奈緒「おおっと、今週も魔法少女ハートフルままゆの時間になったな」 (66)

――深夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「さーて、今夜もハートフルままゆの時間になったか」カチッ、カチッ

奈緒「しかし先週のままゆとふじとものケンカも酷い話だったな……まあ、今週まで引っ張ってなさそうだからいいけど」

奈緒「とりあえず予告を見た限りだと、今週の話はまた随分と飛んでるような……」

奈緒「おっと、そろそろ始まるな」


――
――――

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『前回までのお話し』


――東京、秋葉原

ふじとも「ままゆ! この魔物はあたしが抑えてるからいまのうちに!」グググッ!

魔物「ぴっ……ぴにゃっ……!」グググッ!

瑞樹「ダメよ! ふじともちゃん、魔物の傍にいたらままゆの攻撃に当たっちゃうわ!」

ふじとも「あたしは大丈夫……だって、ままゆのためだもの。最近はケンカばっかりしてたけど、やっぱりあたしは……」

もりくぼ「そ、それでも――」


まゆ「クリムゾンハート……」ジャキンッ!

美優「え」

まゆ「バスター!!!!」ズドォォォンッ!!!!

ドドドドドドドドドッ!!

ふじとも「ちょっ!?」

まゆ「死ねえええええええええ!」

ドガアアアアアアアンッ!!!!

魔物「びぎゃあああああああっ!?」

ふじとも「ぎゃー!!」


まゆ「……ふぅー、スッキリしましたぁ」

瑞樹「……」

パアアアアッ!

ジャラジャラジャラッ!!

美優「あ、魔物が消滅したからスタージュエルが……」

もりくぼ「ふ、ふじともちゃん、大丈夫でしょうか……ままゆの攻撃で消滅してスタージュエルになってなきゃいいんですけど……」フワフワ


……
…………




『第18話 オンラインゲームはインターネットの闇? 堕落する魔法少女たち』



――事務所

瑞樹「そろそろニュースの時間ね……」ピッ!

美優「……」スヤスヤ

ふじとも「うーん……この地域に魔物の目撃情報は無し、と……」

まゆ「ふじともちゃん、何やってるんですかぁ?」

ふじとも「んー? いまね、タブレットで魔物の目撃情報が無いかネットを使って調べてたのよ」

まゆ「どうして妖精がタブレットを持ってるんですか……」

ふじとも「王国から支給されたのよ。ほら、こっちの世界の文化にもある程度馴染んでおかないと」

まゆ「そこはこう、魔法の力で調べるとか……」

ふじとも「時代は多様化が求められているもの。科学の力だって使わないとね」

まゆ「はぁ……夢がないですねぇ」

瑞樹「それにしても、暇ね……」

まゆ「そうですねぇ」

ふじとも「プロデューサーは営業から帰ってこないし、美優さんは寝てるし」

まゆ「……あれ、もりくぼちゃんがいないですねぇ?」キョロキョロ

ふじとも「ホント? もりくぼちゃーん!」



もりくぼ「……な、なんでしょうか」



まゆ「あれ、声は聞こえますけど姿が見えませんね。どこにいるんですかぁ?」

もりくぼ「プ、プロデューサーの机の下なんですけど……いつもの場所なんですけど」

ふじとも「なんだ、いるじゃない」

もりくぼ「も、もりくぼは人間世界の中を1人歩き回るような危険なことはしない妖精ですしぃ……」

瑞樹「それにしても、最近はお仕事も少ないから暇で仕方がないわね。プロデューサー君、何かお仕事取ってきてくれないかしら」

まゆ「……あ、いまPさんが帰ってきますよぉ」ピクッ

ふじとも「そうなの?」

まゆ「いまマジカルコンパクトでPさんの様子を見ていたら、事務所の玄関を開けてましたから」

ふじとも「不用意に魔法少女の道具で盗撮まがいのことをしないでもらいたいんだけど」



ガチャッ!

ふじとも「おっと、プロデューサーが帰ってきたなら隠れないと……」フワフワ

もりくぼ「もりくぼは気配を掻き消しておくのでお構いなく……」スーッ……


P「ただいまー」

まゆ「おかえりなさい、Pさん♪」ヒュバッ!

瑞樹「おかえりプロデューサー君、営業のほうはどう?」

P「ええ、1つ仕事持ってきましたよ。ちょっとこれからお話しますから、全員会議室に来てもらえますか?」

まゆ「新しいお仕事ですか?」

P「出先の帰りに、ついでに挨拶に寄ったところで1つ仕事の話を貰ってな。えーっと、美優さんは……っ!?」ビクッ!

まゆ「美優さんがどうかしたんですかぁ?」クルッ


美優「ん……んぅ……」モゾモゾ

瑞樹「ちょ、ちょっと美優ちゃん起きて! 色々服が捲れてるからっ……プロデューサー君も見ちゃダメよ!」

P「す、すみませんっ! 先に会議室で待ってますから……」ガチャッ!

バタンッ!

まゆ「……」

瑞樹「ほら起きて美優ちゃん! お仕事よお仕事!」

美優「んぁ……」

まゆ(そうですか、そうやってPさんへのポイントを稼ぐつもりですかぁ……美優さん、それならまゆにも考えがありますよ……)ギリッ!


……
…………

――事務所(会議室)

美優「……なんですか、この資料?」

まゆ「えーと……これ、ゲームですかぁ?」

P「そう、最近流行ってるスマートフォン向けオンラインゲームの『グランドブルームファンタジー』だ」

瑞樹「あ、それ電車の広告で見たことあるわ。グラブルってヤツよね?」

P「そうですそうです。そのグラブルです」


※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。※※



まゆ「そのゲームが、まゆたちの次のお仕事なんですかぁ?」

P「ああ。ゲームの広告で起用してくれるって話だ。イベントに参加してゲームの宣伝とか、ネット配信している公式の番組に出る仕事がメインになるかな」

P「あとは実際にゲームをプレイしてもらったりとか……それくらいかな」

瑞樹「あのアイドルがやってるからみんなもゲームをはじめてねっ♪ ってことね……でも私、ゲームなんてやったことないわよ?」

まゆ「まゆもあまり……家にいた頃、ちょっとだけなら……」

P「一応そこら辺は、今後ゲームのスタッフさんたちと打ち合わせをして企画の内容とかは詰めていくことになるし、いまは気にしなくていいかな」

美優「難しそうですね……ゲームのお話とか、できるかしら……」

まゆ「いつもと違う感じのお仕事ですし、大変そうですねぇ」


……
…………

――夕方、事務所

まゆ「えーっと、会員登録をして……」

美優「これであってますか?」

ふじとも「あれ、3人とも何やってるの?」フワフワ

瑞樹「次のお仕事の予習よ。プロデューサー君がゲームの仕事を持ってきてくれたのよ」

ふじとも「ゲームが仕事? ウ○ハラみたいな?」

まゆ「違いますよぉ。プロの人たちがやるようなお仕事じゃなくて、ゲームの宣伝をするお仕事です。少しはゲームのこと、知っておいたほうがいいかなってお話をしてたんです」


もりくぼ「……?」コソコソ


ふじとも「アイドルもヘンな仕事するのね……なんていうゲームなの?」

瑞樹「グランドブルームファンタジーってゲームよ」


もりくぼ(グラブル……!?)ビクッ!


※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。※※

瑞樹「ちょっと調べてみたけど、スマホで遊ぶロールプレイングゲームみたいね。パイソンゲームスっていう会社が運営しているみたいよ」

まゆ「色んなソーシャルゲームを開発運営している会社みたいですねぇ」

ふじとも「へぇー……」


※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。※※


美優「ゲーム画面……えっと、お話が始まりましたね。この子がお話のヒロイン……でしょうか」

瑞樹「キレイな青いロングヘアの子じゃない。とっても可愛い正統派ヒロインね、わかるわ」


※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。※※


ふじとも「さっきからこれでもかっていうくらいテロップ出てるんだけど非表示にしちゃっていい?」

まゆ「いいと思いますよ」


もりくぼ(……)コソコソ


……
…………

――1時間後

まゆ「とりあえずポチポチやってますけど……」

瑞樹「画面の動きがもっさりしててタップが反応しないときがあるわね」スッ、スッ

美優「あ、マルチバトルっていうのが出ましたよ」

瑞樹「私の画面にも出てるわね……wikiを読んでみたけど、マルチバトルは他のプレイヤーと一緒にボスと戦う遊びみたいね」

まゆ「やってみますか?」

瑞樹「それじゃ部屋を用意して……募集を掛ければいいのね。2人とも、募集出てるかしら?」

まゆ「あ、出ましたよぉ」

美優「それじゃあお部屋に入って……」

ふじとも「おっ、この掲示板に書き込みが……渋谷でおかしな生き物を発見した? どれどれ……」


まゆ「……みんなで戦うボスは強いですねぇ。全然HPが減らないです」

瑞樹「そうね……これ、3人で倒せるかしら」

美優「あっ、もう全滅しそう……あら?」


『kamikuboが参加しました』



まゆ「他の人が入ってきましたね」

瑞樹「マルチバトルだから他のプレイヤーも参加できるのね」


『kamikuboが奥義を発動!』


美優「あ……凄い、もうボスを倒しちゃいましたよ」

まゆ「このkamikuboさんって人、凄く強いですねぇ」

瑞樹「ホント、やり込んでいる人なのかしら?」

まゆ「まゆたちも続けていればこの人みたいに戦えるんでしょうか……?」


もりくぼ(……)


ふじとも「んー目撃情報が少ないわね。ていうか3人とも、楽しそうに遊んでるわね……」


……
…………

――1週間後、女子寮(居間)


『JKミズキが奥義を発動!』


まゆ「あっ、川島さんの今の奥義、凄いダメージ出てましたね」

瑞樹「武器のスキルレベル、イベントで手に入った武器を餌にして結構上げたのよね。大分火力も上がったわ」

美優「凄いですね……私、いまのイベントの敵は倒すのがやっとなんですけど……」

まゆ「やっぱりガチャを回して餌にする武器を集めたほうがいいんでしょうか」

ふじとも「さてと、今日のニュースは……」ピッ!


『次のニュースです。今週から数日にかけて、IT企業各社がサイバー攻撃の被害を受けたことの対応について、被害回復の見通しが現在も立っておらず――』


ふじとも「世の中大変ね……マジカルランドも魔物たちの被害を受けているし」

もりくぼ「……」

まゆ「暮らしが豊かになると、それに伴って新しい弊害も出るんですよねぇ」

瑞樹「あら、この人……」


『kamikuboが参加しました』


美優「またkamikuboさんが来てくれましたね……」

瑞樹「助かるわぁ。kamikuboさんがいるとあっという間にボスを倒してくれるもの」

まゆ「ダメージの桁が頭おかしいですねぇ」


もりくぼ(……ふ、ふふふ)



もりくぼ(みなさん、どうやらkamikuboがもりくぼだっていうことには気付いていないみたいなんですけど……)

もりくぼ(もりくぼは、王国からタブレットを支給されてからすぐにグラブルを始めたので、みなさんよりも長くプレイしていますし)

もりくぼ(ガチャの強キャラも引いて理想編成もしっかり組んでますし、最終上限解放もしていますし……)

もりくぼ(マグナ編成も完成して、ベヒーモスウェポンも作って、エンドコンテンツのアソビット帝国12傑のキャラクターも1人解放しています)

もりくぼ(グラブルの中ならもりくぼは上級者ですし、みなさんには早くマグナ編成くらいは作ってもらいたいんですけど……)


※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。※※


瑞樹「あ、あら?」

美優「えっ」

まゆ「な、なんですかこれ?」

ふじとも「ん? みんなどうしたの?」

まゆ「いえ、あの……グラブルの画面に……」


魔物?『ぴにゃ! ぴにゃっ!!』


ふじとも「うえええええっ!? こ、これ魔物じゃないの!?」

瑞樹「そ、そうよね……どうみてもあのブサイクよね」

美優「どうしてゲームの中にあのブサイクか……」

魔物?『ぴにゃっ!!』


まゆ「ああっ!? まゆたちのキャラクターが一気に倒されて……」

瑞樹「どうなっているのかしら……」

もりくぼ(つ、強すぎるんですけど……!?)

ふじとも「ちょっと待って、いま2ちゃんねるのグラブルスレを……」スッ、スッ


『おいなんだこの敵、新しいイベントか?』

『聞いてねーぞ運営! しかも糞つええし』

『おい即死したぞ。出すにしてもバランス調整くらいしろks』

『まーたエアプ運営の仕業か』

『お知らせにも載ってないし詫び石配れや』


ふじとも「スレが荒れてるわね……他のプレイヤーも知らない敵みたいだし、もしかしたら本当にあのブサイクなのかも」

美優「魔物が……ゲームの世界に入るなんて出来るんでしょうか……?」

ふじとも「体を電子データ化して電脳空間に入り込めばもしかしたら……」

まゆ「すみません、今の発言、完全に魔法要素がゼロになってると思うんですけど」

ふじとも「細かいことは気しちゃダメよ」

美優「でも、電脳空間なんて……どこから入ったんでしょうか」

ふじとも「……ちょっと待って! さっきニュースでやってたサイバー攻撃の話……この前掲示板で見かけた内容も合わせると」

瑞樹「何か知ってるの?」

ふじとも「この前、渋谷でおかしな生き物を見たって書き込みがネットに上がってたの。いま検索してるけど、もしかしたら……」


『パイソンゲームス本社所在地 日本 東京都渋谷区』


まゆ「グラブルの運営会社……ですかぁ?」

ふじとも「やっぱり! 渋谷にいた魔物が電脳空間に入ったんだわ!」

瑞樹「でも電脳空間にいる魔物なんてどうやって倒しにいけばいいのかしら」

ふじとも「そうね……魔法の力でまゆちゃんたちも電子データ化して電脳空間に入り込めば……」

まゆ「魔法っていう言葉を都合よく使いすぎじゃないですかねぇ……」

ふじとも「つべこべ言わないの! そうと決まれば渋谷まで行くわよ!」

美優「仕方が無いですね……」

もりくぼ(IPアドレスを調べて、そこから直接乗り込めばいいと思うんですけど……でも、そんなこと言うなんてむぅーりぃー……)


……
…………

――数時間後、渋谷(パイソンゲームス本社前)

まゆ「とりあえず来ましたけど……」

美優「これからどうしましょうか?」

瑞樹「うーん……とりあえず変身する?」

ふじとも「そうね。それじゃみんな、スタージュエルよ」ヒュッ!

まゆ「はい。いきますよぉ!」


「「「マジカルチェーンジ!」」」


パアアアアアッ!!!!


ふじとも「週のノルマ的にも変身しておかないとね」

もりくぼ「へ、変身しておかないと後で、色々なところから怒られることになりますし……」

まゆ「魔法少女、ハートフルままゆ!」

瑞樹「マジカルミズキ!」

美優「プリティーミユミユ!」

ザッ!

美優「魔法の力を希望に変えて!」

瑞樹「私たち!」

まゆ「マジカルトリオ……」


「「「マジカルガールズ!」」」



まゆ「……で、どうしましょうか?」

瑞樹「そうねぇ……」

もりくぼ「……あ、あの」フワフワ

美優「どうしました?」

もりくぼ「えっと……近くのネットカフェに入って、そこから電脳空間に入る、とか……」

ふじとも「んー、そうね。とりあえずもりくぼちゃんの案でいきましょうか」

まゆ「はぁい」

……
…………

――数十分後、渋谷(某インターネットカフェ)

受付「ご利用はどうなされますか?」

まゆ「えーと、3人入れるお部屋ってありますか?」

受付「ファミリー用の個室でしたらすぐにご案内できますがよろしいでしょうか?」

まゆ「それじゃあそれでお願いします」

受付「では代表者様のお名前を……」

まゆ「ハートフルままゆでお願いします」

受付「ハートフルままゆ様……それでは3名様で18時までのフリータイムで受付します。お時間の10分前には備え付けの電話にてご連絡させて頂きます」

瑞樹「会員登録してないから無駄にお金が掛かるわね……」

美優「仕方が無いですね……とりあえずお部屋に行きましょうか」


……
…………

――ネットカフェ(個室スペース)

ふじとも「えーっと、一度LANケーブルを抜いて……よしみんな、ここから行けるわ!」

まゆ「えっと……それで、どうやって電脳空間に入ればいいんでしょうか……」

ふじとも「大丈夫よ、マジカルコンパクトを出して。コンパクトをLANケーブルの差込口に向ければままゆたちの体が電子データ化されて電脳空間に入ることが出来るわ!」

瑞樹「相変わらず何でも出来るわね、このコンパクト」

美優「何でも出来すぎだと思うんですけど……」

もりくぼ「18時まで3時間しかありませんし、延長料金が発生する前に戻ってきてくれると嬉しいんですけど……」

まゆ「分かってますよぉ。それじゃあ、行ってきますね」スッ

パアアアアアッ!!

ふじとも「気をつけてねー!」

パシュンッ!

ふじとも「さて……すっかり考えてなかったけど、あたしたちはどうやってままゆたちの様子を確認すればいいのかしら」

もりくぼ「そ、それなら……もりくぼのタブレットからグラブルにログインして、魔物が出たらマルチ部屋に入ってみます……」

ふじとも「あれ、もりくぼちゃんもグラブルやってたの?」

もりくぼ「ち、ちょっとだけ、ですけど……」

もりくぼ(ふじともちゃんはグラブルをやってないから、もりくぼのやり込み具合は分からないと思いますし、大丈夫……多分……)

もりくぼ(ガチャの課金額とか分かったら、恥ずかしいですし……)

ふじとも「もりくぼちゃん、こういうのが好きなんて意外ね」

もりくぼ「そ、そうでしょうか……もりくぼも、一般妖精並にはゲームに興味ありましたし……」

……
…………

――電脳空間

まゆ「ここが電脳空間ですか……見渡す限りの草原ですねぇ」

美優「この空間に来るまでの間、凄く目がチカチカした場所を飛んでたんですけど……昔テレビで見たデジタル世界の背景みたいな場所……」

瑞樹「あんまりにも眩しくて失明するかと思ったわね」

まゆ「あっ! ミズキ、ミユミユ、見てください!」


魔物「ぴにゃっ……ぴにゃっ……」ズシンッ、ズシンッ!



瑞樹「ラッキーね、いきなりブサイクとご対面よ!」バッ!

まゆ「個室の延長料金が発生する前に終わらせましょう!」パアアアッ!

魔物「ぴにゃっ!?」

まゆ「バラバラにしてあげますよぉ!」ビュッ!

ガキィンッ!

魔物「ぴにゃっ! ぴにゃっ!」ググググッ!

まゆ「うっ、ぐぅ……まゆの包丁が……このっ!」グググッ……

美優「ままゆ、離れてください! 力強い風よ……エアカッター!」パアアアッ!

ザシュシュシュッ!!

魔物「びっ!?」ブシャッ!

瑞樹「まだまだいくわよ、アイススピアー☆」ドシュシュシュッ!

魔物「ぴにゃああああああっ!」ドドドドドッ!

まゆ「あっ!? 逃げましたよ!」

美優「追いかけましょう……!」

……
…………

――ネットカフェ(個室スペース)

もりくぼ「マルチ画面の魔物のHPバーは結構減っているみたいなんですけど……」

ふじとも「え、どれのこと?」

もりくぼ「これです、この上の赤い線なんですけど……」

ふじとも「あーこれ? 下の丸いヤツはなんなの?」

もりくぼ「それが全部溜まると敵が必殺技を使ってくるんです……基本は使われる前に倒すか、ダメージカットでやり過ごすんですけど……」

ふじとも「んー、よくわかんないわね。とりあえずままゆたちが優勢ってことでいいのね?」

もりくぼ「そ、それで大丈夫だと思います……」

ふじとも「というか、ままゆたちがドット絵で表示されているのも面白いわね」

もりくぼ「魔法少女の姿が豪華ですし、SSRみたいな姿に見えるんですけど……ガチャで実装されそうな見た目なんですけど……」

もりくぼ(散財待ったなしなんですけど……な、なんて……)

……
…………

――電脳空間

魔物「ぴにゃー!!」ドドドドドドッ!

瑞樹「もうっ! あのブサイク、デカイのにあんなに速く動けるなんて!」ビューンッ!

まゆ「空を飛んでも追いつけませんよぉ!」

美優「バインドも避けられますし、どうしましょうか……」

魔物「ぴにゃっ!?」ザザーッ!

まゆ「あっ、ブサイクの走ってる先が崖になってますよ!」

魔物「ぴ、ぴ……」

瑞樹「袋のねずみね。さーて、散々逃げ回られたけど、そろそろおしまいよ☆」ジャキンッ!

魔物「ぴにゃああああ……」

美優「あら?」

パアアアアッ!

魔物「ぴにゃっ!」

まゆ「ま、魔物の後ろの空に、変な穴が開いたんですけど……」

瑞樹「何かしらあれ……まさか」

魔物「ぴにゃっ!」ピョンッ!

瑞樹「穴に入ったわ! もしかしたら、あそこが電脳空間の出口になっているのかも……」

まゆ「たっ、大変ですよぉ!? もし魔物が外で暴れたら……」

美優「私たちも追いかけましょう!」

まゆ「そうですね……えいっ!」ピョンッ!


……
…………

――ネットカフェ(個室スペース)

もりくぼ「あ、あれ……?」

ふじとも「どうしたの?」

もりくぼ「マ、マルチバトルが強制終了したんですけど……ままゆたちも、魔物も消えたんですけど……」

ふじとも「えええっ!? ど、どうなってるのかしら……」

もりくぼ(それなら、今のうちに素材集めしておきたいんですけど……)


……
…………

――東京、渋谷、パイソンゲームス本社(サーバー室)

パアアアアッ!

魔物「ぴにゃっ!」ズシンッ!

ドサドサドサッ!

まゆ「きゃっ!?」

瑞樹「いっつつ……ここ、外かしら……?」

美優「どこかの建物の中みたいですけど……」

魔物「ぴにゃあああああ!!」ズズズズズズ……!

まゆ「あっ、結界が張られちゃったみたいですねぇ……」

瑞樹「でも好都合よ、これなら他の人が騒ぎに気付くこともないわ」

美優「室内なら魔物も遠くまで逃げられませんし……いまのうちに倒しましょう。ままゆ!」

まゆ「はいっ! そうだ、いまなら念話で……ふじともちゃん!」

ふじとも『ままゆ!? 念話が通じるっていうことは外にいるの!?』

まゆ『そうです! どこかの建物の中みたいですけど……ブサイクは追い詰めました! このまま一気に倒したいので、ガチャを回して新しい魔法少女の力をお願いします!』

ふじとも『ガチャね、分かったわ! 回したらままゆの精神に新しい魔法少女の力を入れるから、少しだけ持ちこたえて!』

まゆ『分かりました!』

……
…………

――ネットカフェ(個室スペース)

ふじとも「もりくぼちゃん、ままゆから念話が来たわ! 魔物を追い詰めたからガチャを回して新しい魔法少女の力を頂戴って!」

もりくぼ「それじゃあガチャを出して……え、えいっ!」


http://i.imgur.com/7frdqTu.jpg


ふじとも「今回はガチャを回す予定はなかったけど……」チャリンチャリンチャリンッ!

もりくぼ「あうあう……で、でもみんながピンチならもりくぼたちも援護しませんと……」チャリンチャリンチャリンッ!

もりくぼ(こっちのガチャを回してるとグラブルのガチャも回したくなるんですけど……新キャラがほしいんですけど……)

ふじとも「どうしたのもりくぼちゃん、手が止まってるわよ! 早くスタージュエル入れて!」

もりくぼ「す、すみません……」チャリンチャリンッ

出るまで回してきますので少し席を外します

いや……たまたま今回は出すまで回し続けるつもりだったのと、
前に上げた各話リストの中で丁度時事ネタも絡みそうな話があったのでスレ立てたのはガチャ回すついでです。


http://i.imgur.com/4XppXqm.jpg


ふじとも「よっし! 今日も大吉よ!」グッ!

もりくぼ「月末を迎えるのが恐ろしいんですけど……」


http://i.imgur.com/K36sbQT.jpg


もりくぼ「の、残りの魔法少女の力は普通の力みたいです……」ガサゴソ

もりくぼ(こ、この調子なら次のガチャもなんとかなったり……)


http://i.imgur.com/xW7ozNb.jpg


ふじとも「何でもいいけど新しい力ならオッケーよ! 早いうちに」ササッ!

ふじとも「ままゆ、出たわよ! ままゆ聞こえる? 今から新しい魔法少女の力を送るわ!」スススッ

まゆ『分かりました……あっ、ん……そ、そこっ……そこです……あっ』


もりくぼ「そういえば……みんなはどこに行ったんでしょうか……」

ふじとも「そうねー、どこかの建物の中って言ってたけど」

もりくぼ「ま、まあもりくぼはみなさんを信じてここで待っているので……グ、グラブルのほうも何かないか見張っているんですけど……」

ふじとも「私はそっちのほうはよく分からないからよろしくね、もりくぼちゃん!」

もりくぼ(これで素材集めが再開できるんですけど……)

……
…………

――パイソンゲームス本社(サーバー室)

パアアアアアッ!

まゆ「新しい魔法少女の力が来ましたよぉ! ミズキ、ミユミユ、離れてくださぁい!」

瑞樹「ミユミユ!」

美優「ストームバインド!」パアアアアッ!!

ビシュシュシュッ!!

魔物「ぴにゃっ!?」ギシッ!!

美優「捕まえました……!」

瑞樹「今日は大サービス、魔法少女みんなで一斉攻撃よ☆」


まゆ「いきますよぉ! クリムゾンハート……」

瑞樹「アブソリュート……」

美優「ストームディバイン……」

「「「バスター!!」」」

ズドドドドドドドドッ!!!!

魔物「ぴ――」

ドガアアアアアアアンッ!!

バキバキバキバキッ!!

まゆ「やりましたっ! ブサイクの跡形もありませんよぉ!」

瑞樹「魔物も吹っ飛ばして、マジカルミズキの大勝利☆」

美優「ち、ちょっとやりすぎたと思いますけど……周りのパソコンとか、たくさん壊れちゃいましたし、壁に穴も……」

瑞樹「仕方が無いわよ。魔物を何とかしないともっと大変なことになるんだから」

<ビーッ! ビーッ! ビーッ!

まゆ「きゃっ!? な、なんですかぁ!」ビクッ!

瑞樹「多分、ビルのセキュリティね。さすがに壁に穴空けたら警報も鳴っちゃうわね。結界も解けたみたいだし、誰かがここに来る前に私たちもここから離れましょうか」

美優「そ、そうですね……誰かに見つかると、大変なことになりそうですし……」

まゆ「それじゃ壁に空いた穴から外に飛んでいきましょうか」ヒューン

瑞樹「それにしても、今回は電脳空間に行ったりと大変だったわねぇ……」

……
…………

――ネットカフェ(個室スペース)

まゆ『というわけで、魔物は倒したからまゆたちもいまからネットカフェに戻りますね』

ふじとも『お疲れさま。退出時間までまだ1時間くらいあるし、ゆっくり戻ってきていいわよ』

もりくぼ『こ、今回も魔法少女の大活躍なんですけど……』

瑞樹『正義の魔法少女は必ず勝つものよ♪』

美優『そ、そうですね……』


ふじとも「さーてと、それじゃままゆたちが戻ってくるまで大人しく待ってようかしらね。漫画取ってこようかしら」

もりくぼ「……あ、あれ?」

ふじとも「ん、どうしたの?」

もりくぼ「そ、その……突然グラブルに接続できなくなって……」


『ERROR! ERROR CODE――』


ふじとも「エラーね。調子悪いんじゃない?」

もりくぼ「そ、そうなんでしょうか……いまから遊ぼうと思ってたから、残念なんですけど……」

ふじとも「いいじゃない。ゲームなんていつでも遊べるんだし、あたしたちも少し休憩してましょう」

もりくぼ「うううう……お詫びでサプチケ売ってほしいんですけど……」


……
…………

――3日後、事務所

P「うーむ……」カチッ、カチッ

ガチャッ!

美優「おはようございます……」

まゆ「Pさん、おはようございます♪」

P「……ん、ああ、おはようみんな」

瑞樹「どうしたのプロデューサー君、朝から難しい顔して?」

P「ええ、それがですね、今朝のネットのニュースなんですけど……」

まゆ「ニュースですか? えっと……パイソンゲームスさんのニュースですか?」チラッ


『日頃より「グランドブルームファンタジー」をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。~中略~ サーバートラブルによりメンテナンスを継続しておりました。』

『しかしながら、サービス再開が非常に困難な状況となり、サービス終了の判断をせざるを得ない状況となりました。大変申し訳ありませんが――』


瑞樹「あら……あのゲーム、終わっちゃうの?」

P「そうらしいです。詳しい話はまだ聞いていないんですけど、サーバーのトラブルらしくて……」



※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。※※

美優「そうなんですか……パソコンは、詳しいことは分かりませんけど……残念ですね」

まゆ「まゆたちもゲームは楽しめていたんですけど……」

P「まあ、仕方がないさ。事情が事情だし、俺たちよりもパイソンゲームスさんたちのほうが大変だろうさ」

瑞樹「そうねぇ……でも、これじゃお仕事の話も無くなったわよね。ホント、残念だわ」

P「すみません」

まゆ「Pさんのせいじゃありませんよぉ。パイソンゲームスさんたちのトラブルなんですから……」

美優「そう、ですね……また、Pさんが私たちに新しいお仕事を持ってきてくださるの、待っていますから」




もりくぼ「う……うーん……」バターンッ!

ふじとも「ちょっ、もりくぼちゃん! どうしたの口から泡吹き出して!?」

もりくぼ「も……もりくぼの……データ……これまでの、課金が……」ブクブクブク……

ふじとも「もりくぼちゃん、もりくぼちゃーん!!」


つづく

……
…………

『次回予告!』


ふじとも「みんなには話してなかったと思うんだけど、マジカルランドに伝わる伝説の魔法少女は4人いるのよ」

まゆ「へぇ、そうなんですか」

瑞樹「私たち3人しかいないけど」

もりくぼ「で、伝説の魔法少女たちは4人でユニットを組んでいたって伝説が残っているんですけど……」


――古の伝説を聞いて思い悩むまゆたち。


まゆ「ええっ!? Pさんがお仕事に向かったさいたまスーパーアリーナの近くに魔物が!?」

瑞樹「行くわよみんな! 新しい魔法少女のチームプレー、試すチャンスよ!」

美優「これでPさんが巻き込まれたのって何回目でしょうか……」


――危機に陥ったPを助けるために魔法少女たちの取った行動は……。


『次回、魔法少女ハートフルままゆ第19話!』

『私たちのユニット! マジカルガール誕生!』


P(プリティーミユミユ、こんなにボロボロになって服も破けているのに、こうやって抱いてくれるなんて……やわらかい……)

まゆ「Pさんのために一番命がけで戦っているのはまゆなのに、どうしてミユミユが美味しいところを持っていくんですか! もう許しませんよぉ!!」


『次回もお楽しみに!』


――
――――

――深夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「終わった……なんで、こんな話を……」ガタッ……

奈緒「……そうだ、実況スレは」カチカチッ!


『おい脚本、なんでこんな話を書いた……』

『課金しまくったソシャゲーが突然サービス終了したら廃課金共はどうするつもりなんだろうか』

『終わったら別のゲームに移るだけだし』

『んなこと考えてたら課金してられねーだろ』

『ガチャは悪い文明』

『女児向けアニメにソシャゲーネタ持ち出すとかやめろよマジで』

『まほまゆはソシャゲーに手を出すのは危険だと教えてくれる神アニメ』

『糞アニメの間違いだろ』


奈緒「そうだな……あたしもちょっと課金して遊んでるソシャゲあるけど、いつサービス終了するのかなぁ」

奈緒「いや、考えるのはよそう。それにしても別の意味で後味の悪い回だったな……こんなネタもってくるとか、ホント糞アニメ過ぎる……」


……
…………

おわり

お迎えできてよかった。今回は被りも少なかったし。
あと、復活でなくガチャ回すついでに捨てたテキスト拾ってガチャ部分だけ足したものなので続きません。

HTML依頼出して終了。

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