ガヴリールが2人 (363)
朝 学校――
サターニャ「ガブリール、昼休みに屋上に来なさい! 勝負よ!」
ガヴリール「朝っぱらからうっせーな……」
サターニャ「いいから来るのよ!」スタスタ
ヴィーネ「……ねぇガヴ、行くの?」
ガヴリール「行かなかったら行かなかったでうるさいからな」
ガブリール「暇だし、相手してやるか」
ヴィーネ「そう……なら私も付いていくわ」
ガヴリール「すきにしなー」
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昼休み屋上――
ガチャ
ガヴリール「……サターニャー、来てやったぞ」
サターニャ「……」銃ツキツケ
ガヴリール「はぁ……呼び出しといてなんだ」
サターニャ「……ぬっふっふっふっふ……なーっはっはっはっは! よく来たわねガヴリール!」
サターニャ「私がこの銃の引き金を引けばガヴリールが私に跪くこと間違いないんだから!」
ガヴリール「毎度毎度元気だな」
ヴィーネ「また魔界通販で何か買ったの?」
サターニャ「何でヴィネットもいるのよ」
ガヴリール「別に居てもいいだろ」
サターニャ「……まあいいわ、よく聞いてくれたね!」
サターニャ「これは分身弾! この弾に打たれた人は分身して撃った人のいう事しか聞かない下僕になるのよ!」トリセツガンミ
サターニャ「ガブリール! これを今から…
ラフィエル「ガヴちゃんを撃って分身したガヴちゃんを忠実な性奴隷にする、という事ですね♪」
サターニャ「な゙!? いつの間に来たのよ!」
ラフィエル「サターニャさんがいるところはどこでも沸きます♪」
ガヴリール「サターニャ、私を性奴隷って……マジで引くわ……」ヒキ
ヴィーネ「サターニャ……」ヒキ
サターニャ「え……ちょっとラフィエル! 何適当な事言っているの! せ、性奴隷って!」
ラフィエル「あらあら~♪」ニコニコ
ガヴリール「まあラフィエルの言ったことは冗談として、サターニャ」
サターニャ「何よ、降参宣言? 今更降参したってもう遅いのよ! 私は撃つわ!」
ガヴリール「いいから私の話を聞けって」
ガヴリール「いきなり私が二人ってクラスに迷惑かかるだろ?」
ガヴリール「だからそれを撃つなら休みの日にしろ」
ガブリール「その間その銃没収だ、ほれ貸せ」
ガヴリール(まあ、返さないがな)
ヴィーネ「確かにガブが2人は……大変ね」
サターニャ「ガヴにしては真っ当な判断ね」
ガヴリール「自分っで言っておいて何だが、傷つくな……」
ヴィーネ(でも分身は撃った人のいう事しか聞かない)
ヴィーネ(つまり分身だがガヴにあんなことやこんなことも……ガヴを性奴隷にっ!)ハァハァ
ラフィエル「あらあらヴィーネさん、何を想像しちゃったのですか♪」ニコニコ
ヴィーネ「な、なにも想像してないわよ!」
ガヴリール「……まぁ、その銃は没収だ」
サターニャ「その手には乗らないよ! 取った瞬間以前みたいに私を打つでしょ!」ジャキッ
ガヴリール「だから言ったじゃん、いきなり同じ人が2人いたら迷惑かかるって、だから打つわけないだろ」
サターニャ「ぬぅぅ……もう、仕方がないわね」ポイ
ガヴリール「うゎっと! 投げるなって」
ラフィエル「面白そうなことになりそうだったのに……残念です」ショボン
ヴィーネ「ね、ねえガヴリール、その銃あとから貰えない? ちょうだい!」ハアハア
サターニャ「それ私の!」
ガヴリール「ヴィーネ、息が荒いよ」
ラフィエル「……そういえば分身でしたらガヴちゃんは出来ましたよね?」
ヴィーネ「え? マジで!?」
サターニャ「な゙!?」
ガヴリール「ここに来てからはしてなかったな」
ヴィーネ「ガヴ分身出来るの!?」
ガヴリール「出来るよ、下界に来る前に『私が二人いればもっと人を幸せに導けるー』とかで一人頑張って勉強して習得したなぁ」シミジミ
ガヴリール「でも分身した自分を操るのは相当頭使わないといけなく面倒だし結局は下界に降りて活用はしなかったな」
ヴィーネ「ねぇ、ちょっと分身ってみない?」
ヴィーネ「あわよくばお持ち帰りを!」(あわよくばお持ち帰りを!)
ガヴリール「ヴィーネ心の声ダダ漏れだよ!? 何しようとしているのさ!」
サターニャ「天使って何でもありなの?」
ラフィエル「天使学校にいた頃のガヴちゃんは本当に優秀でしたからね♪」ニコニコ
ラフィエル「同じ天使として悔しいのですが天使学校で分身はガヴちゃんしかできないし、そもそも全天使の中でも両手で数えれるぐらいしかいないですよ」
ライフェル「だからガヴちゃんの努力は何でもありにしちゃいますね♪」ニコニコ
ヴィーネ「1回だけだから! 先っちょだけだから! お願い!! お・ね・が・い!!」ハアハア
ガヴリール「先っちょって……あぁもう分かったよ!」
ガヴリール「ただ持ち帰りは無しだからな」
ヴィーネ「そんなぁ……」ガックリ
サターニャ「どんだけ必死なのよ……」
ガヴリール「人は居ないよな……一応結果張って」ヴォン
ガヴリール「……じゃあするよ」ハネバサッ
サタヴィー「……」ゴクリ
ラフィエル「♪」ニコニコ
ガヴリール「久しぶりでできるか分からないけど……」
ガヴリール「私を導いて……分身」パアアアアア
サタヴィーラフィ「まぶしっ」
ガヴリール「一応成功したみたいだな」
ガヴリール(分身)「……」
ヴィーネ(ガヴリールが2人! パンツまで一緒なのかしら?)ピラッ
ヴィーネ「今日は純白っ!」
ガヴリール「おい! ヴィーネ!? 分身だからって何しているんだよ!?」
ヴィーネ「こっちのガヴも確認……確認……エヘヘ」
サターニャ「何か今日のヴィーネおかしくない?」
ラフィエル「ため込んでいたものが出ているだけだと思いますよ♪」ニコニコ
ガヴリール「落ち着け!」ハラパン
ヴィーネ「ぐへっ!?」ドゴォ
サターニャ「あっガヴリールの腹パン……体力測定の結果悪かったくせ結構痛かったのよね」
ラフィエル(ではこの中でガヴちゃんの腹パンを受けていないのは私だけ……まあ、いいですけどね♪)
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「はっ……私は何を……」
ガヴリール「ようやく正気に戻ったみたいだな」
ラフィエル「分身はどうします?」
ガヴリール(分身)「……」
ガヴリール「もちろん戻す、戻せるから分身したんだよ、どこかの銃みたいに一日経たないと戻れないという事は無いからな」
サターニャ「それ何? 嫌味?」
ヴィーネ「落ち着きなさいサターニャ」ハアハア
ヴィーネ(我が双眸に映るは二人の天使っ!)ハアハア
サターニャ「……」
サターニャ(一番落ち着かないといけないのはヴィーネ、あんただと思うの)
ガヴリール「確か、額をしばいたら…」ペシ
ガヴリール分身「……」
ガヴリール「……」ペシペシ
ガヴリール分身「……」
ガヴリール「あ、あれ?」ペシペシ
ガヴリール分身「……」
ガヴリール「嘘だろ、おい……」
ラフィエル「ガヴちゃん、どうしましたか?」
サターニャ「あんだけ言っておいて、まさか戻せないとかぁ~」ニヤニヤ
ヴィーネ「なら仕方ないわね、こっちのガヴは貰うわよ」ハアハア
ガヴリール「ヴィーネ!? まだ戻ってなかったの!?」
ガヴリール「落ち着け!」ハラパン
ヴィーネ「グボァ」ドゴォ
ヴィーネ「はっ……私は何を……」
サターニャ「ガヴリールも容赦ないわね……お昼食べたばっかりの状態で腹パンなんて」
ラフィエル「そうですね、サターニャさん♪」
ガヴリール「でも本当にどうしよう、消せない」ペシペシペシ
ガヴリール分身「……」
ヴィーネ「ガヴリールが2人?」
サターニャ「ヴィネット、もうそういうのいいから」
ヴィーネ「え?」
ヴィーネ「ガヴが2人ってどういう事なの? まさかあの銃で撃たれた?」
ガヴリール「そこから記憶がないのか」
ガヴリール「実はかくかくしかじかで……」
ヴィーネ「なるほどねぇ……」
ガヴリール「はぁ……本当にどうしよう……」
ガヴリール分身「……」
ガヴリール分身「……」フラァ
ガヴリール分身「ッ!」ガバッ
ガヴリール「うわ! いったぁ!!」ズテン
ラフィエル「あら?」
サターニャ「は?」
ヴィーネ「え?」
ラフィエル「あら~」ニコニコ
ラフィエル(何か面白いことになりそうですね♪)
サターニャ「ぷぷっ思いっきり操作ミスっているじゃないの!」
ヴィーネ「ガヴとガヴがくんずほくれつ……」ハアハア
サターニャ「ヴィネット、落ち着きなさい」
ガヴリール「操作していないよ! 何なんだ分身のくせに、離れろ!」グヌヌ
ガヴリール分身「ようやく……ようやく分身しましたね……」
ガヴリール「なに勝手にいってんだよ!」
ラフィエル「あら、しゃべることもできるんですね」
ガヴリール分身「観念しなさい! ダメダメな私!」
4人「!?」
ガヴリール「分身のくせに……何を言ってんだ!」ゲンコツ
ガヴリール分身「痛!」
ラフィエル「げんこつでも消えませんね」
サターニャ「どうなってんのよ」
ガヴリール「分身の分際で喧嘩売ろうってんのか? 上等じゃねえか、立場を分からしてやる」
ガヴリール分身「うぅ~いきなり殴るなんでひどいですよぉ~」ナミダメ
サターニャ「こっちのガヴリールちょっとキモイ」
ヴィーネ「でもこの声は……」
ラフィエル「これはこれは」ニコニコ
ラフィエル(絶対面白いことになる!)
ガヴリール分身「あっ、皆さんすみません、申し遅れました……ラフィエルさん、ヴィーネさん、お久しぶりですね!」
ガヴリール「勝手に何言ってんだ」
ラフィエル「あらあら♪」ニコニコ
ヴィーネ「もしかして……」
ガヴリール分身「そしてサターニャさんは初めまして、ですね」
サターニャ「へ? ナニコレ?」キョトン
ガヴリール分身「私は、こちらのガヴリールの主人格……といえばいいのでしょうかね」
ガヴリール「はぁ? だから分身が何言ってんだ」ゴツン
ガヴリール分身「アイタ!」
ヴィーネ「ねえガヴ、もしかして分身に自我を持ってしまったの?」
ガヴリール「しらねえよ、まったく分身のくせにご主人様に歯向かうなってんだ」
ガヴリール「しかも消えないとか……どうすんだよコレ」
ガヴリール分身「また殴られた……」ナミダメ
ガヴリール「そうだ、おい分身、私の代わりに授業出ろ」
サターニャ「自身の分身に授業を生かせて本人はサボる……なかなかの悪魔的行為じゃないの」
ガヴリール分身「あなたが授業出なくちゃ意味ないじゃない!」
ガヴリール「また分身のくせに歯向かうのか、いい度胸してるじゃん?」パキパキ
ラフィエル「まあまあ……一つ聞いてもよろしいでしょうか? そちらのガヴちゃん♪」
ガヴリール分身「はい、なにか御用でしょうか?」
ラフィエル「もしかして、天使学校の時のガヴちゃんの人格ですか?」
ガヴリール「何言ってるんだ、そのころの記憶もあるぞ」
ヴィーネ「私も下界に降りて間もないガヴだと思ったわ」
ガヴリール分身「はい、その認識で間違いないです♪」
ガヴリール「いやいやいやいや、おかしいだろ」
ラフィエル(ありえもしないこの二人が出会うなんて……とてつもなく面白いことの塊です!)
サターニャ「あんたたち昼休み終わるけどいつまでその状態でいるつもり?」
ガヴリール「うわ、もうこんな時間……という事であとはよろしく」
ガヴリール分身「よろしくではありません、ちゃんと授業に出席してください!」
ガヴリール「自分で主人格と名乗っておいてその主人格様が授業サボりとはいけませんねぇ」
ヴィーネ「ちょっと二人とも言い合いしないの!」
ラフィエル「昼を開けて突然性格が変わったらガヴちゃんに何かあったのかと周りが心配をされると思われるので私は出席した方がいいと思いますよ♪」
ガヴリール「……ラフィエルがそういうなら仕方がない」
ガヴリール「分身、放課後になるまで動くんじゃないぞ!」
ガヴリール分身「大丈夫ですよ」
ガヴリール分身「後結界も解いておきましたので」
ガヴリール「あっそういえば……どうやって」
ガヴリール分身「私はあなたです、あなたが出来る事が私にできないことは無いですよ」
ガヴリール分身「逆もそうですがね」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「ガヴリール遅れるわよ」
ガヴリール「あ、ちょっと待って」タッタッタッ
ガヴリール分身「……」
ガヴリール分身(待って、とは言われたものの)
ガヴリール分身(待つだけでは暇ですね……)
ガヴリール分身(あっそうだ、一度家に帰ってゼルエル姉さんに連絡をして……この時間帯に連絡したらきっと怒られますね……)
ガヴリール分身(では授業中は家の掃除をしておきましょう! 中で見ていた限り相当散らかっているはずですから)
ガヴリール分身(……ここなら学校の皆からは見られないですよね……よしっ)
ガヴリール分身「……」ハネバサッ
ガヴリール分身「神足通」シュンッ
ガヴリール分身「……」
ガヴリール分身「……あれ?」
ガヴリール分身「移動できてな、っ!!」スカートオサエ
ガヴリール分身「何かスース―すると思ったら……まさか……パンツだけが移動!?」カアア
放課後 屋上――
ガヴリール「よう分身、大分またせたな」
ガヴリール分身「あうあう……」カアア
ヴィーネ「どうせなら皆と一緒に帰りま……どうしたの? 顔真っ赤だけど?」
ガヴリール「大方授業中に神足通を使って私の家に行こうとしたんだがパンツだけ飛んで行ったというかんじだな」
ガヴリール分身「……」コクリ
ヴィーネ(じゃあ今このガヴはノーパン!?)ハアハア
ラフィエル「ヴィーネさんまた発作ですか♪」ニコニコ
サターニャ「ガヴリールすごいわね……どうしてわかったの?」
ガヴリール「こいつの言うとおりのここにくる以前の私であるのであればと思ったら簡単だよ……ほれこれ着ろ」スッ
ガヴリール分身「これはジャージ?」
ガヴリール「たとえ分身だろうが、私がそんな恰好でいたら恥ずかしいだろ……」
ガヴリール分身「……」
ガヴリール分身「ありがとうございます」ペコリ
ガヴリール「じゃあ、私の家に帰るぞ」
サターニャ「あらー、ガヴリールったらずいぶん親切じゃないの?」ニヤニヤ
ガヴリール「うるせ」
ヴィーネ「っはぁー危なかった……という事で一緒に帰りましょ」
サターニャ「でも暫くいるのだったら呼び方別にしないと紛らわしくなるわね」
ラフィエル「それもそうですね」
サターニャ「でも予め考えておいたんだから! こっちが天ガヴリールでこっちが駄ガヴリール」
ガヴリール「おいこっち指して駄ガヴリールって言ったな『駄』ってなんだよ」
ヴィーネ「『駄目』ね」
ガヴリール「ヴィーネ!?」
校門――
ガヴリール「あー結局いい案が浮かばないなぁ……」
サターニャ「だから、私が言った、」
ガヴリール「それ却下」
ガヴリール分身「その呼び方は私に言われている用で嫌ですね……」
サターニャ「え~」
ヴィーネ「でも本当にどうしましょうね……ややこしくなるわね……」
ラフィエル「ダメダメなガヴちゃんでしょうが、いい子いい子なガヴちゃんでしょうが私は好きですよ♪」ニコニコ
ガヴリール「ラフィエル、話聞いてた?」
委員長「あら、あの人たちまだ帰っていなか……あれ?」
委員長「天真さんが二人?」
委員長「……」メゴシゴシ
委員長「……やっぱり二人」
田中「あれあれ、委員長委員長、どうしましたか?」
上野「どうしちゃいましたか?」
委員長「いや……あれ」ユビサシ
田中「……あれは天真さんたち?」
上野「ん~、天真さんが二人いるぞ?」
田中「呼んじゃいましょう! おーい天真さん's!」タッタッタ
委員長「ええ!? ちょっと!」ダッ
上野「待ってくださーい!」タッタッタ
天真さん's「げ!(あら♪)」
ガヴリール(最悪なタイミングだ……)
田中「天真さん、今帰りですか?」
委員長「ちょっと、いきなり走らないでよ」ハアハア
上野「近くで見るとそっくりですね~」ミクラベ
ガヴリール分身(えっと……確か、まち子さんと調理部の田中さんと上野さんですね)
ヴィーネ「ええ、そうよ」アセッ
サターニャ「……」チラッ
ガヴリール「?」
サターニャ「……」ニタァ
ガヴリール(こいつ良からぬ事を考えてていそうだな)
サターニャ「こいつはわた」
ガヴリール「!」ハラパン
サターニャ「グボヘッ!」ドゴォ
サターニャ「……」バタリ
ガヴリール「……」
ガヴリール「よいしょ」セオイ
ガヴリール「……重たい」ポイ
委員長「胡桃沢さんには容赦ないわね……ちょっと、胡桃沢さん、大丈夫?」
ガヴリール「おぉ、委員長ちょうどよかった、そいつ連れて帰って」
委員長「わたし!?」
田中「それよりも、お二人はどういう関係ですか?」ヒョコッヒョコッ
ラフィエル「まあまあ、サターニャさんは私が連れて帰ります♪」
ガヴリール「ラフィエル、サンキュー」
ガヴリール(サターニャナイスフォロー、これで委員長達の話題もそらせるだろ)
ヴィーネ(こいつらサターニャを餌にした!?)
ガヴリール分身「アワワ」アセアセ
上野「もしかしてお二人さんは……」
ガヴ&分身「!」ギクッ
ヴィーネ(でも無理みたいね)
上野「ズバリ! 双子ですね!」
ガヴ&分身「……」
ガヴリール(その案に乗るしかない!)
ガヴリール「あぁ、こいつは離れた所に暮らしていた双子の妹だよ……姉か? どっちがいい?」
ガヴリール分身「えぇ!? 双子ですか!?」
田中「そこ自分で驚くとこ?」
委員長「双子? 道理でそっくり……というか同一人物ですね」
ガヴリール(そりゃ自分の分身ですからね)
上野「やっぱり双子だったんだ! 初めて見た!」キャッキャッ
ガヴリール「そうそう、双子双子~」
ガヴリール「という事で、じゃあ! お前もこっち!」テツナギダッシュ
ガヴリール分身「あっ」タッタッタ
ヴィーネ「じゃあ私はこれで、また明日ね」
ラフィエル「ではではしつれいしますね♪」ニコニコ
背負われたサターニャ「……」グッタリ
委員長「……」
委員長「名前、知りたかったわ……あと胡桃沢さんは大丈夫なのかしら」
上野「確かり知りたかったね~名前」
田中「明日のお楽しみだね、でももしかすると……」
委員長・上野「?」
田中「この学校に来たという事は近々転校しに来るかもしれないね!」
委員長「確かにそれもそうね!」
委員長「……」
委員長「でも胡桃沢さん大丈夫なのかしら……」
学校外――
ガヴリール「何とか……騙せたな……」ゼーゼー
ヴィーネ「逃げて帰るようなことして、かなり強引だったけどね」
ガヴリール分身「ナニコレ……タイリョクオチスギデス……」ヒューヒュー
ラフィエル「あらあら、体力面はガヴちゃんと同じみたいですね♪」
背負われたサターニャ「……ハッ! ここは私! どこは誰!」
ガヴリール「大分混乱してるな、誰がこんなこと……大丈夫か?」
ヴィーネ「おい原因」
ガヴリール「そういえば、おい分身……私?」
ガヴリール分身「はい……何でしょう……」ゼーゼー
ガヴリール「お前、自分の事『主人格』とか言っていたけど、まるで自分が二重人格みたいな言いぐさだったが……」
ヴィーネ「こっちに来た頃と比べたら本当に二重人格と言える違い様だわね」
ガヴリール「ヴィーネ、何か今日あたり強くない?」
ラフィエル「これもヴィーネさんの得意技のツッコミが鋭く磨かれているという事ですね♪」
ガヴリール「まあとにかく、私は下界の娯楽に触れて自然に堕落して今の私がいる、それなのになんでそんな事言える?」
ガヴリール分身「はい、確かに私はこちらの娯楽に触れて自然に堕落しました……」
ガヴリール分身「ですがあまりにも急激過ぎないとは思いませんか?」
ガヴリール「そうか? 落ちるときは落ちると思うが?」
ガヴリール分身「早すぎます、段階を踏まえずに……一気に落ちました」
ガヴリール分身「確か夜でしたね……PCゲーム触れたった一日で不登校でネトゲ三昧の引き困りに……それを『自然に堕落した』と言うのは難いです」
ヴィーネ「言われてみれば……早いわね」
サターニャ「それはこの大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルが早々に天使のあんたに対して悪魔的作戦<<デビルズミッション>>をしたことの結果よ!」ドヤァ
ガヴリール「お前は復活が早いな、んで嘘をつくな」
ラフィエル「復活が速いのもサターニャさんのいい所です♪」
ガヴリール分身「……とにかく、私は堕落してしまった日から私の心の奥底で『私自身の意識』はありました、そこで考えました」
ガヴリール「で、出た答えは?」
ガヴリール分身「……あなたは私が抑え込んでいた事が膨らんで出来た人格」
ガヴリール「……」
ラフィエル「といいますと?」
ガヴリール分身「私は天界にいた頃は真面目……いえ真面目過ぎた故に『力を抜く事』、『だらける』といった第三者からは悪い印象を持たれる事をするのを極度に避けていました……」
ガヴリール分身「それが積もり積もって私の中で膨らみ続け……PCゲームという『ガス抜きの針』を初めて触ったため膨らんだ物が破裂し表に出て、入れ替わりで私の意識は内側に入っていった」
ガヴリール分身「こういう結論にいたったのです」
ヴィーネ「つまり、今まで我慢し続けた結果このガヴを無意識に形成して、PCゲームをきっかけに入れ替わったという事ね」
ガヴリール「ふ~ん」
ガヴリール「……」
ガヴリール「でもさ、それって結局は主人格とか難しい事ではないよな」
ガヴリール分身「へ?」キョトン
ガヴリール「全く、難しく考えすぎなんだよ……もし天界にいた頃にガス抜きとして『だらける』事をしたらどうなっていたと思う?」
ガヴリール分身「それは……」
ガヴリール「たぶん今の私みたいなのが少なからずお前の意識の元で出てるはず」
ガヴリール「私が演技でもで善行をしようとした時はお前のように立ち振る舞えた事がそれを証明している」
ラフィエル「ゼルエルさんが此方に来た時ですね♪」
ガヴリール「うん、だからさ……私はお前で、お前は私だと思う」
ガヴリール「『主人格』という言葉を使いたいのであれば……『どちらとも主人格』だな」
ガヴリール「まあ、私のように駄目になったのを認めるのは流石につらい事だと思うがな」
ガヴリール分身「……」
ガヴリール分身「クスッ♪」
ガヴリール「なんだ、変なこと言ったか?」
ガヴリール分身「いえ、いつもは適当な事を言っているつもりでもこういう時はやっぱり確りと受け止め考えていると改めて感じました」
ガヴリール分身「ありがとうございます、大分楽になりました」
ガヴリール「ちょっと待った、『やっぱり』ってなんだ?」
ガヴリール「まさか……私の中に居た時に私の感がえが筒抜けで……」
ガヴリール分身「はい、そうです♪」
ガヴリール「んな゙っ!」
ガヴリール分身「あっ、勘違いしてほしくないのは聞きたくて聞いているのではなく、勝手に鳴り響くというか……」
サターニャ「ならちょうどいいわ! そこのガヴリール! こっちのガヴリールの弱点を教えなさい!」
ガヴリール分身「それはちょっと……」
ガヴリール「その前にだ! 私と……こいつのの呼び方をどうするかだよ!」
サターニャ「だから私が」
ガヴ・分身「それは嫌!(です)」
ラフィエル「あらあら、息がぴったりね♪」ニコニコ
ヴィーネ「ガヴはガヴで、こっちのガヴリールは……天真さんでいいのでは?」
ガヴリール「う~ん……それしかないかなぁ……」
ガヴリール分身「私はかまいませんが」
ヴィーネ「ならそれで決まりね!」
天真「では、これからもよろしくお願いしますね、ガヴリール♪」テダシ
ガヴリール「……やっぱり自分の苗字を言うのはちょっと違和感があるな……でも……」
ガヴリール「……こっちこそよろしく……その……天真」アクシュ
ラフィエル「これからこの先どのようか困難があれども二人は協力して切り抜き、皆が尊敬する偉大なる大天使へと成長していくのであった……」
ライフェル「完!!」
ガヴリール「勝手にナレーションっぽいの付けて終わらさないでくれる!?」
指摘ありです(タイプミスだなんて言えない)
ガヴリール「ところでさ、お前は私の」
天真「『天真』です!」ムムムー
ガヴリール「……ったく……天真はさ、私の分身なのに額を叩いてもどうして解けないんだ?」
天真「それは私の人格を分身した瞬間に分身側に移動させて、分身が解けない様に且つ実体化させる術を使ったからですね」
ガヴリール「さらっと言うが、それ無茶苦茶むずくね?」
天真「論理的には天界で学んだおばけを実体化させ触れるようにする術を応用した物です……ただ、分身したては暫く動けなかったですね」
ガヴリール「は~……何か私が怖い」
ラフィエル「どちらのガヴちゃんも、やればできるんですから、だからガヴちゃんもできますよ♪」ニコニコ
サターニャ「ねえ、天使ってやっぱり何でもありなの?」
ヴィーネ「私はサターニャがよく利用している魔界通販のほうが天使よりよっぽど何でもありだと思うわ」
ラフィエル「確かにそうですね……一体魔界通販って何なのかしら?」
サターニャ「さあね、ただ言えることはあるわ」
5人「?」
サターニャ「魔界通販は魔界通販よ!」ドヤァァ
ガヴリール「うん、それ知っている」
ラフィエル「サターニャさんのドヤ顔、カメラに収めました!」パシャパシャ
天真「カメラ!? いつの間に……」
ヴィーネ「これも平常運転ね」ハア
――――――
――――
ガヴリール宅――
ガチャ
ガヴリール「たっだいまー、ネトゲネトゲっと」
天真「ガヴリール、その前にする事がありますよね」
ガヴリール「なんだよ……」
天真「部屋の掃除です! 一緒にしましょう」
ガヴリール「また今度やるよ、その前に大切なネトゲのイベントスタートの日なんだ、ダッシュを切らないと」
天真「むぅぅ……」
ガヴリール「……」
ガヴリール「はぁ、わかったわかった、するよ……ちょっとだけだからな」
天真「……」パアア
ガヴリール(何かこいつには悲しい顔させたくないな……私自身だからかな)
天真「私はこの部屋をしますので、ガヴリールは入口辺りをお願いしますね」ニコニコ
ガヴリール「へいへい」
ガヴリール「……」
ガヴリール(こんなところに私のパンツ……私でもこんな所にパンツは脱ぎ散らかさないぞ)
天真「どうかしましたか?」
ガヴリール「いや、こんな所にパンツが落ちていてな、私でもこんな所にパンツは脱ぎ散らかさないから不思議に思って」
天真「もしかしたら、私が神足通で……」
ガヴリール「神足通? あぁ、確か屋上で神足通をしようとして下着だけとんでったっけ……」
天真「……」コクリ
ガヴリール「これがその時の……」
ガヴリール「……」
ガヴリール「……」クンクン
天真「ちょちょっちょっと!? 何私のパンツを嗅いでいるんですか!? ちょっと返してください!」カアア
ガヴリール「いやー、自分の匂いって自分でなかなか分からないじゃないですかー」
ガヴリール「分身だが他人でもある天真のパンツを嗅ぐと自分のパンツがどんな匂いか分かるかなとおもってさー」
天真「平然とそんなことしないでください!」カアア
………………
天真「今日はここまでにしましょう、まだ汚れている所はありますが明日にしましょうね」
ガヴリール「どこが汚れているんだよ十分綺麗だろ……しんど」
ガヴリール「ネトゲしよ」
天真「今から晩御飯の買い物に行きましょうよ!」
ガヴリール「インスタントで十分だろ」
天真「栄養価が偏りますよ! 気を付けないと、病気になってからでは遅いんですから!」
ガヴリール「でも買うためにお金は無いぞ、明日まで待てば天界からの振り込みはあるがな」
天真「むぅぅ……仕方がありません、今日はインスタントで済ませましょう」
ガヴリール「んじゃ、頼むねー」カチカチ
天真「……仕方がありませんね」
3分後――
天真「できましたよー」
ガヴリール「あいよ、サンキュー」
天真「いただきます」
ガヴリール「……」ズルズル
天真「……」ズルズル
ガヴリール「……」モグモグゴックン
ガヴリール「なあ、これからどうすんだ?」
天真「どうするとはどういう事でしょうか?」
ガヴリール「一応分身であるお前が肉体を持ってしまったのだから、これからどうするのかと思ってな」
天真「……行きたい」
ガヴリール「は?」
天真「私、また学校に行きたい!」
天真「私、あなたの中でずっと見ていました! 聞いていました!」
天真「学校でもっと友達やクラスのみんなと話したい! やっぱり学校は楽しそうです!」
ガヴリール「お、おう……」
ガヴリール「でも席はどうするんだ?」
ガヴリール「もともとのお前の席は今の私の席だから転校という形で学校に来ないと無理だぞ」
天真「ゼルエル姉さんに頼みましょう!」スマホポチポチ
ガヴリール「えーゼルエル姉さ……いや、もう電話してるの!? 行動はっや! というかそれ私の!」
天真「あなたの物ですから私の物でもありますよね? あっ、もしもしゼルエル姉さんですか?」
天真「少し変わった? まあ……そうですね、来たら分かると思うのですが」
天真「今すぐ来る? あっ……切れました」
ガヴリール「え、来るってマジ!?」
シュン
ゼルエル「どうしたガヴリール、お前から電話してきて珍しい、今までの愚行を反省し……」
ガヴリール「あー……」
天真「……」
ゼルエル「……」
ゼルエル「妹のガヴリールが二人……まさか我が家族に隠し子がいたのか……いや、まさかクローンの実験に……それとも」
天真「姉さん!? ちょっと落ち着いてください」
ガヴリール「まあ……私から話すよ」
――――――
――――
――――
――――――
ガヴリール「……という事です」
ゼルエル「理解はしたが……にわかには信じられないな」
天真「そこで本題です! 姉さん!」
ゼルエル「なんだ?」
天真「私も学校に行きたいです!」
ゼルエル「まあ、私から校長に直に相談してみるが……それ以前に名前はどうする」
ゼルエル「呼び方だけ変えても同姓同名同容姿の人物が2人、非常に紛らわしくなるぞ」
ガヴリール「ならもういっその事こいつに仮の名前を付けましょうよ」
ゼルエル「ガヴリール、お前はそれでいいのか?」
天真「はい! 私は大丈夫です!」
ゼルエル「……では仮名を決めないとな」
ガヴリール「ジブリエルはどうだ?」
ゼルエル「ジブリエルか……どうだ?」
天真「はい、素敵な名前です♪」
ゼルエル「……よし、では私から校長にこの事態と一緒に相談するとしよう」
ゼルエル「ガヴリール、だらけるんじゃないぞ」
ガヴリール「うるさいな、分かってるよ」
ゼルエル「では私は行くからな、気を付けるんだぞ」
天真「はい」
ガヴリール「ヘイヘイ」
シュン
天真「……」ワクワク
ガヴリール「はやく食べないと伸びてしまうぞ」ズルズル
天真「あっ、そうでした」ズルズル
ガヴリール「やっぱ美味いな」
天真「明日からは確りとした物を食べますからね」ズルズル
ガヴリール「へいへい」
――――
――――――
ガヴリール「ふう、食ったな」PCカチカチ
天真「私はお風呂を沸かしますね」
ガヴリール「おぅ、サンキューサンキュー」カチカチ
シュン
ゼルエル「ガヴリール」
天真「あっ、姉さん」
ガヴリール「!」ササッ
天真「学校の件、どうでしたか?」
ゼルエル「校長からは前例は無いが了解とでた、明日にで学校に行けるぞ」
天真「やった! ありがとうございます!」パアア
ガヴリール「よかったな」
ゼルエル「あと、ガヴリール」
ガヴリール「なんでしょうか?」
ゼルエル「学校という人目のつく場所で術を使ったから、厳重注意という意味合いで今月の仕送りが減るみたいだぞ」
ガヴリール「……マジか~」
ゼルエル「校長からは前例は無いが了解とでた、明日にで学校に行けるぞ」
→ゼルエル「校長からは前例は無いが了解を得られた、明日にでも学校に行けるぞ」
ゼルエル「では、私は帰らしてもらうぞ」
ゼルエル「ずっとお前たちの事は監視できないが、修行頑張るんだぞ、特にお前はな」
ガヴリール「姉さん一言多いんだよ……」ボソ
ゼルエル「何か言ったか?」
ガヴリール「別に~」
ゼルエル「……はぁ、ではな、また来るかもしれないからな」
シュン
ガヴリール「……」
天真「……」
天真「やったです!」
ガヴリール「うぉ!」
天真「学校、行けるのですよね! 早く明日にならないかな♪」キャッキャッ
天真「あっ、お風呂沸かしますね♪」タッタッタ
ガヴリール「……」
ガヴリール(私って学校如きであそこまではしゃげたんだ……)
ガヴリール(まあ、私の中でずっと居たからな……しょうがないのかな)
――――――
――――
天真「お風呂湧きましたよー」
ガヴリール「はいよー」カチカチ
天真「……あの」
ガヴリール「何? ネトゲで忙しんだけど」カチカチ
天真「一緒にお風呂入りませんか?」
ガヴリール「はあ? 二人じゃ狭いしネトゲしたいから嫌だよ」
天真「駄目です! 入りましょう! 確か昨日も入っていませんよね!」グイグイ
ガヴリール「あーもう止めろ止めろ! 分かったから! 入るから!」
天真「やった♪」
浴室――
ガヴリール「……」
天真「♪」
ガヴリール「狭い……」ブクブク
天真「これから毎日入ってもらいますからね!」
ガヴリール「えー」
天真「『えー』ではありませんよ、心の汚れを取るにはまず体からと言いますよね♪」
ガヴリール「聞いたことないよ」
天真「さでは、体を洗いますよ、浴槽から出てください♪」
ガヴリール「そんぐらい自分で洗うって」
天真「駄目です! 洗わさせてください!」
ガヴリール「洗わせてってオカンか! はぁ……手短に頼むよ」ジャバッ
天真「♪」ゴシゴシ
ガヴリール「本当に世話好きだな」
天真「あなたは私ですからこれぐらいは当たり前ですよ♪」
ガヴリール(……楽しんでるだろ)
――――――
――――
天真「いいお湯でしたね♪」
ガヴリール「あづい……風呂に30分ってわけわかんねぇよ」
天真「堕落する前はこれぐらい入っていましたよ」
ガヴリール「マジか……忘れたよ、昔の事は」
天真「まだ一年も過ぎていじないじゃないですか!?」
ガヴリール「私は過去に囚われない!」ドンッ
天真「少しは囚われてくださいよ!」
ガヴリール「さて、イベントを進めよう」カチカチ
天真「無視しないでくださいよー」
ガヴリール(こんなにかまってちゃんだったっけ!?)
――――――
――――
天真「そろそろ寝ましょう」
ガヴリール「んじゃ、おやすみー」カチカチ
天真「一緒に寝ましょう! こっちこっち♪」フトンポンポン
ガヴリール「床で上等だって」カチカチ
天真「駄目です! こっちに来てください」
ガヴリール「だから狭いって……分かったから……もう」
天真「♪」
ガヴリール「……」
天真「……」スウスウ
ガヴリール「……起きてるか?」
天真「まだ寝付いていませんよ」
ガヴリール「……明日、やっぱ楽しみなのか?」
天真「はい、そうですね」
天真「言ったと思うのですが、あなたの中で見ていました」
天真「本当に楽しそうです……私もあの輪の中に入りたいと思っていました」
天真「ですから、とても楽しみです」
ガヴリール「ふ~ん」
ガヴリール「分かった、じゃあ、おやすみ」
天真「おやすみなさい♪」
ガヴリール「……」スウスウ
天真「……」スウスウ
ガヴリール「……」スウスウ
天真「……」モゾモゾ
天真「……」ギュッ
ガヴリール「……」
ガヴリール(私は抱き枕じゃないぞ)
――――
――――――
早朝――
天真「ガヴリール、おはようございます、起きてください!」ユサユサ
ガヴリール「ん~……まだ6時じゃん……お休み」スゥスゥ
天真「早く支度をしましょう! 顔を洗って!」
ガヴリール「もうちょっと……あと2時間」
天真「そんなに寝ていては学校が始まってしまいます!」
ガヴリ-ル「まだ寝れるってー」スゥスゥ
天真「早く体を起こしてください」グイグイ
天真「もう髪がボサボサじゃないですか、私が梳いてあげますから、ささ、来てください♪」
ガヴリール「へいへい、ねむ……」
ガヴリール(こいつ世話好きヴィーネと張り合うな……)
ガヴリール「……」
ガヴリール(つまり私も内面的には世話好き?)
天真「では行ってきます♪」
ガヴリール「いってきまーす……誰もいないけど……」
天真「早く行きましょう!」ワクワク
ガヴリール「分かったから慌てるなって……そもそもこの時間学校開いてんの」
本当に世話好き、自分でも嫌気がさすぐらい
でもなんだか安心する
自分がもう1人加わった生活……意外と悪くないかも
これから先がどうなるのか少し楽しみな自分がいる
おしまい
一応キリがいいのでこのスレではいったんここで終わりにさせます
(これ以上このスレ内で長くなるのはどうなんかな?と思って)
また後日スレを立てて続きを再開しますので、その時はよろしくお願いします
ではこのスレで再開します
ヴィーネ「いってきまーす」ガチャ
ヴィーネ(ガヴはどうしているんだろう、ちょっと覗いてみようかしらね)
天真「おはようございます、ヴィーネ」
ヴィーネ「あら、天真さん、どうしたの?」
天真「私も今日から学校に行くことになりました!」キリッ
ガヴリール「ふぁ~、ねむ……」サラサラヘアー
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「分身って分身使えるの?」
ガヴリール「……ヴィーネ、それひどいよ」
ヴィーネ「え……あっガヴじゃない、どうしたの珍しく身だしなみを整えて……早いし」
ガヴリール「どうしたのじゃないよ」
天真「一日の結果は朝の身だしなみで決まると言いますしね♪」ルンルン
ガヴリール「聞いたことねえよ……」
ガヴリール「ヴィーネ、さっき私にひどい事言った罰でおぶって~」ダキッ
ヴィーネ「もう、自分で歩きなさいよ」ガシッ
天真「ヴィーネさん、言っていることとやっていることが違う気が……」
ヴィーネ「はっ、何してるんだろ私は」オロシ
ガヴリール「おい、余計なこと言うなよ」
天真「とにかく自分で歩きましょうね!」
ガヴリール「ちぇっ、わかったよ」
――――
――――――
天真「学校、つきました!」
天真「では私は職員室に行ってきますので先に教室に向かってくださいね♪」タッタッタ
ガヴリール「へいへい」
ガヴリール「こんな早くから何すんだよ全く……教室で寝よ」
ラフィエル「あらあら皆さん、おはようございます」
ヴィーネ「ラフィ、おはよう」
ガヴリール「おはよー」
ラフィエル「ガヴちゃん、今日は確りとセットしていますね♪」
ガヴリール「あいつが無理矢理起こして色々したからな……」
ラフィエル「あいつ? ……あっあちらのガヴちゃんですね♪」
ガヴリール「あっちの私の世話好きはヴィーネに匹敵するな」
ラフィエル「つまり、ガヴちゃんも潜在的には世話好きと」
ガヴリール「私は私だ! 他人の世話をするならネトゲする!」
ヴィーネ「いや、それは堂々と言うべき言葉ではないでしょ……」
ガヴリール「というわけで教室までおぶってー」ダキッ
ヴィーネ「だからここまで来たなら自分で歩きなさいよ!」ガシッ
ラフィエル「あらあら、言っている事とやっていることが違いますよ♪」
ヴィーネ「はっ私はまたやってしまった……」オロシ
ガヴリール「むぅ……じゃあラフィエ」
ラフィエル「遠慮しま~す♪」ニコニコ
ガヴリール「……めんど」
――――
――――――
ガヴリール「……」スウスウ
ヴィーネ(そろそろチャイムが鳴るわね)
ビシャッ
サターニャ「チャイムギリギリに教室に入るっ!」
サターニャ「なんて悪魔的なのかしら、大悪魔も夢じゃないわね」ルンルン
グラサン「つったてないで席に付け」
サターニャ「グラサン如きが、私に指図するなんて千ね」
グラサン「なら廊下に立ってろ」
サターニャ「……」
グラサン「……」
サターニャ「すじまぜん」セキスワリ
ガヴリール「んぁ……騒がしいと思ったらサターニャか……」
グラサン「ホームルーム始める前に皆に紹介する人がいる」
グラサン「こっちへ入りなさい」
天真「はい」テクテク
グラサン「今日からこのクラスに転校することになった天真=ガヴリール=ホワイト、天真の双子だそうだ、みんなよろしく頼む」
グラサン「……」
グラサン「同姓同名……姿も一緒か……」
天真&ガヴリール(校長、何か書類ミスった!?)
天界――
校長「ヘクシュン!」
校長「誰か噂をしておるのかな……ん?」
校長「これは昨日書いた天真君の転校の書類の写し、片づけてなかった……あっ、名前変えるの忘れとったわい」
校長「……」
校長「まあ、天真君だし何とかするじゃろう」マルナゲ
学校――
天真「すみません先生、名前が違います」
グラサン「そうか……では改めて本人から自己紹介だ」
天真「初めまして天真=ジブリエル=ホワイトと言います、皆様これからよろしくお願いします♪」ニコッ
クラス一同「パチパチパチ」
上野「やっほー天真さーん、私と昨日会ったの思えてるー?」
グラサン「静かにしろ上野、ホームルーム始めるぞ」
委員長「……」
委員長(今の状態であったら二人の天真さんは本当に似ている……瓜二つだわね)
委員長(さすが双子)
委員長(しかしあちらの天真さんは以前私たちが見た集団幻覚の天真さんに雰囲気が似ているわね)
委員長(まさかあっちの天真さんが来ていた!?)
委員長(って、そんなわけないわね)
――――――
――――
ガヴリール「やっとホームルーム終わった……」
ガヴリール「帰っていいよね」
ヴィーネ「まだ始まったばっかりじゃない、駄目よ」
ガヴリール「えー」
サターニャ「我がライb」
田中「天真さーん、こっちに来てもらえないですかー」
ガヴリール「めんどい」
上野「いいからいいから」グイグイ
ガヴリール「押すなって!?」
田中「こう二人並べて改めてみると」
天真・ガヴリール「……」
上野「本当にそっくりですね」ジー
田中「後ろ姿からでは区別付かないよね」ジー
ガヴリール「え? なにこれ? 品評会?」
天真「双子(設定)は珍しいからみたいですね」
上野「私的には前のモフモフ天真さんが良かったけどねー」
ガヴリール「え? マジで? それなら」カミグシャグシャ
天真「あー! せっかくセットしたのに、ひどいですよ!」
ガヴリール「同じ容姿だし、せめて一番目立つ髪で分けないとどっちがどっちか分からなくなるよね」
ガヴリール(あと、セットしたらすごく違和感があるんだよな……)
天真「むぅ……確かに一理ありますね……仕方がないです、今回は我慢しましょう」
田中「でもこっちの髪型のほうが新鮮味があって私は好きだよ」
天真「……」
天真「……」ドヤッ
ガヴリール「何勝ち誇っているような感じを出しているんだよ」
上野「髪モフモフ気持ちいいなぁ~」
ガヴリール「……」
ガヴリール「……」ドヤッ
ヴィーネ(どっちも同じね)
ヴィーネ「そういえば、ガヴ、宿題やったの?」
ガヴリール「宿題? ……たしかプリントだったよね、やってないな……だから見せて!」
ヴィーネ「覚えているならやりなさいよ……ほら、教えてあげるからやりなさい」
天真「どのようなプリントでしょうか?」トテトテ
ガヴリール「この数学のプリントだよ」
サターニャ「甘いわね! 甘すぎるわね、ガヴリール!」
ヴィーネ「あらサターニャ、宿題やってきたの?」
サターニャ「宿題なんてそもそもやろうとは思ってないわよ!」
ガヴリール「その宿題グラサンのだぞ、どうなるのか学習しろよ」
天真「サターニャさんも一緒にやりましょう!」
委員長「……」
委員長「あの……天真さん」
ガヴリール「ん? 委員長、なに?」
委員長「私も下の名前、ガヴリールって呼んでもいいかしら」
ガヴリール「……どうした?」
委員長「このクラスに天真さんが2人、しかも双子ではどちらとも天真さんと呼んだら紛らわしくなるから」
ガヴリール「ああそれね、別にいいけど、お前は?」
天真「賛成です♪」ニコ
上野「じゃあこっちはガヴガヴだー! もふもふガヴガヴぅー!」
田中「こっちはジブジブだね!」
ガヴリール「……テンションうぜぇ」
天真「ジブジブ……」テレッ
委員長「では改めて、よろしくね、ジブリエルさん」
天真「はい、よろしくおねがいします」ニコッ
サターニャ「ガヴガヴねぇ」ニヤニヤ
ガヴリール「なんだよ気持ち悪いな、それよりヴィーネ宿題見せて」
ヴィーネ「教えてでしょう、早くプリント出す」
天真「サターニャさんも一緒にやりましょう」
サターニャ「嫌よ、何でこいつらと一緒にしないといけないのよ!」
天真「……」ウルウル
サターニャ「うぅ……全く仕方がないわね」
天真「!」パアア
ラフィエル「という事でサターニャさんの宿題は私と天真ちゃんが教えます♪」
ガヴリール「お前本当に『湧く』という言葉がふさわしい出現するな」
サターニャ「私は馴れたけどね!」ドヤァ
ヴィーネ「そこ誇ったら悲しいわよ」
ガヴリール「あと、こいつの名前は『ジブリエル』だ」
ラフィエル「ジブリエル……では改めて私とジブちゃんで宿題教えますね♪」ニコニコ
サターニャ「そもそもクラス違うでしょ、授業の進むスピード違うんじゃない」
ラフィエル「心配なさらずとも、ここは既に終わりましたので大丈夫ですよ♪」ニコニコ
天真「では一緒に勉強しましょう♪」
ガヴリール(休み時間半分過ぎたけどな……うん多分間に合わんな……はぁ、怒られるな)
昼休み――
ガヴリール(何とかギリギリ宿題は間に合ったが、サターニャは結局間に合わなかったうえにいつもの発言で廊下に立たされたな、馬鹿なのか)
ガヴリール(……疑うのは失礼だな、あいつは馬鹿だ)
ガヴリール「ふぅ……頑張ったし帰ってもいいよね」
ヴィーネ「駄目よ、まだ午後もあるんだから」
ヴィーネ「それよりお昼どうする?」
ガヴリール「……そういやお金が無くて何も作ってなかったな」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ(もしかして)
ヴィーネ「ねえ、ジブもそう?」
天真「お恥ずかしながら……でも今日仕送りが来ますのであと少しの我慢です! 頑張ります!」グゥ~
天真「あぅ……」カアア
ガヴリール「どう頑張っても腹の虫は正直だな」グゥ~
ヴィーネ「ふふっ、しょうがないわね、ほら、弁当分けてあげるから食べなさい」
天真「そんな、お弁当を分けてもらうなんて……」
ガヴリール「サンキュー」パクモグパクモグパクモグパクモグ
ヴィーネ「遠慮しなくてもいいのよ、はいお箸、あとガヴは少しぐらいは遠慮しなさい」
天真「では、いただきます」パク
ヴィーネ「……どう?」
天真「……」モグモグ
天真「……すごくおいしいです!」パアア
ヴィーネ「よかった、これも食べていいわよ、あとガヴは食べすぎ」
ヴィーネ「はい、ありがとうございます!」パク
ガヴリール「ちぇ、ケチー」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ(天使ガヴが口を付けたチョップスティック! これを咥え間接キッス!)ハアハア
ガヴリール「ヴィーネさ、今すごく失礼な事考えてなかった?」
ヴィーネ「はっ、な何を言っているのよガヴったら、さて私も食べましょう」
ヴィーネ(アブない、あと少しでトリップする所だったわ)
ヴィーネ「サターニャはまたメロンパンなのね」
サターニャ「何よ、何か悪い?」
ガヴリール「サターニャいたんだ」
サターニャ「最初からいたわよ!」
ラフィエル「私もいます!」
サターニャ「あんたはどうせ湧いてくるのでしょう」
ラフィエル「今回は扉から入りましたよ♪」
ガヴリール「『今回は』ってなんだよ、本当に湧いてきてるのか……」
ラフィエル「それは乙女の秘密でーす♪」ニコニコ
天真「……」ジー
サターニャ「な、なによ……」
天真「……」ジー
サターニャ「……メロンパンはあげないわよ」
天真「……」ジー
サターニャ「……一口ぐらいなら、いいわよ、ほら食べなさい」
天真「え? あっ、私にですか」
サターニャ「あんたしかいないでしょ、ほら、一口だけだからね」
天真「すみません、ではお言葉に甘えて」パク
天真「……」モグモグ
天真「んーーー!! おいひいです!」
サターニャ「そう、よかった」
サターニャ「じゃあ私も」パク
ヴィーネ(!?)
ヴィーネ(天使と悪魔の間接キッス! 分泌液的な物のカオスが! サターニャの口内で臨界状態っ!)ハアハア
ラフィエル「ヴィーネさん、発作ですか? 落ち着いてください♪」
ヴィーネ「はっ……危なかったわ、ありがとうラフィ」
天真「ごちそうさまでした」
天真「みんな、ありがとうございます」
ヴィーネ「気にしなくてもいいわよ」
天真「さてと、少し失礼しますね」
ガヴリール「ん? どこ行くんだ?」
天真「ただ、お昼休みの余った時間でトイレの掃除をしようかと」
ガヴリール「へ?」
天真「?」
ラフィエル「あら、いい心がけですね♪」ニコニコ
サターニャ「これが噂のS級天使的行為ね、ヴィネット」
ヴィーネ「いやいや、私に振られてもそれ聞いたことないわよ」
天真「あっ、ガヴリールも一緒にやりたいのですね♪」ニコッ
ガヴリール「え~やだよ、いってらっしゃーい」
天真「では行きましょう♪」グイグイ
ガヴリール「あー分かった! 分かったから引っ張るなって! 制服が伸びる!」
ズルズル
3人「……」
ラフィエル「本当に仲がいいですね♪」
ヴィーネ「確かに色々あっても上手く行けそうね」
サターニャ「天使の天使的一部を垣間見ることができたわ……」
30分後――
ガララ
ガヴリール「掃除も終わったし、もう帰る」
ヴィーネ「あら、ガヴリールおかえり、あとそれは却下ね」
サターニャ「本当に昼休みギリギリね、どうかしてるわ」
天真「これで頑張って午後の授業に集中できますね」ルンルン
ガヴリール「何がどうなって集中できるようになるんだよ……」
天真「学校の一番汚れやすいところ、つまりトイレを綺麗に掃除することで、学校関係者の心の汚れも落ち穏やかになり授業にも集中できるという事ですよね、ラフィエル」
ラフィエル「え? はい、そうですね♪」ニコニコ
ガヴリール「今絶対に適当に相槌打っただろ?」
ラフィエル「そうそろそろお昼休みが終わりますので、私はあちらのクラスに戻りますね」
天真「はい、またです♪」ニコッ
ガヴリール「逃げやがった……」
放課後――
ガヴリール(やっと帰れる、明日休みだしイベント回さなきゃな!)
ガヴリール(と言いたいところだが、今日はバイトだ……仕方がないが行くか、これも課金のためだ!)
天真「あの、ガブリール……」
ガヴリール「ん? なんだ?」
天真「ガヴリールが働いてる喫茶店ですが……」
ガヴリール「駄目だ! 絶対に来るなよ!」
天真「駄目ですか……」シュン
ガヴリール「……」
ガヴリール「はぁ……分かったよ」
天真「!」パアア
天真「ありがとうございます!」ニコッ
ガヴリール「どうせあいつらも来るだろうし」
ガヴリール(本当に私はあの顔に弱いな……)
エンジェル珈琲――
カランカラン
マスター「おや、天真くん、もう来たのかい?」
ガヴリール「うぃっす」
天真「あの、しつれいします」
マスター「!?」
マスター「天真くんが二人いるよ!? ら乱視かなぁ?」メガネフキフキ
ガヴリール「マスター、私たち、双子っす」
マスター「双子? あぁ、そういうことね」
ガヴリール「こいつ、ここに居させるだけで大丈夫なので」
マスター「えぇ!! 居させるだけ!?」
ガヴリール「うぃっす、無害なんで」
マスター「無害? その表現はどうなのかな?」
ガヴリール「マスター、そろそろ服、着替えてもいいっすか」
マスター「あ、うんいいよいいよ! バイトに来たんだもんね」アセアセ
天真(確かこの人がここの喫茶店のマスター)
天真(いつもお世話になっているマスター)
天真「あの、マスターさん!」
マスター「ん? 私に何か用かね?」
天真「いつもありがとうございます!」ペコリ
マスター「ん!?」
マスター(えぇ!? いつもありがとうって、何もしていないよ!? 天真くんしか何かしていないよ!? あっ、双子だからこっちも天真くんだよね)
マスター(でもおかしいよね!?)
ガヴリール「ちょっと、何言ってんの」ヒソヒソ
天真「何って? 日頃のお礼ですが」
ガヴリール「お前がお礼するようなことは一切されて無いだろ」ヒソヒソ
ガヴリール「私の中でいたんでしょ」ヒソヒソ
天真「……あっ」
天真「どうしようどうしよう」アセアセ
ガヴリール「仕方がない、私に任せて」ヒソヒソ
ガヴリール「マスター」
マスター「ん? え? あっ、何か用かな天真くん?」
ガヴリール「私たち、双子なんである程度の事はなぜか共有できるみたいなんっすよ」
ガヴリール「だからたぶん私の体験がこいつ自身の体験と勘違いしていったんっす」
天真(それも無理があるのでは)
マスター「双子ってそういう物なの!?」
ガヴリール「うぃっす」
マスター「なら……辻褄があうよね、そうだよね」
天真(……嘘ついて申し訳ありません、マスターさん)
――――――
――――
天真「……」ソワソワ
マスター「どうしたのかね? コーヒーでも飲むかね?」
天真「いえ、お金が……」
マスター「いいんだよ、特別サービスだよ」
天真「すみません、ありがとうございます」
天真「……」ズズッ
天真「苦いです……」
マスター「だよね! 苦かったよね!」
天真「……あの、マスターさん」
マスター「ん!? 何かな!?」
天真「私も、ここで働かせてください!」
ガヴ・マスター「!?」
マスター「いいきなりどうしたの?」
天真「ガヴリールから見……話を聞いていてすごくいい所だなと思いました」
天真「ぜひここで働きたい、アルバイトをしたいと思ったのです」
ガヴリール「ちょっと待て、私についてきたのはここで働きたかったからか?」
天真「すみません、でもガヴリールの邪魔はしません!」
ガヴリール「はぁ、まったく……マスターはどうっすか?」
マスター「まあ……給与は……たぶんギリギリ大丈夫だし、採用するよ」
天真「ありがとうございます!」ペコリ
マスター(……給与、大丈夫なはずだよね?)
ガヴリール(こんなに安請け合いでここ大丈夫か?)
――――――
――――
バンッ!
サターニャ「来たわよガヴリール、私をもてなしなさい!」
ガヴリール「へいらっしゃい、出口はそちらです」
サターニャ「追い出すんじゃないわよ! 私は客よ!」
天真「あっ、サターニャさんいらしゃいませ♪」ニコッ
サタ―ニャ「あら、ジブリエルじゃない、こんなところでどうしたの? というかその服……」
天真「今日からここで働くことになりました♪」ニコニコ
サターニャ「へぇ……許したんだ、ガヴリール」ニヤニヤ
ガヴリール「うっせ」
マスター(僕が雇ったんだけど……)
天真「ではあちらの開いている席へどうぞ♪」ニコニコ
サターニャ「はぁ? 私はガヴリールを相手にんであってあんたの相手をしに来たんじゃないのよ!」
マスター(ぐはっ!)ピクピク
天真「え……そんな……」ジワ
ガヴリール「おいサターニャ、そいつに対する暴言は私に対する暴言だ」
サターニャ「はぁ? 何言ってるのよ」チラ
天真「えぐっ……私じゃ……だめなのですか?」ポロポロ
ガヴリール「覚悟はできれいるんだろな」ゴゴゴ
サターニャ「ちょっと待って! ここの席でいいんだよね!」アセアセ
天真「はい」パアア
サターニャ(危なかったわ……この2人喜怒哀楽大変ね)
天真「お客様、ご注文はお決まりでしょうか♪」ニコニコ
サターニャ「まだメニューすら見てないわよ」
天真「あっすみません」
ガヴリール「へい、お水お持ちしましたのでお帰り下さい」
サターニャ「まだ注文してないわよ!」
ガヴリール「なら注文してさっさとお帰り下さい」
サターニャ「コーヒーぐらい飲ませなさいよ!」
ガヴリール「では注文せずにさっさと帰って下さい」
サヤーニャ「ここに来た意味がないじゃない!」
天真「ふふっ♪」ニコニコ
サターニャ「何よ、ラフィエルみたいにニコニコして……」
天真「いえ、こんな事を言っていても、ちゃんとガヴリールの心の中では『今日も来てくれた』と安堵しワクワクしているのだなと思いまして♪」ニコニコ
ガヴリール「ちょっちょっと!? 何言っているの!!」
サターニャ「へぇ、ガヴリールが、ねぇ……」ニヤニヤ
ガヴリール「に、ニヤつくなぁ!」カアア
ガヴリール「もう、早く注文しろ!」
マスター「……」
マスター「青春だねぇ……」
カランカラン
ラフィエル「来ちゃいまし……あら♪」
ヴィーネ「こんな所でうずくまってどうしたのよ、ガヴ」
ガヴリール「いや、なんでも無い……」カアア
天真「みんな来てくれて、よかったですね」ヒソヒソ
ガヴリール「うっせ、この馬鹿」カアア
ヴィーネ「どうしたの顔真っ赤よ? 風邪でも引いたの?」オデコピト
ガヴリール「! そういうのいいから! 早く開いている席に座れよ」
ラフィエル「あら♪ ジブちゃんもこちらに来ていたんですね、その恰好は……」
天真「はい、今日からここで働かせていだたくことになりました♪」ニコニコ
ラフィエル「お似合いですね♪」ニコニコ
天真「ありがとう、ラフィエル」ニコッ
マスター「仲がいい事は素晴らしい事だね……」
サターニャ「ねえ、注文決まったんだけどー」
天真「行きます!」
サターニャ「だからあんたじゃないって!」
天真「……」ウルウル
ガヴリール「あぁ!?」ギロッ
サターニャ「っ! というのは冗談で……」
ヴィーネ「私は、ブレンドコーヒーで」
ラフィエル「私も同じのいいですよ、ガヴちゃん♪」
ガヴリール「はいよ、マスター、ブレンドコーヒー2つ」
サターニャ「このキリマンジャロってやつね! 何か強そうだし!」
天真「分かりました♪ マスターさん、キリマンジャロを一つです♪」ニコッ
マスター「うむ、少々お待ちください」ゴリゴリ
――――
――――――
――――――
――――
カランカラン
ヴィーネ「じゃあ、またねガヴ、ジブ」
ラフィエル「では失礼しますね、ガヴちゃんもジブちゃんも今日は可愛かったですよ♪」ニコニコ
サターニャ「今日は勝負つかなかったけど、絶対勝つんだからね!」
バタン
ガヴリール・天真・マスター「……」
ガヴリール「勝負ってしてないだろ……」
天真「初めてのお客……どうだったでしょうか!」
ガヴリール「初めてっつっても友達だろ?」
マスター「今日は上がってもいいよ、天真くんも初めてだったしね」
ガヴリ-ル「初めて?」
マスター「おっと、こっちの天真くんだね」
天真「私でしょうか?」
マスター「二人ともお疲れ様だね」
ガヴリール「うぃっす」
天真「お疲れ様です♪」ペコリ
天真「では、お先に失礼します」ペコリ
ガヴリール「マスター、お疲れっす」
マスター「ああ、お疲れ様」
バタン
天真「初めてのお仕事、私どうでしたか? どうでしかた?」ソワソワ
ガヴリール「え? ん~まぁ、いいんじゃないの?」
天真「本当ですか!」パアア
ガヴリール「そういえば今日料理するんだろ? スーパーによっていくか?」
天真「はい♪」ルンルン
ラフィエル「こちらも面白そうなのでちょっと後をつけちゃいましょう♪」
ヴィーネ「私たちを呼び留めたと思ったらこういうをしたかったのね……」
サターニャ「これでガヴリール達の弱みをつかむわよ!」
ラフィエル「声大きいです、サターニャさん」
ガヴリール「そういや、お金降ろすのに通帳持ってこないといけないな……スーパー行く前にいったん帰るか」
天真「はい♪」
ラフィエル「あら? こちらの方向は自宅ですかね」
ヴィーネ「やっぱりやめましょうよ、面白いからって後をつけるのはよくないわよ」
サターニャ「ならヴィーネは帰ればいいわ、私たちは行くから」
ヴィーネ「もう……私も行くわ」
ガヴリール自宅――
ガヴリール「通帳は……あった、振り込まれて……何だこれ」ツウチョウペラリ
天真「どうしましたか? 仕送りは……ちょっと……え?」
ガヴリール「そういえば……」
――――――――――
ゼルエル「学校という人目のつく場所で術を使ったから、厳重注意という意味合いで今月の仕送りが減るみたいだぞ」
――――――――――
ガヴリール「まさかここまでごっそり減るとは……」
ガヴリール「そうだ、お前、お前の分の通帳は無いのか?」
天真「私の通帳はそれでは……」
ガヴリール「これじゃなくて、今のお前の通帳だ」
天真「そういえば……無いですね」
ガヴリール「今すぐゼルエル姉さんに連絡だ!」スマホタプタプ
ラフィエル「サターニャさん、魔界通販で家の中を見る物は無いんですか!」
サターニャ「何言ってるのよ! それ犯罪だから!」
ヴィーネ「でも魔界通販ならありそうね」
――――――
――――
ガヴリール「分かった、じゃあゼルエル姉さん」スマホポチ
天真「どうでしたか?」
ガヴリール「私たちに伝えていたのを忘れていたみたいで、この通帳に2人分の仕送りが来るんだってさ」
ガヴ・天真「……」
ガヴリール「つまり今月の仕送り来て早々からヤバいじゃん」ガックリ
天真「と、とにかく今月は節約しましょう!」
天真「スーパーのチラシは無いのでしょうか?」
ガヴリール「ないな、見る必要が無いし」
ガヴリール「でもそういうのはヴィーネが持っていそうだな」
ガヴリール「そうだ、ヴィーネの家にご飯を食べに行こう、うん、そうだそうだ」
天真「さすがにそれはちょっと……」
ガヴリール「何言ってんだ、こちらは死活問題だぞ」
ガヴリール「それにヴィーネだったら嫌々言いつつもなんだかんだ作ってくれるって」
ガヴリール「という事で今から乗り込もう」
天真「今からですか!? 電話を先にしたほうが……」
ガヴリール「そこで断れたら終わりだよ、断れない様にあらかじめ乗り込むんだ!」
ラフィエル「サターニャさん、ヴィーネさん、ガヴちゃん達が家から出ましたよ!」
サターニャ「さあ、弱みを見せてもらおうじゃない!」
ヴィーネ「何か焦っているみたいに見えるわね……」
ラフィエル「ワクワクしますね♪」
ヴィーネ自宅――
ガヴリール「おーい、ヴィーネ、開けてー!」ピンポンピンポン
天真「明かりが消えているし、まだ帰って来てないのではないでしょうか?」
ガヴリール「帰って速攻寝ている可能性もあるぞ」
天真「ならなおさら迷惑になるのでやめておいた方が」
ガヴリール「ヴィーネ、起きろー! 寝たら豚になるぞ! 豚悪魔!」ドンドン!
ヴィーネ「私の家に何の用かしら……ねえ、私を自宅の中に神足通で連れて行ってもらえないかしら」
ラフィエル「駄目ですよ、ヴィーネさん! ここから面白いことにっ!」
サターニャ「そうよ駄目よヴィネット! ここから弱みが見えるかもしれないじゃない!」
ヴィーネ「なら私一人で行くもん!」タッタッタ
サターニャ「あ、ちょっとヴィネット!」
ヴィーネ「あらガヴにジブ、どうしたの?」
ガヴリール「お~ヴィーネ、いい所に来た……今帰って来たの?」
ヴィーネ「うん、そうだけど……」
ガヴリール「あのさ……今月さ……早速ピンチなんだ……だからさ、何か食べさせてよ」
ヴィーネ「ん? どういう事?」
天真「とても申し上げにくいのですが……今月私たちの仕送りが殆どないのです……」
ガヴリール「仕送り来たその日からピンチだからさ、お願い!」
ヴィーネ「はぁ……仕方がないわね」
ヴィーネ「そうだ、歓迎パーティー! ジブの歓迎パーティーをしましょう!」
天真「私?」
ヴィーネ「そうよ、こうやって出てきたことだししましょうよ! サターニャ! ラフィ! 出てきなさい!」
サターニャ「なんでばらすのよ!」
ラフィエル「ありゃりゃ、ばらされちゃいましたか♪」
ガヴリール「ばれたって何をしていたんだよ……」
サターニャ「何でもないわよ! というか歓迎パーティーってジブリエルの?」
ラフィエル「私はいいと思いますよ、ジブちゃんの歓迎パーティー、素敵です♪」ニコニコ
ガヴリール(これで今晩の飯の心配はいらなくなるな!)グッ
天真「皆さん……ありがとうございます!」ペコリ
ヴィーネ「これぐらいいいのよ」
ヴィーネ「ガヴリールももちろん手伝うのよ」
ガヴリール「わ、分かってるよ」
ガヴリール(くそ、簡単に飯は食わせないみたいだな)
ガヴリール「サターニャ、『ばらす』っていう事は何かしていたんだよな、何をしていたんだ?」
サターニャ「ガヴリール達の跡をつけて弱みを握ってやろうだとかそんな事じゃないのだからね!」
ガヴリール「ほぅ……私たちの弱みを握ろうとしていたのか……」
サターニャ「何を言ってい……あっ……」
サターニャ「で、でも、ラフィエルも一緒だったのよ! なんであいつは何も言わないのよ!」
ガヴリール「どうせ面白そうだとかという理由だろ、ラフィエル」
ラフィエル「はい、大正解ですよガヴちゃ~ん」ギュム
ガヴリール「抱き着くなよ」ムムム
ヴィーネ「では早速準備にかかるからね」
ガヴリール「なら私は家で待機する担当だね」ソソクサ
ヴィーネ「何言っているのよガヴ、あなたは食器を出すのよ、分かる?」ヤリダシ
ガヴリール「じょ、冗談だから、そのやりしまおうよ、な?」
サターニャ「私は調理するわ、腕が鳴るわね」
ヴィーネ「変な物入れないでよ」
ラフィエル「私も調理担当になりまーす♪」ニコニコ
ヴィーネ「本当に変な物入れないでよ!」
天真「……」ソワソワ
天真「ヴィーネ、私は何を手伝ったらいいのでしょうか……」
ヴィーネ「主役に手伝わせるなんてとんでもないわよ、少しそこで待っていてくれないかしら」
天真「あ、はい」
――――――
――――
ヴィーネ「という事で、ジブリエル歓迎パーティーを開催しまーす♪」
天真・ラフィ・サターニャ「ワー」パチパチパチ
ヴィーネ(見事にメロンパンだらけね……これは予想していなかったわ、もはやサターニャの何かに変わってしまった気がするわ)
ガヴリール「早速飯を食わせて!」
ヴィーネ「開口一番がそれか……」
サターニャ「これは私のメロンパンだからね! 食べないでよ!」
ラフィエル「ではこのメロンパンを食べてください、サターニャさん♪」ニコニコ
サターニャ「え? まあいいわよ」
ラフィエル(このメロンパンには『ですそーす』というとてつもなく辛い物が含まれています、さすのサターニャさんでもリアクションは取るはず)
サターニャ「モグモグ」
サターニャ「このメロンパンは普通においしいわ、なかなかじゃない、ラフィエルが作ったの?」
ラフィエル(なんですと!? はぁ、これも駄目でしたか)ガックリ
ヴィーネ「ねえラフィエル、今サターニャが食べている物に何が入っているか聞いてもいいかしら?」
ラフィエル「な、何にも入っていませんよヴィーネさん」
天真「ではこのメロンパン、頂きますね」
ガヴリール「んじゃ、私もそのメロンパン食べてみるか……」
天真・ガヴリール「あむ」パク
ラフィエル(確かのそ中身が無駄に赤いメロンパンはサターニャさんさんが先ほど食べた『ですそーす』が入ったメロンパンですね)
ラフィエル「……」
ラフィエル「あっ」
天真「!!?!!?!?」ガタッ
ガヴリール「ふぃふぇぁ!!!」ガタッ
ダッダッダ ジャー ゴクゴク
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ねえ、ラフィエル……私正直に話してほしんのだけどな……」ツノニョキ
ヴィーネ「この中身が真っ赤っかなメロンパン……何が入っているのかな? 私、知りたいのよ……」ヤリダシ
ヴィーネ「ね♪」ニコッ
ラフィエル「あはは……」
ラフィエル(非常に大切な事を忘れていました)
ラフィエル(ヴィーネさんはイベント狂だったことをです)
――――――
――――
ガヴリール「何だあのメロンパン、辛い通り越して痛かったぞ……何だったんだ」
天真「う~、まだひりひりする……」
ガヴリール「……で」
ラフィエル「っー!! っーー!!!」ジタバタ
天真「ラフィエルはなんで縛られているのでしょうか……」
ヴィーネ「さて、歓迎会楽しみましょう♪」ニコッ
ガヴリール「お、おぅ……」
サターニャ「……」モグモグ
サターニャ「ねえジブリエル、ラフィエルの弱点ってカエル以外なにかあるの? あとガヴリールの弱点も教えてくれないかしら」ヒソヒソ
天真「へ? 弱点ですか……すみませんがそれは教えらません……たとえ知っていてもです」
サターニャ「そこを何とかできないの?」
ヴィーネ「ほらラフィ、自分で作ったこのメロンパン、自分で食べなさいね♪」グイグイ
ラフィエル「ほへほひぃ!!!!!!」ジタバタ
ヴィーネ「ふふっ、ラフィったら美味しいという表現を体をくねらせて表現しているのね♪」グイグイ
ガヴリール「……」
ガヴリール「もはやカオスだな」
――――――
――――
天真「おなかいっぱいです」
ヴィーネ「満足してくれて何よりね!」
ガヴリール「満足満足♪」
ラフィエル「カライ……カライ……カライ……」ブツブツ
サターニャ「ラフィエル、どうしたのよ?」
天真「本日は私の為に……」
ガヴリール「そんな硬い事言わなくて大丈夫だよ」
ヴィーネ「そうよ、私たち友達でしょ?」
ラフィエル「ほうへふよ、ひうひゃん」
サターニャ「ラフィエル、本当に大丈夫? ヴィネット、ちょっとやり過ぎじゃないの?」
ヴィーネ「うん、そこはちょっと反省」
ガヴリール「ちょっとなのかよ」
天真「皆さん……ありがとうございます」ペコリ
ヴィーネ「さて、片づけるわよ」
ガヴリール「よし、私は部屋でゴロゴロする係だな」
ヴィーネ「ガヴは食器の片づけをするのよ」
ガヴリール「は~い」
ラフィエル「はうひゃん、へふはいはふよ♪(ガヴちゃん、手伝いますよ)」
ガヴリール「いや、ラフィエルは休んでいてもいいと……さすがに何かあれだ」
天真「お水、ついできます」
ラフィエル「あひあおうおあいまふ(ありがとうございます)」
ヴィーネ「サターニャは私と食器洗って」
サターニャ「仕方がないわね」
ラフィエル「ゴクゴク」
ラフィエル「ぷはー、助かりましたジブちゃん」
天真「大丈夫ですか?」
ラフィエル「はいご心配なく♪」
ラフィエル「しかし、こうしていると天界の学校にいた頃を思い出しますね」
ラフィエル「ガヴちゃんには失礼だと思いますが、ジブ……ではなく今はガヴちゃんと呼びますね」
天真「い、いえ、気にしないでください」
ラフィエル「いえ、気にします……なんといえばいいのでしょうかね……少し寂しかったです」
天真「?」
ラフィエル「覚えていますか? あちらのガヴちゃんが言った言葉」
天真「ええと……いつ言った言葉なのでしょうか?」
ラフィエル「皆でヴィーネさんの家で夏休みの宿題をしていた時、『あの時の自分は偽り』と言った事です」
ラフィエル「今でもどちらのガヴちゃんも素敵だと思います、ですがその言葉を聞いた時心の奥底で穴が開いたような感覚がしました」
ラフィエル「自分が一番知っている、長い付き合いをしている『ガヴちゃん』が『偽り』で終わらされる……」
ラフィエル「宿題会が終わらせて家に帰って……その言葉をふと思い出した時非常に悲しくなりました……」
ラフィエル「ですから……」ギュッ
天真「……ラフィエル」
ラフィエル「皆が向こうで手伝っている間、向こうに行っている間、こうさせてください」ギュッ
天真「……ふふっ」
天真(ラフィエルってば私の前では寂しがり屋なのは昔から変わってないですね)ナデナデ
天真「大丈夫ですよラフィエル、ガヴリールもあんなことは言いましたが天界にいた頃の根っこは確りとまだまだ残っていますよ」ナデナデ
ラフィエル「……」ギュッ
ガヴリール「……」
ヴィーネ「ガヴ、ここの洗った食器を棚に片付けて」
ガヴリール「はいはい」
サターニャ「この食器も片づけなさい!」
ガヴリール「自分で片付けろ」
サターニャ「私だけ!?」
ヴィーネ「ガヴリール!」
ガヴリール「分かったよ」
――――――
――――
ガヴリール「片づけ終わった~だる~」
ヴィーネ「お疲れ様」
ラフィエル「お疲れです、ガヴちゃん♪」
サターニャ「もうこんな時間なの、早いわね」
天真「それほど楽しかったという証拠です」
ガヴリール「さて、そろそろ帰りましょうかね」
サターニャ「そうね、魔界通販を見ないといけないわ」
ラフィエル「そこまで見る必要があるのでしょうか……私も帰りますね」
天真「ではヴィーネさんお疲れ様です」
ヴィーネ「皆お疲れ、ジブもお疲れ」
サターニャ「じゃあ、お先に失礼するわ」
ガヴリール「ラフィエル、ちょっといいかな」
ラフィエル「あら? 何ですかガヴちゃん?」
ガヴリール「お前も先に帰っていて」
天真「は、はい」
――――――
ラフィエル「ガヴちゃん、何でしょうか?」
ガブリール「何というか……」
ガヴリール「……」
ガヴリール「……すまなかった」
ラフィエル「え?」
ガヴリール「夏休み、ヴィーネの所に集まって勉強会した時の事に私が行った言葉」
ラフィエル「……ジブちゃんとの話、聞かれていたのですね」
ガヴリール「ごめん……」
ラフィエル「大丈夫ですよ、ガヴちゃん……確かに寂しかったのですが……今は大丈夫です♪」
ラフィエル「ですから気に……」
ガヴリール「……」ダキッ
ラフィエル「……ガヴちゃん?」
ガヴリール「ラフィエルに寂しい思いさせてしまったな……」ナデナデ
ガヴリール「だからせめてもの償いだ、こうさせてくれ」ナデナデ
ラフィエル「ガヴちゃん……」
ラフィエル(『根っこは確りとまだまだ残っていますよ』……確かに確りと残っていますね)
ラフィエル(この感覚、こちらのガヴちゃんもあちらのガヴちゃんも一緒……同じ……優しい感じ……)
モノカゲ
天真「よかったですね♪」ニコニコ
――――――
――――
ガヴリール自宅――
天真「お帰りなさい♪」ニコニコ
ガヴリール「どうした? なんかすごくうれしそうだな、自販機で100円入手したのか?」
天真「違いますよ♪」ニコニコ
ガヴリール「ふ~ん……まあ、どうでもいいわ、ネトゲネトゲっと」トテトテ
天真「その前に掃除ですよ」
ガヴリール「いや、見てみろって、もう掃除する所ないじゃん!」
天真「まだまだです、ベッド下の隅っこ、テレビ裏の埃、シンクの汚れ……まだまだ掃除しがいがありますね」
ガヴリール「じゃあ、頑張ってー」カチカチ
天真「もう、一緒にしましょうよー」ユサユサ
ガヴリール「あーもう、子供か……仕方がないな、特別だぞ」
天真「やった♪」ピョンピョン
ガヴリール(全く、ほんと子供みたいだな)
ガヴリール「……」
ガヴリール(ちょっとまった、こいつがこんなんという事は実は私も潜在的にはこうなのか!?)
――――――
――――
ガヴリール「もういいだろ」クタクタ
天真「ふぅ、そうですね、十分綺麗になりました♪」
ガヴリール「元から十分綺麗だったがな……」
天真「あの……」
ガヴリール「ん? 何?」
天真「今日もお風呂一緒に入りませんか?」
ガヴリール「ネトゲしたいからいいや」カチカチ
天真「一緒に入りましょうよー!」ユサユサ
ガヴリール「昨日一緒に入って狭かったじゃん、だからいい」カタカタ
天真「このままでいたら絶対にお風呂入らないですよね?」
ガヴリール「いや、そんなことはないよー」カチカチ
天真「それに掃除して汗もかきましたし、お風呂入ったほうがさっぱりしますよ」
ガヴリール「……」カタカタ
天真「むむむ……」ジー
ガヴリール「……そんなに睨むなって……分かったよ……入るよ」
天真「はい、では一緒に入りましょう♪」ルンルン
浴室――
ガヴリール「やっぱ狭い」
天真「ほらわがまま言わないの、洗ってあげますよ♪」
ガヴリール「ヴィーネ以上に世話好きだな」
天真「お褒めに頂き光栄です」
ガヴリール「褒めてないぞー、あと私みたいな駄天使に褒められて光栄なのかよ」ザパァ
天真「あなたと私は一緒ってガヴリールが言ったじゃないですか、つまり天使学校主席のあなたが私を褒めたのですよ♪ さあこちらにどうぞ♪」ヒザポンポン
ガヴリール「それならどちらも天使学校主席だろ……まあ、それはいいけどさ」
ガヴリール「……」
ガヴリール「膝をポンポンして何をしようとしているの?」
天真「え?」キョトン
ガヴリール「え? じゃないよ、膝の上に直接座れってか!?」
天真「はい、そうですが……こっちほうが洗いやすいのかなと思いまして……何かおかしな点でもありましたか?」
ガヴリール「いやいや、少しは羞恥心持とうよ……」
指摘ありがとうございます、日本語難しいなぁ!
まあ再開します
ガヴリール「私たちは女同士、さらには元は同じだけど、こうやって別々になっているじゃん」
天真「?」
ガヴリール「だからさ、別々の天使という事で最低限の恥じらいは持とうよ」
天真「??」
ガヴリール「その風呂場というところ裸でいる所で肌を密着させるとかさ……」
天真「???」
ガヴリール「あのー、何か私間違ていますかね……その『一体何を言っているのでしょうか』みたいな表情に見えるのだが……」
天真「う~ん……」
天真「……あっ、そういう事ですね」
天真「ではどうぞ♪」イスユズリ
ガヴリール「分かればいいんだよ……全く……」イススワリ
天真「こうですね♪」ヒザニスワリ
ガヴリール「……」
天真「……」
ガヴリール「ななな何流れるように膝の上に座っているの!?」カアア
ガヴリール「しかもっ……向かい合って」カアア
天真「私の膝の上に座ることが恥ずかしいから代わりにガヴリールの膝の上に私が座れば万事解決です!」ドヤッ
ガヴリール「何も解決してないよ!」
ガヴリール「もういいよ……さっさと終わらせて……」カアア
天真「はい♪」ニコニコワシャワシャ
――――――
――――
天真「すっきり、さっぱりしましたね!」
ガヴリール「昨日の10倍疲れた」クタクタ
ガヴリール「疲れたし……ネトゲするか」カチカチ
天真「おやすみにならないのですか?」
ガヴリール「昨日ろくにできなかった分、今日取り戻すだから寝ないつもりでいる」カチカチ
天真「もう……駄目ですよ確りと寝ないと」
ガヴリール「今日だけは勘弁してもらえないかな?」カチカチ
天真「……」
天真「はぁ……仕方がないですね……私はベッドをなるべく半分空けて寝ますからガヴリールも眠たくなったらベッドで寝てくださいね」
ガヴリール「へーい」カチカチ
天真「……」
天真「一つ聞いてもいいでしょうか」
ガヴリール「何?」カチカチ
天真「今日私を呼ぶときにずっと『お前』と呼んで『ジブリエル』と呼んでくれませんでしたよね」
ガヴリール「うん」カチカチ
天真「ガヴリールが私に付けてくださった名前『ジブリエル』……素敵だと思います」
天真「なぜ『ジブリエル』と呼んでくれないのでしょうか?」
ガヴリール「……」
ガヴリール「その『ジブリエル』というのは学校に行くための仮名だぞ、お前は私、つまり『天真=ガヴリール=ホワイト』だろ?」
ガヴリール「私でもあるお前に他人行儀に『ジブリエル』と呼べるわけないじゃん」
ガヴリール「たとえ私が決めた名前でもだ」
ガヴリール「それに私の名前を言うのも少し恥ずかしいし……」
ガヴリール「そういうこと」カチカチ
天真「やっぱり、色々考えているんですね♪」アスナロダキ
ガヴリール「事あるごとに密着するなって、操作し辛い」カチカチ
天真「大丈夫ですよ、『ジブリエル』、私は気に入っています」
天真「私はガヴリールにジブリエルと呼ばれても全く凹みません、寧ろガヴリールがそう呼んだら元気になります」
天真「ですから……これからは『ジブリエル』と呼んでください……ね」
ガヴリール「……」
ガヴリール「分かったよ……ジブリエル」カチカチ
天真「!」パアア
天真「ガヴリールぅー!」ホッペドウシスリスリ
ガヴリール「だから密着するなって! 操作しにくい! 顔が近いって!」
ガヴリール「もう、寝ろって」
天真「はい♪」
天真「ではおやすみなさい」ゴソゴソ
ガヴリール「まったく……」カチカチ
ガヴリール「……」カチカチ
ガヴリール「おやすみ、ジブリエル……」カチカチ
――――
――――――
――――――
――――
ガヴリール「……」スウスウ
ガヴリール「……んぁ……」パチクリ
ガヴリ-ル「ん……寝落ちしてしまったのか……」
ガヴリール「ベッドの上……」
ガヴリール「ジブリエルが運んでくれたのか……」
ガヴリール「今何時だ……」
時計 9:30
ガヴリール「まだ午前じゃん……もうひと眠りしよ」ゴソゴソ
天真「駄目ですよ、もうおきましょう!」フトンガバッ
ガヴリール「やだ! 私は再び眠りにつくんだ!」
天真「朝ごはんにしましょうよ、せっかっく作ったのに冷めてしまいます」
ガヴリール「作っていたのか? そもそも食材は無かったと思ったが……」
天真「朝買い物に行きました、食材が少しでも安いところを探すの苦労しましたよ」
ガヴリール「もう……しゃーない、食うか」
天真「はい♪」
ガヴリール「ご飯、目玉焼き、味噌汁……」
ガヴリール「で、煎った豆」
ガヴリール(この組み合わせに煎った豆は浮いてるな)
天真「味の好みは変わっていないと思いますので、私好みで調整しましたが……どうでしょうか?」
ガヴリール「んじゃ……」パク
天真「……」
ガヴリール「……凄くうまい」パクパク
天真「やった♪」
ピンポン
天真「あら? どちらさでしょうか、私が出ますね」タッタ
ガヴリール「あいよー」パク
ガチャ
天真「はい、どちら様でしょうか?」
ヴィーネ「あっ、えっとこっちはジブ?」
天真「はい、そうですか」
ヴィーネ「ボサボサ髪の丁寧な感じもなんだか新鮮ね」
天真「え? あっヤダ、私ったらこんな姿で格好で買い物に……」
ヴィーネ「?」
天真「あの……何の用事でこちらに?」
ヴィーネ「うん、昨日確か仕送り早々危ないと言っていたから今日はガヴ達はどうしているのかなと思ってね」
天真「その件ですね、まあ立ち話もあれですし中へどうぞ♪」
ヴィーネ「ありがとう」
ヴィーネ「お邪魔しま……うそ……部屋が磨かれたぐらい綺麗になっているじゃない……」
ガヴリール「おかげで居づらいよ」パクパク
ヴィーネ「この状態を保ちなさいよ」
ヴィーネ「その料理は……」
ガヴリール「これ? ジブリエルが作ってくれたんだ」
ヴィーネ「ジブが?」
天真「はい、私が作りました♪」
ヴィーネ「いい香りじゃない」
天真「あ、先ほどの件については、今月ガヴリールの課金を前提に生活も最低限切り詰めたら計算上では何とかなりますので安心してください♪」
ヴィーネ「そうなの、安心した」
ガヴリール「ちょっとまった、課金なしって私に死ねってか?」
天真「それは過大解釈し過ぎですよ、1か月の辛抱です」
ガヴリール「外せないイベ走れない……」ガックリ
ヴィーネ「ガヴ、これを機にネトゲをやめたら?」
ガヴリール「私からネトゲを取ったら何が残るんだよ!」
ヴィーネ「えぇ……」
ガヴリール「バイトを増やすか、でもめんどくさいし、天使らしく善行を積むっていっても反映されるのは来月の仕送りだし……」ブツブツ
天真「ガヴリール、ご飯冷めてしまいますよ」
ヴィーネ「まあ、ガヴはどんなになっても平常運転って事ね」
ピンポン
天真「また、誰でしょうか?」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンドンドン
サターニャ「ガヴリール! 今日は学校休みだからあれを返しなさい!」
ガヴリール「朝っぱらから……サターニャか、うるさいな」ガサゴソ
天真「私が出ますね」
ガヴリール「いや、私が出るよ、どうせこれが目的だろう」スチャ
ヴィーネ「確かそれは……あっ『分身弾』が入った銃ね、くれるのね、ありがとう」
ガヴリール「何言ってるんだよサターニャに返すんだよ、あとヴィーネが変になるトリガーって文字通りこの銃なけ?」
ガチャ
ガヴリール「サターニャ、朝からうるさい、静かにできないのか」
サターニャ「何よ! 私から取った物を返しなさいよ!」
ガヴリール「……仕方がないな」
ガヴリール「はい」
パァン
サターニャ「にぎゃ!!」バタン
ガヴリール「返えす」ジュウポイ
ガヴリール「幸い弾も1発だったしよかったな」
サターニャ「いたた……何が良かったのよ! またいきなり撃ったわね!」
ガヴリール「いい加減学習しろよ」
天真「さっきの音、何がおこったのでしょうか?」
ヴィーネ「また何をしたの?」
ガヴリール「いや、ただその銃を返しただけだ、弾と別々にな」
サターニャ「値段高かったから1発しか買わなかったのに何してくれるのよ!」
ガヴリール「私にやましい事をしようとした罰だ、悔い改めろ」
ヴィーネ「ねえ、その銃から出ている硝煙が1か所に固まっているけど……」
天真「確かにそうですが、ガヴリール、そんな事してはダメです! ちゃんとサターニャに謝って下さい!」
ガヴリール「段々と人の形になって……」
ヴィーネ「というか、サターニャにそっくりに固まって……」
サターニャ「私が打たれたからね……」
サターニャ(裸)「……」
ガヴリール「は、裸!?」
天真「はわわ」カアア
ヴィーネ「ちょっと何なのよ!」
ラフィエル「やっぱりサターニャさんはこれをガヴちゃんに撃って性奴隷にしようとしたのですね♪」
天真「サターニャ……」
サターニャ「ラフィエル、またでたらめを……というかいつの間に……じゃなくてガヴリール、ぼさっとしてないで早くこれを部屋に入れさせてよ!」
ガヴリール「しょうがないな」ダキカカエ
ガヴリール「……」
ガヴリール「重い」ポイ
サターニャ「ちょっと! 何しているのよ! 私だと思って丁重に扱いなさいよ!」
ガヴリール「うるさいなぁ……おいサターニャ、部屋に入れ」
サターニャ(裸)「分かりました、ガヴリール様」スタスタ
ガヴリール「おぅ、命令したらマジで動いたぞ」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ねえ、その弾の商品番号ってわかる? ガヴに撃ちたいの」キラキラ
サターニャ「何言っているのよ!?」
ガヴリール「さてと、部屋に連れてきたわけだが……」
サターニャ(裸)「……」
ガヴリール「お前ってやっぱでかいな、柔らかかったし」
サターニャ「まじまじ見てないで服着させなさいよ! というか柔らかかったって何よ!」カアア
ガヴリール「持とうとした時に手に当たったんだあよ、それと、お前に会う服を私がが持ち合わせていると思うか?」
ラフィエル「こういう事もあろうかとサターニャさんの部屋から服一式をくすねてきました♪」ニコニコ
サターニャ「ちょっと」
天真「裸……見ちゃった」マッカッカ
ガヴリール「私の裸さんざん見て何今更顔真っ赤にしてんだよ……」
ラフィエル「あら♪ あらら♪♪ お二方は早くもそういう関係に♪」ニコニコ
ヴィーネ「ガヴとガヴが交わったの!? 今度は3P行けまモガッ!」
サターニャ「ヴィーネは着させるの手伝って」クチオサエ
ガヴリール(しまった、口を滑らしてしまった)
ガヴリール「ちょっと誤解を招く言い方したが……」
天真「誤解じゃないでしょガヴリール、昨日裸で向かい合って身体を使って親睦を深めましたよね」
ガヴリール「ちょっと! 言い方!」
ラフィエル「あっ……これは……すみません、イケナイ事を聞いてしまって……」カァァ
サターニャ「私は何も聞いていないからね……安心しなさいよ」カァァ
ガヴリール「がっつり聞いているじゃん! そのやさしさがかえって傷つくよ!」
ガヴリール「ちょっと……この格好ははずかしいよ……」
天真「ふふっ♪ そんなこと言っちゃって……でも」クチュ
ガヴリール「んっ!」ピク
天真「こんなに濡れちゃってるじゃないですか……」ミミモヨボソボソ クチュクチュ
ガヴリール「あっ……しょこ……ダメぇ、ぅ……」ピクピク
天真「ほら、ガヴリールだけ感じてないで……」テトリ
ガヴリール「あっ……ジブリールも……すごく濡れてる」クチュリ
天真「私もんっ……気持ちよくしてよぉ……」ピクピク
――――――――――
ヴィーネ(上記妄想中)
ヴィーネ(……)
ヴィーネ「イけるわ!」グッ
ガヴリール「何が!?」
サターニャ(着衣)「……」
ガヴリール「あっ服着させたんだ」
ラフィエル「本当にそこまで聞くつもりは無かったんです……許してくれますか?」
ガヴリール「だから誤解だって! ジブリエル! いい方気を付けろ!」ゲンコツ
天真「あいたっ!」ゴン
サターニャ「でも何があったのよ? 『裸』『身体』『使って』という単語が……」
ガヴリール「もうおしまい! この話はもうおしまい!」
天真「うぅ……殴られました……」ジンジン
天真「こちらのサターニャはいつまでこの状態のままなのでしょうか?」
サターニャ(着衣)「ガヴリール様の仰せのままに……」ニコッ
サターニャ「この説明書によるとおよそ2時間ってところね」
ラフィエル「……最初に出てきた状態は裸でしたよね……」
ガヴリール「で、分身は打った本人しかいう事を聞かなくなる」
ガヴリール「まさか本当に性奴隷にしようと……であれば今後のサターニャとの付き合いを改めないといけないな……サターニャ、近づくなよ」
天真「サターニャ……」
サターニャ「それは誤解よ! 何より打って出てきた分身が裸になるなんて知らなかったわよ」
ヴィーネ「私は一向にかまわないわ、混ざれるのであれば」
ガヴリール「ちょっと戻って」ハラパン
ヴィーネ「グボァ!」ドゴォ
ガヴリール「まあ、本当に知らなかったんだな……」
ガヴリール「というか、よくよく考えたら分身したこの銃弾で撃った人物の服までコピーができるとかそんな都合のいい事ないよな」
サターニャ「あんたたちが分身した時は服まで一緒に分身してたじゃないの!」
ガヴリール「そりゃ当たり前だろ」
天真「分身して裸っていうのはすごく恥ずかしいので私頑張りましたよ♪」
サターニャ「本当に天使って何でもありね」
ラフィエル「魔界通販も相当何でもありだと思いますよ♪」ニコニコ
ガヴリール「……」
ガヴリール「つまり」
天真「?」
ガヴリール「これからは『服』を買わなくていい、という事にもなるかもな……」
天真「え?」キョトン
ガヴリール「とりあえずサターニャ、パンツ脱いでよ」
サターニャ「はぁ? 馬鹿じゃないの?」
サターニャ(着衣)「了解しました、ガヴリール様」スルスル
サターニャ「なにあんたは脱いでるのよ!」
サターニャ(着衣)「私はガヴリール様の所有物よ! 奴隷よ! あんたの様な何でも反抗する悪魔とは訳が違うのよ!」
サターニャ「ムキー! 私の分身のくせにー!! 私の声でそんなこと言うな!!」
サターニャ(着衣)「私がいられるのもあと2時間何のそんなに焦るなんて、ほんと、本体はみっともないわね」プークスクス
サターニャ(着衣)「それともガヴリール様を独占されてやきもちを焼いているのかしらね」クスクス
サターニャ「私のくせに相当性格悪いわね!」
サターニャ(着衣)「はぁ? あんたの方がひねくれてるわよ!」
ギャーギャー
ガヴリール「……」
ガヴリール「どんなに表面を上品に取り繕ってもすぐ中身が出てしまっている辺りやっぱりサターニャはサターニャだな」
ラフィエル「サターニャさん二人がくんずほくれつ……眼福ですね♪」パシャッパシャッ
天真「ちょっと、二人とも、喧嘩はやめてください」アセアセ
ガヴリール「あいつらはほっておいて話を戻そう、服を買わなくて済むという事についてだが」
ガヴリール「分身で服まで分身して実体化出来た、という事を応用して服だけ分身と実体化出来ないかなと思って」
天真「駄目です! 天使の術を悪用してはいけません!」
ガヴリール「悪用じゃなくて有効活用だよ、使わない技術は腐り廃れていくだけだ」
天真「だとしても駄目です! どんな理由があろうと非常事態以外は使ってはいけません! また仕送りを減らしたいのですか!」
ガヴリール「うぐっ……でもバレなきゃ犯罪とは言わないじゃん」
天真「バレなくても犯罪は犯罪です、駄目なものは駄目です!」
ガヴリール「……」
ガヴリール「はぁ、分かったよ」
天真「分かったのであればいいのですよ♪」
ラフィエル「ガヴちゃんはジブちゃんにあまり反抗できないのですね♪」ニコニコ
ガヴリール「うっせ」
ヴィーネ「うぅん……あれ? サターニャたちが喧嘩?」
ガヴリール「お? 起きたか」
天真「ヴィーネ、おなか大丈夫でしょうか? 痛くははありませんか?」
ヴィーネ「え? えぇ、大丈夫よ、ありがとうジブ」
ラフィエル「意味都合のいい(悪い)記憶を消す腹パン……ある意味凄いですね」
サターニャ(着衣)「ガヴリール様、あちらのサターニャ様が、私にひどい事をするの!」
サターニャ「だからそれ気持ち悪いって! やめなさいよ!」
サターニャ(着衣)「誰があんたに言われてやめるものですか! この馬鹿!」
サターニャ(着衣)「あとこれ、ガヴリール様が言っていたパンツです」アタマノウエニオキ
ガヴリール「は?」
サターニャ「ちょっと待ちなさい、まさかあなた今パンツ履いていないの!?」
サターニャ(ノーパン)「そうですけど何か? 我が主ガヴリール様の為ですもの! 私の身体はガヴリール様の物だから! なーっはっはっはっは!」
サターニャ「いい加減にしなさいよ!!」
ガヴリール「……」
ガヴリール「うるささが倍増……頭が痛い……」
天真「あと一時間の我慢ですガヴリール」
ラフィエル「私もサターニャさんから『私の身体はラフィエル様の物』と言われてみたいですね♪」ニコニコ
ヴィーネ「あんたが言うと何かとてつもない事を想像できるわ……」
ガヴリール(争いは同じレベルの者同士でしか発生しない、を正に体現しているな……)
1時間後――
サターニャ「ふざけんじゃないわよ! あんたに私の何がわかるのよ!」
サターニャ(ノーパン)「あなたは私の分身だからわかっちゃうのよねー」
サターニャ「私より馬鹿みたいな顔して」
サターニャ(ノーパン)「馬鹿って何よ!」
ギャーギャー
ガヴリール「……」
ガヴリール「いや、マジで1時間ぶっ通しで喧嘩してるよ」
ラフィエル「よく飽きないものですね」
ヴィーネ「飽きる?」
天真「あっ、見て下さい分身側を」
ガヴリール「ん? 少し煙が出ているな……」
ヴィーネ「もしかして分身が解けるのでは」
サターニャ(ノーパン)「ちょっと何よこれ! 私はまだ戦い終わってないのに! こんなことありなの!!!」
サターニャ「あ~ら残念ねぇ……負け逃げっていう物かしらね、ほんとみっともない……哀れねぇ」ニヤニヤ
サターニャ(ノーパン)「」ブチィ
サターニャ(ノーパン)「調子のっているその喉笛かみ砕い ブフォン
サターニャ「……」
サターニャ「勝った」ドヤァ!
ラフィエル「あちらのサターニャさん、最後にサターニャさんらしくない剣幕でサターニャさんらしくないセリフをサターニャさんらしくないトーンで言ったような……」
ガヴリール「喉笛をかみ砕く……私たちはサターニャの闇を覗いてしまったなみたいだな」
サターニャ「ちょっと何言っているのよ、私があんな危害を加えるような事言うと思うの?」
ヴィーネ「まあ……言いそうにないわね、日ごろのサターニャを見ていると」
天真「まあここは一件落着ということで……」
ラフィエル「この取扱説明書によると……『忠誠心が行き過ぎてた故に撃った本人以外にはやや暴力的な面がでる分身が出てくる不具合ありますが、本商品購入者であれば何とかなるでしょう、またそれにより発生したあらゆる事件・事故について当社は一切の責任を負いません』と書いています」
ガヴリール「見事に丸投げだな」
ヴィーネ「丸投げというか欠陥を改善しようとすらしていない様に見えるわね」
天真「ですが、サターニャがあのような闇を抱えているなんて私は知らなかったです……でも安心して下さい、いつかその闇を晴らせるように私努力しますからね!」
サターニャ「ジブリエルはさっきの説明書の話聞いてた?」
ガヴリール「そもそも私に関してではなく口喧嘩から発展したしある意味サターニャの闇かもな」
ガヴリール「そして、あの発言したサターニャはノーパンだったんだよな……なんせ脱ぎたてのパンツが私の頭に置かれたからな」
ヴィーネ「なんというか……肝心なところで抜けているというか締まらないよね、まさにサターニャだわ」
ラフィエル「そんなサターニャさんも素敵ですよ♪」ニコニコ
サターニャ「さっきから言いたい放題ね」
天真「大丈夫です、私が絶対に導いてあげます」
サターニャ「あんたはこの説明書のここをよく読みなさい……」
天真「?」
――――――
――――
天真「サターニャさんすみません……恥ずかしい間違いしてしまいました」
サターニャ「別にいいのよ、勘違いは誰にだってあるから」
ガヴリール「お前はいつも勘違いしているからな」
サターニャ「それひどくない?」
ヴィーネ「まあまあ……そういえばそろそろお昼の時間ね、みんなでどこかに行かない?」
ラフィエル「賛成です♪」
天真「いいですね♪」
ガヴリール「しゃーないから行くか」
サターニャ「皆が行くなら私も行くわ」
――――――
――――
ラフィエル「という事で、こちらのお店でーす♪」
ヴィーネ「あっこのお店はシューが美味しかったわね」
サターニャ「ここのは悔しいけどおいしかったわ……」
ヴィーネ(普通の味覚では辛くて食べられない物でしたが……)
ガヴリール「悔しいってなんだよ、というか私だけ皆と行ってないんだけど……はぶられているの」シュン
天真「ガヴリールにはどんなに見放されても私が絶対についています」
ヴィーネ「そういう事じゃなくて、あまりラフィと話してない頃に親睦を深めたいなと思ってこの店に寄ったのよ」
ラフィエル「そうですよガヴちゃん、サターニャさんもここをたまたま通りがかっただけで決してガヴちゃんをのけ者にしようとは思っていませんよ」
ガヴリール「ふーん」プイ
天真「ガヴリール、皆はこう言っていますしすねないでください」
サターニャ「とにかく入るわよ、ガヴリールもさっさと入るわよ」
ガチャ
サターニャ「あいている席は……ここね」
天真「ガヴリール、ここに座りましょ? ね?」
ガヴリール「ふん」イススワリ
ヴィーネ「子供かよ」
ラフィエル「すねちゃってるガヴちゃんも可愛いですよ♪」ニコニコ
ヴィーネ「そんなこと言ってないでラフィもガヴの機嫌をとりなさいよ……それにしてもジブが子育て奮闘中の初心者ママさんに見えるわね……」
天真「そんな、私がお母さんだなんて」テレッ
ラフィエル「褒めたと受け取られましたね♪」
ヴィーネ「寧ろ私がガヴ、ジブの子供になりたいわ」クワッ
ラフィエル「発作、始まっちゃいました? ガヴちゃーん、機嫌直してくださーい♪」ニコニコ
サターニャ「あんた子供産んでるの!?」
ガヴリール「はぁ?」ジロリ
サターニャ「うっ……冗談よ、ガヴリールの事はのけ者にしようとは思ってないから機嫌直しなさいよ、ほらメニューよ」
ガヴリール「……ヴィーネ、ちょっと来て」
ヴィーネ「どうしたの、ガブリール」ハアハア
ガヴリール「ふん!」ハラパン
ヴィーネ「グボァ!」ガクッ
ガヴリール「気が付くまで壁側にもたれさせておこう」
ラフィエル「ヴィーネさんには容赦ないのですね」
ガヴリール「ふぅ、すっきりしたし注文しよ?」
サターニャ「ヴィーネを殴ってすっきりとか……やるわね、ガヴリール」
天真「あの……ヴィーネは大丈夫なのでしょうか?」
ライフェル「確かに心配ですが、自分の身の心配をした方がいいと思いますよ♪」
天真「?」
委員長「あら、ガヴリール達じゃない」
田中「ガヴガヴだ~」
上野「ジブジブこんにちはー!」
ガヴリール「うゎ、テンション高い集団だ……」
天真「まち子さん、田中さん、上野さん、こんにちは」ニコッ
委員長「ジブリエルさん」ブワッ
天真「えっ!? どどうしましたか、まち子さん?」オドオド
委員長「いえ、久しぶりに下の名前で呼ばれて感激しちゃっただけ……」フキフキ
ラフィエル「いつぐらいから下の名前で呼ばれていないですか?」
委員長「確か……2か月近くかな……最近は家族にまで『委員長』と呼ばれているのよ」
田中「委員長は委員長だからねー」
上野「そうだよ!」
ガヴリール「うむ、間違いない」
委員長「ちょっと!?」
サターニャ「あんたたち注文まだなの? 早くしゃべってないで選びなさいよ」
天真「そうだ、ここであったのも何かの縁、一緒に昼食どうでしょうか?」
委員長「いえそれは……」
上野「いいねいいね!」
田中「昼食食べよ~う♪」
ラフィエル「では、私は少し詰めますね♪」
上野「見た目通りいい人でだね!」
委員長「まったく……なら私も失礼……」
委員長「……」
委員長「一ついいかしら」
ガヴリール「何?」
委員長「そこで持たれかかって寝ているのは……月野瀬さん?」
ガヴリール「ああ、そうだ」
委員長「どうしたの?」
ガヴリール「私の子守歌(物理)をかましてやったらこの通りぐっすりさ」
委員長(子守歌をかます?)
委員長「え、えぇ、そうなの……」
委員長「取りあえず、となり失礼するわよ、胡桃沢さん」
サターニャ「ん? 別にいいわよ」
ラフィエル「はい、メニューです♪」
天真「ありがとうございますラフィエル♪」
上野「ラフィエル……まるで天使みたいな名前だね♪」
天使&悪魔「!!」
田中「確かに天使みたいな名前だ、ガヴリールもジブリエルも天使っぽいよね、もしかして家族にラファエルとかいちゃったりしてね♪」
ラフィエル「そんな名前の人いるわねないじゃない」
田中「だよね~」
上野「いたら奇跡だよ」
ガヴ・天真・ラフィ(ほっ……)
委員長(ほっとした様に……)
委員長(まさか本当にラファエルという名前の人が家族に!?)
委員長(だとしたら失礼ですが痛い家族わね……)
ガヴリール「とりあえず、皆どれにするか決まった? ちなみに私はこれだ」
天真「あっ、私はこのランチで」
サターニャ「私は最初からこれに決めていたわ!」
ヴィーネ「私はこれにするわね」
ガヴリール「ヴィーネ起きていたんだ」
ヴィーネ「いつの間にか席に座っていたわ……ちょっと恐ろしいわね」
委員長「……じゃあ私はこれ」
田中「私もそれにする!」
上野「私はこれです!」
ラフィエル「では注文しますね♪」
ピンポン
店員「はーい、いらっしゃいませご注文は何になさいますか?」
ラフィエル「これとこれとこれ……あと、これとこれ、でこれとこれを2つで」
店員「かしこまりました、少々お待ちください」テクテク
委員長「さすが隣のクラス成績上位、あれだけの量を一発で覚えるなんてすごいわ」
ガヴリール・天真「ラフィエルだからね」
田中「さすが双子、はもってるね!」
ラフィエル「あっ、ちょっと失礼します」
上野「?」
ラフィエル「すみません店員さん、追加で……ゴニョゴニョ……食後にお願いします♪」ニコニコ
店員「かしこまりました」
――――――
――――
天真「ごちそうさまです♪」
サターニャ「なかなかおいしかったわ」
委員長「ごちそうさまでした」
ガヴリール「くったくった……」
ラフィエル「みなさん、これからですよ♪」ニコニコ
ラフィエル「すみませーん、デザートお願いしまーす」
店員「少々お待ちください」
ガヴリール「何注文したのか分からないが、待たせてばっかだな」
ヴィーネ「……ラフィエル、まさかアレを……」
ラフィエル「もちろんです!」
ラフィエル「しかも今回はガヴちゃんジブちゃん、委員長さん達がいます!」
ラフィエル「この機を逃したらこうやって集まる事は二度と無いと思います!」
サターニャ(ラフィエルの人をいじりたい衝動はヴィーネのイベント実行力に匹敵するんじゃないのかしらね……)
サターニャ(まさに悪魔ね!)
天真「ラフィエル、一体何を頼んだのでしょうか?」
ラフィエル「ふっふっふ、それは……」
店員「お待たせしました」
店員「イチゴホイップシュー3個、カスタードシュー3個、激辛わさびシュー2個です」
ラフィエル「これですよコレ♪」パアア
上野「もしかして、これでロシアンルーレット?」
田中「いいね~面白い、受けて立つぅ!」
委員長「この激辛わさびシューって食べたら翌日お尻が痛くなるとい噂が……」
ヴィーネ「ラフィエル、これサターニャが食べてもリアクションなかったんじゃ……」
ラフィエル「いえ……今回はぜひジブちゃんや委員長に食べてもらいたいです♪」ニコニコ
ラフィエル「だってあの真面目なジブちゃんや委員長が私が注文した激辛わさびシューを食べてどのように顔を歪ま……表情が変わるか……」
ラフィエル「想像するだけで背徳的……」ウットリ
ラフィエル「楽しみでたまりませんね♪」テカテカ
ヴィーネ「ねえラフィ、堕ちていない?」
ラフィエル「大丈夫です、心配無用ですよヴィーネさん♪」
ヴィーネ(昨日のメロンパンの件……多分忘れているわね……)
サターニャ「ねえラフィエル、前に私が食べたのってどれなの?」
ラフィエル「……」
ラフィエル「秘密でーす♪」ニコニコ
ガヴリール「また辛い物系食わないとイケナイの? パスで」
ラフィエル「……?」
ガヴリール「昨日激辛のメロンパン、あれラフィエルが作ったやつでしょ?」
ラフィエル「あっ……」
ガヴリール「だから私とジブリエルはパスな、それかはずれじゃない奴食わせろ」
ラフィエル「む~参加してくださいよ~」
ガヴリール「二日連続罰ゲームみたいな辛い物を食うのはごめんだ」
ラフィエル「お願いしますお願いします~」
ラフィエル「あっ、そういえば今月はピンチでしたよね? 参加してくれたらこれだけ私から差し上げますので何とか」
ガヴリール「仕方がない、するか、お前も参加だぞジブリエル」
天真「あの……私の意思……」
上野「これは……買収ですね!」
田中「金銭のやり取りを今、目撃ぃ!」
委員長「あまり金銭のやり取りは好ましくないと……」
ガヴリール「今月は本当にやばいんだ! だから今回だけは見逃してくれ!」
委員長「たしか、ガヴリールさんって一人暮らしよね……なら、今月危ないのであれば仕方がないね」
ガヴリール「委員長さすが!」
ラフィエル「ではこの中に一緒に入れて……では、私から」
ガヴリール「ちょっと待ってラフィエル」
ガヴリール「ジブリエル、ラフィエルが不正してないか見張ってて」
天真「あっはい」
ヴィーネ「ラフィ、あなた最初にあれで見て絶対安全なものを選ぼうとしているんじゃないでしょうね……」
ラフィエル「あはは……」
ラフィエル(ばれちゃいましたか)
サターニャ「遅いわよ私から先行くね」ガバッ
ラフィエル「あっそれは……」
ラフィエル(それは私が見た安全なシュー……でもサターニャさんですからはずれを引いても変わりないからある意味あたりですね)
サターニャ「何よ、早い者勝ちでしょ? つまり私は勝者! あなたたちは敗者って事ね!」
ガヴリール「どうでもいい、次私ね」
――――
――――――
――――――
――――
上野「じゃあ私はコレ!」
ガヴリール「最後に余ったやつ、ラフィエルが食べる奴な」
ラフィエル「はい」
ラフィエル「……」
ラフィエル(これ既に中のわさびのような緑色のクリームが生地の底についています……つまりはずれですね)
ラフィエル「では皆さん一斉に食べましょうね♪」
ラフィエル(いえ、一切口にしたくないです、これをほかの人が食べリアクションを取る所を私は見たいのに)
ラフィエル「……」
ガヴリール「なあ、さっきからどうしたんだ、固まって?」ニヤニヤ
ラフィエル「!」
ラフィエル(まさか最初からガヴちゃん図っていましたのでしょうか……だとしたら、ガヴちゃんにしてはやりますね)
ガヴリール「ちょっと失礼な事考えてなかったか?」
ラフィエル「いえ、何でもないですよ♪」アセアセ
ラフィエル「で、では一緒に頂きます♪」
ラフィエル(なぜ私なのですか! 私に当たっても面白くない! でも取ってしまったし……)
天真「あのラフィエル……それ、交換しましょうか?」
ラフィエル「え?」
天真「いえ、何か食べ辛そうな感じに見えましたので……」
ラフィエル「いいのですか?」
天真「シューの中身が分からないので、ある意味どれも同じです♪」
ラフィエル「ありがとうございます」
ガヴリール「おいジブリエル、余計な事すんなって」
天真「ガヴリールも周りに気を配らないとだめですよ」
ガヴリール「え? 私が悪いの?」
天真「では頂きます」パクリ
天真「!」ガタ
天真「お水くだしあ!」
ヴィーネ「はいどうぞ」
天真「」ゴクゴク
天真「ふぅ……何とかなりました……けど、何とかして食べなくては……」
委員長「からいぃ!!」
上野「あはは、委員長もあたりだね」
田中「ジブジブも全部食べるし委員長もファトだよ!」
ガヴリール(友達がこの状態でこの反応って鬼だな……)
サターニャ「なーっはっはっはっは! この勝負私の勝ね、ジブルエル!」
ヴィーネ「お店の中だから静かにして、サターニャ」
サターニャ「うぅ……とにかく私の勝ね!」
天真「いえ、勝負していないので勝ち負けは無いです」ヌヌヌ
ヴィーネ「激辛からしシューをどう処理するか格闘中だから、相手にされていないっぽいね」
サターニャ「勝負しなさいよー!」
ガヴリール「勝負狂かよ……」
サターニャ「……」ムゥー
サターニャ「」ヒョイ
天真「あっ」
サターニャ「あむ」パク
ヴィーネ「!!」
サターニャ「何が辛いのよ、普通に美味しいじゃない、よって私の2勝ね!」
上野「関節キッス、見ちゃった……」
田中「胡桃沢さん平然としてるね~♪」
サターニャ「」ヒョイ
委員長「えっ」
サターニャ「あむ」パク
ラフィエル「あら、また食べちゃいましたね♪ 結局こうなってしまったのだ残念ですが委員長さんの普段見えない姿が見れてよかったです♪」ニコニコ
ヴィーネ(!! 人間と悪魔と天使の唾液的な粘液がサターニャの口内でケミカル!!)ハアハア
ガヴリール「ヴィーネ大丈夫? もう一発子守歌食らっとく?」
ヴィーネ「はっ……いえ、大丈夫よ、心配ないわ」
サターニャ「なーっはっはっはっは! これで委員長とも1勝ね!」
委員長「うん、ありがとう」
委員長(私じゃ食べれなかったし……にしても間接キッス……)ポー
サターニャ「何言ってるのよ、悔しがりなさいよ!」
天真「私じゃ食べきれない辛さでしたから、ありがとうサターニャ」ニコッ
田中「でもまたまたやっちゃったね~」
上野「天然っぽくやっちゃうのがすごいよね」
ラフィエル「まあ、これがサターニャさんの面白い所でもありますからね♪」
ヴィーネ「しにても大胆ね、私にはできないわ」
ラフィエル「トリップした時のヴィーネさんはもっと危ない方向に大胆に行ってしまっちゃっていると思いますよ♪」
ヴィーネ「?」
天真「あっガヴリール、クリームが付いていますよ?」
ガヴリール「ん? どこ?」
天真「唇の縁です、取ってあげますね♪」ズイッ
天真「ペロ」
6人「!!?」
天真「チュー」
天真「ペロ……チュップッ」
天真「はい、取れました♪」ニコッ
ガヴリール「……///」ポケー
天真「ガヴリ-ル? どうしましたか?」
上野「すごいの見ちゃいました……」カアア
田中「これは……」
ラフィエル「これは大胆にせめて行きましたね……」マッカッカ
サターニャ「な……ちょ……何やってるのよ……」
委員長(これはほぼキスじゃないの)カアア
ヴィーネ「すごっ……」マッカッカ
天真「ガヴリール、こっちにも付いていますよ」チュ ペロ
ガヴリール「」
――――――――――
ヴィーネ(上記妄想中)
ヴィーネ「おっしゃバッチコーイ!」
店員「他のお客様の迷惑になりますので店内での大声はご遠慮いたします」
ヴィーネ「はっ……あっ私ですか?」
店員「はい」
ヴィーネ「すみません……」
店員「……」スタスタ
>>198
思いっきり途中送信してしまった……
>>198
天真「ガヴリール、こっちにも付いていますよ」チュ ペロ
ガヴリール「やめぇ……」
上野「……ねぇ、私たちもしてみる?」
田中「うん……委員長も」
委員長「え!? 私も、ちょっ」チュー
サターニャ「何してんのよあんたたち……」
ラフィエル「あの……サターニャさん」
サターニャ「何よ?」
ラフィエル「……」メツムリ
サターニャ「はぁ、仕方がないわね」チュ
ラフィエル「サターニャさんっ!」オシタオシ
ヴィーネ「何よコレ……」
天真「ヴィーネ……」
ガヴリール「ヴィーネも……混ざる?」
――――――――――
ヴィーネ(上記妄想中)
ヴィーネ「おっしゃバッチコーイ!」ハアハア
店員「他のお客様の迷惑になりますので店内での大声はご遠慮いたします」
ヴィーネ「はっ……あっ私ですか?」
店員「はい」
ヴィーネ「すみません……」シュン
店員「……」スタスタ
ラフィエル「発作から戻ってよかったです♪」
サターニャ「ちょっとあんたたち大胆過ぎない? 場所分かっているの?」
天真「?」
ラフィエル「サターニャさんが正論を言っている……」キョウガク
ヴィーネ「ガヴ、ちょっと固まってないで、しっかりして」ユサユサ
上野「ガヴ~? ガヴ~?」ツンツン
田中「しっかりしろー死ぬなー」
委員長「キス……いやあれは間接キスだから……結局キスじゃない」
ガヴリール「……」
ガヴリール「はっ」
ヴィーネ「よかった、我に返ったみたいね」
ガヴリール「ジジジブリエル!? さっき何をした!?」カアア
天真「口の縁についていたクリームを取っただけですが?」
ガヴリール「その取り方が問題なの」カアア
ガヴリール「舐め取るとか何? 人前でしないでよ!」カアア
ラフィエル「まあまあガヴちゃん、ジブちゃんも悪気があってしているわけではないと思いますので♪」ニコニコ
サターニャ「でも『裸で向かい合って身体を使って親睦を深めた』というだけあって、やることは大胆ね」
人間's「!!!??」
ガヴリール「誤解のある言い方やめて!」
天真「でもそれは真実」
ガヴリール「余計なこと言わない!」
委員長「そ、そこまで進んでいるのね……双子は」
上野「双子という事で体の相性ばっちりかもね」
田中「衝撃の事実!」
ガヴリール「あぁもう……それは昨日風呂に一緒に入っていただけだよ」
ヴィーネ「え? たったそれだけなの?」キョトン
ラフィエル「それはそれは……それでは確かにジブちゃんの表現方法は誤解を招いてしまいますね」
サターニャ「ふーん、そうなのね」ナットク
ガヴリール「それ以上の他意は本当にないからな」
ラフィエル「念を押しすぎるとかえって怪しまれますよ、ガヴちゃん♪」ニコニコ
ガヴリール「はい、もうお終い! 料理ももう無いしさっさと会計してかえ……」
ガヴリール「そういえば……ジブリエル財布は?」
天真「ちゃんと持ってきています♪」フフン
ガヴリール「……中身は?」
天真「……」
天真「無い……です……どうしましょう……」
ヴィーネ「仕方がないわね、ガヴ達の分は私が払うわ」
天真「本当に申し訳ありません」ペコリ
ヴィーネ「いいのよ、いつものことだしね」
天真「いつもの事だかこそです」
ガヴリール「まあ気にしなくもいいと言っているしいいんじゃない、さっさと帰ろうよ」
ヴィーネ「あなたは少しぐらい気にしなさい」
ガチャ アザッシター
委員長「じゃあガヴリール、さようなら」
ガヴリール「んじゃ」
田中「またね!」
上野「また学校でね!」
天真「はい、また学校で」ニコッ
ガヴリ-ル「では私たちも帰りますかね、ネトゲのイベントやらないといけないからな」
ラフィエル「では私たちもいったん解散という事で♪」
サターニャ「まだ昼間だけどね」
天真「では皆さん、お疲れさまです」
ヴィーネ「ガヴはジブがいるから大丈夫だと思うけど宿題忘れないでね」
ガヴリール「まだ土曜だろ? 平気平気」ヘラヘラ
天真「では帰って宿題を済ませましょう」
ガヴリール「だから今日は土曜だって、気が早いよ」
天真「済ませましょう」
ガヴリ-ル「……」
ガヴリール「はいはい、分かったよ」
天真「早く早く、帰りましょう♪」ルンルン
ガヴリール「お前……宿題がどれだけ楽しみなんだよ……普通ありえないだろ」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ねえ、ラフィ」
ラフィエル「何でしょうか、ヴィーネさん」
ヴィーネ「千里眼、教えてくれない?」
ラフィエル「え……突然どうしましたか?」
ヴィーネ「ガヴとジブがいう『裸で向かい合って身体を使って親睦を深める』の本当の意味を知りたいのよ」
ヴィーネ「家に帰ったらきっと保健体育実技の予習をしているのよ、全く、うらやましい限りだわ……」
ラフィエル「そもそもヴィーネさんは天使ではありませんので思えられませんよ♪」
ヴィーネ「……マジで?」
ラフィエル「マジです♪」
サターニャ「ヴィネット、何か色々大丈夫? 今日様子変よ?」
ヴィーネ「いたって正常、頭はすっきりとしているわ、心配無いわ」
サターニャ「本当に?」
ラフィエル(色々めんどくさい事になる前に帰りましょうかね)
ラフィエル「では、私も先に帰りますね♪」ニコニコ
――――
――――――
ガヴリール自宅――
ガヴリール「で、マジでやんの?」
天真「そうですよ、早くすませばそれだけ自由な時間も取れますし一石二鳥です♪」
ガヴリール「一石二鳥とは少し違うような」
天真「早くしましょう♪」ニコニコ
ガヴリール「……ちょっと待って」
天真「何でしょうか?」
ガヴリール「そもそも昨日が転校初日のお前に宿題は出てなかったと思うぞ」
天真「……」
天真「早とちりしてしまいました♪」テヘ
ガヴリール「なら私はネトゲするね~」カチカチ
天真「ちょっと、私が教えますから早く済ませましょうよ」ユサユサ
ガヴリール「ならジブリエルがやっといてー」カチカチ
天真「それではガヴリ-ルのためになりません、やりましょうよー」ユサユサ
ガヴリール「あぁ! もう分かったって! やりゃいんでしょ!」
天真「はい、ではやりましょう♪」
ガヴリール「チッ、全く……確か宿題のプリントは……」ガサゴソ
天真「出しておきました、あとワークも宿題でしたから一緒に出しておきました」
ガヴリール「いつの間に……まあ、さっさと終わらしましょうかね、私のネトゲの為にも」
――――
天真「ここはこの公式を当てはめてですね」
ガヴリ-ル「あーはいはい、これね」カキカキ
天真「正解です♪」ニコニコ
ガヴリール(宿題一つでテンション高いな……)
――――
ガヴリール「……」カキカキ
天真「あっ、ここ違いますよ」
ガヴリール「どこが?」
天真「ここです、途中式間違っています」
ガヴリール「確かに、消しゴムは……」
――――
――――――
ガヴリール「よし、宿題終了!」
天真「はい、よくできました♪」
ガヴリール「小学校の先生か……」
ガヴリール「とにかくだ、これでネトゲができる」カチカチ
天真「さてと、洗濯物を干しましょう♪」
ガヴリール「……」カチカチ
ガヴリール「なあ、一つ聞いていいか?」カチカチ
天真「はい、何でしょうか?」
ガヴリール「一昨日、私がこうやって分身た所にジブリエルがその分身を実体化させて成功したじゃん」カチカチ
天真「はい」
ガヴリール「そんな器用な事が出来たのになんで神足通はパンツだけ飛んで行ったという失敗をしたんだ?」カチカチ
天真「いえ……ちょっち言いにくいのですが……確か去年の春に歩くのがめんどくさいという理由でガヴリールが神足通で学校へ行こうとした時、パンツだけ飛んで行った事がありました」
ガヴリール「あったか?」カチカチ
天真「ありました! その印象が相当強くて……神足通をしようとした時そのイメージがチラついて……」
ガヴリール「で、パンツだけ飛んで行ったと?」カチカチ
天真「はい……」
ガヴリール「ふ~ん……」カチカチ
ガヴリール「お前にも意外とドジをするんだな」
天真「それはガヴリール自分自身の事も言っていますよ、天使学校にいた頃はドジをしても反省し糧にしましたよ」
ガヴリール「あぁ……確かにしたな」トオイメ
天真「昔を思いふけった顔をしないでください、まだ一年たっていませんよ」
ガヴリール「まあ、そうだな」カチカチ
ガヴリール「でもあの時のパンツ匂わなかったな、やっぱり私とお前は一緒だから匂いを感じられなかったのかな?」
天真「と、突然何を言っているんですか! それは忘れてください!」カアア
ガヴリール「忘れろと言われても忘れられないんだよなー、洗濯は?」
天真「あっと、忘れていました」タッタッタ
ガヴリール「……」
ガヴリール「よし、集中」カチカチ
――――
――――――
天真「ガヴリール、夕飯にしましょ♪」
ガヴリール「え? もうそんな時間? 時間経つの早いな」
ガヴリール「まあ、私は後から……」カチカチ
天真「♪」ニコニコ
ガヴリール「とはいかないな、これは……分かったよ」
天真「!」パアア
天真「今日も腕によりを掛けました! 食材も安い物を選びました!」
ガヴリール「ふ~ん……」
ガヴリール「なあ、聞いていいか?」
天真「はい!」
ガヴリール「なんで今日も煎った豆があるんだ?」
天真「美味しいですよね、煎った豆」ニコニコ
ガヴリール「はぁ……まあいいか、いただきます」
天真「いただきます♪」
ガヴリール「ズズズ……」ミソシルノミ
ガヴリール(ん? 何だこれ?)
ガヴリール(豆?)
ガヴリール(そういえば……ご飯に……豆入っている)
ガヴリール(サラダにも……豆が)
ガヴリール「ねえ、ジブリエル」
天真「何でしょうか?」モグモグ
ガヴリール「何かさ……豆、多くない?」
天真「?」
ガヴリール「だからさ、豆全部入っているよね?」
天真「美味しいですよね♪」ニコッ
ガヴリール「うん、言いたいことは分かるけどさ……サラダに豆はまだわかる、味噌汁に豆はまだ許せる……ご飯に豆って何?」
ガヴリール「私ってこんなに豆好きだったの?」
天真「豆ってなんにでも会いますよね♪」
ガヴリール「いやいや、限度というか無理があるでしょ?」
天真「?」
ガヴリール「なんでも豆を入れたら良しじゃないよ」
天真「むぅ~……料理って難しいですね」
ガヴリール「普通に作ってくれてらいいから」
天真「そうだ、では明日の晩御飯はガヴリールが料理を作って下さい! 私ガヴリールの料理食べてみたいです♪」ルンルン
ガヴリール「え!? 私が!? 私の方が絶対下手だよ、ジブリエルのほうが形になっているし」
天真「まだ明日のこの時間まで練習できます♪」ニコッ
ガヴリール「……どうなっても知らんぞ」
天真「楽しみにしていますね!」ワクワク
………………
ガヴリール「ごちそうさまー」
天真「お粗末様でした」
ガヴリール「さてとっと……」カチカチ
天真「ガヴリー」
ガヴリール「一緒に風呂は嫌だぞ、狭い上にあんな羞恥プレイは二度と御免だ」カチカチ
天真「お風呂は毎日入らないといけませんよ、入りましょうよ♪」
ガヴリール「入らなくても死なないよ」カチカチ
天真「死ぬとか……そんな悲しい事言わないでください」シュン
ガヴリール「あーもぅ分かった分かった! これが最後だからな」
天真「やった♪」キャッキャ
ガヴリール「……ねえ、さっきの演技? このころの私って小賢しかったの?」
天真「いえ、演技ではありませんよ、本当に悲しかったのですから」
ガヴリール「まあ、兎にも角にも一緒に風呂は最後だからな」ハァ
ガヴリール(イベント進める時間が……)
ガヴリール「そうだ」ゴソゴソ
天真「何しているのですか?」
ガヴリール「風呂場にパソコン持っていけばいい話じゃん」ガサガサ
天真「どうしたのですか? パソコンを袋に入れて」
ガヴリール「どうだ! これで風呂場でもゲームができる!」
天真「さすがに無理があるかと……」
ガヴリール「うん、だよね」
………………
ガヴリール「お風呂、狭い」ブクブク
天真「でもこの狭さ、好きですよ♪」
ガヴリール「私には分からないよ、その感覚」
天真「さて、身体を洗いましょ、ガヴリール」
ガヴリール「ジブリエル、今回はお前に洗わせないよ」
天真「そんなこと言って、身体洗わないつとかではないですよね?」
天真「前にも言ったと思いますが、心の汚れを取るにはまず体からと」
ガヴリール「私はジブリエルの汚れた部分からできた、つまりこの汚れは落としては駄目という事、私が保てなくなる」
天真「そんな言い訳して駄目です! さあ、身体洗いましょう♪」ヒザポンポン
ガヴリール「……あのさ、入る前に言ったよね? そんな羞恥プレイは二度と御免だって」
天真「?」
ガヴリール「だから膝の上に直接乗るのは恥ずかしいって」
天真「そんな逃げの言い訳を言っても駄目ですよ、身体洗いましょう♪」ヒザポンポン
ガヴリール「いやいや、言い訳じゃなくマジなんだけど……」
天真「むぅ~……ではどうしたら洗わせてくれますか?」
ガヴリール「だからさ、ジブリエルが洗う事前提で進めないでよ、自分で洗うからさ」
天真「本当にですか?」
ガヴリール「だったら今洗うよ、そこどいて」
天真「では私は体の隅々まで洗っているか監視しますね」
ガヴリール「はぁ?」
天真「ですからガヴリールがしっかりと身体を洗っているか見ます!」
ガヴリール「じっと見られながら洗うのも恥ずかしいから見ないでよ」
天真「私が見ないとガヴリールが洗ったと証明できないじゃないできませんよね」
ガヴリール「もうそれでいいよ……いいからそこ交代」ザパー
天真「はい♪」
ガヴリール「よいしょっと」イスニスワリ
天真「ではこっちを向いてください」
ガヴリール「……」
ガヴリール「は?」
ライフェル宅――
ラフィエル「さてと、本日のやることはほとんど終わりましたので……あとは日課のサターニャさんを……」
ラフィエル(そういえば、ヴィーネさんも千里眼を習得したがっていましたよね)
ラフィエル(ガヴちゃんとジブちゃんの『裸で向かい合って身体を使って親睦を深める』の真相)
ラフィエル(……)ウズッ
ライフェル(こちらも面白そうですね……)
ラフィエル(今お風呂に入っているかどうかわかりませんが覗いちゃいまーす♪)
千里眼発動……
ライフェル(あら? 部屋には誰も居ませんね……)
ラフィエル(出かけているのでしょうか?)
ラフィエル(ですが入口に靴はありますね)
ラフィエル(……それにしても、変貌したみたいに相当部屋が綺麗に……まるで建てて間もないみたいですね)
ラフィエル(それはそうとガヴちゃん達は……あっもしかしてお風呂♪)
ラフィエル(これは絶好のタイミングで来ちゃいましたね♪)
ラフィエル(ではお風呂をのぞいちゃいま~す♪)
ラフィエル(……えっと……これはこれは♪)
ラフィエル(髪が濡れて癖が無くなってどちらがどちらか分かりませんが……)
ライフェル(ガヴちゃん同士が向かい合っていますね……)
ラフィエル(湯船に入っているガヴちゃんがもう片方のガヴちゃんの身体を洗っている所を食い入るように見ていますね)
ラフィエル(洗っているガヴちゃんの顔も赤いですし……)
ラフィエル(……)
ラフィエル(私、ものすごい現場を目撃しちゃいました)ドキドキ
ラフィエル(まさに裸で向かい合って身体を使って親睦を深めていますね)ドキドキ
ラフィエル(ヴィーネさん、いま貴方が想像しているようなガヴちゃんのお風呂場で発生していますよ)ドキドキ
天真「……」ジー
ラフィエル(あら? 湯船のガヴちゃんが此方を……)
ラフィエル「!」センリガンカイジョ
ラフィエル「ばれちゃいましたかね……」ドキドキ
あっ、ライフェルになっている
ラフィエルです
ラフィエル「ですが……あれは言い訳ができませんよガヴちゃん、ジブちゃん」
ラフィエル「……」
ラフィエル「二人の空間とはいえ大胆でした」ドキドキ
ラフィエル(あの後どうなるかすごく気になりますが……これ以上見るのはイケナイような気がします……)
ラフィエル「取りあえずサターニャさんを観察しましょう♪」
ガヴリール宅――
天真「……」ジー
ガヴリール(ジブリエルがよそ見をしている間に)ゴシゴシザパー
ガヴリール「はい、体洗った、私は出るから」
天真「あっ、まだ肩まで浸かって100をしていませんよ」
ガヴリール「昨日しなかったよね!」
天真「いいから肩まで浸かって100数数えましょう、交代です」
ガヴリール「はぁ……わかったよ、んじゃ交代な」
天真「はい♪」ザパァ
天真「♪」ゴシゴシ
ガヴリール「……」ブクブク
天真「そういえば」
ガヴリール「?」
天真「ガヴリールは身体だけで髪は洗っていませんでしたね」
ガヴリール(げっ、いらない事をまた……)
天真「ですから、私が身体洗い終わったらガヴリールの髪洗ってあげますね♪」
ガヴリール「だからいくらなんでも子供ではないからそれぐらいはできるよ」
天真「駄目です、洗ってあげます」
ガヴリール(世話好き通り越して過保護だよ、私ってもともとこんなに過保護だったの?)
ガヴリール「ねえ、なんでそこまで私に過保護なの?」
天真「?」
ガヴリール「だからなんで私にだけベタベタするの?」
天真「あっ、すみません……迷惑でしたか?」
ガヴリール「うん、正直迷惑」
ガヴリール「で、何でなの?」
天真「……私の意識がガヴリールの中に半年以上いたことはわかっていますよね」
ガヴリール「うん」
天真「その間外はどのようなことになっているのか、ガヴリールの目を通して見ていました」
天真「ですが外の情報はその『視覚』からしか得られませんでした、つまり五感で視覚以外に無かったのです」
天真「ですから……人肌が恋しかったと言いますか……すごく寂しかったと言いますか……」
天真「ラフィエルやヴィーネ、サターニャにすると迷惑が掛かりますので……」
天真「そこで私自身……つまりガヴリールだったらと思いまして……」
天真「すみません迷惑をかけてしまい、もうしませんので」
ガヴリール「……」
ガヴリール「あーあ、髪洗うのめんどくさいなー」
天真「!」
ガヴリール「私髪長いから手動かすのしんどいわー、ほんと誰か洗ってくれないかなー」
天真「ガヴリール……」
ガヴリール「私の気が変わらない内にさ……ほら早くしなよ」ボソッ
天真「……」
天真「はい!」パアア
ラフィエル宅――
ラフィエル「さてさて、本日のサターニャさんは♪」センリガン
ラフィエル「……あら? サターニャさんの家にヴィーネさんもいますね……何か話し合っているように見えますね」ムムム
ラフィエル「千里眼は遠くを見るだけですから音を聞けないのが欠点ですね……」
ラフィエル「今度天界に戻った時遠くの音が聞こえる術が無いか調べてみましょうかね」
サターニャ宅――
ヴィーネ「ラジコン型超小型カメラとかもってない?」
サターニャ「ヴィネット、いきなり来て何言い出すのよ……持っているけど……」
ヴィーネ「私はある一つの真実を知りたいのよ」
ヴィーネ「ガヴとジブが言っていた『裸で向かい合って身体を使って親睦を深める』という真実をね」
サターニャ「それを知ろうとするのはいけない事だと思うわ」
ヴィーネ「もしかしたらガヴリールの弱点も見つかるのかもしれないわよ」
サターニャ「その話、乗るわ」
サターニャ「これがそのカメラよ、このリモコンで操作できるわ、飛行することも可能で操作可能範囲は5キロよ」
ヴィーネ「5kmならガヴの家まで十分ね」
サターニャ「これがカメラの映像を映すモニター、電源は……あった」ポチ
ヴィーネ「しっかり映っているわね……音は?」
サターニャ「音は残念だけど拾えないわ」
ヴィーネ「まあ、仕方ないわねそれは、じゃあガヴの家に飛ばすわよ」
サターニャ「ヴィネット、それ私のだから私に操作させなさいよ」
ヴィーネ「仕方が無いわね、はい」
サターニャ「今からガヴの弱点を暴くわよ、震え待っていなさい!」
ヴィーネ(ガヴとジブで何を咲き乱れさせているか、楽しみだわ!)ハアハア
ラフィエル宅――
ラフィエル「あぁ、何かすごくサターニャさんが楽しそうですね♪」
ラフィエル「出したモニターの映像は……これはさっきの機械からの映像でしょうか……」
ラフィエル「私も行きたいのですが今のヴィーネさんを見る限りちょっとめんどくさそうですので、ここは千里眼で見続けるしかありませんね」
ミス
サターニャ「今からガヴの弱点を暴くわよ、震え待っていなさい!」
↓
サターニャ「今からガヴリールの弱点を暴くわよ、震え待っていなさい!」
サターニャ宅――
サターニャ「ガヴリールの家に着いたけど……どう入るの?」
ヴィーネ「何処か隙間は無い? 窓の隙間とか換気扇とか」
サターニャ「うーん……あっ、ベランダの窓に隙間発見、じゃあ入るわよ」
サターニャ「……誰もいないわね」
ヴィーネ「玄関に行ってみて」
サターニャ「分かったわ……」
ヴィーネ「靴はある……外に出ていないとなると……トイレかお風呂」
ヴィーネ「取りあえずお風呂に行くわよ」
サターニャ「……さすがにお風呂を覗くのはやばくない?」
ヴィーネ「とにかく行くのよ」
サターニャ「……分かったわ」
サターニャ「さて、お風呂の扉も少し開いているわ、これなら中に入れるわね」
ヴィーネ「二人の天使の柔肌が露わに……」ゴクリ
サターニャ「夏休みの海とか温泉旅行とかで見たでしょ」
ヴィーネ「それとこれとは違うの、それに今回はジブがいるのよ、花が咲き乱れているに違いないわ」ハアハア
サターニャ「……まあ、私は弱点さえわかればいいだけだし」
ブツッ
サターニャ「あれ? モニター通信が途絶えた?」
ヴィーネ「そんなぁ……」ガックリ
サターニャ「壊れたとかありえないでしょ! 今度苦情を言ってやるわ!」プンスコ
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ァぁああああああ゙ア゙ア゙」ガクガク
サタ―ニャ「!? どうしたのヴィネット!?」
ヴィーネ「勝った! 自力で内側に勝ったわ!」
サターニャ「え? 内側?」
ヴィーネ「いえ、何でもないわ」
ヴィーネ「ふぅ、ごめんねサターニャ、迷惑かけてしまって……ごめん、私帰るね」
サターニャ「え、えぇ……じゃあね、ヴィネット」
バタン
サターニャ「……」
サターニャ「片づけよう」ガサゴソ
ラフィエル宅――
ラフィエル「あらら、カメラ壊れちゃいましたね」
ラフィエル「映像が途切れる前にすごく光っていましたので、多分ガヴちゃんの弓でしょうか……それがカメラに命中したのではないのでしょうかね」
ラフィエル「……」
ラフィエル「では私がのぞいた時見られていたのはやっぱり気づかれていたのでしょうか」
ラフィエル「それで警戒したガヴちゃんが……という感じでしょうか……」
ラフィエル「……」
ラフィエル「まあ、私もお風呂にしましょう♪」
ガヴリール宅――
天真「……」
ガヴリール「ジ、ジブリエル……いきなりどうした……弓を構えて」
天真「いえ、何でもないですよガヴリール♪」ユミモドシ
ガヴリール「……」
ガヴリール「まあいっか」
天真「では髪お湯で流しますよ♪」ザパー
ガヴリール「サンキュー、ジブリエル、じゃあ私先に出るわ」
天真「では、私も出ますね」
ガヴリール「肩から100は?」
天真「あっ忘れてました」テヘッ
………………
ガヴリール「ふぅ、すっきりした」
天真「気持ちよかったですね♪」
ガヴリール「さてとっと」カチカチ
天真「そのままでは風邪ひいてしまいますよ、髪乾かしましょう」
ガヴリール「……」
ガヴリール「ヘイヘイ」
天真「♪」
天真「痒いところはありませんか♪」ブォォ
ガヴリール「それ髪洗う時に聞く事だろ」
天真「綺麗な髪ですね♪」ブォォ
ガヴリール「お前も一緒だろ」
天真「♪」ブォォ
ガヴリール「ねえ、楽しいか?」
天真「はい、楽しいです♪」ブォォ
ガヴリール「……そっか」
天真「はい、おしまいです」
ガヴリール「サンキュー」
天真「……」
天真「あの、ガヴリール」
ガヴリール「何?」
天真「私の髪も……してほしいな……なんて」
ガヴリール「……」
ガヴリール「はぁ、しょうがないな……全く」
天真「♪」
ガヴリール「どうですかー」ブォォ
天真「はぁ~、きもちいいです~」
ガヴリール「その声どうやって出した……」ブォォ
天真「え? 私変なこといいました?」
ガヴリール「いままで聞いたことない声だったぞ」ブォォ
天真「そうですかそうですか♪」
ガヴリール「おい、そこ無視か」ブォォ
ガヴリール「……」ブォォ
天真「♪」
ガヴリール「……」ブォォ
天真「♪」
ガヴリール「……やっぱ長い、切ろうか」ブォォ
天真「え!? 切るって私の髪をですか!?」
ガヴリール「いやいや、ジブリエルじゃなくて私のだよ」ブォォ
ガヴリール「こうドライヤー当てていて思ったんだよ」ブォォ
ガヴリール「……めんどくせぇ」ブォォ
天真「駄目です! 切るなんてもったいないです!」
天真「ガヴリールの髪も普段セットすれば今みたいに綺麗になるのにもったいないです!」
ガヴリール「いやぁ……じょ冗談だって」ブォォ
天真「むぅ……本当に冗談ですか?」
ガヴリール「本当だって、本当」ブォォ
天真「……ならば良しです♪」
ガヴリール「ほら、あっち向いてて、髪乾かせないよ」ブォォ
天真「はい♪」クルリ
ガヴリール「はい、終わったよ」
天真「ありがとう、ガヴリール」ニコッ
ガヴリール「へいへい、ではでは」カチカチ
天真「……」
天真「私、意識あった少ししか触りませんでしたし、ガヴリールの中から見る事ぐらいしかできなかったのですが、ゲームって本当に面白いのでしょうか?」
ガヴリール「ん~、面白いのは面白いね」カチカチ
ガヴリール「でも本腰入れてやりこむなら義務的にしないといけないな」カチカチ
天真「へー」
天真「少し私もやってみたいな……なんて」
ガヴリール「大丈夫なの? また私が増えるのはごめんだぞ」カチカチ
天真「そこは大丈夫だと、ガヴリールからある意味生まれて間もないのでため込んでいるものも相当少ない……いえ、無いはずです」
天真「ですから、大丈夫ですよ♪」
ガヴリール「……そこまで言うのなら」
ガヴリール「でもイベントもあるから少しだけだぞ」
ガヴリール「んじゃ、このデーターで……」
ガヴリール「このフィールドなら初心者でも余裕だな」
ガヴリール「じゃあ、はい、コレで準備できたぞ」
天真「ありがとうございます♪」
天真「では早速……」カチ カチ
ガヴリール「……」
ガヴリール「それにタゲとって、うんマウスに合わせてクリック……そうそう」
ガヴリール「……」
ガヴリール「そこでスキルを……」
………………
ガヴリール「そろそろだな、ジブリエルそろそろ終わりだぞ」
天真「ったくなんだよ、もう少しやらせろって」
ガヴリール「え……」
天真「おぉ、攻撃~♪」フンフン
ガヴリール「ジブリエル……お前……」
ガヴリール「嘘だろ……」
天真「なんだよ、今までさんざん閉じ込めていたんだから少しぐらい自由にさせろよな」
ガヴリール「……」
ガヴリール「こんなの……嘘ダ……」ガタガタ
天真「ふふっ、なんて冗談ですよ♪ はいどうぞ♪」
ガヴリール「バカ!!」
天真「!」
ガヴリール「冗談でも……そんな事言わないで……」
天真「……」
ガヴリール「心配させないで……」
天真「ごめんなさい……」
ガヴリール「本当に思っているんだろうな」
天真「はい……すみません」
ガヴリール「……」
ガヴリール「もういい」カチカチ
天真「……すみません」
ガヴリール「そんなに謝るんだったらさ、何か飲み物持ってきてくれない?」カチカチ
ガヴリール「2人暮らしなのにしんみりしたら居づらくなるだろ……」
天真「……はい」シュン
………………
天真「ガヴリール、では私は先に寝ますね……」
ガヴリール「……」
ガヴリール「じゃ、私も寝ますか」パタン
天真「でも、ネトゲが……」
ガヴリール「課金もできないから突っ走れないし、今回のイベントは捨てるわ、だから一緒に寝る」
天真「……すみません」シュン
ガヴリール「そんなに気にするなって……まあ、お金が無いのはある意味私のせいだしな」
ガヴリール「とにかく寄れ、私もベッド使う」
天真「あっ、はい」ゴソゴソ
ガヴリール「んじゃ、寝るよ」
天真「……ガヴリール」
ガヴリール「何?」
天真「ごめんなさい」
ガヴリール「もういいって、お前は怒られ馴れてないだけだからそんなに深刻になるなって」
天真「でも……」
ガヴリール「今日も私を抱き枕にして寝るのか?」
天真「へ?」
ガヴリール「あれ? 気づいてないんだ……分かれてからの初日で私を抱き枕にして寝ていたよ」
天真「そうなんですか?」
ガヴリール「意外だったよ、寂しがりやかって思ったけど……まあ、なんつうか……」
ガヴリール「本当に寂しかったんだなって思って……」
ガヴリール「だから今日も特別だ、私を抱き枕にさせてあげる権利を与えよう!」
天真「いえ、そんな事……」
ガヴリール「いいから遠慮するなって、今日を逃したらもうないかもしれないぞ」
天真「すみません」
天真「では……」ギュッ
ガヴリール「……お前はそれでいいんだよ、こんな私でも甘えれる所では甘えたらいいんだよ」
ガヴリール「だが、私もその分甘えるからな」
天真「……」
天真「はい♪」ギュッ
ガヴリール「あと、一つ」
天真「?」
ガヴリール「人前で甘えるなよ、時と場所ぐらいは考えろて」
天真「私何かしましたか?」
ガヴリール「……昼飯を食べた所とか人が多い所で私に付いたクリームを舐めるような恥ずかしい事はしないでよ」
天真「へぇ……」
天真「人前で……ですか」
天真「ふふっ♪」
ガヴリール「あんな恥ずかしい行為、人前でよくできるな……恥ずかし過ぎて頭が回らなかったぞ」
天真「それについては本当にすみません」
ガヴリール「絶対に人前でするなよ」
天真「……」
天真「ですが、『人前で』ではですよね♪」
天真「『人前で』なければ……どうです?」ゴソゴソ
ガヴリール「は? お前何を言って……
チュッ
天真「んっ……」
ガヴリール「……」
天真「てへ♪」
ガヴリール「……」
天真「おやすみなさい、ガヴリール」ギュッ
ガヴリール「……」
ガヴリール「……」
ガヴリール「……」
ガヴリール「え?」
ラフィエル宅――
ラフィエル「ふぅ……」
ラフィエル「本日分のサタニウム、補充完了です♪」ツヤツヤ
ラフィエル「10時……寝るにはまだ少し時間がありますね」
ラフィエル「……」
ラフィエル「あの時気づいたのはガヴちゃんではなく多分ジブちゃんでしょうね」
ラフィエル「ジブちゃんは……もう寝ていますでしょうか……」
ラフィエル「いえ、真面目なジブリエルですし多分寝ているでしょう」
ラフィエル「……」
ラフィエル「覗いちゃいましょう♪」センリガンハツドウ
ラフィエル(あら? ガヴちゃんの部屋が暗いですね……という事は)
ラフィエル(やっぱりガヴちゃんとジブちゃんがベッドで寝ています)
ラフィエル(……)
ラフィエル(まあまあ♪ とても微笑ましい光景ですね♪)
ラフィエル(どちらも髪がきれいに整っていて分かりませんが、片方のガヴちゃんがもう片方のガヴちゃんに抱かれて寝ています♪)
ラフィエル(何か話しているように見えますが……暗くてよくわかりませんね)
ラフィエル(やはり次天界に戻った時、遠くの音を聞ける術が無いか本格的に調べないと千里眼だけでは不便ですね……)
ラフィエル(……)
ラフィエル(話しているという事は起きているという事ですね)
ラフィエル(これってつまりバレていたりしていませんよね)
ラフィエル(……)
ラフィエル(確かお風呂場の時はこちらを見つめられていましたので、今はまだ大丈夫ですね)
ラフィエル(……)
ラフィエル(大丈夫でしょうね?)
ラフィエル(いえ、不安になってはバレない物もバレてしまいます)
ラフィエル(大丈夫です、大丈夫)
ラフィエル(あら、抱き着いていたガヴちゃんがもう片方のガヴちゃんの上に乗って……)
チュッ
ラフィエル(!!?)センリガンカイジョ
ラフィエル「……」ドキドキ
ラフィエル「と、とんでもない所を見てしまいました……」ドキドキ
ラフィエル「もしかしてあれは……今から……その……ハジめるのでしょうか」カアア
ラフィエル「ガヴちゃんとジブちゃんとが……」ドキドキ
ラフィエル「……」ドキドキ
ラフィエル「今日が……ハジめてなのでしょうか」ドキドキ
ラフィエル「……」
ラフィエル「そういえば……お風呂場のアレも……そういうプレイ……という事なのですかね」ドキドキ
ラフィエル「……」ドキドキ
ラフィエル「とにかく寝ましょうか……ええ、寝ましょう……そうしましょう」ドキドキ
――――――
――――
翌朝
ガヴリール「……」
ガヴリール(全然寝れなかった……)
天真「すう……すう……」ギュ
ガヴリール「……」
ガヴリール(ダメダ……昨晩の事で寝れない)
天真「……んっ」ゴソゴソ
天真「ん~」セノビ
天真「ふぅ……いい朝、ですね♪」
ガヴリール「……」
ガヴリール(今起きたのか……6時!? 日曜の学校休みに6時起き!? ありえないでしょ!)
ガヴリール(とにかく私はもう少し寝る努力をする)
天真「ガヴリールは……まだ寝ていますね」
ガヴリール(ずっと起きてたけどな)
天真「起こさない様に……」ゴソゴソ
テクテク
ガヴリール(ベッドから出たか……)
ジャーバシャバシャ シャカシャカ
ガヴリール(……)
ガヴリール(ベッド一人になったし寝よう)
ガヴリール(寝れるのであればだけど……)
………………
天真「ガヴリール、起きましょう、朝ごはんですよ♪」
ガヴリール「あぁ、今何時?」
天真「もう9時ですよ」
ガヴリール「まだ9時じゃん、おやすみ」
天真「もう、全く」
天真「起きないのでしたら……」スッ
ガヴリール「!」ガバッ
ガヴリール「分かったから! 起きるから!」
天真「?」
ガヴリール(こいつ、またキスしようとしたんじゃ)ドキドキ
天真(お鍋をお玉で叩いて音で起こそうとしたのですが……よっぽど嫌だったのでしょうか?)
ガヴリール「で、今日はどうなの? 豆尽くし?」
天真「いえ、昨日のガヴリールの要望で今日は豆は入れていません」
ガヴリール「ふーん……」
ガヴリール(でも煎った豆は相変わらず出すんだ)
ガヴリール(まあ、他の料理に豆は入っていないが)
ガヴリール「じゃあ、いただきます……」
天真「いただきます♪」
………………
ガヴリール「ふう、今回はまともだった」
天真「今晩の料理、楽しみにしていますからね♪」
ガヴリール「……」
ガヴリール「そういえばさ……」
ガヴリール「なんで昨晩、あんなことをしたの?」
天真「あんなこととは……何でしょうか?」
ガヴリール「とぼけないでよ……キス、だよ……寝る前にしたよね」カアア
天真「そのことですか♪ いつもハニエルにしていたじゃないですか♪」
ガヴリール「はい?」
天真「おやすみなさいのキス、ハニエルにしていましたよね?」
ガヴリール「あ、あぁ、よくハニエルがせがんできてそのたびにしていたな」
ガヴリール「もしかして、それ?」
天真「はいそうです♪」ニコッ
天真「ラフィエルやヴィーネ、サターニャさんにそういうことをするのは迷惑が掛かりますので」
天真「ですが、甘えさしてくれるガヴリールなら、と思いまして」
ガヴリール「ちょっとまって」
ガヴリール「つまり私はジブリエルから見れば妹って感じなの?」
天真「えっと……世話がかかるが甘えられる妹、という感じですね……」
天真「でも安心してください、キスはガヴリール以外の人にはしませんから♪」ニコッ
ガヴリール「その発言、私以外の人が聞いたらすごく勘違いするからやめてよね」
ガヴリール「あと、私が『世話がかかるが甘えられる妹』ってなんだよ」
ガヴリール「私ってそんなに妹キャラか?」
天真「う~ん……あっ、私がガヴリールの真似を」
ガヴリール「それ却下」キッパリ
天真「それ以外で証明する方法は……」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンドンドン
サターニャ「ガヴリール! 開けなさい! 勝負するわよ!」
ガヴリール「今日もまたあいつか……めんどくせ」
天真「……」
天真「いいじゃないですか、あげましょうよ♪」タッタッタ
ガヴリール「おいちょっと!」
ガチャ ダッダッダ
サターニャ「この大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルが勝負しに来たわ! 感謝なさい!」ドンッ!
ガヴリール「勝負しようと一言も言っていないよね? じゃあさよなら」
サターニャ「ちょっと! 勝負しなさいよ!」
天真「……」
天真「まあまあ、落ち着いてください、お茶出しますね」トコトコ
サターニャ「ありがとう、まったくガヴリールは気遣いはできないのかしらね」スワリ
ガヴリール「ああ、できないぞ」
サターニャ「そこはきっぱりいう所じゃないでしょう……」
天真「すみません、お茶が無いので少し買いに出ます、ガヴリール行きましょう♪」ニコッ
ガヴリール「お金が無いのに買いに行けるのか? そもそもそこまでしなくてもいいでしょ」
天真「いいから行きましょう、サターニャさん5分位で戻りますので」
サターニャ「そこまで慌てなくてもいいわよ、時間はまだたっぷりあるわ」
天真「では少しお待ちくださいね、行ってきます」
ガヴリール「だから引っ張るなって!」
バタン
サターニャ「……」
サターニャ「あれはどこかしら!」ガバッ
サターニャ「昨日突如壊れたあのカメラはっ!」
サターニャ「確か脱衣所で映像が切れたから……多分そこにあるのかしら」テクテク
サターニャ「帰ってくる前に探し出さないと……」ゴソゴソ
サターニャ「……」ゴソゴソ
サターニャ「見つからないわね……困ったわ」
天真「これ、でしょうか?」カメラサシダシ
サターニャ「ん? これよコレ! ようやく見つかったわ!」
サターニャ「……え?」
天真「♪」ニコニコ
サターニャ「えーっと……あんたお茶を買いに行ったんじゃないの?」
天真「サターニャさん♪」ニコニコ
サターニャ「ゔっ……な、なによ……」
天真「これで何をしようとしていたのですか?」ニコニコ
サターニャ「な、なんでも無いわよ、あんたには関係ないわ」
天真「私とガヴリールがお風呂に入っているタイミングでこれが侵入しようとしていたのですが……さすがに関係ない事は無いですよね」ニコッ
サターニャ「な、何が言いたいのよ……」
天真「私が言っていては推測の域から出ません」
天真「ですからサターニャさんの口から真実を言ってほしいなと思いまして♪」
天真「このカメラで何をしようと思っていたのか……ですね」
天真「もし嘘をついているのあれば」
天真「……」
天真「(嘘をつけないよう、真実を話すように正しい方向へ)導いちゃうかもしれません♪」ニコッ
サターニャ「うぐっ!」ゾクッ
天真「さて、サターニャさん、そのカメラで何をしようとしていたのでしょうか? 教えてください♪」ニコニコ
サターニャ(ジブリエル、思った以上にラフィエル的な性格を持っているわね……ちょっと相手が悪かったかも……)
天真「嘘をつかず正直に仰っていただければ……『真か偽』については何もしませんよ♪」ニコニコ
サターニャ(そもそもやっぱり天使ってこんなのしかいないの? という事はタプリスも……)
――――――――――
タプリス「胡桃沢先輩って本当に面白いです! もっともっと導じっちゃいますよ! はい、メロンパンです、今から目の前で食べちゃいます!」キャッキャ
――――――――――
サターニャ「……」
サターニャ(ありえないわね)
天真「サターニャさん♪」
サターニャ「な、なによ……」
天真「早くそのカメラが何なのか仰ってください♪」ニコニコ
ガヴリール「おーいいつまで人を待たせるんだよ」テクテク
サターニャ「ガヴリール!」
ガヴリール「いや、人じゃなく天使か?」
ガヴリール「で、何してんだ? こんなところで二人とも」
天真「いえ、これの真相を確かめるためサターニャと1対1の状態になって話したかったのですが……」
ガヴリール「何だこれ?」
天真「カメラです、これをで私たちを撮ってサターニャさんは……」
サターニャ「ちょっと待って、変な意味合いを含めたようなしないでよ!」
天真「では何なのです! このカメラで何をしようとしていたのですか!」
ガヴリール「二人とも落ち着けって」
ガヴリール「どうせサターニャは私の弱点を探ろうとこのカメラで私の弱点を見ようとしていたんだろ、下らないな」
サターニャ「むきー! なんでバレたのよ!」
ガヴリール「お? 当たったか、いつも単純だな」
天真「それでも駄目です!」
ガヴリール「ムキになるなって、確かに盗撮行為は犯罪だが、別に私たちの暮らしを見られても恥ずかしい事は無いだろ?」
天真「ええ、確かにそうですが」
ガヴリール「……」
ガヴリール「いや恥ずかしいこと……あったわ……」カアア
サターニャ「え? 何々? それ教えてよ!」
天真「ありましたか?」
ガヴリール「お前が原因だよ! あ~、もういいからお茶買いに行くんだろ!」ガシッ
天真「あっちょっとそんなに引っ張らないでくださいよ」
バタン
サターニャ「……」
サターニャ「顔を赤くするほど恥ずかしい事……気になるわね!」
ラフィエル「確かに気になるかと思いますがお二人のプライベートです、あまり覗くのは野暮というものですよ♪」ニコニコ
サターニャ「……あんたいつ入ってきたのよ」
ラフィエル「サターニャさんのいる所ならどこでも湧きますよ♪」ニコニコ
サターニャ「ここ、ガヴリールの家なんだけど」
ラフィエル「ではサターニャさんのお家ならいつでも湧いてもいい、という事ですね♪」ニコニコ
サターニャ「なんでそうなるのよ、駄目よ!」
サターニャ「で、さっき言っていた恥ずかしい事、ラフィエルは知っているの?」
ラフィエル「あっ……いえ、そのー……その行為についてはあまり人前で言うのは駄目だと思いますので私からは何も……」
サターニャ「なるほど、『行為』なのね……さらに『人前では言えない恥ずかしい事』……」
ラフィエル「あっ、いえそれはそうではなくて……」
サターニャ「この大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルの悪魔的頭脳<<デビルズブレイン>>を酷使し正確な答えを導き出すわよ!」
ラフィエル(そこは酷使ではないと……)
ラフィエル「それ以上の踏み入るのは本当によろしくないかと……」
サターニャ「なら堂々と踏み入るわ! 悪魔的にね! なーっはっはっはっは!」
ラフィエル(何を言っても意味がない気が済ます)
ラフィエル(本当にお二人のプライベートに関することですので本当に踏み入ることはよした方がいいと)
ラフィエル(ですが……サターニャさんですので答えにはたどり着けない気がします♪)
数分後――
ガチャ
ガヴリール「ただいまっと」
天真「お帰りなさい♪」
ガヴリール「あれ、ラフィエルも来てたんだ」
天真「いらっしゃい、ラフィエル」ニコッ
ラフィエル「あっいえ……その……さっき来たばっかりですよ♪」
ラフィエル(そういえば昨晩お二人でこの部屋で愛を確かめ合っていたんですよね)
ラフィエル(いざ本人目の前にしたらちょっと気まずいです……)
ラフィエル(激しかったのでしょうか、それとも優しくお互いリードしていたのでしょうか……)
天真「今お茶を用意しますね♪」テクテク
サターニャ「ジブリエル、昨日したガヴリールがした『人前では言えない恥ずかしい行為』について教えなさい!」
天真「?」
ガヴリール「な、なんてことを知ろうとしているんだよ! このバカ!」カアア
サターニャ「バカとは何よ! いいから教えなさいよ!」
ガヴリール「お前の目的のカメラはもう回収したんだろ? ならここにいる必要が無いじゃん」
サターニャ「新しい目的が見つかったわ、ガヴリールの人前では言えない恥ずかしい行為についてを私は知るのよ!」
サターニャ「これを知ればガヴリールの弱点を知ったと同然! 震えていなさい!」
ゼルエル「友達と言えど我が家族、妹の弱点を探ろうとは見過ごせないな」
サターニャ「だれよ……な゙っ!」
ガヴリール「姉さん! 突然どうしたのさ……」
天真「ラフィエル、サターニャ、お茶どうぞ……あっゼルエル姉さんどうしました?」
ゼルエル「実は少し頼みたいことがあってな……」
ハニエル「本当にガヴお姉ちゃんが二人だ!」テトテト
ガヴリール「うぉっと、ハニエル!? なんでここにいるの?」
ゼルエル「下界に修行してるガヴリールが二人になったと話したらハニエルがガヴリールの所に行きたいと言い出して聞かなくてな」
ゼルエル「今日の夕方までハニエルを見てやってくれないか? 学校は休みだろ?」
ガヴリール「えーめん
天真「はい、もちろんいいですよ! 長らくハニエルとも会っていなかったし……私も会えてうれしいですよ、ハニエル♪」ニコッ
ガヴリール「……」
ガヴリール「はぁ、しょうがないな、夕方までだからね、ハニエル」ニコッ
ハニエル「うん!」ニコニコ
サターニャ「あのガヴリールってこんな笑い方できたんだ……なんかキモイ」
ガヴリール「おい後からシメてやるからな」
ラフィエル「でも大丈夫なのでしょうか?」
ゼルエル「大丈夫だ、私の権限で許可を取ってきたからな」
ガヴリール「それ職権乱用じゃないの?」
ゼルエル「と、とにかくだ! ハニエルを頼んだぞ、ガヴリール」
天真「はい!」
ゼルエル「ハニエル、いい子にするんだぞ」ナデナデ
ハニエル「うん!」
ゼルエル「ではな」シュン
ガヴリール「……」
ガヴリール「任せられたが、どうする?」
ハニエル「こっちがガヴお姉ちゃん!」
ガヴリール「お、おぅ……」
ハニエル「こっちもガヴお姉ちゃん!」キャッキャ
天真「はい♪」ニコッ
ラフィエル「ハニエルちゃん、お久しぶりですね♪」ニコニコ
ハニエル「ラフィエルお姉ちゃん、おはようございます!」
ラフィエル「はい、おはようございます♪」ナデナデ
ハニエル「えへへっ」ニコニコ
サターニャ「……」ソワソワ
サターニャ「ほら、ハニエルだったっけ? こっちにきなさい」クイクイ
ハニエル「!」ササッ
サターニャ「ちょっと、なんで私だけ隠れるのよ!」
ハニエル「学校で天界以外で知らない人に声を掛けられたら逃げるようにって学んだ」
サターニャ「あぁ……そうなの……」シュン
ガヴリール「あははっ、知らない人と言われて悲しんだのか?」ケラケラ
サターニャ「何をー!」
天真「まあまあ……この人は友達の胡桃沢=サタニキア=マクドウェルさんです、大丈夫ですよ♪」ニコッ
ハニエル「ガヴお姉ちゃんの友達?」
天真「そうですよ♪」
ガヴリール「まあ……一応そうだ」
ハニエル「」トテトテ
ハニエル「初めまして、天真=ハニエル=ホワイトです」
ハニエル「えっと……」
ハニエル「胡桃沢お姉ちゃん、よろしくお願いします」ニコッ
サターニャ「!」パアア
サターニャ「いい子じゃないの! ガヴリールとは大違いね!」ナデナデ
ガヴリール「おまえハニエルが帰った後でマジでしめるからな……」ボソッ
ハニエル「ガヴお姉ちゃん、あそぼ!」
天真「遊ぶと言われましても……どこで……」
ガヴリール「公園ぐらいなら大丈夫じゃない?」
天真「ではハニエル、羽根よ輪っか、しまえる?」
ハニエル「しまえるよ、ほら!」シュッ
ガヴリール「おぉ、よくできたな、今から公園に行くから外にいる時はその状態でいるんだぞ」
ハニエル「うん!」ニコニコ
ラフィエル「ハニエル、凄く喜んでいますね♪」ニコニコ
サターニャ「見る限り、大好きな姉が増えたから一層うれしいのかしらね」
ラフィエル「確かサターニャさんも弟がいると聞きましたが」
サターニャ「何処からの情報よ……まあ確かに弟はいるわ」
ラフィエル「という事は、ヴィーネさんだけ一人っ子という事でしょうかね」
サターニャ「アンタにも兄弟姉妹がいるの?」
ライフェル「えぇいますよ、可愛い妹が♪」ニコニコ
ラフィエル「あっ、そうだ♪」
ラフィエル「ガヴちゃんジブちゃん、ヴィーネさんの所にハニエルを連れて行きませんか?」
ガヴリール「確かに……それはいいかもしれないな、負担を分散してくれるという意味で」
天真「もう、そんな言い方しないの……ハニエル、公園に行く前にここにいないもう一人の友達の家に行きましょうね♪」
ハニエル「うん!」ニコニコ
ガヴリール「よし、ならば……」PCシマイ
サターニャ「こんな時までパソコン持っているの? あんたも飽きないわね」
ガヴリール「残念だがネトゲ目的ではないぞ」
サターニャ「?」
ラフィエル「言い出しが申し訳ありませんが、私は先に帰らしてもらいます」
ハニエル「ラフィエルお姉ちゃん帰っちゃうの?」
ラフィエル「ごめんなさいね、また天界に戻った時遊びましょうね」
ハニエル「うん! やくそくだよ!」ニコッ
ラフィエル(昨晩のガヴちゃんとジブちゃんを見てしまい気まずいので……とは口が裂けても言えませんね)
ラフィエル(ガヴちゃん達の様子は千里眼で見ましょう♪)
天真「ラフィエル、ではまた明日」
ラフィエル「ジブちゃん、また明日です♪」ニコニコ
ガチャ
ガヴリール「……なんでラフィエルって私の家に来たんだろうな」
天真「そういえば……なんででしょうね」
サターニャ「まあラフィエルだしいいんじゃない?」
ガヴリール「お前はいつもそれで済むからな」
ヴィーネ宅――
ヴィーネ「まっかなまっかなトマトをトントン♪」トントン
ピンポン
ヴィーネ「はーい、今出まーす」トテトテ
ガチャ
ヴィーネ「はい、どちらさまで……ってガヴとジブとサターニャ、どうしたの?」
ガヴリール「いや、実は用事がありまして」
ヴィーネ「宿題?」
ガヴリール「いや、それは昨日やった」
ヴィーネ「……明日はデモンズランスでも降るのかしら」
ガヴリール「何それ怖い」
サターニャ「ガヴリール、それことわざよ」
ガヴリール「魔界の諺か? 物騒だな」
天真「あはは……で、その用事はですね……」
ハニエル「……」ジー
ヴィーネ「……ねえ、そこの子供って誰なの?」
ヴィーネ「まさか誘拐!?」
ガヴリール「失礼だな、おい」
天真「ハニエル、挨拶は?」
ハニエル「えっと……天真=ハニエル=ホワイトです! よろしくお願いします!」ペコリ
ヴィーネ「天真……ホワイト……もしかして」
ガヴリール「私のかわいい妹だ!」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「なによ……」
ガヴリール「え?」
ヴィーネ「反則的な可愛さじゃない! 月乃瀬=ヴィネット=エイプリルよ、よろしくね、ハニエルちゃん」
ハニエル「うん! 月乃瀬お姉ちゃん!」
ヴィーネ「ぐふッ!」
ヴィーネ「……ねえ、ガヴリール」
ガヴリール「何?」
ヴィーネ「この子、天使ね」
ガヴリール「何言ってるの、当たり前じゃん」
今更ながら>>283の一部訂正
天真「ではハニエル、羽根よ輪っか、しまえる?」
↓
天真「ではハニエル、羽根と輪っか、しまえる?」
天真「で、用事というのはハニエルと一緒に遊ん欲しいのですが……」
ヴィーネ「もちろんよ! ……と言いたいんだけど、お昼ご飯をちょうど作っているのよ」
ガヴリール「この時間からお昼ご飯作るってどんだけ手間をかけているんだよ……」
ガヴリール「そうだ、ならハニエルも混ぜて一緒にお昼ご飯作らないか?」
ヴィーネ「ええいいわよ、なぜかは知らないけど今月の仕送りが増えたから余裕があるから」
ガヴリール「悪魔的な事したか?」
ヴィーネ「さぁ……」
ガヴリール「なら実質何もせず仕送りアップしたじゃん、いいなぁ魔界」
サターニャ(もしかしてヴィネットは昨日の事忘れているのかしら……でも、忘れたままのほうがいいわね)
ハニエル「う~ん……」
天真「ハニエル、どうしたの?」
ハニエル「『ジブ』って誰?」
ガヴリール「そういえば説明してなかったな」
天真「『ジブ』って言うのは私の事ですよ、ジブリエルです」
天真「ほら、『ガヴお姉ちゃん』が2人いては少し紛らわしいよね?」
ハニエル「うん、とってもまぎらわしいね!」
天真「うん、だから分かりやすくするために私が『ジブリエル』と名乗っているんですよ♪」
天真「ハニエルも私の事を『ジブリエル』と呼んでくれたらうれしいな」
ハニエル「うん、分かった! ジブお姉ちゃん!」ニコッ
天真「はい、よくできました」ナデナデ
ハニエル「えへへ」ニコニコ
ガヴリール「ちなみに『ジブリエル』は私が名付けた!」
天真「はい、素敵な名前ありがとうございます♪」ナデナデ
ガヴリール「ちょっ! 撫でるなって……」ナデラレ
サターニャ「ジブルエル、ガヴリールを完全に手なずけているわね」
ヴィーネ「私もガヴを撫でたいわ、そうよねサターニャ」
サターニャ「何言っているのよヴィネット」
ガヴリール「じゃあ、手伝いますかね」
ヴィーネ「そういえばガヴリールが手伝いとか珍しいわね、全部ジブに任せるのかと思ったのだけど」
ガヴリール「実は今日の晩飯私が作ることになってさ、だから少しでも感覚を取り戻せたらと思ってね」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「……本当にデモンズランス降るかもね」
ガヴリール「ねえ、さっきからそれひどくない?」
サターニャ「でも安心してもいいわよ、魔界通販で『デモンズランス専用の傘』を買っているわ!」
ガヴリール「魔界って本当にデモンズランスが降る天気ってあるの!?」
ヴィーネ「無いわよ、ことわざよ」
サターニャ「無いの!?」
ヴィーネ「おい魔界出身」
天真「そういう事でしたら……私はどうしたらいいのでしょうか?」
ハニエル「ジブお姉ちゃんも一緒に作ろう!」ニコッ
ガヴリール「だとさ、まあ一緒にやろうよ」
天真「はい!」パアア
ヴィーネ「ということで、班分けをしましょう!」キリッ
ヴィーネ「と言ってももともと私一人分の作るつもりだったから……この切ったトマトや野菜を使って何をしようかしら」ウーン
サターニャ「トマト……トマト……」
サターニャ「はっ、トマトの丸焼き!」ピコーン
ヴィーネ「『切った』と言ったわよね……」
ガヴリール「もう全部ぶち込んでミックスジュースでもいいんじゃないか?」
ヴィーネ「適当過ぎでしょ……」
天真「うーん……ちょうどトマトが輪切りになっているのでまずトマトに何か挟んではどうでしょうか」
ガヴリール「ハンバーガー的な感じ?」
ハニエル「ハンバーガー?」
ガヴリール「ハニエルは知らなくてもいい食べ物だ、食べたら後戻りできなくなるぞ」
サターニャ「それは流石に言い過ぎでしょ……」
ヴィーネ「とにかく考えていたって仕方が無いわ、何でも作るわよ!」
サターニャ「ならケーキ作るわ! ハニエル、こっち来るのよ」
ヴィーネ「お昼ご飯って言ったわよね……」
ハニエル「ケーキ!」キラキラ
ガヴリール「まあ、刃物使わないからいいんじゃないのかなヴィーネ、ジブリエルもそう思うだろ?」
天真「ケーキ……」キラキラ
ガヴリール「おいそこの姉さん……あっ私も同じか」
ガヴリール「なら、ハニエルとジブリエルとサターニャがケーキ、私とヴィーネがまた別の作ろっか」
ヴィーネ「まあ、それでいいけど」
ヴィーネ(ガヴと二人で料理ね……)
ヴィーネ(もうこれは愛の共同作業ね! 小作りしたものと同定義ね! 私のハジメてをガヴに捧げたものと同じね!)ハアハア
ガヴリール「ヴィーネ、あんまりそっち側にならないでよね、ハニエルもいるんだからさ」
ヴィーネ「はっ、な何の事かしら?」
ヴィーネ(危ない危ない、抑えるのよ、抑え込むのよ私っ!)グッ
天真「それにしてもサターニャはケーキ作れるのですか?」
サターニャ「舐めてもらっては困るわね、実家が洋菓子店をしているからケーキの1つや2つ作るのどうって事無いわ!」キリッ
ハニエル「胡桃沢お姉ちゃん! ケーキはやくつくろ! ケーキ!」キラキラ
サターニャ「そんなに慌てなくてもケーキは逃げないわよぉ」デレッ
天真(サターニャさん、顔がすごくだらしなくなっていますよ……)
天真「私も作ったことが無いので教えてくれませんか?」
サターニャ「いいわよ! 天使学校のトップが私に教えを乞う……これは天界を掌握したものと同じね!」
天真「では調理器具を準備しますね♪」
サターニャ「ちょっと、無視しないでよ!」
ハニエル「わたしもやる~♪」トテトテ
ガヴリール「向こうも調理にかかったし私たちも何かしようかね」
ヴィーネ「じゃあ、サラダ以外にもう一つしよっか」
ガヴリール「さっきも言ったけど、私の練習も兼ねているからヴィーネは色々教えてくれないかな?」
ヴィーネ「ガヴ今日はえらくやる気ね、毎日そういう感じだったらいいわね」
ガヴリール「私が真面目を演じていた時やけに寂しそうにしていたんじゃなかったかな~」ニヤニヤ
ヴィーネ「もう、茶化さないの!」
ガヴリール「まあちゃちゃっと作りますかね……」
サターニャ「じゃあ早速作るわよ!」
ハニエル「はい! 先生!」
サターニャ「先生?」
ハニエル「あっ、さっきのはわすれて!」アセアセ
サターニャ「忘れてと言われたらねぇ……どうしても忘れられなくなるわねぇ」ニヤリ
ハニエル「もー胡桃沢お姉ちゃんのいじわる!」
天真「サターニャ、忘れてください♪」ニコニコ
サターニャ「うっ……じょ、冗談よ……」
ハニエル「むぅー」
サターニャ「冗談だからね、ほらケーキ作るわよ」
ハニエル「うん!」パアア
天真「では、ケーキを作りましょう♪」ニコニコ
サターニャ「なら簡単にスポンジケーキを作ろうかしらね」
ハニエル「スポンジ? スポンジからケーキ作れるの?」
サターニャ「スポンジのようなケーキだからスポンジケーキなのよ、そのケーキの表面にクリームとか塗ってあの白いケーキが完成するのよ」
ハニエル「へーそうなんだ! 物知りだね、胡桃沢お姉ちゃん!」
サターニャ「当然よ!」ドヤッ
天真「ではどうやって作るのでしょうか?」
サターニャ「任せなさい! 私が手本見せるからその通りに作っていくのよ!」
天真・ハニエル「はい♪」
ヴィーネ「サターニャ、生き生きしているわね」
ガヴリール「そりゃここに来て頼られてなかったからじゃないの?」
ガヴリール「そのうえ得意な事、あいつでは洋菓子料理の教えを乞われた、サターニャの性格上生き生きするのは仕方がないんじゃない?」
ヴィーネ「結構前にした調理実習とか壊滅的だったけど……」
ガヴリール「多分洋菓子以外は壊滅的だと思うな」
ヴィーネ「そう……かしらね」
ヴィーネ「でもなんであそこまで味覚が壊滅的なのかしら」
ガヴリール「おおかた両親に色々試験的に作ったお菓子を食させられたからじゃないの?」
ヴィーネ「そうであればある意味悲惨ね」
ガヴリール「まあ、憶測はここまでとして……何作る」
ヴィーネ「むこうはケーキだから私たちはあっさり系でいいんじゃない?」
ガヴリール「あっさり系ね」PCカタカタ
ヴィーネ「もう、またネトゲを」
ガヴリール「違うって、あっさり系の料理をネットで探しているんだよ」
ガヴリール「向こうはスイーツ作っているしこっちもスイーツ作る?」
ヴィーネ「えぇ、まあそれでいいんじゃない?」
ガヴリール「じゃあ、これとかどう?」
ヴィーネ「いいんじゃない」
ガヴリール「じゃあ、まずはものヴィーネが切ったトマトとかをミキサーで……」
ヴィーネ「ちょっと!?」
ガヴリール「ん? 何?」ミキサーウィーン
ヴィーネ「あぁ……もうそれでいいわ、ガヴがしたいようにして」
ガヴリール「変なヴィーネ、よしまずはミックスジュース出来上がりだ」
………………
サターニャ「ひとまず、ここまで出来わね」
サターニャ「ちなみにこの段階でチョコチップを入れたらチョコチップ入りのケーキになるわ」
天真「なるほど……」カキカキ
ハニエル「ジブお姉ちゃん何しているの?」
天真「レシピをメモしているんですよ、家の戻っても作れるように」
ハニエル「!」パアア
ハニエル「帰った時一緒に作ろ!」ニコニコ
天真「はい、作りましょ♪」ニコニコ
天真「で、ここで色々折れても大丈夫と……」
サターニャ「ええそうよ」
天真「では早速……」サー
サターニャ「ヴィネットの家にチョコチップは無かったけど……何入れたのよ」
ハニエル「お豆だ!」キャッキャ
ヴィーネ(ハニエルのお豆っ!)ハアハア
ガヴリール「ヴィーネ、ちょっとお風呂場に来てくれない?」ポキポキ
サターニャ「豆って……」
天真「豆、美味しいですよね♪」
サターニャ「え、えぇ」
天真「何でも会いますよね♪」
サターニャ(えぇ……)
ミス
天真「で、ここで色々折れても大丈夫と……」
↓
天真「で、ここで色々入れても大丈夫と……」
天真「あっハニエル、ほっぺたに生地が付いていますよ」
ハニエル「うーん? どこに? とってジブお姉ちゃん」
天真「じっとしていてくださいね」スッ
チュッペロ
天真「はい取れました♪」
ハニエル「ありがとう! ジブお姉ちゃん!」ニコッ
サターニャ(天界ってそう取るのが普通なの!?)
天真「さて、続きをしましょう!」
サターニャ「え、えぇ、じゃあ続きするわよ」
………………
サターニャ「さて、これでオーブンで焼けばいいわね」
サターニャ「一応ここの電子レンジはオーブン機能もあるみたいだからいけるわ」
ハニエル「はい! 胡桃沢お姉ちゃん!」
サターニャ「もう周りと同じでサターニャでいいわよ、何か本当に他人行儀で困るから」
ハニエル「サターニャお姉ちゃん!」
サターニャ「何? ハニエル」
ハニエル「どれぐらいオーブンに入れたらできあがるの?」
サターニャ「今回作ったのは小さめだからより多分15分位でいけると思うわ」
天真「はい、準備できました!」
サターニャ「じゃあ、入れてセット……スタート」ピッ
サターニャ「これでしばらくしたら出来上がりね」
ハニエル「はわー」キラキラ
サターニャ「ガヴリールは何を作っているのかしらね」
サターニャ「……ってガヴリール、ヴィネットは?」
ガヴリール「あいつは風呂場で伸びているよ」
サターニャ「何してんのよ……」
ガチャ
ヴィーネ「うぅ……料理作ろうと思ったのに何でお風呂場にいるの……」
天真「ヴィーネ、大丈夫ですか?」
ヴィーネ「えぇ、大丈夫よ」
ガヴリール「ヴィーネ、こんな感じでいいかな?」
ヴィーネ「確か……何を作ろうとしていたんのだっけ?」
ガヴリール「クッキーだよ」
ヴィーネ「そうそうクッキーだったよね、生地はそれでいいんじゃない?」
ヴィーネ「ていうか一人でよくそこまで作れたわね、感心だわ」
ガヴリール「まあネットの力だよ」
ガヴリール「では次は……伸ばして冷蔵庫に入れるのか……」
サターニャ「じゃあ私たちはクリーム作りに移りましょう」
天真・ハニエル「はーい♪」
………………
サターニャ「これでクリームは完成よ」
ピピッ
サターニャ「ちょうど出来たわね」
ハニエル「早く! 早く!」ワクワク
天真「ハニエル、ケーキは逃げないですよ」
サターニャ「この容器から出して……はい、これがスポンジケーキよ!」
ハニエル「わ~」キラキラ
サターニャ「これから最後の作業よ、さっき作ったクリームをこのケーキの表面に塗るのよ」
サターニャ「ジブリエル、ハニエル、このヘラを使いなさい」
天真「よし……頑張ります!」
ハニエル「おー♪」
ヴィーネ「そっちは賑やかね」
ガヴリール「まあ、こっちは冷蔵庫で冷やしているからね、まあゆっくりしようよ」ベッドゴロゴロ
ヴィーネ「それもそうね」
ヴィーネ「……ねえ、ガヴ」
ガヴリール「何?」
ヴィーネ「ジブリエルってどうなの?」
ガヴリール「どうって何が?」
ヴィーネ「自身との性格の相性とか」
ガヴリール「あいつは私だぞ? 付き合い方はある程度分かるって」
ヴィーネ「ふーん……」
ヴィーネ「ねえガヴ、隣いいかしら?」
ガヴリール「別に、いいけど?」
ヴィーネ「ありがと」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ねえ、私って駄目なのかな」
ガヴリール「いきなりどうした?」
ヴィーネ「私はさんざんガヴに勉強をさせよう掃除をさせようとしていたのにしてくれなかった、だけどジブはそれをさせちゃったのよ」
ヴィーネ「私が時間を掛けてできなかったことをいとも簡単に……」
ヴィーネ「ジブの何がそうさせたの?」
ガヴリール「えっと……なんというか……」
ガヴリール「あいつの悲しい顔を見たくなくて……と言ったらいいのかな」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ねえ、もしかしてジブのこと好きなの?」
ガヴリール「なんでそう持っていった」
ヴィーネ「だって『悲しい顔を見たくない』って恋人同士の発言じゃないの」
ヴィーネ「はっ……」
ヴィーネ「もしかして昨日のお昼ご飯のアレもそういう関係だったからしたのかしら」ニヤニヤ
ガヴリール「それを思い出させるな!」カアア
ヴィーネ「ふふっ、顔が赤くなっている事はこの線が濃厚になって来たわね」
ガヴリール「濃くないよ!」
ヴィーネ「夜の二人っきりの時は何をしているのかしらね♪」
ガヴリール「な何もしていないよ! 何想像しているんだよ! この淫魔!」
ヴィーネ「ふふっ♪ もう慌てちゃって♪ 生地はもう冷蔵庫から出してもいいんじゃないかしら?」
ガヴリール「もう……確かに良い時間だけど……」
ガヴリール「本当にそんな関係じゃないからな」
ハニエル「♪」ペタペタ
天真「よしっと……これで完成ですね!」
サターニャ「いい出来じゃない!」
ハニエル「できたー」
サターニャ「ハニエルも上手にできているわよ」
ハニエル「わーい」キャッキャ
ガヴリール「よし、ハニエルちょっと来てくれないか?」
ハニエル「なーに、ガヴお姉ちゃん」
ガヴリール「クッキーの型抜きだ」ニヤリ
ハニエル「わー」キラキラ
ガヴリール「してみるか?」
ハニエル「うん!」
ハニエル「よいしょ、おうまさんだ!」
ガヴリール「いい感じだね、じゃあこれは何かな?」
天真「ふふっ♪」
サターニャ「ガヴリールって姉ちゃんできてるじゃん」
天真「こう見ると本当に微笑ましいですね♪」
ヴィーネ「このやる気がつながればいいのだけどね」
天真「はは……」
ヴィーネ「でも微笑ましいわね、私も妹欲しくなっちゃうわ」
ヴィーネ「ねえジブ、私の妹になって見ない?」
天真「えぇ!?」
ヴィーネ「冗談よ、冗談」
天真「……ヴィーネお姉ちゃん」ボソッ
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「」ロクオンキスイッチオン
ヴィーネ「ねえ、もう1回いいかしら」ニコッ
天真「は、恥ずかしいよ……」
ヴィーネ「先っちょ、先っちょだけだからさ」ハアハア
サターニャ「ヴィネット、そこまでにしなさい、ハニエルがいるわ」
ヴィーネ「はっ! あ、ありがとうサターニャ」
ガヴリール「よし、型抜きは終了だな、あとはオーブンで焼くだけだ」
ハニエル「早く焼こう♪」ニコニコ
ガブリール「そう慌てるなって」ナデナデ
ピッ ウー
ハニエル「……」ワクワク
ガヴリール「よし!これで粗方終わったな」セノビ
サターニャ「ケーキは終わったわ、後はクッキーが焼きあがるのを待つだけね」
天真「ありがとう、サターニャ」
サターニャ「突然どうしたのよ」
天真「ケーキ作りですよ、丁寧に教えてくれてそのお礼です♪」ニコッ
サターニャ「感謝なさい、洋菓子店直々のレシピよ!」
ガヴリール「こっちは天真流料理術だ」
ヴィーネ「何張り合ているのよ……」
………………
ピピッ
ガヴリール「お? 出来たか?」
ガチャ
ガヴリール「うん、よし! 完成だ!」
ハニエル「ガヴお姉ちゃん、まだ」ワクワク
ガヴリール「お皿に盛りつけたら出来上がりだ」
………………
ヴィーネ「ではようやくの昼食ね」
サターニャ「ヴィネット、この緑の液体は何?」
ヴィーネ「あぁ、それは」
ガヴリール「天真流野菜混合健康飲料水だ」
天真「ミックスジュースですね」
ガヴリール「そうともいう」
サターニャ「変な物混ぜていない?」
天真「変な疑いを持つのは良くありませんよ、サターニャ」
サターニャ「それもそうね、じゃあ頂くわ!」
ハニエル「いただきます♪」
天真「はい、いただきます♪」
ガヴリール「……ねぇ、このケーキに入っている黒い物体ってまさか」
天真「豆ですよ」
ハニエル「お豆だよ?」
ガヴリール「うん、もういいや」アキラメ
サターニャ「でも意外といけるわよ」ボリボリ
ガヴリール(ケーキをボリボリ食うのは珍しい光景だな)
ガヴリール「でもまあ、いただきます」パク
ガヴリール「……」ポリポリ
ハニエル「美味しいね、お豆ケーキ♪」ポリポリ
ガヴリール「せやな」トオイメ
ヴィーネ「一瞬どうかなと思ったけど、確かに美味しいわね」ポリポリ
ガヴリール「……」
ガヴリール(もういいや)ポリポリ
サターニャ「じゃあ、このガヴリールが作ったクッキーをこの私が直々に評価してあげるわ」
ガヴリール「評価するなら食うな」
サターニャ「なんで!?」
ヴィーネ「まあまあ……」
天真「でもサターニャの洋菓子に対する評価だけはある意味的確かもしれないのでここで見てもらうのも今後の為になると思いますよ?」
サターニャ「ジブリエル、ちょっと毒を吐くようになってない? 『だけ』って何よ?」
ガヴリール「まあ、確かにありえることはありえるな……早く食え」
サターニャ「言われなくてもするわよ!」
ハニエル「クッキーおいしいよ?」モグモグ
ガヴリール「ありがと、そういってくれてお姉ちゃんはうれしいよ」ナデナデ
ハニエル「えへへ~」ニコニコ
サターニャ「……」
サターニャ「まあいいわ、食べるわよ」パク
サターニャ「……」モグモグ
サターニャ「甘さ控えめに作っているわね、少量の塩が入っているのかしら、ケーキとの食べ合わせを考えているのでしょうね」
ガヴリール「そんな御託はどうでもいい、うまいかうまくないか、どっち?」
サターニャ「まあ美味いわ」
天真「よかったですね♪」ニコッ
ガヴリール「まあ、サターニャの味覚の『センス』は疑うけどな」パクッ
ガヴリール「うん美味い」
ヴィーネ「ふぅ……さて後片付けするわよ」
ガヴリール「えぇ、マジで」
ハニエル「……」ジー
ガヴリール「マジで全力で片付けするか! ハニエルも手伝ってくれるか?」
ハニエル「うん!」
サターニャ「ガヴリールはハニエルの前ではだらけられない……つまりガヴリールの弱点はハニエルね!」
天真「サターニャも片づけましょう♪」
サターニャ「私の名推理聞き流した!?」
ヴィーネ「はいそこのサターニャ、台所の汚れを拭いて」
ヴィーネ「さてと、私は食器をテーブルの食器を片付けるわね」
ヴィーネ「これがサターニャが使った食器ね」ガチャ
ヴィーネ「これが私が使ったの」ガチャ
ヴィーネ「これがハニエルの」ガチャ
ヴィーネ「これがジブ」ガチャ
ヴィーネ「これがガヴ」ガチャ
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ガヴの使用済みの食器……」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ガヴが咥えたフォーク……」
ヴィーネ「……」
ペロッ
ガヴリール「ヴィーネ……おまえ何してるの」
ヴィーネ「はっ、ち違うの! これは」
ガヴリール「何が違うの、説明できないでしょ?」
ガヴリール「ヴィーネの変態」
ヴィーネ「!」
天真「どうしたんですか?」
ガヴリール「ヴィーネが私が使ったフォークを舐めていた、この変態悪魔」
天真「……」
ヴィーネ「ジブ……」
天真「変態ですね、来ないでください」
天真「ほんと……汚い、ケガれてしまいます」
――――――――――
ヴィーネ「ふぉぉ……」
ヴィーネ(もっと私を罵って!!!)ハアハア
ガヴリール「ヴィーネ、皿持ったまま固まってどうした?」
ヴィーネ「はっ、何でも無いわ、片づけなくちゃね」
ガヴリール「?」
ラフィエル宅――
ラフィエル「はぁ~サターニャさんいちいち可愛すぎですよ」
ラフィエル「ドヤ顔でジブちゃんとハニエルちゃんに色々教えている姿、とてもとても癒されます♪」
ラフィエル「あのドヤ顔の連続、カメラにぜひ収めておきたかったのですが、あの場に居たらガヴちゃんとジブちゃんの関係が気になってそれどころではなかったでしょうね」
ラフィエル「あー生で見たいですー!」モゾモゾ
ラフィエル「ふぅ……」
ラフィエル「あの状態のガヴちゃんでも意外とお姉ちゃんできていましたね、これは予想外です♪」
ラフィエル「ヴィーネさんも何度か発作仕掛けていましたがガヴちゃんのストッパーで事なきを得ましたね」
ヴィーネ宅――
ヴィーネ「片づけは終わったわね、ガヴ達はどうする?」
ガヴリール「実はこれから先がヴィーネの家に来た本当の理由でして、ハニエルと公園で一緒に遊ばない?」
ヴィーネ「それ、ハニエルの世話をしろと言って感じがするのだけど」
サターニャ「私はガヴリールの弱点を探ろうとしているわ!」
ヴィーネ「アンタは飽きないわね……」
天真「せっかくの休みで申し訳ありません」ペコリ
ヴィーネ「いいのよ、私一人っ子だから妹欲しかったのよね」
ガヴリール「ハニエルはやらんぞ」
ヴィーネ「貰わないわよ……まあ、妹とは一緒に遊びたかったのよね」
天真「すみません、ありがとうございます」
天真「では公園で遊びましょうか、ハニエル」サシダシ
ハニエル「うん!」ギュ
公園――
ハニエル「わー」キラキラ
ハニエル「いろいろあるね! ガヴお姉ちゃん! ジブお姉ちゃん!」キャッキャ
ガヴリール「そうだな」
ガヴリール(まあ、そこらへんの公園だからあるものはたかが知れているけどな)
ハニエル「これはなに?」ワクワク
サターニャ「シーソーね」
サターニャ「ハニエル、そっち側に座ってくれない?」
ハニエル「いいよ!」スワリ
サターニャ「私はこっち側にっと」スワリ
パタン
ハニエル「おぉー」キラキラ
サターニャ「それ」
パタン
ハニエル「おおー」キラキラ
ガヴリール「サターニャも意外と世話好きじゃね?」カタカタ
天真「確かに料理の時も何かと教えてくれましたね」
ヴィーネ「サターニャの意外な一面を見れたわね」
ヴィーネ「で、ガヴ、パソコン開いて何しているのよ、またネトゲ?」
ガヴリール「だから違うよ……あっそういえばネット外で使えないじゃん……なんて凡ミスを……」パタン
天真「まあ、ガヴリールも一緒に遊びましょうよ」
ヴィーネ「そうよ、貴方の妹でしょ?」
ガヴリール「めんどくさい」
ガヴリール「でも行ってやるか」テクテク
ガヴリール「ハニエル、楽しいか」
ハニエル「うん!」
ハニエル「あっ」ピョン
ガタン
サターニャ「ぐへっ!」
ガヴリール(これは痛い……サターニャ、ドンマイだ)
ハニエル「これはなに?」
天真「確か、ジャングルジムですね」
天真「中に入って登ったりして遊ぶ遊具ですね」
ハニエル「あそんでもいい?」
天真「もちろん♪」
ハニエル「わーい!」トテトテ
ヴィーネ「本当にハニエルの一挙手一投足に癒されるわ」
ガヴリール「だろ?」
天真「私の妹ですしね」フンス
サターニャ「ガヴリールとジブリエルってこういうところが似ているわね、いてて」
ハニエル「ガヴお姉ちゃん! ジブお姉ちゃん! 見て! たかーい!」
ガヴリール「高いな」
天真「足滑らさない様に気を付けてね」
ハニエル「うん!」
ヴィーネ(ハニエルのスカートの中がみえ)ハアハア
ガヴリール「ヴィーネ、これ以上踏み入ったらヴィーネでもね……分かるよね?」
ヴィーネ「え、ええ? 何の事かしら」
ヴィーネ(危ない危ない、ハニエルになんて考えを……危うく事案を起こしていたわ……)
ハニエル「ねえ、あれはあれは?」ワクワク
ヴィーネ「あれはブランコよ、押してあげるから乗ってごらん」
サターニャ「ねえ、天界ってこれを知らないほど何もなかったの?」
天真「いえ、多分私たちだけだと……」
ガヴリール「姉さんが厳しかったからな、基本遊びは家でだったね」
天真「カルヤやあやとり、けん玉にベーゴマ」
ガヴリール「昭和かって感じだよ」
サターニャ「天界って所々遅れているの?」
………………
ハニエル「ガヴお姉ちゃん見て見て! おっきな山!」
ガヴリール「ん? おぉ、おっきでか!?」
天真「高さ1mはありますね」
ヴィーネ「いつの間にあんなでっかい物を……」
サターニャ「ふふん」ドヤッ
ガヴリール「あっ、サターニャが手伝ったのか、なら納得だわ」
サターニャ「感想は?」
天真「ハニエル、すごく大きいですね、頑張ったね♪」ナデナデ
ハニエル「えへっ」
サターニャ「私に対する感想は!?」
ヴィーネ「子供か……」
ガヴリール「お疲れ、以上」
サターニャ「それだけ!?」
ガヴリール「ほぅ、撫でてもらいたいのか?」ニヤッ
サターニャ「違うわよ!」
ガヴリール「ほーれ、頑張ったね♪」ナデナデ
サターニャ「おちょくるな!」ムキー
………………
ヴィーネ「あらもうこんな時間」
ガヴリール「4時か……そろそろ帰ろうかな、ハニエル?」
ハニエル「また月乃瀬お姉ちゃんとサターニャお姉ちゃんもあそんでくれる?」
サターニャ「もちろん! いつでも来ても良いわよ!」
ヴィーネ「いいわよ、あと私の事もヴィーネって呼んでいいわよ」ニコッ
ハニエル「わかった! ヴィーネお姉ちゃん!」
天真「ではサターニャさん、ヴィーネさん今日はありがとうございます」
サターニャ「いいのよこれくらい、私も楽しめたし」
ヴィーネ「私もよ、じゃあガヴ、ジブ、また明日」
ガヴリール「うぃーっすまたな」
ハニエル「またね!」
ガヴリール「さてと……晩飯の食材を買ってこようか」
ガヴリール「ハニエルも来るか?」
ハニエル「うん! げかいのおみせに行きたい!」ワクワク
天真「では一緒に行きましょうね♪」ニコッ
近所スーパー――
ハニエル「わーひととたべものがいっぱい」
ガヴリール「そうだろ、ここで皆食料を買っているんだよ」
ガヴリール(人が多すぎてラッパ吹きそうになるが)
天真「こら、ガヴリール、そんなこと思ってはいけませんよ!」
ガヴリール「な、何も思ってないよ! 早く食材を買おうよ」
天真「あまり無駄遣いしないでくださいよ、ただでさえきついのですから……」
ガヴリール「それは大丈夫、ラフィエルから少し貰ってね」
天真「貰ったって……何かあったのですか?」
ガヴリール「昨日ラフィエルと昼飯食べに行っただろ、その時に皆でシューを食べたじゃん」
天真「えぇ、ありましたね」
ガヴリール「そのシューの中に激辛入りのが2つあって、私は一昨日激辛メロンパンを食べたから二日連続で食べれるかって断ったんだけど」
ガヴリール「ラフィエルからお金を少しくれるって事だったから参加したんだよ」
天真「そのお金後で返しましょうね♪」
ガヴリール「大丈夫だって」
天真「返しましょう」ニコッ
ガヴリール「……わかったよ、あとで返すよ」ハァ
天真「では買い物しましょう♪」ニコッ
ハニエル「これは何?」キラキラ
天真「これはゴーヤですね」
ハニエル「これは?」
ガヴリール「それはズッキーニだな」
ハニエル「見たことない食べ物いっぱいだね♪」
天真「確かに天界とはまた違う食料が地上には結構ありますね……」
ガヴリール「まあ、種類が豊富で便利だよな」
天真「この魚だって天界では見ない魚ですよね」
ガヴリール「このタコってある地域ではデビルフィッシュって言うんだって、道理で天界では見かけない生き物だと思ったよ」
天真「そんな別名が……それは初めて知りました」
アラアノコタチフタゴ コモリモシテイルネ
カワイイワネ ナカイイワネ キマスワネ
ガヴリール「……」
ガヴリール「ジブリエル、ハニエル、別の所をみよ」テクテク
ハニエル「あっ、ガヴお姉ちゃん待って」テクテク
天真「ここはお肉のコーナーですね」
ガヴリール「んじゃ、この肉を」ヒョイ
天真「さーて、ガヴリールは何を作ってくれるのでしょうね♪」ニコニコ
ガヴリール「なんだっていいだろ、さてレジ行くぞ」
ハニエル「はーい♪」トテトテ
ハニエル「?」ジー
天真「ハニエル、どうしたの?」
ハニエル「これってなに?」
ガヴリール(あぁ、お菓子ね……一つ買ってやるか)
ガヴリール「これ欲しいのか?」
ハニエル「うん!」キラキラ
ガヴリール「よし、特別に買ってやる」
ハニエル「わーい! ガヴお姉ちゃん大好き!」ギュッ
天真(ガヴリールも私と一緒でハニエルに弱いですね♪)ニコニコ
ガヴリール宅――
ガチャ
ガヴリール「ふぅ、疲れたー」
ゼルエル「ご苦労だったな」
ガヴリール「げ、姉さん」
天真「ゼルエル姉さん、もうハニエルを連れて帰るのですか?」
ハニエル「ゼルお姉ちゃん、もうおうちにかえるの?」ウルウル
ゼルエル「うっ……わ我儘言っても帰るぞ」オロオロ
天真「そうだ、ゼルエル姉さんも来ている事だし、夕飯一緒にどうですか? 今日はガヴリールが作ってくれるのですよ」
ハニエル「いいの!?」キラキラ
ゼルエル(ガヴリールの夕飯か……)ジュルリ
ゼルエル「仕方がない、ガヴリール、お前の料理の腕が廃っていないか見てやろう」
ガヴリール「食う気満々だな……」
ガヴリール「でもこれだけの人数じゃ食材が足りないな」
ゼルエル「大丈夫だ」シュン
ゼルエル「家から食料を持ってきたぞ」ドサッ
ガヴリール「いつの間に家に帰ったんだよ……というか大丈夫なの? 勝手に下界に天界の食料持ってきて」
ゼルエル「大丈夫だ、私の権限で」
ガヴリール「だからそれ職権乱用じゃね?」
ゼルエル「と、とにかく大丈夫だから、さあ料理を作った作った」
ガヴリール「……」トントントン
ゼルエル「しかしあいつが料理を自ら作るとはな……」
ゼルエル「私が教育しても変わったふりしかしなったのに……何かしたのか?」
天真「いえ、昨日私がただガヴリールの料理を食べたかったから明日の夕飯作ってと言っただけですが……」
ハニエル「ガヴお姉ちゃんのごはん♪ ガヴお姉ちゃんのごはん♪」ウキウキ
天真「何を作るか楽しみですね、ハニエル♪」
ハニエル「うん!」ニコニコ
ゼルエル「確かに何を作っているのか楽しみだな」
ゼルエル「お前が天界にいた頃を思い出すな……」
天真「ゼルエル姉さんはいつでもこちらに来れるじゃないですか」
ゼルエル「いつでもではないぞ、『神の右腕』と呼ばれているが大学にも通っている」
ゼルエル「課題等で忙しいからいつでも時間が空くわけではない、時間の合間を縫ってこちらに来ているし千里眼でお前らの事を見ている」
天真「見るのは本当にちょっとあれじゃないでしょうか……」
天真「でもなんだかんだ言ってもガヴリールは心の中では温かみがあるのですよ?」
ゼルエル「本当か?」
天真「本当ですよ、ガヴリールの中にいた私が言う事ですので♪」
ゼルエル「まあ、お前が言うのであればそうであろうな」
ハニエル「ガヴお姉ちゃんはいつもやさしいよ?」
ゼルエル「……」
ハニエル「だってきょうもいっしょにお昼ごはん作ったり、こうえんであそんだりしてくれたもん」
ゼルエル「……そうか」
ゼルエル「どうやらガヴリールの事を真に信用していなかったのはこの中では私だけみたいだな」
ゼルエル「確かに、変わったのかもしれんな、ジブリール、お前が出てきたことが切欠で心情的な変化が起こったのかもしれんな」
ゼルエル「これからもガヴリールと一緒に切磋琢磨して修行に励むのだぞ」
天真「はい」ニコッ
ゼルエル「ところで夕飯はまだなのかな……おいガヴリール、まだなのか?」
ガヴリール「まだだって」
ガヴリール「ったく、急かすなんて、おっさんかよ」ボソッ
ゼルエル「何か言ったか?」
ガヴリール「な何でもないよ」
ゼルエル「私の事をおっさんっと言ってなかったか?」テクテク
ガヴリール(どんだけ地獄耳なんだよ!?)
ガヴリール「いいから、料理の邪魔だってそこ」
ゼルエル「正直に言え」
ハニエル「ゼルお姉ちゃん、ぎょうぎわるいよ?」
ゼルエル「ぬぐっ! ……今回は特別だからな」
ガヴリール(ほっ)
………………
ガヴリール「はいよ、出来たよ」カタ
ガヴリール「料理の腕は落ちているかもしれないけどね」
ゼルエル「野菜と肉の炒め物か、シンプルだがこれぞガヴリールって感じだな」
ガヴリール「どういう事だよ」
天真「では頂きます♪」
ゼルエル「うむ、私も頂くとしよう」
ハニエル「いただきます!」
ガヴリール「ど、どう?」
ゼルエル「……」モグモグゴックン
ゼルエル「至ってガヴリールだな」
ガヴリール「なんだよガヴリールって評価は……」
天真「はい、ガヴリールですね♪」
ガヴリール「いやだからなんだって」
ハニエル「美味しいよ♪」
ガヴリール「お前だけだよ、まともに評価してくれるのは」ナデナデ
ゼルエル「まあ、いわゆるお前が料理した時のいつもの味って事だな、普通にうまいぞ」
ガヴリール「……そっか」テレッ
天真「今のガヴリールもゼルエル姉さんの褒められて照れるのですね♪」
ガヴリール「! そんなことないって!」
ゼルエル「今のお前は捻くてれいるからな、ほら、正直になっていいのだぞ」
ガヴリール「もう、いいから黙ってさっさと食べろ!」
ハニエル「♪」パクパク
ガヴリール「そういえば姉さんは私をたまに千里眼で監視しているんだよね」
ゼルエル「あぁ、そうだ」
ガヴリール「……ねえジブリエル、今度天界に帰ったら姉さんの部屋探索してみない?」
天真「さすがにそれは……」
ゼルエル「それは駄目だ!」
ガヴリール「おやおや、神の右腕と呼ばれている姉さんの部屋に入っても何もやましい物は無いと思うけど、何かあるのかな?」
ゼルエル「プライバシーの侵害だぞ」
ガヴリール「ゼルエル姉さん、千里眼で私の生活を見ているはプライバシーの侵害では?」
ゼルエル「妹の私生活を見ることの何がプライバシーの侵害に当たると?」
ガヴリール「見ること自体がプライバシーの侵害だよ!」
ハニエル「おかわり!」
天真「ふふ♪ ハニエルよく食べますね、今ついできますからね♪」
………………
ハニエル「ごちそう様でした」
天真「ごちそう様♪」
ゼルエル「料理は美味かったぞ、ガヴリール、これからも精進するのだぞ」
ハニエル「ねえ、もう帰るの」
ゼルエル「いつまでも滞在時間を延ばせるわけじゃないから」
ハニエル「む~」
天真「ハニエル、帰ったらまた遊びましょうね♪」ニコッ
ガヴリール「元気でいろな」
ハニエル「……うん」
ゼルエル「今日はハニエルに付き合わせてありがとうな、ガヴリール、なまけるんじゃないぞ」
ガヴリール「いちいち一言余計なんだよ」ボソッ
ゼルエル「ではな」シュン
ガヴリール「……」
ガヴリール「やーっと帰ったー」グテーン
天真「そんなこと言って、実は少し寂しのでは?」
ガヴリール「んなことねえよ」
天真「はいはい、食器かたずけましょうね♪」
ガヴリール「サンキューサンキュー」
天真「……」ニコニコ
ガヴリール「……分かったよ、するよ」
天真「かたずけましょう♪」ニコニコ
………………
ガヴリール「よし、終わったな」
天真「久しぶりの皆での食事、楽しかったですね♪」
ガヴリール「さあね、さてと風呂に入るか」
ガヴリール「ジブリールも入るだろ?」
天真「あら、珍しいですねガヴリールから誘うなんて……」
ガヴリール「先にお前が入ろうとするのであれば誘うだろうし、私が先に入ってもどうせ入ってくるだろ」
ガヴリール「だからめんどくさく無い内に一緒に入ったほうがましだと思って」
天真「ふふっ、うれしい事言ってくれますね♪」ニコニコ
天真「寂しかったらそう言ってくれたらいいのに」
ガヴリール「それは違うよ!」
天真「いいから早く入りましょ♪」ニコニコ
ガヴリール「全く……調子に乗って……」
………………
カポン
ガヴリール「誘ってあれだが、やっぱり二人で風呂は狭いな」
天真「この狭さもいずれ馴れれば心地よさに感じますよ♪」ギュッ
ガヴリール「抱くつくな暑苦しい」
天真「もう、正直ではないですね♪」ギュッ
ガヴリール「正直な気持ちだから、頼むからくっつくのやめてよ」
天真「だーめ♪」ギュッ
ガヴリール「ちょっとラフィエルみたいになってない? 暑苦しいからさ、ね?」
天真「ふふっ♪」ギュッ
ガヴリール(あと私の胸の無さに寂しさを感じるな)
天真「♪」ギュッ
ガヴリール「……」
――――――――――
ヴィーネ「だって『悲しい顔を見たくない』って恋人同士の発言じゃないの」
――――――――――
ガヴリール「……」ブクブク
ガヴリール「なあ、ジブリエル」
天真「はい、なんでしょうか?」
ガヴリール「お前って私の事好きなのか?」
天真「……」
ガヴリール「……」
ガヴリール「なあ、どっちなんだ?」
天真「秘密です♪」
ガヴリール「はぁ……まあ、こんなことするから嫌いではないだろうな」
天真「それはもちろん♪」ギュッ
ガヴリール「ああ! もう暑いからいい加減離れろ!」
天真「もう、恥ずかしがって」
ガヴリール「こんなにくっつこうとするなんて、秘密と言っておいて私の事好きじゃないのか?」
天真「ふふっ、ですから秘密です♪」
ガヴリール「まったく……体洗うわ」ザバン
天真「では私が洗います♪」
ガヴリール「へいへい、頼むよ」
天真「♪」ニコッ
天真「♪」ゴシゴシ
ガヴリール「……」
天真「♪」ゴシゴシ
ガヴリール「……」
天真「♪」ゴシゴシ
ガヴリール「……」
天真「♪」ツツゥ
ガヴリール「ひゃぁっ!!」
ガヴリール「な何すんだよ!」
天真「何かしましたか?」ゴシゴシ
ガヴリール「背中くすぐったじゃん!」
天真「何のことですかね♪」ゴシゴシ
ガヴリール「とぼけやがって……」
天真「はいはい、次は腕ですよー♪」ゴシゴシ
………………
天真「はい、終わりです♪」
ガヴリール「次はお前の体洗ってたるよ」
天真「私は自分でしますので」
ガヴリール「何ってるんだよ、遠慮するなって」ニコッ
天真「あのガヴリール、笑顔が怖いのですが……」
ガヴリール「気にするなって、さあ座ってよ」ガシッ
天真「つかんでいる手に相当力入っているのですか……」
ガヴリール「いやいや、力入ってないよ」グググッ
天真「ちょっ、ちょっ、痛いです!」
ガヴリール「ごめんごめん、さあ洗ってあげるから」ニコッ
天真「怖いです」
ガヴリール「何もしないと思うよ」ゴシゴシ
天真「思うって何ですか……」
ガヴリール「……」ゴシゴシ
天真「何かしゃべって下さいよ」
ガヴリール「……あ」ゴシゴシ
天真「えぇ……」
ガヴリール「……」ゴシゴシ
天真「……」
ガヴリール「……」ゴシゴシ
天真「……」
ガヴリール「……」ツツゥ
天真「ひゃぅ!」
天真「背中くすぐりました!?」
ガヴリール「さて、何の事だろうな」ゴシゴシ
ガヴリール「……」コショコショ
天真「ひゃぁ! やっぱりまたくすぐった!」
ガヴリール「さっきのは手が滑った、はっはっは、すまんすまん」コショコショ
天真「んっふぁぁあぁ……」
ガヴリール「……」コショコショ
天真「あっんぁっふぁぁ、ひぅ、やっぱりんっ、わざとですね!」
ガヴリール「……なんかごめん」
ガヴリール(いけないことしている気が……普通に笑えないのか!?)
………………
ガヴリール「ふぅ、さっぱりした」
天真「何か疲れました……」グデッ
ガヴリール「これも日ごろの行いってやつかな?」
天真「本当に、調子乗っちゃって」
天真「でも、疲れるだけではいけませんよね!」キリッ
天真「さて、何をしましょうか」
ガヴリール「こんな時間だし、テレビ見ながらゴロゴロしていればいいんじゃないのかな?」
天真「では私はマッサージしますね♪」ニコッ
ガヴリール「いや、しなくてもいい」
天真「そんな……」シュン
ガヴリール「全くしょうがない、ほらマッサージしろ」ゴロン
天真「はい!」パアア
ガヴリール(ジブリエル、それでいいのか?)
ガヴリール「にしても面白い番組してないな。どれもくだらねぇ」ピッピッ
天真「えい」グググッ
ガヴリール「いたたたあ! ジブルエル! 痛い痛い! やっぱり風呂場の仕返しなの!?」
天真「いえ、マッサージは痛いのか効果的かなと思いまして」
ガヴリール「そんなことないよ」
天真「そうなのですか!?」
ガヴリール「そうだよ! 痛くてもいいのは足つぼマッサージぐらいだよ!」
天真「足つぼですか……痛かった覚えがないのですが……痛いのですかねコレ」アシツボグィィ
ガヴリール「いったあ!!!」
天真「確か押したところに対応する部分は不健康だった場合は痛いと聞いたので……ガヴリールこれ以上の不摂生はいけませんよ」グィィィ
ガヴリール「あぎゃ痛い痛い!!! 分かったから!! いったああいからやめて!!!」
天真「やめちゃうんですか……」
ガヴリール「ほんと痛いから、ね? 肩揉むぐらいでいいから」
天真「それなら簡単です♪」ニコッ
………………
ガヴリール「もうこんな時間か、そろそろ寝るか」
天真「珍しいですね♪」
ガヴリール「昨日もおとといも一緒に寝ようと誘ったのは誰だっけ?」
ガヴリール「まあ、ネトゲも今は一日1回のログイン以外やることないしな」
天真「いいことじゃないですか♪」
ガヴリール「こっちは死活問題だっての、ほら寝るぞ」
天真「はい♪」ニコッ
ガヴリール「……」
ガヴリール「明日からまた学校か……憂鬱だな」
天真「そうですか? 私は楽しみです」
ガヴリール「お前はほんと何でも楽しそうだな、まあ以前の私もそうだったけどな」
天真「そんなこと言って、本当は皆と会えるのが楽しみでしょ?」ギュッ
ガヴリール「そんな事……はぁ、あるな……」
天真「ふふっ、貴方は私ですからね♪ そしてここには私たち以外誰も居ないので自分に正直になっても恥ずかしくないですからね♪」ギュッ
ガヴリール「……じゃあ」ギュッ
天真「!」
ガヴリール「明日もよろしくな、おやすみ」ギュッ
天真「ええ、おやすみなさいガヴリール」チュッ
ガヴリール「……」
ガヴリール(それはやっぱ馴れないな)
早朝――
「行ってきます」
「行ってきまーす」
しばらく誰も居なくなる部屋いつもの部屋に向けて声を掛ける
ただ、ここ数日で劇的に変わったことがある
「学校楽しみですね」
一人ではない
「学校メンド……滅びろ」
これから先、何があっても離せない、離したくないもう一人の私
これからこいつと二人三脚で進もうと思う
「そんなこと言っては駄目です」
こいつと一緒ならどんなしんどい事でもなんとかなる気がする
めんどくさくても手を引っ張って前へ進めてくれる私がいる
「全く……今日も貴重な時間を学校に捧げますかね」
だから私は掴んだ手は離さない
私らしくない決意をして今日も一日足を進める
おわり
一応、自分が書きたいこと全部ぶっこめましたので終わりです
終盤駆け足みたいになった気がするが……
長々として、改めて見なくても誤字脱字等ミスが多いですが、ここまでお付き合いありがとうございます
(ジブリエルをジブリールと書きミス、これじゃこの後触手闇落ち間違いないじゃないか)
終わらし方もどちらかのガヴリールを消そうかなとか考えていたのですが
まあ、平和的に進んでいたから平和的なものでいいかと思ってこんな形になったという言い訳
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