日野茜「文香ちゃん!勉強を教えてください!!!」 (39)



コメディです




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~事務所~


塩見周子「……」ペラ……

ガチャ

日野茜「おはようございます!!!」

鷺沢文香「おはようございます……」

周子「おー、茜ちゃんに文香ちゃん、おはよー」

茜「周子さん、読書中でしたか!」

周子「んー? そんな大層なものじゃないよ。ちょっと時間が空いてたからさ」

文香「すみません、机を使ってもよろしいでしょうか……?」

周子「机? もちろんいいよ?」

茜「ありがとうございます!!! 現代文の宿題が出てしまったので、文香ちゃんに教えてもらうんです!」

周子「なるほどなるほど。じゃ、シューコちゃんはあっちのソファへ退散しよっと」トコトコ

文香「ありがとうございます……」

周子「いーよいーよ~」


文香「では、早速ですが、始めましょうか」

茜「お願いします!!! このプリントなんですが!」ゴソゴソ

文香「なるほど……、まず、四字熟語の意味を聞く問題のようですね」

茜「準備できました!」

文香「はい、最初の問題は、"五里霧中"ですね。わかりますか?」

茜「う~ん……」

周子(頑張れ~)

茜「五里……ゴリ……ゴリラ……」

周子(……ん???)

茜「霧中……霧の中……」

文香「茜さん?」

茜「はっ! 霧の中にゴリラがいるから気をつけろ!?」

周子(波乱の幕開け)

文香「おっ……惜しい……です……」

周子(めっちゃ気ぃ遣っとる)


文香「この"里"というのは、メートルやヤードのように、距離を表す漢字です」

茜「5メートルのゴリラ!?」

周子(聞けや)

文香「そ、そうではなく……」アタフタ

茜「ちなみに1ヤードは0.9144メートルなんですよ!」フンス

周子(そういえばラグビーはヤードだったっけ)

文香「えっと、ヤードはあくまで例えであって……」アタフタ

周子(いちいち拾わないで解説しなって)


文香「"五里"というのは、約20キロメートルのことです」

茜「ふむふむ!」

文香「その20キロが、霧に包まれています。茜さんなら、どう思いますか?」

茜「走ります!」

周子(なんで?)

文香「し、しかし、前も見えない霧の中ですよ……?」

茜「だからこそです! そんな理由で立ち止まるわけにはいきません! 目が前についているのは、真っ直ぐ進むためです! ネバーギブアップ!!!」

周子(急にどうしたの)

茜「はっ! なるほど! "五里霧中"とは、どんな霧の中でも、前を向いて立ち止まるなという意味なんですね!!!」

周子(不正解)

文香「……」

茜「……」

文香「……」

茜「……」

文香「……その通りです」

周子(文香ちゃーん!?!?!?)


周子(ちょっと! まだ1問目なのになんで諦めてるの!)

文香「流石は茜さんです……」

周子(称える流れに入るな!!!)

茜「えへへ……」

周子(かわいいけども!!!)

文香「ですが実は五里霧中にはもう一つ意味があって物事の様子や手掛かりがつかめず方針や見込みが立たなくて困ることという意味で用いられることが多いので今回はそちらを書いておきましょうそうしましょう」ペラペラ カキカキ

周子(軌道修正が雑すぎるって!!!)


茜「次の問題ですね!」

文香「……はい、覚悟はできました」

周子(覚悟って。いや気持ちはわかるけど)

文香「次は、"四面楚歌"のようですね」

茜「しめん……そか……」

文香「ラグビーで例えましょう」ズイッ

周子(先手を取りにいった)

文香「茜さんのチームは、敵のスタジアムに乗り込んで試合を行います」

茜「はい!」

文香「しかし、スタジアムに入ると、驚くことに、茜さんのチームの応援団は1人もおらず、観客全てが敵チームのサポーターだったのです」

茜「ほほう!」

文香「茜さんなら、どう思いますか?」

茜「燃えますね!!!」

文香「……でしょうね」

周子(でしょうね)


文香「ま、まあ、茜さんがどう感じるにしても、そのような状況を指す言葉なのです……」

茜「"ラグビーで相手のスタジアムに行ったらお客さんがみんな相手を応援している"という状況を指す言葉ですか!?」

文香「限定的すぎます……」

周子(一生使わずに終わりそう)

文香「もう少し、簡単に言ってみましょう」

茜「マワリ ゼンブ テキ」

周子(なんでカタコト)

文香「……その通りです」

周子(正解へのハードル低くないかな文香先生)


文香「……次へ参りましょう」

周子(大丈夫? 今の解答欄、アフリカから来た留学生みたいなことになってない?)

文香「次は、"自暴自棄"です」

周子(さっきから四字熟語のチョイス鬱屈としすぎじゃない?)

茜「なんだか、あまり良くない意味な気がします!」

文香「良い感覚です」

茜「暴れる……というのはわかりますが、この"棄"というのは……?」

文香「大まかな意味としては"捨てる"という言葉と同じと思ってもらって構いません」

茜「なるほど!」

文香「"棄てる"の方ですと、後のことを考えないというニュアンスが入ってきます。"ゴミ捨て場にゴミを捨てる""山奥に家電を棄てる"という感覚でしょうか……」

周子(へぇ、そうなんだ)

茜「どうにでもなれ! ってことですか?」

文香「! は、はい! そのような方向で間違いはないかと……!」

周子(お、近いんじゃない?)

茜「暴れる……どうにでもなれ……」

文香「……」ハラハラ

周子(親かな)

茜「……! 乱闘ですか!!!」

文香「……(四字熟語の意味としては間違っていますが、確かに乱闘という場に身を置くという状況はまさに自暴自棄になっているということに相違ないような気がしなくもないので)……その通りです」

周子(行間)


茜「なるほど! やっぱり文香ちゃんの教え方はとってもわかりやすいです!!」ニコニコ

文香「うっ……」

周子(随所で適当に切り抜けたことを後悔してる顔だ)

文香「つ、次は、"悪口雑言"」

周子(宿題を出した先生は心の病気なの?)

茜「はい! "口に任せて、悪口や傷つける言葉を好き勝手に言うこと"です! ばりぞーごんも近い意味だって見ました!」

文香「!?」

周子(!?)


茜「どうですかっ!」

文香「え……あ、いえ……見事です……」

茜「ありがとうございます!」

文香「ええと……知っていたのですか?」

茜「あっ! こっ、これはですね……」

周子(あれ、声がちっちゃい)

茜「その……李衣菜ちゃんと話すために……ちょっと調べたといいますか……」

文香「李衣菜さんと……?」

周子(ああ、そういえばトワスカにあったね、悪口雑言)

茜「今度、お仕事をご一緒するのですが、今まで話したことがほとんどなくて……。でも私、楽器とかそういう方面にも詳しくなくて……」

周子(うん、多分李衣菜ちゃんもそんな詳しくないと思うよ)

茜「なので、歌から何か話題を広げたいのですが、李衣菜ちゃんの歌、難しい四字熟語がたくさんあって……」

文香「それで調べた……ということですね……?」

茜「はい、お、お恥ずかしながら……。わ、私っ、頭が良くないって、自分でわかってるんです。でも、李衣菜ちゃんと仲良くなりたい! って思って……」

文香「茜さん……」ナデナデ

茜「ふ、文香ちゃん!?」

文香「大丈夫です。その想いは、きっと叶いますよ……」ナデナデ

茜「文香ちゃん……」

周子「……」トコトコ

茜「周子ちゃん?」

周子「……」ナデナデ

茜「し、周子ちゃんも!?」

周子「手が滑っただけだからね」

茜「どういうことですかっ!?」


~~~~~


茜「え、えっと、四字熟語はここまでで、次はことわざです!」

文香「受けて立ちましょう……!」

周子(何に闘志を燃やしてるの?)←元の場所に戻った

文香「まず、"一寸先は闇"」

周子(先生は早急にカウンセリングを受けて)

茜「一寸……とは……?」

文香「ほんの少し、3センチ程の長さのことです」

茜「ほんの少し先は闇……真っ暗……」

文香「あまり、良い意味ではないですね」

茜「見えない……五里霧中と似たような意味ですか?」

文香「いえ、確かに状況は似ていますが、意味は異なります。ですが、先の学びを活かそうという姿勢は素晴らしいですよ」ニコッ

周子(指導が上手くなってる)

文香「五里霧中よりは、少し怖い意味かもしれません」

茜「……はっ! 闇の中にゴリラ!?」

周子(ゴリラ引っ張るんかーい)


文香「闇、ということは、何があるのかわからないということです」

茜「ふむふむ!」

文香「例えば茜さん、この私の鞄に、何が入っていると思いますか……?」

茜「ふ、文香ちゃんの鞄ですか……? 本……とか……?」

文香「もちろん、その可能性は高いですね。しかし、もしかしたら、開けた瞬間に毒ガスが出てきて、みんな死んでしまうかもしれません」

周子(例えが怖いって)

文香「そのように、目の前のことや、ちょっと先の未来すら、私たちには知ることができない、という意味なのです」

茜「な、なるほど! メモしておきます!!!」

周子(まあ、多少は過激な例えの方が覚えられるのかもね?)

茜「文香ちゃん……毒ガス……死ぬ……」カキカキ

周子(誤解しか招かないメモが生まれてる)


文香「次は"傷口に塩を塗る"ですか……」

周子(ほんまネガティブ一辺倒)

茜「考えただけで痛いです!!!」

文香「傷ができることは、良いことですか?」

茜「い、いえ! 良いことじゃないと思います!」

文香「では、そこに塩を塗られることは?」

茜「良いことじゃないです!」

文香「そうなったら、茜さんなら、どう思いますか?」

茜「明日こそは良い日になるはずだと思います!!!」

周子(ポジティブ……!!!)

文香「その姿勢、素敵です」グッ

周子(もうただの茜ちゃんのファンでしょ)


文香「悪いことと、悪いことが重なってしまった時に使うのです」

茜「なるほど!」

文香「例えば、ランニングをしていたら、靴紐が切れた上に、雨まで降ってきてしまった……。という具合ですね」

周子(なるほど、わかりやすいね)

文香「ちなみに、似たようなことわざは他にもあります」

茜「そうなんですか?」

文香「茜さんも聞いたことがあるかもしれません。泣きっ面に?」

茜「エルボー!!!」

周子(痛い痛い痛い痛い)


周子(完全にオーバーキルでしょエルボー。どんだけ恨まれてるの)

文香「正解は、泣きっ面に"蜂"です……」

茜「鉢……」

周子(違うって)


文香「……おや」

茜「どうかしましたかっ!」

文香「いえ、意味を答える問題はここまでで、ここからはことわざ・慣用句の穴埋め問題のようです」

周子(けっこう量あるんだね)

茜「頑張ります!」

文香「では1問目……、"彼女の行動は、楽しい気持ちに○○を差した"」

茜「編み棒を刺した!」

周子(ぴにゃこら太ー!)


文香「正解は"水を差した"です」

茜「水が刺さるんですか!?」

文香「いえ、それとは漢字が違いますね……」

茜「どんな感じで刺すんですか!?」

文香「感じではなく……あの……漢字……」

周子(噛み合わない……)


文香「ええと、次は……」

茜「はっ!!!」

文香「……? どうかしましたか……?」

茜「す、すみません、レッスンの時間が近づいてきてしまいまして……!」

周子(あらあら)

文香「そうですか……では、スピードアップしましょう」

茜「はい!!!」


文香「"風が吹けば〇〇屋が儲かる"」

茜「マクドナルド!!!」

周子(せめて"屋"は守ってほしかった)


文香「"〇〇の手も借りたい"」

茜「鬼!!!」

周子(ぬ~べ~)


文香「"〇〇から牡丹餅"」

茜「朝!!!」

周子(朝っぱらからキツい献立用意してきたね)


文香「"敵に〇〇を送る"」

茜「熱い声援!!!」

周子(スポーツマンシップ)


文香「"〇〇の持ち腐れ"」

茜「SSRオーバーロード!!!」

周子(刺さる刺さる)

茜「せっかくオーバーロードのSSRがいるのに実力が足りなくて簡単な曲でしか組み込めない人のことだと思います!!!」

周子(なんで追加で刺しにいったの!?)


文香「……ええと……挑戦する姿勢は……悪くないかと……?」

周子(疑問形だし)

茜「す、すみません……」

文香「次が最後です。いいですか……?」

茜「はい!!!」

文香(あっ……)チラッ

周子(……ん?)

茜「どうしたんですかっ!」

文香「い、いえ……」コホン

文香「では……"不思議な体験をして、〇〇につままれたような気持ちだ"」

周子「!」

周子(なるほどね♪)


茜「うーん……」

文香「どうですか……?」

茜「難しいですね……!」

周子(しょうがないなー♪)

周子「コーンコンッ!」

文香「おや……どこからか、ヒントが聞こえてきたようですね……?」

茜「へっ!? し、周子ちゃん?」

周子「~♪」

茜「……かわいいです!!!」

文香「え……?」

周子「……へ?」


茜「キツネさんのモノマネですかっ! とってもキュートでしたよ!!!」

周子「えっ、あっ、いや」

茜「意外とお茶目なところもあるんですね!!! うーん! ギャップ萌えというやつでしょうか!!!」

周子「待って! なんか考えてた展開と違う!」

茜「照れなくてもいいんですよ!」

周子「いやいや! あたしのヒントで正解して丸く収まってレッスン行く流れだったよね!?」

文香「……」グッ

周子「なんなんその顔!!!」

茜「もう一回! もう一回やってみてください!」

周子「やんないって!」

茜「かわいかったのに!?」

周子「それ以上かわいい言うな!!!」

文香「おや、まるで周子さん、"顔から火が出る"ようですね……」

周子「上手くまとめてないで!!!!!」




おわり




トリップ変更しました!

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過去作


橘ありす「ジャパネットフレデリカ?」

双葉杏「プロデューサーの口調が闇遊戯みたいになった?」P「そのようだぜ!」ドン☆

佐城雪美「世のため人のため晶葉のため……」

【モバマスSS】うつしみアリス(ホラー系)


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