男「非日常的なこと起きないかなー」神「やぁ」 (11)



男「起きるわけねぇよな」

神「ねぇ」

男「アニメじゃあるまいし」

神「おーい」

男「さ、大学に行こう」

神「………」

神「素質無し」




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通学路―――


男「ふぁ~…講義面倒だな」

男「ん?」

男「ここにこんな道あったっけ?」

男「…ま、いっか」

男「寄り道してると講義遅れる」


ズズッ……


老人「いかんいかん…ホントに結界が緩んでおったわ」

老人「一般人が迷い込んだら大変じゃったわ」




講義室―――


男(退屈だなー…)

男(みんな真面目に聞いてるんだろうか…)キョロキョロ

男(ん?)

男(なんだアイツ…)

赤髪の女「………ZZZ」

男(髪の色もヤベーけど)

尻尾「」フリフリ

男(悪魔的な尻尾が見えるんだけど)

男(趣味か?)

男(生えてるみたいに動いているし…)

赤髪の女「んにゃ…」

男(あ、起きた)

男(絡まれるとヤバそうだからもう見ないでおこう)

赤髪の女「ふぁぁ…」

赤髪の女「ん?」

尻尾「オッス」

赤髪の女「!?」

尻尾「キャッ」シュルシュル

赤髪の女(油断してた!)

赤髪の女(最後尾の席だったからリラックスして寝てしまった!)

赤髪の女(見られてないよな)チラッ

男「………」

赤髪の女(講義に集中しているようだな…)

赤髪の女(助かったー!横の列がコイツだけで)




キャンパス内―――


男(まだサークル勧誘の張り紙があるな)

男(それにしても色んなサークルがあるな)

男(ん?)

男(日常会話研究会?)

男(コミュ障あつまれー!みんなで楽しく会話しよう!)

男(部員現在…2名)

男(やべーな…どっちも女子ってのがなさらにヤバそう)

男(ま、サークルには入りたくはないかな…)


釣り目の貧乳「今、アイツ勧誘読んでたよね!?」

垂れ目の巨乳「ど、どうかなー」

釣り目の貧乳「は、話かけて勧誘しないと!」

垂れ目の巨乳「あ、でも、もう行っちゃたよ~」

男「」スタスタ


釣り目の貧乳「あ、ちょ」

釣り目の貧乳「待って…!!(超小声)」

垂れ目の巨乳「こ、声が小さいよ~」

釣り目の貧乳「う、うるさいっ」




古本屋―――


男「バイトまで時間あるなー」

男「古本屋で立ち読みでもすっかー…」


ウィーン…


店員「いらっしゃいませー」

男「なに読もうかなー…」

男「お?」

黒い古本「」ズズズ…

男「なんだ…この…妙に引き付けられる…」

外人「シツレイシマース」スッ

男「あ」

外人「ハヤイモノガチデース」

外人「オミセノ、ハリガミニモ、カイテアリマース」

男「む」チラッ


“古本欲しさに争うな早かった者に譲れ”


男(確かに)

外人「ソレデハ、ボーイ」

外人「シーユー」

男「しーゆー」

男「漫画でも読むか…」




バイト―――


店長「客来ないなー」

男「そうですねー」

店長「開店当初は賑わっていたのにな」

店長「2年、3年と経つうちにどんどん落ちて行ったなぁ」

男「はぁ…」

店長「貧乏神とか来てたりしてるんじゃないかって最近思うんだ」

男「笑えないっすね」

店長「だよ」


あははははっ


貧乏神「出て行ってやるか…」




幽霊屋敷―――


男「バイト暇過ぎて逆に疲れたわー」

男「ささっと帰るかー」


ピピピピピピピッ――!


男「もしもし、どうした?」

友『バイト終わった?』

男「いまさっき」

友『じゃあ、肝試しに行くからこいよ』

男「えー、時期早くないか?」

友『心霊動画漁っていたら行きたくなってな』

男「あー」

友『来るだろ?』

男「まぁ」

友『んじゃ、どこどこに何時で!』

男「ほい」


~~~~~~


男「拍子抜けだったな」

友「そうだな」

男「場所間違えたんじゃない?」

友「いーや、あってる」

男「そうかー?」

男「なんていうか霊的な感じ一切感じなかった」

友「うーん」

友「結構有名なスポットなんだけどな」

友「霊感持ってる人達が近づくのも嫌がったってある」スタスタ

男「霊感無い身としてはなんともだったな」スタスタ

友「―――」スタスタ

男「―――」スタスタ



霊能力者「うんうん、急いで昼に除霊しといて正解だったな」




自宅―――


男「ふぅーただいま」

神「おかえりー」

男「今日も実に平和(日常的)で疲れたー」

神「そっか」

男「風呂に入って寝るとするか…」

神「やっぱり素質ないな、コイツ」


ピピピピピピピッ―――!!


神「なんじゃ!?天変地異か!?」

男「もしもし?」

神「電話か…」

幼馴染『男くん?今日も電話しちゃった』

男「あー、いいよ別に今帰ったところ」

幼馴染『うん、知ってる』

男「知ってるのか」

幼馴染『当然!』

男「そうかそうか」

幼馴染『今日はなにかあった?』

男「いーや、いつも通り」

幼馴染『うんうん!良かった良かった!』

男「良くねーよ」

男「退屈でしょうがなく感じる」

幼馴染『そう?こうして幼馴染と会話する日常も悪くないと思うんだけど』

男「傍から見たら羨ましがる奴はいるかもな」

男「でも、俺には目新しさが無くてな」

幼馴染『私との会話退屈なんだ…』

男「あ、悪かった」

男「言い方がよくなかった」

幼馴染『いいよ、分かってるから』

男「そうか?」

幼馴染『うん!男くんのことなら何でも分かるからね!』

男「冗談に聞こえないや」

幼馴染『冗談じゃないもん!』

男「あはは、そうか」

幼馴染『もう』




男「そういや受験勉強ちゃんとやっているのか?」

幼馴染『もちろん!』

男「おばさんに聞いたけど同じとこ受けるって」

幼馴染『あ、聞いたんだ。そうだよー』

男「ま、お前さんのことだから心配はしてないけど」

男「頑張れよ」

幼馴染『うん!ありがとう!』

男「よし、じゃあ、遅いしそろそろ」

幼馴染『あ、待って』

男「ん?」

幼馴染『お守りちゃんと持ってる?』

男「え、あれ」

男「持ってるよ」

幼馴染『違う。持ち歩いてるかって話』

男「あー、いや」

幼馴染『やっぱりー』

幼馴染『持ち歩かないと完全に効果を発揮できないんだよー』

男「そうなのか」

男「家に飾っておいた」

幼馴染『もー忘れたの?じゃあ、中を開けたらダメってのは覚えてる?』

男「あー、そっちは」

幼馴染『そう、ならいいわ』

男「おう」

幼馴染『じゃあね、おやすみ』

男「おやすみ」


プツ―――


男「さて、風呂に入るか…」スタスタ


神「なんと恐ろしい…」

神「恐ろしいオナゴじゃ…」


お守り「」ゴゴゴ…!!




幼馴染の部屋――――


幼馴染「もしもし」

幼馴染「あ、老人さん?」

幼馴染「結界やっぱり緩んでた?」


ピロリン♪(メールが届いたよ)


“ボーイが手に取る前に回収できたデース”


幼馴染「ありがとうございます」

幼馴染「いえいえ」カタカタ


“報酬は口座に振り込んどいた。本の代金も欲しいなら領収書ください”


幼馴染「はーい、またよろしくお願いします」ッターン


ピロロリン♪(メール送信)


ピンポーン!


幼馴染「はーい」


ガチャ―――


霊能力者「依頼通り除霊して参りました」

幼馴染「ありがとうございます」

幼馴染「こちらが報酬ですね、お確かめください」

霊能力者「…たしかに」

霊能力者「では」

幼馴染「はーい」


バタン―――


幼馴染「ふぅー…やっと勉強できる」

幼馴染「受験のこと心配してくれるならお守りちゃんと持ち歩いてよね」

幼馴染「男くんは色々と引き付けちゃう主人公体質なんだから」

幼馴染「私がしっかりと守らないと」


スチャ(ヘッドホン装着)


幼馴染「あー、男くんの寝息…」

幼馴染「どんな音楽よりもリラックスできるわ…」カキカキ




自分の日常は誰かの非日常に守られているのかもしれない。




おわり


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