海外「なんで日本のラーメンはこんなにもおいしいんだろう!」
日本「この国じゃどこにでもあるチェーン店なのにそこまで喜んでもらえて嬉しいけど声がでけえよガイジン」
海外「あっちじゃこんなの食べられないよ、やっぱり日本のダシ文化は素晴らしいね」
日本「もう一つ教えてやるけども、日本じゃメシはもっと静かに食べるものなんだ」
海外「……ジャップさあ」
日本「なんだよ?」
海外「もっとおいしそうに食べなよ」
日本「え」
海外「ジャップはこんなにおいしいもの毎日食べられるんだし、もう飽き飽きなのかもしれないけどさ」
日本「……毎日は太る」
海外「でも、おいしく食べてる私の前でそんな顔で食べないでよ」
日本「……わかったよ」
海外「ふふふ、ジャップはぶっきらぼうに見えて真面目なとこがかわいいよね?」
日本「ごちそうさん、会計頼むぞ」
海外「あ、ちょっ、こっちの話くらい最後までちゃんと聞きなよジャップー!」
日本「うるせえ! 店内でジャップジャップ呼ぶな!!」
――――――――――
海外「……ふふふー」
日本「どうした気持ち悪い」
海外「結局払ってくれるんだなー、と思ってね?」
日本「どうせ金持ってないんだろ。次は払えよ」
海外「Ahaha, 持ってきてたらね~」
日本「なんて奴だよ……」
海外(とか言って、私がレジに近づこうとすると道塞ぐんだから。……ジャップは面白いなあ)
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海外「なあジャップ」
日本「どしたよガイジン」
海外「洗濯板ってどこに売ってるの?」
日本「……お前さ、それ使って何を」
海外「川へ洗濯に?」
日本「桃は流れてこねえよ! 現代の日本の河川ド汚えからやめとけ!」
海外「ジャップは芝刈り機買ってね?」
日本「なんでそこだけ現代的な機械使うんだよ!」
海外「でもジャップ。あのおじいさんは芝を刈ってどうするんだい? 芝はお金になるの?」
日本「あれは“芝”じゃなくて“柴”なんだよ」
海外「……ジャップ。君は時々私の理解を超えた言葉を使うよね」
日本「お前ん家の洗濯機のメーカー、東芝の“芝”じゃなくて、お前が飼ってる子犬の品種、柴犬の“柴”だ」
海外「……ジャップさあ」
日本「なんだよ、まだ判りづらいか?」
海外「私の生活圏に詳しすぎ。キモいよ?」
日本「どっちも俺と買いに行っただろうが!?」
日本「柴狩りの柴は雑木の枝のことだよ。ほら、『雑木林』ってあるだろ?」
海外「いろんな木が混じってる林、ってこと?」
日本「そう。まあ、『雑草』っていう括りと同じものだと思ってくれ。で、その枝を持ち帰って家事の燃料にするんだ。所謂、薪と同じ役割だな」
海外「ジャップ……日本で生きるのは大変だね……」
日本「昔の話に決まってんだろ……昔ばなしなんだから……」
海外「でも分かったよ、これから気をつけようと思う。ありがとうジャップ!」
日本「はいはい、ならいいよ。……ん? 『気をつける』って、なにに?」
海外「ジャップに頼り過ぎて私のprivacyが皆無だってことが分かったから、これからはひとりで物を選べるように頑張るよ!」
日本「そこかよ!」
海外「ジャップもその方が楽だろう?」
日本「……いや、まあ、別に」
海外「だからこれからは、できるだけひとりで生活できるようにしないとね」
日本「あ、ああ……がんばれよ」
海外「うん! じゃ、洗濯板買いに行こうか?」
日本「おう……ん!? 結局俺とじゃねえのか!?」
海外「買ったものは見ないでよね! でもちゃんと一緒に選んでね!」
日本「無理難題押し付けんな! てか洗濯板見て何になるんだよ!?」
――――――――――
海外「落ちる! 汚れが落ちるよジャップ!」ジャップジャップ
日本「洗濯機で取れない靴下の黒ずみも、洗濯板ならかなり取れるんだよな」
海外「ただ、これだけゴシゴシこすると生地が傷まないか心配だね!」ジャップジャップ
日本「実際、安物の靴下とかじゃ洗濯板に耐えられずに破けたりするかもな。まあ、これは百均のゴム製の奴だから大丈夫だが」
海外「なあジャップ! これってクロッチのシミも取れるかな!?」ジャップジャップ
日本「!?」
海外「かな?」
日本「……俺が帰ってからっ……やれっ……!!」
海外「Okey-dokey!」ジャップジャップ
日本「あとさっきから擬音語を口に出して俺に喧嘩売るのやめろ!!」
海外「なあジャップ」
日本「どしたよガイジン。……なんだそのカッコ」
海外「Ahem! ダンス部に貸して貰ったんだ! いいでしょ?」
日本「……はあ。まあ、似合ってるよ」
海外「ジャップったら、ちゃんとこっち見て褒めてよね!」
日本「それで、なんでロングドレスなんて借りたんだ?」
海外「あ、逸らした! ま、いいや。ジャップ、今日は何の日か知ってるかい?」
日本「ん? ……ああ、分かった……」
海外「ジャップは察しが良くていいけど、ちゃんと質問には答えなよー」
日本「口にしない内が華なんだよ……こんなダジャレ……」
海外「タンゴの節句ッ!」パンパンッ
日本「そんな余計な文化は教えた覚えがねえ!!」
海外「ジャップ!! さ、魚が! 魚が飛んでる!?」
日本「……去年も見たろ」
海外「もう! どうしてジャップは私にガイジンぶらせてくれないのさ!」
日本「日本人はわざとらしいものが嫌いなんだよ」
海外「……Hmm……?」
日本「文句あるか」
海外「だって、ジャップはAdult videoを中腹から見るだろう?」
日本「…………」
海外「『ズボシ』だねジャップ!!」
日本「俺を煽る時だけ日本語を正しく使うのやめろこのクソガイジン!!!」
チャリンチャリン ピッ ガコン カランカラン
海外「なあジャップ」
日本「どしたよガイジン」
海外「日本は自動販売機だけで生活できるんじゃないかな」
日本「うわあ」
海外「『また始まった』みたいな顔をせずに聞いてくれジャップ。聞き上手は君の唯一の取柄じゃないか」
日本「もっとあるわ。聞かないとお前次の日まで機嫌悪くするから嫌なんだよ……。で、なに?」
海外「日本の自販機は毎日中の商品が取り換えられるし、しかも食べ物も飲み物もあって、それが全部おいしいときたよ」
日本「そっちの国は違うのか」
海外「Fmm, まず自販機がほぼないね。設置しても、こじ開けられて中身を全部持っていかれるのが『セキノヤマ』、だね」
日本「……すごいドヤ顔だが、微妙に使い方違うのは後で直すとして」
海外「No way!?」
日本「まあ、ガイジンと話しているとつくづく感じるよ。日本の治安の良さ」
海外「本当だよ! あれだけみんな節度を持ってるんだから、痴漢くらい許してやったらどうなのさ!」
日本「それはどうかとおもう」
日本「確かに、世の中の自販機が全部揃うなら生活できんくもないけど……だったらスーパー行ったほうがな」
海外「ジャップさあ……もっと乙女の夢を尊重すべきじゃない?」
日本「お前はどこまで本気か分からないから、先に予防しとかないと後が怖いんだよ」
海外「そんなこと言うならジャップのコーンスープは私が全部飲むからね!」
日本「あ、ちょっ、お前!? 俺が猫舌なのをいいことに!」
海外「Aha♪ 先に私に取らせたジャップが悪いんだー……? Um? なにこれ?」
日本「なんだよ……?」
海外「いや、日本の自販機について携帯で調べてたんだけど……『大人のおもちゃ』、ってなんだいジャップ?」
日本「! ……今度一緒に見に行ってやるから、コーンスープ返せ」
海外「本当かいジャップ!? 妙に優しくてキモいよ!」
日本「あと二度と人に対して『キモい』を使うな!!」
――――――――
海外「WTF!! WTF!!」
日本「痛え痛え悪かったグーで叩くのやめてくれって!!」
海外「なあジャップ」
日本「どしたよガイジン」
海外「日本の洋食」
日本「あはい」
海外「Heyman? まだ題を挙げただけじゃないか!」
日本「へいめーんと言われてもな……。何話すかさえわかればそれで十分だろ」
海外「君は私と話すのが楽しくないと?」
日本「そうは言っていない。無駄な時間が嫌いなんだよ」
海外「教えたがり?」
日本「…………」
海外「ふふ、私は嬉しいよジャップ!」
日本「クソキモガイジンは洋食についてどういうイメージを持ってるんだ。元はそっちのパクリみたいなもんじゃないか」
海外「キモいは使っちゃダメでしょジャップ? Umm...とってもおいしいんだけど、私達の食べていたものからはかけ離れているしね。発祥の歴史を知れば別物だとわかる気がするよ?」
日本「お、ついに自分で調べたのか?」
海外「いや、ジャップに教えてもらえばわかる気がするという話だよ!」
日本「結局俺頼りじゃねえか!」
海外「まあまあ、硬いこと言わないのさジャップ。眉間の皺、また濃くなるよ」
日本「元はお前が作り上げたんだよ!!」
日本「発祥はそんなに古くもないな。日本開国時に入ってきた西洋人の口に合わせて、それらの西洋料理店が生まれたってところか」
海外「Fmm, なら、現代の洋食ももっと本物志向になってるんじゃないのかい?」
日本「食材が揃わなかったんだよ。当時じゃ長期保存の技術もないから生ものを日本に持ってくるのは無理。それを日本で生産するなんて、技術以上に気候でもっと無理」
海外「ああ!、だから日本の食材を使って西洋料理を?」
日本「そこが原点だろうな。そこから派生して、現代の洋食は『米飯に合わせた西洋料理っぽいもの』ってことになってるらしい」
海外「なるほど。洋食の美味しさは米の美味しさなんだね、ジャップ」
日本「オムライスとかカレーライスとかドリアとか、米がなければ生まれなかった洋食もたくさんあるしな」
海外「話してたらお腹空いたよー。晩ごはんおごってジャップ! ファミレス行きたい!」
日本「なんで説明してやった俺が奢るんだ。お前が奢れ」
海外「……Hum! 分かったよ。じゃ行こ、ジャップ」
日本「は? いや、お前お金厳しいんだよな? バイトする余裕もないってこの前……」
海外「辛くないよ? ひとりでごはん食べるよりはね、ふふ」
日本「……~~ッ!! ワリカンだ、ワリカン!!!」
海外「Wahoo!! ジャップは『ギョシヤスク』て最高だね!!」
日本「使い方合ってて逆にムカつくんだよクソガイジン!!」
(その後きっちり日本が奢りました。)
海外「なあジャップ」
日本「どしたよガイジン」
海外「カラオケに行ってみたい!」
日本「あー。やっぱりそっちにはないのか」
海外「正しく言うなら、個室カラオケがあまりないのさ。こっちじゃ歌はもっとopenに楽しむものだからね!」
日本「確かに、ヒトカラなんてのはそっちじゃ流行りそうにないな。個室じゃないカラオケってなんだ?」
海外「Barなんかの人の多い所に置いてあるイメージかな? まあ、そういうところには大体」
日本「ピアノ奏者やギター奏者が居るからカラオケの装置の必要性が少ない、と」
海外「ジャップはホントに察しがいいよね」
日本「ああ、比較的知性と教養があるからな」
海外「誰と比べたのかな?」
日本「……へ、平均と」
海外「Hum...でも歌なら、私はジャップより上手い自信があるね!」
日本「…………」
海外「あれ、ジャップ?」
日本「いや……その、カラオケな、俺も行ったことがないから、な? ……俺と行っても楽しいかどうかなんて」
海外「……ジャップ」
日本「なんだよ」
海外「ジャップが可愛い……!?」
日本「んぶッ!? いや、はっ、あ……く、クソガイジン!!」
海外「肯定も否定もできないでとりあえず罵倒してみるジャップが可愛い!!」
日本「ああぁぁぁうるせええぇぇッッ!!!!」
日本「なあガイジン」
大阪「誰がガイジンやねん」
日本「……あれ?」
大阪「海外さんなら隣のクラスだよ」
日本「うっわ、教室間違えた……」
大阪「恥ずかしいだろうねえ。まあ、私しか見てないからいいんじゃない?」
日本「ごめん。まさかこんな時間まで教室に残ってる奴がいるなんて」
大阪「なに軽くディスってんねや喧嘩売っとるんか?」
日本「……」
大阪「なに?」
日本「い、いや……」
日本(い、意識的にやってるのか? それとも咄嗟に方言出ちゃいました、みたいな?)
海外「Heyジャーップ! そこにいるのかいー!?」
大阪「ほら、彼女来たよ。じゃあ私は帰るね」
日本「お、おう……いや彼女ちゃうわ!」
海外「"ちゃうわ"って何だいジャップ?」
大阪「どっちでもええわ喧嘩すんなや」
日本「急にどうした」
大阪「いや、こっちの話。それよりなんで私のところに? 海外さん待ってるんじゃないの」
日本「暇だったから今一番気になる人物の元に来た。ガイジンは職員室に諸手続きがあるんだと」
大阪「待つんだね、やっさしー」
日本「……前から勘違いしているらしいが、俺とあいつには何の関係もないよ」
大阪「へえ? じゃあどうしてあの子のお世話係みたいなことをやっているのかな」
日本「俺が留学を計画してるから。あいつから会話表現を習う代わりに、俺はあいつに日本語を教えてる」
大阪「ふうん、それだけの割には仲いいよね」
日本「……お前、俺達の話がわかるのか?」
大阪「そりゃあ学生の平均程度にはね」
海外『Heyジャップ! お待たせした……あれ、ジャップの彼女?』
日本『いると思うのか』
海外『全然!』
日本『ならよろしい』
大阪『こんにちは、海外さん。私は彼の友達です』
海外「こんにちは!私も、彼の友達です!」
日本「お互いがお互いの言語に合わせるのやめろ。あとどっちも友達じゃなくて知り合いな」
大阪「知り合ってへんわ他人や」
日本「俺より辛辣か!」
海外『?』
日本『くっそめんどくせえなこれ!』
海外「なあジャップ」
日本「…………」
海外「ジャップ? ……なんだ、寝てるのかい?」
日本「…………」
海外「全く! 私の国の電車でそんなに無防備に寝たら、なにされるか分かったものじゃないよ!」
日本「…………」
海外「ジャップー……怒るよ? 抓るよ? 噛むんだよ?」
日本「…………」
海外「…………」
ぷに
海外「へへへ……ジャップのほっぺたやわらかーい……!」
日本(こんな調子で寝れるかこのクソガイジンが……!)
海外「なあジャップ」
日本「どしたよガイジン。というか、お前のクラスのプール掃除、終わったのか?」
海外「なんで日本の学校にはプールがあるんだい?」
日本「無視かよ。……そういえば、確かに他の国じゃ見たことがないな」
大阪「昔から水災大国だからね。それだけ泳ぐことにウェイトを置いていたんだよ」
海外「あ、オバチャン!」
大阪「オバチャンって呼ぶのやめろや」
海外「大阪といえばオバチャンだよ!」
日本「ああもう一気に喋るな俺が訳すから!!」
大阪「明治期から日本は川の氾濫やら津波やらの水災に縁が深かった」
日本「明治期から日本は川の氾濫とか津波なんかの水災に縁があったんだと」
海外「次!」
日本「次だそうです」
大阪「流石にそんくらいわかるわ嘗めとんのか。水災から身を守らせる為に泳法の指導を始めたんだ。今では全国的に海や川が整備されているから、その意義は薄れているんだけどね」
日本「ちょ、ちょっと多いって! えーと、水災から身を守る為の泳法の指導をする為のプールで、今じゃ……」
海外「最初にプールができたのはいつだい? その場所は?」
日本「全部話を聞け!!」
海外「ジャップが怖い……」
大阪「よーしよし海外ちゃん私がいるからねー」
日本「先に話聞かせてくれオバチャン後で訳すから」
大阪「オバチャン言うな言うとるやろ!」
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