後

重巡棲姫「少しどころか、ずいぶんと待たされてるな」

泊地水鬼「・・・・・」

戦艦棲姫「心配ないわよ、落ち着いて待ちましょ」

泊地水鬼「ええ・・・あっ・・!」

深海提督「みんな、待たせたな」

中枢棲姫「提督・・・その書類は・・」

深海提督「ああ、ただいまをもって艦娘側、そして深海側の平和を締結したことを報告する」

駆逐水鬼「おお・・!やり遂げたのか!」

泊地水鬼「提督・・・!良かった・・!」

榛名「私たちの提督も、あなたたちの提督と同じ考えをしていたそうです」

深海提督「少し手間取ってしまったが・・無事に終われて安心した」

中枢棲姫「これで・・・長年続いた戦争も終わる・・か」

榛名「お互い傷を負うこともありましたが、ようやく終わりそうですね」

中枢棲姫「ふっ・・そうだな・・これからはお互い親交していこう」

榛名「はい、よろしくお願いします」ニコッ

――――深海鎮守府

深海提督「では、平和を締結した祝いだ!今日はたくさん食べて飲んでくれ!乾杯!」

一同「乾杯!」

深海提督(みんないい顔をしているな・・俺も頑張った甲斐があったな・・」

深海提督(そろそろ俺も、伝えるべきことを伝えないとな・・)



レ級「ん?提督の奴、どこに行くつもりだ・・・?」

―――――深海鎮守府 中庭

深海提督「悪いな、楽しんでるところで呼んだりして」

泊地水鬼「構わないわ、それよりも話って?」

深海提督「いや・・・実はその・・今日は大事な話があって・・」

泊地水鬼「大事な話・・?」

深海提督「・・・・俺と結婚してくれ」

泊地水鬼「えっ・・?」

深海提督「ここにきてお前にずっと世話になった。今度からは俺が助ける番だ」

深海提督「そして・・・俺の一生のパートナーになってくれないか?」

泊地水鬼「・・・もちろんよ。嬉しいわ・・」ギュッ

深海提督「おおっと・・俺も嬉しいよ・・」


ドターン バタン

深海提督「何だ?!」

レ級「あっ・・・すいません・・・おじゃましますー・・・」

駆逐水鬼「ふむ、めでたいなこれは」

重巡棲姫「こういう時はお粥を作るのだろうか?」

港湾水鬼「ちがう、赤飯だ」

深海提督「お前ら・・・陰からこっそり見るのなら堂々と見に来い!」

レ級「えぇ!?そういう問題かよ!」

深海提督「陰から見られるのは俺はあんまり好きじゃない!」

泊地水鬼「ふふっ・・・」



中枢棲姫「やれやれ・・困った者たちだな」

防空棲姫「まぁ良いじゃないか、それよりもめでたいな」

中枢棲姫「そうだな」フッ

--------

―――――現在 深海鎮守府

中枢棲姫「こうして提督と泊地水鬼は結ばれ、その後に子供を授かった」

男「その子供が・・俺なんだよな」

中枢棲姫「ああ、私たちも喜んだ。みんな可愛がっていた」

中枢棲姫「もちろん泊地水鬼も・・・な」

男「・・・・それでそこからどうなった?」

中枢棲姫「・・・・ある事件が起こる。提督が感染病にかかってしまった」

男「感染病・・・」

中枢棲姫「そう・・あれは私たちがここの島に移住して数か月たったころだった」

今日はここまでです
イベントが思いのほか苦戦してるので更新は遅くなりそうです 申し訳ない・・

----数年前 深海鎮守府

深海提督「ぐっ・・ゲホッゲホッ!」

軽巡棲姫「駄目だわ・・!まだ悪化する方向よ!」

中枢棲姫「何か治療法はないのか?!」

泊地水鬼「あなた、しっかりして!」

深海提督「大丈夫・・・俺は死にはしないさ。大切なお前と息子を残して死んでたまるか・・ゲホッ!」

防空棲姫「中枢、朗報だ。艦娘のいる鎮守府に治療薬があるらしい」

中枢棲姫「そうか・・!よし、防空。今すぐそこの鎮守府で薬を貰いに行ってくれ」

深海提督「それと・・・泊地水鬼・・!息子も連れてお前も行け・・・」

泊地水鬼「えっ・・この子も?」

深海提督「ああ、ここに残して空気感染で感染させたくないからな・・」

泊地水鬼「・・・・ええ、わかったわ。そして・・・死なないでね」ギュッ

深海提督「ああ・・・気を付けてな・・」

――――――海上

防空棲姫「よし、あと少しで艦娘がいる鎮守府に到着するぞ」

空母棲姫「・・・待て、この先に何やら嵐があるらしいぞ・・」

防空棲姫「嵐だと・・?」

空母棲姫「ああ・・かなりの広範囲だ・・・」

重巡棲姫「どうする?鎮守府へ早くたどり着くにはこの先を通らないといけないぞ」

防空棲姫「・・・・迂回してる暇など無い・・全員、このまま嵐の中を通るぞ!」

泊地水鬼「・・・・・・」

駆逐水鬼「泊地、大丈夫か・・?」

泊地水鬼「ええ・・・この子だけは必ず守って見せる・・!」

泊地水鬼(そして・・・あの人のところに帰ってみせる!)

―――――海上 暴風領域

防空棲姫「なんて強い暴風だ・・・!全員、波にのまれないように気を付けろ!」

戦艦棲姫「これじゃまともに前も見えないわね・・・」

重巡棲姫「それに・・・何か物も飛んできてるぞ・・」

防空棲姫「艦隊!飛来物に注意し、進んでいくぞ!」

駆逐水鬼「泊地の周りを固める!何としても守り抜く!」

戦艦棲姫「だから、赤ん坊を手放さないようにして!」

泊地水鬼「ええ・・! !? 戦艦!前!」

戦艦棲姫「え・・・?」ガゴン

戦艦棲姫「あぁ!」グラッ

泊地水鬼「きゃあっ!」バシャン

防空棲姫「戦艦!泊地!どうした!?」

駆逐水鬼「戦艦に大きな鉄の板が直撃した!」

戦艦棲姫「私は大丈夫・・・!それよりも泊地は?!」

泊地水鬼「・・・ない・・・いないのよ!」

防空棲姫「何がだ・・・!まさか、赤子を落としたのか?!」

泊地水鬼「どこ・・・!?どこにいるの!?・・・まさか波にのまれて・・・?!いや・・いやああああああああ!」

駆逐水鬼「待て泊地!このままだとお前ものまれてしまうぞ!」

泊地水鬼「でも・・・!でも!私の赤ちゃんが・・!」

防空棲姫「・・・・・!!駄目だ!一度嵐を抜けるぞ!」

泊地水鬼「いや・・!いやあああああああああああああ!!」

―――――現在 鎮守府

中枢棲姫「・・・・こうして泊地水鬼は赤ん坊のお前を手放してしまった・・」

中枢棲姫「防空たちが薬を手にし、戻ってくる途中で提督は息を引き取った・・」

中枢棲姫「誰もが悲しんだ、特に赤ん坊のお前と夫を失った泊地は崩れ落ちた」

中枢棲姫「その後はお前だけでも助けたいと、姫や艦娘達にも協力してもらい捜索をしたが中々見つからなかった」

中枢棲姫「だが・・・泊地だけは全員が鎮守府に戻っても、最後まで探し続けた・・深夜になっても一人でな」

男「・・・泊地・・一人で・・」

中枢棲姫「やがて捜索も打ち切りになり、数年経った今、お前が来た」

男「・・・ちくしょう!さっきの俺はなんて馬鹿だ!勝手に捨てたとか言って・・!」

男「最後まで探してくれてたのに・・・!最低なのは俺の方だ!」

ヲ級「ニンゲン・・・」

レ級「・・・というか、なんて巡りあわせなんだよ・・また人間がここに来るなんてさ・・」

防空棲姫「そして・・私の方こそ謝罪をせねばならない・・」

防空棲姫「私が・・・!あの時に嵐の中を直進せずに迂回をしていれば・・!あんなことには・・!」

男「・・・・自分を責めるな防空棲姫。あの時は提督を助けたいからそうしたんだよな」

防空棲姫「・・・・ああ」

男「それに、泊地が俺を手放したのも不慮の事故みたいなものだろ?」

男「だから・・・謝らなくてもいい・・」

レ級「人間・・お前・・」

男「・・・泊地水鬼と話がしたい。夜はどこかにいるのか?」

中枢棲姫「ああ、夜は部屋にいることが多いが・・呼んでやろうか?」

男「お願いするよ・・・場所は小屋の前の砂浜にしてくれないか?」

中枢棲姫「分かった、準備を進めておく」

防空棲姫「・・・・人間、泊地はお前と会った時以来会うのが怖いと言っていた」

防空棲姫「こんな事実を聞かれたら、"母親として見てくれないかもしれない"とな・・・」

男「そんな訳・・・あるかよ・・」

防空棲姫「・・・・・」

――――砂浜

泊地水鬼「ここに誰かがいるの・・?」ザッザッ

男「・・・・・・」

泊地水鬼「・・・!」

男「・・・・とりあえず座れよ」

そういうと泊地水鬼は俺の隣に座った わずかながらだが、手が震えていた

泊地水鬼「・・・・・・」

男「・・・・・」

男「・・・・・お前が俺を生んだんだってな」

泊地水鬼「・・・・・・」

男「・・・・中枢棲姫から聞いた。提督と結婚したことも、俺を生んだことも」

泊地水鬼「・・・・・・まさかあなたがあの時の赤ちゃんだったなんて・・」

男「俺も泊地水鬼が母親だとは思わなかったよ・・・でも写真と中枢棲姫の話でそうだと確信した」

男「まさかここで生まれてまたここに戻ってくるなんてな・・」

泊地水鬼「・・・私は・・・あなたの母親なんかじゃない・・」

男「えっ・・・?な・・何を言ってるんだよ!?」

泊地水鬼「だって・・・!私は・・・!赤ちゃんだったあなたを海の上で放してしまったのよ!」

泊地水鬼「あんな荒れた海の中で手放したら死ぬことも免れないし・・・怖い思いもしたでしょ?!」

泊地水鬼「なのに・・・簡単に手放した私なんて・・・顔も合わせられないわ!」

泊地水鬼「母親として失格よ!大事な赤ちゃんをあんな怖い目に合わせて・・!最低な母親よ!」


男「違う!そんな訳あるか!」

泊地水鬼「・・・・・!」

男「中枢棲姫から聞いた・・・!お前は・・・最後まで俺を探し続けてくれたことを・・!」

男「みんなが帰った後も・・・一人で必死に探し続けてくれたことも・・!」

泊地水鬼「・・・・・・」

男「むしろ最低なのは俺の方だ!勝手に捨てたとか見放したとか言って・・・」

男「俺が謝りたいよ!あの時の発言を忘れたい気分だ!」

泊地水鬼「で、でも・・・私・・・!」

男「自分に罪をなすりつけて、母親じゃないと否定するのは逃げてると一緒じゃないか!」

男「どうしてそんなことするんだよ!必死に探し続けてくれただけでも母親として立派だよ!」

男「だから・・・自分を責めるなよ!!母親失格だなんて言わないでくれよ!」

泊地水鬼「うう・・うああああああ・・・!」ギュッ

泊地水鬼は俺の事を強く抱きしめた そして泣きながら何度も謝罪をした

俺はただその泣き声を聞いて抱くしかなかった 慰めることもできずに・・

男「・・・・もう大丈夫か?」

泊地水鬼「ええ・・ごめんなさい・・急に・・」

男「急に抱き付かれて、びっくりしたぞ・・」

泊地水鬼「本当にごめんなさい・・」

男「まぁいいけどさ・・・でも・・・何か懐かしい感じはした・・」

泊地水鬼「・・・"コウ"」

男「え?」

泊地水鬼「"コウ"・・それが私たちがあなたにつけた名前・・」

男「そういえば俺の世界の親も名前がついてあったからそう付けたって言ってたな・・・」

泊地水鬼「ねぇ・・これからあなたの事を"コウ"って呼んでもいいかしら・・?」

男「・・・この世界では名前なんて俺には必要ないけど・・・そう呼んでもいいぞ」

泊地水鬼「本当?じゃあ・・・コウ君・・」

男「な・・何か照れるな・・」

泊地水鬼「・・・ふふっ」

男「ごめんな、こんな夜に呼び出して」

泊地水鬼「いいえ・・まさかまた会えるなんて思わなかったわ」

男「俺もまさかの展開で実の母親に会えるなんて・・」

泊地水鬼「お互い様ね」フフッ

男「そうだな・・・じゃあ、俺はそろそろ帰るけど・・鎮守府まで送って行こうか?」

泊地水鬼「大丈夫、私一人でも帰れるわ」

男「そうか、じゃあ気を付けてな。おやすみ」

泊地水鬼「ええ、おやすみなさい」

男「・・・・あのさ、一ついいかな?」

泊地水鬼「なぁに?どうしたの?」



男「・・・・ただいま、"母さん"」

泊地水鬼「・・・・おかえりなさい、コウ君」

今日はここまでです

男に名前が付きましたが、男と言う名前で進めていきます

イベントもE6まで進んだので、ここからはイベント完遂を優先して進めていきたいと思います

すいません作者です

・・・・イベントのE7で詰まってしまってイライラしてるので更新は遅くなりそうです
申し訳ありません・・・今週のどこかには書きたいと思いますのでよろしくお願いします・・・

――――翌日 墓場

泊地水鬼「この墓が、あの人の墓よ」

男「これが・・・結構立派なんだな」

レ級「お世話になったしなぁ、これくらいはしないとな」ニシシ

ヲ級「ル級トツ級ガイツモピカピカニシテル」

泊地水鬼「・・・あなた、私たちの子供が帰って来たわよ、それも立派になって」

泊地水鬼「まだあなたが生きているときに会わせたかった・・・それなら家族みんな揃ったのに・・」

男「泊地・・・」

泊地水鬼「・・・ごめんなさい・・こんなこと言っちゃって・・」

男「大丈夫さ、母さん」

男「・・・・ただいま、"父さん"」

男「中枢棲姫から聞いたんだけど、情に厚い提督だってな」

男「自分よりもほかの仲間を気遣って・・信頼もされてたって・・」

男「そんな父さんが・・・まさか感染病で死ぬなんてな・・・」

男「・・・・あの嵐の時も、俺を感染病から守ろうとしてくれたんだよな・・」

泊地水鬼「コウ君・・」

男「本当にありがとうな・・・安らかに眠ってくれ・・・」

男「・・・・じゃあ、行こうか」

レ級「もういいのか?」

男「ああ、こんな形だけど挨拶できただけでも十分だ」

男「できれば、生きてるうちにしたかったけど・・・な・・」

泊地水鬼「そうね・・・あの人もコウ君の成長した姿見たかったはず・・」

男「・・・すまない、俺がこんなこと言って。それじゃあ、鎮守府に戻ろうか」

ヲ級「ヲッ! 朝ご飯タベテ 元気ダス!」

男「そうだな。よし、行くか!」

――――深海鎮守府 食堂

男「さて・・・席に着くか・・」

重巡棲姫「いたぞ!人間だ!」

男「い、いきなり何だ!?」

戦艦棲姫「聞いたわ・・・あなたがあの時の赤ちゃんだったなんて・・・!」

駆逐水鬼「すまない・・!私がもう少ししっかりとしていれば・・!」

重巡棲姫「随伴艦として謝罪させてくれ!」

男「ちょ、ちょっと待ってくれ!だ、誰から聞いたんだ?!」

レ級「・・・悪ぃ、オレだわ・・」

男「おい!」

泊地水鬼「でも、いずれかは知ってしまうから早めに知っておいた方が良いわ」

男「母さん・・」

水母棲姫「まぁ!母さんですって!」

中間棲姫「あら、すっかりと親子らしくなったわね」

潜水棲姫「もう一回言ってみて!」

男「だから!落ち着いてくれ!」


中枢棲姫「ええい!静かにしろ!先ずは朝食を食べろ!」

中枢棲姫の一声で朝食が始まった 食べてる最中でもみんな俺を見てる姫ばかりだった

まぁ・・・提督の息子が帰ってきたから気持ちは分かるけど・・

男(でも視線が集まると朝食が食べづらいな・・)

港湾水鬼「どうした・・?食べやすいようにしてやろうか?」

男「あ、ああ・・大丈夫だ・・」モグモグ

――――応接間

中枢棲姫「その様子だと、和解はできたそうだな」

泊地水鬼「ええ、私はもう母親じゃないだなんて言わない・・この子の母親として生きるわ」

男「あの後、みんな一斉に謝って来たからびっくりしたぞ・・・」

防空棲姫「まぁ、随伴艦として守れなかったのだからな・・すまない・・・」

男「もう気にしなくていいんじゃないか?俺は現に生きているんだ、それで喜んでくれればいい」

防空棲姫「・・・そうだな」

中枢棲姫「話は変わるが・・・空母棲姫より嵐が起こるかも知れないという伝達が入った」

男「そのことなんだけどさ・・・まだ保留にしてくれないか?」

泊地水鬼「え?」

中枢棲姫「・・・・どういうことだ?」

男「俺の世界の家族が育ててくれた恩もある」

男「でも産んでくれた本当の母親にも恩返ししたい気持ちもあるんだ」

男「迷ってるんだ・・・元の世界に帰るべきか・・・ここに残るべきか・・」

泊地水鬼「コウ君・・・」

中枢棲姫「・・・・・そうか、ではまた決意が固まったら報告しに来てくれ。それまでは姫達に休暇を与える」

男「すまない、協力してもらったのに・・」

中枢棲姫「気にするな、育ててくれた親か産んでくれた母親。どちらの元に帰るのか悩むのは仕方ない」

中枢棲姫「考える時間を与えてやろう。ゆっくり考えると良い」

男「ありがとう・・中枢棲姫」

―――――小屋

男「・・・・・・・」

男(俺はこの世界に残るべきなのか?それとも元の世界に帰るべきなのか?)

男(悩むな・・・どうすればいいんだ・・?)

今日は短めですがここまでです

少しイベントから現実逃避するのもいいかなって思います(白目)

コンコン

男「誰だ・・・・?今開ける」ガチャ

戦艦棲姫「あっ、人間いたのね!」

重巡棲姫「提督の息子が帰って来たから、みんなで歓迎会を開こうと思う」

駆逐水鬼「もちろん泊地や駆逐棲姫も一緒だ」

男「母さんもか・・・・はは、そうだな!じゃあ俺も行ってもいいか?」

駆逐水鬼「もちろんだ!それでは案内しよう」

男(今暗い顔しても意味はない・・だから楽しめる時は暗い顔はしないでおこう)

男(母さんを心配させないようにしないとな)

――――深海鎮守府 ラウンジ

男「なぁ、赤ん坊の俺をみんな可愛がってたんだよな?」

戦艦棲姫「もちろんよ、とても小さくて可愛かったわ」

空母棲姫「その姿が今となっては・・・立派なものだな」

男「そ、そうか?」

重巡棲姫「しかし赤ん坊のころはかなりの頻度で泣いていたからな。私があやしても泣き止まなかった」

レ級「そりゃああんな顔見たら誰だって怖がるだろ」ポリポリ

重巡棲姫「そうか?」

港湾水鬼「私の時もそうだった・・」ションボリ

北方棲姫「ほぽ!港湾水鬼お姉ちゃん!元気出して!」

戦艦棲姫「でもなんだかんだ言って泊地があやすと泣き止むのよね。やっぱりお母さんが落ち着くのね」

泊地水鬼「ふふっ、そうね。私が抱きかかえるといつも泣き止んでたわね」

戦艦棲姫「そういえば、嵐がもうすぐ起こりそうって聞いたけど・・」

男「実は・・ここに残るのもいいかなって思ってるんだ」

駆逐棲姫「えっ!」

重巡棲姫「何故そう思ったんだ?」

男「泊地水鬼・・いや、母さんの所に戻って来たんだし今からでも一緒に過ごすのもありなのかなって・・」

北方棲姫「泊地!人間と一緒で家族!」

泊地水鬼「でもまだ決まったわけじゃないのよ、今は迷ってるのよね?」

男「今のところはな・・・。でも、今はそんな暗い話してたらお茶会も台無しになるだろ?」

男「今はその話は置いといて、もっとお茶会を楽しまないとな」

戦艦棲姫「そうね、ごめんなさいね。じゃあ次は・・」

水母棲姫「それじゃあ泊地と人間で互いに呼び合ってよ」

男「え?」

水母棲姫「私、見たいのよね。親子が呼び合う光景♪」

男「そんなに珍しいものなのか・・?」

北方棲姫「ほぽ!見てみたい!」

ヲ級「ヲッ!ヲ級モ見タイ!」

男「わ、分かった・・。えっと・・・母さん」

泊地水鬼「なぁに?コウ君」クスッ

重巡棲姫「お、おお・・・なんてまぶしい光景なんだ・・・」

港湾棲姫「まぶしくて直視できない・・・」

駆逐水鬼「ふむ、そういえば人間は"コウ"と言う名前だったな・・・棲姫、行け」

駆逐棲姫「えっ?!わ、私?!」

駆逐水鬼「今、人間と仲を近づける最大のチャンスだ」ボソ

駆逐棲姫「う、うん・・・!」

駆逐棲姫「あ、あのね!ちょっといいかな?」

男「どうした?駆逐棲姫」

駆逐棲姫「えっとね・・あ、あの・・私も・・」モジモジ

駆逐棲姫「そ・・その・・・」カァアア

男「・・・?熱でもあるんじゃないか?」

駆逐棲姫「ち、違うよ!わわ私、料理の練習をしてるんだ!」

駆逐棲姫「だからね!また今度作って持ってこれるように頑張るから楽しみにしててね!」

男「ああ、楽しみにして待ってるよ」

駆逐棲姫「う、うん!(ごめん・・・水鬼ちゃん)」

駆逐水鬼(ふむ・・・まだまだだな・・)


駆逐古鬼「あの娘ったら何してるのよもう・・・!人間もどんくさいわね・・・!!」ギギギ

集積地棲姫「お前何してるんだ?」

こうして俺の歓迎会は終わった ・・・何処からか視線を感じるけど

――――森林道

男「おい、どこに行くつもりなんだ?」

レ級「まぁついて来いって、いいもんあるからよ」

ヲ級「ヲッヲッ モウスグ 着ク」

レ級「そろそろだな・・ほら!着いたぜ!」

男「これは・・温泉か?!」

レ級「そうだぜ!お前鎮守府の風呂で気まずそうだったし、ゆっくり湯船につかりたいって思った時もあるだろ?」

ヲ級「ヲ級トレ級 イッショニ見ツケタ」

男「そうだな・・鎮守府の風呂は姫達ばかりで目のやり場に困ってたからな・・」

レ級「ここならだれにも邪魔されずにゆっくりと入れるぜ!ほれ、タオルと脱衣カゴ」

男「ありがとうな。じゃあ俺は少しゆっくりしていくよ」

ヲ級「ヲキュ ゴユックリ」

レ級「じゃあ俺たちはいったん帰るぜ!じゃあな!」

男(温泉か・・・まさかこの島にあるなんて・・)チャプ

男「おお・・気持ちいいな・・湯加減もちょうどいいし・・」

男「こうやって風呂に入るのも久しぶりだな」

タブンコノアタリダガ
アッ アレジャナイ?

男(・・・ん?この声って・・まさか!?)

重巡棲姫「む、またしても会ったな人間」

戦艦棲姫「あら、人間もこの場所知ってたのね」

男「あ、ああ・・レ級達に教えてもらって・・」

リコリス棲姫「何だ、私たちが一番風呂じゃないのか」

戦艦棲姫「まぁまぁいいじゃない。さ、入りましょ」

男「えっ!ちょ、ちょっと待ってくれ!」

リコリス棲姫「何か問題でもあるのか?」

男「いや、だって!男性と女性が一緒に入ったら・・!」

戦艦棲姫「知ってるわよ私、こういうのって"混浴"って言うんでしょ?」

男「そ、そうだけど・・」

戦艦棲姫「なら問題ないじゃない、お邪魔しまーす♪」

男(普通に入って来たな・・どうする・・俺・・)

リコリス棲姫「初めて会うな人間、私は"リコリス棲姫"だ」

男「うおっ!いつの間に近くに・・・」

戦艦棲姫「この姫はちょっと遠出しててついさっき帰って来たのよ」

リコリス棲姫「丁度風呂に入りたいなと思ってな、ここに連れてきてもらった」

重巡棲姫「人間がいるのだったら泊地も呼べばよかったな」

戦艦棲姫「中枢と話してたみたいだし、無理だと思うわ」

重巡棲姫「泊地は母親ではないと自分で否定してたのか・・・」

戦艦棲姫「あんなことがあったらねぇ・・」

男「説得して、ようやく俺の母親であることを認めてくれたんだ」

リコリス棲姫「ほぉ、グッジョブだな」

男「その後急に抱き付かれてな・・嬉しかったんだろうな・・」

戦艦棲姫「そうね、息子にそう言われたら否定もできなくなるしね」

重巡棲姫「やはり子が立派だと親も嬉しいだろうな」ウンウン

リコリス棲姫「それで、抱き心地はどうだった?」

男「あんな時でそんなこと知れるかよ!」

ン?ドウヤラセンキャクガイルヨウダ
ソウミタイネ

男(え・・・?!この声って・・・!)

泊地水鬼「あら、皆入って・・・コウ君も?!」

中枢棲姫「ほぉ、人気のある温泉だな」

リコリス棲姫「げっ、中枢じゃないか」

中枢棲姫「何だ?嫌なのか?」

リコリス棲姫「いや・・別に・・」

防空棲姫「広い温泉だな、集積に聞いてやってきたんだが」

男「中枢たちも聞いてやってきたのか?」

泊地水鬼「ええ、ゆっくり話し合おうという提案でここを教えて貰ったの」

中枢棲姫「しかしこう客が多いとな・・まぁ、入らせてもらうが」

男(かなりの大人数になってきたな・・)

中枢棲姫「ふむ・・・良い湯加減じゃないか」

リコリス棲姫「威圧がマジパネェッす」

防空棲姫「リコリス・・・その言葉どこで覚えた・・」

リコリス棲姫「遠出してたら艦娘に会ってな、それで教えてもらった」

男(・・・こう眺めてみると、みんな体が綺麗だな・・)

泊地水鬼「どうしたの?私たちの体なんか眺めて・・」

男「あ・・・いや、何でもない」

重巡棲姫「もしかして、泊地の体に見惚れていたのか?」

男「そ、そうじゃないぞ!」

泊地水鬼「でもコウ君になら見られてもいいかなーって思うの」クスッ

リコリス棲姫「お前らホントに親子の関係か・・?」

男「お、親子だぞ!うん!」

中枢棲姫「全く・・騒がしいな」

防空棲姫「まぁ良いじゃないか、たまにはこういうのも悪くない」

中枢棲姫「ふっ・・そうだな。それとレ級とヲ級、隠れてないで一緒に入ったらどうだ?」

レ級「えぇ・・ばれてたの・・」

ヲ級「ヲー・・・」

防空棲姫「そんな隠れるほどでもないだろう、さぁ早く入れ」

レ級「・・・じゃあお言葉に甘えて・・うしっ!」バッ

中枢棲姫「待て、飛び込んで入ろうとするのなら・・分かってるな?」ゴゴゴゴ

レ級「お邪魔します・・」チャプ

ヲ級「ヲッ」チャプ

男(飛び込もうとはしてたんだな・・・)

その後、俺の世界の事の話やこっちの世界について色々話し合った

今日は酔いが回って来たのでここまでにします
また明日続き書いていきます(イベント完遂したのでペースあげていきます)

――――砂浜

レ級「いやー、気持ち良かったなぁ」

ヲ級「サッパリ シタ」

男「まさか温泉に入れるなんてな、ありがとうな」

レ級「へへ、気にするなよ。大したことじゃねーし」

男「考えてみたら、ここでの生活も悪くないかもな」

レ級「お?もしかしてこっちに住むことを考えてるのか?」

ヲ級「ヲー!人間と一緒!」スリスリ

男「おいおい、まだ決まったわけじゃないんだぞ。・・・そろそろ夕方だな」

レ級「とは言っても夕食までまだ時間あるし暇だな・・そうだ!オレが良いもの持ってきてやるから少し待ってろ!」

――――数分後

レ級「持ってきたぜ!」

男「これは・・・集積地棲姫の部屋にあったラジオじゃないか。いいのか?」

レ級「ああ!借りていくぜ!って言ったらすんなりと貸してくれた!」

ヲ級「ヲッヲッ 聴いてみたい」

男「よし、じゃあ俺に任せてくれ・・・周波数はっと・・」

――――トードケートードケー

男「おっ!聞こえたようだ!今は歌の番組がやってるらしいな」

ヲ級「ヲッ♪ヲッ♪」

レ級「良い曲だなこれ、なんて曲だ?」

男「最後に教えてくれるはずだ。今は聴いておこう」

レ級「いろんな歌が流れてたな」

ヲ級「ラジオ オモシロイ」

男(そういえば他のチャンネルは何がやってるんだ?)

ザー・・・―――次のニュースです

男「おっ、ニュース番組か」

レ級「へぇ、あっちの世界では何が起こってるんだ?」

-----――高校の生徒たちを乗せた墜落した飛行機の捜索が続けられていますが、未だに見つかっておらず・・

男「まだ捜索してたのか」

レ級「飛行機はこっちの世界にあるから門をくぐらない限り見つからないだろうな」

男(・・・・・親父たち、今頃どうしてるんだろうな・・・)

----もうあの子には会えないんですね・・・ザザッ

男(!? この声・・・お袋だ!)

----ちくしょう!奇跡でも起こってくれよ・・!ザザッ

男(親父!)

―――――このようにザザッ遺族からの怒りや悲しみの声も飛んでおりザー

レ級「うへぇ・・あっちも大変だな。なぁ人間」

男「・・・・・」ポロポロ

ヲ級「ヲー!ドウシタ?!」ワタワタ

レ級「もしかして・・・あっちの世界の人間の家族の事が気になって・・」

男「・・・・ああ、やっぱり俺は・・・戻ったほうが良いのか・・?」

ヲ級「ヲー・・」

男「ちくしょう・・・本当の母親にまた会えたのに・・育ててもらった親にも会いたいだなんて・・」

男「俺はどうすれば・・・?!」

レ級「・・・・もしかして今の声って・・」

男「俺を育ててくれた家族だ・・」

レ級「・・・・悪い・・変な思いさせちまって・・」

男「気にするなよ、お前に悪気はないんだろ?」

男「そろそろ夕食だし、俺は先に鎮守府に行ってくる。二人も早く来いよ」ザッ


ヲ級「ヲ・・人間・・カエッチャウ・・?」

レ級「・・・かもしれないな。まだわからないけど」

レ級「ただ、人間が決めた!ってなったらヲ級、お前じゃ止めることは難しいかもしれないぞ」

ヲ級「・・・・・」

―――――夜 砂浜

泊地水鬼「そう・・コウ君の世界の両親が・・」

男「ああ・・とても悲痛な声で話してたよ・・」

男「母さんは、俺がここに残って欲しいと思ってるのか?」

泊地水鬼「本音を言えばそうね・・でもここに残るか帰るかはコウ君が決めること・・」

泊地水鬼「だから私は口出ししないわ」

男「・・・・ごめん・・母さん」

泊地水鬼「いいのよ、あの人だってきっとそういうに違いないわ」

泊地水鬼「"お前の未来はお前が決めろ"って」

男「・・・・・」

泊地水鬼「だから、私たちのことは気にしなくていいのよ」

男「・・・よし、近いうちにまた中枢棲姫に言ってくるよ」

泊地水鬼「ええ、わかったわ。・・・ねえ、ちょっといいかしら?」

男「え?どうしたんだ?」

ギュッ

男「・・・・母さん?」

泊地水鬼「みんな、みんな分かってくれるわ・・あなたの気持ち・・」ナデナデ

泊地水鬼は俺を抱いて頭を撫でてくれた 恥ずかしいけど・・・何か懐かしい そんな感じだった


――――数分後

男「ごめんな、こんな時間に呼び出して」

泊地水鬼「別に構わないわ。今日はもう遅いし、帰るわね」

男「ああ、おやすみ。母さん」

泊地水鬼「ええ、おやすみなさい」

泊地水鬼(・・・・本当に立派ね・・まるであの人みたい・・)

泊地水鬼(ふふっ、将来あの子も提督みたいになるのかしら)

――――数日後 小屋

男(・・・・・・)

――――よぉし!起きろ!今すぐ出発だ!

男(親父は漁師でいつも朝が早くて・・・俺も一緒に連れていかれたことがあったっけ・・)

――――ご苦労様、ほら朝飯食べなさい

男(お袋はいつも優しくて気遣ってもくれた。相談にもよく乗ってくれた)

――――お兄ちゃん!宿題教えて!

男(妹は絵が本当に上手なんだけど、他はまるでからっきしだったな・・・)

男(・・・・・・・・)

――――ヲキュッ!ニンゲン!

――――よぉ!今日も一緒に遊ぼうぜ!

男(ヲ級・・・レ級・・いつも俺のそばにいて、一緒に遊んだり、協力もしてくれたんだよな)

―――――本当はあなたと一緒にいたいけど、コウ君が決めることよ

男(母さん・・・俺の母親として生きることを決めたんだよな・・俺も・・自分の生き方を決めないとな・・)

―――――お前の未来は、お前が決めろ!

男(父さん・・・生きていたらこんなこと言いそうだな・・でも・・熱い気持ちは伝わってくるよ)

男(俺は・・・・そうだな・・)

―――――翌日

男「朝か・・・」

コンコン

男「・・・今開ける」

ガチャ

レ級「よぉ。・・・人間、その顔は・・」

男「ああ、決めたよ。今から報告しに行ってくる」

レ級「・・・そうか。中枢は今鎮守府の応接間にいるぜ」

男「ああ、ありがとうな」

――――――深海鎮守府 応接間

中枢棲姫「・・・・どうやらその顔を見る限り、結論は出たようだな」

男「ああ・・」

男(俺が決めた決意を・・ここで言うんだ!)



元の世界に帰る or この島に残る

今日はここまでです

一応二つルート選択してます また後程でもう一つのルートを見たいという希望があれば書いていきます

とりあえず元の世界に帰るというルートを先に書き、次に島に残るルートも書いていきたいと思います
今日は更新はない予定です すみません・・

"元の世界に帰る"

男「・・・俺はここにいる皆と産んでくれた母さんともう一度一緒に生活ができてもいいなと考えていた」

男「けど・・!俺をここまで育ててくれた両親に会いたい気持ちが強かった・・・!」

男「だから・・・俺は・・・!」

男(母さん・・ごめん・・)

泊地水鬼「・・・・」コクッ

男「・・・・俺は"元の世界"に帰ることにする」

中枢棲姫「・・・それがお前の答えか」

男「ああ・・・二言はない」

中枢棲姫「そうか、人間がそう決めたのなら私たちは止めない、人間の意見を尊重する」

男「ありがとう・・・中枢棲姫」

空母棲姫「なら、私たちはもう一仕事しないといけないな」

重巡棲姫「人間、手伝えることがあったら言ってくれ。いつでも手を貸そう」

駆逐棲姫「わ、私も手伝うよ!」

男「みんな・・」

防空棲姫「人間、どうやらいい仲間を持ったようだな」

男「ああ・・俺は今から帰る為の船を作りに行く」

港湾棲姫「よし・・・私の出番だな」

北方棲姫「ほっぽも手伝う!」

中枢棲姫「よし!各自!人間をこの世界から元の世界に帰れるよう、サポートにつけ!」

一同「おー!」




ヲ級「・・・・ニンゲン カエッチャウ・・」

ヲ級「・・・・」

―――――砂浜

男「必要なのは土台になる木材が必要だな」

重巡棲姫「木材か、筏を作ることにしたんだな」

男「ああ、それが一番手っ取り早いからな」

重巡棲姫「ふむ・・木材の方は任せておけ、人間はジャンク広場で何か役立つものを探してきたらどうだ?」

男「そうか、悪いな・・手伝ってくれて」

戦艦棲姫「気にしないで。さ、行ってらっしゃい」

男「ありがとう じゃあ行ってくるよ」


重巡棲姫「・・・・それで、木材はあるのだろうか?」

戦艦棲姫「あんたねぇ・・まぁ、森林の中にはありそうだけど・・」

港湾棲姫「確か奥の方に何本か太い木が生えてたな・・」

重巡棲姫「よし、森林の奥地に向かうぞ」

――――ジャンク広場

男「さて・・何かあるかな?」

レ級「お!人間じゃーん!」

集積地棲姫「人間・・お前もここに来てたのか」

男「集積地棲姫か・・お前こそどうした?」

北方棲姫「ほぽ!ほっぽも何か手伝いたい!」

PT子鬼「ギー!」

集積地棲姫「見てわかるだろ?子守だ・・・くそっ・・」

男(無理矢理押し付けられたのか・・)

レ級「つー訳で俺達もここに来たわけ。何かすることあるか?」

男「それなら手分けして使えそうなものを探して欲しいんだが・・」

集積地棲姫「仕方ない・・手伝うか・・」

男「流石にもうないのか・・?」

北方棲姫「ほぽ!人間!持ってきた!」

男「"タイヤチューブ"?こんなものも流れてきてたのか」

集積地棲姫「丁度4つある、これで船の補強ができるぞ」

男「そうか!これで浮き輪替わりにもできるのか!よし!」

PT子鬼「ギ!」ヒョイ

男「どうした?・・・これは"水筒"か。これで水を持って行けるな」

集積地棲姫「あと、縄も必要だろう。"荒縄"だ」

レ級「オレも見つけたぜ!"リュックサック"だ」

男「みんな・・ありがとう。使えそうなものは集まったし、いったん砂浜に戻るよ」

北方棲姫「ほぽ!次は組み立てか?」

男「ああ、みんな戻ってきてそうだしな」

――――砂浜

港湾棲姫「人間にほっぽ・・戻って来たか」

男「どうやら木材は集まったようだな。ありがとう」

戦艦棲姫「それよりもそろそろお昼だけど・・どうする?」

男「いったん休憩にしてから組み立てるとするよ。じゃあ鎮守府に・・」

マ マッテ!

男「この声は・・・駆逐棲姫か。どうした?」

駆逐棲姫「あ、あのね・・お弁当作って来たんだ・・一緒に食べない?」

男「おお、弁当か。じゃあここで食べていくか」

港湾棲姫「私たちもお昼にするか・・」

北方棲姫「ほぽ!」

重巡棲姫「では昼休憩だな、また会おう」

男「ああ、またな」

男「へぇー色々あるじゃないか」

駆逐棲姫「港湾水鬼に教えてもらったんだ、まだまだだけど・・」

男「どれどれ・・・この卵焼き、中々いけるな!」

駆逐棲姫「そ、そうかな・・//」

男「駆逐棲姫はいい嫁さんになれるぞ」

駆逐棲姫「えっ・・・そそそそれって・・・!?」カァアア

男「きっといい人に出会えるに違いないさ。そうだろ?」

駆逐棲姫「・・・・う、うん。そうだね・・」ションボリ

駆逐古鬼「ほぉーら、私が入れてあげたお茶でも飲んでのどを潤しなさいよ。さぁ!」グイッ

男「おい・・!待て・・!これって熱いお茶・・・あっつぅ!」

駆逐水鬼「このおにぎりは具があって美味しいな」モグモグ

レ級「このエビフライうめー!」

なんだかんだで昼を済ませ、筏製作の続きを行うことにした

――――数時間後

男「うーん・・もう夕方か・・」

重巡棲姫「しかし、あと少しで完成しそうだ。明日には出来上がるだろう」

泊地水鬼「コウ君。調子はどう?」

男「あと少しで完成しそうなんだ、ところで母さんはどこに行ってたんだ?」

泊地水鬼「私はさっき偵察から帰って来たところよ」

男「母さんも同じ部隊に入ってるのか?」

泊地水鬼「ええ、今まで仕事できなかったからその分頑張らなくっちゃね」

男「ありがとう、でも無理はしないでくれよ・・大事な母親なんだから」

泊地水鬼「ふふっ、ありがとっ」

重巡棲姫(本当にまぶしいな・・・)

戦艦棲姫(あの笑顔・・守らなきゃね)

レ級「おーい!そろそろ夕食だぜー!」

重巡棲姫「む、では鎮守府に戻ろうか」

戦艦棲姫「そうね、行きましょ」

男「なぁレ級、ちょっと話があるんだ」

レ級「お?何だ、聞いてやってもいいぜ?」

男「母さん、それにみんな、先に行ってもらってもいいかな?」

泊地水鬼「ええ、分かったわ。また鎮守府でね」


レ級「・・・・ヲ級の事か?」

男「ああ・・・お前と一緒にじゃなかったからな・・何かおかしいと思うんだ・・」

レ級「実はな・・あの出来事以来ヲ級の奴、部屋から出なくなったんだ・・」

男「・・・そうなのか・・やっぱり・・」

レ級「ふん!」ゲシッ

男「がぁ・・!な、何だよ!」

レ級「"俺のせいなのかな・・・"何て言わせねーぞ!!」

レ級「人間の先の事は人間が決めることだ!自分を負に追い込んでんじゃねぇぞ!」

男「そ、そうだな・・悪かったよ・・・じゃあ俺は先に鎮守府に向かうぞ」

レ級「おう!またな!」



レ級「・・・・オレだって寂しいさ・・けどお前が決めたんだから仕方ないよな・・」

レ級「ヲ級・・・分かってくれよ・・」

レ級「・・・オレも鎮守府に向かうか」


ヲ級「・・・・・・」

ヲ級「ヲッ・・・ニンゲン・・カエッチャウ・・・モウアエナイ・・」

――――翌日

男「よし・・後はロープを近くの木に括り付けて動かないように・・できた!」

重巡棲姫「ふむ、立派な筏だな」

集積地棲姫「とは言ってもよく見る筏の形だがな」

戦艦棲姫「港湾棲姫で試乗テストして大丈夫だったし、これで完成ね」

港湾棲姫「何かショック受けた・・」

北方棲姫「ほっぽも乗りたかった!」

防空棲姫「どうやら船の方は完成したそうだな」

男「ああ、後は出発するタイミングを決めるだけだな」

防空棲姫「それについて話がある、鎮守府に来てくれるか?」

男「話?わかった、すぐに行くよ」

―――深海鎮守府 応接間

中枢棲姫「空母棲姫の情報によると、嵐が起きそうな予感がするらしい」

男「本当か?いつぐらいだ?」

中枢棲姫「明日には来るだろうという事だ」

男「明日・・・筏も完成したし、ちょうどいいな」

防空棲姫「何とタイミングが良いのか、人間は本当に幸運の持ち主だな」

男「もしかしたら、俺が生きてるのは幸運じゃなくて運命だったのかもな、本当の母親に会ったりしたんだし・・」

中枢棲姫「それも考えられるな・・また明日に偵察を出すように仕向け、嵐を発見次第、人間に伝える」

男「分かった。・・・実質これがここで過ごす最後の日になるんだよな」

防空棲姫「そうなるな・・・お前には会う人物がいるだろう?」

男「・・・ああ・・今から会いに行くよ」

―――寄宿舎 廊下

コンコン

泊地水鬼「はい・・あら、コウ君。どうしたの?」

男「・・・あのさ、話があるんだ・・・いいかな?」

―――――泊地水鬼の部屋

泊地水鬼「そう・・・明日には出発するのね」

男「ああ・・実質ここで生活するのが最後の日なんだ・・・」

男「・・・俺だって・・・母さんともう一度一緒に過ごしたかった・・」

男「けど・・元の世界に戻って俺を育ててくれた両親に恩を返したかったから・・・」

泊地水鬼「・・・・・」

男「だから・・・ごめん・・母さん・・」

泊地水鬼「私も・・できればコウ君と一緒にまた過ごしたかった・・・」

泊地水鬼「一緒にご飯食べたり・・一緒にお話ししたり・・けど仕方ないわ・・だってコウ君が決めたことなんだから・・」

泊地水鬼「謝ることはないのよ・・・あなたの出した答えは間違いじゃないわ」スッ

男「母さん・・母さん・・・!」ギュッ

泊地水鬼「本当に・・・本当に立派になったわね・・・」ギュッ

男「・・・ごめん、急に抱き付いたりして」

泊地水鬼「いいのよ、受け入れるのが母親の役割ですもの」フフッ

男「あのさ、最後に一つだけ・・・いいかな?」

泊地水鬼「なぁに?」

男「今日だけ・・・一緒に寝てもいいかな?」

泊地水鬼「・・・ふふっ、いいわよ。いらっしゃい」

俺は泊地水鬼と一緒にベッドで就寝した 母さんは俺を優しく抱いて頭を撫でてくれた

ほんのり優しい香りがして 母さんの優しさが俺を包み込んでくれてるような感じだった そしてそのまま眠りについた・・

―――翌日

男「朝か、いい天気だな・・」

泊地水鬼「ええ・・本当に・・」

男「母さん・・」

泊地水鬼「おはよう、コウ君」ニコッ

男「・・・おはよう、母さん」

そして ついに別れの時が来た

今日はここまでです
深海勢で母性持ってそうな人っていなさそうですよね

―――――砂浜

空母棲姫「現在、嵐が海上にて発生している。あの時の嵐と同じだ」

防空棲姫「その嵐に向かえば元の世界に帰れるというわけか」

男「とうとうこの日が来たんだな・・」

砂浜には俺以外に姫全員が来ていた けどヲ級の姿はなかった

戦艦棲姫「なんだか寂しくなっちゃうわね・・」

男「俺も寂しいけど・・・みんなの事は忘れないよ」

重巡棲姫「ああ、しっかりと人間の事を覚えておくぞ」

男「・・・あのさ、最後に挨拶してもいいか?」

中枢棲姫「構わない、嵐もすぐには消えないだろうしな」

北方棲姫「人間・・帰るのか・・」シュン

港湾棲姫「ほっぽ、人間は元の世界に帰ると決めたのだから・・」

港湾水鬼「達者でな・・」

男「ああ、港湾水鬼が作った料理、とてもおいしかったよ」

港湾水鬼「・・・ありがとう」テレ

男「ほっぽ、帰ることになってごめんな」

北方棲姫「・・・謝ることない!人間が選んだ道!ほっぽ!邪魔しない!元気でな!」

港湾棲姫「ほっぽと遊んでくれてありがとう・・・怪我に気を付けてな・・」

男「ああ、3人とも元気でな」

駆逐棲姫「いよいよ行っちゃうんだね・・・」

男「・・・お前も一人で歩けるようになったんだな。俺は嬉しいよ」

駆逐棲姫「・・・私ね、人間が立てるように手伝ってくれたから歩けるようになるまで練習できたんだと思う」

駆逐棲姫「ようやく一人で歩けたのに・・・一緒に散歩できると思ったのに・・」

駆逐棲姫「なのに・・何でお別れしなくちゃいけないの・・・」グス

駆逐水鬼「・・・・・」

駆逐古鬼「ちょっとあんた・・何か慰めてあげたらどうなのさぁ・・」

男「いや・・俺だって何て言ったら・・・」

駆逐棲姫「・・・ううん。むしろ笑顔でありがとうって言うべきなんだよね」

駆逐棲姫「・・私を勇気づけてくれてありがとう」

男「ああ・・・元気でな」

駆逐棲姫「えへへ」

重巡棲姫「ついに行ってしまうのだな」

戦艦棲姫「あっちの世界でも元気でね」

PT子鬼「ギー!ギー!」

集積地棲姫「ふん、こいつの子守をしてくれたことは感謝する」

男「集積地棲姫もラジオを貸してくれてありがとうな」

集積地棲姫「・・・まさか人間を私の部屋に入れるとはな・・でもそれもおしまいだ」

集積地棲姫「二度とこっちに戻ってくるなよ」プイッ

戦艦棲姫「ごめんなさいね。あの娘、素直になれないのよ」

重巡棲姫「ここに来る前までは寂しくなるとか言ってたがな・・」

集積地棲姫「おい!ばらすな!」

男「はは・・・ありがとう」

中枢棲姫「まさか今となって提督の息子に再び会えるとはな」

防空棲姫「だが今日でまた別れか」

男「色々と協力してくれてありがとうな。服も貸してくれて・・」

中枢棲姫「容易いことだ、提督の軍服を来てるお前を見てるとあの提督を思い出す」

防空棲姫「まるで父親そっくりだったな」

男「父さんと・・・か」

防空棲姫「提督が生きていたら・・親子そろって見ておきたかったな・・」

男「・・・・・」

防空棲姫「すまない、こんな時に言う事じゃなかったな・・」

男「でも墓参りに行けたし、きっと父さんも喜んでるだろうな」

中枢棲姫「ああ・・そうだな。達者でな人間」

防空棲姫「私たちは誇り高き提督の息子を忘れない」

男「俺も、みんなの事は忘れないよ」

男「・・・・母さん」

泊地水鬼「・・・いよいよお別れね」

男「こういう時は何て言えばいいのか・・・」

泊地水鬼「・・・・・」

男「俺が悩んでた時、母さんに相談しに行くといつも聞いてくれた」

男「優しく悟ったり、慰めてくれたり・・頼りになる母親だった」

泊地水鬼「コウ君・・・」

男「けど・・!もうその声も聞けなくなると思うと・・!俺は・・!」

泊地水鬼「私も・・・コウ君に会えないと思うと・・悲しいわ・・!」

泊地水鬼「でも・・・あなたが進む道を決めるのはあなた・・だから止めはしないわ!」

泊地水鬼「だから・・・泣かないで・・最後は笑顔でお別れしましょ・・」

男「母さん・・・さようなら!」ギュッ

泊地水鬼「元気でね・・コウ君・・」ギュッ

男「レ級・・いよいよお別れだな」

レ級「おうおう!ママとの抱擁はどうだったよ?!良い香りしたか?柔らかかったか?」

男「・・・・・」

レ級「ん?あ、そうかー!俺みたいな体の方が抱き心地が良さそうとか思ってそうだな?触ってみるか?」

男「レ級」

レ級「あ!なんなら、今オレがしてやってもいいぜ!さぁどんと―」

男「やせ我慢は良くないぞ、寂しいんだろ?」

レ級「はぁ?!だ、誰が寂しくなるかだって!?ざけんじゃねぇ!オレは全然寂しくなんか・・!」

レ級「・・・寂しく・・・なんか・・」グスッ

男「素直に言えよ、寂しいんだろ?」

レ級「だあああああああ!オレはこんなしんみりとしたのは苦手なんだよお!」

レ級「ぢっぐしょおおお!寂しいんだよおおお!でも仕方ないんだよな!オレ達の事忘れんなよ!」ヒッグエッグ

男「ああ!お前の事なんて忘れるもんか!」

レ級「わああああああああああああん!」ギュー

男「うぐおおおお!力強いなお前!」

男「・・・・・やっぱりあいつはいないか・・」

レ級「悪ぃ、最後だから部屋から出て見送ろうぜって言っても返事がなくてな・・」

男「そうか・・・なら伝言をしてくれないか」

レ級「おう、最後のお願いだな」ニシシ

男「ああ、ヲ級に会ったら――」

ヲキュー!ヲッ!ヲッ!

男「ヲ級!」

レ級「おまえ!今までどこに行って――」

男「うおっ!?」

ヲ級「ヲー!ヤダ!ニンゲン!カエラナイデ!」

レ級「ヲ級・・・!てめぇ・・!」

防空棲姫「ヲ級、人間の意志を尊重すると言っただろ。引き留めることは許さんぞ」

ヲ級「ヤダ!ニンゲントイッショニイタイ!」

レ級「ヲ級!いい加減に!」

男「待ってくれ!」

レ級「人間・・」

男「ヲ級・・急に帰るだなんて聞くとお前は引き止めると思っていた」

男「けどなかなか会えなくて話せる機会がなかった・・けど、今来てくれて俺は嬉しい。聞いてくれるか?」

ヲ級「ヲー・・」

男「お前達と過ごした日々はとても楽しかった。一緒に遊んだり、運動したり、飯を食べたり・・」

男「いろんなことがこの島であった。・・・けどそれも今日で終わりだ」

男「だからと言ってお前たちの事なんか忘れるもんか!過ごした日々も忘れない!」

男「ヲ級!俺がいなくなっても!俺と過ごした日々は忘れるな!」

ヲ級「・・・ヲッ!」

男「俺がいなくなっても、お前との絆は消えない!」


男「俺とお前は!ずっと"友達"だ!」

ヲ級「・・・ヲッ!ニンゲン!ズットトモダチ!ヲ級!ワスレナイ!ダカラ・・・ダカラ・・!ゲンキデネ!」

男「ああ・・!お前の方こそ元気でな・・・・!」

男「・・・・これでみんなに挨拶は済ませたな。よし、じゃあそろそろ行くよ」

レ級「じゃあな・・・!人間・・・!」

泊地水鬼「気を付けて帰るのよ・・・」

男「ああ・・・さようなら・・」

中枢棲姫「全員!提督の息子の敬意を讃え!無事の帰還を願い、敬礼せよ!」

ビシッ

男「・・・・!」ビシッ

敬礼した後、俺は結んであったロープをほどき、ゆっくりとパドルで漕ぎ始めた


ヲ級「・・・!」ダッ

ヲ級「ヲキュー!ニンゲン!ワスレナイデ!ズットズットトモダチ!」

男「・・・忘れ・・ないさ・・・!」

------
男「う、うわぁあああああああああ!」

ヲ級「ヲッ?!」

男「な、何だよお前!?う、宇宙人か?!化物か?!」
------

男「・・・・・・ぐっ!」

-------
ヲ級「ヲッ!ヲッ!」コクコク

レ級「話せるようになりたいってさ!」

男「よーし、まずは文字の読み方からだな・・」
------

男「忘れる・・・ものか・・!」

------
ヲ級「ヲー!人間と一緒!」スリスリ
-----

男「・・・うああああああああああああ!」ポロポロ

俺は振り返らずに必死にパドルを漕いだ 涙目になりながら必死に 何度も 何度も・・・

いったん中断します
続きは今日書けたら帰還ルート書き切ります

あと>>99の文で
男(集積地棲姫が修理すれば治してつかってるのもそうなのか・・?)→男(集積地棲姫が修理して使ってる物がそうなのか・・?)

に修正いたします 遅くなりましたがよろしくお願いします

でもさこれで帰れるってわかってないのに実際ただ天候が荒れてるってことだけで
なんでこれで戻れるってみんな信じてるんだろう……

レ級「・・・・行ってしまったな」

ヲ級「・・・・ヲッ」

中枢棲姫「ヲ級、もう大丈夫か?」

ヲ級「・・・ヲッ!ヲ級!ニンゲンノ事 忘レナイ 絆 消エナイ!」

防空棲姫「いい友を持ったな、ヲ級」ポン

ヲ級「ヲッ!」

――――海上

男「ずいぶんと漕いだな・・・そろそろか?」

フワフワ

男「あれは・・?」

浮遊要塞「人間、聞こえるか?空母棲姫だ」

男「うおっ!喋った!」

空母棲姫「喋ったというよりも・・・無線で話してると思ってもらうと良い」

空母棲姫「これからこの浮遊要塞で人間を嵐まで案内する、そしてそこからが本当の別れだ」

男「そうか、最後までありがとうな」

空母棲姫「礼を言うのはこちらの方だ。・・・ヲ級と遊んでくれたり、言葉を教えてくれて感謝する」

男「どういたしまして、じゃあ嵐がある方向はどっちか教えてくれないか?」

空母棲姫「ここからもうちょっと進んでいったところに嵐があるはずだ」

男「わかった、あと一息だな」

数分後....

空母棲姫「見えたぞ。"嵐"だ」

男「これが・・・・本当にこれで帰れるのか?」

空母棲姫「ああ、私たちが遭遇し、泊地が人間を手放した時と同じ嵐だ」

男「じゃあここでお別れだな。ありがとう、案内してくれて」

空母棲姫「ああ、気を付けてな」

男「・・・・よし!俺も男だ!行くぞ!」

―――――海上 暴風域

男「結構・・・!波が凄いな・・!物も飛んで来るぞ・・けど!俺は帰ってみせる!」

男「この嵐をくぐれば・・・元の世界に帰れるんだ!そうに違いない!」

パドルを一回 一回と漕いで前へと進んだ 先は果てしない暴風域だったけど諦めずに漕いだ

男(・・・・・さようなら母さん、父さん・・ヲ級 レ級、そして・・みんな・・)

男(元気でな・・・)

―――――砂浜

空母棲姫「・・・・・人間の気配が消えたな」

レ級「もしかして・・波にさらわれたのか?!」

空母棲姫「いや・・一瞬にして消えた・・さらわれたのなら熱源反応があるはずだが・・・」

中枢棲姫「となると・・瞬間的にあっちの世界に戻ったというのか」

レ級「マジかよ・・」

泊地水鬼(・・・・元気でね。あちらの両親に元気な姿を見せるのよ・・・)

それから 数日の月日が経った...

――――集積地棲姫の部屋

レ級「だあああああああああ!また負けた!」

集積地棲姫「ふん、これで10連勝だな」

レ級「ちっくしょー・・・何か裏技でも使っただろ?!」

集積地棲姫「使わなくてもお前には勝てる」

レ級「んだとー!」

戦艦棲姫「はいはい二人とも、喧嘩しないの」

集積地棲姫「戦艦!いつの間に!?」

重巡棲姫「私と一緒に入って来た」

集積地棲姫「おまえ・・・!」

戦艦棲姫「それにしても散らかってるわねー、掃除するわよ」

集積地棲姫「何でだよ!私はこれが一番落ち着くんだよ!」

戦艦棲姫「問答無用!ほら、雑巾」

集積地棲姫「くそっ・・・何で・・」

レ級「しょーがねー、やるしかないか」

重巡棲姫「よし、私たちも始めるか」

レ級「どうせだしラジオ点けながらやろーぜ!ってこれどうやるんだ?」

集積地棲姫「少し待て・・・周波数をいじってだな・・」

~♪

戦艦棲姫「あら、綺麗な音色ね」

レ級「楽器でも弾いてんのか?」

重巡棲姫「おそらくそうだろうな、よし、じゃあ――」

-------臨時ニュースをお知らせします

レ級「おい!何だよせっかく聴いてたのによー!」

レ級「・・・って、マジかよ!?」

戦艦棲姫「はやく中枢に知らせないと!」

―――――深海鎮守府 応接間

中枢棲姫「どうだ?海の様子は」

泊地水鬼「そうね、異常はなかったわ」

ヲ級「ヲッヲッ。静かな海だった」

泊地水鬼「・・・・・・」

防空棲姫「やはり、人間の無事が気になるのか?」

泊地水鬼「ええ・・本当に帰れたのか・・不安なの・・・大丈夫かしら・・」

中枢棲姫「・・・今のところ情報がつかめないからな」

ドドドドド...

レ級「た、大変だ―!」

ヲ級「ヲッ?レ級、ドウシタ?」

中枢棲姫「お前たち・・・静かに部屋に入ることもできないのか?」

重巡棲姫「それはすまない・・だが、この放送を聞いてくれ!集積!」

集積地棲姫「分かってる!少し周波数がずれたから今直す!」

-------昨晩、ザザッ・・海岸に・・

泊地水鬼「まぁ・・・!」

戦艦棲姫「よかったわね・・・泊地・・」

泊地水鬼「えぇ・・!本当に・・・」

ヲ級「ヲー!」ピョンピョン

防空棲姫「中枢、吉報だな」

中枢棲姫「ふっ・・・奇跡というものは存在するのだな」





----修学旅行で墜落した旅客機に搭乗していた―――高校の男子生徒一人が日本の海岸で発見されました

今日はここまでです
エピローグを書き終えた後に島に残留ルートも書いていきます

>>306
空母棲姫が数年前 泊地水鬼と一緒に艦娘のいる鎮守府に向かう際中、嵐に遭遇し 物が飛ん出来たものがあちら側の世界の物だった(流れ着いたのもあちら側の世界の物)と言う設定にしました
それと同時にこちら側からあちら側にも行けることになっており 赤ん坊(今の男)があちら側(男が育った世界)に流れ着いたということです

わかりにくかったらすいません・・・

ちょっとかなりの無理があるかな?
まぁ嵐のなか砂浜側からどうやって目的地まで漕いだんだ大きい船でさえ難破したりするのに戻されて砂浜に逆戻りだよ何の実験もしないで戻れること確定みたいな感じだし
逆に深海や艦娘が男が戻ろうとしてる世界に飛ばされる事はなかったのかとかさ

>>314
306じゃないけど
状況から多分そうだろうとは思えても
本当にその嵐で行き来できるのか確証持てないまま筏で嵐に突っ込むのはなかなかやり過ぎな気はする

気が付くと俺は病院のベッドに寝ていた。嵐の中を必死に進んでいた俺はいつの間にか気を失っていたようだ

どうやら気を失った後、砂浜に倒れこんでいて近くの住人が病院に運んでくれたらしい

その周りには医者がいたから俺はここはどこなのか聞いてみた すると医者は日本のある病院と答えてくれた

俺は自然に涙が出た 元の世界に帰れた嬉しさともうヲ級達には会えない悲しみの両方だった

その後、警察が入ってきて俺の事を聞いてきた。どうやって帰って来たのか 他のみんなはどうなったか

俺は深海棲艦の島で起こったことを言わずに 無人島に流れ着いて一人で船を作って帰って来たと話した

もちろん他のみんなはどこにもいなかったと答えた

警察は更に事情聴取を行い 数時間してようやく解放された

医者からは数か月の入院が必要ということを聞いた後、病室の扉が勢いよく開いた

そこには俺の家族がいた

みんな一斉に駆け寄り、親父は紙のようにクシャクシャとした顔で泣き、お袋と妹は涙を流しながらお帰りと言ってくれた

ようやくみんなの元に帰ってこれた・・・俺も涙が止まらなかった・・・

この話題は多くの放送で流れ、有名になったが、数か月もしたら何事もなく風化していった

俺は退院後、別の高校に転入し、いつものように過ごした

そして数年の月日が経った・・・

―――――海岸

男「これでよし・・・と。よし、行ってこい」

女「ねぇ、何してるの?」

男「あぁ、ボトルメールって知ってるか?ほら、手紙を入れた瓶を海に流して拾ってもらうやつさ」

女「へぇー・・・あ、もしかして浮気相手?」

男「そ、そんなんじゃないぞ!」

俺は大学に進学し、卒業した後、今では社会人として働いている

その数年後に同僚と結婚し、二人で一緒に住んでいる

そして、もうすぐ一児の父になる予定だ

女「じゃあ誰宛なの?」

男「・・・俺の友達さ、遠い遠いところのな」

女「そっか、届くといいね」

男「・・・なぁ、奇跡って信じるか?」

女「奇跡?」

男「たとえ無理そうなことでもできたりする・・俺はあると思うんだ」

男「絶望的な状況でも、奇跡があるとなれば前に進んでいけるって」

女「ふふっ、君ってたまにおかしなこと言うよね」

男「そうか?」


女「・・・ねぇ、子供の名前決めてくれた?」

男「ええっと・・まだ決まってないんだ・・」

女「じゃあ、次の病院の診断までの宿題ね」

男「ああ、ちゃんと考えておくよ」



-----気象情報です 現在日本海側で大規模な嵐が発生し、海上は荒れています・・

――――深海棲艦の島 砂浜

集積地棲姫「フン」ビュッ

重巡棲姫「おお、ナイスボールだ」バシッ

レ級「よーし!オレが投げるフリスビーを取ってみやがれ!」

ヲ級「ヲー!」

PT子鬼「ギー!」

戦艦棲姫「あら、集積が運動してるなんて珍しいわね」

集積地棲姫「悪いか?子守のついでだ」

重巡棲姫「体を動かすのは良い事だからな」

ガツン

レ級「あ・・・悪ぃ!悪ぃ!」

集積地棲姫「お前・・・これで三度目だ!仏の顔も三度までって言うだろ!」

レ級「でもお前、仏の顔じゃないじゃん」

集積地棲姫「何だとこの野郎!」

戦艦棲姫「コラ!喧嘩はやめなさい!」

重巡棲姫「やれやれ・・」

PT子鬼「ギ?」ヒョイ

PT子鬼「ギー・・ギ!ギ!」

重巡棲姫「どうした?・・・中に手紙?誰からだ?」

戦艦棲姫「どうしたの?重巡」

重巡棲姫「いや、瓶の中に手紙が入ってるんだ・・」

ヲ級「テガミ?」

レ級「何だ何だ?」

重巡棲姫「これは・・」

――――深海鎮守府 応接間

防空棲姫「あの出来事以来、嵐はあまり見なくなったな」

中枢棲姫「ああ、こうやって静かな海のままだといいな」

防空棲姫「そうだな。それとまた忙しくなるらしいな」

中枢棲姫「艦娘側の鎮守府で事故があったらしく、鎮守府の修復作業を手伝うことになった」

中枢棲姫「やれやれ・・誰を行かせるかだな・・・私も同行しないといけないしな」

中枢棲姫「猫の手も借りたいほどになりそうだ」

防空棲姫「あの時、人間に残って貰って提督をして欲しいとか思ってただろう?」

中枢棲姫「・・・馬鹿な事を言うな、すぐにできる事じゃないんだぞ」

防空棲姫「中枢、チェックメイトだ」トンッ

中枢棲姫「・・・・・む」

防空棲姫「隙を見せてしまったな」

ドターン

レ級「た、大変だ―!」

中枢棲姫「貴様ら・・入るときは静かに入れと教えたはずだがもう忘れてしまったのか・・・!」

中枢棲姫「いいだろう・・・その空っぽの頭の中に詰め込んでやろうか・・!」

重巡棲姫「どうしてそんなに怒っているんだ・・・?」

防空棲姫「はぁ・・・とりあえず要件を言え。そして中枢、落ち着け」

戦艦棲姫「この瓶の中に手紙が入ってたのよ、その差出人が・・」

中枢棲姫「手紙だと・・?・・・ほほう・・これは・・」

中枢棲姫「防空、今日の晩、皆を集めてくれ」

防空棲姫「・・・・?わかった。夕食が終わり次第集まるように伝える」

――――夜

中枢棲姫「全員揃ったか?今日は知らせることがあって集めた」

空母棲姫「どうした?修復作業についてか?」

中間棲姫「誰が行くのか決まったのかしら?」

中枢棲姫「いや、今日集まってもらったのはこの"手紙"の事でだ」

駆逐水鬼「手紙・・?」

中枢棲姫「この手紙の差出人は・・・あの"人間"からだ」

泊地水鬼「コウ君・・からの?」

北方棲姫「ほぽ!何て書いてある?」

中枢棲姫「ああ、今から読み上げるぞ」

------
この手紙を拾った人へ

もし心当たりがなければ捨ててしまっても構わない


深海棲艦のみんなへ

みんな元気にしてるか?俺は無事に元の世界に戻れた これもみんなのおかげだ

でも、今考えたら筏で嵐を通るって結構無茶過ぎてみんな心配したはずだと思う

もうちょっと頑丈な船の方がよかったかなって思ったよ・・

けどこうやって元の世界に帰れたことを喜んでほしい

俺はみんなと過ごした日々を忘れない

本当にありがとう

------

駆逐棲姫「元の世界に戻れたんだ・・!」

飛行場姫「ほんとすごい人間ね・・」

北方棲姫「ほぽ!それで終わり?」

中枢棲姫「いや、まだある。次は泊地、お前宛だ」

泊地水鬼「私に・・?」

----
母さんへ

前にも書いたけど、俺は元の世界に帰れたよ

こっちでも元気に過ごしてるし、友達や家族に恵まれてるよ

だから、俺の事を一番心配してると思うけど、安心してほしい

俺は母さんの事を忘れない、優しい母さん、頼りになる母さん

そんな母親をもって 俺は幸せだよ 本当に産んでくれてありがとう

あと、写真も入れておいたんだ。もしよかったら貰って欲しい

さようなら、母さん いつまでも元気で・・

----

泊地水鬼「・・・・」グスッ

中枢棲姫「泊地、それがこの写真だ。いい笑顔をしている」

泊地水鬼「これが・・・まぁ・・お嫁さんかしら」フフッ

駆逐棲姫「わぁ・・すごくきれい・・」

重巡棲姫「となると、人間は結婚したのか。めでたいな」

中枢棲姫「部屋にでも飾っておくと良い。・・・良い息子を持ったな、泊地」

泊地水鬼「・・・ええ、そうするわ」

泊地水鬼(コウ君・・お嫁さんと幸せにね・・)

中枢棲姫「それとヲ級、お前にもあるぞ」

ヲ級「ヲ?」

レ級「どんな内容なんだ?!」

中枢棲姫「今読み上げる」

-----

ヲ級へ

皆と仲良く元気に過ごしてるか?

俺がいなくなってからお前は寂しい気持ちになるときもあると思う

けど、レ級達がいるから寂しくないだろ?

俺もお前達と過ごした日々を今でも忘れない、たくさん楽しいことがあった

俺の人生で掛け替えのない事だったと思う。あの時、俺を助けてくれてありがとうな

お前が助けてくれなかったら俺は今の俺ではないと思う

レ級 ヲ級が泣いてたり困ってたりしてたら助けてやってくれ

ヲ級にとってはお前が一番頼りになるからな

-----

レ級「へへっ、何か誇らしいなオレ達!」

ヲ級「ヲッ!」

中枢棲姫「まだ最後のメッセージがあるぞ」

-----

二人とも これから深海棲艦としてみんなと元気に過ごしてくれ

そして・・離れ離れになっても


俺達はずっと友達だ!絆は消えない!

-----

ヲ級「ワァアア・・・」パァアア

ヲ級「ヲー!」ダッ

レ級「お、おいヲ級!?」

防空棲姫「嬉しかったんだろうな」

中枢棲姫「ああ・・ヲ級にとっては最高の友だな」

――――砂浜

ヲ級「ヲッ ヲッ」タッタッタ

ヲ級「スゥー・・・・ヲッキュー!」

ヲ級「ニンゲン!ズット!ズーットトモダチダヨ!!」

ヲ級の声が水平線の彼方まで 遠く 遠く 響いた

End...

以上が元の世界に帰るルートのお話でした
次は島に残るルートを書く予定にしています(希望があれば

>>315
>>316
確かにそうですね・・戻れる確証もないのに嵐の中に筏で突っ込むのは流石に無茶がありました
解釈もなく進めてしまって申し訳ありませんでした・・・

残りもわずかなので書き切ろうと思いますのでよろしくお願いします

"島に残る"

男「俺はあっちの世界の家族と共に育った人間だ」

男「・・・・・けど俺はこの島に居続けて思った」

男「本当の母親にまた会えて・・もう一度一緒に過ごす時間があってもいいんじゃないかって・・」

レ級「お、おい・・まさか・・・!?」

男「ああ・・・・俺は"この島に残る"」

ザワザワ

泊地水鬼「コウ君・・」

中枢棲姫「人間、それが数日間考えて出た結論か」

男「ああ、男に二言はない」

男「だから・・これからもよろしくな」

防空棲姫「残るとなれば、これからどうする?」

男「うーん・・・それなんだよな・・」

中枢棲姫「全く・・先のことを考えないのは"提督"とそっくりだな」

男「う・・それは・・。でも!俺にできることがあれば何でもする!」

中枢棲姫「ほぉ・・・何でもと言ったな・・?」

中枢棲姫「では人間、付いてきてくれるか?」

男「あ、ああ・・」

防空棲姫「よし、一度解散をしよう」

防空棲姫がそう言うと一部を除く姫達はそれぞれ部屋に帰って行った

レ級「なぁ・・・本当にいいのか?人間・・」

男「ああ、これが俺の"答え"だ。後悔はしないさ」

ヲ級「ヲー・・」

男「そんな顔するなよヲ級。また遊ぼうな」

ヲ級「・・・・ヲッ!マタ アソボ!」

レ級「おい!オレも入れろよな!」

男「わかってるって」

泊地水鬼「コウ君・・・いいの?」

男「ああ・・・母さんにも心配かけちゃったな」

男「えっと・・急であれなんだけど・・・これからまたよろしくな」

泊地水鬼「・・・あなたが決めたことなら否定はしないわ。またよろしくね、コウ君」

中枢棲姫「挨拶は済んだか?」

男「すぐに行くよ。ごめん母さん、行ってくる」

泊地水鬼「ええ、行ってらっしゃい」

泊地水鬼(あの子とまた一緒に過ごせるなんて・・)

泊地水鬼(あの人もまだ生きていたら・・・ううん、そんなことは考えては駄目ね)

泊地水鬼(今はあの子と・・・元気に過ごせるように考えないと・・)

――――中枢棲姫の部屋

男「ずいぶんと綺麗な部屋だな」

中枢棲姫「どこかの姫とは違うのでな。では、こっちに座ってくれるか?」

男「そこって・・中枢棲姫の隣じゃないか?!しかもベッドって・・」

中枢棲姫「生憎、ここしか座る場所がないのでな。さぁ座れ」

男「ああ・・・(何かドキドキするな・・)」ギシッ

中枢棲姫「よし、ではこっちを向け」

男「・・・?って!?」

中枢棲姫は自分の額を俺の額に当てて何かつぶやき始めた

何を言ってるか分からないけど・・中枢棲姫の顔が間近にあった・・

中枢棲姫「・・・・・おい。終わったぞ」

男「・・・・あっ!そ、そうか・・」

中枢棲姫「どうした?そんな呆然として」

男「い、いや・・中枢棲姫って綺麗な顔してるんだなって・・」

中枢棲姫「ふっ、お世辞は通用せんぞ。それとも、私とできるとでも思ったのか?」

男「なっ・・・!そ、そんなわけないだろ!」

中枢棲姫「冗談だ、それよりも鏡で自分の顔を見ろ」

男「鏡か・・・俺の目が赤色になってる!どういうことだ・・?!」

中枢棲姫「さっきの行為は人間が私たち特有の言葉を完全に話せるようにしただけだ」

中枢棲姫「心配はするな、普通の言葉も話せる」

男(何か・・・不気味だな・・)

中枢棲姫「それともう一つ、人間に"提督業"をしてもらおうと考えている」

男「"提督業"・・・・難しそうだな」

中枢棲姫「最初はそうだな、だが徐々に慣れていけばこなせるものだ。私たちもサポートする」

男「そうか・・・じゃあやってみるよ。・・・まるで父さんの後継みたいだな」

中枢棲姫「そうだな・・」

男「・・・悪い。それで、最初に何をすればいいんだ?」

中枢棲姫「まずはこの書類にサインをしてくれ。後は指印を押すだけだ」

男「わかった。今書くよ」

男(これで俺も・・父さんと同じ提督になるのか・・それも悪くないかな)

そう思いながら俺は書類にサインをした

中枢棲姫「よし、これでいい。早速だが・・」

男「あっ・・ちょっと父さんの墓に行ってもいいかな?」

中枢棲姫「ふむ・・了解した。まずは報告しに行くと良い、その後の話は帰ってきてからにしよう」

男「わかった、行ってくるよ」

―――――墓地

男「あれは・・母さん?」

泊地水鬼「コウ君も来たのね、どうしたの?」

男「えっと・・後からまた聞かされると思うけど・・"提督"に就くことになったんだ」

泊地水鬼「まぁ!そうなの!?」

男「俺も何をするのかわからないけど・・」

男「でも最初に父さんに報告しなきゃってここに来たんだ」

泊地水鬼「ふふ、いいわよ。さ、こっちにおいで」

男「・・・父さん。俺、父さんと同じ提督に就くことになったんだ」

男「右も左もわからないけど、頼りになる仲間がいるし頑張ってやることにするよ」

男「それにまた、深海棲艦のみんな、母さんと共に過ごす事になりそうなんだ」

男「俺と母さんは元気に仲良く過ごしていくから、いつも見守っていてくれ」

男「これでよし・・っと」

泊地水鬼「ねぇ、こっち向いてくれる?」

男「え?どうしたんだ・・・って?!」

泊地水鬼は俺の額にキスをしてきた 親子だけど・・・これはこれで何か・・恥ずかしい・・

男「母さん・・?」

泊地水鬼「うふふ、コウ君が立派な提督になれるようにおまじないをかけました」

男「・・・・ありがとう、母さん」

泊地水鬼「また、中枢から話があるんでしょ?行ってらっしゃい」

男「ああ、行ってくるよ」

――――翌日 艦娘鎮守府

艦娘提督「・・・・来たか」

中枢棲姫「待たせてしまって申し訳ない」

男(この人が・・・中枢棲姫の言ってた艦娘側の提督か・・)

榛名「中枢棲姫に・・軍服を着た男性でしょうか」

艦娘提督「恐らく、昨日聞いた新しく着任した深海提督だろうな」

レ級「よぉ!久しぶりだな!」ヒョコ

艦娘提督「・・・おまけも来てるのか」

中枢棲姫「すまない。こいつは大人しくさせる」

榛名「あなたが新たな深海提督ですね。始めまして、私は金剛型3番艦"榛名"と申します」

男「あっ・・ええっと・・新しく着任した"深海提督"・・です・・」

男(凄い綺麗な人だな・・・見惚れてしまうぞ・・)

―――――前日 深海鎮守府

------

男「艦娘を率いる提督に挨拶だって?」

中枢棲姫「ああ、こちら側の提督が新しく着任したのだ。挨拶ぐらいは一度してもらいたい」

中枢棲姫「心配するな。あの提督もそれほど悪事はしていない」

男「あ、ああ・・(どんな人なんだ・・・?)」

中枢棲姫「明日の朝食後、出発する。準備は軍服だけに着替えるだけで良い」

男「わかった、明日よろしくな」

------

艦娘提督「悪い、榛名。そこの深海提督と二人きりで話し合いたいんだ」

男「お、俺と・・ですか?」

榛名「分かりました。お話が終わるまで外でお待ちしております」

中枢棲姫「私もそうする。レ級、静かにしていろよ」

レ級「へーい」

今日はここまでです

今更ですけど男の名前"コウ"と言うのは艦これの難易度の"甲"から取ったものです

―――――艦娘鎮守府 執務室

艦娘提督「とりあえず・・・着任お疲れさんってとこだな」

艦娘提督「俺はここの鎮守府で艦娘を指揮している提督だ」

男「あ、はい・・俺は・・・深海鎮守府に新しく着任した提督です・・」

艦娘提督「おう、よろしくな。・・・それとそんなに固くならなくていい、柔らかくしてもいいんだぜ」

男「・・・わかった・・こちらこそよろしく」

俺は固い口調からいつもの口調に戻すと緊張がほぐれた

艦娘提督「よしそれでいい。・・聞いたぜ、あんたあの提督の息子なんだってな」

男「ああ・・」

艦娘提督「俺も見るのは赤ん坊の時以来だな、立派になったもんだ」

男「でも、父さんと母さんの元で育ったわけじゃないんだ」

艦娘提督「ああ、たしか別の世界で育ってこっちに来たんだな」

艦娘提督「・・・俺と一緒だな」

男「え?」

艦娘提督「俺もあんたと同じようにあっちの世界からこの世界に来たのさ・・・かなり前にな」

男「何だって?!」

艦娘提督「あっちの世界である事件が起こって、家族や仲間を失った俺は何かを見つけるために船旅をしていた」

艦娘提督「その最中に、嵐に巻き込まれてここに来たってわけだ」

艦娘提督「その時に助けてくれたのが"艦娘"だった」

男「かなり前ということは・・・いつぐらいだ?」

艦娘提督「そうだな・・・戦争が終わる前ぐらいだったな」

男「戦時中・・・の時か」

艦娘提督「前にここにいた提督が逃げちまって、色々あって俺が代わりに努めることになったんだ」

艦娘提督「俺もとんずらしようと思ったが・・・まさか平和まで結んでしまうとはな」

艦娘提督「ったく・・俺もとんだ不幸に巻き込まれちまったな」

男「・・・・俺は不幸じゃないと思うな」

艦娘提督「ん?」

男「だって、こうして平和に過ごせてるのも父さんと艦娘提督が協力したおかげじゃないか」

男「そのおかげで新しい仲間達と過ごせてるし・・そんなマイナスな考えはするものじゃないと思うぞ」

男「立派だと俺は思う」

艦娘提督「・・・・ふん、あんたもあの提督と同じこと言うんだな」

男「父さんと・・・か・・」

艦娘提督「・・・気を悪くしたら謝る」

男「いや、大丈夫だ。それよりも今後について話し合おう」

艦娘提督「ああ、まず資源関係の話だが・・」

こうして俺は艦娘提督と数時間に及ぶ会談が始まった

この世界での世界観 資源の交渉 そして、父さんとの思い出

いろんな話をして夕方ぐらいには会談が終わった

男「いろいろ教えてくれてありがとうな」

艦娘提督「構わねぇよ。悩み事があればいつでも相談に乗るぜ」

ムキー!コノヤロー!

艦娘提督「何だ・・?」

レ級「まだだ!まだてめぇとの勝負はついてねぇだろ!」

中枢棲姫「貴様・・・大人しくしろとあれほど言ったはずだが?!」

武蔵「やれやれ・・・平和になっても喧嘩を売られるとはな・・」

男「あのさ・・もしかして、ウチのレ級が何かしたのか?」

武蔵「お前は・・?その軍服・・そうか、新しく着任した深海提督なのだな。心配するな、喧嘩を売られただけだ」

レ級「頼むよ中枢!一回だけ勝負させてくれ!」

男「レ級やめとけ、今日はそのために来たわけじゃないんだぞ」

艦娘提督「損害はないか?」

榛名「はい・・」

艦娘提督「おいあんた、ちゃんと教育はしとけよな」

男「あ、ああ・・帰ったらきつく叱っておくよ・・」

レ級「いいか!まだ勝負はついてないんだ!また来るからな!」

武蔵「勝負はもういいだろう・・」

艦娘提督「そろそろあんたらは帰るんだろ?道中気を付けてな」

男「ああ、ありがとうな。それと、レ級が迷惑をかけてしまって申し訳ない」

武蔵「私は気にしてないから大丈夫だ」

中枢棲姫「よし、鎮守府に帰るぞ。レ級わかったか?」

レ級「わかったよ・・・ちぇっ」



武蔵「あれが前にいた深海提督の息子か・・・」

艦娘提督「ああ、しっかりとしている奴だったよ」

榛名「それにしても長くかかりましたね」

艦娘提督「ああ・・新任した提督だったからいろいろと教えてやったよ」

艦娘提督「熱心に聞いて・・・あいつの目は真剣そのものだった」

艦娘提督「まるで、前の深海提督ともう一度話してるみたいだった・・」

榛名「提督・・」

艦娘提督「そろそろ仕事に戻るぞ、昔を思い出すのは好きじゃないんでな」

艦娘提督(あいつなら・・お前と同じようになれるぜ・・深海提督さんよ・・)

―――――深海鎮守府

男「ありがとうな、運んでくれて」

中枢棲姫「人間も会談で疲れただろう。小屋でゆっくりと休んでおくと良い」

中枢棲姫「夜に人間の提督着任祝いでも開こうと思う。時間が来たら呼びに行く」

レ級「お!御馳走が食えるのか?!」

中枢棲姫「お前はその前に説教だがな」

レ級「うぐぐ・・・」

男「はは・・じゃあまた夜な」

今日は短めですがここまでです

――――夜 深海鎮守府 ラウンジ

中枢棲姫「みんな集まったか?今日は人間が深海提督に着任し、歓迎会を行うことにした」

中枢棲姫「まず最初に、提督に着任した人間から言葉を頂きたいと思う」

男「えっ?俺か?」

レ級「おら!行ってこい!」ドン

男「お、おい 押すなよ・・・。えっと・・」

男「・・・俺がこの世界に迷い込んで随分と日が経った」

男「この島で過ごしてきて、みんな俺の事を仲間とみてくれた」

男「こんなただの人間だったのに・・」

男「・・・だから俺は何かできないかと思って提督に着任することにした」

男「提督業とか何も分からない俺だけど・・これからもよろしくな」

ワーワー! パチパチ

男「以上だ。短い話ですまない」

中枢棲姫「では、これから深海鎮守府の発展。そして我々の健勝を願って。乾杯!」

一同「かんぱーい!」

水母棲姫「ほぉら?提督さん?一杯飲みましょ?」

男「あっ・・ごめん。まだお酒飲める年齢じゃないんだ・・」

水母棲姫「あら?そんなルールあるの?」

港湾水鬼「人間の世界ではある年齢に達しないと飲めないらしい・・」

駆逐棲姫「それじゃあジュースじゃないとだめだね。はいどうぞ」

男「ああ、ありがとうな」

レ級「うおおお!うめぇ!これうめぇ!」ガツガツ

集積地棲姫「おい!お前だけの物じゃないんだぞ!」

リコリス棲姫「レ級、私も作ってみたんだ。これを食べてみろ」

レ級「お!どれどれ・・」パクッ

レ級「かっらああああああああああ!なんだふぉれ?!」

リコリス棲姫「遠くへ出かけてる時に教えてもらったロシアンルーレット風のたこ焼きだ」

集積地棲姫「たしか一つはハズレで激辛の香辛料が入ってるんだったな」

北方棲姫「ほぽ!たこ焼き!一つ頂戴!」

リコリス棲姫「ああ、もう辛いのはないから安心して食べると良いぞ」

レ級「てめぇ!わざとオレにゲッホゲホ!ハズレを渡しやがったなぁ!」

戦艦棲姫「喧嘩はやめなさい!」グイッ

レ級「ぐえっ・・・まだ口の中がヒリヒリする・・」

ヲ級「レ級 水飲ム?」

レ級「当たり前だ!もっと持って来い!」

飛行場姫「それで、人間はここに住むんだから将来も考えないとねぇ?」

男「将来?提督のほかに何かあるのか?」

水母棲姫「決まってるじゃない?結婚よ」

男「ぶふぉ!けっ・・結婚?!」

駆逐棲姫「ひぅえ?!」

ヲ級「ヲ?」

男「けっ、結婚って・・・でもまだ先の話だから・・」

水母棲姫「そうねぇ・・今気になる娘とかいるの?」

男「えっ、そ、そうだな・・・」

泊地水鬼「良かったら私でもいいのよ?」

男「なっ!ちょっ!?え?!か、母さんと?!」

駆逐棲姫「待って!その・・私だって負けないんだから!」

ヲ級「ヲッヲッ!ニンゲンと モット仲良クナリタイ!」スリスリ

北方棲姫「ほぽ!ほっぽも仲良くなりたい!」ピョンピョン

水母棲姫「あら?提督さんも人気者ね」

泊地水鬼「ふふっ、コウ君ってモテるのね」

男「そ、そうかな・・・」

―――――墓地

中枢棲姫「会いに来たぞ提督。今回は知らせがあってここに来た。とは言ってももう人間が知らせに来たと思うがな」

中枢棲姫「聞いて驚け、あの人間はここの鎮守府の提督として生きていくことを誓った」

中枢棲姫「まだ何も知らない普通の人間だが、私たちがしっかりとサポートするから安心しろ」

中枢棲姫「・・・・最も、お前がまだ生きていたら親子そろって提督業をしている光景も見れたのかもしれないな」

中枢棲姫「死んだ今となっては私は寂しい」

中枢棲姫「・・・・実はな提督・・私はお前の事が・・」

中枢棲姫「・・・・ふっ、お前の妻は泊地水鬼だったな。無用な口出しはしないでおこう」


防空棲姫「中枢、こんなところにいたのか」

中枢棲姫「防空か・・・私を探しに来たのか」

防空棲姫「ああ、少し外の空気を吸おうと外に出たら中枢が歩いてるのを見かけてな」

中枢棲姫「何、人間が提督に就いたことを報告しに来ただけだ」

中枢棲姫「また明日から忙しくなるぞ。覚悟しておけ」

防空棲姫「・・・そうだな。人間の父親がいたら良かったのかもしれないな」

中枢棲姫「・・・・もしかして聞いていたのか?」

防空棲姫「さて、何の話かな?」

中枢棲姫「まぁいい・・鎮守府に戻って宴に戻ろう。今日の夜は長いぞ」

こうして歓迎会は夜遅くまで続き 終わったのは夜中の時間帯だった

片づけを終えたら みんなは部屋に戻って行った

―――――小屋

男「ふわぁ・・もう夜中か・・・そろそろ寝ようかな・・」ドサッ

男「・・・・・」

男(・・・親父、お袋、そして妹、俺はこっちで新しい人生を歩むことにするよ)

男(だからさ、もう永遠に会えないかもしれないけど、一緒に過ごした思い出は忘れはしない)

男(みんな・・さようなら・・いつまでも元気でな・・)

明日から提督業が始まると思うといろんな気持ちが過る

忙しい日々、辛い日々・・・けどいつかそれが未来へと繋ぐ道になるに違いない

俺は第二の人生の道を一歩踏み始めようとしていた

そして 数年の月日が経った

一旦ここまでです
今日また書けたら最後まで書きます

――――数年後 深海鎮守府 執務室

中枢棲姫「以上が、偵察の報告だ」

男「ああ、ありがとうな」

泊地水鬼「コウ君、艦娘鎮守府の修復作業の派遣なんだけど・・」

男「そうだな・・戦艦棲姫と空母棲姫の二人を主軸として向かわせるよ」

男「よし・・・ひとまず一段落だな」フゥ

ヒョコ

駆逐幼姫「お父さん、お仕事終わった?」

男「あー・・・まだお仕事はあるんだ、ごめんな」

駆逐棲姫「こら、まだ終わってないから邪魔しちゃダメでしょ」

駆逐幼姫「むー・・」

泊地水鬼「コウ君、少しは休憩で一緒にいてあげたら?」

男「でも・・」

中枢棲姫「行ってくるが良い、後の処理は私たちに任せておけ」

男「・・・ありがとう、二人とも。よし!幼姫、一緒に外に行こうか!」

駆逐幼姫「わーい!」

駆逐棲姫もあの時よりも俺達と同様に歩けるようになった 義足も更に改良し、人間の脚そのものになった

そしてそこから交際が始まり、俺は駆逐棲姫と結婚して、子供を授かった

駆逐幼姫「あのね!ヲ級ちゃんも待ってるんだ!」

男「そうか、早く行かないとな。じゃあ行ってくるよ」バタン


泊地水鬼「コウ君も立派な父親になったわね」

中枢棲姫「提督業もしっかりとしているな。それに娘も元気そうで何よりだ」

泊地水鬼「ふふっ、孫ができてうれしいわ」

――――砂浜

ヲ級「あ!提督が来た!」

レ級「よぉ!仕事は終わったのか?」

提督「一応一段落は終えたんだ」

ヲ級「提督 ちゃんと休んでる?倒れたら幼姫もヲ級も悲しむ・・」

男「大丈夫さ、休める時には休んでるよ」

ヲ級はあれからさらに言語を覚え、しっかりと話せるようになった

そして中枢棲姫が言うには flagshipに進化したといい 鎮守府にとって欠かせない存在となっていた

まだ性格は子供っぽいけど・・

駆逐幼姫「今日は何して遊ぶの?」

ヲ級「んーと・・そうだ! ビーチボールがあるからこれで遊ぼ!」

レ級「よっしゃあ!じゃあ始めようぜ!」


男「あの三人、本当に仲が良いな」

駆逐棲姫「うん、幼姫にお友達ができて良かった」

男「本当に静かな海だな・・」

駆逐棲姫「うん・・ずっとこのままあなたと一緒にこうやって座りたいな」

男「そうだな・・」

駆逐棲姫「・・・あのね、それともう一つお知らせがあるの」

男「どうした?」

駆逐棲姫「お腹の中に二人目ができたの」

男「おお!そうか!めでたいな!」

ヲ級「ヲッ?新しい赤ちゃんが生まれるの?」

駆逐幼姫「お母さん!弟ができるの?それとも妹?」

駆逐棲姫「それはまだ内緒だよ」

駆逐幼姫「えー!?教えてよー!」

男「幼姫もお姉ちゃんになるんだから、しっかりとしないといけないぞ」

駆逐幼姫「うん!私!お母さんみたいな優しい立派なお姉ちゃんになる!」

駆逐棲姫「ふふ、きっとなれるよ」

駆逐幼姫「えへへー」

中枢棲姫「提督、駆逐棲姫、そろそろ会議が始まる。鎮守府に来てくれ」

男「ああ、今すぐ行くよ。幼姫、お父さんとお母さんはちょっとここから離れるからヲ級達と仲良く遊んでいるんだぞ」

駆逐幼姫「わかった!終わったら一緒に遊ぼうね!」

男「ああ。ヲ級、レ級、幼姫を頼む」

ヲ級「ヲッ!任せといて!」

レ級「あぶねーめには会わせねーよ!」

――――数時間後...

駆逐幼姫「よし!じゅんびおっけー!」

ヲ級「ヲッ?幼姫、何をしている?」

駆逐幼姫「あのね、お父さんが呼んでる本にね"ぼとるめーる"っていう瓶の中に手紙を入れて海に流して渡す遊びがあるんだ!」

駆逐幼姫「それでね、遠くの人に見てもらうんだって!」

ヲ級「ヲー!楽しそう!ヲ級も書く!」

レ級「俺にも書かせてくれよな!」

駆逐幼姫「うん!みんなで書こう!」


ヲ級「みんな書いた?」

レ級「おうよ!幼姫、海に流してみろよ」

駆逐幼姫「うん!ぼとるさん!行ってらっしゃーい!」

レ級「ちゃんと届けろよー!」

男「みんな、待たせたな。何をしてるんだ?」

駆逐幼姫「お父さん!あのね!お父さんが呼んでる本に書いてあった"ぼとるめーる"を流したんだ!」

男「そうか、遠くの人に届くといいな」

駆逐幼姫「とどいてほしいなー!」

駆逐棲姫「みんな、そろそろ夕食の時間だから戻るよ」

男「ああ、鎮守府に戻ろう」

駆逐幼姫「お父さん!肩車してー!」

男「ああ、いいぞ。よいしょっと」

駆逐幼姫「わーい!お父さん!しゅつげきー!」

ヲ級「ヲッヲー!」

俺はこの先どんな困難が待ち受けてるのかわからない

けど決して乗り越えられないわけでもない

皆で協力し合って 助け合っていけば 乗り越えれると思う

そう、深海棲艦のみんなとなら・・・

―――――現実世界 砂浜

あの飛行機墜落事故から数年経った

あれから墜落した飛行機と生存者は未だに見つかっていない

もうお兄ちゃんには会えない・・

優しくて、頼りになるお兄ちゃん・・



「・・・帰ろう」

「・・・・?ボトルの中に手紙が・・」

「・・・・・・・」

「・・・・お兄ちゃん・・・まだどこかにいるんだね・・いつか会いに行くよ・・!」

そのボトルには手紙と、男と深海棲艦達が写っている写真が入っていた

少女が男を探しに出かけ 別世界に迷い込むのはまだ先の話である

End...

以上でこの話は終わりです

長い期間での不定期更新 解釈不足で話を進めてしまい、混乱を起こしてしまって申し訳ありませんでした
シリアス物を書きたいなーと思っていたので書き切れてよかったです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年09月11日 (月) 22:32:55   ID: 7R948_Rx

もう一つのルート見て見たいです。よろしくお願いします。

2 :  SS好きの774さん   2017年11月21日 (火) 09:52:09   ID: LZXvopmO

とても良いssでした!
他の作品も見てみようと思います

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