妄想の中で (2)
僕はごくごく平凡な中学二年生
成績はちょっぴり平均よりも良くて中の上くらい
良く話す友達はクラス三人程度
気になる女の子もいるが残念ながらその子とは、ほとんど接点がない。
彼女が所属する生徒会と僕の所属するボランティア部で事務的なやり取りをするくらいだ。
彼女と仲良くなりたいが恥ずかしがり屋で臆病な僕には無理な話だ。
でも僕の頭の中にある妄想の世界では彼女は恋人でヒロインで僕の思い通りになる。
教師「えーであるからして」
数学の教師が授業をしているが、この範囲は塾で嫌というほど繰り返して勉強した。
なので今更学ぶ必要はないので、この時間は妄想に使ってしまおう。
それに僕の妄想物語の第1章もそろそろ最終回を迎えるから丁度良い。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495805125
世界征服を企む、悪の組織のボスとの最終決戦
親友も家族も殺され、一緒に戦った仲間も死に
僕も力尽きてボスにとどめを刺されそうになった時ヒロインが命を呈して僕を庇う
ヒロインを失った悲しみで僕は謎の覚醒をしてボスと互角以上の戦いをする
そして……
イテッ！なんだ！チョークが飛んできた。
前を見ると教師がこちらジロッと睨んでいた。
教師「私の授業を聞くよりも窓の外を見つめてボーッとする方が大切かね？」
僕「すいません…少し考え事をしてました」
教師「ほう、授業よりも大切な、考え事ならこの場で話してくれ…私が納得するものであれば君を許す」
僕「……」
くそ！めんどくさいな
それに僕の妄想をクラス全員聞かされるはずないだろう
語ってしまったら明日から僕は厨二病の変わり者だ
僕「考え事は授業よりも大切ものではありません。本当にすいませんでした」
教師「フン！ならば最初から真面目に聞いておけ」
よし決めた！僕の妄想の物語で悪の組織のテロリストに殺される一番初め犠牲者はこいつにしよう
だって妄想の中では自由なんだから
さてどんな惨い死に方にしようか
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