上条「インデックスの胸が成長している……」 (30)

禁書SS
地の文なしです

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上条「つ、疲れた……なんでこう毎日毎日事件に巻き込まれるのやら」

上条「やっとのことで家にたどり着きましたよ」

上条「ただいまーっと」

インデックス「と、とうま!? まだダメ……」

上条「え?」ガチャ

インデックス「」

上条「」

上条「あ、お着替え中でしたか。どうも失礼しましたー」

インデックス「……とうまああああっ!」

上条「あぁもう、不幸……」

上条「……だ?」

インデックス「?」

上条「」ポカーン

インデックス「とうま、大丈夫?」

上条「……あぁ、悪かったな。俺はもう寝るよ、おやすみ」

インデックス「う、うん。おやすみなんだよ」

上条「」フラフラ

インデックス「……」

インデックス「……はっ、噛みつき損ねたんだよ。もしかして、これを狙って……?」

上条(眠れねえ……)

上条(どういうことだ、見間違いか?)

上条(インデックスの胸が、以前よりも大きくなっていたような……)

上条(普段は歩く教会を着ているせいで、体のラインがわかりにくいんだよな)

上条(だからってわけじゃないが、これまでは特に気にしてもいなかったのに……)

上条(前に偶然見てしまったときの記憶と比べると、やはり、成長している……ような)

上条(いや、別に不思議なことじゃない。インデックスの年齢は不明だが、成長期前後なのは確実だろう)

上条(女性の胸が成長するのは、第二次性徴期って奴だったか?)

上条(インデックスが健やかに育っている証拠じゃないか。喜ばしいことのはずだ)

上条(なのに……)

上条「……なんだこの複雑な感情は」

上条「……」

上条「ダメだ、落ち着かない。モヤモヤして仕方がない」

上条「誰かに相談するか……」

上条「悪いな、急に電話して」

浜面「いいってことよ。大将にはいつも世話になってるからな」

上条「恩に着るよ」

浜面「で、どうしたよ?」

上条「お前の身近に、胸の小さな女の子はいるか?」

浜面「は?」

上条「その娘の胸がいつの間にか大きくなっていたら、どう思う?」

浜面「何言ってんだお前」

上条「頼む、深刻な悩みなんだ。答えてくれ」

浜面「わ、わかったよ」

浜面(胸の小さな女の子……)

浜面(絹旗だな)

浜面(あいつの胸が大きくなっていたら……)

浜面「……」

浜面「悪くねぇな」

上条「!?」

浜面「確かに、今のあいつも悪くない。むしろ、あれで完成されたひとつの作品のようだとも言える」

浜面「だが、一方でロリ巨乳というアンバランスさも悪くない。個人的な嗜好を言わせてもらえば、そっちの方が好みかもな」

浜面「勘違いするなよ、単に胸があればそれでいいわけじゃない。全体のバランスが大事なんだ」

浜面「ただ、あえてどちらが好きかと問われれば、俺は大きい方が好みだ」

浜面「巨乳の方が、バニーガールの衣装に映えるからな」

上条「なるほど……」

浜面「参考になったか?」

上条「あぁ、ありがとうな」

浜面「それはよかった。じゃあな」

上条「おう」ピッ

上条「……」

上条「そういうことじゃないんだよな」

上条「よう、久しぶり」

一方通行「お前から連絡してくるなンて珍しいじゃねェか。どォした?」

上条「相談がある。聞いてくれ」

一方通行「何だと?」

一方通行(俺にわざわざ頼むということは、科学側……暗部がらみか、あるいは……)

上条「お前の身近に、胸の小さな女の子はいるか?」

一方通行「あァ?」

上条「その娘の胸がいつの間にか大きくなっていたら、どう思う?」

一方通行「ふざけてンのか?」

上条「真面目な話だ」

一方通行「本当だろォな……」

一方通行(胸の小さな女の子……)

一方通行(打ち止めか)

一方通行(あいつの胸が大きくなっていたら、だと……?)

一方通行「……」

一方通行「……そォだな。きっと、喜ンじまうだろォな」

上条「どういう意味だ?」

一方通行「初めて出会ったとき、あいつはまだほンの小さなガキだった」

一方通行「本来なら、大きく育つことができるかどうか……いや、今日まで生きていられるかどうかすら、怪しい境遇だったンだ」

一方通行「そいつがわずかでも成長した姿を見せられちまったら……正直、泣けるぜ」

一方通行「これから先、どンな凶悪な連中が襲ってきても、絶対に守ってやる……その覚悟が、改めて強くなるかもな」

一方通行「だが、成長するということは、自立が始まったということでもある」

一方通行「あのガキだって、いつかは俺の助けを必要としなくなるときがくるかもしれねェ」

一方通行「そのときが近づいていることは、本来なら喜ばしいことなンだろォが……寂しいという感情は、否定できねェな」

上条「なるほど……」

一方通行「参考になったか?」

上条「あぁ、ありがとうな」

一方通行「じゃあな、二度とこンなこと言わせンじゃねェぞ」

上条「おう」ピッ

上条「……」

上条「うーむ」

上条「急に電話して悪いな。今、大丈夫か?」

黒子「前置きはいいですわ。何の用ですの?」

上条「相談があるんだ。女性目線の話も聞いてみたくてな」

黒子「構いませんわ、どうぞ」

上条「お前の身近に、胸の小さな女の子はいるか?」

黒子「……」

上条「その娘の胸がいつの間にか大きくなっていたら、どう思う?」

黒子「ジャッジメントにセクハラとは、いい度胸をしていますわね」

上条「わ、悪い、やっぱまずかったか?」

黒子「……まぁいいですわ。貴方には借りもありますから」

上条「よかった、助かるよ」

黒子「ふむ……」

黒子(胸の小さな女の子……)

黒子(お姉様ですわね)

黒子(お姉様の胸が大きくなっていたら……?)

黒子「……」

黒子「それはそれで悪くはありませんわね」

上条「と言うと?」

黒子「重要なのは、大きさや形状などではないということですわ」

黒子「今のお姉様の慎ましい胸も素晴らしい一品ですし、仮にお姉様が手に収まらないほどのものをお持ちであったとしても、それも私にとっては垂涎ものの一品でしょう」

黒子「また、これから先お姉様の胸が大きく成長したとしても、私の愛が揺らぐことはあり得ませんの」

黒子「それは外見だけの話ではなく、たとえばお姉様が能力を失ったり、何らかのショックで大きく性格が変わったりしてしまったとしても、同じことですわ」

黒子「理由ありきではない、決して打算などでもない、自然と内から湧き出るこの感情。それこそを愛と呼ぶのですわ」

黒子「誰かを好きになるというのは、そういうことではありませんこと?」

上条「なるほど……」

黒子「参考になりまして?」

上条「あぁ、ありがとうな」

黒子「それはよかったですわ。では失礼しますの」

上条「おう」ピッ

上条「……」

上条「あいつすげーな」

上条(浜面にとってのそいつは、女友達、といったところかな)

上条(一方通行にとってのそいつは、保護対象といったところか)

上条(白井にとってのそいつ……つーか御坂は、恋愛対象だよな)

上条(それぞれ、既に関係性がはっきりしている)

上条(だから、胸が大きくなったときの反応も明確だし、それぞれで異なっている)

上条(その娘との関係に準じた反応になるんだ)

上条(じゃあなぜ、俺はこんなに複雑な気持ちになっているのか)

上条(それは、インデックスとの関係がはっきりしていないからだ)

上条(考えたこともなかったな)

上条(俺にとっての、インデックスは……)

prrr

上条「ん……土御門からか」

上条「よう、どうした?」ピッ

土御門「やー、かみやんが悩んでるって聞いてにゃー」

上条「お前まさか、盗聴……」

土御門「まー細かいことは置いといて……かみやん、自分とインデックスとの関係で悩んでるんだって?」

上条「……まぁな」

土御門「ふむ……かみやん、俺とかみやんの関係は何だ?」

上条「ん、まぁ……友達、か?」

土御門「それだけか?」

上条「え?」

土御門「別にそれが悪いわけじゃないが、俺とかみやんの関係は、そんな一言で説明できるほど単純な関係だったか?」

上条「……」

上条「……いや」

上条「俺にとっての土御門は、友達であり、悪友であり、敵であり、味方であり、ライバルであり……」

上条「……憧れでもある」

土御門「ははっ、そこまで言われると照れるが……まぁそういうことだ。人と人との関係なんて、必ずしも一言で表せるものばかりじゃない」

土御門「多重スパイなんてやってる俺は例外としても、大抵の人間にはそれなりに側面って奴があるもんだ」

土御門「人間関係だってそうだ。絶対的に明確な言葉で分類しなければならないわけじゃない。無理に名前を付けても、逆に言葉に縛られることになる」

土御門「女友達、保護対象、恋愛対象……その全てかもしれないし、逆にどれでもないのかもしれない」

土御門「かみやんとインデックスの関係は……いや、人と人との関係ってのは、本来唯一無二のものだ。既存の言葉で説明できなくても、何もおかしくはないと思うぜい?」

上条「……」

上条「そうか、そうだよな」

上条「そもそも、悩むポイントがずれていたんだ。インデックスの胸が成長したのを見て複雑な感情を抱いたってことは、それが今の俺たちの関係ってことなんだ」

上条「無理に当てはめようとするから混乱してしまったんだ。俺とインデックスの関係は、俺とインデックスだけのものなんだよ」

上条「それでいいんだ。どんな関係だろうと、たとえ言葉では言い表せない関係だったとしても、俺がインデックスを大切に思う気持ちは、間違いないんだから」

土御門「参考になったかにゃー?」

上条「あぁ、ありがとう土御門。おかげで悩みも晴れたよ」

土御門「貸しにしとくぜい。じゃあな」

上条「おう」ピッ

上条「……」

上条「よし」

上条「インデックス!」

インデックス「わぁ! どうしたのとうま」

上条「ごめんな、ずっと悩んでたんだな。ずっと苦しんでたんだな。でも、もういいんだ」

インデックス「よくわからないけど、私は大丈夫なんだよ」

上条「いいや、こういうことはちゃんとしとかないとダメだ。決して俺も詳しくはないが、小萌先生……いや、黄泉川先生とかに相談してやるから」

インデックス「う、うん」

上条「だから……」



上条「今度一緒に、ブラジャー買いにいこうな!」

インデックス「」ピシッ

上条「聞いた話だと、成長途中は擦れると痛かったりするっていうしな。もっと早く言ってくれてもよかったんだぞ?」

インデックス「と……」

上条「ん?」

インデックス「とうまのばかああああああっ!」ガブリッ

上条「ぎゃあああああああああああああああ!」



ブラジャーは、後日姫神と一緒に買いに行ったらしい。

インデックス「……とうまは私のこと、どう思ってるんだろう」

姫神「それは。どういう意味?」

インデックス「だって、少しでもそういう目で見ていたら、普通は一緒に下着を買いにいこうなんて……」

姫神「……」



終われ

終わりです
ありがとうございました
上条さんにエンディングはまだ早い

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