長門「…………何?」
提督「馬鹿なことを言ってるのは分かっている、それでも「待て、待て待て!」」
長門「なんだか、どうにも貴方らしくない言葉が聞こえた気がしたんだが」
長門「すまないが、もう一度言ってくれないか?」
長門「その……何になってくれ、と?」
提督「うむ……長門、その……お、俺の……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490970868
提督「俺の抱き枕になってくれっ!」
長門「…………ふうっ、聞き間違いでは無かったか……で、どういうことだ?真面目な貴方らしくないな」
長門「急にその……だ、抱き枕になれ、などと」
提督「あ、ああ、すまない、順に説明しよう」
提督「少し前に実家に帰省をしただろう?」
長門「ええ、やっと提督が少々の不在でも鎮守府を回せる余裕ができたということで、休みを取られましたね」
長門「こちらにお帰りになられたときは、毎日のように作っていた目のクマが無くなった顔を見てホッとしたものです」
長門「さぞかし実家でリフレッシュをすることができたのだろうと」
長門「反面、鎮守府ではそのような安らぎを与えることが出来ないのかと少々歯痒くも思いましたが」
提督「そこなんだよ」
長門「そこ、と言いますと?」
提督「うむ、実家に帰ったことで改めて気づいたことなんだがな」
提督「別に鎮守府にいてリラックスできないとか常にストレスがあるとかじゃなくてだな」
提督「俺はどうやら、生き物を抱かないと安眠できないようなのだ」
長門「…………は?どういうことです?」
提督「俺は実家で犬を飼っているんだがな」
提督「海軍に入るまではそいつを抱いて毎晩一緒に寝ていたんだよ」
提督「それこそ、子供の頃からずっとな」
長門(何と羨ましい……)
提督「で、この間帰省したときも同じようにして寝たんだけど、凄いしっくりきて安眠できたんだよ」
長門「はあ……」
提督「それで弟や妹にも協力してもらって一緒に寝たりした結果」
長門「他人……というか生き物を抱くと安眠できることがわかった、ということですか」
提督「そういうことだ」
提督「だが鎮守府で犬や猫なんぞを飼うわけにもいかないだろう?」
長門「それで艦娘(我々)に白羽の矢を立てたということですか」
提督「それでいいのかとかセクハラだとか色々悩んだんだが、実際本当に眠りが悪いし何やっても改善しなくてなぁ」
提督「睡眠不足で艦隊の運営に支障が出ました、じゃ笑うに笑えんし悔やみきれん」
長門「ふむ、なるほど……しかし、何故私なのですか?」
長門「こういうのもなんですが私のような者よりも他に適任がいると思うのですが」
提督「うーん、そこなんだがなぁ、色々考えたんだよ」
提督「まず駆逐艦は俺が捕まっちまうから全員除外」
長門「まぁ、確かに」
提督「次に金剛みたいな目に見えて俺に秋波を送ってきたりスキンシップが多いタイプ」
提督「これはふと油断したら既成事実を作られそうだから却下」
提督「後、俺に恋愛感情を持たれてるから頼まれてると勘違いさせるのも悪いからな」
提督「お前らを物として見てる訳じゃ無いが、あくまで抱き枕の役目と割り切ってくれる人員が望ましい」
長門「ふむふむ」
提督「青葉みたいなお喋りな奴やうっかり口を滑らせそうな奴、隠し事が苦手な奴もまずい」
提督「そうやって絞って残った何人かの内で、一番秘書艦としての付き合いが長いお前に頼んだというわけだ」
長門「……なるほど、理解はしました」
提督「それにお前は俺に恋愛感情的なのを全然持ってないだろうから一番気楽かなってな」ハハハ
長門「そ、そうか」
長門(くっ!気が無いとかそんな訳無いだろう!確かに全くそぶりを表に出さなかったが、ここまで伝わってなかったとは)
長門(だがそのおかげでこの状況になっているのだから喜んでいいのか悪いのか複雑だな……)
提督「それで……頼まれてはくれないか?」
提督「好きでも無い男と同衾なんて、抵抗があるのは分かってはいるんだ」
提督「変なことはしないなんて言っても信用しにくいだろうし、お前の気持ちを軽んじて勝手なことを言っているのも重々承知してる」
提督「それでも……頼む、結構限界なんだ」
長門「…………ふうっ」
長門「わかった、いいぞ」
提督「本当か?!」
長門「ああ、この長門に二言は無い」
長門「お前のだ、抱き枕になってやろうじゃないか」
提督「おお……長門!ありがとう!」ダキッ!
長門「お、おい、いきなり抱き付くな!」ドキッ
提督「おっとすまん、やっと睡眠不足が解消されると思ったらつい」
提督「じゃあ日が変わる頃になったら俺の所に来てくれ、陸奥にはそれっぽいこと言っておくから」
長門「ああ、わかった」
提督「それじゃあ俺は工廠に行ってくるから、その間の仕事を宜しく」ガチャ
提督「頼んだぞー」バタン
長門「……」
長門「…………」
長門「ッッッ!」///
長門(あまりに真剣に頼んでくるからOKしてしまったが、抱き枕だと!?同衾だと!?)
長門(て、提督に抱かれて一夜を過ごすだと!?)
長門「こっちが寝不足になりそうだ……」
長門「とりあえず……今日は念入りに風呂に入らないといかんな……ね、念の為!あくまで念の為にな!」
長門「万が一変な匂いとかさせて提督眠りを妨げる訳にはいかないからな!別に変な期待はしてないぞ!うむ!」
長門「……はっ!しまった!」
長門「今使っている寝巻を提督に見せる訳にはいかん……寝巻!寝巻を買わなければ!」
長門「こうしてはいられん!急いで酒保に行かねば!寝巻もあったはず!」ガチャ……バタン!
とりあえず書き溜めここまで
次回は長門同衾から
一週間以内にあげられたら……いいなぁ……
長門が終わったら他の娘に抱き枕を頼むか他の○○になってくれネタをやるかは未定
ツッコミ等歓迎するので変な所や違和感あったら教えて下さい
最初の敬語の長門に違和感あったが期待
>>14
確かにちょっとごっちゃになってましたね、気を付けます
駆逐艦は枕にしたいというより枕にされたい
腕とか腹とかに頭を乗せられて昼寝したい
そして痺れた腕を鹿島にマッサージしてもらいたい
長門同衾編投下します
~~23:00、提督私室前~~
長門「つ、遂にこの時が来てしまった……」ドキドキ
長門「恰好は……良し、匂いも大丈夫だな」キョロキョロクンクン
長門「よし、では……戦艦長門、参る!」キリッ
長門「提督、長門です」コンコンコン
<おー、入って来てくれー
長門「失礼する」ガチャ
提督「いらっしゃい長門、よく来てくれたな」
提督「カモミールティー、お前も飲むか?」
長門「い、いただきます」
長門(提督は薄手の浴衣一枚か……ラフに着てるせいで目のやり場に困るな)
提督「長門はパジャマなんだな、よく似合ってるじゃないか、可愛いぞ」
長門「か、可愛っ!?……ゴホン、ありがとうございます」///
提督「さて、すぐに寝るのもなんだし、少しだけ雑談でもしないか?」
長門「ええ、そうですね」
――――――
――――
――
提督「ふむ、そろそろいい時間だし寝るか」
長門(来たっ!)ピクッ
提督「セミダブルだから二人で寝るには少々狭いだろうが、まぁ勘弁してくれ」
長門「服は浴衣なのに寝るのはベッドなのですね」
提督「そこは別にいいだろ、和洋折衷ってことで」
提督「いや、それはちょっと違うか?」ハハハ
提督「よし寝るか、長門はベッドの奥と手前どっちがいい?」
長門「では奥に行かせてもらいます」
長門(先にベッドに入れば背中を向けられるし、大分マシだろう……うっ!?)ゴソゴソ
長門(こ、これは……提督の匂いが……この時点でもう堪らん……)
提督「じゃあ俺もっ、と……早速失礼するぞ」ギュ
長門「ぅひゃうっ!!」ビクッ
提督「んお?」
長門「い、いえ、何でもありません」ドキドキ
提督「何か長門らしくない悲鳴が聞こえたような……?」
長門「な、何でもありません!」///
提督「ん、そうか?じゃあおやすみ」
長門「は、はい、おやすみなさいませ」
長門(うう~~何だこれは何だこれは)
長門(想像以上にガッツリ抱きしめられているじゃないか……!)
長門(前に愛宕達があすなろ抱き(?)とやらの話で盛り上がっているのを見た時は、背中から抱かれるなんぞ大したこと無いだろうと思っていたが)
長門(背中に感じる胸板が、体に回されてる腕が、傍で聞こえる息遣いが)
長門(強い酒のように頭を狂わせてくる……クラクラ、フワフワする……)
長門(正面からでなくて良かった……とても顔を見せられたものじゃない)
長門(もちろん微塵も悪い気はしないがな)
長門(しかし……)
長門(私はこんなにもドキドキしているというのに、提督は何とも思っていないのだろうか)
長門(ベッドに入る時も全く緊張するような素振りも無かったし)
長門(頼まれた時の会話でもそうだったが、私は女性として見られていないのだろうか……)
長門(そう考えると少し虚し……ん?)
長門(一杯一杯で気づかなかったが、とても早い鼓動を二つ感じる)
長門(一つは勿論私だ、そしてもう一つは……提督?)
長門(…………)
長門(ふふ、ふふふふ)
長門(何だ、ちゃんと提督も緊張してくれているんじゃないか)
長門(船であり兵器である自分に『女』を感じてくれている)
長門(そのことが堪らなく嬉しい)
長門(自分がどうしようもなくこの人に惹かれているのだ、ということを強く感じる)
長門(その感覚がとても心地いい)
長門「提督……提督?」
長門(眠ったのだろう、規則正しい寝息が聞こえる)
長門「おやすみなさい、提督」ポソッ
長門(さて、私もどうにかして寝るか)
長門(そして明日からはもう少し提督にアピールでも……ひゃっ!?)ビクッ
長門(て、提督!?ちょっ、抱きしめる力が強く!?足!足も絡んできてる!?)
提督「Zzz……Zzz……」
長門(間違いなく寝ている……よな)
長門(ま、まさか……提督は寝相が悪い?!)
長門(あっ、手っ、腕が動っ、うああ、モゾモゾしないでくれぇ!!)
提督「う、うーん……長、門……Zzz……」モゾモゾ
長門(名前を呼びながらはやめろぉぉぉっ!!)///
――――――
――――
――
<パララパ パパ~(適当な起床ラッパ)
提督「ん……?ふわぁ~……朝か」ノビー
提督「いやーグッスリ眠れたな、ありがとうな長、とぉぉぉ!?」
長門「お……おはようございます……提督……」ゲッソリ
提督「どど、どうしたんだそんなにやつれて!?眼もなんか凄い赤いぞ!?」
長門「大丈夫……大丈夫です……」
提督「んなわけあるか!風邪か!?風邪をひいたのか!?そうなのか長門っ!」ガシッ
長門「提督の(腕の)中で沈むのだ、あの光ではなく。本望……だな」ガクッ
提督「長門!しっかりしろっ!長門!長門ーーっ!」
提督が騒いだことにより複数人の艦娘が私室に駆け付け、結局抱き枕は鎮守府中にバレた
長門編終了
一応後二人分くらいのネタがないわけではないので抱き枕編はつづくかも
抱き枕流行れ
そういえばageてなかった
ちょっとだけ投下
次の艦娘にいくまでの幕間的なものを
金剛「ヘーイ、テートク!一体どういうことネ!」バン!
蒼龍「ベッドで同衾なんてハレンチですよハレンチ!」
加賀「頭にきました」
榛名「添い寝でしたら榛名がいくらでもして差し上げますのに……」
提督「いや、添い寝じゃなくて抱き枕なんだg「なお悪いデース!」……スマン」
瑞凰「そもそも何で長門さんなの!?」
金剛「そうデース!別に私達でもいいはずデース!」
提督(なんでコイツら妙に必死なんだよ?!目も怖えーよ!)
提督「いや、だから、それはさっき説明しただろ?万が一にでも間違いが起こらないように……」
大和「う、うう……」グスッ
提督「や、大和?」
大和「提督はそんなに大和達のことが信用できないんですか?」
大和「眠れずに困っている提督に構わず、自分の欲求を満たそうとする浅ましい艦娘だと」
大和「そうおっしゃるんですか……?」グスグス
提督「あ、いや……そういう訳では無いんだが……」オロオロ
大和「提督……大和は、大和は……うぅ」チラッチラッ
グラーフ(泣き落とし!?しかも泣き真似!?)
金剛(流石大和デスネ、テートクも少しグラついてマース!)
加賀(ここで畳みかければいけそうね)
提督「しかしだな、これはもう長門に頼んでしまっていることだし、そうホイホイ変えるのは……」
長門「別にいいのではないでしょうか」
提督「長門……?」
長門「私が夜間担当の時もありますし、もともと提督も私一人でとはお考えでは無いでしょう?」
提督「確かにそうかもしれないが……」
長門「それに、私としても頻度は週に一度程度でお願いしたいと思っています」
提督「何?そ、そんなに負担だったか?」
長門「いえ……その……あの生殺しを毎晩耐えるのは私としても辛いというか」ゴニョゴニョ
提督「?」
長門「……ゴホン!とりあえず一度くらいはいいのではないでしょうか」
長門「腐っても皆提督の艦娘です、貴方を裏切るような真似をする者は一人としていないでしょう」
提督「長門がそこまで言うなら……まぁ、いいか」
金剛「リアリー!?本当デスカー!?」
提督「ああ、お前たちを信用しよう」
金剛「イヤッフー!ヤッタネー!」ガッツポ
榛名「やりましたねお姉様!」
加賀「流石に気分が高揚します」
提督「じゃあとりあえず、今夜は金剛に頼む」
提督「後の順番は話し合って決めてくれ」
提督「じゃあ俺はちょっと訓練所に行ってくるから、後は頼むな」ガチャ……バタン
金剛「フフフ……早速私の魅力で今夜テートクをメロメロに……」
長門「あー……金剛」
金剛「長門!テートクへの口添えサンキューネー!」
長門「まぁ、その……何というか……頑張れ」ポン
金剛「?」
長門の口添えもあり、他の艦娘達も抱き枕にすることにした提督
提督「Zzz……Zzz……」
金剛「あっ、やっ、テ、テートクゥ……そこは駄目ネ、あっ、あぁ!」///
提督Loveな艦娘達が続々と提督の抱き枕を希望し、同衾を行ったが
榛名「榛名は大丈、ぶぅ!……んんっ、ふわぁ……」///
大和「ふぅ、ふぅ……この程度では大和は沈みま……ひうっ!」///
提督の生殺しテクニック(寝相)の前に
加賀「ッ!ッ!」ビクッビクッ
瑞鳳「格納庫まさぐっちゃりゃめぇぇぇ~」///
次々と轟沈していった
提督「あれだけいた希望者がめっきりいなくなってしまった」
提督「金剛や大和に至っては目を合わせたら真っ赤になって逃げていく始末」
提督「一体どういうことだ……?やはり恥ずかしかったのだろうか?」ウーム
長門(無意識の所業とはいえ全員討死にとは何と恐ろしい……)
提督「仕方が無い、また此方から頭を下げに行くか」ガタッ
長門「!? また被害者を増やすのですか!?」
提督「被害者?」
長門「い、いえ、何でもありません」
提督「まぁ最初にリストアップしてた長門以外の候補者だし、多分大丈夫だろ」
提督「抱き枕のことはもう大分知れ渡ってるし頼みやすくなったのはラッキーだな」
提督「じゃあちょっと行ってくるな」ガチャ……バタン
長門「…………不安だ」
ここまで
次はちょっと間が空くかもしれません
導入部の数レスだけ投下します
提督「後の心当たりはここだけだが……ああ、いたいた」
提督「ここに居たのか、探したぞ赤城」
赤城「ふぁい?」モグモグ
赤城「あっ提督、お疲れ様です」
提督「おう、お疲れ、向かいの席いいか?」
赤城「勿論です、先ほど私を探していたとおっしゃいましたが、出撃ですか?」
提督「いや、赤城に話があってな、個人的なことだから呼び出したら悪いと思って探してたんだ」
赤城「個人的なお話、ですか?」
提督「ああ、そうだ」
提督「早速本題に入るが、赤城……俺の抱き枕になってくれないか?」
赤城「いいですよ」
提督「こういう事を頼むのは……ん?何だって?」
赤城「提督の抱き枕になればいいんですよね?構いませんよ」
提督「お、おう……ありがとう」
赤城「どうしました?」
提督「仮にも男と同衾するってのにアッサリしてるなと思ってな」
提督「自分で言うのもなんだが、少しは葛藤なり動揺なりがあるかと思っていたから」
赤城「そうですか?時々駆逐艦の子達と一緒にお昼寝したりしますし似た感じですよね?」
提督「いや、性別とか結構色々違……」
赤城「それに知らない人とかなら兎も角、提督のことは結構好きですし」
提督「えっ!?お、おう……ありがとう」
赤城「ふふっ、提督、さっきと同じこと言ってますよ」クスクス
提督「じ、じゃあ今夜俺の私室に来てくれ」ガタッ
赤城「分かりました」
提督「ではよろしく頼む……健啖は結構だが、あまり食べすぎるなよ?」スタスタ
赤城「提督っ!……もうっ、失礼ですね……ってあら?」
加賀「……」ジーッ
赤城「加賀さん、いたんですか?声くらいかけてくれればよかったのに……加賀さん?」
加賀「赤城さん……赤城さんなら意識的な意味でも多分大丈夫……でもあの提督相手では……しかし……」ブツブツ
赤城「もしもし加賀さん?加↑賀↓さーん?」
加賀「赤城さん……」
赤城「はい?」
加賀「信じているわ……」カタポン
赤城「?」
短いですけどここまで
ちょっと投稿スレに浮気してたら一週間経ってた
誰も待ってないでしょうが赤城編投下します
赤城「失礼します。赤城、参りました」ガチャ
提督「おう、いらっしゃい」
赤城「へぇ……ほぅ……」キョロキョロ
提督「どうした?そんなにキョロキョロして」
赤城「男性の部屋に入るのって初めてなものですから、ちょっと珍しくて」
提督「男性っても俺しかいないけどな」ハハハ
提督「まぁ座れよ、お前もココア飲むか?」
赤城「いただきます!」
提督「ほら、熱いから気を付けろよ?」
提督(しかし……)チラッ
赤城「あちちち……あ、おいしいですね、これ」コクコク
提督(寝巻が浴衣、いや襦袢か?なのは赤城が初めてだな)
提督(肌蹴たりしないか心配だが大丈夫だろうか)
赤城「そんなに見つめてどうしました?」
提督「えっ、ああいや、ここに来るのは皆パジャマだったからちょっと新鮮で」
提督「赤城は弓道着なんかも着てるしそういう恰好もよく似合ってるな」
赤城「うふふ、ありがとうございます」
赤城「これ、色違いで加賀さんとお揃いなんですよ」ニコニコ
提督「あれ?加賀が俺の所に来た時はパジャマ着てたぞ?」
赤城「え?そうなんですか?私は加賀さんがパジャマを着て寝てるところなんて見たこと無いですけど」
提督「薄い青色のパジャマだったんだが……」
赤城「うーん、あっ、そういえば提督の所へ行った日の翌朝に見たような気がします」
赤城「何だか真っ赤な顔で洗濯をしている所だったので着てる姿ではないですけど」
提督「洗濯?確か加賀の奴、あの時は起きて早々に部屋から飛び出して行ったんだよなぁ……」
提督「寝汗が凄くて恥ずかしかった、とかかね」ウーン
赤城(寝汗……?洗ってたのは下だけだったような……?)
提督「まぁあれこれ詮索しても仕方ないか、良い時間だしそろそろ寝よう」
赤城「そうですね」
赤城「じゃあお先にベッド失礼しますね」ゴソゴソ
赤城「さっ、提督、どうぞ」クルッ
提督「お、おう」
提督(今まで皆後ろ向きだったのに赤城は正面からなんだな)
提督(頼んだ時といい服装といい、なんだか赤城らしいかもな)クスッ
赤城「どうしました?」
提督「いや、なんでもない」
提督「そんじゃ失礼するぞ……っと」ギュ
赤城「んっ……」ピクッ
提督「ん?どうした?苦しかったりするか?」
赤城「いえ、全然大丈夫です……ふふっあったかいですね」
提督「そうだな、あったかいな……じゃあ電気消すな、おやすみ」
赤城「はい、おやすみなさい」
赤城「んん、抱きしめられて眠るというのも中々……提督…………提督?」
提督「Zzz……Zzz……」
赤城「もう寝入ってる……よほどお疲れだったんですね」クスッ
赤城「ふふ……毎日私たちの為にありがとうございます、提督」
赤城(ああ……それにしても暖かいですね……それにこの匂いも、なんだか安心できます……)
赤城(……そういえばこうやって提督に抱き締められるのはMI作戦から帰還したあの時以来かしら)
赤城(運命の5分間を乗り越えて勝利した私たちに「おかえり」といってを涙ながらにしてくれましたっけ)
赤城(加賀さんではないけれど、あの時の気分の高翌揚は忘れられないわね)
赤城(作戦前にも色々と気遣ってくれて、提督には本当に感謝してもしきれませんね)
赤城(……思えばあれから、でしょうか)
赤城(提督を見たり話したりする度に何だかドキドキしたり、モヤモヤしたりするようになったのは)
赤城(一体何なんでしょう、これ)ウーン
赤城(鳳翔さんに相談したら「時が経てばわかるようになるわ」って凄く優しい顔で言われるし)
赤城(一緒にいた加賀さんは物凄く複雑な表情で「そう……」って言ったきりですし)
赤城(龍驤さんに至っては「糸し糸しと言う心ってか?かぁ~、あっついな~」とか意味の分からないことを言うし)
赤城(嫌な気分ではないですけど、分からないのは何だか気持ちが悪いです)
提督「う……ううん……」
赤城(て、提督!?お、起こしちゃったかしら!?)アセアセ
提督「あか、ぎ……Zzz……」
赤城(寝言……?提督、寝言で私の名前を……)ドキドキ
提督「赤城……す……だ……」
赤城(え?)
提督「そのすき、焼きは……俺の……だ……Zzz」
赤城(……もうっ!いくらなんでも人の食べ物を取ったりしませんよっ)
赤城(でも……さっきの寝言……)
赤城(すき焼き……すき…………好き)
赤城(ああ、そうか……)
赤城(これが好きって……『戀』って気持ちなんですね)
赤城(私は提督が好き……うん、しっくりきます)
赤城(加賀さんも……そういうこと、なんでしょうね)
赤城(ふふ、何だかすっきりしました、明日から提督に……あっ!)
赤城(よ、よく考えると私ったら、添い寝なんて、な、なんてはしたないことをっ!)///
赤城(思えばこの格好も!さっきまでのやりとりも!あああ……恥ずかしい!)///
赤城(何が駆逐艦達とのお昼寝ですか!全然違うじゃないですか!)
赤城(意識したら顔を埋めてる提督の厚い胸板が!聞こえる鼓動が!回された逞しい腕が!)
赤城(何て堪らない!よくさっきまで平気でしたね私っ!)
提督「すぅ……すぅ……」
赤城(ふひゃ!て、提督の吐息が……)///
赤城(だ、大丈夫ですよね?私ちゃんとお風呂入ってから来ましたし、臭くないですよね?)
赤城(あああ……もっと早く気づいていれば……こんなことには……)
提督「んん……Zzz……」モゾモゾ
赤城(て、手が動っ!あ、あぁぁぁぁ!?勘弁してくださいぃぃぃ!)///
―――――――
―――――
―――
提督「赤城の奴、寝るまでは全然平気そうだったのに朝になったら加賀みたいに真っ赤になって逃げてっちまった」
提督「それにしても寝起きの赤城の恰好は少々肌蹴た服装も相まってちょっと堪らなかったなぁ」
提督「それはそうと赤城の俺への態度がなんだか今までと違うんだが、どうしてだろうな?」
長門「……知りませんっ!」プイッ
ここまでー
赤城陥落
糸しい糸しいと言う心ってフレーズは初めて聞いたとき凄い感動した
>>5
今更だけど
>提督「それで弟や妹にも協力してもらって一緒に寝たりした結果」
弟妹は翌朝どうなってたんだろ
>>64
弟達は幼い+ある理由で別に何ともなっていません
その理由の方はラスオチでつかおうかなって思ってます
投下します
たぶん抱き枕編ラスト
~~鎮守府某所~~
大和「皆さん、お集まりいただきありがとうございます」
金剛「こんな夜中に召集をかけるなんてどうしたんデース?」
大和「現状打破の為に、ちょっと大事な話をしようと思いまして」
大和「今日は提督の抱き枕の話を聞いて、それを希望・実践した人達を呼んだんですけど……」
大和「その後誰も二回目を希望していないということは……『アレ』の被害にあわれてますよね?」
加賀「っ!///」ビクッ
榛名「あ、『アレ』は正直……大丈夫じゃ、ないです///」
蒼龍「天国でもあり地獄でもあり……生殺しにも程がありますよねぇ、『アレ』は」
大和「とまぁ、私含めて皆さん概ねこのような感想だと思います」
大和「これ以上被害者を増やさない為にも、そして今後私たちが気兼ねなく提督と同衾する為にも」
大和「互いに意見を出し合って対策を練るのが良いと考えまして」
グラーフ「ふむ、それはもっともな話かもしれないな」
長門「ではそれぞれの受けた状況と防止策の意見を出してみようか」
――――――
――――
――
金剛「ウーン……」
蒼龍「こう言うのもなんですけど、パッとした案はありませんねぇ」
千歳「これとかどう?『徹甲弾ブラ等で装甲をアップする』」
瑞鳳「徹甲弾ブラって、前に大和さんが着けてた試作防具とかってやつ?」
大和「あれ固いし重いんですよね……出撃の時だけなら割り切って使えますけど、寝る時とか普段着けは勘弁してほしいです」
長門「皮膚を覆うことは防御的には効果があるかもしれないが、それで提督が寝づらくなってしまっては本末転倒ではないか?」
天城「ではこの『明石さんに触覚が鈍感になる薬を作ってもらう』というのは?」
加賀「そんなものの作れたら明石さんがまず使ってるのでは?」
蒼龍「まだ踏ん切りがついてないけど彼女も中々の提督LOVEですからねー」
グラーフ「それにもし失敗して『溜めてるだけで後から一気にくる』とか『逆に触覚倍増』とかになったりしたら……」
榛名「……!」ブルッ
千歳「そ、それはキツイわね……」
長門「やはり忍耐と精神力を鍛えるしか……そういえば大鳳、さっきからずっと考え込んでいるがどうした?」
大鳳「……話を聞いて考えたんですけど、私たちに足りないのは勇気なんじゃないでしょうか」
大和「勇気?」
金剛「どういうことデース?」
長門「流石に『アレ』を勇気で補うのは無理がないか?」
大鳳「いえ、そういう話ではありません」
大鳳「皆さんの抱き枕の体験談を総合すると、照れがあるのか全員後ろから抱き締められてるんですよ」
榛名「そう言われると確かにそうですね」
大鳳「そうなると必然的に提督の手は私たちの前に回されてしまい」
大鳳「『アレ』の被害が主に胸部装甲近辺になってしまう訳です」
長門「まぁ……そうだな」
大鳳「ならばいっそ、勇気を出して提督の胸に飛び込んだら提督の手はどうなりますか?」
蒼龍「どうって……あっ!」
大鳳「そう!背中にしか『アレ』の被害は及びません!」
大鳳「更に提督の胸に頭をうずめることになるので提督よりも位置が少し低くなりお尻にも手が届きにくくなります!」
大鳳「少しの勇気を出すだけで一石二鳥……いや、三鳥の効果!」
大鳳「如何でしょうか?」
グラーフ「なるほど……素晴らしい案かもしれないな」
千歳「じゃあ今晩早速提督のもとで試そうかしら♪」
金剛「あっ、ズルいデース!ちゃんと順番を決めるネー!」
大鳳「それなら提案をした私が……!」
ザワザワザワザワ……
赤城「話は聞かせてもらいました、皆さんは轟沈します!」ガラッ
金剛「な、なんですっテーっ!?」
蒼龍「どういうことです赤城さん!?」
赤城「それはですね……っていうか、何で私は呼んでくれなかったんですか!」プンプン
大和「す、すいません、ダメージがまだ抜けて無いだろうからそっとしておこうと思いまして」
赤城「その気遣いには感謝しますが腐っても一航戦、何の問題もありません」
加賀「流石赤城さん」
瑞鳳「それで、さっきのはどういうことですか?」
長門「轟沈ということは返り討ちに遭うということだよな?大鳳の案に問題は見られないと思うのだが」
赤城「それが慢心だというのです」
赤城「何故ならば、何を隠そうこの私……昨晩はその大鳳さんの言う方法で寝たのですから!」バーン
榛名「!?」
赤城「確かに前を向いていれば提督の手は背中にしか届きません」
赤城「個人的に色々あってちょっと余裕の無かった私でも耐えることに問題はありませんでした」
赤城「ですが……『アレ』の問題は手だけではなかったんですよ」
天城「と、言いますと……?」
赤城「提督の、膝と言うか太ももが、ですね……その、足の間を、こう、グリッと///」
瑞鳳「あっ(察し)」
金剛「oh……」
赤城「他にも普通に足を絡めたり密着感が凄くて……体の位置も低くなるから余計に……」
長門「それは……なんとも……」
グラーフ「よく頑張ったわね、アカギ」
蒼龍「うーん、そうなると大鳳さんの案も駄目かー」
瑞鳳「そもそもあれって本当に寝てるの?的確過ぎてちょっと怖いんだけど」
天城「そこは間違い無いと思います、そんな方ではありませんし」
榛名「覚悟を決めるしか無い、ということですか」
大和「決して嫌なわけでは無いんですけどね……」
一同「「「はぁ……」」」
長門「……そういえばもういい時間だが今日は誰が寝るんだ?まだ決まって無いぞ?」
一同「「「あっ!」」」
~~提督サイド~~
提督「うーん、今晩頼もうと思ったのに長門の奴何処に行っちまったんだ?」
提督「ってか抱き枕経験者が何処にも見当たらない……」
提督「やっぱり本心では嫌だったんだろうか……だったら悪いことしたな」
提督「仕方ない、今後多少の不眠症くらいは我慢して明日長門達には詫びを……おっ?」
58「あっ提督、お疲れ様でち」
提督「おうゴーヤ、お疲れ」
提督「オリョールの帰りか?いつもすまないな」
提督「全く潜水艦達には苦労をかけてばっかりだ、感謝しかないよ」
58「そんなことないでち、提督はゴーヤ達をちゃんと労わってくれるし、無理もさせないもん」
58「こんな遅くなったのだってノルマ制だからってお昼にちょっとサボったからだし」
提督「んー?上司の前で堂々とサボりを告白たぁいい度胸だなコイツめー!」ワシャワシャ
58「きゃ~♪」
提督「っとと、弄りはこんなもんにしといて、ゴーヤはもう寝るだけか?」
58「そうでちね、もうクタクタだから速攻ベッドでお休みでち」
提督「じゃあゴーヤ、今晩は俺と一緒に寝ないか?」
58「へ?」
~~提督私室~~
58「ゴーヤでもいいんでちか?抱き枕はてっきり空母と戦艦の人だけだと思ってたでち」
提督「本人の希望があれば別にそんなことは無いぞ?駆逐艦は駄目だけど」
提督「潜水艦は……まぁセーフだろ、あの制服でなければな」ハハハ
提督「ほれ、ブランデーと蜂蜜を入りの特性ホットミルクだ、飲みな」コトッ
58「わぁい!いただきまーす!」クピクピ
提督「これ飲んだらさっさと寝るぞ、もういい時間だしな」グビッ
58「はーい……ごちそうさまでち!」
提督「うしっ、じゃあ寝るか、ベッドはこっちな」
58「提督のベッド!ゴーヤ、潜りまーす!」モゾモゾ
提督「こらこら、布団に潜るな潜るな」
58「ぷはぁー!流石に提督のベッドはゴーヤ達のよりフカフカでちねー」
58「あー……とっても気持ちがいい……でち……Zzz……Zzz……」
提督「ゴーヤ……ゴーヤ?」
提督「もう寝たのか、早いな」
提督「よっぽど疲れてたんだな……お疲れ様、ゴーヤ」ナデナデ
提督「さて、俺も寝るか……おやすみなさいっと」ギュッ
58「んんっ……すぅ、すぅ……」
提督「潜水艦だからか、ゴーヤは他の娘より海の匂いがするなぁ……」
提督「今夜もいい夢が見られ……そう、だ……Zzz……」
――――――
――――
――
<パララパ パパ~(適当な起床ラッパ)
提督「ふわぁ~~……んん……よく寝た」
提督「ほら、ゴーヤ、朝だぞ起きろ」ユサユサ
58「ん、んぅ…………てーとく、おはようござい……ふわぁ~~」
提督「ん、おはよう」
提督「さっさと顔洗って着替えて飯行くぞ、飯」
58「はいでち!」ニパッ
伊58が提督の抱き枕から無事生還したことによって鎮守府(主に被害者)には激震が走り、58は一躍尊敬を集める存在となった
そして彼女の「提督の『アレ』?ん~、ベッドに入ったらすぐに寝ちゃったからなんのことか分からないでち!」の一言により『提督よりも先に眠ってしまえばいい』という攻略法が見いだされた
「布団を暖めておく」という名目で先にベッドで眠り、早朝に寝顔を堪能するという手法が生まれたことで、鎮守府(主に被害者)に平和が訪れた
そして今日も
「おはようございます!提督っ!」
「おう、おはよう」
彼は艦娘と共にで朝を迎えるのであった
以上となります
どうにも締めが苦手だなぁ……どなたかアドバイス下さい
とりあえず抱き枕編は終了です
次は別の「○○になってくれ」でやろうと思います
このスレで続けようと思いましたが一旦締めようと思います
このSSまとめへのコメント
これって弟や妹、犬までもがあふぅされてたって事?
↑このオチからすると、提督より先に寝てたんじゃない?
この提督にはさらに精進して、寝た相手を目覚めさせないままアヘ顔腰砕けにする境地に至ってほしい。
いくら寝ててもこんなにまさぐられてたら起きるでしょとマジレス