かばん「とくべつ」 (20)

けものフレンズの百合 短いです
内容は次から

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かばん「……」

サーバル「えへへー」

かばん「……え、えぇと」

サーバル「へへー」

かばん「うぅ……」

かばん(な、何だろう。最近、サーバルちゃんがものすごく近いような……)

かばん(近いっていうか、今までにないくらいくっついてくるっていう感じで……)

サーバル「かばんちゃん?」

かばん「……え、あ、何、かな」

サーバル「ううん、何でもないんだけど。ただ、ぼんやりしてたみたいだから」

かばん「あ、あはは……。考え事、かな」

サーバル「考え事?」

かばん「う、うん。今日は特に何もないなって」

サーバル「ずっとバスに乗ってるだけだもんねー。体なまっちゃうよー」

サーバル「……あ、でもこうしてかばんちゃんと一緒にいられるのは嬉しいかな」

かばん「ひゃ……」

かばん(こ、今度は腕に抱きつかれちゃった……!)

かばん(抱き着かれたというより、何だか全身を擦りつけられてるみたい……)

かばん(ほ、ほんとにどうしちゃったんだろう、サーバルちゃん……)

サーバル「えへへー」

かばん(う、腕に抱きつかれたせいかさっきよりもはっきりとサーバルちゃんのことが……)

かばん(あったかくて、柔らかくて、フワフワしてるみたいで……)

かばん(これがサーバルちゃんの体だって思うと……)

かばん(……なな、何考えてるの、ボクはっ!)

サーバル「ねー、かばんちゃーん」

かばん「は、はいっ!?」

サーバル「……あははっ。今、すごい声したー!」

かばん「も、もう……」

サーバル「それに声だけじゃなくて、顔もぐるぐるしてるよー?」

かばん「だ、大丈夫。自分でもわかってるから……」

サーバル「どうしちゃったの?どこか、体の調子が悪いとか?」

かばん「そういうわけ、じゃ……」

かばん(今、ドキドキしちゃってるのが異常って言うのなら、そうなのかも……)

かばん(……ボク、何でこんなにもドキドキしちゃってるんだろう)

かばん(サーバルちゃんが近くて、ただ今までよりくっつかれてるってだけなのに……)

サーバル「じゃあ、他に何かそうなっちゃうことがあるの?」

かばん(素直に聞いた方がいいよね……?この先もずっと続くかもしれないし……)

かばん「えっと、サーバルちゃんが、なんていうか、その……」

かばん「体を寄せて、くっついてきて、擦りつけてるような気がしてるんだけど……」

サーバル「あぁー」

かばん「も、もしボクの勘違いだったらごめんね。でも、もしかしてって……」

サーバル「ううん、大丈夫だよ。勘違いなんかじゃないから!」

かばん「か、勘違いじゃない……?」

サーバル「そうだよ?」

かばん「じ、じゃあどうして……」

サーバル「んー、どう言えばいいんだろう。うまく言えないなぁ……」

サーバル「ただ、私にとってかばんちゃんは特別で、大事で、1番で」

サーバル「仲間とか、友達よりも、もっと大切な何かって感じがするの」

かばん「もっと大切な何か……?それって、も、もしかして……」

サーバル「かばんちゃん、知ってるの?」

かばん「……知ってるわけじゃない、かな。ただ、何となくわかる気がするんだ」

かばん「友達や、仲間よりもっと特別で、素敵な関係があるって」

サーバル「うーん……。仲間、友達よりももっと、ってことだよね……」

サーバル「……確か動物だったころだと『つがい』って呼ばれてたような」

かばん「それとはちょっと違う、かな……。似てるとは思うけど……」

サーバル「そっかぁー……」

かばん「……サーバルちゃんがボクに思いっきりくっついてきてるのは、ボクがその特別な何かだから?」

サーバル「うんっ。こうしてるとすっごくいい気分なんだー」

サーバル「できるならずっとこうしていたいなぁ」

かばん「あ、あはは……」

かばん(サーバルちゃんが、くっついてくる理由……。ボクを大切な何かって感じがしたってことだけど)

かばん(そう感じたってことは、サーバルちゃんはボクを特別な何かとして見てるってことなんだよね……)

かばん(別に嫌って気持ちはないし、むしろサーバルちゃんとなら、なんてことさえ思っちゃって……)

サーバル「えっと、これはちゃんとしっかりはっきり言った方がいいかなぁ」

かばん「な、何かな……?」

サーバル「あのね、かばんちゃん。もし、よかったら私の特別な何かに……」

かばん「へっ……?」

サーバル「……私とそういう特別な仲の、つがいになってくれない、かな?」

かばん「……ありがとう。ボク、とっても嬉しいよ」

かばん「でも、サーバルちゃんはそれでいいの……?」

サーバル「もちろんだよ。どうして?」

かばん「だって、その、ボクたち女の子同士だし、種族というか種類が違うし……」

かばん「サーバルちゃんみたいにツメがあるわけじゃないし、自分1人じゃ身を守ることもできなくて……」

サーバル「そんなこと気にしないよ。女の子同士も、違う種類も、動物だったころはダメだったかもしれないけど」

サーバル「フレンズになった今なら、そんなルールはないからね!」

サーバル「それに、つがいなら私がかばんちゃんのことを守ってあげられるよ」

かばん「サーバルちゃん……」

サーバル「私、かばんちゃんとそうなりたいって、すっごく思ってるんだ……」

サーバル「だから、かばんちゃん。私と、つがいになってくれる……?」

かばん「……うん。ボクでよければ、喜んで」

サーバル「……ぃやったー!かばんちゃんとつがいになれたーっ!」

かばん「ちょ、声大きいよ!誰かいたら聞かれちゃう!」

サーバル「だってずっと我慢してたんだもん。きっとかばんちゃんは断るだろうなーって」

サーバル「だからこうなれたのがとってもとっても嬉しいんだよーっ!」

かばん「そ、そりゃボクだって嬉しいけど……」

サーバル「……つがいになったことだし、もう我慢しなくてもいいよね」

かばん「え、えっ?サーバルちゃん、何を……」

サーバル「かーばーんーちゃーん!ぎゅーっ!」

かばん「わあ!?」

サーバル「えへ、思ったとおり。かばんちゃんってやわらかーい」

かばん「むぐ……。さ、サーバルちゃんだっておっきくて、フワフワで……」

サーバル「それにあったかくて、何だかあまーい匂いがするよ」

かばん「うえっ!?だだだ、ダメだよっ!」

サーバル「大丈夫だって、私しかいないんだから」

かばん「そういうことじゃなく、てっ!?」

サーバル「……」

かばん「え、えっと……」

サーバル「……何だか、あのときみたいになっちゃったね」

かばん「あのとき……?」

サーバル「ほら。私たちが初めて会ったとき」

かばん「あぁ……。あのときもこんな風にサーバルちゃんに押し倒されたっけ」

サーバル「うん……」

かばん「……ボク、サーバルちゃんと出会えてよかった」

サーバル「私も……。私も、かばんちゃんと出会って、仲良くなって、つがいになれて嬉しいよ」

かばん「サーバル、ちゃん……」

サーバル「かばんちゃんっ……」

ボス「2人トモ、今日ハコノ辺リデ……」

サーバル「あ」

かばん「あっ……」

ボス「……ア、アワワ、アワワワワ」

サーバル「ありゃー。ボス、また固まっちゃった」

かばん「あ、あはは……。そうだね……」

かばん「……ってそうじゃなくて、ラッキーさんに見られちゃったよ!?」

サーバル「大丈夫だよ、細かいことは気にしなくても」

かばん「細かいこと、かなぁ……?」

サーバル「それよりもほら、行くよっ!」

かばん「えっ?ど、どこに?」

サーバル「今日のごはん探し!せっかくつがいになったんだから、一緒にっ!」

かばん「ぼ、ボクも一緒でいいの?」

サーバル「もちろん!どんなときだって2人一緒なんだから!」

かばん「……うん。行こう、サーバルちゃん!」

かばん(サーバルちゃんとつがいになって何が変わったのか、今はまだわからないけど)

かばん(でもきっと、この気持ちも関係も、素敵なものだと思うから……)

サーバル「よーし、ごはん探しにしゅっぱーつ!」

かばん「さ、サーバルちゃん。そんなにくっつかれたら歩きにくいよーっ」

サーバル「えへへー」



ボス「アワワ、アワ、アワワワワ……」

これでおしまいです。特に繋がってない前作
かばん「はじめての気持ち」
かばん「はじめての気持ち」 - SSまとめ速報
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