日野茜「あの頃の私らはきっと全力でアイドルでした!!!」 (132)

超短編。
スキマスイッチ 全力少年
http://youtu.be/IvDTkTKi5pA

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1379488028

10年後のお話です

輿水幸子の場合

幸子「はぁ、カワイイカワイイなんて自称していた頃もありましたね……。アイドルとしてCDを出して総選挙4位に入り込むまでは良かったんですが、それ以上に進むことは出来ず今は細々と活動を続けているなんて。10年前の私が見たらどう思うんでしょう……」

幸子「親からの仕送りに頼るのも良くないと断っていましたが、そろそろ限界が来そうです。今週も3食素麺生活ですね」

幸子「どこで道を間違えちゃったんでしょうか……」

茜「トラーーーーーッイ!!」

幸子「うわぁ! な、何ですか!? って日野さん?」

茜「お久しぶりです!! 元気してますか!?」

幸子「あのー。いきなり窓をぶち破って入ってきてそれはどうなんですか?」

茜「大丈夫です!! 弁償しておきます!」

幸子「いや。そうですけど、そういう問題じゃないですよね」

茜「そんなことよりも!!」

幸子「そんなことで流された!?」

茜「幸子さん! 何まごまごしているんですか!? 幸子さんはこんなところで終わる人じゃないはずです!」

幸子「いきなり何を言うかと思えば……。私は、10年前の何でもできると思っていたボクとは違うんです。若い子たちに出番を奪われ、今すぐにでもあの人は今に出てきそうなぐらい、落ちぶれて」

茜「違いまーーーーす!! 幸子さん! 全力だったあの頃を思い返してください!」

幸子「全力?」

茜「はい! 全力でカワイイアイドルだったはずです!」

幸子「全力だった頃……ですか」

幸子(あの頃はなんでも出来るって、根拠もない自信に満ち溢れていましたっけ)

茜「さぁ、聞こえて来ましたよ!!! 全力少年が!!」

幸子「えっ?」





ライバルたちをぶっちぎって 腹への拳をかわして
空から舞い降りる カワイイ天使思い出せ
あの頃のボクらはきっと 全力でアイドルだった
セカイ1カワイイのは誰だ?



幸子(そう、ですよね。私……、いやボクはまだ終わっちゃいない!)

茜「そうです! まだ、終わっちゃいないんです! それじゃあ行きますよ……レッツ」

幸子「トラーーーーーイ!!!!」

幸子(なんででしょう。不思議と、気持ちが軽くなりました。きっと、まだやれる。そんな気がしてきたんです)

幸子(だって……)

幸子「世界で一番カワイイんですからね!」

ヘレンの場合

ヘレン「世界レベルなんて言っていたけど、どれだけ小さな世界だったのかしらね……。世界は広かった、私の世界なんて(笑)がついちゃうようなちんけなものよ」

ヘレン「海の向こうの場末のバーで踊る毎日……。自信満々だったあの頃の私は、どこに行ったのかしら……」

茜「ボンバーーーーー!!」

ヘレン「!? う、海を泳いできた!?」

茜「ウォーミングアップ、終了です!」

茜「ヘレンさん! 一緒に泳いで日本に帰りましょう!!」

ヘレン「無理があるわよ! ってもしかして、日本から泳いできた?」

茜「もちろんです! ドーバー海峡横断部部員ですから!」

ヘレン「どんな部活よそれ」

茜「部員は私しかいません! 入部しませんか?」

ヘレン「遠慮しておくわ。そもそも、どうしてここに来たのよ?」

茜「はい! しなびたレーダーが反応していたから、泳いできちゃいました!」

ヘレン「しなびた、ね。今の私にはお似合いの言葉ね。世界は広い、それを知るためだけにどれだけの遠回りをして……」

茜「そんなことありません! 地球儀なんて小さいじゃないですか!! それに大きくてもいいじゃないですか! それだけ、素晴らしいものに出会えるんですから!!」

ヘレン「えっ?」

茜「思い出してください! 全力で世界レベルだった頃を!」

ヘレン(世界レベル……。例え笑われようとも、そこには確たる自信が有った)

ヘレン(そうか……。世界は大きいんじゃない、そう見えていただけ。そう! 私は…。)

茜「聞こえて来ました! 全力少年が!!」




ライブバトルを受けて立って 確かな自信で歌い踊って
幾重に響き渡る ワールドワイドなダンサブル
あの頃の私はきっと 全力で世界レベルだった
セカイを開くのは




ヘレン「そう……私!」

ヘレン(まったく、何くよくよしていたんだか。私はヘレン……、世界レベルの……探究者!!)

ヘレン「いいえ、世界レベルじゃない。宇宙レベル! まずはあの月まで私のたぐいまれない美貌を見せつけるとしましょうか」

茜「その意気です! さっそくロケットを作りましょう! ペットボトル有りませんか?」

ヘレン「そうね。ペットボトルロケットで月に行ってあげましょう。前人未到こそ、私なのよ」

姫川友紀の場合

友紀「やったー! 常勝キャッツ日本シリーズ3連覇! ビールが上手い……、ダメだ。空しくなってきた」

友紀(キャッツのオーナーであるニャベツネがいなくなった後、キャッツは身売り騒動に巻き込まれて一気に弱体化……。かつての強豪チームが嘘のように勝てなくなり、7年連続最下位。その上球団消滅の噂も立ち始めた……)

友紀「あたしの青春、どうなっちゃうんだろ」

友紀(オリンピックから野球がなくなり、WBCでも敗退したこともあり、野球の人気は低下。国民的スポーツの座はスポーツチャンバラに奪われて……)

友紀「もう一度優勝するところ、見たかったなぁ……」

茜「プレイボーーーール!!」

友紀「にゃっ!?」

茜「友紀さん! プレイボールですよ! 試合、始まります!! ほら、一緒に見ましょう!」

友紀「茜ちゃんどこから出てきたの!?」

茜「どこからでも良いじゃないですか! 試合、見ましょう!」

友紀「相手の先発は……、ライアンか。わざわざ負け試合を見るのも」

茜「がんばれー! 負けるなー!!」

友紀「結局あたしって強いチームだったから応援していただけだったのかな?」

茜「あぁ!! バレンティンがホームランを打った! まだまだこれからですよ!!」

9回裏 3?0 2アウト満塁

茜「一発出れば逆転ですよ!」

友紀「いつものことだよ。追いつかない程度に反撃」

アナ『ここで代打カメイがバッターボックスに入ります』

茜「逆転ですよー!! ほら、友紀さんも! 昔みたいに全力で応援しましょうよ!」

友紀(全力、か。あの頃のあたしって……)

友紀「純粋に野球が好きだった……。勝っても負けても、そこにはいつもドラマがあったから……!!」

茜「さぁ! 応援歌歌いましょう!!」




ラッパでチャンテかき鳴らして 最後の期待声に乗せて
奇跡を呼び起こす 描いた夢への放物線(ホームラン)
あの頃のあたしはきっと 全力で応援してた
セ界を制するはどこだ?



友紀「打てえええええええ!!! カメイィィィィィ!!!」

アナ『打ったああああああ! カメイ、逆転サヨナラ満塁ホームラン! 彼らはまだ、諦めていない!!!』

友紀「っしゃああああ!」

茜「友紀さんの応援、届きましたね!!!」

友紀(そうだよね。選手たちはまだ諦めていない。なのに、ファンが諦めてどうする!)

友紀「よしっ、キャッツを買収するっ! そしてもう一度、夢の日本一へと走り出すっ!!」

茜「姫川キャッツですね!!!」

ネタが切れたのでこれで止めときます。HTML化は後でするつもりですが、ネタが思い付いたら夜にでも書いていると思います

今更だけど、10年後設定なので少々擦れている人もいたりします。
とりあえずこの人で一旦終わりになります

冴島清美の場合

清美「なになに、未成年飲酒なう……。燃やすか」

清美(超☆風紀委員を自称していたあの頃から10年。信念だけは曲がらない、そう思っていたのに時と共に崩れていって)

清美(今の私は鬼女板に張り付いて未成年飲酒やらアイスケースに入ってみたやらネット上で馬鹿なことをする若者たちを炎上させる日々)

清美(未婚者なのに超☆鬼女になってしまうなんて)

清美「……虚しい」

清美(清く正しく美しいアイドル……、それが今じゃ、匿名を良いことに相手を攻撃して。こんな姿、昔の自分に見せられない……)

茜「やっはろーーーーー!!!」

清美「わぁ!? パソコンの中から日野さんが!?」

茜「ふぅ、ネットサーフィンは疲れますね!!」

清美「いやいやいや! 物理的にネットサーフィンしてきたわけ!?」

茜「全力を出せばできますよ! ほら、今あなたのPCから……、はスタミナが足りませんね。ザンネンです」

清美「スタミナが満タンでも出来ません。普通は」

茜「私は出来ましたよ?」

清美「へっ、出来ないんですか? みたいな顔されても。何ですか、新手のホラーですか?」

清美「で、一体何しに来たんですか。パソコンの中から」

茜「陣中見舞いです!!」

清美「斬新な陣中見舞いですね。私忙しくないんですけどね、別に」

茜「忙しくなりますよ! 清美さん 超☆全力でやり直していきましょう! まだ間に合います!」

清美「何かと思えば……、今更戻ったところで超○○だとか、風紀委員だとか、禁書の世界へ帰れって言われるだけです。思えば日野さんとあのキャラ、何となく声が似ているような」

茜「超気のせいです!! さぁ、思い出してください! 超☆全力で風紀を取り締まっていたあの頃を! PCから現実に、エネルギーを注いでくさい!!」

清美「あの頃……」

清美(風紀委員なんてないのに、超☆風紀委員を名乗っていたあの頃。超☆アイドルとして清く正しく美しい芸能界を本気で目指していたあの頃……)

清美(ホント、どうしてこうなったんだろう。私がいるべき場所は、こんな掲示板なんかじゃないのに!)

清美「私は……!!」

茜「聞こえてきましたよ! 超☆全力少年が!!」




腕章つけて喝飛ばして メガネをかけてチェックして
止め処ない血と汗で 社会のルール守れ
あの頃の私はきっと 全力で超☆アイドルだった
フウキを正すのは誰だ?



清美(ふふっ、こんなことをしていても、何も変わらない。分かっていたことじゃない)

茜「これ、忘れちゃダメですよ!!」

清美「汚れているけど……、まだこの腕章には誇りが有ります! 私はもう、誰に笑われようとも我が道を進むまで!!」

清美「超☆風紀委員改め超☆アイドル改め、超☆政治家目指して頑張って行きます! 冴島清美に清き一票を!!」

茜「清き一票をーーーーー!!!」

もし忙しさにかまけて、笑えなくなっているそんな時、彼女は私たちの前に現れるかも知れません。

スキマスイッチの全力少年をバックに、今日もどこかで全力だったあの頃を思い出させているのでしょう。

茜「全力でトラーーーーーイッ!!」

お終い

思い付いたネタは消化しました。このアイドルで見てみたいというのがあれば、書いて貰えるとネタを考えてみます。読んでくれた方、ありがとうございました

神谷奈緒の場合

奈緒「はぁ……、何やってんだろあたし」

奈緒(プロデューサーさんに良いように乗せられてアイドルになって、凛と加蓮と一緒にユニット組んで、最高の形で終われたのに)

奈緒「結局何も言えずに終わっちゃったなぁ……」

奈緒(アレは多分初恋だったんだろうな。凛と加蓮もそう。みんな、何しているんだろう。もしかしたらその内、結婚式の案内が来たりして……。凛かな、加蓮かな。意外に和久井さんだったりして)

奈緒「あっ、ポストに手紙が来ている……」

茜「ニルヴァーーーーーナ!!!」

奈緒「のわっ! ポストの中から茜が!?」

茜「直送されてきました!!」

奈緒「いやいやいや! 質量保存の法則とかどうなってんだよ! ええ!?」

茜「難しいことを言われても分かりませーん!! とにかく気合です!! アニマル浜口です!!!」

奈緒「ポストの中からドラちゃんでも出てくるんじゃないのか……?」

茜「もちろんあなたのポストにもやって来るかも! その時は奈緒さんも一緒に行きましょう!」

奈緒「死ぬだろ!?」

茜「本気になればなんでも出来るって松岡さんも言っていました!!」

奈緒「修造でも無理があるって」

奈緒「で、懐かしい顔に会えたのは嬉しいんだけど……、何しに来たの?」

茜「いえ、萎びたレーダーが反応していたもので!」

奈緒(あっ、これアレだ。7つの玉集めるアレだ。つーかあちこち反応し過ぎだろ。世の中萎びたい放題じゃんか。……仕方ないのかな)

奈緒「もしかして、あたしが反応したとか?」

茜「その通りです! 今の奈緒さんは萎びています! ビンビンに萎びています!! 心なしか眉毛も萎びて」

奈緒「余計なお世話だよ! 一応気にしてんだから……」

茜「ふむふむ……、これは結婚式の招待状ですね!」

奈緒「!? だ、誰と誰の? プロデューサーさん、とか?」

茜「いやっ、全く知らない人です!!」

奈緒「何だ……、高校の時の友達の結婚式か」

茜「安心しました?」

奈緒「! あ、安心だなんて……。第一? プロデューサーさんが凛と結婚しようが奈緒と結婚しようがはたまた和久井さんと結婚しようが知ったことないし?」

茜「ホントですか?」

奈緒「ホントだって! そりゃ……、彼の隣にいるのがあたしだったらって思うこともあるけどさ。でも遅いだろ、今更なんか……」

茜「思い立ったが吉日!! 今日以降は全て凶日ですよ!!」

奈緒「思い立ったが吉日、か」

茜「全力で素直になりましょう! あの頃のツンツンしていた奈緒さんと、今の萎びた奈緒さんの気持ちはまだ、同じはずですよ!!!」

奈緒(素直、か……。あたしの一番苦手なことだ。だけどもし、あの頃キチンと自分の気持ちに正直になれていたら……)

奈緒「……萎びてなんかなかったんだろうな」

茜「大丈夫ですよ!! 私たちは紛れもなく全力で乙女なんですから!! 天国に行くその時まで、恋をしていましょう!!」

奈緒(大切なものが全て埋もれちまう前に、あたしに出来ることをするんだ!)

茜「聞こえます! イキイキとした奈緒さんの素直な気持ちが!! 全力少年が聞こえます!!」




羞恥の心取っ払って 可愛い服に着飾って
止め処ないこの想いを 今すぐ素直に伝えろ
あの頃のあたしはきっと 全力で恋してたんだ
怯えてたらなんも生まれない


奈緒「あのさ。まだ、間に合うと思う?」

茜「分かりません!!!」

奈緒「だよな。自分で何とかしなくちゃいけねーしな」

奈緒「もし遅かったとしても……このまま恥ずかしがって隠しているよりも、当たって砕けた方があたしの性分に合ってるぜ」

茜「ぶつかってなんぼですよ!! むむっ! 萎びたレーダーが反応しています!!! よーーーし! 行くぞーーーーー!!!」

奈緒「……よしっ! も、もしもし? プロデューサーさん? 久しぶりだね……。あのさっ! 今度、一緒にご飯でも食べに行かない? いい店、知ってんだ!」

奈緒はこんな感じになりました。
擦れた脇林さんはイメージが出来ませんが、なんとかやってみます。

若林智香の場合

智香「うーん、上手くいかないなぁ」

智香(がんばっている人を応援するのが好き、それがアタシだったのにな。27歳になってもそれは変わっていないし、今でもチアは続けている。膝は少し上がらなくなったケド)

智香「意識の違い、なのかなぁ……」

智香(社会人チアクラブで続けているけど、チームのみんなのやる気をあんまり感じなかったり。チアって団結力が一番重要なのに、みんなテンでバラバラで。指導していても、イマイチ覇気を感じない)

智香(そんな応援に効果は無くて、応援している野球チームも元気がない。これじゃあ何の為応援しているか、分からないや)

智香「やっぱり、アタシって押しつけがましいのかな?」

智香(単純に誰かを応援していた頃が、凄く懐かしい……。みんな、どうしているかな? 頑張っているか)

茜「アリーーーーヤキングゲイナーーーーーー!!!」

智香「なぁ!? 茜ちゃんが超高層ビルの最上階から飛び込んできた!?」

茜「いたっ! 着地にちょっと失敗してしまいました!!!」

智香「だ、大丈夫!? 今物凄い音したけど……」

茜「大丈夫です! こんな傷は、蚊に刺された程度です!」

智香「え、えー……」

茜「それよりも! 智香さん、私はショックです!! あの元気いっぱいでどんな時でも私たちを盛り上げてくれた智香さんが、そんな萎びた顔をしているなんて!!!」

智香「茜ちゃんは元気だね。アタシは少し、疲れちゃったかな……」

茜「お茶飲みますか? 元気になりますよ!」

智香「そう言う体力的な元気じゃなくて、精神的なものかなっ★ 自分の思うようにいかないことって、すっごく歯がゆいよね」

茜「歯痒いです……歯痒いですとも!! 智香さんの気持ちが、落ち込んでいることが歯痒いです!!」

智香「えっ?」

茜「智香さん! チアリーディングは好きですか?」

智香「それは……」

智香(練習は厳しいし、時には仲間たちとケンカしたこともあった……。だけど、アタシの応援で誰かが元気になれるなら、誰かが勇気を貰えるなら……。がんばることが出来たなら……)

智香「うんっ、好きだよ☆」

智香(なんだ簡単なことじゃん。あの子たちに好きになってもらえるようにする。そんなシンプルなこと、何で忘れていたんだろう。年取ったせいかな?)

智香「もし昔のアタシがここにいたら、きっと応援しているんだと思うな。疲れて萎びた私を、元気付けるため、勇気付けるために」

茜「はい!!! 智香さんの応援は、みんなを元気にするんですよ!!! 私だって、何度も元気づけられました! だから今度は、私が元気づけてあげます!!!」

茜「フレーフレー! 智香さーーーーん!! 頑張れ頑張れ智香さーーーーん!!!」

智香(そう言えば……、こうやって誰かに応援してもらえるなんて、いつ以来だろう。茜ちゃんの応援、不思議と勇気が湧いてきちゃう☆)

茜「聞こえてきませんか!? 全力の応援が!!」




左手上げて喉からして 弾ける汗を光らせて
幾度と繰り返した 託した勝利への応援歌
あの頃のアタシはきっと 全力でチアしていた
エールを送るのは



智香「アタシっ!」

智香「フレーフレーアタシ! 負けるな負けるなアタシ!!」

茜「頑張ってくださーーーーい!!!」

智香「ふぅっ☆ 久しぶりかも、こんなに笑顔になれたのは。体も気持ちも軽くなったからかな」

茜「私が保証します! 智香さんの応援は、宇宙一です!!! っ! また萎びたレーダーが反応しました! それでは、サヨナラです!!! ダーーーーッシュ!!」

智香「バイバーイ! よーしっ! まずはアンチエイジングして応援しちゃうよんっ☆」

今日は寝ます。HTML化しようかと思いましたが、ネタが出てきそうな気もするのでもちっとだけ続きます。多分

吉岡沙紀の場合

沙紀「ダメだぁ、インスピレーションが沸かないっす」

沙紀(昔は感性の赴くまま感情をペンキに託せていたのに。何っすかね、ここんところ色々あったからか上手く描けなくなったっす)

沙紀「はぁ、とりあえず描いては見たっすけど。なんで選りに選って茜なんっすかね」

沙紀「子供の頃は描いた絵が動き出すかもなんて思ってたのに、大人になるって嬉しいことじゃないっす」

茜「上がってーーー! 昇ってーーーー! 空を貫いてーーーー!!!」

沙紀「うわぁ! 描いた絵が動き出して茜ちゃんが出て来たっす!!!」

茜「ボンバーーーーー! ゲージュツはボンバーです!! さぁ、有りっ丈の感性を爆発させましょう!!!」

沙紀「な、何っすかコレ……」

沙紀(キュビスム※で描かれた茜ちゃんがいきなり動き出した……、シュールな光景っすね)

キュビスム:ピカソみたいな絵

茜「おりゃーーーーー!!!!」

沙紀「!! す、凄いっす! 目にも止まらぬ速さで、アッキーの絵を描いているっす!」

茜「ぜぇ、ぜぇ……。絵を描くのも疲れますね!!」

アッキー『くぅん』

沙紀「喋ったーーーー!?」

茜「でも……すっごーく楽しいです!! 沙紀さん! 次は貴方の番ですよーーー!!!」

沙紀「な、何なんっすか……、描いた絵が動く喋るって。夢、見ているんっすかね……。痛っ、これリアルっすか」

茜「まだまだ行きますよー! 基本はまる! まーるっ!!! まる! 描いてまる!」

沙紀(決して上手いとは言えないっすけど……、不思議と見ていて素敵な気持ちになる絵っすね)

茜「出来ましたーーーー! 『私たちはどこから来たのか、私たちは何者か、私たちはどこへ行くのか、んなもん知るかーーーーー!!!』です!!!」

沙紀「あはは……、こんな絵を描けたならゴーギャンも自殺しようとしなかったんっすかね」

沙紀(最初はただ楽しいから絵を描いていた。技術が付くにつれてもっと難しい絵を描こうとして……、なんだ。始まりのこの気持ちを忘れていたんすかね)

沙紀「なんとなくっすけど、今なら自分の感性に身を任せて絵を描ける。そんな気がするっす」

茜「さぁ、筆を持ってください!!! 沙紀さんの全力アートは、これからですよ!!」

沙紀「……インスピレーションが来たっ!!」




身に着けた常識(もの)ぶっ壊して 虹色ペンキ塗りたくって
止め処ない赤と青で 乾いた感性潤せ
あの頃のアタシはきっと 全力で絵描きだった
セカイを描くのは



沙紀「アタシっす!」

沙紀(気持ちひとつで視界は澄み渡っていく――。こんなことを忘れてしまうなんて、アタシもまだまだっすね)

沙紀「これで……どうだー!」

茜「! 凄いです!! 何がすごいか分かりませんけど、とにかく凄いです!!」

沙紀「へへっ! ざっとこんなもんっす!」

沙紀(このアートよりも上手に描けたアートは沢山あるっす。だけど、この絵ほど自分の感性全てをぶつけれた絵は他にないっす!)

沙紀「インスピレーションが沸いて来たっす!! 皇居……は流石にアウトだからその辺で芸術を輝かせて見せてやるっすよ!」

小関麗奈の場合

悪役「わははははは!! この遊園地の子供たちを浪人生にしてやろうか!!!」

麗奈「大変! このままじゃ、ショーが滅茶苦茶になっちゃう!! みんなー! 大声で正義の味方ナンジョルノを呼ぼう!!」

麗奈(あぁ気に食わない気に食わない! なんでこのアタシがヒーローショーの司会のお姉さんなのよ!! いや、やられるのが確定している悪役も嫌だけど!!)

麗奈「声が小さいよー! もう一度、ナンジョルノを呼ぼー!!」

麗奈(世界をいずれ支配するレイナ様が許されたのは、周囲から中二病と見られていたから。高校に入学するころにはわがままな人間は白い目で見られるだけで、周囲に迎合して……)

麗奈(悪の組織だなんて職業は人生ゲームの中ぐらいしかない……。南条はヒーロー物の主役になって、アタシはそのヒーローに救われる非力な司会者。どーしてこうなった……)

麗奈「せーのっ、助けて! ナンジョルノーーー!」

ヒーロー「ただいまさ」

茜「花がーーー!! 花が咲いたよーーーーー!!!」

麗奈「どっひゃー! 背景の壁をぶち破って日野が出て来たー!?」

茜「とう! 全力アイドル参上です!! 萎びきった麗奈さんに喝を入れるため遥々やって……」

スタッフ「はいはい、公演の邪魔になるからちょっとどいてようねー」

茜「あっ、ちょっと! 待ってくださーーーい!!」

麗奈「……はっ! みんなの声援で、ナンジョルノがやって来たよー!! 頑張れナンジョルノー! 正義のキックでデーモン夕暮れをやっつけちゃえ!!」

麗奈「……で、何しに来たのよ。ヒーローショーを邪魔しに来たわけ?」

茜「それは麗奈さんのお仕事じゃないですか!!」

麗奈「あのねぇ……。確かに昔のアタシなら、間違いなくステージをぶち壊してたわよ? ウルトラレイナ様砲片手に大暴れしていたところでしょうね」

茜「そのネーミングセンス、あまり好きじゃないです」

麗奈「マジトーンにならないでよ!! こっちだって若気の至りとはいえ、色々やりすぎたなぁって思ってるし? そもそも世界をレイナサマのものに! だなんて、無理な話よ。今のアタシはヒーローショーの司会のお姉さんなんだから」

茜「良いじゃないですか! 思いっきり、ぶち壊しちゃっても!!」

麗奈「はぁ……、どっちが年上何だか。次の公演もあるから、帰ってくれる? スタッフにはアタシからも謝っとくから」

茜「あっ、忘れ物ですよ!!」

麗奈「んなっ!! な、なんでアンタがこの服持ってるのよ!」

茜「徹夜して作ってきました!! 麗奈さんにはそんな白い服よりも、こっちの方がお似合いですよ!」

麗奈「そんな歳でもない……」

麗奈(この服、そういや自分で作ったんだっけか。あの頃は本気で世界を自分のものに出来るって思ってたのに。ホント馬鹿だったわ)

麗奈(でも今になって、そのバカが少し恋しくなって来た)

麗奈「ねぇ……、もしアタシが世界を征服したのなら……。アンタならどうする?」

茜「もちろん……、殴り込みに行きますよ!!!」

麗奈(殴り込みに、か……)

スタッフ「麗奈さーん、本番始まりますよー!」

麗奈(何逃げの姿勢に入ってんのよアタシは。理解されない? 当然じゃない! レイナサマの野望は常人には理解できないのよ!!!)

麗奈「日野。感謝しておいてあげる。やっぱりアタシには、正義のお姉さんよりもこちらの方が向いてるみたいね」

茜「ええ、そうですとも!!!」

麗奈「世界征服出来たときには、南極ぐらいならアンタに上げてやってもいいわよ?」

茜「感じます……! 全力のレイナサマが!!!」

>>64
それ閣下じゃ……




バズーカ持ってぶっ放して 相手の靴に画鋲入れて
止め処ないイタズラして 萎びた野望取り戻せ
あの頃のアタシはきっと 全力でレイナサマだった
セカイを統べるのは



麗奈「アタシ以外に誰がいるのよ!!」

麗奈「みんなー! こんにちわーーー!」

子供たち「こんにちわー!!」

麗奈「ムカつくぐらいいい返事ねー。今日はみんなのヒーローナンジョルノが……来ると思ったかーこの愚民どもがぁ!!! そんなに世の中甘くないわよ!!」

子供たち「!?」

麗奈「ガキんちょども! よーく聞きなさい! たった今このステージはレイナ様がジャックしたわ!! 良い子はみんなレイナサマに平伏しなさーい!! アーッハッハッハ……ゲホッ、ゲホッ」

茜「あのジェットコースターと競争してきます!!!」

>>69
閣下じゃないよ。デーモン夕暮だよ

一旦昼寝休憩。比奈と島村さんはその後にでも。他にも有れば考えてみます

荒木比奈の場合

トリッシュ・ヒナ先生の次回作にご期待ください!!

比奈「ダメだ、手が動かないッス」

比奈(アイドル活動を終えた私はその経歴と趣味である漫画描きを買われ、週刊誌で漫画を描くようになったッス。最初こそは自分でもそれなりに書けていたッスけど、次第にアンケ順位は後ろの方へ)

比奈(毎週ビクビクしながら打ち切りレースを演じていたッスが、この度晴れて打ち切られちゃったッス)

比奈「当然バトル物へのテコ入れを命じられたッスが……。私が書いてるのって、ちょっとエッチなどたばた学園ラブコメッスよ? これでバトル物に移行だなんて、無茶言うなって話ッス。タカヤの反省活かせて無いんッスか?」

比奈「いや、自分でもどちらかと言えばマガG寄りな作風なのは分かってるッス。やっぱりヒロインたちの名前を事務所のみんなから取ったのが不味かったッスかね」

比奈(次がラストチャンスッスよね……。分かってはいるッス。だけどアイデアは枯渇して、ババア達とクッキーを焼き続ける毎日……。正直不毛ッス)

比奈「ん? 珍しいッスね。ジャンPがグラビアを載せているなんて……」

茜「W螺煌斬!!!! よっしゃああああッッ!!!」

比奈「ひぃ! グラビアの写真から日野さんがタカヤ最終回みたく飛び出してきたッス!?」

茜「説明台詞ありがとうございます!!!」

比奈「あ、あのー。どういうことスか? 漫画の中から飛び出してくるなんて……。この上条セレクトメガネ、3D仕様でしたっけ?」

茜「可愛く撮って貰いました!!!」

比奈「いや、まぁ……今の日野さんはとても27歳には見えないッスけど……。可愛く撮って貰えて写真から出てこれるのなら、今頃グラビア誌はミリオンヒットっすよ」

茜「比奈さん、打ち切りは残念でした。ですが!! 気持ちを新たに新しい世界を描いていきましょう!! さぁ、ペンを持って!!」

比奈「応援してくれるッスか? 生憎ッスけど、今の私は漫画家じゃなくて元アイドルのクッキー焼きッスよ?」

茜「あっ、このクッキー美味しいです!!!」

比奈「PCに手を突っ込んでクッキーを食べている!? 日野さんって何者なんッスか? 新手のスタンドか何か?」

茜「全力で生きていれば、不可能はないです!!!」

比奈「アホな話なのに何でこんなに説得力が有るんッスかね」

茜「だから全力です! 全力で漫画を描けば、読者のみんなも喜んでくれます!! 私だってアンケートを2000通出します!」

比奈「ははは……、それだけ来たら生き残れそうッスけどね。読者にイマイチ受けなかった、それだけッス」

茜「大丈夫ですよ!!! 比奈さんの漫画が面白くないはずないじゃないですか!! 私、全巻持ってますよ! ありす100%!」

比奈「それは……、すっごく嬉しいッス」

茜「終わっちゃったのは寂しいですけど、次の漫画に期待しているんです!!!さぁ、クッキーをクリックするのをやめて、夢にあふれた漫画を描きましょう!」

比奈(漫画家デビューが決まった時は凄く嬉しかった。だけど不安だったッス。こんなイレギュラーな経歴な私が、漫画を描いて良いのかって)

比奈「でも……、世界中に一人でも私の漫画を待ってくれる人がいるなら……、描かないのは甘えッス!!! 私は! 冨樫じゃないッス!!!」

茜「聞こえます! 全力でペンが吼えています!!!」




アンケの結果突き抜けて ノルマン現象振り切って
止め処ない黒インクで まっさらな原稿彩れ
あの頃の私はきっと 全力でワナビだった
マンガを描くのは



比奈「私ッス!!」

比奈「で、出来た……。アイドル時代の経験を活かして描いた……納得の新連載が!!」

茜「おめでとうございまーーーす!!!!」

比奈「日野さんのおかげッス! ありがとう! 早速電話しないと! あっ、編集の服部さんッスか!? 荒木ッス! 新作出来たッス!!!」

比奈「タイトルですか? それは……」

茜「?」

比奈「熱血乙女Aッス! えっ、どういう漫画かって? それは……、読んでみてのお楽しみッス!!」

バイトが有るんでこれで止めときます。島村さんは深夜になるかなと。読んでくれた方、ありがとうございました

島村さん投下する予定でしたが、綺麗に纏まっちゃったのでオオトリにしておきます。
仁奈ちゃん(19)ってどんな感じなのかイマイチ分からないけど、どうぞ

市原仁奈の場合

仁奈「これがこうだから……。あー! ダメだ……、キチンと勉強しておくべきでした……」

仁奈(子供の頃はキグルミを着てやりたい放題やってたですが、10年経った頃には身長も伸び、髪を伸ばしてポニーにしてちょっぴり大人な仁奈になりやがったですよ。久しぶりに使ったな、この喋り方)

仁奈「アイドル活動を言い訳にするつもりは無いけど、まさか浪人生になってしまうなんて……。結構ショックです」

仁奈(今の私はアイドル活動を休止して、牛乳瓶眼鏡にスタンドライトの明かりで赤本を解く日々。浪人生の気持ちになったつもりなかったんだけどなぁ……)

仁奈「数学はいつになっても苦手です……。子供の頃の名残か生物だけは無駄に得意だけど。仕方ない、英語の勉強しないと。海外暮らしのお父さんに似ず、英語は苦手なのです」

仁奈「えーと、何々? Akane is a very passionate.? なにこれ、滅茶苦茶簡単じゃないですか。茜はとても情熱的……」

茜「掘った芋いじるなーーーーー!!!」

仁奈「わぁ!!! 参考書の英文がまとまって茜さんの姿になりやがったです!!」

茜「ハローーー! マイネームイズアカネヒノ!!」

仁奈「分かりますってそれぐらい! って全然変わってないですね。突っ込むところ他にあるんでしょうけど」

茜「仁奈ちゃん大きくなったねぇ! あんなにちっさかった仁奈ちゃんが、まさかこんなに大きくなるなんて!!! 私より背が高いもんね」

仁奈「何オバサンみたいなこと言ってるですか。ただ単に成長期を逃さなかっただけです。というか茜さんが身長伸びてないだけじゃ」

茜「あっ、勉強していた? 私に任せて!! 何々……? ベクトル? 分かるかーーーー!!!」

仁奈「でしょうね。少しでも期待して私が馬鹿でした。と言うか帰ってください。今勉強中なんですけど」

茜「それは失礼しました!!! それじゃあ仁奈ちゃんの勉強が終わるまで、部屋の隅っこで腹筋しています!!! フンッ! フンっ!!」

仁奈「えーと……何故プロデューサーは婦警さんに逮捕されたか? この単語にかかっているのは……。これだ、千枝はまだ小学生だから……」

茜「フンッ! フンッ!!! ボンバー!!! フンッ! フンッ!!」

仁奈「ああもう!! 静かにして下さい!! はあ……、勉強はいったん中断します」

仁奈「で、一体何の用ですか?」

茜「今日はこんなの持ってきました!! 懐かしいと思いませんか!?」

仁奈「ぶはっ! き、キグルミ!? しかもコレ、今の私の体に合うサイズだし……」

茜「はいっ!!! たまには童心に帰ってキグルミ遊びをしましょう!! 私はこのみうさぎのキグルミ来ますから! はい! ぴょん! ぴょん!!!」

仁奈「だから私の部屋でウサギ跳び始めないでください! それとそのトレーニング、効率よくないですよ?」

茜「ノープレです!! ほらほらっ!!! 仁奈ちゃんも着て下さい!!」

仁奈(何してんだろう、私。入試のための勉強しなくちゃいけないのに)

茜「日野ウサギです!! 間違っても月じゃないですよ!! ぴょん!」

仁奈(見てられねーです!!)

仁奈「茜さん……。キグルミの着方、なってないでございますよ」

茜「へ?」

仁奈「そもそも着ぐるみを身にまとうということは、そのモデルとなった生き物そのものになりきるということ! オオカミのキグルミならオオカミの気持ちに! ウサギのキグルミならウサギの気持ちに! バーローのキグルミならバーローの気持ちにならなくちゃダメでございますよ!!」

茜「あ、あのー。仁奈ちゃん?」

仁奈「第一茜さんのそれはなんですか! キグルミ道を甘く見ているんですか!? 怪我しますよ!?」

仁奈「だからっ! こうなんです!!」

茜「こ、こうですか!!?」

仁奈「そうですよ!! これで茜さんはキグルミ道の9級をゲットしたですよ! それでも、キグルミ道名誉師範である仁奈には到底かないやしませんけど!」

仁奈(キグルミ……。私は今、何を着ているんだろう。浪人生のキグルミ? いいや、違う。そんなもの、脱ぎ捨てるです!!)

仁奈「偉い大学に行くことだけが人生じゃないです。そもそも背伸びして医学部を受けるなんて、どうかしてたんですよ。偏差値が低くても……、私の学びたいところに行くべきです!!」

茜「聞こえますよ!! キグルミの奥から、仁奈ちゃんを応援する全力の音楽が!!」




偏差値主義をぶっ壊して 周囲の声を振り払って
幾重に跳ね上がる 着込んだ夢へのトランポリン 
紛れもなく仁奈はきっと 全力でキグルんでるんだ
セカイを着ぐるむのは



仁奈「仁奈でごぜーますよ!」

茜「ぴょん! ぴょん!! ぴょん!!!」

仁奈「……やっぱり、最初から家政学部を受けるべきだったんですね。きっとそこには、私の大好きだったキグルミにも会えるかもしれません」

茜「ぴょん! ぴょん!! ぴょん!!!」

仁奈「勉強勉強で大切なもの、埋もれてしまいそうでした。遅くなる前に、見つけることが出来て良かったです」

茜「ぴょん! ぴょん!!」

仁奈「でもそれとこれとは別!! 私の部屋をうさぎ跳びで一周するのは止めやがってくださーい!!!」

白坂小梅の場合

『呪ってやるぞぉぉぉぉぉ』

小梅「……つまらない」

小梅(ジャパニーズホラーは世界に誇れる! なんて言った人がいたけど、最近のホラー映画の茶番っぷりには、流石の私も失望を隠せない)

小梅「懐古厨って……言われるんだろうけど、昔のホラーの方が怖かったな……」

小梅(このご時世にお化けとか呪いだとかスプラッタだとか、オカルトな話題に本気になるのも馬鹿らしい気もするけど、私が好きだったホラーってこんなものだったっけ)

小梅「次の映画は……当たりだと……いいな」

恐怖!! 熱血亡霊A!!

小梅「何だろう……。どことなく聞いたことが有るような無いような……。この井戸、アレ……だよね。貞○的な」

茜「来るーーー!! きっと来るーーーー!!!」

小梅「!! い、井戸の中から……、びしょ濡れの茜さんがバスタオルを巻いて出て来た……!?」

茜「良い湯加減でした!! あっ、牛乳ってあったりしますか!?」

小梅「あの井戸……温泉なの?」

茜「ローマに行けるかなーって思ったんですけどね!!! よく分からない井戸に着いちゃいました!!!」

茜「あっ、ホラー映画見ているんですか!? 一緒に見ましょう!!」

小梅「……別に良いけど……」

茜「よーし!! 気合を入れて絶叫しますよーーーー!!!」

小梅「近所迷惑に……、ならないようにお願いします……。割と本気で」

『テケテケテケ!!!』

小梅(少し怖いかもしれないけど、それでも微妙)

茜「きゃあああああああ!!! 呪われちゃいますよ!!」

小梅(楽しんでいるから、いっか……)

茜「いやぁ! 絶叫しましたね!! 1人でお風呂に入るのが怖くなりました!!!」

小梅(楽しんでるんだよね……)

小梅「……そうですか? 私ならあの場面で……、こうします」

茜「ひぃ!! それはとっても怖いです!! ホラーです!!!」

小梅「本当に……怖がってますか?」

茜「怖いです!! それと同時に、小梅さんはホラーが大好きってことがよく分かりました!!!」

小梅「……うん。好きです」

茜「そうだっ! いっそ小梅さんが作ってみてはどうですか!? 見た人がもれなく呪われちゃうようなこわーい映画を!!」

小梅「!?」

茜「全力で驚いちゃうような、ホラー映画ですよ!!!」

小梅「わ、私が……、ホラー映画を? そんなの、無理……」

茜「そんなことありませんよ!!! 小梅さんに何度驚かされたことか!! だから出来ます!!! ひょっこり本物が映っちゃうような映画、作っていきましょう!!!」

小梅「それとこれは……別……」

茜「そうでしょうか? きっかけなんて何でもいいと思うんです!!」

小梅(……ホラー映画を見ているときが幸せだった。きっと共感してもらえないと思うけど、ドキドキしたりハラハラしたり。そんなホラーとスプラッタが今の私を作って……)

小梅(妄想したことは有る。自分ならこんなホラーを作り上げるだろうなって。でも、そんな力はなかった)

茜「ホワホワホワホワ!!!」

小梅「でも……今ならできるかもしれない……」

小梅(作ってみせるんだ……最高で最悪に怖い、究極で至高なホラー映画を!!)

茜「聞こえますよ……! 小梅さんの部屋の向かいにある墓地から、全力少年が!!! ってアレ?」




呪われたものぶっ壊して 纏わり憑くもの祓って
止め処ない血と汗で イカレタフィルム潤せ
あの頃の私はきっと 全力で驚いてたんだ
アクムを見せるのは




小梅「私……かも」

小梅「うん……。折角だし本格的な所でロケをしたい……。心霊スポットをふんだんに使って……。あっ、でも呪われちゃうのは嫌だから……お祓いして貰わないと」

茜「映画完成したら見に行きますからね!!!」

小梅「来て……欲しいです。あっ……茜さんの肩……」

茜「へ!?」

小梅「あの子が……憑いてる」

茜「ぎにゃーーーーー!!!」

小梅「ふふっ……、脅かしがいが有る……」

西島櫂の場合

櫂「ふぅ……、今更なのは分かっているんだけどやっぱきっついなぁ」

櫂(水泳選手を目指していたそんな時、変質者みたいなプロデューサーに出会いアイドルに転向して。引退してからまた水泳の世界に戻ってきたは良いんだけど)

櫂「30前の体で水泳選手目指すのも無理があるよなぁ」

櫂(普通なら引退しているような年齢だけど、あの水の感触がどうしても忘れることが出来ず、こうやってプールで1人泳ぐ毎日)

櫂(無理だって分かってはいるんだけど、それでも一縷の望みを信じたかったり)

スタッフ「大変だ! あそこで誰か溺れているぞー!!」

櫂「! 待ってて! 今助けに……」

茜「チャットモンチーーーーー!!!!」

櫂「うわぁ! プールの中から茜ちゃんがトビウオみたいに出て来た!?」

茜「とう!! 24時間……、私の自己ベスト更新です!!」

櫂「えっと、……何が?」

茜「勿論潜水です!! 昨日からスタンバッてました!!!」

櫂「普通死ぬよ!? いや、茜ちゃんなら出来なくもなさそうなのが怖いところだけどさ」

茜「よーし!! 立ち泳ぎでオリンピックに出場しましょう!!」

櫂「いやいや、そんな種目ないし」

茜「えっ? 自由形って言うんですから、立ち泳ぎでもいいじゃないですか!!! そういうイメージでした」

櫂「勝手なイメージを押し付けられても。自由形って言うけど普通はみんなクロールで泳ぐよ? そもそも立ち泳ぎなんかスピード出ないし」

茜「やってみなくちゃ分かりません!! おりゃーーーー!!」

櫂「走っているみたいに速い!? ……って底に足ついてるじゃん」

茜「立ち泳ぎは難しいですね!!」

櫂「立ち泳げてすらなかったけどね」

茜「次は櫂さんの番ですよ! 目指せ次のオリンピック!!」

櫂「あたし? ははっ、そんな歳でもないよ。今の水泳界は若い力が頑張ってるんだし、三十路一歩手前の私にはもう入る余地なんてないよ」

茜「そうでしょうか? 生涯現役って格好良くないですか?」

櫂「へ?」

茜「それに……、水泳は泳ぐだけじゃありません!! 例えば……アレ!」

櫂「飛込競技か……」

茜「最近映画見たんですよ!! 若かりし頃のもこみちシェフが主演してました!!」

櫂「あー、あの映画ね。主題歌は好きだけど」

茜「ガラナです! 飲んだことは有りません!!!」

櫂「美味しいのかな、アレ」

櫂(飛込か……。本来ならああいうのって輿水さんのお仕事なんだろうけど……)

櫂「高いところから見たプールってこうなってるんだ」

茜「見てください!! 人がラグビーボールみたいです!!!」

櫂「ゴメン、その例えイマイチ共感できないや」

茜「さぁ!! 新たな世界へ飛び込みましょう!! 大仏ブルーーーー!!」

櫂(dive to blue?)

櫂(高さ5mのこの場所から、飛び込んでみたら……。痛いかな、それとも……)

茜「キモティーーーー!!! 櫂さんも早く早く!!!」

櫂(だよね。気持ちが良いに決まっている!)

櫂「ふぅ……。よしっ!」

茜「聞こえてきましたよ! 場内のスピーカーから聞こえてくる、全力少年が!!」




飛び込み台を蹴って舞って 重力だけに身を任せて
跳ね上がる水飛沫で 乾いた体潤せ
あの頃のあたしはきっと 全力でスイマーだった
怯えてたらなんも生まれない



櫂「やぁ!!」バシャン!

櫂「ふぃ……超キモティーーーー!!!」

櫂(やばっ、コレ癖になりそう……)

櫂「茜ちゃん。今更だけどさ、飛込で頑張ってみようと思う。無茶を言っているのは分かってるし、オバサンって言われてもおかしくない歳だけど……」

櫂「やっぱり、あたしは水が好きだから。生涯スイマー、だもんね!」

茜「はいっ!! 私も生涯全力少女ですよ!!!」

島村卯月の場合

卯月「ダーリンダーリン心の扉を壊してよ♪」

???「ママー、ご飯まだー?」

卯月「こらっ! サツキ! こっち来ちゃ危ないよ? ご本を読んで待ってなさい!」

サツキ「はーい!」

卯月「もう、誰に似たんだか」

卯月(アイドル活動を引退した後、私は担当プロデューサーさんと結婚して女の子を産みました。普通の主婦として毎日をせわしなく過ごしていますが、何となくあの頃を思い返したりしています)

『元アイドル候補、冴島清美当選確実!』
『神谷奈緒に熱愛報道!?』
『トリッシュ・ヒナこと荒木比奈原作熱血少女A実写化!』
『遊園地のヒーローショーであのレイナサマが復活!?』

卯月娘「あっ、ママのお友達さんだ!」

卯月「みんな頑張ってるねー」

卯月(珠美ちゃんなんか東京オリンピックに日本代表で出場してスポーツチャンバラで見事金メダルゲットしたって聞くし、あのハニカミ屋だった美穂ちゃんは大河ドラマの主役に、ふわふわおねむだったこずえちゃんはは朝ドラの主役に抜擢! 李衣菜ちゃんと夏樹ちゃんが作ったバンドには輝子ちゃんもボーカルとして参加して全国ツアーの真っただ中! 同じステージに上がった身としては凄く誇らしいな)

サツキ「見て見てー! みおちゃんだよー!!」

卯月(勿論愛する家族と共に過ごす毎日は他に替え難いものです。でも、もう一度あのステージに立つことが出来たなら)

サツキ「ママ?」

卯月(この子に頑張っている姿を見せることが出来たなら、それは母として素敵なことなんだろうな)

サツキ「あっ、アニメの時間だー。チャンネル変えよーっと」

茜「モヘンジョダローーーーー!!!」

サツキ「わぁ!」

卯月「ええ!? アニメの中から茜ちゃんが元気いっぱいで飛び出してきたー!?」

茜「初めまして! 卯月さんの娘さんですね! 私は日野茜です!」

サツキ「はじめましてー! サツキだよー!!」

卯月「えーと? 我が娘とはいえ少しは疑問に思ってほしいんだけど、茜ちゃん……なの?」

茜「日野茜です! 日野あかねじゃないですからね!! そこ、重要ですよ!!!」

卯月「それは良く知ってるんだけど……。何が何やら……」

茜「萎びたレーダーが振り切れてます! 卯月さん! 今あなた、萎びてますね!!」

卯月「しな、びて?」

サツキ「ママはしなびてなんかないもん! ちょっとたれているだけだもん!」

卯月「うぐっ!? い、今のは効いたかなマイドーター……」

茜「卯月さん。本当はもう一度あのステージに立ちたい! そう思っていませんか?」

卯月「えっ?」

茜「私は何でもお見通しです!! 見えました! 明日の天気は晴れです!!!」

サツキ「やったぁ! 明日はパパとピクニックにいこっ!」

卯月(早速仲良くなってるし……)

卯月「茜ちゃん。ステージに未練がない……って言えば嘘になるけど、今は今で充実して」

茜「物足りないって。そう思っていませんか!?」

卯月(物足りない、か……。そう言えば主婦になってから、誰かと競うなんてこと無かったな。誰かとお弁当の味を競うわけでもないし、ママ友たちともうまくやっている)

茜「うずうずしてきませんか!? 卯月さん!!」

卯月「私は……」

卯月(私は幸せです。多分世界中の誰よりもきっと。でも、少しだけ物足りない。それって多分……)

サツキ「ママぁ?」

卯月(あのステージを忘れることが出来ないから!」




積み上げた経歴(モノ)ぶっ壊して 身に着けた衣装(モノ)取っ払って
幾重に重なり合う 描いた夢へのハーモニー
紛れもなく私たちずっと 全力でシンデレラなんだ
セカイを輝かせるのは 
視界はもう澄み切ってる



卯月「島村卯月!! ママになってもシンデレラ! 一生懸命、頑張ります!!」

P「あはは……、凄い歓声だな」

サツキ「ママー、頑張れー!!!」

茜「さてと。もう私はいなくても大丈夫ですね!!!」

サツキ「あかねちゃん、帰っちゃうのー?」

茜「萎びたレーダーが私を読んでいるんです!! いつかどこかで会えるかもしれませんね!!! その時は、全力で再開を祝いましょう!!!」

P「変わってないな、茜は」

茜「はいっ! だって私は、いつだって全力アイドルですから!!!」

End

ダラダラ続けるネタでもないので、これで終わりとします。読んでくれた方、ありがとうございました。

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