ファン「艦娘?」 (45)
妖精さんA「ここの鎮守府の後任がまだきまってないらしい」
妖精さんB「ま、島流しみたいな部署だからねぇ」
妖精さんC「でも実際だれもこないとなるとヒマなんだよねぇ」
妖精さんD「じゃあさこういうのはどう?」
A「なになに?サーヴァント?」
B「Dちゃんアニメの見すぎ」
C「流石にそれはないわーそれだったら私のほうがマシなの知ってるよ」
D「え?マジ?Cちゃんオカルト興味あったんだ」
C「じゃあ試しにやるからチョーク持ってきて」
A「おぉなんか書き始めた」
B「魔法陣っぽい本格的だ」
C「じゃあいくよー」
うざ・いえい! うざ・いえい! いかあ はあ ぶほう-いい らあん=てごす くとぅるう ふたぐん
ABD「やめーい」
C「うわらば!」
A「なんっちゅーモン呼び出そうとしてんじゃワレェ!」
B「流石に私らでもわかるよその呪文は!」
D「いやいや、クトゥルフ呼ぼうよそこは」
妖精さんE「うー、うるさいよぉお昼寝できないじゃん」
A「あぁ、ごめんねこのアホが提督候補にとんでもないもの呼び出そうとしたから」
E「なに?召喚?だったら私も知ってるよ。この陣にちょっと手を加えて」
B「ちょっとヤバいって流石にさっきのも……」
E「ダ・ズマ・ラフア・ロウ・ライラ」
E「つむがれよ、空と海のはざまに」
E「この大海の命と引き換えに」
D「ちょっと!その呪文もやばくない?」
E「大丈夫オリジナルと少し違うしこの星にはあいついないから……あっ」
A「えっ?なに?」
E「呪文途中でやめちゃった……マズい……まぁいいやおやすみ」
ABCD「寝るなー!」
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大淀「本営からはまだ新提督の人事は発表されてませんか……」
明石「まぁ、場所が場所ですし。一時的に懲罰人事で配置されてもすぐ戻って行っちゃいますから」
望月「はぁ~面倒くせぇ別にこなけりゃ来ないでいいじゃーんその分ゆっくり休めるんだから」
鈴谷「そうじゃーん?別に出撃しなくたっていいんだから休暇だとおもってゆっくりすれば」
長門「お前たちは何もわかってないな」
望月「なにがさ?」
長門「軍部の予算は限られている。稼働していない鎮守府にいつまでも予算を裂くと思うか?」
鈴谷「つまり」
大淀「提督人事が決まらなければそのうち予算を切られて私たちは路頭に迷うことになります」
明石「せっかくの新装備も台無しだよー」
夕立「みんなー窓の外みるっぽい!」
電「お外が大変なのです!」
大淀「あれは……」
明石「海が割れて……なにか出てきます」
長門「黒い……帆船……?」
夕立「帆まで真っ黒いっぽい!」
電「入港してくるのです」
長門「どうするのだ?所属不明の船を入港させるわけにもいくまい?」
大淀「とはいえここの距離ではもう遅いです下手に水門を閉じても危険なだけですからあきつ丸を呼び出します」
長門「ふむ、何事もなければいいがな」
鈴谷「面白そうじゃん行ってみよ」
電「電もいくのです」
長門「あっこらお前たち」
あきつ丸「ここは日本国海上要塞アマテラスです。関係艦船および船舶以外の無断入港は禁止であります当船の船長はただちに出頭するであります」
鈴谷「おっ、ここじゃん?」
電「鈴谷さんあきつ丸さんの邪魔をしちゃいけないのです」
あきつ丸「反応がないというよりは、誰もいない感じでありますね」
電「はわわっ幽霊船!?」
鈴谷「ゆ、幽霊とかいるわけないじゃん」
あきつ丸「とにかく中を確認するであります」
大淀「はい、執務室です。ええ、そう……わかったわ」
長門「何か問題でもあったのか?」
大淀「入港した船には一人しか乗っていなかったそうよ。それも気を失っていたみたい今は医務室にいます」
長門「なんだと?だとするとアレは勝手に入ってきたことになるのか?」
大淀「そうなるわね、とにかくその人が目を覚まさないことには」
ファン「ん?ここは?」
電「目を覚ましたのです!」
鈴谷「ん?あぁそうなの?じゃあ大淀に連絡を」
隼鷹「面白そうなもんが見れると聞いて」
青葉「取材しに来ました!」
電「はわわっまだ起きたばっかりなのです静かにするのです」
青葉「起きてるんだったら話は早いですね、さっそく取材を」
ファン「なんだ?騒々しい、ってかここはどこだ?」
鈴谷「海上要塞アマテラスじゃん?」
ファン「あぁ……で、あんたらは?」
青葉「青葉と言います、あの謎の黒い船に乗っていたのはあなたですね?」
ファン「そうだが、ほかの奴らは?」
電「それがその中にいたのはあなただけだったのです」
ファン「俺だけ……?いや、そんなはずは……」
電「あと、これが近くにあったのです」
ファン「これは……なんでこれが俺の手に?」
電「どうかしたのです?」
ファン「わからん、わからんから寝る!」
あきつ丸「結局貴方は何故ここに来たのかわからないということでありますね?」
ファン「あぁ、そもそもここがどこだかもわからんし、俺は自分の船に乗っていたはずだぜ?」
あきつ丸「貴方の船なら7番ドックに係留されているであります」
ファン「何?じゃあほかのクルーはどうした?」
あきつ丸「船には一人しかのっていなかったであります。全く帆船に一人しか乗っていないでひとりでに動くなんて不思議であります」
ファン「その話はさっきも聞いたよ。ったく俺が一番わからん。それにニッポンやアマテラスなんてのも聞いたことがない」
あきつ丸「アマテラスは軍の最高機密だから知らなくて当然でありますが、日本を知らないというのは」
大淀「あきつ丸さんその辺にしてはいかがでしょう?えっとたしか備前さんでしたよね?」
ファン「あぁ、ファン・ガンマ・ビゼンだファンでいい」
大淀「本営からは貴方をこのまま返すわけにはいかないと言っているんです」
ファン「だろうな、軍機ってのを知っちまったんだから」
大淀「ですが、その一つだけ貴方が自由になる条件があります」
ファン「へ?」
大淀「ここアマテラス鎮守府の提督になってはいただけないでしょうか?」
艦隊編成とかをよく考えずに書き始めた
登場艦娘のリクエストあれば受け付けます。 なお都合上金剛は必ず登場します
OK おりょくる回しながらゆっくり書いてくる ウチにいない艦娘はちょっと表現が難しいから出てこないかもしんない(秋月 春雨)
ファン「は?提督?」
大淀「はい、ここアマテラス鎮守府は深海棲艦に対する移動要塞……ではあるのですが」
電「前のおじいちゃん提督さんが退役して以来後任が決まっていないのです」
大淀「このままだとせっかくの要塞も無用の長物ですし、予算もどんどん削られてしまいますので」
ファン「ちょっと待て。そんな重要なもんならどこの誰ともわからん奴に任せられんだろう」
明石「大淀?データベースのほうは何とかなりそうよ」
大淀「そうですか、では備前提督よろしくお願いしますね」
ファン「俺の意思は?」
大淀「一生ここから出られないでいいというのなら結構です」
電「提督よろしくなのです」
鈴谷「おっ?新しい提督じゃん?航空巡洋艦鈴谷でーすよろしくー」
電「駆逐艦電なのです」
大淀「こらっ、そういうのは執務室でみんなそろってからにしなさいでは提督さっそく……」
ファン「よくわからん、よくわからんがまぁとりあえず今日は休む詳しい説明は明日以降頼む」
明石「そうですね、いつの間にかこんな時間ですし明日みんなと顔合わせしてからでいいんじゃないでしょうか?」
ファン「というわけで俺は寝る。俺の部屋はここでいいのか?」
大淀「ここは医務室ですから……では提督のお部屋に案内します」
ファン「頼む」
大淀「わが軍の制服です」
ファン「このままでいい」
大淀「そういうわけにはこれも決まりですから」
明石「提督、大淀もう時間よ?」
ファン「だそうだ着替えてる時間もなさそうだな」
大淀「あっちょっと提督」
ファン「ずいぶんとまぁ豪華な部屋だな」
大淀「ここアマテラス鎮守府の提督は要塞司令と兼任ですから。それじゃ一人ずつ自己紹介していって」
長門「長門型戦艦一番艦の長門だ。ここの鎮守府では一番の古株だな。よろしく頼む」
金剛「金剛型戦艦一番艦の金剛デースよろしくおねがいしマース」
電「駆逐艦電です。よろしくなのです」
天龍「軽巡洋艦天龍だ……ふふっ……いや、なんでもない」
(略)
ファン「なぁ、一つ聞いていいか?」
大淀「はい、なんでしょう?」
ファン「どうして女の子ばっかりなんだ?それに戦艦とか駆逐艦ってのはなんだ?」
艦娘たち『ええっ!?』
天龍「ちょっと大淀どういうことだよ、艦娘どころか戦艦も知らねぇなんて」
夕立「常識がない人っぽい?」
電「はわわ失礼すぎます」
長門「いや、しかしデータを弄ってまで着任させてしまったんだこれで行くしかあるまい」
ファン「なんかまずいこと聞いたか?」
大淀「い、いえっそれでいかがいたしますか?第1艦隊は出撃準備が整っていますが」
ファン「なにもしない」
大淀「えっ?」
ファン「提督というからには艦隊の指揮を執るんだろうが俺はここの戦力も何も知らないんだそれにわからないことも多いそれまでゆっくりするさ」
大鳳「いい風ね」
ファン「ん、ああ」
大鳳「あれ、て、提督!?」
ファン「なんだ気づかなかったのか?」
大鳳「ここは私しか知らないはずなのに」
ファン「風が一番通る場所を探したらここだっただけだ」
大鳳「そう、ここが一番いい風が吹くの艦載機の訓練にも丁度いいわ」
ファン「艦載機ってのはその弩から飛ばす奴か」
大鳳「そう、一航戦の空母にも負けないよう毎日頑張ってるの」
ファン「そうか、だが今日はやめといた方がいい」
大鳳「え?」
ファン「嵐が来る」
明石「駄目ですね磁気嵐でレーダーが使えなくなってます」
大淀「気象衛星ともリンクできないの?」
明石「そっちも駄目ですね収まるのを待ちましょう」
ファン「何をしてるんだ?」
明石「あ、提督簡単に言えば遠くを見る機械が使えなくなっっちゃったんです」
大淀「せめて気象情報だけでもわからないと訓練にも支障が」
ファン「それなら訓練は中止だこれから嵐が来る」
大淀「え?」
ファン「それもでかいのがな。三日間ぐらいか」
明石「気象衛星とリンクも出来てないのになんで」
ファン「今出てるのは?」
大淀「現在は鈴谷・夕張・望月が哨戒中 天龍・電・夕立・五月雨それと隼鷹が船団護衛の為に出動しています」
ファン「哨戒中の奴は呼び戻せ。他はどうだ?」
大淀「この磁気嵐ですから帰還指示が届くかどうか」
ファン「そうか」
明石「連絡機を飛ばしてみてはどうでしょう?幸いまだ遠征組はでたばかりですし」
大鳳「そうねやってみます」
ファン「ああ、頼む」
隼鷹「ん?天龍なんか飛んでくるよ」
天龍「敵機か?対空戦闘用意だ」
五月雨「はい!」
夕立「っぽい」
電「なのです!」
隼鷹「うーん単機みたいだななんか様子がおかしいぜ?」
天龍「よし撃ち方待て」
隼鷹「なんだ大鳳の艦攻じゃんか」
五月雨「こんなところでどうしたんでしょう迷子にでもなったんでしょうか?」
夕立「五月雨とは違うっぽい」
五月雨「なっ夕立さんひどいです」
隼鷹「天龍、提督から帰還命令だって」
天龍「なんかあったのか?」
隼鷹「さあ?命令書にそう書いてあるだけだしよくわかんないねえ」
電「せっかくここまで来たのに戻るのは大変です」
夕立「でも提督の指示は守らないといけないっぽい?」
天龍「気に入らねえなあ、あの提督最近まで戦艦と重巡も見分けられなかったんだぜ?」
夕立「じゃあどうするっぽい?」
天龍「隼鷹、酒持ってるか?」
隼鷹「ええっ流石に勤務中はまずいって」
天龍「ちげーよ大鳳の艦攻の妖精に飲ますのさ俺たちは迷子になった」
隼鷹「そう言うことか」
大淀「随分経ちますが返事がありませんね帰還するなら連絡の一つもあると思うのですが」
大鳳「まさか遭難したんじゃ」
長門「縁起でもないことを言うな」
明石「でも困りましたね。今の状態じゃ救難信号も受信出来ません」
長門「どうするんだ提督」
ファン「大淀海図(チャート)」
大淀「はい」
ファン「元の航路と海流あと出発時間から換算した現在地を書き込んでくれ」
大淀「はっ」
金剛「どうするツモりデースか?」
ファン「八番艦で出る」
金剛「what!?本気デスか?」
ファン「そのままほっておくわけにもいかないからな」
長門「だがアレは帆船だろう?艦娘に追いつけるわけが」
ファン「元がここ、いまこの要塞は少し進んでここだ向こうが出て時間が経ってるがこっちも同じ方向へうごいてる」
大淀「とは言ってもあの娘達とは随分距離があります。ここは素直に待っていた方が」
ファン「本来ならそうしたいんだがな」
長門「ならそうすればよかろう」
ファン「何ちょっとした勘だ」
ファン「ボゥト回せ出港する」
妖精さん1「食料と水の積み込み完了しました」
妖精さん2「要員出港配置完了です」
金剛「what!?妖精さんたちが船にいるネ」
長門「いつの間にこんな」
ファン「クルーがいなかったしお前らは自分で航走(はし)れるだろう?ならつかえるのはこいつらしかいないしな」
妖精さん1「提督出港準備完了いつでもいけます」
ファン「よし舫解け」
金剛「oh動きだしタヨ」
長門「ふむ案外揺れは少ないな」
鈴谷「自分以外の船で海に出るのも新鮮じゃん」
ファン「総帆開け進路70」
隼鷹「少し波が高くなってきたなぁ」
天龍「あぁ、だけどこの季節はそんなに荒れないはずだぜ?」
隼鷹「でもやっぱりマズいんじゃないかな?命令無視してるわけだし」
天龍「とはいっても今更引き返すのもなぁ念のために気象情報をとるか?」
電「あれ、無線が使えないのです」
五月雨「あれ?私のも使えないです」
夕立「もしかして全員の無線が故障したっぽい?」
天龍「そんなわけ、隼鷹どうだ?」
隼鷹「いやぁ、ダメだね磁気異常か何かじゃないかい?」
天龍「ちっさっきのアレ以降無線を切ってたからな」
電「天龍さんどうするのです?」
天龍「ま、ここまで来ちまったしな。全速で戻れば何とかごまかせるが……」
夕立「全速でも5時間はかかるっぽい?」
五月雨「でも妖精さんの酔いを醒ますにはちょっと足りないですね」
隼鷹「やだよ私は酒持ち込んだって怒られるのは」
天龍「しゃあねえなぁそのまま行くか」
明石「行っちゃったね、よかったの?止めなくて」
大淀「止めるにしたって理由が薄いですよ。哨戒要員がついて行ったのは計算外でしたけど」
望月「ん?行ったの?」
大淀「あれ?望月さんは行かなかったんですか?」
望月「せっかく哨戒中止で休みになったんだし、なんでわざわざ面倒事に首突込みにいくのさ」
―――
金剛「HEYテートク私にも舵にぎらせてよー」
ファン「ん?あぁ、わかるのか?」
金剛「これでも私が生まれた時代はまだ帆船があったんだヨ?」
ファン「そうか、さぼれるなら歓迎だぜ?」
長門「今はそういってられないと思うのだが」
金剛「固いこと言いっこなしヨ」
ファン「ちょっと待ちな。風が変わる、そいつをとらえて飛ばすぞヂャイブ開き替え」
大鳳「風が?そんな急に」バフッ
金剛「oh本当に風が変わったね」
長門「しかし帆船というのは不便だ、風が吹かねば航走らないのだからこれで追いつけるのか?」
ファン「ギリギリか少し間に合わん。ほれ、やってみろ」
金剛「いいノ?」
ファン「指示はしてやるさ。今はまっすぐ航走らせればいい」
―――5時間後
金剛「少し疲れてきたヨ」
ファン「初めての船だ。しかも帆船をあんまり知らないにしては上出来だ休んでな」
金剛「No!まだヤれるネ!」
ファン「それじゃいざというときに役に立たんぜ替わってやるよ」
鈴谷「結構波が出てきたじゃん?これ大丈夫なの?」
大鳳「でも、すこし揺れが収まったような」
ファン「当直(ワッチ)は交代だ。命綱張れ」
金剛「命綱?」
ファン「これから荒れるからな、準備は必要だ」
長門「これより荒れてくると航行じたいに支障をきたすんじゃないか?」
ファン「いつものことだ。それより、そろそろ接触するかもしれんから周りをよく見ておいてくれ」
――――
電「ちょっと波が激しくなってきたのです」
夕立「揺れが激しくてペラが海面をたたき始めたっぽい」
隼鷹「流石にここまで荒れると駆逐艦たちもつらいんじゃないか?」
天龍「そうだな、気象衛星とのリンクは……ダメか」
五月雨「これ以上は航行困難ですね」
天龍「漂蹰してやり過ごすか迂回するか」
隼鷹「迂回するったってどっちに?」
天龍「あああ、ったくなんでこんな時に無線が使えねえんだよぉ!」
長門「雲が出て来たな」
金剛「テートクゥ本当にこの辺りなノ?」
鈴谷「ちょっと酔ってきた」
ファン「無理せず中に入ってろ」
夕張「追いついたって言っても見つけられないんじゃ意味無いわね電探も役に立たないし」
長門「そもそも先発した艦隊に帆船で追いつけるわけが」ギシィ
ファン「お喋りはいいが舌噛むぜ?」
長門「もっと早言え」
天龍「とうとう降り出したか」
電「はわわっ空が光ったのです」
夕立「雷が落ちて来るのはちょっとまずいっぽい」
天龍「仕方ない機関停止 波に艦首をたてろ」
隼鷹「うっひゃさすがにこれは辛いねえ」
天龍「出る前の情報じゃ問題無かったはずなのに………くそっ」
夕立「アレを見て」
五月雨「背ビレ!?サメ!?」
電「私達このまま食べられちゃうのです!?」
隼鷹「落ち着けってそんな簡単に襲われ無いから」
電「うええんお家に帰りたいよぉ。みんなに会いたいよぉ」
五月雨「電ちゃん大丈夫だから。ね?嵐が収まったらみんなで帰れるから。ね?」
天龍「馬鹿っ近づきすぎだ!」
夕立「五月雨左っぽい」
五月雨「えっ?」
天龍「避けろ五月雨ぶつかるぞ」
五月雨「脚が波に取られて電ちゃん避けて」
電「む、無理なのですぅぅ」
ガチン
電「っ痛 はわっ」
夕立「電 五月雨 大丈夫っぽい?」
電「ちょっと傷が入ったけど電は大丈夫なのです」
五月雨「いたた、派手にやっちゃいましたね」
天龍「五月雨お前」
五月雨「ちょっと変なぶつかり方したみたいですね」
電「五月雨さんごめんなさいなのですはわわわ」
夕立「五月雨!」
天龍「いま助けてやるからそこで待ってろ。隼鷹救難信号を打て」
隼鷹「あ、ああでも無線は」
天龍「いいからやれ!」
隼鷹「わ、わかったよ」
夕立「五月雨!艤装に」
五月雨「そうですね私に乗ってる妖精さんをお願いします」
夕立「何言ってるっぽい自分で帰るっぽい!」
五月雨「総員上甲板でお願いしますごめんなさい…わたしここまでみたいです…」
五月雨「深海棲艦相手じゃ無くてまさか味方と衝突で沈むなんて」
五月雨「ドジな私らしいと言えば私らしいですね」
五月雨「あーあせっかく女の子として生まれてきたんなら恋の一つもして見たかったな」
五月雨「沈んだ艦娘は深海棲艦になるって誰か言ってたっけ………」
五月雨「それはチョット嫌だなあ」
五月雨「痛いのも嫌だけどそうなるくらいなら」
五月雨「あの鮫に身を捧げてしまった方がいいや」
長門「これは……」
金剛「長門も受信したノ?テートクゥ」
ファン「どうした?」
金剛「救難信号受信したヨ一瞬だけですぐきえちゃったけド」
ファン「無線ってやつか位置はわかるか?」
金剛「短すぎて駄目ネせめて電探を向こうが起動してれば逆探かけられたケド」
鈴谷「でもまだ羅針盤はずっと回ったままじゃん?」
ファン「そうか……上手回し(タッキング)用意!」
長門「むやみに探し回っても見つからないんじゃないか?それにあと3時間ほどで日が落ちる二重遭難になるぞ?」
ファン「スパンカーブム出せ(ホールアウッ)適帆(トリム)合わせ」
金剛「長門あんまり心配することないヨ」
長門「なぜだ?」
金剛「私も少ししかわからないケド普通帆船って後ろから風を受けて進むデショ?」
長門「あ、ああ」
金剛「今この船ほぼ風に向かって走ってるヨそれにネ」
長門「それに?」
金剛「波がでてる割りにあんまり揺れを感じないネ」
鈴谷「それよくわかんないじゃん?今でも大分ゆれてるしぃ」
金剛「oh鈴谷にはわからないデースかテートクの凄さが」
ファン「ほめるのはいいがことが終わってからにしてくれ。それにここからさらに荒れるからな船室から出てこないほうがいいぞ」
長門「だ、大丈夫だそれに見張りは多いほうがよかろう」
ファン「落水するなよ?」
大鳳「提督!あれ!」
ファン「ん」
長門「鯱?それがどうかしたか大鳳」
大鳳「よく見て!背中よ」
金剛「何か乗ってマスね」
ファン「寄せるぞ!」
天龍「う、あ……五月雨えええ」
夕立「こんな、こんなことって」
電「あ、あ……私が、私があんなところで私がいなければ……」
隼鷹「弱気になるな、電だって損傷があるんだ。気をしっかりもてってクソッなんで無線が通じないんだよぉ」
天龍「あ、ああとにかく今はこの嵐を乗り切ることだけを考えねぇと」
電「私のせいだ私のせいで五月雨さんが」
夕立「気をしっかり持つっぽい」
電「でも電のせいで夕立さんの妹を」
夕立「今はそんなこと言ってられないっぽい」
隼鷹「次!かなりでかいぞ」
天龍「しっかりと艦首を波に立てろ!横からくらったら転覆しちまう」
電「私が、私さえいなければ」
天龍「電!」
電「え?きゃあ!」
天龍「クソッ電まで沈めさせるかよ」
隼鷹「おい!どうするつもりだ」
天龍「なんとか引き上げるんだよ!」
隼鷹「戦艦でもなけりゃまともに動けないって!天龍まで」
天龍「それでもっこういう時こそ助けに来いよクソ提督がああ」
ファン「呼んだか?」
天龍「!?」
ファン「まったく手間をとらせやがってポートイージィ」
金剛「Sir!」
ファン「ボゥトは降ろせん、縄を投げてやるから上がってこい」
隼鷹「た、助かったのか?」
夕立「っぽい」
天龍「あ、ああ電を先に」
――――
ファン「さてと、あとはお前だけだ」
天龍「あ、ああすまねぇ」
ファン「なんだ?上がらないのか?」
天龍「い、いやその何も聞かないんだな」
ファン「そんな暇があるか、話なら帰ってからいくらでも聞いてやる」
金剛「テートクゥ早くしてよぉ舵が取られてキツいデース」
大鳳「やっと嵐を抜けたわね」
長門「やっとか。一時はどうなるかと思ったぞ」
鈴谷「もうマジ辛いんですけど揺れすぎだしぃ」
長門「他の連中は?」
鈴谷「遠征組は私と同じようにグロッキーだよ」
金剛「テートク嵐上がったよー」
ファン「ああ、んじゃ帰るとするか」
長門「あいつはずいぶん元気だな」
明石「やっと帰って来ましたねえ」
大淀「とにかく無事でよかった」
ファン「入港するぞ!信号旗上げ」
妖精さん達「サー!」
鈴谷「もう帆船はこりごりだよぉ」
夕立「着いたっぽい?」
天龍「やっとか。これで落ち着けるぜ」
隼鷹「ま、私と天龍はそうは言ってられないだろうけどね」
電「………」
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期待してたんだが、投げっぱなしエターなのか?