友「えっ？」

女「え？」

友「ぷあってなに？」

女「いや、くしゃみのあとにさ。ぷあって」

友「わたし？」

女「くしゃみしたのあんただからね」

友「言ってないよぉ！」

女「言ってたよ。二回とも、きっちり」

友「そんな変な余韻あり得ないもんっ」

女「あったから言ってるんだよなあ」

友「じゃあさ、じゃあさ」

女「うん」

友「くしゃみのあとに「ぷあっ」てなにさ？」

女「そりゃ実際にやったあんたにこっちが聞いているんだよ？」

友「言わないよそんなの、言うわけない」

女「んじゃもう一回やってみよか？」

友「上等だよ。こより作って」

女「ティッシュティッシュ」ｼｭｯ

女「…………」ｺﾈｺﾈﾈｼﾞﾈｼﾞ

女「うい」

友「ほい」

女「いくよ」ｽｯ

友「んあ……」

女「…………」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「あっ、はっ……」

女「…………」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「はっ……ちょ、真顔やめてっ……」

女「…………」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「あ、はっ……で、でるっ」

女「…………」ｽｯ

友「えっ、えっ……へぇっ……」


友「ぶしっ……ぷあっ。ふあ、ぶしっ！」

友「……ぷあっ」

女「言った」

友「ふぇえ？」

女「二回とも欠かさず言った」

友「えー……？　言ったかなあ」

女「ちょっとなんかあざといんだけど。狙ってんの？」

友「あざとくないよお！」

女「あざといわー」

友「なぁいー！」

女「あざといっていうか……」

女「余韻がある時点でおっさんみたい」

友「おっさんじゃないー！」

女「「うぇﾞー」ってやつ」ｸｨ

友「鼻クイってしない！」

友「ちょっとずるいよ！　そっちもやってよ！」

女「ずるいの意味が分からないんだけど」

女「まあいいよ」

友「ほい」ｽｯ

女「ちょっと待って」

友「お？　変な余韻ばれるのが嫌で怖気付いた？」

女「それ以前にあんたが一回使ったそのこより使うのやめて」

友「我が儘だなあ」ｼｭｯ

友「…………」ｺﾈｺﾈ

友「…………花粉症、花粉症～」ﾈｼﾞﾈｼﾞ

女「変なの籠めんのやめて」

友「変なのじゃないよ、呪詛だよ」

女「止めて」

友「できたあ。じゃあいくよー」ｽｯ

女「んっ………」

友「ほーれ、ほーれ」ｺﾁｮｺﾁｮ

女「んっ……あっ……」

友「でろー、でろー」ｺﾁｮｺﾁｮ ｽﾞﾎﾞｯ

女「んがっ！」

友「あ、ごめん」

女「いったぁ……奥入った、下手くそぉ……」

友「ごめんね？」

女「もう自分でやるから貸して」

友「ごめんね……？」

女「許さないから貸してよ」

女「…………」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「…………」ﾜｸﾜｸ

女「…………そんな期待に満ちた眼差ししないでよ」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「喋ってないで鼻ほじるのに集中してよ」

女「言い方がムカつくんだよなぁ」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「…………」ｼﾞｰ

女「…………ふあ」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「おっ？」

女「は、あっ……はぁっ…………」

女「…………ふぅー」

友「落ち着いちゃ駄目でしょおが！」

女「いや出ると思ったんだって、次本番だから」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「次、出なかったら斬首だからね？」

女「重いなあその権利がない分際で」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「次、思わせぶりなくしゃみ損じしたら…………」

女「くしゃみ損じるって……」ｺﾁｮｺﾁｮ

友「…………どぉしようかなー」

女「決めておこうよそこぉいっひ……」

友「おっ？」

女「ひぇ……くしっ、くしっ」

女「へぶしっ！」ｽｯ

友「…………」

女「…………」ｼﾞｰ

友「……ちょっとなんか言ってよそこはー！」

女「…………やばい、鼻水めっちゃでた」

友「えっウソ見せて見せて！」

女「いや、普通にヤだ。マジ止めてホントほんと！」

ｷｬｰｷｬｰﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

女「ふがーー！」ﾁｰﾝ

友「あーあ、ちっちゃなカエル一匹分くらいが……」

女「意味分かんないし、人の鼻水を見て何が楽しい？」ｸﾞｼｸﾞｼ

友「楽しくないよ。女ちゃんのだから興味本位で見たいんだよ」

女「尚更私は嫌だよ」

友「じゃあ改めまして……」ｺﾈｺﾈ

女「待った。なんでもう一つこよりを作る？」

友「検証は二回やらないと意味がないから」ﾈｼﾞﾈｼﾞ

女「こんな時だけ頭良さそうな発言してさあ、腹立つぅ……」

友「じゃあ今度は私がやったげるね」

女「やだよあんた下手なんだもん自分でやるよ」

友「今度は上手くやるからっ」

女「その発言、保証期間だけ無駄に長くて実際の内容役立たずなんだよ。電化製品だったら即返品だよ」

友「正しい使い方してるかどうかで言えば、保証対象外かなあ？」

女「だから自分でやるんだよ」

女「また奥に突っ込んだら怒るからね」

友「二の轍は踏まない主義なのだ」ｺﾁｮｺﾁｮ

女「んっ……」

友「…………」ｺﾁｮｺﾁｮ

女「は、あっ……んぐっ……」

友「…………」ｺﾁｮｺﾁｮ

女「ちょ、真顔ってかマジ顔……あ、は……で、そっ……！」

友「声エロいよ」ｺﾁｮｺﾁｮｺﾁｮ

女「はえっ」ﾊﾞｯ

女「えひっ！　へひっ！　へぶしっ！」

女「ぶしっ！」

友「…………」

女「…………途中変な事言ったでしょ」

友「検証は失敗しました」

女「もう二度とやんない！」

友「怒んないでよぉ。可愛かっただけだからっ」

女「付き合ってやりゃあ私が一方的に恥かいただけじゃん、アホくさ！」

友「結局、くしゃみのあとに変な余韻が付く人間なんて居ないんだよ」

女「いるんだよ、自分の都合のいい方向に事実を挿げ替えるなよ」

友「だからしてないもんっ」

女「じゃあもう一回出してみる？　録音する？　こよりつくるよ？」ｺﾈｺﾈﾈｼﾞﾈｼﾞ

友「上等だよ！　……って言いたいところだけど、なんかやり返されそうな気がするから遠慮する」

女「その人にはやりたい放題やって逃げ腰の姿勢が腹立つんだよぉ！」ｶﾞﾊﾞｯ

友「きゃー！　やだあっ！」

ｷｬｰｷｬｰﾄﾞﾀﾊﾞﾀ


ばぁん！

妹「おねぇちゃんうるさい！」

女「あ」

友「あ」

妹「…………おねぇちゃんが友さんに覆い被さってる……」









妹「おかーさぁん！　おねぇちゃんが友さんをレズレイプしてるー！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

女「違うしお前どこでそんな単語憶えたァ！？」

友「女ちゃんのあの薄っぺらい漫画でしょ？　これこれ」

女「止めろあの本の事だけはお母さんに言うなぁ！」


　　終