穂乃果「この前穂乃果見ちゃったんだけど」 (33)

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穂乃果「穂乃果この前見ちゃったんだけどさ」

海未「それは良かったですね。では、私は忙しいので」

穂乃果「ちょ、ちょっと待ってよ。いくらなんでも酷くない?少しくらい興味を持ってよ」

海未「普段の行いが悪いからです」

穂乃果「そんな事言わないでよぉ」

海未「はあ、まったく。それで?何があったのです?」

穂乃果「あのね、この前…雨が降った日にさ絵里ちゃんを見かけてさ」

海未「絵里をですか?」

穂乃果「うん。あの金髪ポニテの元生徒会長ね」

海未「そこまで言わなくてもわかります」

穂乃果「雨が降ってるのにボーッと立ってるの」

海未「はあ」

穂乃果「それでさなんか凄い泣いてるんだよ。もう凄く大きな声でね」

海未「ええ?何があったんですか?」

穂乃果「多分…と言うかほぼ確実なんだけど。捨てられちゃったみたいで」

海未「へ?」

穂乃果「だから捨てられちゃったみたいで雨の中泣いてるんだよ」

海未「どどどどう言う事ですか?それって…男の人にって事ですか?」

穂乃果「え?さ、さあ?男の人かどうかはわからないけど」

海未「え?相手の性別は分からないんですか?」

穂乃果「まあ、会ったことないし…知るわけないよね?」

海未「いや、そうですけど」

穂乃果「でしょ?でも可哀想な事するよね?」

海未「そうですね。私としては複雑ですけど…穂乃果は知ってたんですか?」

穂乃果「え?何を?」

海未「その…そう言う相手が居ると言う事を」

穂乃果「え?そりゃあ…まあ、居るだろうとは思うよ普通」

海未「そうですか」

穂乃果「うん。でもどうしてそんな風になっちゃったんだろうな?」

海未「それは当人同士にしか…」

穂乃果「きっと…ちよっと前までは凄く幸せだったんだと思うんだ…首輪もしててさ」

海見「え?首輪?」

穂乃果「うん。鈴も付いてたかな」

海未「え?それは誰がつけたのでしょうか?」

穂乃果「飼い主でしょ?」

海未「は?」

穂乃果「あっ、違った」

海未「で、ですよね?てっきり絵里が怪しい関係を…」

穂乃果「元飼い主だ」

海未「はあ?ちょっと…え?どう言う事なんですか?元交際相手に貰った首輪を付けて雨の中泣いているのですか絵里は?」

穂乃果「海未ちゃんは何を言ってるの?大丈夫?」

海未「大丈夫ではないです。頭が追いついてないです」

穂乃果「雨の中捨てられて鳴いてるのは猫だよ」

海未「猫?」

穂乃果「そうだよ。絵里ちゃんなわけないじゃん」

海未「ちょっと待ってください。猫がいつ出てきました?」

穂乃果「絵里ちゃんが雨の中立ち尽くしてたって言ったでしょ?」

海未「言いましたけど」

穂乃果「捨てられた猫を見つけて立ち尽くしてたんだよ」

海未「それを先に言ってくださいよ」

穂乃果「言わなかったっけ?」

海未「聞いてません」

穂乃果「ん~まあそう言う事でさ」

海未「ちゃんと話しの道筋を立てて喋ってください」

穂乃果「で、その話を穂乃果も聞いてさ」

海未「え?」

穂乃果「いや、だから…希ちゃんから聞いて穂乃果も飛んで行ったの」

海未「えっと…穂乃果はその場にいなかったのですか?」

穂乃果「うん。だって学校に居たからね」

海未「言ったそばから…」

穂乃果「だって生徒会の仕事があったからさ」

海未「」

海未「もしかして凄く忙しかったあの日ですか?穂乃果が途中で居なくなったことりと二人で仕事をする羽目になった…あの日ですか?」

穂乃果「あっ…だって…希ちゃんが珍しいものが見れるって電話かけて来るから」

海未「それで行ったのですね?」

穂乃果「…はい」

海未「まあ…その件は後でじっくり聞きましょう。で?結局穂乃果はその場に居なかったと?まるで最初からいた様な口ぶりだったのに」

穂乃果「いや、だから希ちゃんから聞いた話をそのまましただけで」

海未「たぶんそのままではないと思いますけどね」

穂乃果「で、でね?あの…希ちゃんに呼ばれてさ」

海未「仕事をしないで」

穂乃果「それは…その…本当にごめんてば」

海未「…」

穂乃果「で、絵里ちゃんどうするのかなって隠れて見えたの」

海未「人が悪いですね。それで?」

穂乃果「あなたも一人なのね…私も1人よ…私達…そっくりねって」

海未「どうせあれでしょう?ドラマとかならそう言う台詞を言うよね!とか言うオチで絵里はそんな事言ってないのでしょう?もう分かってますから。あなたのそのパターンは」

穂乃果「いや…本当に絵里ちゃん言ってたよ?まんま同じ事を言ってたよ」

海未「え?あっ…そうなんですか?」

穂乃果「そうだよ?海未ちゃんも気をつけた方がいいよ?どこで誰が見てるかわからないからね?」

海未「いや…余計なお世話です」

穂乃果「皆んなのハート撃ち抜くゾォ」ボソッ

海未「ちょっ」

穂乃果「あはは、冗談だよ。それでね急ににゃあって大きな声でさぁびっくりしちゃって。一応穂乃果達隠れてるから」

海未「今度こそわかりました。捨て猫と見せかけて凛なのでしょう?凛もそこに居たのでしょう?」

穂乃果「違う違う。近くを歩いてたノラ猫だよ」

海未「ええ?そう来ます?」

穂乃果「勘ぐりすぎだって」

海未「いやどっちにしろですけど」

穂乃果「で、絵里ちゃんその後はどうするのかなぁって思って。ずぶ濡れだしさ」

海未「え?傘をさしてなかったのですか?」

穂乃果「傘は猫ちゃん達にさしてあげてたから」

海未「絵里の好感度が私の中で急上昇なんですけど」

穂乃果「ね!優しいよね。でも出来れば雨が上がる前にさしてあげれば良かったんだけどね」

海未「え?雨が止んでからの話ですか?」

穂乃果「そうだよ」

海未「ま、まあ…絵里が優しいのは変わりませんし」

穂乃果「そうだね」

海未「え?ちょっと待ってください?じゃあなんで絵里はずぶ濡れなんですか?」

穂乃果「それはトラックが絵里ちゃんの横を通ったからだよ。絵里ちゃんは横からの攻撃には弱いんだね」

海未「いや、それは仕方ないのでは?」

穂乃果「で、絵里ちゃんはさちょうど猫のエサを持ってたみたいでさ」

海未「待ってます?ちょうど持ってますか?猫のエサを」

穂乃果「持ってるんだから仕方ないでしょ」

海未「まあ」

穂乃果「で、猫にあげてたんだけどそれを見て花陽ちゃんがお腹すいたって」

海未「え?花陽も居たのですか?花陽はキャットフードを見てお腹空いたと言ったのですか?もはや見境いないですね…」

穂乃果「まあね。花陽ちゃんはお米に目がないからね。おにぎり見たらねそれは」

海未「あっ、おにぎりだったのですね?なぜ猫のエサなどと間際らしい言い方を」

穂乃果「猫ちゃんにあげたんだから猫のエサじゃん」

海未「いやそうですけど」

穂乃果「全く海未ちゃんもそそっかしいね」

海未「どちらにせよ絵里はなぜおにぎりを持っていたのでしょう?」

穂乃果「それが原因で絵里ちゃんは一人で立ち尽くしているんでしょ?」

海未「いや、でしょと言われても知りませんよ。どう言う事ですか?」

穂乃果「だからね、絵里ちゃんは希ちゃんの為におにぎりを作ってきたの」

海未「え?希の為に?」

穂乃果「そうだよ。分かった?」

海未「いえそれでもイマイチですけど」

穂乃果「鈍いなぁ海未ちゃんは。いい?希ちゃんは独り暮らしでしょ?だからお昼ご飯とかコンビニで買ったものが多いんだって。それを見兼ねた絵里ちゃんが希ちゃんの為に早起きしておにぎりを作っきてあげたの」

海未「早起きしておにぎりを?」

穂乃果「そうだよ?なのにお昼休みになったら希ちゃんが手作りのお弁当を食べてたんだって。」

海未「そうなんですか」

穂乃果「うん。希ちゃんが悪いんじゃないのはわかってても絵里ちゃんショックだったみたいで…」


海未「そうなんですか…」

穂乃果「うん。せめて希ちゃんが自分で作ってきたお弁当だったら絵里ちゃんも言い出せたのかもしれないけどね。じぶんはおにぎりであっちはお弁当だもんね」

海未「え?希が自分で作ったのではないのですか?にことか?」

穂乃果「ほんと穂乃果も慣れない事をするもんじゃないよね」

海未「え?」

穂乃果「こないだ希ちゃん家で夕飯をご馳走になったお返しにと思って作ってきたお弁当が二人の仲を引き裂くなんてね。遅刻までして作ったのに」



海未「え?穂乃果が作ったのですか?と言うかそれであの日遅刻したのですか?絵里なんて早起きしてまで作ったのに…おにぎりですが」

穂乃果「そうなんだよね。本当に裏目に出るよね」

海未「遅刻して作ったお弁当に負けるなんて…絵里が報われないじゃないですか」

穂乃果「でもさ絵里ちゃんも言い出せば良かったのにね」

海未「ですから言い出しづらかったのでしょう?先にあなたの手作り弁当を食べているのですから」

穂乃果「いやだって希ちゃんだっておかずだけじゃ嫌でしょ?」

海未「え?」

穂乃果「だからさ、普段お弁当なんか作らないから穂乃果ご飯が入ってる方置いてきちゃったんだよ。二段弁当だから」

海未「あなたって人は…」

穂乃果「そうだね。そりゃあ絵里ちゃんも猫に対してあんなセリフを言うよね?」

海未「それでそこに繋がるのですか?」

穂乃果「うん、そうだよ?」

海未「なのにあなたは隠れて見てたのですか?って言うか希も何をしてるのですか」

穂乃果「だって希ちゃんが面白いからって。捨て猫と絵里ちゃんってなんだか絵になるって。希ちゃんだって本当は絵里ちゃんの様子がおかしいから心配でこっそり後をつけたんだよ?そんな風に言わなくてもいいじゃん」

海未「そ、そうだったのですか」

穂乃果「そうだよ。まあ、結局その場面をケータイで撮ってたらシャッター音でばれちゃってさ」

海未「なぜ撮る必要があるのです」

穂乃果「いや、だからあまりにも絵になるから。ほら」

海未「え?…確かに」

穂乃果「で結局絵里ちゃん顔を真っ赤にして走って行っちゃってさ」

海未「絵里…踏んだり蹴ったりですね」

穂乃果「そのあと猫の飼い主を探したりして大変だったんだから」

海未「見つかったのですか?」

穂乃果「うん。なんとかね飼いたいって人が見つかって」

海未「それは良かったです。それで?穂乃果は何を見たのですか?」

穂乃果「さっき絵里ちゃんが歩いてるのを見かけたんだけど…どうしよう?まだ落ち込んでるんだよ。ねえ?どうしよう?」

海未「わ、私に聞かないで下さい」

穂乃果「海未ちゃん穂乃果の事を捨てないでぇ」

2

絵里「……」

ガチャ

海未「ごきげんよう」

絵里「……」

海未「絵里?」

絵里「…ああ…海未じゃない」

海未「どうしたのですか?元気がないようですが」

絵里「別に…私が勝手に張り切って…私が勝手に落ち込んで…私が勝手に恥じをかいただけ…全て私が勝手にやった事よ…」

海未「そうなのですか?それでも話す事によって少しは気も紛れるかもしれませんし…私でよければ話しを聞きますよ?」

絵里「本当に?」

海未「ええ。本当です」

絵里「いえ…でも、やっぱりやめとくわ。きっと迷惑かけるし…」

海未「絵里に迷惑を掛けられるなんて私にとっては名誉ですよ?友達なんだすから」

絵里「そう?」

海未「ええ」

絵里「あのね、希の事なんだけど…」

海未「希?」

絵里「私達って昼休みに一緒に過ごす事が多いの」

海未「はい」

絵里「最近だとにこも一緒にお昼を食べるんだけど…にこはやっぱりあれでしっかりしてるから自分で作ったお弁当を持って来るの。でも、希は一人暮らしでしょ?コンビニで買ってきた物とかが多いのよね」

海未「はい」

絵里「私なんて亜里沙にお弁当を持たせてあげないと可哀想だし…やっぱりお弁当を作るの」

海未「そうなんですね」

絵里「だからどうせなら希の分もと思っておにぎりくらいならと思って…なんだか友達に作って行くのなんて初めてだったからはりきって早起きしちゃってね。バカよね?おにぎりくらいで…」

海未「…」

絵里「でもそう言うの初めてだったから希が喜んでくれるかなって」

海未「はい」

絵里「昼休みになって先生に呼ばれちゃって少し遅れて臨み達の所に行ったの。そしたらね、誰かが希の為にお弁当を作ってあげたみたいで……私も作ったって言えばそれで良かったんだけど遠目に見ても私の作ったおにぎりより豪華だったし…なにより私まで持っていったら希の為に作ってくれた子がいい気はしないんじゃと思って」

絵里「そんな事を考えてたら昼休みも終わっちゃって授業中もなんか身が入らなくて…」

海未「…」

絵里「なんかだんだん悲しくなってきちゃってね。一人になりたくって練習もないから一人で帰ったの。希に声を掛けられる前に」

海未「絵里…」

絵里「下校途中に捨て猫が居て…可哀想にって…そしたら段々と感情移入しちゃってね。私も希に置いていかれちゃうんじゃないかって」

海未「そんな事」

絵里「わかってる。そんな事は絶対に希はしないって」

絵里「でもね思わず猫に向かって変な事を言っちゃって…それを希や穂乃果達が見てて…恥ずかしくって思わず希や穂乃果達につらく当たっちゃったの。おにぎりの事とかも…誰も悪くないのに。悪いのは私なのに…」

海未「なるほど」

絵里「私最低よね」

海未「全く…面倒な人ですね」

絵里「え?」

海未「面倒な性格をしてると言ってるのですよ」

絵里「そう…よね」

海未「でも絵里のそう言う面倒なところが私は大好きです。ですよね希?」

希「えりち…ごめんな?気がつかなかって」

絵里「希…」

穂乃果「絵里ちゃんごめん。穂乃果が余計な事をしたから」

絵里「穂乃果?余計な事って?」

希「あのお弁当は穂乃果ちゃんがお礼に作ってくれたんよ」

絵里「そうだったの」

穂乃果「うん。あの…ごめんね」

絵里「ううん。穂乃果は悪くないわ。悪いのは私よ」

希「そうよ。えりちが悪いんよ」

穂乃果「希ちゃん?」

希「ウチのえりちにの間に遠慮なんかいらないのに。おかげでウチも…寂しかったやん」

絵里「希…ごめんなさい」

希「そしたら…明日おにぎりを作ってきてくれたら許してあげる」

絵里「希…うん。使ってくるわ」

希「ふふっ、楽しみにしとるよ?」

絵里「ええ」

希「海未ちゃんもありがとな?一肌脱いでくれて」

海未「いえ。こう言う時はお互い様ですから。まあ、しいて言うなら私も絵里の作ったおにぎりが食べたいですね」

穂乃果「じゃあ、穂乃果も!」

海未「調子がいいですね」

穂乃果「いやぁ」

希「でも、本当にありがとう」

















凛「……」

海未「ところで凛は何を謝りたかっんですか?」

凛「凛が写真を撮って絵里ちゃんにバレなかったらあそこまで大事にならなかったかなって」

海未「やっぱり凛も居たんじゃないですか」



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