メリー『あれ 横浜に住んでるんじゃなかったっけ?』
男「そうだけど 長期休暇で旅行中だよ」
メリー『いつ帰ってくるの?』
男「しばらくいようかと」
メリー『ええー…こまるんだけどなぁ…』
男「そういわれてもなぁ」
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メリー『もしもし わたしメリーさん 今迷ってるの…』
男「まだ横浜駅?どこいきたいの?」
メリー『ワイキャットってところ!」
男「ああ、YCAT?、確か東口のスカイビルの中だったような」
メリー『スカイビル…?』
男「そう」
メリー『…』
男「どうしたの?」
メリー「え?な、なんでもない」
メリー『私メリーさん、わいきゃっといけた!』
男「よかったね」
メリー『あ、バスきたから切るね!』
男「バスじゃ電話しないんだ えらいな」
メリー『えへへ』
ピロロン
男「LINEだ…え、メリーさん…?」
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メリー『私メリーさん 羽田空港ついた!』
男「え、もしかしていまから沖縄くるつもり?」
メリー『うん!』
男「なんかテンションあがってるなぁ、酔いはもう平気?ひどかったら薬のみなよ」
メリー「うん、もう大丈夫、飛行機はじめてだから楽しみになってきた」
メリー『もしもし…私メリーさん…』
男「あれ どうしたの?」
メリー『チケットが高い…』
男「事前予約だと少しは安いけど、当日はねー…」
メリー『ううう…』
男「あきらめて帰ったら?」
メリー『やだ…いく』
メリー『もしもし、わたしメリーさん!手続きおわった!』
男「はいはい、よくできたねーえらいえらい」
メリー『こどもあつかいするな!』
メリー『もしもし、わたしメリーさん』
男「はいはい、こんどはなに?」
メリー『おなかすいた』
男「なんか食べたらいいじゃん」
メリー『なにがおすすめ?』
男「皇居外苑のどら焼きとかどう?飛行機内でも食べやすいし、羽田と皇居外苑でしか売ってないレア商品」
男「しっかりとした甘さとふんわりしっとりな生地は、文句なく絶品」
ピロロン
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男「はや」
メリー『もしもし、私メリーさん 沖縄についたの』
男「初めての飛行機どうだった」
メリー『ちょっと怖かっけど、楽しかった、あとどら焼きおいしかったー』
男「それはよかった」
メリー『で、いまあなたはどこにいるの?』
男「ちゅら海水族館だけど」
メリー『わかった、今からいくから最寄駅おしえて』
俺「え、電車ないよ」
メリー『え、えええ!うそ』
俺「沖縄は電車走ってないから」
メリー『どうしよう…』
俺「バスあるよ?空港からでてる」
メリー『うーん、バスとか車長い時間のると酔っちゃうからなぁ…』
俺「大変だねえ」
メリー『誰のせいだと…』ブツブツ
メリー『もしもし……わたし…メリーさん…ついたー…』
男「おおい大丈夫かよ」
メリー『気持ち悪い……』
男「休んだほうがいいよ」
メリー『そうする…』
メリー『もしもし私メリーさん』
男「落ち着いた?」
メリー『うん、今から水族館入るね!どこいけばいい?』
男「おれは最後のでかい水槽でジンベエザメみてるけど」
メリー『わかった!!』
メリーさん『もしもし私メリーさん、ジンベエザメすごい!おおきいしかわいい!!』
男「楽しそうだなー」
メリー『えへへ あれ、ところで、あなたは今どの辺りにいるの?』
男「いま?空港だけど」
メリー「え?」
男「これから石垣島いくから」
メリー『ええええ!』
メリー『なんで待っててくれてないの!?』
男「メリーさんなかなかこないからさー」
男「もう飛行機の時間に間に合わなそうだったし」
メリー『入口でヒトデとかさわってる場合じゃなかった…』
男「ああ、入口にあったなー…それで遅かったのか」
メリー『あと、ジンベエザメグッズとか、ウミガメさんのぬいぐるみとか買ってたら…』
メリー『じゃなくて、何時?何時の便にのるの?』
男「何時というか、あと30分くらいかな」
メリー『ええ いまからいっても間に合わないじゃん!』
男「間に合ってもダメだよ さっき見てみたら今日はもう石垣島行きの便空席なかったし」
メリー『あー…もう しっぱいしたー…』
男「今日は那覇に泊まっちゃいなよ」
メリー『そうする…』
ピロロン
男「メリーさんから電話だ…」
メリー『もしもし、わたしメリーさん!沖縄のおいしいお店おしえて!』
男「お金だいじょぶ?」
メリー『食事代は経費だから』
男「え、仕事なの?」
メリー『わたしはバイトなんですけどねー』
男「そっか 飯ならてんTOてんっていうお蕎麦屋さんが有名だしおいしい」
男「木灰液とカツオとか、自然原料しか使っていないからスープは凄く優しくて深みがあって最高だぞ」
男「なにより予備知識なしでいったらその外観にもびっくり
ピロロン
男「また早いなぁ…」
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メリー『もしもし、私メリーさん いま石垣島にいるの』
男「おはよう、きたんだ」
メリー『いまどこ?』
男『離島ターミナル』
メリー『え、それって』
男『いまから波照間島いくから』
メリー『それどこ?』
男「日本最南端の島」
メリー『今日帰ってくるの?』
男「1拍する予定」
メリー『じゃあそこでまってて』
男「もうフェリーの時間だから先いってるわ」
メリー『うう…だと思った、いいもん、すぐ追いかけるから!』
男「いいけど、メリーさん酔いやすいんだよね 大丈夫?」
メリー『なんで?』
男「石垣から波照間行きのフェリーは揺れることで有名なんだよね」
男「酔いやすい子が逆に酔わなくならくらい揺れるとか」
メリー『またまた…ただの船じゃないですかー』 ケンサクケンサク
(人生ではじめて吐きました 揺れるというより船が飛んでました…飛行機でいけるようになることを祈ります…)
メリー『…』
男「な」
メリー『うう…やだなぁ…乗りたくない…ぐす…』
男「がんばって」
メリー『うん…がんばるから…港でまっててね』
男「迎えの車来てるはずだから先いってる」
メリー『えぐ…えぐ…ぜったい呪い殺してやるんだからぁ』
メリー『はぁ…はぁ…やっと、ついた…』
メリー『…』
メリー『はぁ~…やっと落ち着いた…』
メリー『ここに、あの人がいる、もう逃がさないんだから!!』
メリー『え、あれ?』
メリー『港…なにもない…タクシーなんて…ないよね…』
メリー『ひとりぼっち…ええええええどうしよう!!』
メリー『もしもし、私メリーさん!どうしよう、港でひとりぼっちになっちゃたよう…』
男「あーやっぱメリーさん宿とってなかったか、予約してれば宿の人が車で迎えにきてくれるシステムなんだけどね」
メリー『当たり前だよ!いきなり行くことになったんだもん!』
男「とりあえず、道路から港をみて右側の堤防まで歩いていってみて」
メリー『なんでそんなところにいかないと』
男「いいからいいから」
メリー『えーっと…ここで…いいのかな…うわ、足元危ない…』
メリー『なんで私はこんなことをひとりでしてるんだろう』ブツブツ
メリー『わ』
メリー『わああああああ!なにこれ!なにこの海!すっごい!!すごい!!!日本じゃないみたい!!』
メリー『あ、写真!写真とらないと!!』
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メリー『はぁ…綺麗だなぁ…』
メリー『って、海に見惚れてる場合じゃないじゃん!ここでどうしろと』
女「あの、失礼ですがメリー様ですか?」
メリー『うわあ!』ペタン
女「あ、すいません 大丈夫ですか?」
メリー『だ、だいじょうぶです…びっくりしてしまって…あ、はいメリーはわたしですけど…』
女「わたしホテルオーシャンズのものです」
女「今日予約されていた男の方が急遽キャンセルされまして」
女「お代を返さなくていいかわりに、ここで海を見ているメリーという女性を泊めてあげてほしい、と」
メリー『え…それってもしかして…』
女「それでお迎えにきました、港に車を用意してありますのでどうぞこちらへ」
女「どうぞ」ガチャ
女「では出発しますね」
メリー『あ、あの…ちなみにその、ゆずってくれた人は…宿なくなっちゃったってことですよね』
女「そうなりますね」
メリー『どこか代わりに泊まるところとか、いっていましたか?』
女「いいえ、それについてはなにも伺っておりませんが」
メリー『そう…ですか』
メリー『もしもし、わたしメリーさん』
男「おう、どうした」
メリー『あ、あのね…』
男「なに?」
メリー『ありがとうございました』
男「なにが?」
メリー『ホテル、わたしにゆずってくれたの、男さんですよね』
男「ナンノコトヤラワカリマセンナ」
メリー『もう…優しんだか、冷たいんだかわかんないですよ』
メリー『で、あなたはいまどこにいるの?』
男「ニシハマっていうビーチを散歩してるけど」
メリー『もう逃がさないんだから、ぜったい会ってやる!』
メリー『すいません、自転車とかって借りられますか?』
女「100円でレンタルしてますよ」
メリー『貸してください!!!』
女「原付バイクもご利用できますよ」
メリー『免許持ってないので!』
女「たぶんこの島では無免許で運転してもつかまらないとは思いますが」
メリー『だめです!それは犯罪ですから!自転車で行ってきます!』
女「真面目な子ですねー…」
メリー『わ、わああ!サトウキビ畑!!!まさに沖縄って感じ!』
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メリー『え?ヤギ?ええ!道にヤギさんがいっぱいいる!』
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メリー『かわいい…』
メリー『おいでおいでー やぎさん!』
メリー『ふふふーいいこだねー』ナデナデ
メリー『ああ、こんなことしてる場合じゃなかった!ニシハマ、ニシハマってとこいかないと』
メリー『えっと、ホテルの女の人からもらった地図をっと…』
メリー『ええと さっきのホテルがここだから…えっとー』
メリー『ああもう!地図みるの苦手なのにー』クルクル
メリー『わたしがこっちむいてるから…左がこっちになるから』
メリー『あ、あっちかな』
メリー『あってるかな…』
この先 ニシハマ
メリー『あってた~!!よかった、まってろよー!』
メリー『ていうかこの道きれいだなぁ…そのまま海に続いてるみたい…』
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メリー『ついたー!ってあれ…ラインきてる…』
メリー『もしかして…』
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メリー『…ああもう!!!のんびりしなければ!』
メリー『最南端の碑…ここかぁ…』
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メリー『ここが日本の果て…なんかロマンチックかも…空も海も青さがぜんぜんちがう…』
メリー『例によって男さんはいませんけど!!』
メリー『なんでまっててくれないのかな』
メリー『しかし、メリーさんやってて日本最南端まできちゃうなんて…』
メリー『男さんを追いかけてなかったらぜったい来ることなかったなぁ…』
メリー『男さん…』
メリー『いまどこにいるんだろう…電話しよっかな』
メリー『…あれ?画面消えてる』
メリー『ええ…もしかして充電切れ!?』
メリー『急いでホテル戻って充電しないと!!』
メリー『どれくらいで充電終わるかなぁ…』
メリー『それまでベッドで横になってよっと…いっぱい移動してつかれちゃった』ぼふっ
メリー『海風の匂いがする…』
メリー『冬なのにあったかいし…』
メリー『いいところだなぁ…』
メリー『男さん…ぜった…い…』
ピロロン
メリー『わっ!!!え?うそ私寝ちゃってた?』
メリー『いま何時?夜11時、うそうそ!』
メリー『男さん、男さんに電話しなきゃ!』
コンコン
女「メリー様、予約されていた星空観測ツアーの時間ですのでお迎えにきました」
メリー『え…わたし、そんなツアー予約なんて』
女「この部屋をメリー様に譲られた男の方が、さきほどあなたの分を予約していかれましたよ、お代は頂いているので」
メリー『え、で…でも…』
女「それと、伝言を頼まれました ”そこで待つ” と」
メリー『え…?』
女「どうされますか?」
メリー『いきます…!』
女「では車を出します、暗いですし、少し揺れる所もありますので気をつけてくださいね」
メリー『は、はい…』
女「…」
メリー『ホントに真っ暗ですね…ちょ、ちょっと怖いくらいに』
女「ふふふ、そうですね、島に街灯はありませんし、石垣島からも50キロ程離れていますしね」
メリー『あ…そういえば昼間見てて思いましたけど 信号機もありませんでしたね』
女「そうなんです、だからこそ この島の星は本島に綺麗ですよ、低緯度に位置してるおかげで日本で唯一南十字星を見ることもできますし」
メリー『南十字星…あ、そういえば昼間見たマンホールに…』
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メリー『これ、そうですよね!』
女「あら、よく気がつきましたね」
メリー『えへへ かわいいマンホールのデザインだなぁと思ったんです』
女「はい、到着ですよ。星空観測タワーに」
メリー『あ、ここって昼間に来た…』
女「最南端の石碑のそばですよ、星空観測タワーがあるのは」
メリー『…』
女「さ、いってらっしゃい、誰か待ってるんでしょ?」
メリー『…はい』
メリー『え、ええええなにこれ!すごい!はじめて見たよこんな満天の星空!』
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メリー『あ…』
メリー『もしもし、わたしメリーさん』
男「おう、久しぶりの電話に感じるな」
メリー『充電がきれてしまったので』
男「いまどこにいるんだ」
メリー『星空観測タワーというところに…』
男「そこでは何が見える?」
メリー『はい…満天の星空と、電話している男性がひとり…』
男「メリーさん、目あけていいよ」
メリー『だめです…目をあけたら…男さんが…』
男「大丈夫」
メリー『え…男さん…?なんで死なないんですか…』
男「俺さ、メリーさんの声聞いたときから思ってたことがあったんだ」
メリー『え…』
男「はじめて聞く声のはずなのに、なぜか始めてな気がしないって」
メリー『あ、それ じつは私もなんです…男さんの声とか、ぜんぜんまっててくれなくて振り回されちゃうこととか』
メリー『なんか…すこし既視感…?っていうんですかね、以前にも同じことがあったような、そんな気がしてて』
男「うん、でどうにも気になってさ、メリーさん今日しばらく連絡してこなかった時間あったろ」
男「その時、すこし心配になってホテルまでいってみたら」
男「すっかり爆睡してるメリーさんの顔をみたら」
男「記憶がはっきりと蘇ってきたんだ…」
メリー『横浜…観覧車…赤レンガ…』
男「メリーさんも思い出してきた…?」
メリー『あの時の…!』
男「うん、俺たちは、別の世界で一度出会ってた」
メリー『じゃ、じゃあ今男さんが死んでないのは…?』
男「メリーさんはあくまで仕事だから、勤務時間以外では人を呪い[ピーーー]ことはできない…」
メリー『そ、そうでした…』
男「だから、店に電話したよ、仕事サボって爆睡してますよって」
メリー『あはは…』
男「またかって店長いってたよ、で、”また”タイムカード切ってくれた」
メリー『仕事外の時間になったから、男さんは死ななかったんですね…グス』
メリー『男さん…ぐすっ…よかった…』
メリー『もう話せなくなっちゃうんじゃないかって…ほんとに…』
男「不安にさせてごめん」
メリー『そうですよ…いっつもいっつも、私をこまらせて…別の世界のことも もうすっかり思い出しました』
メリー『横浜の時も、わたしから逃げ回って…ほんと迷惑な人でした』
男「ははは、わるいわるい」ぎゅ
メリー『わわっ///なんですかいきなり!』
男「手つないでおかないと、俺またどっかいっちゃうかもよ」
メリー『そ、そうですね、しっかり捕まえておかないと』
メリー『もうぜったい離さないんですから』
男「じゃあ、帰ろうか…っていっても、俺今日泊まるところないし、野宿するからホテルの前までだけ車にのってってもいいですか?」
女「ええ、いいですよ」
メリー『あの…ホテルのわたしの部屋に…泊まってください///』
男「え…」
メリー『これからはずっと一緒なんですからね』
男「いいの?じゃあ今日はもうゆっくり寝て 明日は2人で那覇にもどって観光でm」
メリー『ドラゴンズのキャンプをみましょう』
男「変わらないなぁ…」
FIN
おまけ
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1183698.png
終了です、これは以前別の掲示板に書いたものを
少し加筆したいなぁと思ったんで、ほんの少し書き加えて再度投稿したものっす
オチが別のSSありきになっててすまんこ
ちなみに
http://bipblog.com/archives/4166110.html
↑このSSのパラレルワールド的なものとして書いてます
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