モバP「芳乃にドジっ子属性が追加された?」 (27)


芳乃「左様ー」

モバP(以下P)「さようー、って言われても」

芳乃「今日のわたくしを見てー、何か異変に気付きませぬかー」

P「えぇ~? 特に変わったようには……あっ!」

芳乃「ティンときましたかー」

P「……髪切った?」

芳乃「……違いますがー、良い線をついているのでしてー」

P「えーなんだろ……わからん。いつもの芳乃に見えるけどなぁ……」ジロジロ

芳乃「もっと近づいてよく観察してみるのでしてー」ぐいぐい

P「近い近い近い! ……あれ?」

芳乃「じーっ」

P「……なんかすごく……良い匂いがする……」クンカクンカ

芳乃「…………///」

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P「いや芳乃は普段から良い匂いしてるんだけど、なんかいつもと違うっていうか……なんだ?」

芳乃「髪の毛に匂いが染み付いてー、どうしても取れなかったのでしてー」

P「え、なんかあったの?」

芳乃「……昨夜のことですー。女子寮の廊下を歩いていたところー、実験帰りの志希とすれ違いざまにぶつかってしまいー……」

P「それあかんやつ」

芳乃「なにやら香ばしい匂いの香水を頭からおもいっきり被ってしまったのですー」

P「え、ちょ、大丈夫だったの?」

芳乃「幸いにも化学薬品ではなくー、純粋な香水だったようでー、体に害はないとのことでしたー」

P「直接的な害はなくとも色々やばいだろ……それにしても、香水ぶっかけられてよくここまで匂いを消せたな」

芳乃「気合で消しておりますゆえー、少し気がゆるむとあぶないのでしてー」

P「気合……?」

芳乃「いまわたくしが体に纏っているおーらを消してしまうとー、このようになりますー」スッ

むわわわっ

P「ぐおっ!? ゲホッ ゲホッ は、鼻が曲が……っ!?」ツーン

芳乃「このようにー、歩くばいおてろりすとと化してしまうのでしてー」

P「わ、分かった! ゲホッ 分かったから早くゲホッ この刺激臭をどうにかしてくれ! 目がやられるっ」

芳乃「もうしわけありませぬー」スッ

P「はぁ、はぁ……い、今の一瞬で部屋中にサイケな匂いが充満してしまった……」

芳乃「わ゙だぐじぼひじょーに゙ごま゙っでいる゙ぼでー」ズビズビ

P「芳乃が一番ダメージ受けてるー!?」

芳乃「はんかちを」チーン

芳乃「……そういうわけでー、しばらくのあいだー、ご迷惑をおかけするやもしれませぬー」

P「なるほど、匂いの原因は分かったが……でもただの香水をかぶっただけでドジっ子属性がつくなんてことあるのか?」

芳乃「いえー、そういうわけではありませぬー」

P「?」

芳乃「昨夜はー、わたくしの方から志希に突撃してしまったのでー……つまりわたくしがドジを踏んだためにこのようなことにー」

P「えっ、芳乃からぶつかったってこと?」

芳乃「正しくはー、廊下ですらいでぃんぐの練習をしていたところにー、たまたま志希が通りかかってしまったのですー」

P「女子寮でスライディングの練習しないで?! っていうかなんでそんなことしたの!?」

芳乃「来週ー、あいどる対抗ふっとさる大会があるのでー、その練習にとー……」

P「だからって廊下でやるこたーないでしょ……あとフットサルってスライディング禁止されてなかったっけ」

芳乃「……!!」ガーン

P「そんな青ざめるほど!? どんだけスライディングしたかったの芳乃!?」



※今はスライディングタックルでも反則取られないそうです

P「なんかタックルされた志希が不憫に思えてきた」

芳乃「ここ最近ー、そういった事故がやけに多いのでしてー」

P「事故っていうか基本芳乃が悪いんだけどな」

芳乃「それでわたくしもー、天におわします神々に尋ねてみたところー、どうやらわたくしにドジっ子属性を付与なされたというお告げがありましてー」

P「はた迷惑な神様だな!?」

芳乃「神の声を聞きー、神に仕えるものとしてー、これは試練として受け止めるべきでしょうー」

P「芳乃ももうちょっと神の意思に逆らってもいいと思うよ?」

芳乃「じつは今日ー、れっすんに少し遅刻してしまったのもー、理由があるのでしてー」

P「遅刻? したっけ?」

芳乃「5分ほどー、遅れてしまいましたー」

P「ああ、それくらいならまあ……」

芳乃「すたじおまでの道中ー、30回ほどつまづき転んでしまったのでしてー」

P「30回!?」

芳乃「電車に乗ろうとした時もー、反対方向の車両に乗り込んでしまいましたー」

P「芳乃がそれほどのドジを踏むなんて、確かに考えられない……恐るべし神々の力」

芳乃「結果、すたじおまで全力疾走することになったのですがー、さすがに走ったり転びながら消臭おーらを身にまとうことは叶わずー……」

P「えっ」

芳乃「町の人々にはわたくしのばいおてろの犠牲となってもらいましたー」

P「そこまでするんだったらレッスン休んでもいいんだよ!?」

P「なんか、その……大変なんだな。神に仕えるっていうのも」

芳乃「人々を笑顔にするのがー、神々の代行者たるわたくしの役目でありー、またあいどるとしての使命でもありますゆえー」

P「町中で激臭ふりまいたけどな」

芳乃「……そなたー」

P「ん? どうしたそんな悲しそうな顔して」

芳乃「……いま気が付いたのですがー」グス


芳乃「すまーとほんと間違えてー……かまぼこを持ってきてしまったようなのでしてー」ウルウル

P「あー! もー! 泣くな泣くな!」

――翌日

芳乃「…………」

P「ど、どうしたんだ芳乃。元気ないな」

芳乃「そなたー……お腹がすいたのでしてー」

P「朝メシ食べてこなかったのか?」

芳乃「寮の炊事がお休みの日だとー、すっかり忘れておりましたゆえー……」

P「コンビニとかで買えばよかったのに。他のアイドルも大抵そうしてるぞ」

芳乃「わたくしも朝ー、こんびにに寄ったのですがー、会計の時にまたしてもドジを踏んでしまいー……」

P「お、おう……」

芳乃「おにぎりを買おうとれじに向かったところー、会計時に10円玉が一枚足りない事がわかりー、結局なにも買えずに店を出てきてしまいましたー」

P「俺もそれたまにやるわ……」

P「まあ、そう気を落とすなよ。もうすぐ昼だし、どこか食べに行こう」

芳乃「ありがたきしあわせー」

P「ついでだし、奢ってやるよ。でもさ、芳乃はべつに金欠ってわけじゃないんだろ? たまたま財布にお金がなかっただけで」

芳乃「左様ー。今朝、寮を出たときはそれなりに小銭が残っていたのですがー、駅のきおすくで週刊少年じゃんぷを買ってしまったばかりにー……」

P「そこは朝ごはん優先しよ!? っていうか芳乃ジャンプ読むんだ!?」

芳乃「先月からじゃんぷが値上がりしていたとはー、知らなかったのでしてー」

P「そういう問題かな……」

――事務所近くのラーメン屋

ラッシャイ!

芳乃「ほー、このような場所にらぁめん店がー」

P「まだ昼には少し早いから結構空いてるな……って芳乃?」

芳乃「?」チョコン

P「ここ、券売機で買う店なんだけど……」

芳乃「…………し、知っておりますー」トコトコ

P「いや先に席についてたじゃん」

芳乃「すわり心地を確かめたのでしてー。らぁめん屋に最も重要な要素ー、それすなわち椅子とてーぶるの快適さなのでしてー」

P「へぇ、そうなんだぁ、へぇ」ニヤニヤ

芳乃「……わ、わたくしが判定してみたところー、このお店の椅子は申し分ない座り心地といってよいでしょうー」

P「なんでもいいけど、ほら。何食べるか決めなきゃ」

芳乃「むー……」プクー

P(かわいい)

芳乃「そなたのおすすめはどれでしてー?」

P「ああ、俺はいつもこの『激辛坦々つけ面大盛り』を頼んでるけど、さすがに芳乃にそれは薦められないな」

芳乃「わたくし辛いものは苦手でしてー」

P「なら、この『黒味噌』がいいんじゃないかな」

芳乃「それにいたしましょうー」ぽち

P「トッピングは?」

芳乃「ヤサイマシマシアブラマシマシニンニクスクナメ」

P「なんかラーメン屋の知識かたよってない!?」


ヘイオマチ!

芳乃「……ほーほー、これはなんとも美味しそうな香りー」

P「いまのうちに言っておくけど、ドジって丼をひっくり返したり水こぼしたりしないよう注意しとけよ」

芳乃「そのような粗相はしませぬゆえー」

P「うーん、まあ確かに傍目にはそんな危なっかしげな感じはしないんだけど……一応な」

芳乃「それにしてもー、そなたのー、そのー……禍々しい紅は一体なにごとー」

P「この店で一番辛いやつだからな。これが美味いんだまた」ジュルリ

芳乃「見ているだけでー、汗が噴き出してきそうなのでー」

P「一口食べてみる?」

芳乃「遠慮しておきますー」

P「さすがに冗談だよ。さ、食べよう食べよう」

芳乃「わたくしも好い加減お腹がぺこりんでしてー」

P「ぺこりん」

芳乃「いただきますー」


芳乃「ふーふー……はふはふ……もぐもぐ…………」ズルズル

P(どんだけ必死)

P「……そんな美味しい?」

芳乃「美味でしてー。とくにこのメンmゴフッ めnブフッ ケホッ めんまがゲッホ!!!!」

P「ちょちょちょ! 大丈夫かおい」

芳乃「とくにこのメンmブフォフオッ!??」ドバー

P「無理しなくていいから! とりあえずしゃべろうとするのをやめな!?」

芳乃「てぃっしゅを」チーン

芳乃「ふぅ……特にこのめんまが柔らかくて味が染みてるのでしてー」

P「むせ返ってまで伝えたいほど重要なことだったのかそれ」

芳乃「すーぷが少し粉っぽいのでしてー」

P「ああ、魚粉とか使ってるからな」

芳乃「ふむー、少々あわてて掻き込んでしまったのでしてー」

P「気をつけるんだぞ。鼻水と涎まみれでもはやアイドルがしていい顔じゃなかったからな」

芳乃「こころがけましょうー」


アリアトシター!

P「食った食った! はー今日も良い汗かいたぜ」

芳乃「わたくしも満足でしてー」

P「芳乃は午後はなんも予定なかったよな。寮に戻るのか?」

芳乃「せっかくですのでー、この付近を少し散歩しようかと思っておりますがー」

P「……大丈夫なのか? またドジ踏んだりしないだろうな?」

芳乃「気をつけますゆえー、心配なさらずー」ドンッ


こわそうなおにいさん「ITEッ」


P「あ」

芳乃「おっとっと……これはこれはー、余所見をしてぶつかってしまいましたー」

怖兄「あァン!? てめェどこに目ェつけてんだおら」

P「す、すみません! ほら芳乃もはやくあやまっテ!」

芳乃「申し訳ございませぬー、お怪我はないでしょうかー」

怖兄「おうおう怪我してたらどうしてくれんだぁこの……ん?」

芳乃「?」

怖兄「も……もしかして……芳乃さま!?」

芳乃「はいー。わたくし依田は芳乃でしてー」

怖兄「あ、あ、あ、あ……!」

P「 」ビクビク

怖兄「あのッ! ぼ、ぼく! 芳乃さまのファンなんですううう!」

P「ファッ!?」

芳乃「ほー、そなたわたくしのふぁんでいらっしゃいましたかー」

こわいおにいさん改めファン「会えて光栄です! 感激です! うわぁめっちゃかわいい! ていうかちっちゃ! あの、サイン……」

P「あの、すみません、プライベートなのでサインは……」

怖いファン「あぁ!? てめー誰だおら!」

P「ひぇぇ」ガクブル

芳乃「もし、そなたー」

ファン「は、はいッ! なんでしょう?」

芳乃「わたくしのふぁんであればこそー、それにふさわしい素行を身に着けなければー、さいんを手に入れる資格など望むべくもないでしょうー」

芳乃「そのような威圧的な言葉で詰め寄られてはー、わたくしも悲しくなってしまいますー」

芳乃「どうかー、清く正しくー、応援してはいただけないでしょうかー」

ファン「あ……あぁ……」

芳乃「分かっていただけますかー」

ファン「……ぼくが間違っていました……芳乃さまの言う通りです……つい言葉が乱暴になっちゃって……」

芳乃「ふふ、それでしたらー、さいんを書いてあげないこともなくー」

ファン「えっ! いいんですか?」

芳乃「わたくし個人としましてはー、とくに禁じているわけではないのでしてー」

ファン「そ、それなら! あぁ、でも色紙もペンもないや……」ガッカリ

芳乃「そなたー、ペンをお持ちではー?」

P「え? あ、ああ持ってるけど……でも色紙はないぞ?」

芳乃「構いませぬー、ここに……これがありますゆえー」

ファン「そ、それは……!?」

芳乃「依田の冷蔵庫より生まれ出でし、かまぼこでしてー」

カキカキ

P(かまぼこにサインするとか器用だなおい)

芳乃「いつも応援していただきー、感謝しておりますー。今後とも何卒ー、よろしくお願い申し上げますー」

ファン「あ……ありがとうございます! 家に飾って一生大事にします!」

芳乃「それではー、いつかまた会いましょうー」

アリガトウゴザイマシター ワーイヤッター

P「……芳乃のおかげでなんとか難を逃れたな」

芳乃「でしてー」

P「だが芳乃。一言いわせてくれ」

芳乃「なんでしょうー」

P「食べ物で遊ぶのはよくないぞ」

芳乃「……不可抗力でしてー」

P「……さ、俺は事務所に戻って仕事だ」

芳乃「それではー、わたくしは帰るとしましょうー」

P「気をつけてな。あと神様にドジっ子属性なんとかしてくださいってお願いしとけ、マジで」

芳乃「ふむー、代償を求められるやもしれませぬがー、試してみてもいいかもしれませぬー」

P「また物騒な単語が出てきたな……まぁいいや。それじゃあ……」

芳乃「それではー……あっ」カクッ

ふらっ

P「うおおおっ! と!」だきっ

芳乃「 」ふにっ

P「あっぶな、何もない所でいきなり転ぶ……な……?」

ふにふにっ
もみもみ

P「あっ これはその えーっと」

芳乃「……っ///」

P「違うんだ芳乃。聞いてくれこれは手が勝手に」



バッチーン!!!

モバP「俺にラッキースケベ属性が追加された」


おわり

ラーメン食べたら気管に入って思いっきりむせるよしのんを書きたかっただけです
ていうかこれ、ドジっ子よりむしろポンコツ属性では?

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