島村卯月「漁夫。いっぱい」
島村卯月「漁夫。いっぱい」 - SSまとめ速報
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続きです
※キャラ崩壊
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1485728096
城ヶ崎美嘉「卯月~、どうやったら意識してもらえるのかなぁ」
島村卯月「……どうしたの?急に」
美嘉「プロデューサーのことだよ。あんだけハッキリ告ったのに相手にしてくれなくてさ~」
卯月「それを私に聞くのはどうなのかな?曲がりなりにもライバルだよ?」
美嘉「ライバル~?プロデューサーに別に好きじゃないって言ってなかったっけ?」
卯月「う~……そういう意地悪はやめてよぉ……」
美嘉「日和った者にはそれ相応のペナルティーがあるんだよ。恋のルールには」
卯月「そんな事言って……美嘉ちゃんだって勢いで告白して以降、今日まで激テレ状態なくせに……」
美嘉「は、はあ!?べ、別にテレてないし!?」
卯月「プロデューサーさんに会うと顔真っ赤にしてモジモジしちゃってまともに話せてないのに?一時のハイな状態での告白にもペナルティーがあるんだよ?恋のルールには」
美嘉「こ、この……。はぁ……ごめん。やめよ?こうやっていがみ合ってたら、また誰かにかっさわられる」
卯月「うん……そうだね」
美嘉「お互いどうにかして前進したいとこだよね。関係性はもちろん、気持ちのあり方、向け方とか自分に対しても」
卯月「そうだけど、どうにも出来ないのが現状だよね」
美嘉「あ゛~……。卯月~、どうやったら意識してもらえるのぉ~?」
卯月「美嘉ちゃん、ループしてるよ。ループ」
美嘉「手っ取り早くイイ感じの自分になれるアイテムとか欲しいよぉ……。晶葉、作ってくれないかな……」
卯月「そんなふんわりした希望を汲み取って望み通りの自分にしてくれるアイテムを発明したら、晶葉ちゃんほとんど神様だよ。創造主の領域」
美嘉「ですよねー。結局は自分の努力次第なんですよねー……」
卯月「うんうん。お互い恨みっこ無しで頑張ろうね。私はまず気持ちを伝えられる勇気を鍛えないと。いや、まずはスキンシップの強化かな」
美嘉「……めっちゃ邪魔しよ」
卯月「な!?流れ的に協力していこうってことじゃないの!?美嘉ちゃん、心が仄暗いよっ!」
美嘉「仄暗い言うな!……卯月だって、アタシがプロデューサーとベタベタしてたら邪魔するでしょ?」
卯月「するねっ!」
美嘉「即答じゃん。卯月も仄暗いじゃん」
卯月「……やるね、美嘉ちゃん。ぐうの音も出ないよ」
美嘉「そこは出しとこうよ」
キャッキャッ アハハハ
うえきちゃん「………………………………ニャフフ」
――――――
本田未央「ただまー」
渋谷凛「ただいま」
神谷奈緒「おつかれー」
卯月「おかえりなさい。未央ちゃん、加蓮ちゃんの代役お疲れさま!」
未央「うむ。労いの言葉、大義である!褒美にお茶を入れてやろう!」
卯月「ふふ、私も手伝うよ」スタタ
美嘉「加蓮なんかあったの?」
凛「ちょっと体調崩してね。ただの風邪だけど、大事を取ってお休み」
美嘉「そうなんだ。ライン送っとこ……。それでプロデューサーは?」
凛「加蓮のお見舞い。一緒に行きたそうな奈緒が可愛かったよ」
奈緒「おい!あたしは別に……!み、未央が一緒に行きたいって言ったんじゃないか!イチャコラしそうで心配って!!」
凛「その言葉に必死で頷いて精一杯のアピールしてたじゃん。それがもうたまらなく可愛いくて可愛いて。ありがとう、奈緒」
奈緒「~~っ!なんのお礼だよっ!馬鹿っ!!」
凛「ふふ。……ん?美嘉?」
美嘉「……ちょっと加蓮ん家行ってくる」ガタッ
凛「だ、駄目だよ。私達もプロデューサーに止められたんだから。うつったらいけないって」
美嘉「でも、イチャコラしそうで心配……」
凛「美嘉まで……。大丈夫だって。あのプロデューサーがアイドルに手を出す訳ないでしょ?」
美嘉「逆だよ、凛。加蓮も奈緒みたいにプロデューサーのこと憎からず想ってるっぽいから、プロデューサーを守らないと」
奈緒「な、何言ってんだ!あたしはPさんのことなんて……なんて……あ、アレなんだからなっ!!」
凛「アレ?どれ?」
奈緒「う、うるさい!うるさーい!!未央ー!!凛が陰湿なイジメしてくる!!たすけてっ!!」ダッ
未央『おー奈緒坊可哀想に。よしよし』
卯月『奈緒ちゃん。私にも助けを求めるといいよ』
奈緒『……。卯月はいいかな』
卯月『わーん!未央ちゃーん、奈緒ちゃんがイジメるー!!』
未央『……なんだこりゃ』
美嘉「……えっと、なんだっけ」
凛「加蓮が手を出すんじゃないかってことでしょ。それも心配ないって。あの子が心の準備なしに何かできるとは思えないし。その場の勢いでってことは無いよ。断言する」
美嘉「……凛がそこまで言うなら。う~……でも、なんか悔しいからアタシの家にも来てもらお。仮病使うのは気が引けるけど」
凛「そんな事しなくても、親が呼んでるって言えば来てくれるよ?さっきそう言って私ん家に来てもらったし」
美嘉「……なんで?」
凛「なんか両親がプロデューサーのこと気に入ってて話たがってたから。それでついでにお見舞いの花を買って貰おうという商売根性だよ」
美嘉「そ、そう。にしても、ただの風邪にお見舞いの花か……。二人共、微妙な空気だろうな……これなら心配ないか」
凛「……加蓮は素直に喜んで好感度上げそうだけど」
美嘉「え?なに?」
凛「ううん。とにかくプロデューサーは保護者には弱いから。なんだったら、親と口裏合わせてお泊りの方向に……なんてね」
美嘉「!」
凛「ふふ。まあ、頑張って」
未央「おまたせー。何々?なにを頑張るの?」
美嘉「な、何でもないよ?」
卯月「……良からぬことを考えてるね?その顔は」
奈緒「だな。こいつはくせぇ」
未央「ほほう……美嘉ねぇ、何を企んでるんだい?大人しくウタっちまいな?上のもんには黙っといてやるから」
美嘉「べ、別になにも企んでなんか……」
未央「仕方ねえ……おめぇらやっちまいな」
卯月「ヘイ、アニキー!こんなおへそが見えそうな服着ちゃって……くすぐって下さいって言ってるようなものだよ!それそれっ!」
奈緒「エッロイ格好しやがって!ほらほらほらっ!!」
美嘉「あははっ!!や、やめっ!!うひぃ!!ひゃはは!ふひひひひ!!」
卯月「スベスベの脇してからにっ!まったく、まったくもう!!」
奈緒「ホントだよ!くすぐる手が止まらんわ!!」
美嘉「いーひっひひ!お、おねがいっ!も、もうやめ、んはぁん!」
卯月「エッチだ!あはは!!」
奈緒「ふはは!」
うえきちゃん「にゃーははは!!それそれ~」
卯月「あはは……?」
奈緒「ははは……?」
うえきちゃん「わさわさくすぐり~。わさわさ~」
卯月・奈緒「「ほわぁ!?うえきちゃん!?」」バッ
美嘉「た、たすかった……ふぅ、ふぅ……」
未央「……しきにゃん、何してんの?」
一ノ瀬志希「お?よく分かったね?そうですあたしが志希にゃんです」
未央「いや、そうじゃなくて。なんでうえきちゃん?」
志希「変なしーきにゃん、変なしーきにゃん……んっんっ……脱げない……」
未央「聞いて?ほら……っしょ。どうやって着たんだ、これ。おも……」
志希「ふぅ。ありがとー。これね、フレちゃんがうえきちゃんで盗聴するの楽しいよって言うからやってみた!」
未央「……楽しかった?」
志希「うん!」
未央「いい笑顔だぁ……。もう、幸せそうで何よりだよ」
奈緒「び、びっくりしたぁ……」
卯月「私二回目なのにまたやられちゃった……」
美嘉「はぅぅ……まだ余韻が……んふぅぅ……」
志希「にゃははは。つんつん」
美嘉「はぅん!!」ビクン
未央「……」
凛「ふぅ……。お茶美味し」
未央「大物だね。しぶりん」
―――――――――
――――――
―――
美嘉「フンフンフフ~ン、おっつ~!プロデューサー、ちょっと話があるんだけどっ!」ガチャ
卯月「あ、美嘉ちゃん。おつかれさまー」
美嘉「ちぃ!!卯月も居たかっ……!!」
卯月「なんっ!?…………いや……美嘉ちゃんの企みなんてまるっとお見通しだよ!あの話でしょ!?」
美嘉「ぐっ……凛!卯月にもアドバイスしたの!?プロデューサーの連れ込み方!!」
卯月「えぇ!?そんな事しようとしてたの!?そんな……そんな事…………凛ちゃん、詳しくっ!!」
美嘉「な!?カマかけたなっ!!凛、言っちゃ駄目だよ!アタシこれに勝負かけて……」
モバP「ぉぉぉ……まだふらつく……」
凛「……ふん」
志希「う~、しびれる~」
美嘉「……どうしたのコレ」
卯月「私もさっき来たばかりだから分からないの。正座で反省してる志希さんに嫌な予感しかしなくて様子見してた」
美嘉「そう言われるとアタシも突っ込みづらいなぁ……」
志希「それは一時間前のこと」
美嘉「いや、聞いてない!聞いてないよ!?」
志希「認知している人物像を自分のパーソナリティと一時的に融合する為の臨床試験をするために、あたしは事務所へと向かったのだった……」
卯月「あ、これ止まらないやつだ」
―――
うえきちゃんの中で聞いた、キャッキャウフフ恋の話。
そこで気になる一言が志希ちゃんの灰色の脳細胞に木霊した!
『手っ取り早くイイ感じの自分になれるアイテムとか欲しいよぉ……』
これは面白そー!
卯月ちゃんが言ったように、望み通りの自分に変わるアイテムは神の領域。でも、一時的なら出来るんじゃ?
出来たわ。
とはいっても、望み通りじゃなくて、知ってる子の行動原理をトレースして自分に組み込む程度だけど。つまり催眠に近いなにか。
それでも、まゆちゃんあたりをトレースするとイイ感じになると思うんだよね。効き目が切れても記憶には残るから、気持ちのあり方はいい方向に変わるはず!
美嘉ちゃんと卯月ちゃん。喜んでくれるかな~
と、二人にプレゼントする前に臨床試験しないと。
ん~……。まゆちゃんを対象にするから、傍にプロデューサーが居た方が分かりやすいよねー。よし!事務所でやろっ!
まずは、イメージしやすいようにまゆちゃんの愛の囁きCDを流して……このCD、誰が企画したのかな?ま、いっかー
そして、ここで志希ちゃん特製キャンドル装置!火の揺らぎと香りによって心の壁を柔らかくしてイメージと融合しやすくする今回の主役!
そしてそして~、ちひろさん特製ドリンクと同じ成分のアロマオイルをセットして、完成!!
よし!と、その前に……先トイレ行っとこー
―――
志希「―――と、そんなこんなでトイレから帰ってくると同時にプロデューサーが崩れ落ちたのでした。ちゃんちゃん」
美嘉「い……いやいやいや!何が起きたの!?ブーメラン投げたらカバで戻ってきたって言われてるようなもんだよ!?」
卯月「……カバ?」
美嘉「いちいち突っ込まない!」
志希「にゃははは。何が起きたかは……それが志希ちゃんの正座につながるんじゃないかな?それはなぜでしょう?」
美嘉「それを聞いてんのっ!」
志希「ヒントは……カバ!」
美嘉「この子はぁ!!!」
志希「どうどう。お~よしよし」
美嘉「いい゛~!!もぉぉ!!」
卯月「プロデューサーさん。美嘉ちゃんのテンションが一人浮き始めたので、そろそろ教えてくれますか?」
モバP「……やっぱり凛が変になったのはあの装置の所為だったか」
卯月「プロデューサーさん……?」
モバP「あぁ……すまん。え~と……凛。言っても?」
凛「……は?」
モバP「あ、いや……じゃあ、志希が正座してる理由だけ……」
凛「……勝手にすれば?」
モバP「……ッス」
美嘉「…………え?なに?凛、ガチギレじゃん」
モバP「そういう訳でも……」
凛「う゛んっ!!」
モバP「……志希の正座の件だったな。あれは別に強制してるわけじゃないから」
卯月「そうなんですか?それはそれで不可解ですけど」
志希「だって、反省しないと半径一メートル以内の接近禁止って言うんだもん。プロデューサーを嗅げないなんて、ほとんど拷問ってゆー」
モバP「おまえは……ホントに反省してんのか?事務所で火を使う実験?をしようとした挙句、それを放置したまま席を離れるなんて……」
志希「すぐ帰ってくるつもりだったし、まさか凛ちゃんが使うとは思わなかったんだもん」
凛「……だって、いい匂いしそうだったし、これ火をつけたら凄い綺麗な光が見えそうな形状だったから……。実際見入っちゃうくらい綺麗だったし」
志希「でしょー。そこが肝なんだよねー。特殊なパターンの光の屈折を……」
モバP「志希?」
志希「反省してます。ごめんなさい」
美嘉「まあまあ。志希もアタシ達を喜ばせようとしてくれたことだしさ。アリガトね、志希」
卯月「そうだね。ありがとうございます、志希さん!」
志希「にゃはは。キミも二人に免じて志希ちゃんを赦して?」
モバP「わかったよ。今後無いようにな。あと、人格に影響を与えるようなものは作らないこと!それでは解散っ!!」
志希「解散っ!!散れ散れ~!!」
卯月「わー……って、なんでやねん!!怒るでしかし!!」
美嘉「……うん。一番気になるプロデューサーが崩れ落ちた理由を知りたいんだけど?」
モバP「ちぃ!誤魔化せんかっ!!このメンツならイケると思ったのにっ!」
美嘉「おいこら。どういう意味だ」
卯月「……ど、どういう意味だー」
志希「いいからいいから、二人共解散だよ解散」グイグイ
美嘉「ちょっ……なんで……」
志希「多分だけど、二人きりにしたら理由がわかると思うから。事務所出たふりして覗いてみよ?」ボソ
美嘉「……わかった」
志希「よーし!三人で仲良く花をむしりに行こー!!」スタタ
美嘉「むしる言うなっ!」タタ
卯月「あ、待って!」タタ
モバP「え!?ホントに行くの!?二人きりにされるのは……」
バタン
モバP「……おおぅ。マジか」
凛「プロデューサー……」ス
モバP「っ!」ビクッ
志希「さてさて~。中途半端にまゆちゃんを取り込んだ凛ちゃんの行動は如何に~」カチャ
美嘉「中途半端?卯月がしたノリ突っ込みみたいな?」
卯月「そうそう……って、なんでやねん!!怒るでしかし!!」
美嘉「さっきスベったのにめげずに天丼してきやがった……!」
志希「にゃっは!……と、危ない。気付かれるから小声で」
美嘉「ごめん。それで、なんで中途半端?」
志希「まゆちゃんの愛の囁きだけを聞きながら作動させてたからねー。ホントならトレースしたい人のイメージをしっかりする前提だから、あの装置」
卯月「……今さらですけど、害はないんですか?」
志希「数日で催眠効果がきれるように配合してるから大丈夫。それを確信するための臨床試験だったんだけどね」
美嘉「凛が意図せず被検体になってしまったと。……あ、凛が動いた」
凛『あの……怒ってる?さっき痛かったよね?ごめんねごめんね……』
モバP『だ、大丈夫だから!あのパンチは脳にクルやつだから、あごは擦すらんでも大丈夫!だから、な?少し離れて……』
凛『離れ……やっぱり怒ってる……。やだ……いやだよぉ……嫌わないでぇ……』
モバP『な、泣い……!?お、怒ってない!怒ってないって!!』
凛『じゃあ、傍に行ってもいい……?』
モバP『う、うん……』
凛『抱っこしてくれる……?』
モバP『はぁ!?』
凛『ひぅ……怒鳴っちゃ、やだぁ……』
モバP『す、すまん』
凛『う~……抱っこしてくれないと、許してあげない』
モバP『いやいや!それとこれとは……』
凛『……えい』ピョン
モバP『馬鹿っ!危ないだろ!』ガタ
凛『こうやって抱き留めてくれるから危なくないもん。ん~!!プロデューサ~』
モバP『頬ずりすんなっ!これはシャレにならんって!!』
凛『やっと二人きりになれたんだからいいでしょ~』
モバP『二人きりって……』
凛『えへへ。大好き』
美嘉「……あれは……誰……?」
志希「かつて渋谷凛と呼ばれていた生命体だね」
美嘉「衝撃的過ぎて、嫉妬する前に寒気を感じたんだけど……」
卯月「対面座位だよ……あれ……」
志希「ヘイ、卯月ちゃん。混乱するのは仕方ないけど、キャラ的に言ってはいけない事言ってるぜ?」
美嘉「志希も変なキャラになってるよ……」
志希「にゃはは。じゃ、もう少し様子を見てみようぜ?」
卯月「わかったぜ?」
美嘉「えー……」
凛『ホントにさっきはゴメンね?腕組んでるだけでも誰かに見られるのは恥ずかしかったの。反射的に叩いちゃった……』
モバP『えっと……、今のこの状況とか、腕組んでたのは凛から一方的だったとか、突っ込みたいところはいっぱいあるけど……あれは、叩いたなんて生半可なアクションじゃなくて、顎をぶち抜いた……だ』
凛『も~、意地悪言うの駄目!叩いちゃっただけなのっ!!』
モバP『はいはい。ていうか、あんだけ振り切ったんだから、手痛いだろ。ちょっと見してみ』
凛『あ……えへへ。そのまま擦ってくれてたら治ると思うな?』
モバP『調子にのんな。ていうか、降りろ。いつまで乗っかってんだ』ユサユサ
凛『きゃー。地震だー』ギュ
モバP『あほっ!さらにひっつくな!』
美嘉「……そろそろザラメ吐きそう」
卯月「私、冷や汗がハチミツになってそうだよ……」
志希「ふむ……まゆちゃんのプロデューサーラブっぷりと、凛ちゃんのクールさがせめぎ合うとツンデレになるんだね」
美嘉「ツンデレ?」
志希「人前でツンツン、二人きりでデレデレ。最近じゃあまり見かけないタイプだねー」
卯月「それはいいんだけど……余りの甘さっぷりに嫉妬心がムクムクっと……」
美嘉「だね。正気に戻ってきたよ」
志希「それは正気と言えるのかにゃ?ま、いっか。それじゃ、そろそろ突入する?」
卯月「はいっ!」
美嘉「これ以上は我慢できないからねっ!」
志希「たっだいまー!!」バァン
凛「!」
モバP「あっ!凛、待っ」
凛「っ!!」ゴッ
モバP「おぶっ!は、鼻が……!ぉぉぉ……」ゴロゴロ
凛「~~~!!」ゴロゴロ
美嘉「……凛。何してんの?」
凛「ぷ、ぷろでゅーさーがキスしようとしてきたから頭突きを……ぅぅ、おでこいたい……」
卯月「……プロデューサーさん座ってたから、凛ちゃんが近寄ってたんじゃないの?」
凛「そ、それは……目にゴミが入ったから見てもらおうとして……」
美嘉・卯月「「ふ~ん……」」
凛「な、なに?」
美嘉・卯月「「べっつに~?」」
志希「にゃーはっはっは!キミ、大丈夫?……実はコッソリ覗いてたから冤罪だってわかってるよ。安心してね」
モバP「お、お前な~……。はぁ……、それより見てたなら凛の状態わかるだろ?大丈夫なのアレ」
志希「うん。ちひろさん特製ドリンクをベースに香りを作ってるから、二、三日で元に戻るよ」
モバP「……え?余計心配なんだけど」
志希「あれ、万能薬的な何かだから。覚えあるでしょ?もう動けないはずなのに、飲むと体力全快しちゃったり。多少ハイになるかもしれないけど」
モバP「そうだけど……万能薬って……そんな都合のいい……」
志希「そうだねー。だからこれが製薬会社に知られたら、何が起きるか分からないよね。闇的な意味で。そもそもちひろさんはどこで」
モバP「オッケー、そこまでだ。世の中触れちゃいけないものがある。無知は罪なんかじゃない。時には身を守る術でもあるんだ。アンダースタンっ?」
志希「……All right まあ、そんな訳だから心配いらないよ。ただ、記憶は残るだろうから正気に戻ったとき、凛ちゃん恥ずか死するかも」
モバP「おいおい……って、うおっ!鼻血出てきた。ちょっと洗面所で顔洗ってくる」
志希「は~い。いってらっしゃ~い」
凛「……」スッ
美嘉・卯月「「どこ行くの?」」
凛「……喉かわいたからジュース買いに」
美嘉「そこの冷蔵庫に各種取り揃えてるよ?」
卯月「凛ちゃんは座ってて?取ってくるから。なにがいい?」
凛「……やっぱりいらない」
卯月「そっか」
凛「……」
美嘉・卯月「「……」」
凛「……」スッ
美嘉・卯月「「どこ行くの?」」
凛「……外の空気を吸いに」
卯月「窓開けよっか」
美嘉「エアコンつけっぱは体に良くないよね。開けてくるから、凛は座ってなよ」
凛「……」
美嘉・卯月「「……」」
凛「……」
美嘉・卯月「「……」」
凛「……ぐすっ」
美嘉・卯月「「!!」」
凛「ぅぅ……ふぐぅ……」
美嘉「や、やばっ!卯月っ!」
卯月「わ、私!?美嘉ちゃんだって!」
凛「すん……ぅぅ……」
美嘉・卯月「「ぁぅぁぅ……」」
志希「あーあー。凛ちゃん、メイク崩れてるよ。トイレで直したほうがいいよー。トイレで」
凛「ぁ……うん。行ってくる……」スッ
美嘉・卯月「「あぁ……」」
志希「今の凛ちゃんは普通じゃないんだから優しくしないと、めっ!だよー」
美嘉「普通じゃなくなったのは志希の所為でしょ!!」
志希「てへっ」
卯月「ぅぅ~……また凄いイチャイチャするのかな」
美嘉「……様子見るくらいならいいでしょ?」
志希「うん、観察は大事だよねー」スタタ
美嘉「あ!なんであんたが一番素早いの!もうっ!」タタ
卯月「待って~」タタ
モバP『ふぅ……。やっと止まったか。やれやれ……』カチャ
凛『……』
モバP『うおっ!びっくりした!』
凛『……なんで?』
モバP『……なんで?』
凛『なんで、一人でどっか行っちゃうの?』
モバP『えぇ……』
凛『困った顔……ご、ごめんなさい……でも、さみしかったの……ぅぅ……』
モバP『な、泣くなって。別に困ってないから』
凛『……ホント?』
モバP『ほんとほんと』
凛『じゃあ、ギュってして?』
モバP『……なあ、凛。今のお前は志希のヘンテコ装置でおかしくなってるんだ。数日で元に戻るらしいけど、記憶はそのまま残るらしいぞ?』
凛『それがどうしたの?プロデューサーと一緒の時を忘れないんだからいい事だもん。んっ!あ、自分からギュってしちゃった。えへへ』
モバP『……アカンわ、これ』
凛『ねぇ……もう独りにしちゃやだよ?ずっとずっと一緒だよ?』
モバP『ソウネー』
美嘉「見て。今暖かいくらいなのに凄い鳥肌」
卯月「あれは見慣れないね……」
志希「まゆちゃんも二人きりになるとあんな感じになるのかなー?今度聞いてみよっ!」
美嘉「まゆがあんな幼児化するとは思えないけど……」
凛『ねー、頭よしよしってして?なでなでじゃなくてよしよしって』
卯月「大変だよ、美嘉ちゃん!私、凛ちゃんのこと大好きだけど尋常じゃないくらいイラっとした!!」
美嘉「うん、卯月は間違ってない。全然間違ってないよ。ってことで……ゴゥ!シマムラっ!!」
卯月「イエス、マムっ!」ダッ
モバP「なでなでとよしよしの違いとは……」
卯月「ヘーイ!!」
凛「!」
モバP「な!?待っ」
凛「シッ!」
モバP「こっ!」
ドサッ
凛「……ぁ」
卯月「……綺麗に決まったね。ブーメランフック」
凛「……うん」
―――――――――
――――――
―――
凛「んぐぅぅ……うぁぁ……」
未央「どうしたの?そんなに悶えて」
卯月「未央ちゃん、今凛ちゃんは己と戦ってるの。そっとしといてあげて?……抱っこしてくれないと、許してあげない」
凛「あ゛あ゛あ゛っ!!うに゛ぃ!!」
未央「な、なに?しぶりんから別の生命体が出てきそうなんだけど」
美嘉「未央……凛は自分と見つめ合ってるの……。見守る事も優しさだよ。……もう独りにしちゃやだよ?ずっとずっと一緒だよ?」
凛「みゃ゛あ゛あ゛あ゛!!やだぁ!もぉ!!!」
未央「……なんか、かわいいな。ホントどうしたの?大丈夫?」
凛「うぅぅ……未央ぉ……二人が追い込んでくるぅ……」
未央「う、うん。ヤクザな二人だね。よしよし」
卯月「凛ちゃん凛ちゃん!!」
凛「何!?」
卯月「なでなでじゃなくて良かったね!!」
美嘉「よしよしがいいんだもんね!!」
凛「ん゛ん゛~~!!この二人はっ!!……もう、容赦しないからっ!!」
卯月「ほう?どう容赦しないのかな?」
美嘉「この三日間、プロデューサーを独占してきた凛には色々溜まってるからね!まだまだ引かないよ!!」
凛「上等っ!!」
未央「ちょ、ちょっと、落ち着きなよ。未央ちゃん完全に置いてけぼりだよ……」
モバP「未央いるかー?仕事行くぞー」
未央「あ、うん」
凛「お疲れ様。プロデューサー」
モバP「おー、凛。正気に戻ったん……だよな?……なんで未央、抱きつかれてんの?」
未央「私もさっぱりだよ~。なんか三人が揉めてんの」
モバP「……マジなやつ?」
美嘉「違う違う。いつものじゃれ合いだから」
凛「イジメる側がよく言うセリフだよね、それ!」
卯月「あ!容赦しないって、そうやって私達の株を落とすこと?ふふん!そんなの全然効かない……もん……」
未央「効いてる効いてる、めっちゃ効いてる」
モバP「……まあ、仲良さそうで良かったよ。で、凛。今日からはもういいんだよな?正気に戻ったし」
凛「そうだったんだけど……フッ」
卯月・美嘉「「?」」
凛「お父さんとお母さん、改めてお礼がしたいから今日も来てほしいって」
モバP「別にいいのに。こっちこそ毎晩夕食ごちそうになって申し訳ないのに」
凛「私が駄々こねたんだから気にしないで。それで、来てくれる?」
モバP「了解。お邪魔させてもらうよ」
凛「ふふ、良かった」
美嘉「ちょちょっ!待って!!毎晩夕食ごちそうって何!?」
モバP「この三日間、凛を独りにしたら泣きじゃくってどうしようもなかったから、家まで送ってたんだよ。それでご両親が気を遣ってくれてな」
美嘉「んなっ……」
未央「独りにしたら泣きじゃくる?しぶりんが?」
卯月「詳しい話はまた今度!ごめんね、ちゃんみお!!」
未央「お、おう……。しまむーが壊れた……」
卯月「プロデューサーさん!まさか泊まってたんですか!?」
モバP「んな訳ないだろ。……凛が寝るまでは居たけど」
凛「ずっと手を繋いでてくれたよね?」
モバP「お前が繋いでたの!」
卯月・美嘉「「」」
未央「え?え?」
モバP「っと、時間だ。凛、もう一人で帰れるだろ?俺は仕事が終わり次第そのまま家に行くよ」
凛「うん。待ってるね」
モバP「はいよ。ほら、未央行くぞ」
未央「う、うん……」
凛「……と、いう事です」
卯月・美嘉「「」」
凛「二人がプロデューサーの事を好きなのは知ってたからいろいろ葛藤してたんだけど……もう容赦しないね?」
卯月・美嘉「「」」
凛「この三日間、あんな醜態をさらけ出してたのに親身になって付き合ってくれるとさ、やっぱ心に刺さるよね」
卯月・美嘉「「」」
凛「もちろん、それだけが理由じゃないよ?今までの積み重ねがあってこその気持ち。デートの真似事とか付き合ってくれたり、よくお店に来てくれたりね」
卯月・美嘉「「」」
凛「だから、まあ……本気でいくよ」
卯月・美嘉「「」」
凛「……何か言って?」
卯月「り、凛ちゃん?落ち着こ?まだ志希さんのヘンテコ装置で混乱してるんだよ」
凛「正直その可能性も捨てきれなかったから、ちゃんと聞いてきたよ。あれは性格をトレースするもので気持ちをどうにか出来るものじゃない。私に気持ちが無ければ、あんなにプロデューサーに依存しないって。……ちょっとたがが外れてたのは中途半端に作動したからみたい」
美嘉「あぅ……。凛、謝るから容赦して?」
凛「しません。本気でいきます」
美嘉「っ!い、いいよ!どうせ凛にだってあのプロデューサーをどうこう出来ると思えないし!」
凛「……美嘉。私が言ったこと覚えてない?」
美嘉「な、なにさ」
凛「今日、プロデューサーがうちに来ます。そして……私の両親、プロデューサーのことを大変気に入ってます」
美嘉「……?…………あぁ!?」
卯月「な、なに?ごはん食べるだけだよね?」
美嘉「親と口裏合わせてお泊りの方向に……」
卯月「!?」
凛「ふふ……容赦しないから。両親公認のアドバンテージは大きいよ」
卯月「そんな……」
美嘉「まってよぉ……」
凛「……二人がもっと優しかったらこんな手は使わなかったのに……残念だよ」
卯月・美嘉「「反省するからっ!!」」
凛「ま、どっちにしても全力でプロデューサーを堕とすけどねっ!!」
卯月・美嘉「「こ、このっ……!!」」
凛「今まで楽しかったよ……私、女になってくるね…………バイバイ」カチャ
美嘉「なに感動ものっぽく演出してんの!?ま、まって……」
バタン
卯月「行……ちゃった……」ドッ
美嘉「……」
卯月「~~~っ!!」ゴロゴロ
美嘉「膝……大丈夫?」
卯月「………………駄目」
ハッピーエンド
すいません誤字
かっさわられる→かっさらわれる
渋谷凛「朝チュンの衝撃……」以降,2016年の続編を誰か教えてクレメンス
>>32
渋谷凛「煽り煽られ……」
渋谷凛「煽り煽られ……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466903174/)
渋谷凛「彼を知り己を知れば百戦殆うからず……」
渋谷凛「彼を知り己を知れば百戦殆うからず……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477536038/)
こんなん書いてます
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