かばん「パークのお土産コーナーという場所に置いてました、どうやら、色によって味が違うみたいで、砂糖で作られた豆みたいなものですね、サンドスターのお陰で食べられる状態で保存されていました」
助手「それにしても凄い色ですね、本当に食べても大丈夫なのですか?」
博士「酷くサイケデリックな色をしているのです」
かばん「そうですね……まずはこの赤色のなら木の実みたいで食べれそうじゃないですか?」
助手「とりあえずそれを一つよこすのですよ、かばん」
博士「我々が100味ビーンズとやらを味見してやるのです」
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かばん「はい、では赤色のビーンズから……、お味はどうでしょうか?」
助手「……」クチャクチャ
助手「これは……以前アルパカに教えた紅茶、シナモンティーの味がしますね。博士は……?」
博士「……」クチャクチャ
博士「……これは、動物だった頃食べた味です……」
かばん「動物だった頃? 鳥さんだったときですか? 何の味ですか?」
博士「これは……ミミズです!!」
かばん「え、ミミズですか? 食べて大丈夫でしたか?」
博士「鳥のフレンズにとっては、思い出の味なのです」クチャクチャ
助手「フレンズになってからもミミズを食べれてよかったですね、博士」
博士「カバンも一つどうですか? 鳥の気持ちになれますよ?」
かばん「ボクは遠慮したいです……百味ビーンズはお二人で楽しんでください……、次は緑色のビーンズ食べて見ますか? 普通の豆みたいでこれも美味しそうですよ?」
博士「そうですか? それでは、この島の長として全て我々が食らってやるのです」クチャクチャ
助手「我々が全て食べつくすのです。この島の長として」クチャクチャ
かばん「今度の味はどうですか?」
助手「これは……果物のりんごの味ですね博士、美味しいです」
博士「え? 私のは草の味がします……、何で同じ色なのに助手と味が違うのですか?」
かばん「あれ? おかしいですね……あ、よく見たら微妙に色が違います! 同じ緑でも薄い色だったり! さっきの赤も微妙に違いますね、ミミズ味?にはぶち模様が入ってました」
助手「似た色でも区別されていて色によって味が割り当てられているという事ですか?」
博士「なるほど、それで100味ビーンズと呼ぶのですね、ヒトは面白い料理を作る天才なのです」
かばん「この黄色も微妙に違いますね、では、助手さんにはコレを、博士さんにはちょっと白い模様があるやつをどうぞ……」
助手「甘酸っぱい味で……美味しいです……、レモンの味です」
博士「……う゛えっ⁉︎ うっ゛⁉︎ げふうーっ‼︎」
かばん「うわーっ‼︎ 博士さん‼︎ 大丈夫ですか⁉︎」
博士「……かばん……何なんですか! これは! カビが生えたような腐った卵の味がしましたよ!」
かばん「えーっ⁉︎ 食べ物ですよねコレー? そんな腐った味とか無いと思いますよー?」
博士「うぇぇ……こんな味……、動物だった頃でさえ味わった事、無かったですよ……、よりにもよってカビの生えた卵の味なんて……」フラフラ…
かばん「そ、そうですよね……、鳥のフレンズさんに卵は……あんまりですよね……ごめんなさい」
助手「私は、よく他の鳥の卵食べてましたけどね」
博士「」ガクガクブルブル
かばん「えーっ、助手さん! 今はあんまりそう言う事言わないほうがいいですよ!博士さんシュッてなってますから~!」
助手「ギャグですから怖がらないでください。似た色を選んでばかりでなく、一つしか無い色はないのですか?」
博士「そうです、さっきから同じ系統の色を選ぶ事で私だけハズレを引いていたみたいな構図に納得いかなかったのです。次は我々が好きな色を選んで食べていくのです」
かばん「一つしか無い色……、結構ありますね、どれにしますか?」
博士「では、かしこい我々の羽色に似た奴にするのです、私はこの白いビーンズにするのです」
助手「ならば私はこの色ですね」
かばん「博士さんのは白というか、薄い水色っぽいですね、助手さんのは暖かみがある茶色のビーンズですね、美味しそうです」
助手「では食べてみます」クチャクチャ
助手「……ふむ、このビーンズはとても甘い味です。博士のは……?」
博士「…………」ブクブクブクブク……
かばん「わー! 博士さんの口から泡が出てますよ!水、水を飲んでください!」
……
………
かばん「大丈夫ですかァ? き、気絶しているみたいですけど……」
博士「……はっ! ちょ、ちょっと、うたた寝してただけですよ。こんな味、よ、余裕……しゃくしゃく……なのです……」フラフラ……
かばん「全然大丈夫そうに見えないのですが……、それにしても石鹸味なんてあるのですね、しかもかなりリアルな再現みたいで……」
助手(……博士ばかりゲテモノが当たっている、優秀な助手として博士を引き立てる為にも次は私がゲテモノを引き当て博士には美味しいビーンズを食べてもらわなければなりません……)
助手「博士、傾向からしてぶち色のビーンズはハズレが多いようです。なので、次は私がこのカラフルなぶち色ビーンズにしますので、博士はシンプルな色のビーンズをお選びください」
博士「助手……恩にきるのです。では私は次はこの青色にします!」パクー!
かばん「セルリアンみたいな色ですけど……大丈夫ですか……?」
博士「うグぅぅぅぅぅぅぅーーっっッッッ!!??」
助手「博士、青色もダメだったのですか?」
かばん「わーっ、大丈夫ですかぁ? 青はブルーベリー味みたいですけどぉ……?」
博士「せ、石鹸味の後にこの味はダメです。ダメなのです!!」
かばん「あぁ……なんとなく分かるような気がします……というか、まだ口の中から石鹸味消えないのですね……」
博士「これから食べるもの全てを破壊する強烈な味ですよ、石鹸味は……!!」
かばん「石鹸味それまでにひどかったのですか? 危ないですから石鹸色のビーンズは抜いておいたほうが良さそうですね……」
助手「そうですね、食べられない味、危険な味は破棄しましょう。それと、先程の虹色のビーンズは果物の味がして美味しかったです、おかわりが欲しくなりました♪」
かばん「それはよかったですね。助手さんは幸せそうですけど、博士さんの顔蒼くなってますけど……、もう百味ビーンズ食べるのは止めておいたほうがいいのでは……?」
助手「そんな訳にはいかないのですよカバン、我々はこの島の長として 一度決行した事を途中で放棄する事はできないのです」
博士「そうなのです。我々は、この島の長なので、危険な味があるビーンズの味を仕分けしておく必要があるのです、フレンズ達が間違って食べてからでは遅いのです」
かばん「わぁ……、博士さん優しいですね。確かにサーバルちゃんとか確かめないで一気に食べちゃいそうですもんね……流石にもう石鹸より酷い味は出てこないと思いますが……ボクも協力して危ない味が無いか確かめますね!」
博士「うむ、では残りのビーンズを始末していくのです!」
助手「始末していくのです」
かばん「ではボクはこの黒いセルリアンみたいな色のビーンズ行ってみますね」
助手「私はこのカレーみたいな色のを食べてみます」
博士「私も助手のカレー色によく似た奴を食べてみましょう」
かばん「……!!」
かばん「うわぁ……胡椒ですね……これ……、ビーンズの甘みと合わさって不思議な味がします、お二人は何味でしたか?」
助手「そうですね……昔食べたネズミの肉の様な味でしょうか?」クチャクチャ
かばん「えーっ、それってフレンズさん的に大丈夫なのですか?」
助手「はい、我々は猛禽類なので」
博士「猛禽類なので」
かばん「……あれ? 博士さんはまだ食べてないのですか?」
博士「こ、これから食べるのです! お前たちを見守ってから食べようと思っていたのです。ではいきます」パクー
博士「!?」
博士「ううっ!? まっ…………不味いです、ドロみたいな味です……口の中がジャリジャリして……ミミズの味もして……ヒトは何を考えてこんな物を作ったのですか!? ヒトは料理を何だと思っているのですか!?」
かばん「えぇ~……、ボクに言われても……」
助手「やはり、ぶち模様があるビーンズは危険です、無地のものが安全なのでは?」
かばん「となると、あとは薄い黄色のビーンズですね……。けど、無地の色だと石鹸もそうでしたよね」
博士「」ガタガタガタガタガタ…
かばん「……博士さん大丈夫ですか!?」
博士「な、何の問題もないですよ。百味ビーンズなんてちょいちょい……です」
助手「朝めしまえなのです。では、私は黄色のぶち模様を食べてみます」パクー
かばん「じゃあ、ボクは……緑色のビーンズを食べてみますね……」
かばん「あ、これはスイカの味がしました!」
助手「私はバナナ味です、甘くて美味しいです……♪」
かばん「危険な味もあるみたいですけど、美味しいものはちゃんと美味しいですね、助手さん」
助手「はい……私が食べたものはどの味も皆美味しくて、百味ビーンズが気に入りました。博士はいかがでしたか?」
博士「…………」ポロポロ
カバン「えぇ~、博士さん~、泣かないでください!」
博士「私も……美味しいというビーンズを……食べてみたいのです……」
かばん「博士さんの食べたのおいしくなかったのですか?」
博士「美味しいも何も……絶対食べ物じゃないですよコレはァ……、口の中がネバネバして、ビリビリして……、助手やかばんばかりズルいのです!!」ポロポロ
かばん「うぅ……美味しかったビーンズ、博士さんにも分けてあげたいのですが、何故かそういうのに限って一つしか入ってなくて……」
助手「石鹸ばかりなぜか5粒もはいっています、余ったものもまだ食べていないのが3種類、派手なピンク色と、朱色と、橙色のぶちです」
博士「どれも一粒ずつなのです」
かばん「法則でいくと全部美味しい味になるのですが……どうしますか?」
助手「ぶち模様はおかしな味と見せかけて、意外と美味しいビーンズがありました、このぶち模様も美味しいのかもしれませんよ?」
博士「確かに……、無地は石鹸のように強烈な味が潜んでいて危険なのです……トラウマなのです」ガクガクブルブル…
かばん「ではこの朱色はボクが食べてみますね、なんだかボクの服の色に似てて親近感があるし」
助手「このピンク色、一見野花のようで食べれそうですが博士の言うとおり万が一もあります、ここは私が処理しますので、博士はこちらを食べてみてください」
博士「助手……、ありがとうなのです……、これで私にもようやくまともな味が巡ってきたのですよ……」ホッコリ
かばん「では、最後にみんなでいっせーので食べてみましょう!!」
かばん・博士・助手「いっせーの――ッッ!!!!」パクー!!
かばん「あっ、コレさくらんぼの味ですー!」
助手「綿菓子の味です、あのふわふわ感はありませんが……、美味しいです♪」
博士「……オエエエエエエエエエエエエエエエ」ビチャビチャ
かばん「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?? 博士さぁぁぁぁん!!!!」
それ以来アフリカオオコノハズクは人間の料理に不信感を抱き、以前より料理に関しては図々しくなくなったのでした。
――おわり――
けものフレンズのコノハ博士が可愛すぎたので初めてSS書いてみました。
お目通し戴き、ありがとうございました。
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