頭マクギリスの俺には今週の録画に鉄血がないのが耐えられなかった
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491741835
マクギリス「ふふ……さすがアグニカ・カイエルが残したモビルスーツ。阿頼耶識システムがあるとはいえ、この機動性……この力があればアリアンロッド艦隊相手にも遅れはとるまい……」
マクギリス「しかし、驚いたな。まさかこのバエルには、伝説にすら残っていないシステムが三つも搭載されていたとは……」
マクギリス「ガエリオが思いのほか強く、戦いの最中には確認すらできなかったが、その詳しいシステムを確認してみるとしよう……」
マクギリス「第一のシステム、それは……>>5……?」
周辺のモビルスーツの支配
マクギリス「周辺のMSの支配……だと……? フフ……さすがだ、さすがだバエル! やはりお前こそが俺の求めていた力そのもの!」
マクギリス「……ふむ、だが有効範囲があるのか。さらにその支配したMSの操作は自動ではなく手動……阿頼耶識システムがある分、制御という点は問題ないだろう、しかし、その分私への負担も大きいだろうがな……」
マクギリス「だが、それを有り余ってもこの力は強力だ……改めて、この作戦に協力してくれた鉄華団には感謝しなければならないな……フフ……ハハハッ!!」
ミカヅキ「チョコの人、ここまで聞こえてくるまで笑ってる……うるさいなぁ……」
マクギリス「次のシステムは……>>11か……」
ゼロシステム
マクギリス「なにこれは……Z.E.R.O.System……?」
マクギリス「……”このシステムは、超高度な情報分析と状況予測を行い、毎秒毎瞬無数に計測される予測結果を、阿頼耶識システムを通じ、搭乗者の脳に直接伝達するインターフェース”……?」
マクギリス「つまるところは、戦いの中であらゆる可能性を見せてくれる、ということか……これがあれば、ガエリオの見せたあの謎の力にも、真正面から対抗しうる力となる……」
マクギリス「……だが、その分使用者の負担も大きいようだがな……これを乗りこなしていたアグニカ・カイエルは、私の想像以上に大きな力だったと、というわけか……」
マクギリス「……面白い! 面白いぞバエル!さぁ最後の力はなんだ!俺に見せてくれバエルッ!!」
マクギリス「こ、これは……>>17!?」
全身がVPS装甲とナノラミネートアーマーの重ね掛け
マクギリス「……これは……VPS装甲? ナノラミネートアーマーが塗布されているのは予想のうちだが……ナノラミネートアーマーよりも上位の衝撃干渉が可能な装甲、というわけか……この二つが合わさることにより、敵の攻撃が実弾であれば、ほぼ無効化できる……さらに対G効果も飛躍的に高くなり、単機での大気圏突入も可能……」
マクギリス「……さすがだ! アグニカ・カイエル! これこそが俺の求めていた力だッ! この力があれば、たとえアリアンロッド艦隊が相手だろうと敗北はありえないだろう!」
ミカヅキ(うるさいなぁ……)
セブンスターズ会談後
マクギリス「-という力がこのバエルにはある。セブンスターズの協力が得られないとしても、なんの問題はない。鉄華団と我らの力があれば十分にアリアンロッド艦隊を打ち倒すことができるだろう」
ユージン「…………おい、あんた。今の話を俺たちが信じろって、それ本気で言ってんのか?」
マクギリス「信じるもなにも事実だ。このバエルがあればアリアンロッド艦隊にも勝てる。君たちの火星の王への道はすぐそこにある」
ユージン「……オルガ、今ならまだ間に合うんじゃねーか? この嘘つき野郎についていくことはねぇ。鉄華団はこいつらと手を切ったほうが……」
オルガ「……いや、もうここまで来ちまったんだ。もう引くことはできねェ。たとえ目の前にいるこいつが信じられねぇような大ほら吹きだったとしても……もう、止まれねぇんだ」
「その後、マクギリスファリド率いると鉄華団とアリアンロッド艦隊による全面対決が行われた」
「二倍近くある戦力差のなか、その先陣を切ったのは鉄華団、そしてバエルだった」
「バエルは、そのまるで未来を見据えているかのような圧倒的な機動力、先読み能力で敵の攻撃を搔い潜り、戦場を駆けた」
マクギリス『そうか……! これがゼロシステムの力! そうだ、俺が望む未来は、ただ一つ! この力をもって、ギャラルホルンを、世界を改革する! その未来を見せてみろゼロシステム!』
シノ『……おいおい、なんだよあれ、ミカヅキ以上の化け物かよ……!』
アキヒロ『こいつはついに、悪魔の名は返上かもな、ミカヅキ』
ミカヅキ『……別に、そんな名前、どうでもいいよ。俺は、俺の命令を果たすだけだ』
「もちろん、バエルのみではなく、鉄華団のMSたちも、アリアンロッドとの戦闘において限りない戦果を挙げている」
「……しかし、その行動がかすむほどに、バエルというMSの存在が強すぎたのだ」
「アリアンロッドのMSがいくら束になっても攻撃がかすりもしない、バエル一人のためだけに多数のMSが投入、敵の戦艦からも集中砲火を受け、さすがのバエルであっても被弾が免れない状況はいくつもあった」
「……しかし、バエルは、無傷だった」
マクギリス『これが、VPS装甲か。エネルギーの消費が激しい、とは聞いていたが、エイハブリアクターのエネルギー量ならまだまだいける。さぁ来いアリアンロッド!いくらでも相手をしよう!』
「アリアンロッドの兵は混乱した。悪魔と恐れられたバルバトスをはるかに超えた伝説。戦場を駆けるバエル。それを倒す手段が、一般兵には存在しなかったからだ」
ラスタル『……まさかここまでやるとはな。ただの化石と思っていたが、ただの単騎で兵の指揮が低下するほどとは……ヴィダール、いけるか』
ガエリオ『もちろんだ。俺はそのためにここにいる』
「アリアンロッド側から放たれた刺客、ガンダムキマリスヴィダール。禁断の力、阿頼耶識システムtype-Eを持つガンダムフレーム」
「……しかし、その力をもってしてもバエルには届かなかったのだ」
ガエリオ『……認めたくはない! しかしお前が、アインと同等の禁断の力を持っていることは分かった! でなければその動き、説明がつかん! 一体なにをしたマクギリス!?』
マクギリス『俺は、俺の望む未来を! 掴み取ろうとしているまでだガエリオ! お前を殺した、あの時のように!!』
ガエリオ『……マクギリスゥウウッ!!』
ガエリオ(……たとえ、マクギリスのやつがどれほど規格外の防御力を有していたとしても、キマリスヴィダールの全速力のドリルランスによる突撃なら奴の装甲を貫ける可能性はある……しかしッ!)
ガエリオ(そのような大振りが……今のマクギリスに、当たるわけがッ!)
ガエリオ『……クソッ! マクギリス、俺はァ!』
ラスタル『……ジュリエッタはバルバトスの相手をさせている……これ以上はの損害はやむを得ん。ダインスレイブ隊、前へ!』
「動く戦況。アリアンロッド率いる、ダインスレイブ隊による一斉掃射。無慈悲とも思える攻撃が、誰も知らないところで始まろうとしていた」
「……しかし、その戦況の流れを、ただ一人、察知する者がいた」
マクギリス『……そうだ、それだ。 俺は、それをお前が使うのを待っていたぞ、ラスタル・エリオン!』
マクギリス『ゼロシステムから、お前がダインスレイブを使用する可能性は示唆されていた……そして、その瞬間こそが、貴様が負ける時だ』
ガエリオ『!? おい、どこへいくマクギリス!』
ミカヅキ『……悪いけど、あんたはここで止まっててもらう。ついでに、さっきからうるさいそこの機体もまとめて」
アキヒロ『悪いが俺もだ。団長命令なんでね、死ぬ気で果たさせてもらう』
ガエリオ『……貴様! 俺とマクギリスの邪魔をするなァ!』
「バルバトスとグシオンによる、キマリスとジュリエッタの足止め」
「遥か後方では、配置された敵のダインスレイブ隊の装填作業が始まっている、敵陣の中央を猛然と走る戦艦の姿があった」
「その戦艦にバエルは帰還する」
「その戦艦の名は強襲装甲艦イサリビ、輸送艦ホタルビ……走る戦艦は、鉄華団であった」
オルガ『……いいか、ここが最後の正念場だ』
オルガ『正直夢でもみてるんじゃねーかってぐらいとんでもねぇ状況だが、勝つにはもうこれしかねぇ。そのための布石は、バエルがほとんど打ってくれた』
オルガ『俺たちは、敵のダインスレイブが発射されるよりも前に、できる限り敵の本陣へ突っ込む。そこから、シノのフラウロスでダインスレイブを打ち込む、それで……結果はどうあれ、すべてに蹴りがつく』
シノ『……ったくよぉ。俺のスーパーギャラクシーキャノンが、こんな使われ方をするなんてな。夢にも思わなかったってーの』
マクギリス『それは私も同じだ。さすがの私も、まさかこんなことをすることになるとはな。だがゼロシステムが示した未来では、これこそが俺の望む未来への道だ』
マクギリス『……ゼロシステム、VPS装甲。そしてMSの支配……この三つがあって、初めてこの作戦は成功する』
マクギリス『さぁ、世界の改革を始めよう……』
「バエルとフラウロス。この二機による、最後の作戦」
「それは、ガンダムフラウロスに搭載されたダインスレイブを利用したバエルの高速移動」
「先鋭化された先端を短時間でダメージが極力少なくなるように改造、バエルの神がかり的な対物防御力、エイハブリアクターとVPS装甲による驚異的な対G性能に物を言わせた規格外の射出装置」
「これにより、一瞬で主力艦隊とバエルの距離を詰める」
「これこそが、ゼロシステムが導き出した結論であった」
シノ『行くぜ! スーパーギャラクシーキャノンバエル!発射ァ!!』
ラスタル『……装填と撤退作業はすんだな。……これより、ダインスレイブの一斉射を……』
「ダインスレイブによる、超高速移動」
「人の身であれば、それを制御することなど不可能」
「しかし、彼の機体に積まれたゼロシステムであれば、それは可能であった。スラスターの全力の逆噴射。普通の人間ならば圧殺されるほどのGを、エイハブリアクターとVPS装甲で相殺。ダインスレイブ隊の前に躍り出たのであった。」
オペレーター『……!? バエル! バエルが出現しました! そんな、早すぎる!?』
ラスタル『……かまわん、ダインスレイブを発射させろ!』
オペレータ『は、はい! ダインスレイブ、発射!』
オペレーター『……ダ、ダインスレイブ隊、沈黙……回線、つながりません……」
ラスタル『……なんだと?』
マクギリス『これが、バエルの最後の能力……MSの支配』
マクギリス『今、この瞬間、ダインスレイブ隊の支配は、この俺にある』
マクギリス『これほどの数の支配、そう長くは持たない。難しい操作も不可能だろう。ゼロシステムに加えこの情報量、覚悟していたとはいえ、頭が破裂しそうだ』
マクギリス『……だが、ここまで来たのならば簡単だ。【銃口を、お前に向けて、引き金を打つ】 俺は俺のすべてを使い、これを果たそう』
マクギリス『その身に受けるがいいラスタル・エリオン。 これこそが、改革の一歩だ」
「ラスタル・エリオン、およびイオク・クジャンの戦死……これが、この戦いの結末であった」
アトラ「……って、聞いてるのミカヅキ!」
ミカヅキ「……んあ……ごめん、寝てた」
アトラ「もうミカヅキ! 私頑張って読んだのに!」
ミカヅキ「ごめんアトラ、そんなつもりはなかったんだけど……知ってる話でつい……」
アトラ「もう! ミカヅキには読んであげないんだから!」
ミカヅキ「うーん、それなら後で自分で読んでみる。ありがとうアトラ」
アトラ「……読んではあげないけど、ページなら一緒にめくってあげるから。一緒に読も?」
ミカヅキ「……ありがとう、アトラ」
アカツキ「おとーさんとおかーさん、また仲良くしてる」
クーデリア「ふふ、ミカヅキもなんだか丸くなった気がします。そうは思いませんか? 団長さん」
オルガ「あいつはアトラには昔から弱かったからな。子供ができてさらに弱くなった、ってところだろうな」
オルガ「……ったく、ザックのやつも、こんなの世に発表できるわけねーだろうに、よく書き上げやがったな」
クーデリア「それだけ、彼の眼にはバエルは素晴らしいものに見えたのではありませんか?」
オルガ「……ま、いいところなしだとはしても。こうして記録が残るってのは悪い気はしねーがな」
アカツキ「……オルガ」
オルガ「おー? どうしたアカツキ? パパとママにかまってもらえなくてこっちきたのか?」
アカツキ「ちがう、わからないことあったからききにきた」
オルガ「わからねぇこと? 俺にわかることならなんだって答えてやる。なんだ、言ってみろ」
アカツキ「バエルって、なに?」
オルガ「……バエル、バエルか……いいか、よく覚えておけよアカツキ」
オルガ「バエルってのはな、とにかくヤベェんだ」
終わり
バエルとマクギリスのシーンは死ぬほどどうでもいいけどオルガって呼ぶアカツキをかけたので悔いはないです
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません