【安価とコンマ】男「……ここは一体……?」 (18)

女「ん、目が覚めたか」

男「えっと……自分の状況がいまいち把握できないんだが」

女「ならば数日前に家の前に倒れていたお前を付きっ切りで看病して、目が覚めたと思いきやお礼の一言も言わずに状況説明を求められた私が答えてやろう」

男「すみません。大体わかりました。看病ありがとうございました」

女「よろしい。それで、お前はなんで家の前で倒れていたんだ?」

男「それは誰に聞けば答えが返ってくるんでしょうかね?」

女「それは困ったな。さっきの質問は無かったことにしてくれ」

男「助かります」

女「お前が倒れている間、荷物を確認したがお前どうやら一文無しみたいだな?」

男「そうなんですか? それで、俺の荷物はどこに?」

女「確認する荷物が無かった」

男「なるほど。どうやら俺は一文無しらしい」

女「つまり、お前は仕事をして、ただで数日看病してくれた、命の恩人のかわいい女性にお礼をした方がいいのではないかと思うのだが、どうだろうか」

男「そのかわいい女性はどこにいますか?」

女「記憶喪失に加え光も失ってしまったようだな。ついでに骨の数本折れているかもしれないな?」

男「なんとかわいい女性だ。あなたが私の命の恩人で間違いない。仕事を紹介してくれ」

女「お前、魔法の心得はあるか?」

男「魔法……?」

女「ふむ、そういった記憶もないのか。まあいい。ここに簡易の魔力測定器がある。ここに手をかざしてみろ」

>>2 【安価】魔法の種類
>>3 【コンマ】01~99 大きいほど魔法の素質あり 00 素質無し

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夕暮れ

最近安価コンマスレ多いな。続くかは別として

女「……測定器が振り切っているな」

男「それは喜んでいいのか?」

女「無いよりは良い。正直な気持ちは、"驚いた"だ」

男「サプライズプレゼントです」

女「……どうやら魔法の種類はよく分からないが"陽が落ちる"事に関係した魔法らしい」

男「メテオだな」

女「それはない。しかし、お前に魔法の素質があるとわかったのであれば、仕事のアテはある」

男「楽なので頼む」

女「ではギルドに行くとしよう」


――酒場兼ギルド「VIP」

ワイワイガヤガヤ

男「楽な仕事をくれ」

マスター「ん?」

女「気にしないでくれ。記憶喪失なんだ」

男「記憶喪失関係ないだろ」

マスター「おお、こいつが。目が覚めたんだな」

女「そうだ。それでこいつを働かせようと思って連れてきた」

マスター「ほう、それじゃつまり」

女「そうだ。魔法持ちだ」

マスター「強さは?」

女「簡易測定器では測定不能」

マスター「……ほう」

男「楽な仕事が遠のいていく気がする」

女「種類は……それがよく分からんのだ」

マスター「非常識魔法か」

男「そのネーミングなんとかならんのか」

マスター「それだと、いくら素質が強くても使えるか分からんな」

男「そうだそうだ。楽な仕事をくれ」

女「目利きは無料でいい。簡単なクエストに連れて行ってくれ」

マスター「まあ、こいつがいいっていうならいいんだが」

男「?」

女「良かったなお前。魔法の目利きを無料でやってくれるらしいぞ。本当なら金を払うんだがな」

男「へえ。なんだか悪いな」

マスター(……いいのか?)

女「承諾は得られたぞ。それじゃすぐにでも頼む」

マスター「まあ、いいならいいが。さっそく簡単なクエストがあるし目利きしに行くか」

女「じゃあ、頼んだぞ」

男「どんな魔法かな~」


――
>>2 夕暮れの解釈はこちらで自由にしてもかまいませんか?
>>4 行動安価はよくつぶれる気がしますね

――近くの森

マスター「今回のクエストは畑を荒らす狂兎を倒すだけだ」

男「なるほど、どれぐらい簡単なんだ?」

マスター「死ぬことはないだろうよ」

男「なるほど、帰っていいですか?」

マスター「あの女は敵に回さん方がいい」

男「早く終わらせましょう」

マスター「うむ、もう少しで目撃地点につく」

――――

マスター「よし、ここだ」

男「そういえば目利きってどうすればいいんだ?」

マスター「まあ待て……うむ、来たな」

狂兎「グルルルルルル」

男「死ぬことはないって言ってた気がするんですけど?」

マスター「俺はな」

男「そんな……」

マスター「ほら、目利きするぞ。あいつの前に立て」

男「え……?」

マスター「ほら、俺を信じて。早くするんだ」

男「う、うぅ……まじか……」

マスター「よし、じゃあ行くぞ。目は開けとけよ」ザシュッ

狂兎「ギッ」バタッ

男「うわっ、血が!」

マスター(……何も……起きないのか?)

男「うえぇ……気持ち悪い」

マスター「お前、何ともないのか?」

男「何ともないって……?」

マスター「魔物の血を浴びて、なんともないのか? と聞いているんだ」

男「そういえば……」

マスター「そういえば?」

男「なんだか少し体が軽くなった気が」

マスター「……そうか」

男「え? もしかしてもう目利き終わった?」

マスター「まあ、そうなるな」

男「魔物の血を浴びることが目利き?」

マスター「そうだ」

男「それで一体何が分かるんだ?」

マスター「結論から言えば、何もわからなかった。だが、普通なら魔物の血を浴びれば、魔法の素質があり、魔法を使ったことがない人間に限り、魔法が強制発動する」

男「……あー、なるほど。それで発動しなかったってことは」

マスター「いや、恐らく既に"発動している"のだろう」

男「う、うん?」

マスター「つまり、お前の魔法は"常に発動している魔法"で、常識魔法のような火を出したりというような物ではないということだ」

男「……分かったような分からないような」

マスター「まあ、これ以上話し合っても何も分からないだろうし、戻るとしよう」

――ギルド「VIP」

女「それで、どうだったんだ?」

マスター「どうもこうも、分からなかった」

女「分からなかった?」

マスター「ああ。血を浴びても何も起きなかった。こいつも体が軽くなった気がする、ってだけだ」

男「魔物の血を浴びたら少し健康的になった気がするぜ」

女「……そうか。それじゃあどうすることもできないな」

マスター「"血戦"には来れないだろうな」

女「すまない」

マスター「お前が謝るようなことではない」

男「え……俺が謝らなきゃいけない感じなのか?」

マスター「気にするな。お前のせいでもない。運が悪かっただけだ」

男「そりゃ、良かった。それで、俺はどうすればいいんだ?」

女「しばらくは私の家にいるといい。ある程度金がたまるまではな」

マスター「何か変化があったらすぐに教えてくれ」

女「ああ」

男「角とか生えてきたらどうしよう」

――女の家

男「ふう」

女「ふう、じゃないだろ。お前、これからどうするつもりなんだ」

男「養ってください」

女「恥ずかしくないのかお前」

男「とりあえず家事でも何でも手伝いますよ、へへ」

女「はあ……」

女「まあ、今日は何もしなくていい。明日から考えよう。もう日が暮れるしな」

男「そうか? そういうなら甘えさせてもらうが」

女「本当に図々しいなお前。やっぱり薪割りしてこい」

男「そんな……気分は完全にぐうたらモード」

女「野宿が好きなら先に行ってくれればいいものを」

男「薪割り大好きー!」ダダッ

女「どうしたものかな……」

――――

……ドンッ

女「ん?」



女「おい、男。かなり大きな音が聞こえたが、どう……した……?」

男「いや、すまん。俺にも何がなんだか」

女「これ、お前がやったのか……? どうやったらこんな大穴を……?」

男「薪割りの仕方を間違えたらこうなるのかな……? 初めてやったから分からないけど」

女「もう一回。私の目の前でやってみろ」

男「お、おう。 一応離れてて」

女「うむ」

男「じゃあ、やるよ~っと」 ズドン

女「……なるほど」

男「これでも結構手加減してるんだけど」

女「マスターのところにいくぞ」

男「薪割りは? 薪ごと消えちゃうから代わってくれるとありがたいんだけど」

――ギルド「VIP」

女「おい、マスター。魔法について分かったことがあるぞ」

マスター「なに、まじかよ!」

男「落ち着け」

女「恐らくだが、こいつは身体能力を強化する魔法だ」

男・マスター「「な、なんだってー!?」」

マスター「それは、"血戦"に出ても大丈夫なのか!?」

男「そもそも"血戦"ってなんだ!?」

女「前線に立たせても問題ないだろう。攻撃力だけならな」

マスター「ふむ、防御力はまだ試してないのか」

男「当人を置いて話がどんどん進んでいくぜ」

女「それと、測定器では"陽の落ちる"イメージが出ていたから夕暮れ時に能力が強くなるんだと、思う」

マスター「限定魔法か。だとしたら、防御力も問題ないかもしれんな」

男「なるほど。そうかもしれんな」

女「じゃあ、明日の"血戦"には?」

マスター「あぁ……出てもらう」

男「金は出てくるのか?」

女「良かった……。本当に」

マスター「これで少しでも勝てる可能性があがると良いが」

男「心が折れそうだ。防御力に難ありだと思うぞ、この魔法」

マスター「じゃあ、明日の"血戦"は前線をもっと前に出して夕暮れ時に交戦するようにしよう」

女「ああ、頼んだ。男も頼むぞ」

男「よく分からんが頑張るぞ」

マスター「この町の運命をお前にも背負ってもらうんだ。今日の飯は俺の奢りだ。ここで食っていけ」

男「そんな重い話だったのか!?」

――女の家

男「それで"血戦"ってなんなんだ?」

女「ああ、まだ説明してなかったか?」

男「ずっと置いてけぼり食らってたよ」

女「すまんすまん。"血戦"というのは魔物との戦いだよ」

男「ふーん、クエストみたいなものか?」

女「いや、必ず多くの血が流れる戦い、から"血戦"と付けられたんだよ。この血戦で多くの町や村、国までもが滅んだ」

男「おいおい、冗談だろ?」

女「冗談なわけがあるか。少し前にも近くの村が滅んだ。そして魔物の軍は次にこちらに来ている」

男「それが着くのが明日ってわけか」

女「ああ」

男「他の場所に逃げたりはしないのか?」

女「もし血戦が起こるようならどこも全力で戦わないといけないだろう。私たちを受け入れている余裕などない」

男「みんなで戦ったらいいんじゃないのか?」

女「いつ戦いに転じればいい? 食料は? 逃げた人々の住む場所は? それに、魔物たちは何もせずに土地とその場に残ったものを手に入れれば強くなるだろう?」

男「まあ……そうだな」

女「そうすれば私たちの心象は最悪だ。むざむざ敵を強くして、生活を苦しくさせるのだからな」

女「だから、戦うしかない」

男「今まで茶々を入れて悪かったな」

女「知らなかったんだろ。仕方ないさ」

男「なあ、明日の俺の働き次第で看病のお礼になるか?」

女「なんだお前、既に勝った気でいるのか」

男「悪いか?」

女「いや……悪くない」

男「で、どうなんだ?」

女「ああ……そうだな。お前の働きで勝てたなら養ってやってもいいぞ」

男「約束だからな。忘れるなよ、じゃあ寝る」

女「あぁ」

女(知らないというのは良い物だな)

――次の日/ギルド「VIP」

マスター「よう、来たか」

男「ああ」

女「みんな集まっているようだな」

ガヤガヤ

マスター「男、お前この中に魔法持ちが何人いると思う」

男「ん……? 半分くらいか?」

女「……」

マスター「それだけいりゃ、負けねえな!」

男「そうなのか?」

マスター「答えはお前を含めて3人。残り二人は常識魔法使い。一人は測定器"弱"もう一人は"やや強"」

男「それで?」

マスター「こいつらがこの町の主力だった」

男「……?」

マスター「それだけ、測定器で測れないお前の素質と、魔法は、"非常識"ってことだ」

男「あまり期待されても困るんだが」

マスター「まあ、あまりプレッシャーを与えても悪いな。ただ、俺らはお前に掛けてるんだ。それだけは知っておいてほしい」

女「頼むぞ、男」

男(初めて名前で呼ばれた……!)


――


マスター「では作戦会議を始める」

男「今から決めるのか?」

マスター「お前のおかげで急遽変更することになってな」

魔法持ちA「期待してるよ」

魔法もちB「一緒に頑張ろうな」

男「で、どうするんだ?」

マスター「男は  >>14  で、どうだろうか」 >>15 その作戦の成功度 コンマ大きいほど成功


――
男をどう動かすか好きに決めてください

正面から突撃した後退き、隙をついて再び軍隊の横あいや後ろから攻撃する

へい

マスター「男は正面から突撃したあと、後退。その後隙をついて敵部隊を攪乱してくれ」

男「俺一人でか……出来るか?」

マスター「お前ひとりに負担がかかってしまうが、これが成功すれば一番勝率が高い」

魔法持ちA「俺らは前線の少し後ろで魔法を撃っているから、攪乱は横や後ろから頼む」

マスター「最前線までは俺が送ってやろう」

女「待て、私が連れて行こう」

魔法持ちB「え……?」

マスター「言っている意味が分かっているのか?」

女「ああ。覚悟はできてる」

マスター「……よし、お前ら戦いの前の腹ごしらえだ。好きなだけ食って戦いに赴いてくれ」

男「おお、いいのか? 太っ腹だな」

マスター「最後の晩餐になるかもしれないしな、晩餐というには少し早いが」

魔法持ちA「……喉を通れば、こんなにうれしいことはないんだがな」

マスター「ほら、行ってこい」

男「了解、行こうぜ女」

女「ああ」

魔法持ちA「高い奴食っておこう」

――――ガチャ

マスター「女、待て」

女「……?」

マスター「さっき言った言葉は本当か?」

女「当然だ。役に立てるというのであれば、死んだって構わない」

マスター「俺が行けば生きて帰れる"かも"しれないんだ。お前が行けば犬死するようなもんだぞ」

女「マスターが死んだらどうする。それこそ勝てるかもしれない戦いに勝てなくなる」

マスター「……悪いな。だが、生きて帰れよ」

女「難しい注文だ」

――部屋の外

男「……」

ワイワイガヤガヤ

男「……」モグモグ

女「……」モグモグ

マスター「……」モグモグ

魔法使いA「……」モグ...モグ...

魔法使いB(ただでさえ飯が喉を通らないのに、なんでこんなに気まずい雰囲気なんだ)

――――

マスター「それではこれより、"血戦"に赴く」

ワーワー

男「……じゃあ、頼むぞ」

女「任せろ、必ず敵軍の所まで案内する」

マスター「じゃあお前ら頼んだぞ。男、お前に掛かってるんだ。本当に、頼むぞ」

男「頼まれた」

マスター『進軍!』

ザッザッザッ


――――

女「もうそろそろ陽が暮れるな」

男「……まるで地震だな。この数を俺は相手にしなきゃいけないのか」

女「大丈夫だ。お前は倒すんじゃなくて、生き残って相手を攻撃し続ける事に専念しろ」

男「あぁ、分かった。お前はどうする」

女「隠れているさ。戦いが終わるまで見つからなければ私の勝ちだ」

男「……」

女「なに、心配するな。かくれんぼは得意だ。お前はただ目の前のことに集中しろ」

男「じゃあ、そろそろ行ってくるよ」

女「あぁ」




女「……」グスッ

男(とりあえず深呼吸でもしよう)スー ハー

男(体に特に変化はない。でも、信じるしかない)

男(俺は強いんだと)

ドドドドドドドド……

魔物A「人間ダ!」

男(これは、魔法か!? 避けられな――)

魔物A「!?」

男(……? ただの目くらましだったのか?)

魔物A「全員コイツヲ潰セーーー!」

ワーワーワー

男「次から次へと!」

魔物D「オラッ」

男「ぐっ……痛……くない。全然痛くない」

魔物EFG「オラオラオラ」ペチペチ

男「……」

魔物指揮官「コイツハ無視シテ町ヲ襲エ!」

男「そうはさせるか!」ズドンズドン

魔物「グワーーー」

男「くそっ、数が多い」

――――前線

マスター「来たぞ……」

魔法持ちA「なんだか様子がおかしくないか?」

マスター「男が上手くやったみたいだな。よし、こちらからも迎え撃て!」

ワーワーワー

魔法持ちA「相手は統率が取れてない。孤立した奴を囲め!」

魔法持ちB「へへ、これなら勝てるかもしれないな」

マスター「油断するな。お前らがやられても駄目なんだからな」

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