かばん「ひざまくら」 (25)

けものフレンズの百合 短いです
内容は次から

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サーバル「それでね、そのときに……」

かばん「あははっ。サーバルちゃんらしいなぁ」

サーバル「えぇー。そんなことないよっ」

かばん「ふふ、ごめんね。でもちょっとおかしくって」

サーバル「むー……」

かばん「サーバルちゃん、許してくれないかな」

サーバル「……えへへ、もちろん許してあげるよ」

かばん「ありがとう、サーバルちゃん」

キィィィィィ

サーバル「……あれ?バス、止まっちゃった」

かばん「ほんとだ。ラッキーさん?」

ボス「コノ辺デ、休憩スルヨ。長イ時間乗リ続ケルノモ、ヨクナイカラネ」

かばん「わかりました。サーバルちゃん、ここでひと休みしよう」

サーバル「うん、わかったー」

かばん「……そう言えば、サーバルちゃん。お腹空かない?」

サーバル「ちょっと空いたかなぁ。かばんちゃん、お腹空いちゃった?」

かばん「今日は何だかやけにお腹減っちゃって……」

サーバル「じゃあ、ごはん探してくるね」

かばん「いつもありがとう、サーバルちゃん」

サーバル「いいのいいの。これも私ができることだもん」

サーバル「そのかわり、バスをお願いね」

かばん「ボクにできること、だからね。任せて」

サーバル「よーし、行ってくるねー!」

かばん「いってらっしゃい。気をつけてね」

かばん「……ふぅ。それじゃボクはどうしようかな」

かばん(今のやり取り、何かよかったな……。どうしてかはわからないけど)

かばん「とりあえずサーバルちゃんが帰ってくるまで、ボクがここを……」

ボス「ココハボクガ管理シテルカラ、大丈夫ダヨ」

かばん「あ、そ、そうですか……」

ボス「モシスルコトガナイノナラ、ソコノ丘ニ登ッテミルトイイヨ」

かばん「丘……?でも、サーバルちゃんに黙って出るのも……」

ボス「ココカラデモ見エル位置ダカラ、大丈夫ダヨ」

かばん「そ、それなら行ってみますね」

ボス「少シ勾配ガアルカラ、足元ニ気ヲツケテネ」

かばん「はぁ、はぁ……。ふぅ、やっとついた……」

かばん「ラッキーさん、どうしてボクにここに行ってみたらなんて……」

かばん「特に何かがあるわけでもないみたいだし……」

かばん「あとはここからの景色くらいしかっ……!」

かばん「……うわぁ、すごい。すごいよっ!」

サーバル「おーい!かばんちゃーん!」

かばん「……あ、サーバルちゃん!」

サーバル「ふへぇ……。ここ、結構大変だね……」

かばん「あはは……。だねぇ……」

サーバル「もう、1人でいなくならないでよ。びっくりするじゃん!」

かばん「ご、ごめんね。ラッキーさんにバスは大丈夫だから登ってみたらって言われて」

サーバル「……すぐ近くの目に入るところだったからいいけど」

サーバル「でも、ボスはどうしてかばんちゃんにここを?」

かばん「多分だけど、ここからの眺めがすごくいいからじゃないかな。ほら、見て」

サーバル「わ……!すごい、すっごーい!」

かばん「すごいよね。どこまでも、ずっとずっと向こうまで草原が広がってて」

サーバル「こんなところもあるんだねー!」

かばん「ここに登るのはちょっと疲れちゃったけど、ひと休みするにはいいところじゃないかな」

サーバル「うんっ。あ、そうだ、これかばんちゃんの分ね」

かばん「あ、ありがとう。ここのジャパリまんは緑色なんだね」

サーバル「じゃ、食べよっか」

かばん「あむ……」

サーバル「んー、おいしー」

かばん「眺めのいいところで食べるといつもよりおいしいね」

サーバル「んぐ……。そうかも、アルパカのところで飲んだこうちゃ?もおいしかったし」

サーバル「こうちゃを飲んだのはあれが初めてだったけどね」

かばん「ボクはトキさんとこんな風に眺めのいいところで一緒にジャパリまんを食べたなぁ」

サーバル「えー?何それ、ずるいよー」

かばん「あのときみたいに、眺めのいいところで食べるジャパリまんはいつもよりおいしい気がするよ」

サーバル「……もぐっ」

サーバル「……うん、そうかも。いつも食べてるジャパリまんよりおいしい、気がする」

サーバル「でも私は、かばんちゃんと一緒にここで食べたからだと思うよ」

かばん「そっか。そうだったとしたら嬉しいな」

サーバル「かばんちゃんは違うの?」

かばん「ううん、そんなことないよ。ボクもサーバルちゃんと一緒がいい」

サーバル「よかったー。私だけかと思っちゃったよ」

かばん「ふー。お腹いっぱいだね」

サーバル「ごはん食べたし、どうしよっか。バスに戻る?」

かばん「せっかくだから、もうちょっとここでゆっくりしていこうよ」

かばん「時間になったらラッキーさんが呼びにきてくれるはずだし」

サーバル「何もしないでぼーっとしてるってこと?」

かばん「うん。サーバルちゃんは嫌だった?」

サーバル「そうだねー……。私、あんまりじっとしてるのは得意じゃないかな」

サーバル「……でも、かばんちゃんとならゆっくり過ごすのもいいかも」

かばん「そうなの?」

サーバル「私1人だったり、一緒にいるのが他の誰かだったりしたら、きっともうここから動いてるだろうけど」

サーバル「隣にいるのがかばんちゃんだから、一緒にいようって思うんだ」

かばん「サーバルちゃん……」

サーバル「ねぇ、もっとくっついてもいい……?」

かばん「……いいよ。おいで」

サーバル「えへ、ありがと、じゃ、いくね……」

かばん「……肩、くっついちゃったね」

サーバル「何だかドキドキしちゃう……。かばんちゃんとくっついてるからかな……」

サーバル「ちょっとだけ苦しいかもだけど、かばんちゃんから離れたくはないんだ……」

かばん「……こういうのって、いいな。サーバルちゃんとすごく仲良しになったみたいで」

サーバル「私は、かばんちゃんともっともっと仲良くなりたいな」

かばん「うーん……。あ、それじゃあボクの膝に頭乗せて寝転んでみて」

サーバル「んと、こう、だよね……」

かばん「どうかな……?」

サーバル「うまく言えないけど、いいかも……」

サーバル「目の前にかばんちゃんがいて、すっごく近くて、全部かばんちゃんになったみたいで……」

かばん「これはね、ひざまくらっていうの。ボクたちみたいに特別仲良し同士ですることなんだ」

サーバル「へぇー……。でも、どうして仲良しだとこうするの?」

かばん「ボクも詳しいことまでは……。だけど、こうして好きな人に触れられるから、かもね」

サーバル「あっ……」

かばん「ほら、ごろごろー」

サーバル「ん、にゃ……。かばんちゃ……」

かばん「サーバルちゃん、喉撫でられるの好きだもんね。気持ちよさそうな顔してるよ」

サーバル「そっ、そう……?」

かばん「一緒に耳も撫でてあげるねー」

サーバル「うみゃぁ……。一緒に撫でちゃダメだよぅ……」

かばん「ふふっ。サーバルちゃん、可愛い」

サーバル「そう言ってくれるのは嬉しい、けどっ……」

サーバル「……こ、これ以上はダメっ!気持ちよすぎて目が回っちゃうよ!」

かばん「あ、ご、ごめんね。あんまりにも可愛くてつい……」

サーバル「もうっ。ひどいよー」

サーバル「……でも、嫌じゃないかな。喉撫でられるのも、耳触られるのも」

サーバル「それに、こんなことさせるのはかばんちゃんにだけなんだから……」

かばん「……ボクだって、サーバルちゃんだけだよ。こんな風に触っちゃうのは」

サーバル「わ……」

かばん「サーバルちゃんのほっぺた、柔らかい……」

サーバル「んにぇ……」

かばん「……素敵だね。誰もいない原っぱの丘で、サーバルちゃんと2人きりで」

サーバル「何だか、不思議な気分……。体の奥がぐるぐるして、ふわふわして……」

サーバル「さっきみたいに撫でられてるわけじゃなく、ただほっぺた触られてるだけなのにものすごくドキドキしてる……」

かばん「ボクも……。きっと近くに誰かがいたとしても、気づけないんじゃないかな……」

サーバル「ちょっと変かもだけど、とっても嬉しいな……」

かばん「ねぇ、サーバルちゃん……」

サーバル「なぁに、かばん、っ……!」

かばん「……っはぁ」

サーバル「かばん、ちゃん。今……」

かばん「ごめんね。いきなりこんなことして」

サーバル「気にしないで、嫌だったわけじゃないから。むしろ、すっごく嬉しかった……」

かばん「……よかった」

サーバル「こういうとき何を言えばいいのかってわからなくて。だから、私の気持ちをそのまま言うね」

サーバル「……好きだよ、かばんちゃん」

かばん「……ありがとう。ボクも、好きだよっ」

サーバル「わかってるよー。そうじゃなければあんな思いっきりちゅーってしないだろうし」

かばん「……さすがに、わかっちゃうよね。プレーリーさんのとは違うって」

サーバル「感じ方が全然違うから。あれとは別だってすぐ気付いたよ」

かばん「サーバルちゃんが可愛くて、愛しくて、我慢できなくなっちゃった」

サーバル「そ、そうまっすぐ言われると照れちゃうな……」

サーバル「……でもこれで私たち、好き同士なんだよね」

かばん「うん……」

サーバル「……な、何したらいいのかな。もう1回ちゅーってする?」

かばん「それもいいけど、ボクはこうやってサーバルちゃんと触れていたいな」

サーバル「それでいいの?」

かばん「ちゅーってしたくないわけじゃないよ。でも、それだけじゃなくて」

かばん「こうして一緒にいて、お話をして、同じ景色を見て、触れ合って……」

かばん「そういうことも好き同士には必要なことなんじゃないかなって、ボクは思うんだ」

サーバル「そうなのかな……?よくわからないね」

かばん「あはは……。ボクも何となくそんな気がするってだけなんだ」

サーバル「そっかー……」

かばん「……でも、サーバルちゃんと一緒ならそれはそれでいいかもしれないね」

サーバル「ときどきちゅーってしてくれる?」

かばん「うん……。さっき言った好きって言葉、言い直させて」

かばん「……サーバルちゃん、大好きだよ」

サーバル「えへ……。私もだーいすきっ」

ボス「ココニイタンダネ、探シタヨ」

かばん「あ、ラッキーさん。迎えにきてくれたんですか?」

ボス「ナカナカ戻ッテコナイカラネ。ソロソロ出発シヨウ」

かばん「はい。じゃあ戻ろっか」

サーバル「えーっ。まだこうしてたいのにー」

かばん「してほしくなったら、いつでもしてあげるから」

サーバル「ほんと?わーい、嬉しいな」

ボス「ナンダカ今マデヨリ仲良クナッタミタイダネ」

かばん「そう、ですね。ちょっとありましたから」

サーバル「かばんちゃんのこと、もっと、もーっと好きになったよ!」

ボス「フレンズト仲良クナルノハ、イイコトダヨ。ソレジャ、戻ロウカ」

かばん「……さぁ、行こう。サーバルちゃんっ!」

サーバル「うんっ!」

これでおしまいです。特に繋がってない前作
かばん「とくべつ」
かばん「とくべつ」 - SSまとめ速報
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けもレズ百合SSふえろ

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