博士「動物を合体させて最強の生物を作るのだ!」 (16)


博士「フハハハ、ついに完成したぞ!」

博士「あらゆる動物同士を合体させることができる、その名も合体マシーン!」

助手「安直なネーミングですね」

博士「うるさいよ!」

博士「とにかく……これで動物を合体させて最強の生物を作るのだ!」

助手「そうすれば、世界征服も夢ではありませんね!」

博士「うむ、その通り!」


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博士「たとえば……トラとライオンを合体させれば」

博士「百獣の王どころか千獣……いや万獣の王といっていい化け物になるだろうし」

助手「万獣の王だと、なんだかお菓子の王様みたいですね」

博士「うっさい! ちなみにわしは紅葉まんじゅうが好き」

助手「ゾウとカバを合体させれば、恐ろしく頑強な生物ができるでしょうね!」

博士「うむ、夢が広がりまくりだ!」

博士「よーし、合体の材料にする動物たちを集めるのだ!」

助手「はいっ!」


助手「六体ほど集めてきました」

博士「ご苦労!」

助手「しかし……ちょっと可哀想な気もしますね」

博士「なあに、お前に集めてもらったのは病気やケガで余命いくばくもない動物ばかり」

博士「むしろこの合体マシーンで健康になって生まれ変わることを感謝して欲しいぐらいだ!」

博士「そして……我が世界征服のための手駒になってもらう!」

助手「じゃ、さっそく始めましょうか」


博士「合体させる二体の動物を、こっちとあっちのカプセルに入れるのだ」

博士「で、このボタンを押せば合体できる」

助手「えらく単純な手順ですね」

博士「あまり複雑な手順にすると、わしが覚えきれんからな」

助手「なるほど」

博士「入れたか?」

助手「バッチリです!」

博士「よぉーし、合体スタート! ポチッとな!」ポチッ


ウイーン……

バリバリッ!

ズガガガァァァンッ!!!



助手「やたら派手な音がしますね」

博士「ああ、これはただの効果音」

博士「実際は無音なんだけど、やっぱり派手な音がしないと気分出ないでしょ?」

助手「たしかに」


シュゥゥ……



助手「おお……一体目が完成しましたね」

博士「うむ、うまく合体できたようだ」

博士「よぉーし、この調子で残り四体も合体させるのだ!」

助手「はいっ!」


助手「ついに三体の最強生物が出来上がりましたね!」

助手「それぞれ名前はどうしましょう?」

博士「ポチ、タマ、ヴィルヘルムにしよう」

助手「一号、二号、三号のがそれっぽくありません?」

博士「それいい! お前天才じゃね?」

助手「それじゃ一号から、様子を見ていきましょうか」


一号「はぁ~……これからどうしよ……。お先まっくらだ……」



博士「これはすごい! 言葉を話せるようになっている!」

博士「合体による相乗効果で、知能まで発達したようだな」

助手「だけど、なんだか悩み苦しんでいますね……」

博士「うむ……まるで、年老いたサラリーマンのようにやつれている……」


二号「おい! セロリ食えよ! レタス食えよ! ピーマン食えよ! 野菜食えよぉぉぉぉぉ!」



博士「なんなんだ、こいつは!? ゴツイ外見のわりにベジタリアンか!」

助手「とても我々のいうことを聞きそうにはないですね……」


三号「ほげほげほげ! ほげほげほげ! つまらない洒落はやめなしゃれ……ナンチャッテ! Oh~♪」



博士「えええええ……!?」

助手「マヌケヅラで踊りまくってますねえ……」

博士「今までの二体もひどいが、三号は特に使いものにならんなぁ……」


一号「どうしよう……」

二号「アスパラガス食えよぉぉぉぉぉ!」

三号「Foo! Foo! パラダイス! パラダイス!」



博士「どういうことだ……三体とも最強の生物などとは程遠いぞ!」

助手「いっそ廃棄しますか?」

博士「バカいえ! いくらポンコツ生物とはいえ、作ったからには最後までちゃんと責任持つよ!」

助手「さすが博士」

博士「それより、なんでこうなってしまったのかを調査せねば」

博士「まずは、一号、二号、三号がどういう動物の組み合わせだったかを教えてくれるか?」

助手「はい」


助手「えーっと……一号がリスとトラ、二号がブタとゴリラ、三号がウマとシカです」








―終―

?「キテレツ、ブタゴリラが紛れ込んでるナリ」
?「放っておけばいいから」

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