初投稿になります
ssを書くのも初めてですが、何卒よろしくお願いします
ベジータ「・・・」
ある日ベジータが目を醒ますと中世のような街並みのある一角に立っていた
訳も分からないまま辺りを見渡しながら少しづつ思考を落ち着かせると冷静に考え始めた
もっとも自分の周りを行きかう動物型地球人のような彼らを見ることはベジータにとって驚くほどでもなかった
ベジータ(何だここは、俺はカプセルコーポレーションで寝ていたはずだが...見るからに西の都ではなさそうだな、どうなっていやがる...それにトランクスの気やブルマまで全く感じられん、ましてやカカロットの大きな気すらないぞ、まさかあいつら全員気を消しているなんてことはないだろう)
ベジータ(俺は別の世界に飛ばされたとでも言うのか?)
だんだんと今自分の置かれている状況に確信を持ち始めたベジータ。
ひとまず空へ飛び上がる、浮遊するベジータに周りの人々が驚きの声を上げるがそんなことはお構いなしだった。
ベジータ(西の都よりだいぶ広いようだな)
そう思いながら上空から街を眺めているとトカゲのような乗り物に子供が轢かれそうになっているのを発見した
ベジータ「クソッタレ!」
ドカッ‼
刹那!ベジータは超スピードで街に降りるとそのトカゲの乗り物を片手で止めた!
観衆がざわめく
ベジータ「気を付けやがれ!ガキが...」
子供「あ..ありがとう、おじさん...」
そうして何事も無かったかのように群衆を抜け歩いていた時だった、唐突に声をかけられる
カドモン「兄ちゃん!リンガどうだい?」
ベジータ「何だ貴様、それはリンゴじゃないのか?通貨はゼニーしか持ってないぞ」
カドモン「ゼニ~?んなもんルグニカじゃ使えねぇ、さては文無しだな?
あっちいけ!商売の邪魔すんじゃねえ!!」
ベジータ「チッ! 話しかけたのは貴様の方だろう!」
ベジータはリンガ売りをを後にすると路地に入って行った
ベジータ「何なんださっきの野郎は!反吐が出るぜ...」
さっきのことがどうも腑に落ちないベジータは不機嫌そうに路地を歩いていると正面から三人組がやってきた
カン「てめえ何ぶつぶつ言ってんだ?」
チン「痛え思いしたくなきゃ出すもん出しな!」
ベジータ「何だと?貴様らこそ五体満足で帰りたかったら失せやがれ、俺は今機嫌が悪いんだ」
トン「調子に乗ってんじゃねえぞ!」
トンがそう言ってベジータに殴りかかるもベジータはトンの拳を掴むと腕を捻り上げ肩の関節を外した
トン「ぎゃあああああああ!!!」
ベジータ「こうなりたくなかったらとっとと失せろ!ザコが!」
チン「てめえ舐めたことしてくれるじゃねえか!」
チンはそう言いながら腰から大型のナイフを二本取り出す
ベジータ「そんなゴミでこの俺様を殺せると思っていやがるのか?」
カン「やっちまえ!」
チン「オラアアアア!」
二人はベジータに飛びかかったがベジータが睨みつけただけで吹き飛んでいった
先ほど肩を外されたトンがよろよろと立ち上がるとおぼつかない足取りで逃げて行くのを見ながら
少しのストレス発散になったと思うベジータ
ベジータ「今度は何だ?」
フェルト「どけどけー邪魔だ!」
ベジータ「おい!」ガシッ
フェルト「何すんだよおっさん!」
急に前から走ってきた金髪の少女を見てベジータは反射的に掴んでしまう
ベジータ「何をしている」
フェルト「はぁ?痛いから放せよ!とにかく急いでんだ!」
ベジータ(チッ!超サイヤ人じゃないのか...)パッ
フェルト「何か地面に血とか落ちてるけど、強く生きろよ!」
そう言って少女は壁をジャンプして行った、地面に落ちた血はさっきの二人が鼻血でも出したようだ
ベジータ(また何か気が近づいてきやがる、今度は少し大きな戦闘力を持っているな)
エミリア「そこまでよ!」
ベジータ「何者だ!」
エミリア「今なら許してあげる、だから私から盗んだ徽章を返して!」
ベジータ「盗んだだと?貴様とは初対面だ」
エミリア「とぼけないで!」
パック「でもリア、この男は盗んでいった人とは随分見た目が違うよ」
ベジータ(猫?)
エミリア「え!うそ...でも」
ベジータ「さっき急いで走っていった金髪の女のことか?」
エミリア「知ってるの?私その人を追ってるの、どっちの方向に行ったかだけでも教えてくれない?」
ベジータ「自分で勝手に想像しやがれ」
エミリア「なっ...まあいいわ、変な誤解をしてごめんなさい もう行くわ」
パック「リアに教えてあげないと酷いよ?ボクが力づくで言わせる手もあるけど」
エミリア「パックもそこまでしなくていいの、もう行きましょ...」
ベジータ「ついてこい」
エミリア「えっ?」
ベジータ「あの盗人の場所が知りたいんだろう?さっさとしろ」
しばらく歩く....
エミリア「あの...ありがとう、でも大したお礼はできないかもしれないけど
ベジータ「礼のためにやっているわけではない、丁度この街に来て暇だっただけだ」
パック「リア、この人からは邪悪さは感じられないよ、本当に親切でやってくれてるのかもね」
ベジータ「...」
エミリア「ところで変わった服装ね どこの国から来たの?」
ベジータ「西の都からだ」
エミリア「聞いたことない国...パックは知ってる?」
パック「ボクも長いこと生きてきたけど、そんな国聞いたことないよ」
パック「あ、自己紹介がまだだったね、ボクはパック!リアの精霊だよ」
エミリア「私はエミリア、ただのエミリアよ」
ベジータ「ベジータ...」
エミリア&パック「?」
ベジータ「俺の名前だ」
こうして二人と一匹はベジータが感じた気に導かれて行った
パック「しかし驚いたよ、君はボクを見たとき少しも動揺しなかったね」
ベジータ「お前のような生物は宇宙にいくらでもいるからな」
ベジータ「そろそろつくぞ、さっきの女の気はこの建物からあるな」
エミリアはドアに近づくとノックをした
ベジータ「何をしている、盗人ごときに丁寧な真似をする必要はあるまい」
ベジータ「蹴って開けるぞ」ドカッ
エルザ「...」
ロム爺「...」
フェルト「うぉあ!?」
ロム爺「なんじゃ!?合言葉ぐらい言わんか!」
フェルト「あんたは!昼間のおっさんか!それに 姉ちゃん、どうしてここがわかったんだよ!」
エミリア「教えてもらったからよ さあ、観念して徽章を返して!」
フェルト「だったら、うちの依頼主より額を出してもらわないとな!」
フェルト「今はこの依頼主と金貨10枚で話つけてたとこなんだ!」
エミリア「自分の物を取り返すのにどうしてお金を払わないといけないの!」
エルザ「あらあら!持ち主まで持ってこられては商談なんてとてもとても...」
エルザ「だからこの場にいる関係者は皆殺しね」
フェルト「はっ!どういうことだよ」
エルザ「あなたは仕事を真っ当できなかった、口ばかり達者なだけでお粗末な仕事ぶり...」
エルザ「所詮は貧民街の人間ね」
フェルト「くっ...」
エミリア「戦うしかないのね...」
ベジータ「余計なことをするんじゃない、ザコは引っ込んでいろ!」
エミリア「は?確かにベジータは筋肉がすごいけど...」
パック「ちょっと見ててあげようよ、ベジータはボクたちの持ってるマナと似た力を感じるよ」
エミリア「そう言うなら...」
エルザ「あなたが相手をしてくれるのね...楽しませてもらえるかしら...」
ベジータ「かかってきやがれクソ野郎、体操程度にはなるかもしれん」
瞬間、エルザはナイフをベジータに突き立てようとしたがナイフの刃はベジータによって曲げられていた
ベジータはナイフを取り上げると後ろに投げ捨てた
ベジータ「こんなオモチャで俺様を殺せるはずがなかろう」
エルザ「でも、もう一本あるのよ...」ブン
エルザは隠し持っていたであろうナイフを振るったがベジータは紙一重のところで避けるとエルザの背中を蹴り飛ばす
間髪入れずにエルザが飛ばされた先に超スピードで異動するし腹を殴った
エルザ「うぐっ...」
ベジータ「こんな程度か?俺の息子の方がよっぽど強いぞ」
エルザ「笑わせて..くれるわ...早くあなたの腸を見たかったのだけれど...」
ベジータ「趣味の悪い野郎だ」
ベジータ「さっさとかかってきやがれ」
またエルザとベジータの攻防は始まった、だがベジータはエルザの攻撃をひたすら避けているだけだ
最初の一手を食らってからか、エルザに余裕の表情は消えている
ベジータ「どうした?こんなことでは準備運動にもならんな」
エルザ「腹立たしいわ、この私が赤子扱いだなんて...」
エミリア「すごい、ベジータってこんな強い人だったんだ」
パック「これだけの戦いをしてるのに息ひとつ切らしてないよ...」
フェルト&ロム爺「...」
ちょっと休憩します
ベジータ「俺は飽きたぞ、そろそろ終わりにしていいか?」
エルザ「クッ...」
???「そこまでだ!!」ドカン!!
そう声がしたかと思うと突如として天井が崩れ落ち煙が建物の中を覆った
次第に煙が晴れると中から一人の人物が姿を現す
???「手荒な登場ですまないね、僕の名はラインハルト、この近くを通っていたら妙に騒がしい建物があったのでね」
ラインハルト「見てみたら、ただ事ではないようだ...」
ベジータ「また変なヤツが現れたか」
ラインハルト「黒髪に黒い装束、察するに君はハラワタ狩りだね...今王都でも名前が挙がっている」
エルザ「そうよ...ラインハルトね...騎士の中の騎士、剣聖の家計と聞いているわ」
ラインハルト「いろいろ聞きたいこともあるので、投降をおすすめしますが」
エルザ「厳ついお兄さんに騎士様だなんて、ここは一時退却としようかしら...」
ベジータ「丁度いい、俺はこいつの相手に飽きていたところだ、ラインハルトとか言ったな」
ベジータ「貴様がやれ」
エルザ「あら、一対一で戦える機会をくれると言うのかしら」
ベジータ「そうだ、俺は今から観客だ」
ラインハルト「では、僕がお相手するよ...女性相手にあまり乱暴はしたくないのですが...」
エルザとラインハルトの戦いが始まった
エルザ「噂通り...いえ、噂以上の存在なのね、貴方は」
ラインハルト「ご期待に沿えるかどうか...」
エルザ「その腰の剣は使わないのかしら、伝説の切れ味...味わってみたいのだけど」
ラインハルト「この剣は抜くべきとき以外は抜けないようになっている、」
ラインハルト「鞘から刀身が出ていないということはその時ではないということです」
エルザ「安く見られてしまったものだわ」
ラインハルト「僕個人としては困らされる判断ですよ」
ラインハルト「ですから、こちらで相手させてもらいます」
そう言うと盗品庫の中に落ちている剣を拾う
エルザ「楽しませてちょうだいね!」
エミリア「ベジータ、大丈夫だった?」
ベジータ「心配などいらん、それよりお前の猫はどうしたんだ」
エミリア「パックは、この時間は出てこられないの、朝になるまで」
ベジータ「よくわからんが、後でいろいろ聞かせろ、この世界のことはよくわからんからな」
エミリア「?」
エルザ「何を見せてくれるの?」
ラインハルト「アストレア家の剣劇を」
エルザ「腸狩り、エルザグランヒルテ」
ラインハルト「剣聖の家計、ラインハルト ヴァン アストレア」
閃光が光ったかと思うと建物が吹き飛んだ
煙が落ち着くとラインハルトは手に持つ剣を少し上げ見る
ラインハルト「...無理をさせてしまったね、ゆっくりおやすみ」
ベジータ「何をしてやがる!まだ気が残っているぞ!」
ラインハルト「!!」
エルザ「チッ...何故 わかったのかしら」
エルザ「いずれこの場にいる全員の腹を切り開いてあげる、それまで自分の腸を可愛がってあげて」
そう言い残すと半壊した盗品庫から去って行った
ベジータ「あんな奴など眼中にない...」
ラインハルト「しかし君には驚いたよ、あの腸狩りと互角に戦っていたようだし」
ラインハルト「エルザが生きていたことに気づいていたなんて」
ベジータ「馬鹿を言うな、あんなザコを相手にしたところで殺す気にもならん、手加減しただけだ」
ラインハルト「あはは...」
ラインハルト「ところでエミリア様、この方とはどのようなご関係ですか?」
エミリア「ちょっと困ってたところを助けてもらったの、彼もこの国に来て日が浅いみたいで」
ラインハルト「ベジータさんだったかな、どこから来たか聞いても構わないでしょうか?」
ベジータ「簡単に言えば、地球という星の西の都から来たんだが」
ラインハルト「隣国にはグステコやヴォラキアなどありますが、地球...西の都とは聞いたことがありませんね...」
ベジータ「それもそうだろう、この星の文明レベルでは宇宙にすら進出してないだろうからな」
ベジータ「それよりもここは何処なんだ?エミリアに会ったときから聞きたかったが」
ラインハルト「ここは親竜王国ルグニカですよ、昔龍と人との契約によってできた国です」
ベジータ「ここが地球でないことは分かった、だが龍とはなんだ?ドラゴンボールのことか?」
ラインハルト「ドラゴンボール...君からはよく知らない単語が出てくる、まだこの国のことも分からないみたいだし」
ラインハルト「エミリア様、よろしければ当家で客人として扱わせていただきますが」
エミリア「いえ、こっちで保護します、助けてもらったお礼もしなきゃいけないし」
エミリア「それよりも、あの二人はどうなるの?」
ラインハルト「職務上見逃すことはできない部類であると考えます」
フェルト「」ビクッ
ラインハルト「ですが、あいにく今日は非番でして」
エミリア「悪い騎士様ね」クスッ
ベジータ「さあ、そこのガキ、盗んだ物を返してやるんだ」
フェルト「あ ね、姉ちゃん...これ、盗んだりして悪かった、それに命まで助けてもらって...」スッ
ラインハルト「!!?」ガシッ
フェルト「痛ッ!何すんだよ!」
ラインハルト「ついてきてもらう、すまないが拒否権は与えられない」スッ
フェルト「あっ...」クラッ
ロム爺「こりゃお前さん、フェルトに何し...」クラッ
ラインハルト「あなたも関わりがあるのなら、一緒に来てもらいます」
ラインハルト「エミリア様、申し訳ありませんが先ほど申したことは守れなくなりました」
エミリア「騎士様らしくないやり方...それって徽章のこと...?」
ラインハルト「それもありますが、これは非常に重大なことです」
ラインハルト「エミリア様、また近いうちに呼び出しがあるかと思います、ご理解を」
ラインハルト「では僕はここで失礼させてもらいます」
エミリア「...うん」
エミリア「じゃあベジータ、ラム達と合流するわ」
ベジータ「何だそいつは」
エミリア「お屋敷の使用人の人よ」
ベジータ「そうか、案内しろ」
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ラム「エミリア様、お待ちしておりました」
レム「エミリア様、お怪我はなさいませんでしたか?」
エミリア「二人とも待たせたわね」
ベジータ「こいつらのことか」
ラム「エミリア様、こちらの品の無い男は何者でしょうか?」
レム「エミリア様、ここでレムが葬り去ることもできますが」
ベジータ「何だ貴様ら、この俺に向かっていい度胸をしてやがるな」
エミリア「ちょっと二人とも!この人は私を助けてくれたの、悪い人じゃないわ」
エミリア「それに、お礼もしなきゃいけないし、お屋敷に招待するつもりよ」
ラム「そう言うことであれば...申し訳ありません、お客様」
ベジータ「チッ...」
レム「...」
ラム「お二人方、こちらに竜車をご用意しております、お乗りください」
そう言われエミリアとベジータは竜車に乗り込んだ、ベジータにとってはエアカーに乗り慣れているせいもあって
乗り心地が悪く落ち着けない乗り物であった
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ベジータ(あのラインハルトとか言う男、俺ほどではないが街でも飛びぬけて戦闘力が高かった...)
ベジータ(それに珍しい技も使っていたな...)
ラム「到着しました、もう夜中になっています、足元にお気をつけください」
レム「お二人ともお疲れ様です」
エミリア「ベジータ、着いたわ」
ベジータ「ほう、ここがお前の屋敷か」
エミリア「うん、私のじゃないけど...じゃあ夜も遅くなっちゃったから、とりあえず今日は休みましょう」
ベジータ「いいだろう」
レム「レムは竜車を戻してきますので、これで失礼します、あとは姉さまの指示に従うようお願いします」
ラム「お客様、今空いている部屋をご用意します、ついてきてください」
ベジータ「随分とでかい屋敷だな、エミリアの物ではないらしいが」
ラム「はい、ここはロズワール様のお屋敷でございます」
ラム「明日帰ってこられた際はお伺いします」
ベジータ「ああ」
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ラム「では部屋の説明も済んだことですしこれで失礼します、おやすみなさいませ」
ベジータ「ご苦労だった...」
ラムが部屋を出ていくと部屋に用意された大きなベッドに横になり思考を巡らせた
ベジータ(今日は散々な一日だぜ...少なくとも今は寝る場所があるだけマシか...」
ベジータ(ブルマ、トランクス...必ず帰ってやるそして...)
ベジータ「カカロット...」
ベジータ「」zzz
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朝
ベジータ(気づいたら寝ていたか)
慣れない天井を見ながら昨日の事を思い出しベッドから起き上がると庭に出た。
庭ではエミリアがマナを纏わせていたのを発見し声をかける
ベジータ「お前もトレーニングしているのか?」
エミリア「あ、おはようベジータ、とれーにんぐ?って言うのはわからないけど」
エミリア「見てても楽しいものじゃないわよ」
ベジータ「そうか、だが珍しいパワーを持っているな」
エミリア「ぱわー...?」
パック「君の方が珍しいよ!」ピョン
エミリア「パック!...」
ベジータ「昨日の猫か」
パック「ただの猫じゃにゃいんだよ?」
パック「こう見えてもボクは精霊さ、昨日は途中で寝ちゃったけど、君の戦いぶりには驚いたよ~」
ベジータ「あの程度でか?」
パック「やっぱり君は本気じゃなかったんだね~」
ベジータ「当たり前だ、本気なんて出したら建物どころか王都の地形が変わっちまうかもしれんからな」
パック「アハハw冗談言っちゃってw」
ベジータ「勝手に笑っていやがれ」
パック「ところで君の魔法の属性を見てもいいかな?」
ベジータ「触るんじゃない、俺は魔法なんぞ使わんからな」
パック「じゃあ加護かな?君のあの速度は風の加護でも中々出せないけど...」
ベジータ「その加護とやらも初耳だ、俺は気という力を使っている」
パック「キ?もしかして君のいた国ではマナのことをそう呼ぶんじゃないのかな?」
ベジータ「知らんな、だが腸狩りとの闘いで俺がいなかったら魔法で戦ってたのか?」
パック「さっきも言った通りボクは精霊さ、ボクとリアは氷系統の魔法が使えるんだ」
パック「こんな感じにね!」
パックは離れた庭の地面へと鋭い氷の塊を撃つと氷は地面に勢いよく刺さった
パック「庭を壊すわけにはいかないから、見せれるのはこれぐらいかな」
ベジータ「それが氷の魔法か....」
エミリア「厳密には水の魔法ね、他にも基本属性は火 風 土で全部で4属性ね」
パック「4つの基本属性の他に珍しい種類で陰と陽っていうのもあるよ」
パック「そうだ!ベジータに魔法の適正があったらボクが補助しながら使わせてあg」
ベジータ「興味がない」
パック「えっ!」
ベジータ「トレーニングをしようと思ったが腹が減った、俺は行くぞ」スタスタ
エミリア「ちょっと!もう...すぐ行っちゃうんだから...」
ベジータ「ん?」
レム&ラム「お客様、こちらにいらしたのですね...」
レム&ラム「当主、ロズワール様がお戻りになられました、どうぞお屋敷へ、お食事の準備も整っています」
所変わってロズワールの屋敷へ、ベジータ達はメイドに案内され食堂へ来た
ロズワール「やあやあキミがエミリア様の徽章と命を救ってくれたベジータ君だ~ぁね?」
ロズワール「あの腸狩りを追い払ってくれたとエミリア様本人から今さっき聞いたぁ~んだよ」
ベジータ「貴様がロズワールか、何となく話は聞いている」
ラム「お客様、ロズワール様に向かって失礼です、場をわきまえなさい」
ベジータ「フンッ!」
ロズワール「いいんだ~ぁよラム、そんなに気難しくならなくてぇも」
ロズワール「おっとベアトリスがいるなんて珍しいこともあ~ぁるじゃないか」
ロズワール「こちらには禁書庫の管理をしてもらっているんだぁ~よ」
ベアトリス「何かしら、この薄汚い男」
ベジータ「おい、躾のなってないクソガキが紛れ込んでるぞ」
ベアトリス「随分と癪に障るかしら、少なくとも人間のお前より年上なのよ」
ベジータ「ガキが偉そうにしやがって...」
ベアトリス「...」プイッ
ロズワール「ベジータ君そう怖い顔をしないでくれたまぁ~え、彼女はこういう性格だが仲良くしてほしいか~ぁな」
ベジータ「それはこいつ次第だな」
ロズワール「まあ席に座りたまぁ~え、食事をしながらゆっくり話そうじゃぁないかね?」
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ロズワール「しかし君はよく食べるんだ~ぁね、こんな調子じゃ食料庫がすぐ尽きてしまいそうだぁ~よ」
ベジータ「悪いな、この辺にしておく」
ロズワール「気にすることはなぁ~いんだ~ぁよ、またレム達に買い出しに出てもらうか~ぁらね」
エミリア「ベジータ...そんなに食べて大丈夫?」
ベジータ「いつものことだ、腹八分目と言うからな」
エミリア「えっ!」
ロズワール「さてベジータ君、本題に入りたいんだぁ~けどね?」
ロズワール「君にはエミリア様の件でお礼がしたいんだ」
ロズワール「何でも願いを言いたまぁ~え」
ベジータ「なら俺が家に帰れるまでこの屋敷で世話になるぞ」
ロズワール「お安い御用だぁ~ね、君は食客という扱いにさせてもらうよ」
ロズワール「屋敷の設備に関しては自由に使ってくれたまぁ~え」
ベジータ「じゃあ俺は行くぞ」ドアガチャ
ベジータは住居を手に入れると元の世界へ帰る手がかりを探した
ベジータ「おい」
ベアトリス「...何故ここだとわかったかしら?」
ベジータ「貴様の妙な気が扉から漏れているからな」
ベアトリス「心底腹立たしい奴かしら、鬱陶しいからさっさと出ていくのよ」
ベジータ「黙れ、俺は聞きたいことがあって来たんだ」
ベアトリス「...さっさと言うかしら」
ベジータ「俺を元居た地球に返せ」
ベアトリス「お前のそれに関してはベティーに関係のない事かしら」
ベジータ「ガキの分際であまり調子に乗るなよ」
ベアトリス「それ以上近づくんじゃないのよ!」パッ
ベジータ「...貴様、ただの小生意気なガキじゃなさそうだな」
ベジータ「だがこの俺様に攻撃したところでそれが通用すると思っているのか?」
ベアトリス「聞かれた事は言った、これ以上険悪なことになりたくなければ出ていくのよ」
ベジータ「言われんでもそうするぜ」
ベジータ「クソッ...あのチビは答えやがらねえ」
ベジータ(しかしこれ以上カカロットの野郎に先を越される訳にはいかん...)
ベジータ(重力室は...いや、この星にはありえんな)
ベジータ(仕方ない、修行しに出かけるか)
ベジータ「おい、そこのメイド!俺は出かける、日が沈む前には帰るからな」
ラム「お気をつけていってらっしゃいませ」
レム「...」
ベジータは屋敷のテラスに出ると空へ飛び去った
ベジータ「これだけ高く上がれば気兼ねなく修行ができるぜ...始めるか」
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ラム「レム...」
レム「...」
ラム「ちょっと、聞いてるの?」
レム「はっ...お姉さま」
ラム「レムったら、今日はちょっと変よ」
レム「いえ、なんでもありません、お姉さま」
ラム「...」
ベジータ「戻ったぞ、夕食の前に風呂を用意しろ」
ラム「ご案内します」
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ラム「着替えは置いておきますので、その服は洗濯させていただきます」
ラム「こちらの鎧は...」
ベジータ「その戦闘服はファブリーズをかけておけ」
ラム「?」
ベジータ「...何でもない、適当に洗え」
ラム「はい.....?」
こうして風呂に入りエミリア達と食事を取った、そして自室についた
いつもこの時間はブルマ達とテレビなど見ているがこの世界にそんな娯楽はない
ベジータは部屋で気のコントロールをトレーニングしつつ寝ようと思っていたが
部屋に本が置いてあることに気づいた
ベジータ(ん?何だこの本は...読めん)
ベジータ(言語はスカウターに使われてる物に似ているが違うな...)
ベジータ(まあいい、誰かの忘れ物だろう)
コンコン
ベジータ「入れ」
ラム「失礼します、お客様」
ベジータ「貴様か、何の用だ」
ラム「文字が読めないということでしたので、先ほどこちらに本をお持ちしました」
ベジータ「貴様の仕業だったのか」
ラム「生活する上で必要かと思ったので」
ベジータ「要らん、さっさと持って行け」
ラム「では必要になったら申しつけください」
ラムを追っ払うとベッドに入って寝た
それから三日後の夜のことだった....
ベジータ「洗濯は済んだか?」
ラム「はい、こちらになります、毎日着てそんなにその服と鎧が気に入っているんですか?」
ベジータ「ああ、これがサイヤ人の正装だからな」
ラム「サイヤジン?」
ベジータ「気にするな、どうせ貴様には分からんことだ」
そんなやり取りをしながらもベジータは部屋に戻り眠りについた
深夜、皆が寝静まった暗い屋敷で何者かがベジータの部屋の前に立った
ゆっくりドアを開け侵入した「それ」はベッドで寝ているベジータ
を確認すると顔面めがけて棘の付いた鉄塊を振り下ろす
確かに命中した............ように見えただけだった
ベジータ「.....何の真似だ」
???「ッ!!」
ベジータは紙一重のところでその鉄塊を手で受け止めると持ち主へ投げ返す
その反動で廊下へと飛ばされた襲撃者は体制を立て直そうと距離を取った
ベジータもベッドから起き上がると速足で部屋を出る
ベジータ「貴様...どういうつもりだ」
月明かりに照らされたその正体をベジータはっきりと認識した
レム「正直言って貴方の力は未知数でした...あの不意打ちで終わりにしたかったのですが」
レム「中々素早い方でしたので、計算が外れてしまいました....」
ベジータ「残念だったな、貴様の妙な気と空気の流れでバレちまったようだぞ」
レム「ですから、今から貴方を殺します、あまり建物に被害を出したくありません」
レム「抵抗しないで頂けたらすぐに終わらすこともできますが」
ベジータ「...場所を変えるぞ」
ピシュン!! レム「!?」
ベジータは言い終えると同時に超高速移動でレムに接近し脇腹に蹴りをかました
ボゴォ!!
レム「うグァッ!!」
蹴られたレムは廊下側の窓を突き破り庭に放り出されるも空中で姿勢を整え着地した
ベジータも続いて窓から飛び出す
ベジータ「少し遊んでやる、かかってこい」
レム「...」
レムはベジータに向かって走り出すと武器である鎖のついたモーニングスターを
一直線に投げつけ同時に距離を縮めた
正面から飛んでくる鉄塊をベジータは払い除けるとそれは庭の地面を抉り
続いてやってきたレムに近接戦を持ち込まれるも表情一つ変えずに避け切った
レムが腕をしならせると先ほど庭を抉った鉄塊が勢いよく突進してくる
それは遠心力によって更に威力持った状態でベジータに突き刺さろうとするが
軽々避けたかと思うとレムを両足で空へと蹴り飛ばし
飛ばした先で待っていたかのようにレムの背中に肘を叩き込んだ
それはレムに姿勢の制御すら許さない一瞬の事だった
落下したレムは庭に土煙を上げ沈黙する
ベジータ「馬鹿め、この俺様に戦いを挑むからこうなるんだ...」
煙が立ち退けていくとそこには口から一筋の血を滴らせたレムが見えた
レムは片手で胸を押さえながら口を開く
レム「貴方が、けほっエミリア様に敵対する候補者の陣営の方であるなら...」
レム「レムには...排除する責任があります、貴方は魔女教ですよね...」
ベジータ「何の話だ...」
レム「とぼけないでください!!」
レム「そんなに魔女の匂いを漂わせて!無関係だなんて白々しいにも程があります!!」
ベジータ「身に覚えが無い」
レム「屋敷の他の人間が気付かなくても...レムだけは気付きますよ...」
レム「その不気味で忌々しい悪臭に」
レム「姉様をあんな目に遭わせた関係者が...のうのうとレムと姉様の大事な居場所に足を踏み入れたことを...」
レム「レムは許しませんから...」
ベジータ「ホザけ...」
「二人とも!こんな時間になにやってるの!」
一人の女性の声が会話を遮った、声の主はこちらにやってくる
レム「エミリア様!これはっ、その...」
ベジータ「...エミリア、こいつが修行をつけて欲しいと言って聞かんのでな」
ベジータ「仕方なく付き合ってやっているところだ...」
エミリア「そうだったの?外が騒がしいから来てみたんだけど...」
エミリア「ってレム!あなた血が出てるじゃない!」
ベジータ「それは!...俺が加減を間違えてしまったんだ、すまん」
エミリア「もう、あんまり無理させちゃダメだからね!」
ベジータ「わ、悪かった...」
レム「...」
エミリア「じゃあ私は戻るけど、そういうのは昼間やらないと迷惑になるわよ?」
レム「エミリア様、申し訳ありませんでした...」
エミリアは屋敷に戻って行った
ベジータ「貴様、あいつがチョロくて命拾いしたな」
レム「どうしてレムを庇ったんですか...」
ベジータ「勘違いするな、これ以上事を大きくしたくないだけだ」
ベジータ「それに貴様、奇襲を仕掛けたぐらいだからな、一人で俺を殺そうと企んでいたんだろう?」
ベジータ「これは俺と貴様の問題だ!」
レム「....そうですね、では仕切り直します、場所を変えましょうか」
ベジータ「続きは今度にしろ、貴様のようなザコを構っている時間はない」
踵を返し屋敷へ戻ろうとするベジータに鉄塊が飛んでくる
ベジータ「クソッ!!」ガキン
レム「そんな簡単に返すとお思いですか?」
ベジータ「いい加減にしろよ...助けてやったからといい気になりやがって」
レム「ここまで来て帰す訳にはいきません、この好機を逃す手はないですから」
ベジータ「貴様、人の睡眠を邪魔しておいてまだ付け上がる気か?」
レム「もしさっきエミリア様に事実を打ち明けていたなら、貴方の寿命が少しは伸びたかもしれませんが...」
レム「貴方は自ら自分の墓穴を掘ることになったんです」
ベジータ「くだらん戯言だ、貴様こそせっかく拾った命を今度こそ捨てる気か?」
レム「言っておきますが、もう手加減しませんよ...次は本気で仕留めます」
ベジータ「ほう?それはこっちの台詞だぜ」ニヤ
サイヤ人の悪い癖だった、その本能がすっかり興味の失せていたベジータの戦闘意欲を駆り立てる
ベジータ「なら本気とやらを出せばこの俺を殺せるとでもぬかすつもりか?」
レム「造作もないでしょうね、さっきはちょっとした余興のようなものですから」
ベジータ「いい気になるなよ、サイヤ人を舐めたことを後悔させてやる...」
レム「では、あの森まで移動しましょうか」
レム(煽った甲斐がありました、戦いのことになるとムキになるようですね、計画通りです)
レムとベジータはとある森に来て二人は向かい合った
レム「さあ、始めましょうか」
ベジータ「さっさと本気でかかってくるんだな!」
ベジータ「ん?」(薄気味悪い物がそこら中にいやがる...何か企んでいたようだな?)
レム「この気配に気づいたようですね、ここは魔獣の群生地帯、どうぞ、魔獣の餌になってください」
ベジータ「なるほどな、そういう作戦か」
静寂に包まれた森からわらわらと犬のような生物が現れてきた、ウルガルムだ。
ウルガルム「ガルル!」
ベジータ「だが貴様も自分の心配をしたらどうだ?」
レム「ご心配なく、魔女の臭いを放つ貴方を最優先に狙いますから」
ベジータ「チッ、せいぜい楽しませろよ!!ハァア!!!」バシューン
ベジータは気を解放した
ウルガルム「グルルガァア!!」
ベジータ「でやぁああああ!!」
レム「はああああ!!」
ウルガルム達は全方位からベジータに向かってきた
ベジータ「タァアアアア!!」ドゴドゴドゴォ
ウルガルム1.2.3「ギャウ!!」グチャア
隙を見計らってレムも影からベジータに飛びかかる
ベジータ「甘いぞ!!」ドゴォ
レム「くっ!」
ベジータは次々とウルガルムの群れを無双しながらレムを相手した
ベジータ「こいつで最後だ!」ドゴォ
ウルガルム「」グチャ
ベジータ「...何だ?」
レム「お望み通り本気で相手してあげますよ、これは貴方の体力を減らしてから一気に叩く作戦です」ゴゴゴゴ
レムは鬼化していた
ベジータ「何!?バ、バカな...これが貴様の力だと言うのか!」
レム「そんなに驚いた様子で、どうかされたんでしょうか...」
ベジータ「俺は、最大のミスを犯してしまった...」ガクブル
レム「ふふっ...今更後悔しても遅いんですよ」
ベジータ「クソッタレーーーー!」
レム「では、さようなら」ジャラ
ベジータ「チクショー!チクショーーーー!」
そう言ってレムがモーニングスターを振り下ろした瞬間
ベジータ「とでも言うと思ったか?」ドゴォ
レム「ッ!!この!」ザザザ
ベジータ「馬鹿が!調子に乗りやがって、少しは期待したががっかりしたぜ」
レム「何ですって...」
ベジータ「まさかその程度のパワーアップでこの俺の相手になると思っているんじゃないだろうな」
レム「そんな、あ...貴方は、一体...」
ベジータ「俺はサイヤ人の王子...」バシューン!!シュインシュイン
ベジータ「スーパーベジータだぁああああ!!」ゴオオオオオオ
遂にベジータは超ベジータへと変身した、黄金の気を放ちベジータを中心とする5m四方が吹き飛んだのであった。
レム「何で・・・こんなことが!」
ベジータ「クックック、残念だったな、レムさんよ...ショボすぎてついからかっちまったぜ!」
あまりにも規格外すぎる相手にレムは取り乱し暴走し始めた
レムの武器が地を薙ぎ森の木々を破壊していく
レム「ぅわあああああああああ!!!!」
ベジータ「ハエが止まって見えるぜ」サッサッ
レム「アルヒューマ!!」ビュン!
レムはベジータに向けて氷を発射するが片手で全て弾かれた
ベジータ「スーパーベジータとなった俺様にそんな小細工が通用すると思っているのか!」
ベジータ「今度はこっちからプレゼントしてやるぜ!」ポーヒー!!
放った気弾はレムの近くで爆発させ余波で吹き飛ばしたが態勢をすぐに整えて攻撃を続ける
レム「ッらあァアア!」
ベジータは指一本で攻撃を受け流しながら言った
ベジータ「攻撃とはこうやるんだ!」ピシュン
ベジータ「ハァ!!」ドゴォ
レム「アがッァあああああ!!!」
パンチがお腹に命中したレムは森の奥に突っ込んでいった
レム「はぁ...うっ、オロロ」ビチャビチャ
ベジータ「無様だな...ちゃんと急所は外してやったぞ、手加減は心得ている」
レム「う...くっ、殺しなさい...」
ベジータ「...なら[ピーーー]」
言うと同時にベジータは手の平をレムに向けて気の圧力で気絶させた
ベジータ「ザコのくせに面倒な野郎だぜ」
そのままレムを抱えて屋敷まで戻ると適当な部屋に放置してベジータは自室に帰った
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次の朝
レム「んっ....」
レム(ここは...殺されていなかったのでしょうか...早く着替えなくては姉様達を心配させてしまいます)
レムは意識を取り戻した、鬼化の影響で傷は塞がっており部屋から出ると窓から庭でトレーニングをしているベジータを見つけた
レム「貴方は...お人好しです...」
ベジータ「良い汗だぜ...」
エミリア「ベジータは朝から頑張り屋さんね」
ベジータ「このぐらい朝飯前だ」
エミリア「ベジータは何でそんなに強くなりたいの?」
ベジータ「俺にはカカロットというライバルがいてな...奴を超えることだけが俺の修行する目的だ」
ベジータ「カカロットの野郎は今頃ビルスの星で一人修行してるだろうぜ、いつも俺の先を行きやがって...」ワナワナ
エミリア「そ、そうなんだ...」
エミリア「あ そうだ!ベジータ、さっきロズワールがあなたのこと探してたわよ」
ベジータ「奴が俺に何の用だ?」
エミリア「私もよく知らないけど、とりあえず行ってみてちょうだい」
ベジータ「ああ」
______________
ベジータ「何か用か?」
ロズワール「いやぁ なぁ~んてことはないんだけどねぇ、ちょ~っとレムと一緒に村へ買い物に付き合ってあげてほしいかぁ~な」
ベジータ「あの女と出かけるなんて御免だぜ」
ロズワール「そう言わないでおくれぇ~よ、レムと何かあったのかい?村の人たちと交流を深めるのも悪くはないと思うけぇ~どね...」
ベジータ「そこまで言うなら行ってきてやるぜ、世話にもなってるしな」
_______
レム「ベジータ君、買い物に行きますので付いてきてください」
ベジータ「変な真似をするんじゃないぞ」
レム「わかっていますよ、貴方に勝てるはずがありませんからね」
レム「ですが、レムには貴方を監視する役目も兼ねていますので」
ベジータ「まあそれぐらいなら許してやろう」
二人は屋敷を出て村へと向かう
話すこともなく淡々と歩き続けるが退屈を感じたベジータから話を切り出した
ベジータ「貴様、修行して強くなりたいとは思わんのか?」
レム「どうしたんですか、突然」
ベジータ「貴様は栽培マン以下の戦闘力だが、その割に合わん格闘センスだけは評価に値する、修行すればもっと強くなれると思うぜ」
レム「レムなんかより...姉様の方がよほど素質がありましたよ」
ベジータ(過去形だと?)
ベジータはレムの言い回しに違和感を覚えた。
レム「でも 姉様は魔女教に...ッ!」
ベジータ「おい、大丈夫か?」
レム「・・・」
ベジータ「...この話はやめだ」
レム「お願いがあります」
レム「今の話は...姉様の前でしてはいけませんよ...」
ベジータ「わかった」
レム「...アーラム村が見えてきました」
二人は村に到着した
レム「貴方は村の子供達と戯れていてください」
ベジータ「チッ 面倒だ、こんなことならトランクスがいればよかったぜ...」
ミルド「おじさん一緒に遊ぼー」
ベジータ「おい引っ張るな」
カイン「みてこれ!」
子供は虫の幼虫を見せる
ベジータ「やめろ!俺はニョロニョロした物が大嫌いなんだ」
ベジータ「クソ...ん、何だ?」
メイリィ「え、えっとね」
言いながら柵で覆われた方を指さす
メイリィ「これ...」ニコッ
ベジータ「ほう、お前のペットか」
犬「ウルルル...ガウッ!!」
ベジータ「」サッ
ベジータが触れようとした途端噛みついたが並外れた動体視力により咄嗟に手を引っ込めたため噛まれなかった
ベジータ「ちゃんと躾はしておくんだぞ」
ペトラ「いつも大人しいのにどうしちゃったんだろう」
レム「ベジータ君 そろそろ行きますよ」
メイリィ「お姉さん これ」エヘヘ
レム「あら、これは?」
ベジータ「レム 気を付けろよ」
ベジータの時とは一変して優しげな表情を見せる動物 荷物を片手にレムはその頭に触れようとした瞬間...
レム「痛いわ...」
ベジータ「言わんこっちゃないぜ」
レムは犬のような動物に噛まれてしまった
メイーナ「大丈夫?お姉ちゃん!」
レム「平気よ、すぐに治るもの」
ダイン「う~ん 今日は機嫌が悪いのかな」
屋敷
ベジータ「今日は疲れたぜ」
レム「それはこっちの台詞ですよ、大体貴方の食事量が多いから今日は買い出しに行くことになったんですから」
ベジータ「これでも遠慮してる方だがな」
レム「冗談じゃないわ...」
レムは呆れ顔で言うと少し足をふらつかせた
レム「今日は...なんだかとても、疲れたので...少し早めに休みますね」
ベジータ「どうした、本当に顔色が悪いようだが」
レム「これぐらい、休めばきっと...はぁ はぁ...」
ベジータ「おい...」
レム「はぁ..はぁ」パタン
ベジータ「何がどうなってやがる...」
ベアトリス「呪いなのよ...」
ベジータ「貴様!どこから湧いてきやがった!」
ベアトリス「人を虫みたいに言うんじゃないのよ! とは言っても今はこんなことを話してる場合じゃないかしら...」
ベジータ「さっさと説明しやがれ!」
ベアトリス「いちいち態度が大きいのよ 早く術式を止めなければその娘はマナを吸い取られて死ぬかしら」スッ
ベジータ「何だこの不気味な気は...」
ベジータは衰弱したレムに手をかざし気を分け与えた
レム「うぅ...」
ベアトリス「そんなものは一時的な対処にしかならないのよ、体のマナを増やしたところで吸われ続ければ同じこと」
ベジータ「さっさと魔法とやらでなんとかしろ!」
ベアトリス「簡単に言ってくれるけど無理かしら、一度発動した術式は誰にも止められない 術者が中断、あるいは死亡しない限りは」
ベジータ「なら呪いとやらをかけた野郎をぶっ殺す選択にするぜ、誰が呪いをかけたかわからんのか?」
ベアトリス「ベティーが知るはずないのよ 少なくとも、手のこの場所に何か覚えはあるかしら?」
ベジータ「それは今日の昼頃村で黒い犬に噛まれた場所だ」
ベアトリス「多分ただの犬じゃないかしら...魔獣、ウルガルムなのよ...」
ベジータ「魔獣だと? チッ! 森の大掃除をするしかなさそうだな」
ベジータ「ところで貴様、今日はやけに協力的じゃねえか」
ベアトリス「なっ!別に!お前に協力した訳じゃないかしら!」
ベジータはベアトリスの言葉に振り向くことなく屋敷を後にすると飛び立ち数秒で村に着いた
ベジータ「夜だというのに騒がしいな、おい貴様!何を騒いでいる、まさか魔獣とやらか?」
村人A「ああ、子供が全員消えたんだ!村中で探してる!」
ベジータ「...それなら多分魔獣の森にいるようだ、小さいが気を感じる」
村人A「なんてこった、そうだとしたら大変だ!」
ベジータ「この俺様もヤツらに用事があるんでな、片付けるついでにガキどもを拾ってきてやる」
村人「一人で行くなんて無謀だぞ!」
ベジータ「俺ならそうは思わんがな」
そう言うと魔獣の森へ入って行く
ラム「レムはここで安静にして待ってなさい」
レム「で でも!」
ベアトリス「お前は動かない方がいいのよ」
ラム「レムは必ず助けるわ!」
ラムも急いで村へ向かった
ベジータ「倒しても倒してもキリがないな...くたばりやがれぇ!」ドゥン
気弾が炸裂すると魔獣の群れと共に辺りを吹き飛ばした
ベジータ(少々やりすぎたか...ん?あっちにガキ共の気が...)
森の中の少し開けた場所に子供達が倒れているのを発見した、傍に着地して呼びかけるが反応はない
ベジータ「こいつらもか...気を分けてやるから死ぬんじゃないぞ」
ベジータ「一度村に戻るしかない...」
子供たちを素早く抱え上げると村まで一直線に飛んだ、幸い子供は小さかったので持ちやすかった
ベジータ「おい貴様ら!こいつらはつれ帰ったが気を消耗している、さっさと手当しろ」
村人たち「本当に戻ってきたのか!?」
ラム「ベジータ、仕事が早いのね 魔獣の本体は倒したの?」
ベジータ「手あたり次第ぶっ殺したがどれが仕掛けた個体か判別できん」
ベジータ「だがガキどもに呪いをかけたのは小さい魔獣だ」
ラム「事態は急を要するわ、私も行く」
ベジータ「貴様は戦えるのか?」
ラム「ちょっとした風の魔法ぐらいなら」シュフィーン
ベジータ「ほう、まあいいだろう 行くぞ」
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