ガチャッ
茜「おっはようございまーすっ!!」
飛鳥「やぁ、おはよう。キミはいつも活力に溢れているね」
茜「ありがとうございます!これからお茶を淹れますが、飛鳥ちゃんも如何ですか!」
飛鳥「ボクは遠慮させて貰うよ。お茶は苦手なんでね」
茜「飛鳥ちゃん、お茶嫌いなんですかっ!!」
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飛鳥「誤解しないでくれないか。嫌いではなく苦手なんだ」
茜「し、失礼しました。……あれ?でも飛鳥ちゃんって静岡の出身でしたよね?」
飛鳥「……それは偏見さ。誰しも得手不得手はあるものだろう?」
茜「なるほど!」
飛鳥「そもそも、苦味を避けるのは生物としての本能なのさ。知ってるかい?幼児向けの玩具の中には誤飲防止の為に苦くしているものもあるんだ」
茜「飛鳥ちゃんは物知りですね!!」
飛鳥「そうでも無いさ」
茜「あ、緑茶が苦手なら麦茶は如何ですか!」
飛鳥「うん、頂こうかな」
茜「では行きましょう!」
飛鳥「行く?どこへだい?」
茜「走りにです!!」
飛鳥「……は?」
河原
飛鳥「空腹は…最高のスパイスだと聞いたことはあるが……これは本当に必要なのかい?」
茜「はいっ!運動の後のご飯は美味しいですからね!!それに、走る事で汗を流すとミネラルも身体から出ていくんです。それを麦茶で補う!」
飛鳥「キミだって、中々の博識じゃあ…ないか。……ふぅ」
茜「文香ちゃんが教えてくれました!!」
飛鳥「なるほどね……。所で、ボクらは何時まで走ればいいんだい?」
茜「もう少しです、頑張りましょう!」
飛鳥「出来れば、具体的な数字が聞きたかったな…」
事務所
茜「いやぁー、良い汗をかきましたね!!」
飛鳥「そ、そう……だね……」
茜「さぁ、キンキンに冷えた麦茶ですよ!」
飛鳥「んっ…んっ……。っはぁ。なんて力強く、濃厚なんだ……。まさに…天使の雫…!」
茜「喜んで頂けたようで何よりです!!」
飛鳥「……これはパックの水出しだろう?どうしてこんなに香りが強いんだい?」
茜「隠し味としてインスタントコーヒーを一摘まみ入れるんです。そうすると香りが増すんです!レモン汁を数滴垂らして入れると爽やかな味になってビタミンCも一緒に補給出来るのでそっちもオススメです!!」
飛鳥「家庭の知恵、というやつだね。恐れ入ったよ」
茜「以前川島さんに教わりました!」
飛鳥「亀の甲より……っと、流石に失礼かな」
茜「飛鳥ちゃん、また今度一緒に走りましょうね!!」
飛鳥「ペースと距離を加減してくれるなら検討するよ」
茜「はいっ!!」
翌日
茜「飛鳥ちゃん、お時間よろしいですかっ!」
飛鳥「どうしたんだい?」
茜「実は飛鳥ちゃんに飲んで貰いたいお茶があるんです!!」
飛鳥「……また走るのかい?」
茜「走りたいんですかっ!?」
飛鳥「出来れば遠慮したいかな」
茜「ではお茶だけですね!こちらをどうぞ!!」
飛鳥「これは……随分と茶色いね」
茜「ほうじ茶です!先ずは飲んで下さい!!」
飛鳥「では頂きます。……へぇ、苦味があまり無いんだね。あっさりしてて飲みやすいよ」
茜「ほうじ茶はですね、えーっと、茶葉を強い火で焙じて作ったものを使います。焙じることで苦味成分のタンニン?が壊れて渋味や苦味が抑えられてあっさりした味わいになる、だそうです!!」
飛鳥「それも文香さんからの受け売りかい?」
茜「はいっ!」
飛鳥「……1つ聞きたいんだけれど、茜さんはどうしてボクにここまでしてくれるんだい?」
茜「私はお茶が大好きです!!好きな物は皆で楽しめばもっと美味しくなります!!!!でも、飛鳥ちゃんがお茶が苦手だと聞いてなんとか飛鳥ちゃんでも美味しく飲めるお茶を探しましたっ!!!!」
飛鳥「克服の方法は1つでは無い、という事か。勉強になったよ。ありがとう、茜さん」
茜「どういたしまして!!」
飛鳥「お礼と言ってはなんだが、今度茜さんの髪型をアレンジさせてくれないかい?キミの新たな魅力を発掘してあげるよ」
茜「みみ、魅力ですかっ!?」
飛鳥「あぁ、楽しみにしていてくれ」
茜「あ、ありがとうございますっ!!」
数日後、お洒落の匂いを嗅ぎ付けた数人のアイドル達の手でネイルやメイクなどを目一杯した日野茜が目撃されたとかされなかったとか。
了
短いですが以上です~。
静岡公演で二宮飛鳥がお茶が苦手だと知り、お茶が好物の茜ちゃんと絡ませたくなったので。
それでは失礼します。
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