菜々「ナナ、大谷投手より早い球投げる人知ってます!」モバP「」 (40)


薫「えー!すごーい!」

菜々「ふふーん」

モバP「菜々さん」

みりあ「それって誰ー?」

菜々「それはですね」

モバP「よしなさいって」

菜々「カネやん…ムガモゴ!??」

モバP「ちょっとこっちに来てください……!」

薫「あー、せんせー菜々さんとったー!」

みりあ「ずるーい!」


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ー仮眠室ー

菜々「ちょ、ちょっと、昼間っから仮眠室なんて連れ込んで何する気ですか!?」

モバP「菜々さん、一回落ち着いて」

菜々「落ち着けませんよ!ああ、子供達にも見られたし、明日からなんて噂が立つか……」

モバP「そんなことどうでもいいんですよ!」

菜々「どうでもいいってなんですか!」

モバP「いいから、菜々さん、今いくつです?」

菜々「え?えーと……17!17です!」

モバP「この段階でちょっと危ないですよね」

菜々「危なくないですよ!」

モバP「でも、金田正一の現役時代を知っている方がもっと危ないですよね?」

菜々「え?」

モバP「しかもなんですか?カネやんって」

菜々「えーと」


モバP「呼び方も金田選手とかならまだわかりますけど、カネやんなんて愛称、ネットにも疎い菜々さんはどうやって知ったんですか?」

菜々「マズかったですかね…」

※金田正一…1950年代から60年代にかけて活躍した昭和を代表する大投手。通算400勝の記録は未だに破られていない。現役時は180~200キロの速球を投げたとか投げなかったとか。

モバP「おれ最近心配なんです」

菜々「……な、なにがです」

モバP「菜々さんって実は40代以上なんじゃないかって」

菜々「!!」


モバP「アレですよ、今も菜々さんの体のこと考慮してレッスン量控えめですけど、もう少し減らせますよ」

菜々「そんな……」

モバP「大丈夫です、他の人には絶対に言いふらしません……へぶっ!?」バチン

菜々「私のこと……そんな風に思っていたなんて……」

菜々「ひどいです!!」

バタン

モバP「あ、菜々さん!!」

モバP「……行っちゃった」



ー事務所ー

ガチャ

文香「……プロデューサーさん……」

モバP「文香、戻ってたのか」

文香「はい、今は本を読んで……」

文香「Pさん、そのほっぺ」

モバP「ん?……ああ、ちょっとぶつけちゃってな」

文香「……」ズイ

モバP「ち、近くないか」



文香「……この手形……菜々さん……?」

モバP「え」

文香「仮眠室で同衾していたという噂もありましたが……」

モバP「……」

文香「心配していたことは起こっていないみたいですね」ボソ

モバP「あのー、どうした?文香」

文香「……なんでもないです」

文香「菜々さんと何かあったのでしょうか?」


モバP「……ちょっと、ガッカリさせちゃってな」

文香「……それはいけません」

モバP「だよなあ」

文香「……」

モバP「……でも俺、正直菜々さんがよくわからん」

文香「……菜々さんは」

モバP「ん?」

文香「菜々さんは、私の知る中で、いちばん努力家で、いちばん優しくて、そしていちばんぴちぴちです」

モバP「…………」

文香「私がこの事務所に入ったばかりの頃、最初に話しかけてくれたのは菜々さんでした」

モバP「そうなのか」


文香「その日、私の口数が少ないこともあり、あまり会話は弾みませんでした」

文香「でも、次の日、菜々さんは私が前日にぽつりと言った作家の小説について話してくれました」

文香「目の下に真っ黒なクマを作って」

モバP「それって……」

文香「はい、わざわざ徹夜して読んでくれたとわかった私は、とても嬉しくて……」

モバP「……」


文香「……菜々さんは優しい人です。多分今ごろ、モバPさんの顔をそんなにしてしまったことを、一人で後悔していると思います」

モバP「菜々さんが……」

文香「……行ってあげてください」

モバP「……ありがとな」

文香「いえ……」

バタン

文香「……ぴちぴち」


ー公園ー

菜々(いつも優しくしてくれるPさんに、ナナはなんてことを……)

菜々(でも、40代以上を疑われたのは悲しかったなあ……)

菜々(そんなの、そんなの完全に対象外じゃないですか……)

???「菜々さん!!」

菜々「!!……この声は」


ー事務所ー

文香「……」

ガチャ

文香「!」

モバP「菜々さん見つからんのだが!」

文香「……!?」


モバP「どこ探してもいないぞ!帰っちゃったのか?」

文香「え、てっきり一発で見つけるものだと……」

モバP「なあ、どこにいるか見当つくか?」

文香「……こ、公園とか……?」

モバP「公園な!ありがと!!」

ガチャ

文香(だ、大丈夫でしょうか……付いて行った方が……)


ー公園ー

???「ほらほら、次はランディジョンソン!」ブンッ

菜々「ひええ」スパーン

???「ナイスキャーッチ!」

菜々「ゆ、友紀ちゃん、一旦休憩しませんかー?」

友紀「えー、もう?」

菜々「お願いします、キャッチャー役は腰が辛くて…!」

友紀「あ、そっか!菜々さんアレだもんね!」

菜々「アレって何ですか!言い方に気を付けて下さい!」


友紀「じゃ、上の方にあったベンチで休憩しよっか」

菜々「全くもう……」

友紀「あ、ほらスロープあるよ?階段よりこっち使おうよ」

菜々「まだそんな時期じゃないです…」

友紀「まあまあ念のため」

菜々「じゃあ念のため…」


ーベンチー

友紀「菜々さん、貸したDVD見てくれた?」

菜々「見ました!昭和の野球の映像なんて初めて見たので興奮しちゃいました!」

友紀「うんうん」

菜々「特にフライを頭にぶつけちゃったあの選手なんて…ぷぷっ」

友紀「あれは何度見ても面白いよね~」

友紀「……菜々さんさあ」

菜々「ぷぷっ…ぷぷぷっ……はい?」


友紀「ありがとね?あたしの好きなことを好きになってくれて」

菜々「え?」

友紀「野球。もうあたしより詳しいんじゃない?」

菜々「いえいえそんなこと!」

友紀「プロデューサーに野球詳しいって言ってみたら?なんか仕事持ってきてくれるかもよ?」

菜々「……」

友紀「そしたら野球アイドルにママドルにたくさん仕事来るって!ね!」

菜々「……」

友紀「……菜々さん?」


菜々「ナナ、野球好きになってちょっと後悔することがありました」

友紀「え、え、なんで?どうしたの?」

菜々「さっき子供達に金田正一の話をしようとしたら、プロデューサーさんに40代以上だと思われて…」

友紀「うん」

菜々「そんなに年齢差あるって考えられてるならナナなんてそういう風に見てくれないのかなあって」

友紀「え、でもお腹にプロデューサーの赤ちゃんいるんでしょ?じゃあそんなことないって」

菜々「あ、遊びかもしれないじゃないですか…!」


友紀「ないない」

モバP「ないない」

菜々「!!」

友紀「あ、プロデューサーじゃん」

モバP「よっす、菜々さんとは遊びじゃない、真剣だぞ」

菜々「プロデューサーさん…」

菜々「ほ、ホントですか…?」

モバP「ええ、しかも常にそういう目で菜々さんのことは見てますよ」

菜々「うう…」

友紀「ひゅーひゅー」


モバP「更に言うなら、俺は菜々さんが何歳だとしても結婚したい」

菜々「あの、恥ずかしいのでその辺で…」

モバP「俺はただ、辛いなら辛いって言ってほしいから聞いただけなんです」

モバP「でも、直接年齢のことを聞くのは配慮に欠けていたと思います、すみませんでした」

菜々「そ、そんな、謝らないで下さい!」

菜々「ナナだってプロデューサーさんのこと叩いたりしちゃいましたし…!」

モバP「このくらい平気ですって」


菜々「…本当にナナと結婚したいですか?」

モバP「ええ!とっても!」

菜々「……ナナが40代でも?」

モバP「もちろんです!」

菜々「17歳でも?」

モバP「17!?あー、世間が許してくれるかなー……でも結婚したいです!」

菜々「…ふふ」

友紀松「アイドルとプロデューサーが結婚する時点で世間は許してくれないぞ」

菜々「……あとで、本当の年齢を教えます、記入に必要ですから」ピラ

訂正

菜々「…本当にナナと結婚したいですか?」

モバP「ええ!とっても!」

菜々「……ナナが40代でも?」

モバP「もちろんです!」

菜々「17歳でも?」

モバP「17!?あー、世間が許してくれるかなー……でも結婚したいです!」

菜々「…ふふ」

菜々「……あとで、本当の年齢を教えます、記入に必要ですから」ピラ


モバP「あ、それって」

友紀「うええ、それゼク◯ィの付録のピンクの婚姻届じゃん、縁起悪……」

モバP「ん、なんで縁起が悪いんだ?」

友紀「だってうちの事務所でそれ買ってる人たちってさ……」

菜々「……」

モバP「……」

菜々「…ほっぺ、本当に大丈夫ですか?」

モバP「え?ああ、一応冷やしておきますよ」

モバP「あ」



菜々「え?やっぱりどこか痛むとか…」

モバP「いや、そういうのじゃなくてですね」

モバP「文香が言ってました、俺と菜々さんが仮眠室で同衾してるって噂が立ってるって」

友紀「あー、それあたしも聞いたことある」

モバP「だから、もうやめておきましょうね」

菜々「///」

友紀「え?」

友紀「……」

友紀「…………!!」

友紀「うわー!さいてー!」


友紀「こずえちゃんとかも使うんだよ!?えー、避難させなきゃ!」

モバP「避難させてもいいけどさ、このことは内緒で頼むぞ、事務所内で菜々さんの妊娠を知ってるのはお前だけなんだから」

友紀「いや、そうだけど……うわー!うわー!」

モバP「あはは」

菜々「うふふ」



文香「……」ズズズ

おわり

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