雁淵ひかり「え、イタリアからの留学生?」 (52)

~2017年7月下旬~
―雁淵家―

ひかり「え、イタリアからの留学生?」

孝美「ええ、イタリアから私の通ってる高校に3人交換留学生が来るのよ…..それで我が家にホームステイをさせてあげることになったの」

ひかり「どうして3人も??」

孝美「えっとね.....うちの高校にホームステイの受け入れをしてくれる人がなかなか見つからなくてね....」

ひかり「そうなんだ.....いつ来るの?」

孝美「2週間後よ」

ひかり「ええ!?もうすぐだね!」

孝美「急に決まったことだから....」

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ひかり「でも私お姉ちゃんみたいに英語とか全然喋れないから不安だよぉ」

孝美「そこは大丈夫よ!彼女たち日本語がぺらぺらみたいだから」

ひかり「そうなの!?良かった~」

孝美「でもひかりは英語を教えてもらったほうがいんじゃないかしら?一学期の成績酷かったじゃない......」

ひかり「うぅ…….でも日本語できれば生きていけるじゃーん」

孝美「全く.....英語に限らず外国語を喋れるのは大きな強みになるのに」

ひかり「えぇ、そうなの.....


孝美「今だって長崎には外国から観光客が来てるでしょ?外国語が出来ればそれだけで仕事に就けちゃうことだってあるんだから」




まあこちらの世界の話ってことにしてるんでイタリアで勘弁してちょ


ひかり「そうだね......頑張ってみる!」

孝美「ひかりはやればできる子だもんね」

ひかり「えへへ.........そういえば留学生の子たちはどんな子たちなの??」

孝美「うーん、それについては私もあまり詳しくは知らないんだけど、高校1年生・2年生・3年生の子が来るらしいの........3年生の子は私と一緒のクラスね」

ひかり「中学生の子は来ないんだ~.....そりゃそうだよね.....」

孝美「でも一緒に登校は出来るでしょ?私たちの学校中高一貫だし」

ひかり「たしかにそうだね!イタリアの女の子3人と登校するなんて夢みたい」

孝美「そうね、私も楽しみよ」フフ

ひかり「女の子ばっかりでお父さんは居心地悪くなっちゃうかな?」

孝美「ふふ、照れ屋さんだものね」

ひかり「二週間後が楽しみだなぁ」


……………………

………………

………

……


~二週間後~
―長崎空港到着ロビー―

ひかり「まだかな~?」

孝美「ひかりったらさっきからそればっかりね」フフ

ひかり「あはは.....」


ツンツン


孝美「?」フリムキ

??「あのー、雁淵孝美さんですか??」

孝美「えぇ......イタリアからの留学生......えっとルチアナさんかしら?」

ルチアナ「はい!見つかってよかったです」


??「ちょっと~ルチアナ、あんた出るの早いわよ」

??「やっと着いた~」

ひかり「あ、他のお二人だ」

??「何々?あんたが孝美?こっちに送られてきた写真より幼いわね」

ひかり「え、っとぉ......私は妹です......」

孝美「ふふ、私が孝美でこっちが妹のひかりです」

??「あらそうだったの~、私はフェルナンディア・マルヴェッツィよ!フェルって呼んでちょうだい」

??「ボクはマルチナ・クレスピ!よろしくね~」


ルチアナ「改めてですが、私はルチアナ・マッツェイです.....一年間よろしくお願いします」

孝美「では、私も.....雁淵孝美といいます、孝美って呼んでくださいね」

ひかり「私は妹のひかりです!よろしくおねがいします!!」

孝美「自己紹介も終わったことだしみんな疲れてると思うから早速家に帰りましょうか」

フェル「なんだか3人でお邪魔しちゃって悪いわね」

孝美「大丈夫大丈夫、私の家はウェルカムよ」

マルチナ「ひかりは高校生なの~?」

ひかり「私はまだ中学2年生なんです」

マルチナ「え、そうなの......」ジー

ひかり「ど、どこ見てるんですか......」

ルチアナ「フフ」


マルチナ「あぁ~!ルチアナ今笑ったでしょ!?」

ルチアナ「わ、笑ってませんよw」

マルチナ「にやけてるじゃん!!ルチアナはここに無駄な脂肪が多すぎるよ!」ツンツン

ルチアナ「ちょ、ちょっと何してるんですかこんなところで!」

ひかり「あはは........」

フェル「2人ともやめなさいよ、ひかりがドン引きしてるじゃない」

孝美「賑やかでいいんじゃないかしら?」フフ

―雁淵家―

ひかり「お母さんお父さんただいまー!」

竹子「おかえり、随分と早かったのね」

フェル「お邪魔するわ~」

竹子「あらあら、ようこそ我が家へ。ひかりと孝美の母の竹子です。ほらお父さんも」

浩平「日本へようこそ、父の浩平です」

フェル「フェルナンディア・マルヴェッツィよ!じゃなくて.....です」

ルチアナ「フェル隊長は敬語が苦手ですからね.....私はルチアナ・マッツェイです。これからお世話になります」

マルチナ「マルチナ・クレスピです!よろしくお願いします!!!」

竹子「じゃあ孝美、家の案内とお部屋の説明をよろしくね」

孝美「オッケ―」


フェル「それにしても日本の夏は暑いわね~」

ルチアナ「湿気がすごいですね.......」

孝美「ふふ、夏はまだまだ続くわよ~」

ひかり「今皆さんに飲み物もってきますね」スタタ

フェル「あら、ひかりは気が利く良い子ね」

マルチナ「フェル隊長ひかりをパシリに使う気だな~?」

フェル「そんなことしないわよ」

孝美「そういえば、なんでフェルちゃんは隊長って呼ばれているの?」

フェル「あたしは向こうの高校で日本サークルの部長をやってたんだけどね、部長じゃ弱そうだから隊長って呼ばせてたら定着したのよ」

孝美「ふふ、おもしろいわね」

孝美「さ、ここがあなたたちの部屋よ。ちょっと狭いけど許してね」


ルチアナ「ありがとうございます。それに3部屋それぞれ個室だなんて.....」

フェル「日本って家が狭いって聞いてたけど案外広いわね」

孝美「田舎の方は家が広いところが多いの」

フェル「ここが田舎って言えるの~?いっぱい家あるじゃない」

孝美「まぁ日本は人多いし.....」

フェル「そうねぇ、ま、この街は海も近くにあるし気に入ったわ~」

孝美「そう言ってくれると嬉しいわ」

マルチナ「あ!日本の布団初めて見た~」

孝美「お布団は気持ちいわよ~?」


タッタッタ


ひかり「お茶入れてきましたよ~!!」

フェル「あら丁度良かったわ~....ありがとひかり」

ルチアナ「ありがとうございます」

ひかり「どういたしまして!」

ひかり「マルチナさん...もうお布団に寝っ転がってる....」

フェル「ほら、マルチナ!ひかりがお茶持ってきてくれてんだから飲みなさいよ!」

マルチナ「は~い......ひかりありがと~」

ひかり「どうぞ」

マルチナ「冷たっ....これは冷たいグリーンティー?」ゴクゴク

ひかり「えぇ、夏はやっぱり冷えてるのが一番ですよぉ」

マルチナ「っぷはぁ~~.....グリーンティーはあっついのしかないのかと思ってたよ~」

ひかり「私は冷たいのが好きです!」

マルチナ「ぼくもこの冷たいのがいいかな~」


ひかり「気に入ってくれてよかったです!!!」

孝美「ふふ、3人は疲れていると思うし今からお昼寝でもする?それともお昼ご飯食べたい?」

フェル「そうねぇ....疲れてお腹減ってないし夕飯までちょっと休みたいわね.....」

マルチナ「ぼくも布団で寝たいかな~」

ルチアナ「私はお昼ごはんを頂きたいです......」

フェル「あら、あんたがそういうの珍しいわね」

ルチアナ「飛行機では熟睡出来たんですけどお腹がすいちゃって...」

フェル「そういえば寝てたわね.....ま、私は夜になったら起こしてちょうだい」

マルチナ「ぼくもよろしくね~」


孝美「分かったわ。あ、あと今日は夜の8時半から花火があるから楽しみにしててね」

フェル「ええ!いいじゃない!さ、早く寝なきゃね~」

マルチナ「じゃあぼくもおやすみ~」

孝美「おやすみなさい」

孝美「ルチアナさんはほんとに寝なくて大丈夫?」

ルチアナ「ええ、意外に時差とかには強いのかもしれないですね」

孝美「羨ましいわ.....さ、お昼ご飯食べに行きましょう?」

ルチアナ「え?外に食べに行くんですか?」

孝美「ええ、他の二人には内緒よ?」

ルチアナ「そんな、ありがとうございます」

孝美「気にしないでいいのよ」

ひかり「お姉ちゃん、2人に聞こえちゃうんじゃ.....」

孝美「大丈夫大丈夫」


孝美「お母さーん、出かけてくるね~」

竹子「気をつけて行ってきなよ~」


ガチャ


孝美「相変わらず暑いわね~」

ひかり「ムシムシする~」

ルチアナ「ほんとですね~」

ひかり「そういえばルチアナさんはどこ出身なんですか?」

ルチアナ「私は生まれも育ちもヴェネツィアという街です....あの2人も同じなんですよ」

ひかり「ヴェネツィアって......街の中にいっぱい運河が流れてるとこですよね!日本みたいに夏は暑いですか?」

ルチアナ「良く知ってますね!流石にここまで暑くはないですね....でも夏はイタリアにもセミが鳴いてるんですよ」

ひかり「え~!そうなんですか!?セミって日本にしかいないのかと思ってました」

ルチアナ「そう言うと思いました」フフ


孝美「イタリアのセミの鳴き声はどんな感じなの?」

ルチアナ「そうですねぇ....ジージー言ってますね.....日本のセミとは鳴き声が違うように思います」

孝美「そうなんだ、日本にはセミが何種類からいるからそれぞれで鳴き声が違うの」

ルチアナ「日本にいるうちに全部聞いてみたいですね」

孝美「学校が始まる前の夏休みの内は色々なところに行こうね」

ルチアナ「是非行きたいです」

ルチアナ「そういえば今から何を食べに行くんですか?」

孝美「ハンバーガーよ!」

ルチアナ「ハ、ハンバーガーですか??」

孝美「日本っぽくないと思ったでしょ?」


ルチアナ「は、はい」

孝美「この街、佐世保はね...佐世保バーガーというので有名な街なのよ」

ルチアナ「そうなんですか....でも日本にはどこにでもハンバーガーがあるんじゃ....」

孝美「たしかにそうなんだけどね、まあここのハンバーガーは本場アメリカのものに近いから日本で有名になったのかもね」

ルチアナ「名物っていうやつですか?」

孝美「ふふ、そうね」

ひかり「今日こそは大きいサイズの全部食べきってみせるよ!」

孝美「いつも残して持ち帰ってるじゃない」ハァ

ひかり「えへへ、中学になったらもっと食べれると思ったんだけどなぁ....」

ルチアナ「成長期ですからね、いっぱい食べるのはいいことですよ」

孝美「ルチアナさんは大きいから説得力があるわね」


ルチアナ「そ、そんなことないです...」

ひかり「うらやましいなぁ.........あ、あそこのお店ですよ!」

ルチアナ「随分とにぎわってますね」

孝美「今の時期って夏休みで観光客がたくさん来るからね.....ちょっと待つけどいい?」

ルチアナ「ええ、全然大丈夫です」

ひかり「早く入ってコーラ飲みたいよ~」

ルチアナ「ハンバーガーといえばコーラ、コーラといえばハンバーガーですよね!?」

ひかり「その通りですよ!」

孝美「食べる前からテンション高いわね......」


~20分後~
―店内―

店員「いらっしゃいませ~」


ひかり「ふぅ~、やっと入れた~」

ルチアナ「なんだかいい雰囲気のお店ですね」

孝美「人気店なのよ」

ひかり「メニューをどうぞ」スッ

ルチアナ「ありがとうございます...お二人は見なくていいんですか?」

孝美「私たちは食べるの決まってるから大丈夫よ」

ルチアナ「常連さんですね」

ルチアナ「んっと~、どれにしましょうかね~」

.....................


~10分後~


ひかり(え、選ぶ時間長すぎるよ......)チラ

孝美(そ、そうね)チラ

ルチアナ「んっと~......あ、じゃあこれにします」


ひかり&孝美(ふぅ.....)

孝美「了解、じゃあ注文しちゃうね」スイマセーン

店員「ただいまお伺いしま~す」

................................................


店員「お待たせしました~、〇〇セットと××セットと△△セットになります~」ドンッ


ひかり「ありがとうございまーす!」

ルチアナ「お、美味しそうです.....ひかりさんのは確かに大きいですね」

ひかり「頑張りますよ!いっただきま~す」

ルチアナ「私もいただきます」ハム

孝美「どうかしら?」

ルチアナ「......んはぁ~.....美味しいですねぇ」ガツガツ

孝美「そんなに急いで食べるとのどに詰まるわよ......ま、でも気に入ってくれたみたいで良かった」フフ

ルチアナ「ご、ごめんなさい.....すごいお腹減ってて」


ひかり「ルチアナさんって最初はクールな感じかと思ってたんですけど、可愛いタイプなんですね」

ルチアナ「そうですか???」

ひかり「最初の印象は背が高くて穏やかだったのでお姉さんっぽいと思ってました」

ルチアナ「私はフェル隊長やマルチナとかみたいには出来なくて」アハハ

ひかり「あのお二人に振り回されてるって感じですよね」

ルチアナ「そうですね....でも私にとってはそっちの方が楽しくて居心地がいいんです」

ひかり「親友さんですね!」

ルチアナ「はい!でも、そのおかげで向こうでは三変人って言われてましたけどね」

ひかり「90%はフェルさんとマルチナさんですね」

ルチアナ「私10%もありますか?」

ひかり「え、えぇ....まぁ....」

孝美(あるわね.....)


~夕刻~
―雁淵家―

ガチャ


ひかり「ただいま~」

竹子「おかえりなさい、どこ行ってたの?」

ひかり「ルチアナさんに街を色々案内してたんだ~、マルチナさんとフェルさんはまだ寝てるの?」

竹子「ぐっすり寝てるわよ。それよりあんたたち夕飯は屋台で食べるの?」

ひかり「うん!いいよねお姉ちゃん?」

孝美「もちろん!」

竹子「じゃあ2人を起こしてあげて暗くなる前に早く行っちゃいなさい」

ひかり「は~い」


スタタ


竹子「ふぅ....ルチアナさん今日着いたのに連れまわされちゃって大丈夫?」

ルチアナ「ええ、私はそんなに疲れてなかったので大丈夫です.....むしろ私一人だけ連れてってもらってちょっぴり得をした気分ですよ」フフ

竹子「あらそうなの、それなら良かったわ~」


―フェルの部屋―

コンコン


孝美「入るよ~.....って寝てるか」


ガチャ


フェル「」グカー zZZ

孝美「ありゃりゃ....こんなに爆睡されてると起こしづらいよ~」


トントン

孝美「お~い、そろそろお祭りに行くから起きて~」

フェル「......ん?......あら...孝美.............................もうそんな時間?.....」ゴシゴシ

孝美「ええ、6時間近く寝てたわよ」

フェル「早いわね~.....スグ着替えていくわ~」

孝美「待ってるね」


―マルチナの部屋―

コンコン

.........シーン........


ひかり「寝てること確認」


ガチャ


マルチナ「」スピー zZZ

ひかり「枕抱いて寝てる........か、かわいい.......ほっぺツンツンしちゃおう.....」


ツンツン

ひかり「.......」


ツーンツーン

ひかり「.........」フフ

ひかり(っは!?......これじゃまるで私、前にニュースでやってた人みたいじゃん.......)


ひかり「マルチナさ~ん.....起きて下さ~い」ユラユラ

マルチナ「」グー

ひかり「起きない...........」


ツンツン

マルチナ「」スピー

ひかり「...................マ・ル・チ・ナさん!もう夕方になっちゃいましたよ~」グラグラ

マルチナ「........ぅ~.................ひかりぃ??...........」

ひかり「あ、やった起きましたね」

マルチナ「...........ぅう..........もう夕方なの~?.......」パチパチ

ひかり「そうですよ、これからみんなでお祭りに行くんです!」

マルチナ「え?ホント!?」

ひかり「はい!そこから花火を見るんですよ!」

マルチナ「すぐに用意するね~」


~数分後~

フェル「お待たせしちゃったわね」

マルチナ「準備できたよ~」

孝美「お、これで行けるわね」

フェル「ルチアナとひかりはもう行っちゃったのかしら?」

孝美「ううん、2人は外で待ってる」

フェル「あらそう、んじゃ早く行きましょう?」

孝美「うん!.......お母さーん行ってくるねー」


竹子「いってらっしゃーい」


ガチャ


マルチナ「おーい、ルチアナとひかり~」タッタッタ

ひかり「あ、マルチナさん」

マルチナ「待たせてごめんねー」

ひかり「いえいえ全然大丈夫です!」

孝美「さ、行きましょうか」


フェル「ルチアナ~、あんたお昼何食べたの?」

ルチアナ「ハ、ハンバーガー食べたんです」

フェル「ハンバーガー?自家製で?」

ルチアナ「いえ、お店に連れてってもらったんです....この街はハンバーガーで有名らしいですよ」

フェル「あらそうなの、あたしも行けばよかったわ~」

孝美「ふふ、フェルちゃんとマルチナちゃんも今度一緒に連れてってあげる」

フェル「よろしく頼むわよ!」

マルチナ「フェル隊長は食い意地張ってるからね~」

フェル「あんたが一番でしょーが!」

マルチナ「そんなことないよ~」


ルチアナ「2人ともみっともないですよ.......」

フェル「はぁ....まぁいいわ、それより今から行く祭りには屋台があるの?」

ひかり「ありますよ!焼きそばとかたこ焼きとか」

フェル「あらいいじゃない、ホンモノの屋台で買って食べてみたかったのよ~」

ひかり「すっごい混んでるので気合い入れといてくださいね!」

フェル「あたし、祭りにはいっつも気合い入れてるから大丈夫よ」

ルチアナ「レガータ・ストリカの時のフェル隊長は特に燃えてますよね」

フェル「まあねぇ」フフン

ひかり「それはどんなお祭り何ですか?」

フェル「一言でいえばボート漕ぎレースよ」


ひかり「そんなのがあるんですか~」

フェル「そうよ!去年はあたしとルチアナで女2人漕ぎの部で準優勝したのよ!」

ひかり「えぇ~!?ホントですか!?」

フェル「ま、ルチアナの馬鹿力のおかげなんだけどね~」

ルチアナ「ちょ、ちょっとその言い方もっとなんとかならないんですか?」

フェル「こう見えてルチアナは運動神経良いからねぇ」

ルチアナ「もう.....」

ひかり「凄いじゃないですか~」

フェル「ま、今年の9月は日本にいるから出れないけど、その分こっちで楽しませてもらうわ~」

ひかり「楽しい思い出いっぱい作っていってほしいです!」

フェル「よろしく頼むわよ!.........それよりひかりは屋台で何食べるつもりなのかしら?」

ひかり「あ、えっと......私は昼残したハンバーガーでも食べよっかなと思って.....」ハハハ

フェル「そうなの?ちょっとそれあたしが食べてあげよっか?お腹すっごい減ってるし」

ひかり「ええ!?いいんですか?」

フェル「もちろんよ~、ささ、ちょうだい」

ルチアナ(やっぱり食い意地張ってるじゃないですか.......)


―祭り会場―

マルチナ「えーっとぉ......”シーサイドフェスティバル”?」

孝美「そうよ、このお祭りの名前」

マルチナ「すごい盛り上がってる~」

フェル「こりゃ想像以上の混み具合ね」

ひかり「何食べよっかな~」

マルチナ「焼きそばが食べたい!」

ひかり「じゃあ一緒に行きませんか?」

マルチナ「ひかりはぼくの案内役ね~」

ひかり「いいですよ!いっぱい食べましょうね!」


タタタ


ルチアナ「行っちゃいましたね....」

孝美「元気ね~、あの二人とは花火の前に合流すればいっか」

フェル「私たちも早く行きましょう?」

孝美「そうね」


孝美「2人は何か食べたいものとかある?」

フェル「そうねぇ..............なんかいっぱいありそうだし孝美にまかせるわ!」

ルチアナ「私もお任せします」

孝美「あらそう.........じゃあ最初は屋台の定番たこ焼きね!」


―たこ焼き屋台―

フェル「いい匂いね~」パカ

孝美「熱いから気をつけて食べてね」

フェル「あっつぅ!!」ヒィヒィ

ルチアナ「言ったそばからですね」

フェル「ルチアナ!水!水!」

ルチアナ「どうぞ」

フェル「ありがと」ゴクゴク

フェル「はぁ~死ぬかと思ったわ.....こりゃ爆弾ね....」

孝美「面白い喩えね」フフ


―綿あめ屋台―

マルチナ「ひかりはもう食べないの~?」パクパク

ひかり「もうお腹いっぱいですよぉ......」

マルチナ「ぼくの綿あめちょっといる?」

ひかり「じゃあちょっとだけ....」

マルチナ「はい」

ひかり「ありがとうございます......マルチナさんすごいよく食べますね.......」パクパク

マルチナ「お昼何も食べてないからね~」

マルチナ「それに......」

ひかり「それに?」

マルチナ「せっかく日本の祭り来たんだからいっぱい食べないともったいないじゃん!」

ひかり「そうですね!」


プルルルr


ひかり「ん?」ブルブル

ひかり「お姉ちゃんから電話だ」パカ

ひかり「もしもし~」

孝美「あ、ひかり!そろそろ花火だから合流するわよ」

ひかり「わかった!どこに行けばいい?いつものとこ?」

孝美「うん!福石観音ね」

ひかり「おっけー!じゃあまたあとでね」ピッ

ひかり「マルチナさ~ん、花火見るの違うとこ行くので移動しましょう!お姉ちゃんたちもそこに来ますので」

マルチナ「ここで見ないの?」

ひかり「ここから少し歩いたところに良く見える所があるんです」

マルチナ「そうなんだ!じゃ行こっか」ギュ

ひかり「!?........手つなぐんですか!?」

マルチナ「ふふ、いいじゃん!」

ひかり「えへへ///」


―福石観音公園―

孝美「あの二人まだかしら」

ルチアナ「あと3分くらいで花火始まっちゃいますね」


マルチナ「お~い!」スタスタ

ひかり「遅れてごめんなさーい」スタスタ


フェル「あら来たじゃない」

孝美「ギリギリセーフね」

ひかり「思ってたより時間かかっちゃった」

孝美「間にあって良かったね」

ひかり「良かったよ~」

孝美「お腹いっぱいになった?」

ひかり「いっぱい食べたよ!」

孝美「今日はひかり食べ過ぎね」

ひかり「そうだね」アハハ

マルチナ「それにしてもこんな所があるなんてね~、お寺なのここ?」

孝美「その通り!私たちは毎年ここから見てるのよ」


マルチナ「落ち着いてるよ~」

孝美「ふふ、そうでしょ?」




ヒュ~~~~~ .... ッドォーーーン!!!



           ヽ                 ,:;:';:'
            )           ,;:。,':;:':;'*,:'  *   *
             ) ,.:;:。,;':;:;.',.,.;。,:;':'.;:'*    *   *     *
         )   ノ;:'.';,゚;':;゙.'゚':;:':;':'' *    *       *    *

⌒          ノ;',゚':'      *    *    * *    *    *
   ⌒     ノ,.:゚'           *     *     *   *    *    *
⌒ / /  ノ             *    *    * *    *    *
///ノ                 *    *       *    *

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||- ,、(、,、,、,、,)、、、、、、.ノ,、,.ヽ、、、、、、、,、、、、、、、、、、    |




フェル「あら!始まったわ~!!」

ルチアナ「綺麗ですねぇ.........................」

マルチナ「すごいおっきいね!!」

ひかり「やっぱりここで見るのが一番だよ」

孝美「そうね」フフ

フェル「ルチアナ!あんたの持ってるうちわ貸しなさい!」

ルチアナ「いいですけど......急にどうしたんですか?」

フェル「花火見ながらうちわ扇ぐの!」

ルチアナ「そ、そうですか......」ホイ

フェル「ありがと」ヒョイ


フェル「はぁ~いいわ~これ........」ファサファサ


...............................


..................


.............


.....

..


~お盆~
―雁淵家―

フェル「あ~、あっついわね~...............」パタパタ

ルチアナ「フェル隊長、だらしないですよ.........そんな恰好で寝っ転がって...........」

フェル「暑いからしょうがないでしょ~?」

ルチアナ「はぁ........完全に溶け込んでますね........」

フェル「もう来てから一週間もたったんだし慣れちゃったわよ」


スタスタ


ひかり「あ、フェルさん!ルチアナさん!そろそろお昼ごはんですよ~」

ルチアナ「ひかりさん、ありがとうございます........フェル隊長、上着てきてくださいね」

フェル「はいはい」

ひかり「フェルさん、縁側で寝っ転がっておじさんみたいですね」フフ

フェル「まだ17歳よあたし~」


―居間―

マルチナ「あ、フェル隊長とルチアナやっと来た」

孝美「これでみんな揃ったわね」

フェル「あら、このうどん細くない?」

竹子「フェルちゃん、これはうどんじゃないのよ.......素麺っていうんだけどね、夏によく日本で食べられるものなのよ」

フェル「へぇ~そうなんですか、ラーメンとかうどんとか蕎麦とも違うのね........」

竹子「そうそう、そういえば三人が来てから初めて素麺出したわね」

竹子「じゃ、いただきましょうか.....いただきます」イタダキマース


フェル「んっ...美味しい」チュルチュル

マルチナ「冷たくて冷製パスタみたいだね」ズーズー

竹子「ふふ、良かった......そういえば三人はお盆は知ってる?」

フェル&マルチナ(きいたことあるけど忘れた........)

ルチアナ「えっと確か.....先祖の人を供養する......でしたっけ?」

フェル(ルチアナナイスよ!)

竹子「その通り!良く知ってるわね.....この時期はお盆の休みなのよ。お盆にはお墓に御先祖様を迎えに行って一日家で一緒に過ごすの.....それからお墓に送り帰してあげるの。今日はお墓に行って御先祖様を迎えに行く日だから三人も一緒に来てね」

ルチアナ「是非行かせていただきます」


~午後~
―墓地―

ひかり「ふぅ、やっと着いた~」

マルチナ「結構歩いたな~.....あ、お墓がいっぱいある」

フェル「これは凄い重そうなお墓ね」

ひかり「全部お墓用の石でできてるんですよ!」

フェル「そうなの?随分と手が込んでるじゃない」

ひかり「そうですね~、大事なものですから」

孝美「ひかり~、お線香私が持ってるから火つけて?」

ひかり「はーい」

マルチナ「この棒に火をつけるの?」

孝美「そうよ~......これはお線香っていうんだけど、これに火をつけてあそこの砂の上に立てるの」

マルチナ「そうなんだ~」

ひかり「じゃあつけるよ~」カチッ

孝美「ありがとう、ひかり」


マルチナ「なんかいい匂いがするね~」

ルチアナ「独特の香りですね」

ひかり「お線香の匂い良いですよね!」

フェル「体が清められるわ~」

孝美「ふふ......じゃあみんなにお線香を渡すね」

フェル「あたしたちもいいの?」

孝美「うん!みんなが来てきっと喜んでるだろうから」

フェル「んじゃ、貰っちゃうわよ」スッ

ルチアナ「あの、これをどのようにすればいいんですか?」

孝美「えっとね、まずお墓の下にあるお椀みたいなのものに砂が入ってるから、お線香をその砂に立ててるでしょ。その次に目を瞑って手をこういう風に合わせながらお祈りしたら終わりよ。今から私がやるから見ててね」

ルチアナ「なるほど、分かりました」



...................................

お線香をあげ中

...................................



竹子「よし、これで全員終わったわね....それじゃ帰りましょうか」

マルチナ「お母さん、今日の夜ごはんは何ですか~?」

竹子「今日の夜ごはんはお寿司よ~」

マルチナ「ほんとですか?やった~!」

竹子「しかも、とびきり美味しいのだから楽しみにしててね」

マルチナ「楽しみだな~」

フェル「ちょっとちょっと!もうお腹減ってきちゃったじゃない」

ルチアナ「相変わらずの食い意地ですね二人とも.........」


~8月下旬~
―雁淵家―

フェル「そろそろ学校始まるわね~」パタパタ

ルチアナ「えっと.....確か9月2日からですよね」

フェル「そうね~、準備とか手続きは終わったし......」

ルチアナ「緊張してきますね」

フェル「でもあんた孝美と一緒でしょ~?いいじゃない」

ルチアナ「そうでしたね.....でもフェル隊長やマルチナはすぐに馴染んでる光景が目に浮かびますよ....」フフ

フェル「そうはいっても流石のあたしでもちょっとくらい緊張してるのよ~?」

ルチアナ「まあ最初は誰でも緊張しますよね」

フェル「ま、学校始まるまでにまたどっか遊びに行きたいわね~」

ルチアナ「折角の夏休みですからね」


ひかり「ルチアナさ~ん」スタスタ

ルチアナ「ひかりさん、どうしたんですか?」

ひかり「お姉ちゃんが学校のことで呼んでましたよ~」

ルチアナ「わかりました!今行きますね」スタスタ


ひかり「あ、フェルさんいたんですか」

フェル「い、いたわよ!」

ひかり「またそこでうちわパタパタして寝転んでるですね」

フェル「ここ気持ちいのよ~、ひかりも来る?」

ひかり「い、いえ大丈夫です......ところでフェルさんはビーチは好きですか?」

フェル「大好きに決まってるじゃない!地中海には綺麗な海岸がいっぱいあるのよ!」


ひかり「そうなんですか!実はですね.......明後日ビーチにキャンプしに行くことが決まったんですよ!」

フェル「ほんとに!?泊りがけなのよね?」

ひかり「はい!この佐世保から船で2時間くらい離れた島に行くんですよ!」

フェル「なんだか色々してもらって悪いわね~」

ひかり「そんな、気にしないでください」

フェル「久しぶりの海、楽しみだわ~!」

ひかり「待ち遠しいですね!」

フェル「そういえばひかりは宿題終わったの~?」

ひかり「う........も、もうちょっとですから.....」

フェル「ったく~、今日と明日でちゃっちゃと終わらしちゃいなさいよ」

ひかり「頑張ります...........」ショボン

フェル「あたしが手伝ってあげてもいいわよ~?」

ひかり「ほ、ほんとですか!?お願いします~!」

フェル「オーケーオーケー.....んじゃ、そうと決まったら早速やるわよ!」

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