沙織「なんなの突然?」
華「沙織さんがおモテにならない理由、ですか」
みほ「でも確かに沙織さんがモテないのってすごく不思議かも」
優花里「ですよね。わたしが男性だったら絶対に放っておきませんよ」
沙織「も、もう二人とも////」
華「一応お聞きしますが、周りに男性がいないから、というわけではありませんよね?」
麻子「もちろんだ」
沙織「じゃあさ、麻子はどうしてわたしがモテないって思うわけ?」
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麻子「沙織には足りないものがある」
優花里「足りないものですか?」
みほ「家事は万能で可愛いのに自分磨きに余念がなくて、女の子の魅力を凝縮したような沙織でも足りないものがあるなんて.....」
華「沙織さんでもまだ足りないなんて....」
沙織「わたしに一体何が足りないっていうの?」
麻子「沙織に足りないもの、それは、そう」
優花里「ん?」
麻子「そう、若さだ」
みほ「へ?若さ?」
華「あの私達はまだ高校生ですし、若さということなら十分に足りていると思いますが.....」
沙織「そうだよ!わたしはまだぴっちぴっちのJKだよ!」
麻子「沙織、今なんて言った?」
沙織「え?ぴっちぴっちのJKって.....」
麻子「今時の高校生はぴっちぴっちのなんて言葉は使わない」
みほ「言われてみれば」
華「確かに.....」
優花里「いや、しかし、それだけで若さが足りないというのは」
麻子「秋山さんのいう通り、言葉使いだけならおっさんくさいだの老けてるだの独身OLだのと言われることはないだろう」
沙織「ヒドイっ!」
麻子「それじゃあ、沙織。沙織の思う男を落とす手料理を作ってくれ」
沙織「と言うわけで作ってきたけど.....」
みほ「わぁ!肉じゃがだ!」
優花里「定番ですね!」
華「とても美味しそうです」
沙織「やっぱり男の人ってお肉料理が好きだろうし、好きな人に食べてもらうなら肉じゃがかな?って」
華「うぅん!とっても美味しいです!」
みほ「うん、見た目も味もバッチリだし、これなら男の人も喜びそう!」
優花里「ホカホカのご飯にも合いますし、こんなものを毎日作ってもらえる武部殿の旦那さんが羨ましいですよ!」
華「まぁ、お相手はいませんけどね」
麻子「うん、美味い」
沙織「それなら.....」
麻子「だが、センスが古い」
沙織「!?」
みほ「そ、そうなの?」
華「でも確かに....」
優花里「最近は聞きませんね、この定番」
麻子「そうだ。しかも、さっき秋山さんが無意識に言った旦那さん、と言う言葉」
麻子「そう、恋人というより結婚してからの、という先のことを意識しすぎている」
麻子「恋を夢見る女の子の発想じゃないな」
沙織「そんな.....」
麻子「いや、しかし肉じゃがは美味しかった」
優花里「一応聞きますが、単に武部殿の手料理を食べたかったわけではないんですよね?」
麻子「それもある」
沙織「もう麻子!だったら片付け手伝ってよ!」
麻子「次のポイントはここだ」
みほ「え?ここ?」
麻子「沙織の食器の洗い方をよく見て欲しい」
優花里「洗い方をですか?」
沙織「え?わたし変な洗い方してる?」
麻子「変じゃない。むしろ普通だ」
麻子「だがしかし、今時の女子高生が水をためた桶の中で食器を洗うだろうか?」
優花里「異議あり!これはわたしも家でやってますし何もおかしなところはありません!」
みほ「へぇ、こんな洗い方があるんだぁ」
優花里「西住殿?!」
沙織「ぬるま湯を溜めて洗剤と混ぜると水を節約できるし、時短にもなるんだよ」
華「勉強になります」
優花里「五十鈴殿も?!」
麻子「二人は家庭環境もあるだろうが、意外とこの洗い方は一般的でないらしい」(注意:作者の偏見です)
麻子「ついでに、シンクの掃除には何を使う?」
沙織「え?重曹だけど?」
みほ「え?重曹ってお掃除にも使えるの?!」
華「そういえば、私重曹入りの洗剤を見たことあります」
麻子「洗濯については割愛するが、沙織の家事力はもはやベテラン主婦並みだが、女子高生らしさはない」
優花里「できるが故の欠点とは.....」
沙織「もう!麻子さっきから文句ばっかりじゃん!」
麻子「沙織がモテない理由の話だからな」
麻子「沙織は普段モテるために女子力を磨いていると言っていたが、もはや磨きすぎて一介の女子高生の域を出てしまい主婦力と化している」
みほ「でもそれって、家事がすごく得意って事だし、家庭的で魅力的だからモテない理由にはならないような......」
優花里「そうですよ!うっかり忘れていましたが、モテない理由の話でしたよね?」
華「私もこれがマイナスになるとは思えないのですが....」
麻子「ふむ、なるほど」
麻子「では聞くが、沙織はどんな男と付き合いたい?」
沙織「え?それは、力強くて、頼りになって、かっこいい人かな?」
麻子「それは年上か?」
沙織「え?」
麻子「仮に沙織が付き合いたい男性が、20代前半、会社員の一般男性であるとしよう」
麻子「その年代の男で女子高生と付き合いたいというやつは大抵、自分が年下の彼女に対し頼られたい、頼りにされたいと思っている。要するに世話を焼きたい」
麻子「が、沙織は家事は完璧だし面倒見はいいし以外と自分でなんでも解決できてしまうので世話を焼くことはあっても世話を焼かれることは少ない」
麻子「つまり、沙織は年上の男性からすると魅力が薄い」
沙織「そんな?!」
華「麻子さんの偏見では?」
麻子「いや、最初に沙織が言った理想のタイプから考えればただの偏見とも言いがたい」
麻子「さらに年上の30代ともなれば沙織のような家事スキルの高さを求めるだろうが、付き合えたとしてもそいつはロリコンということになるぞ」
沙織「う、それは嫌かも.....」
麻子「しかもその辺りのシェアは宇津木さんと争うことになる」
沙織「そうなの?!」
優花里「ふ、風評被害ですよ!」
麻子「残るは同年代、もしくは年下だが、沙織」
沙織「何?」
麻子「子供っぽい男は好みか?」
沙織「う、うーん、好みとはちょっと違うような.....」
麻子「ちなみにこの分野では小山副会長と争うことになる」
沙織「う、なぜか勝てる気がしない.....」
麻子「それで、若さが足りない、と言うのが沙織がイマイチモテない理由の一つ」
沙織「え?他にもあるの?」
麻子「さすがに今の理由だけでモテないのはおかしな話だろう」
優花里「モテたい!って言ってるのが原因とかですか?」
麻子「いや、今の時代むしろ女側の積極性は大事だと思う」
みほ「だったらどうして.....」
麻子「沙織の場合な、モテたい、が少し重い」
華「重い?想いが重いとかそう言うことですか?」
麻子「いや、違う」
麻子「沙織の場合、付き合うことの先に結婚が強烈に意識されていて、付き合うの意味が重い」
麻子「仮に沙織の家事力と容姿に惚れた理想の男が現れたとする。だが、付き合う前からすでに結婚の存在がチラついていると男の方も尻込みするだろ」
優花里「う、うーん。確かに武部殿は気負いすぎな気もしますが.....」
麻子「沙織は理想のお嫁さん像を体現している。が、体現しすぎているあまり付き合うにはちょっと、と言うポジションになってしまっている」
みほ「でも、理想のお嫁さんなら結婚したいって思う男の人って多いんじゃ.....」
麻子「沙織は女子高生だぞ。結婚願望のある男が高校生と付き合うだろうか?」
麻子「いいか、お付き合いという地方予選を勝たなければ結婚という全国大会には出られないんだ!」
華「で、でも、戦車道大会に地方予選はありませんし.....」
優花里「五十鈴殿、おそらくそれは今の話とは関係ないです」
麻子「それにだ。女子力という単語をよく使うがな」
麻子「考えてみろ、その言葉を使い始めたのはアラサーと呼ばれる世の結婚できない女性が男を捕まえるために生み出した言葉だぞ」
みほ「そうなの?」
優花里「いや、わたしも真偽のほどはちょっと」
麻子「足りないっ!若さがっ!圧倒的に!!」
沙織「やだもー!」
華「若さってなんでしょう?」
優花里「ためらわないことでしょうか?」
みほ「そうなの?」
優花里「すいません西住殿。今のは適当に言った言葉なので忘れてください」
沙織「そ、それじゃあわたしはどうすればいいの?」
麻子「知らん」
沙織「そんなぁ」
華「それはいささか無責任では?」
みほ「そ、そうだよ!このままじゃ沙織さんが可哀想だよ」
麻子「だがな沙織、わたしはそんな沙織のことを好きで好きでたまらないというやつを知っている」
沙織「ほ!ほんとう!?」
優花里「一体誰なんですか?!」
麻子「それはな、わたしだ」
みほ「え?」
沙織「ま、麻子?////」
麻子「沙織、男はみんな若さの足りない沙織の本当の魅力に気づかない馬鹿ばかりだ。若さがなんだ!結婚へのプレッシャーがなんだ!」
麻子「沙織、ずっと好きだった。付き合ってくれ」
沙織「麻子......」トゥンク
エンダァァァァァアアアアアアア(BGM)
みほ「え?なにこの茶番?」
華「あちらの方でカバさんチームがBGM流していますね」
優花里「いつの間に三突が....大きなアンプ積んでるし......」
麻子「と言うわけでわたしは沙織と付き合うし結婚する。とても大事にする」
沙織「大事にされます:////」
みほ「う、うん。おめでとう.....」
華「あ、あの、御幸せに?」
優花里「なんでしょうねこの素直に祝福しきれない腑に落ちない感は......」
エルヴィン「おめでとう!おめでとう!」
おりょう「いやぁ、実にめでたいぜよ!」
カエサル「御幸せにな!」
カルパッチョ「大洗のベストカップル誕生おめでとう!」
左衛門佐「実にあっぱれだ!」
五人「はーっはっはっ」
みほ「カバさんチームはなんだったんだろう.....」
優花里「紙吹雪散らかすだけ散らかして帰って行きましたね....」
華「いち、に、さん......いち、に、さん、よん....あれ?」
麻子「わたしは沙織と付き合えることになって本当に幸せだ」
沙織「う、うん、わたしも.....きゅ、きゅうに麻子が凛々しく見えてきて、麻子が理想の彼氏だったんだなって」きゃー
みほ「と、とにかく、なんだかお似合いのカップルだし良かったのかな?」
優花里「なんだか、武部殿のチョロイン感がうなぎ登り急上昇中ですが、ハッピーエンドで良かったです.....良かったのかなぁ?」
華「よろしいんじゃないでしょうか?」
沙織「うふふ」
麻子「あはは」
華「あ、」
優花里「どうしました?五十鈴殿?」
華「い、いえ、沙織さんがモテない理由ですが.....」
華「麻子さんでは?」
みほ「あ」
優花里「あ」
END
終わりです。HTML出してきます。
沙織がモテないのはどう考えても世界が悪いのですが、それらしい理由を思いついて並べたところやっぱり無理があるなと思って方針転換したら答えにたどり着きました。意味がわからない
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