ある日の事務所
梨沙「今度のお仕事は、ナースの衣装を着て撮影かあ……ふーん」
P「なにか嫌なことでもあるのか?」
梨沙「ううん。またロリコンが喜びそうな仕事だなーって思っただけ」
梨沙「いつも通りプロデューサーの趣味で選んだの?」
P「俺がいつも自分の趣味で仕事を選んでいるみたいな言い方はやめなさい。今までのも今回のも、梨沙にとってプラスになると思って取ってきただけだよ」
梨沙「そっか。まあ、アタシはどっちでもいいけど。どっちみち、アンタの仕事の腕は信じてるし」
P「ありがとう」
梨沙「ま、何かあったら文句は言うけどね! そのかわり、プロデューサーが持ってきた仕事は完璧にこなしてみせるわ!」
P「それでいいよ。思ったことはどんどん言ってくれ」
梨沙「ふふん♪」
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梨沙「というわけで、まずは役作りのためにナースの練習ね!」
梨沙「ちょうど患者役もいたし」
飛鳥「やけに張り切っているね、梨沙は。確かに、もともと仕事には熱心なタイプではあるけれど」
心「パパがナースが出てくるドラマを熱心に見てたとかそんな理由じゃないの?」
梨沙「そうよ!」
心「そこで『ギクッ!』とか言わないのが梨沙ちゃんだよねえ♪」
飛鳥「パパ絡みのことならどこまでも正直だからね」
梨沙「トーゼンでしょ? さ、まずはひとりめの患者の診察ね」
P「よろしくお願いします、先生」
梨沙「ロリコンって病気ですね。担当アイドルが魅力的すぎるのはわかりますが、ガマンしましょう」
P「まだ症状とかなにも言ってないんですけど」
心「というか、まずナースじゃなくて女医じゃないの? あれ」
飛鳥「世の中には謎のままにしておいたほうがいいこともある」
梨沙「お薬は……さっさと結婚して奥さんをもらうこと、かしら」
P「地味に刺さる言葉だ……ちなみに、どんな人がおススメですか?」
心「!」
梨沙「え? そうですね……んー」
梨沙「………」
心「………」ギラギラ
梨沙「ものすごい威圧を感じるわ……」
P「?」
梨沙「あー、うん。そうね。実際、ぐいぐい引っ張ってくれそうなお嫁さんをもらうほうがいいと思うし」
梨沙「それで、歳も離れていないというか、同い年? そのくらいがベストなんじゃないでしょうか」
P「なるほど」
心「あとで梨沙ちゃんにパンケーキ奢る、と……」メモメモ
飛鳥「回りくどいね、心さんも」
心「回りくどいことに関してはキミに言われたくはないぞ☆」
飛鳥「………?」
心「『なに言ってるんだこの人』みたいな顔やめろ☆」
飛鳥「冗談だよ。自覚はあるさ、直すつもりもないけどね」
梨沙「2番でお待ちの方、お入りくださーい」
飛鳥「よろしくお願いします」
梨沙「なにか症状などはありますか?」
飛鳥「症状、か。そうだね、強いて言うなら、物事の裏の裏まで見ようとしてしまうことだろうか」
飛鳥「時に存在しない『裏』まで見つけようと躍起になって、表を見失うこともしばしば……けれど、そんな自分をどこかで受け入れようとしている。つまるところ、ボクは」
梨沙「中二病」
心「めっちゃ雑に話ぶった切った!?」
飛鳥「イグザクトリィ」
心「しかも正解!? いいの飛鳥ちゃんそれで!」
飛鳥「あぁ。ボクという人間を一言で表すならば、やはりそこに行きつくだろうから」
梨沙「でも最近は、結構いろんな飛鳥が見れてる気がするわ」
飛鳥「それだけ理解っていれば、十分さ」
飛鳥「あぁ、薬はいらないよ。この病、そう簡単に治るものではないし、治すものでもない」
梨沙「じゃあなんで来たのよ」
飛鳥「キミが患者役に指名したから」
梨沙「そうだった」
心「漫才?」
P「今度コントのお仕事でもとってきましょうか」
飛鳥・梨沙「なんで(よ!)」
心「そういうとこだぞ☆」
心「次のお客様ははぁとだね♪」
梨沙「本日はどういった?」
心「実は、最近体力の衰えを感じていて……レッスンの後は息が切れてぜーぜーで」
梨沙「なるほど」
飛鳥「いきなり切実な相談になったね」
P「病院に来る案件かどうかは微妙だけど」
梨沙「毎朝早起きして、時間ギリギリに走って事務所に来ないようにすれば体力温存できるわよ」
心「ぐさぁーっ!」
P「正論だ」
飛鳥「言葉の槍だね」
その後
心「よーし、次はドクターはぁとがプロデューサーを診察しちゃうぞ☆」
P「なんですか急に」
心「プロデューサーのロリコンを治すためのお注射ターイム♪ チクッとスウィーティー☆」
P「ドクターはぁとの注射、なんとなく『チクッ』じゃ済まなさそうですね……」
心「大丈夫大丈夫♪ ロリコンを治すついでに、はぁとの笑顔で疲労も癒しちゃうぞ☆」
P「はぁ」
心「反応が渋い」
梨沙「………」
梨沙「ああいうの、メルト漫才って言うのよね」
飛鳥「夫婦漫才」
梨沙「ちょっと間違えた」
梨沙「でも、疲労かあ」
飛鳥「Pのことかい?」
梨沙「うん。最近、アタシたちや他の子のプロデュース、忙しくなってるみたいだし」
飛鳥「みんなの人気が出てきた証拠だね」
梨沙「それはうれしいんだけど、ね」
飛鳥「………癒してあげたい?」
梨沙「癒すっていうか、そこまではいかないけど。まあ、ちょっとくらいは、ほら」
飛鳥「ふうん」
梨沙「なによーニヤニヤして」
飛鳥「なんでもないさ。けれど、そうだね……ひとつ、簡単にできるものがあるかもしれない」
梨沙「本当!?」
飛鳥「あぁ。ボクが普段からやっていることだけど、キミがやればPもまた違った喜びを感じるだろう」
梨沙「それって?」
飛鳥「それは――」
その日の夕方
P「ふう。あと少しかな……今日は早めに帰れそうだ」
梨沙「プロデューサー」
P「ああ、梨沙。どうかした?」
梨沙「はい、これ」
P「ん?」
梨沙「コーヒー。淹れてあげたから、これ飲んでもうひと踏ん張りしなさい」
P「淹れてくれたって……梨沙が?」
梨沙「当たり前でしょ。アタシだって、コーヒーメーカーくらい使えるんだから」
梨沙(さっき教えてもらったばかりだけど)
P「そうか……うん、ありがとう。うれしいよ」
梨沙「そんなに笑顔になるくらいうれしいの?」
P「もちろん。梨沙が淹れてくれたんだから、格別に」
梨沙「……アンタって、ホントにロリコンね」ニコニコ
心「飛鳥ちゃんも粋なことするねえ♪」
飛鳥「たまには、いつもと違う人間が淹れるほうが新鮮味があっていいだろう?」
心「なるほどー♪ 本当、プロデューサーのこと大好きなんだね」
飛鳥「……プロデューサーは、プロデューサーさ。大好きとかではなくて、そういう存在なんだ」
心「へえー」ニヤニヤ
飛鳥「そんな顔をしてボクをからかうつもりなら、ボクだってアナタに対するカウンターを仕掛けてもいいんだよ」
心「それはちょっと困るなあ……」
P「あまっ!?」
梨沙「あれ? ちゃんと飛鳥が淹れてる通りに砂糖入れたんだけど」
心「……飛鳥ちゃーん」
飛鳥「砂糖の分量まで真似をしなくてよかったのに……」
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
総選挙ももうすぐ終わりですが、梨沙や飛鳥や心さんに一票でも入れていただければ幸いです。
シリーズ前作:佐藤心「徹底討論☆」 的場梨沙「プロデューサーはロリコンか!」
その他過去作
モバP「なっちゃんとメイド」
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