【ガルパン】西住みほ「ドキドキ作戦です!!」 (126)


みほ「みなさんこんにちわ、大洗女子学園の西住みほです」


優花里「西住殿、なにがはじまるでありますか?」


沙織「今日ってなんかあったっけ?」


みほ「とってもおもしろいことがはじまるよ」


華「おもしろいこと、ですか?」


みほ「うん、実はねいろんな人にドッキリをしかけようと思うの」


優花里「えぇっ!?そんなことして大丈夫でありますか?」


みほ「まぁ、ちょっとした遊びだから」


沙織「おもしろそう~、テレビとかで芸能人の人とかがだまされてるやつだよね!」


みほ「そうだよ」


華「それで仕掛ける相手は誰になるのでしょう?」


みほ「何人かいるんだけど、まずはこの人から」


※麻子は家で寝てます

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みほ「えへへ♪」ゴソゴソ


沙織「みぽりんそれなに?」


優花里「『ご意見BOX』と書かれてますけど……」


みほ「これに決めた!」スッ


みほ「華さん、これ読んでくれる?」


華「はい、これは……お便りですね、黒森峰女学園の方からです」


あんこうチームのみなさんこんにちわ


うちの新しい隊長、逸見エリカのことで相談です。


逸見は来年の戦車道全国大会で優勝するために一生懸命練習をがんばっています。


しかし、練習や試合になり熱が入ると少し大変です。自分の思い通りにならないと


「何やってんのよ!!」「どうしてそんなこともできないの!?」と感情的になり


怒鳴りちらします。チ―ムメートとしてそこは直してほしいです。どうかお力をおかしください。


華「ということですね」


みほ「ありがとう華さん」


沙織「フフッ」


優花里「武部殿、どうしたでありますか?」


沙織「いやwwだってそのお便りの内容、すごく想像できるな~って思って」


華「確かに私たちと決勝で戦った時も仲間に対してかなり強い口調で叱咤されてましたよね」


優花里「もし私が怒鳴られる立場だったら、嫌ですね」


沙織「みんな失敗したくてしてる人なんていないもん」


みほ「そうだね、今後の逸見さんのためにちょっとおしおきした方がいいかも」


華「異論ありませんわ」


優花里「仕方ないです」


沙織「うんうん」



みほ「それじゃあみんなで黒森峰に行こう、パンツァーフォー!!」


黒森峰女学園


まほ「エリカ、ちょっといいか」


エリカ「はい、なんでしょうか?」


まほ「少し話がしたいと思ってな」


エリカ「話、ですか?」


まほ「あぁ」


まほ「言うまでもないが来年度からはエリカが黒森峰の隊長としてチームを引っ張っていくことになる」


まほ「やはり大人数のチームを預かるとなると色々大変なこともあるのは事実だ」


エリカ「はい」


まほ「みほがいなくなってからお前は副隊長としてよくやってくれた、だからそこまで心配はしていないのだが」


まほ「どうだ、新チームとしてやっていけそうか?」


エリカ「はい!来年の全国大会では大洗、いえどこが相手であろうと圧倒的な力で叩き潰します、
そして優勝旗を手土産に大手を振ってまほさんのところにご挨拶に行くつもりです!!」


まほ「そうか……」


エリカ「……(少し大口たたきすぎたかしら)」


まほ「エリカ、私は嬉しいぞ」


まほ「こんなに嬉しいことはない、今のお前の言葉には正直グッときた」


エリカ「……」


まほ「エリカ、お前なら安心して黒森峰を任せられるよ。私が心配するまでもなかったな」


エリカ「まほさん……」


まほ「期待してるぞ、エリカ隊長」スッ(握手


エリカ「はい!逸見エリカ、黒森峰女学園戦車道隊長として誠心誠意がんばります!!」



まほ「とは言っても卒業まで私も黒森峰の生徒だ、また顔を出すつもりでいる」


まほ「話はそれだけだ、悪かったな時間をとらせてしまって」


エリカ「いえ、そんな」


まほ「それじゃあ練習がんばってくれ」


エリカ「は、はい、失礼します!!」


エリカ「よっし!!」


エリカ(まほさんに認められたわ、黒森峰に入ってから寝ても覚めても戦車道のことばかり考えて
生きてきたけど、これでひとつ報われたわね)グスッ


エリカ(だけどまほさんがあそこまで言ってくれたんだから死んでも優勝しないと……)


エリカ(でも私は負けないわ)


エリカ「やってやるわよ!!」


ガチャ、、


みほ「あ、お姉ちゃんおつかれ」


優花里「姉上殿、お疲れさまであります!!」


まほ「うん、どうだった?あんな感じでよかっただろうか」


みほ「お姉ちゃん最高だよ」


沙織「なんかドラマのワンシーン見てるようで本当に感動しちゃったよ~」


華「逸見さんがちょっとかわいそうですね」クス


まほ「エリカがさらに成長するためだからな、みほ、この後はどうなるんだ?」


みほ「えっとね、みんなにも少し協力してもらって」


練習中(紅白戦)


エリカ「次ぃ、1時の方向敵発見!!私たちで叩くわよ」


エリカ「どうしたの?砲手、早く狙って!!」


砲手「えっと、車長もう一度方向の指示を願います」


エリカ「はぁ!?1時!!1時の方向よ!!ほら早く」


砲手「りょ、了解」


ウィーン、、


エリカ「来たわよ……」


エリカ「およそ10秒後に射程範囲に入るわ、向こうが打ってくる前に先制攻撃よ」


エリカ「3、2、1打てぇ!!」


ドーーン!!


砲手「あっ……外した」


エリカ「な、なにやってんのよ!!」


砲手「すみません……」


通信主「車長、6時の方向より敵が進撃中のようです、このままでは囲まれます」


エリカ「ちっ、あんたが外すから主導権奪われちゃったじゃないの」


砲手「……」シュン



ドーン!ドド―ン!!


通信手「打ってきました!!」


エリカ「分かってるわよ、うっさいわねぇ」


通信手「……」


エリカ「撤退するわ、撤退!!」


練習終了


エリカ「みんなちょっと聞きなさい」


エリカ「今日の紅白戦の内容じゃ全国制覇なんてできないわ、明日もこんな内容だったら覚悟することね、目につくところから徹底的に指摘して直るまで終わらせないから」



エリカ「各自もっと緊張感をもってしっかりやりなさい!!以上」


部員「……」ハァ


エリカ「分かったの!?返事くらいしなさいよ!!」


部員「了解」


エリカ「はぁ、お腹空いたわ」


エリカ「早く帰ってご飯食べよ」


エリカ「ん?あそこに誰かいるわね」



「うぅ、隊長に怒られた」グスッ


「一生懸命やってるのにね……」


エリカ「な、なによ……あの子たち」


翌日


エリカ「残りは私たちと相手の小梅の2機だけね」


通信主「車長、12時の方向、正面から来ます!!」


エリカ「分かってるわ、このままいくわよ……」


エリカ「はい打って!!」


装填主「あっ」ポロっ


カランカラン!!


エリカ「ちょ、な、なにやってんのよ!!」


装填主「すみません!すぐ装填します」


エリカ「操縦主、一回回り込んで体制をたてなおs」


ドカーン!!


エリカ「うっ……」


「キャー、小梅さん。隊長を倒しましたよ」


小梅「うん、みんなよくやったわね」


エリカ「くっ、ふざけんじゃないわよぉ!!」バン


装填主「ひっ!!」


エリカ「あんたね、あんな大事なところでなんでミスするわけ?」


装填主「すみません隊長」


エリカ「ちゃんと準備してたの?試合に集中してちゃんと状況が読めていればあのタイミングで
いくっていうのは分かってたはずでしょ」


装填主「……」


エリカ「だまってないでなんとか言いなさいよ!!」


操縦主「隊長、もうそのへんで」


エリカ「あんたは黙ってなさい」


操縦主「……」


エリカ「」キッ


装填主「うっ」グスッ


エリカ「はぁ、もういい。やってらんないわ」スタスタ


操縦主「隊長、反省会は」


エリカ「やりたければあんたたちで勝手にやってなさい。
ムカついてとてもじゃないけど総括なんかできないわ」


エリカ「あぁ~腹立つ。なんなのよもう」


エリカ「こんな時はハンバーグにライス大盛りでヤケ食いしないと気がおさまらないわ。
お金あったかしら」チャリン


エリカ「ん?」


「ハァ、どうしよう、私次の試合もうメンバーから外されるかも。せっかくここまでがんばってきたのに」


「大丈夫だよ、切りかえてまた明日がんばろう。ね?」


「う、うん」


エリカ「ちょっとあんたたち」


「隊長……」


エリカ「ちょっと考えが甘いんじゃない?また明日がんばる?
いい加減にしなさいよ、昨日もっとしっかりやるように言ったわよね
今日の紅白戦が本番の試合だったらどうすんの」


「ずみません」グスッ


エリカ「練習の時も常に本番のつもりでのぞみなさい。分かった?」


「……」


エリカ「聞いてんの?」


「う、うわぁ~~ん」ボロボロ


エリカ「な、なに泣いてんのよ」


「うぅ、うううう」ボロボロ


エリカ「とにかく、ちゃんと反省してもう2度と同じミスをしないように」


エリカ「じゃ」


タッタッタ、、、


エリカ(あれじゃ私が後輩をイジメてるみたいじゃない)


沙織「うわ……ちょっとこれは」


みほ「エリカさん……」


優花里「ヒドすぎますね」


まほ「まさかここまでとは」


華「どうしたら……」


まほ「みほ、この後のシナリオはちゃんとあるんだろうな」


みほ「うん、大丈夫。任せて」


みほ「お姉ちゃんにはあと何度かがんばってもらわないといけないんだけど……」


まほ「さっきのアレを見て私も思うところがあった。遠慮せずに指示を出してくれ。喜んで協力しよう」


みほ「うん、分かった」

いいぞ
一つ改行が多いかな


>>16見にくかったですかね、直します


テレビ「部下を指導する時は頭ごなしに怒鳴ってもいいことはひとつもありません」

「なるほど~」


エリカ(ちょっと言い過ぎたかしら)

エリカ「……」

エリカ「いや、こんなことでイチイチ方針を変えたりしたら余計に信頼を落としかねないわ」

エリカ「しっかりしなさい逸見エリカ、まほさんみたいにもっと堂々とするのよ」


翌日

小梅「隊長、週末はアンツィオとの練習試合が入っています」

エリカ「そうだったわね」

エリカ「アンツィオ……」

エリカ「勝つのは当たり前として、圧倒的な力でねじ伏せてやるわ」

小梅「隊長、それはいいんだけど」

エリカ「ん?なによ」

小梅「えっと、最近下級生の様子が」

エリカ「」カチン


エリカ「あぁその話ね」

小梅「萎縮して力が発揮できてないみたいだし、もっとやりやすい環境を作ってあげられないかしら」

エリカ「小梅、いい機会だからあなたにも話ておくわ」

エリカ「うちは優勝を義務づけられた黒森峰女学園よ、やりやすい環境?そんな悠長なこと言ってられないの」

小梅「でも」

エリカ「はぁ……もういいわ、終わり終わり。あなたも副隊長なんだからもっとビシビシ言っていいのよ」

小梅「あ、ちょっと!まだ話は」

エリカ「お先」

バタン、、


エリカ「なにがやりやすい環境よ、甘いこと言ってんじゃないわよ」ブツブツ

まほ「いたいた、おーい」

エリカ「まほさん!?」

エリカ「どうしたんですか、練習ならちょうど終わって」

まほ「いや、いいんだ。エリカ、これから一緒にご飯でもどうだ?」

エリカ「え」

まほ「隊長就任祝いだ、おごるぞ」

エリカ「ありがとうございます!!」


ファミレス

エリカ「まほさん、本当にいいんですか?」

まほ「気にするな、ほらおいしそうなメニューがいっぱいあるぞ」

エリカ「はい、それじゃあ」


まほ「すみません、注文をしたいんですが」

ウェイター「はい、どうぞ~♪」

まほ「エリカ、どうするんだ」

エリカ「はい、えっとデミグラスハンバーグセットで」

ウェイター「ハンバーグセットですね、お肉の量は何グラムにされますか?」

エリカ「じゃあ300グラムで」

まほ「300?おい、400いけるだろ」

エリカ「まぁ、食べれないことはないないと思いますけど」

まほ「400グラムにしておいてください」

ウェイター「かしこまりました~」

まほ「あとハンバーグカレーセットをひとつ」


まほ「うん、いい味付けだ」

エリカ「ほんと、おいしい」

まほ「それで」

まほ「どうだ新チームは?」

エリカ「!!」

エリカ「……順調です、はい」

まほ「そうか、それはよかった」


まほ「なぁエリカ」

エリカ「はい」

まほ「最近、チームを引退して思うことがあるんだ」

まほ「こういうところでしか話せないことなのかもしれない。
まぁ話半分に聞いてくれてかまわない」

エリカ「いえ、まほさんの話は私にとってどれも貴重なものばかりなので
真剣に聞かせていただきます!!」

まほ「そうか」


まほ「私は黒森峰でのこの2年半でたくさんの経験ができたよ」

まほ「1年の時には、戦車道経験者、西住流っていうこともあってメンバーに入り
先輩たちの力で優勝することもできた」

まほ「しかしその先輩たちが抜けて私がチームを
引っ張る立場になってからの2年はエリカも知っての通り、優勝まであと一歩のところで
苦い思いをした」

エリカ「でも、前回は天候による不慮の事故で自滅。今回は運が大洗に味方して!!」

まほ「」フルフル

まほ「それはもういい」

まほ「ただひとつ、心残りがあるとすれば」

エリカ「……」ゴクリ

まほ「それはみほが、黒森峰から大洗に行ってしまったことなんだ」


まほ「ただ勘違いはしないでくれ、別にみほが私の妹だからとか、戦力として貴重な選手が流失したとか」

まほ「そういうことじゃない。同じ志を持って集った大切な仲間が苦しんでいるのに助けてあげれなかったことが
一番悔しいんだ」グッ

エリカ「まほさん……」

まほ「飲み物がなくなったな」

エリカ「……(仲間、か)」

まほ「すみません、オレンジジュースを2つもらえますか?」

ウェイター「はい、少々お待ちくださいませ~♪」

まほ「なんて、勝利至上主義西住流の私が言ってもあまり響かないか?」ハハ

エリカ「いえ、そんなことは……」


エリカ「まほさん、今日はごちそうしていただきありがとうございました」

まほ「いや、いいんだ。また行こう」

エリカ「そうですね」

まほ「エリカ」

エリカ「はい」

まほ「みんなを、一緒に戦う仲間を大切にするんだぞ」

エリカ「……はい」


ガチャ、、

まほ「ふぅ」

みほ「お姉ちゃんさすが」

優夏里「姉上殿、お見事でありますぅ!!」

沙織「もぉなに?西住流ってお芝居の訓練もやってんの!?」

まほ「フフ、そんなによかったか?」

華「これで逸見さんに仲間を大切にしなければいけないということを認識させることができましたね」

みほ「うん、ここからが本番だよ」


エリカ(驚いたわ、まさかまほさんがあんなこと言い出すなんて)

エリカ(正直今はそんな余裕ないのよね、仲間を思いやるとか)

エリカ「はぁ、ちょっと疲れたわ」

エリカ(でも)

~~回想~~

まほ「そういうことじゃない。同じ志を持って集った大切な仲間が苦しんでいるのに助けてあげれなかったことが
一番悔しいんだ」グッ

まほ「みんなを、一緒に戦う仲間を大切にするんだぞ」


エリカ「最強の黒森峰と仲間、両方守ってやろうじゃないの」

エリカ「不思議ね、今よりずっとしんどくなるはずなのに気持ちはなんだか
今までにないくらい清々しいわ」

エリカ(あの人も同じ気持ちなのかしら)

エリカ「まほさん、安心してください。私ちゃんとやりますから……」zzz


翌日


小梅「たいちょ、隊長!!たいへんです」

エリカ「なによ小梅」

小梅「こ、こんなものが」スッ

エリカ「なによ」


「退部届け」×3


エリカ「……」ゾッ

野暮かも知れんけど戦車道って選択教科じゃなかったっけ

気になるのなら除隊願いなり転科届けなりに置き換えて読めばよし
こまけぇこたぁ(ry


>>38そう思ったのですが退部届に変わるいい言い回しが思いつかなかったので
  退部ということにしときましたww

>>42除隊願いいいですね、使わせていただきますね


エリカ「小梅、これ……除隊ってどういうことよ?」

小梅「分からない、私もさっきこれを見つけて驚いたんだから」

エリカ「それで誰なのよ、こんなもの置いていったのは」ピラッ

小梅「それは」

エリカ「!!」

エリカ「そんな、これは……」

小梅「みんな隊長のティーガ―Iチームの子たちです」

エリカ「ぐっ」


エリカ「確かに私はこの子たちにキツく言ったわ。だけどそれは
次こそは絶対勝つために、優勝するためだったのよ」

小梅「分かってる」

エリカ「じゃあどうして……」

小梅「隊長、勝ちたいのは隊長だけじゃないんです。みんな勝ちたいんですよ」

エリカ「!!」ハッ

小梅「もう少し長い目で見てあげられなかったのかな」


エリカ「う、うっるさいわね!!しかたないでしょ!!私だって必死なんだから」

小梅「……」

エリカ「ちょっとぉ、そこのあんたたち」

一年生「はい」

エリカ「同じ一年でしょ、この子たちに連絡とってみてくれないかしら?」

一年生「なにかあったんですか?」

エリカ「いいから、余計なこと聞かないで早くしなさい」キッ

一年生「ひっ!」

エリカ「連絡ついたらすぐに私に教えるのよ、分かった?」

一年生「はい、承知いたしました」


エリカ「なんでこういうタイミングで除隊願いとか出すわけ」

エリカ「一年はメンタルがよわっちぃやつばっかね」

エリカ(昨日まほさんに激励されたばかりなのに)

エリカ「はぁ、まったく洒落になんないわ」


一年生「うぅ……全然つながらないよ」

エリカ「どう?誰か出た」

一年生「!!」ビクッ

一年生「いえ、さっきからずっとかけてるんですが」

エリカ「ちっ……」

一年生(隊長怖い。どうして私がこんな目に)

エリカ「もういいわ、練習はじめるわよ」

一年生「あっ、はい!」

エリカ(どうせ2~3日して頭が冷えれば『すみませんでした~』とか言って泣きついてくるわ)

エリカ「そのはずよ、なんたってここは栄光の黒森峰女学園。ここに所属できるだけでも本当に
名誉なことなんだから」


アンツィオ高校

ペパロ二「いいかお前たち!もうすぐ黒森峰との練習試合だ、気合入ってか!?」

「オー!!」

ペパロ二「今度の試合はアンチョビ姉さんも見にくるらしい、相手が黒森峰だからって
ビビんなよ?姉さんの前で強いアンツィオを見せてやろうぜ!!」

「よっしゃー!!」

ペパロ二「よし、景気づけにパスタ作るぞ!!」

カルパッチョ(練習するんじゃないんだ)

「ペパロ二姉さん、試合っていつでしたっけ?」

ペパロ二「あん?この前のミーティングで話ただろ、どうして覚えてねぇんだ!!」

「すいませーん」

ペパロ二「試合は来週、もう忘れんなよ」

「はい」

カルパッチョ(いや、試合今週なんだけど)


3日後

エリカ「どう、その後進展はあった?」

一年生「いえ……」

エリカ「そう」

エリカ「まぁ、百歩譲って辞めたいっていうのはいいのよ。私はね、あんな紙切れひとつ置いて
去っていくその性根っていうの?それが腹立つのよ!!」バン

一年生「ひっっ!!」

エリカ「なめてんのかっつーのまったく」

エリカ「あっ、あんたはもういいわよ。戦車の整備でもしてなさい」

一年生「はい、失礼します!!」

タッタッタ、、、


エリカ「ふん、どいつもこいつもろくなのがいないわね」

エリカ「隊長も楽じゃないわ~」


小梅「隊長、ちょっといいですか?」

エリカ「小梅」

小梅「ちょっとお話が」

エリカどうしたの?」

エリカ「あそうだ、今ちょっと気分悪いからなにかおもしろいことでもやってよ」ケラケラ

小梅「真剣な話なの」

エリカ「え、な、なによ……」

小梅「ほら、いらっしゃい」

ゾロゾロ、、、

前日エリカにひどくしかられた下級生の4人が新たに除隊願いの意思を伝える。

エリカは小梅と共に戦車道の受講を続けるよう説得するが、最後には感情的になってしまい

説得をやめてその場を去ってしまう。


エリカ「やめたいやつは勝手に辞めればいいのよ!!」

エリカ「なに?このまま続けてたとえ優勝できたとしても人として成長できない気がするですって」

エリカ「あの一年、ほんっと腹立つわ。小梅がいたから手を出さなかったけどもし私ひとりだったら
はりたおしてたわ」

~回想~

まほ「みんなを、一緒に戦う仲間を大切にするんだぞ」

エリカ「そんなこと言ったって、どうすればいいのよ」

エリカ「……」

エリカ「うっ、胃が痛い……」


みほ「お姉ちゃん準備はいい?」

まほ「あぁ、いつでもいけるぞ」

みほ「じゃあ打ち合わせ通りお願い」

まほ「了解した」

優夏里「姉上殿、ファイトでありますぅ!!」

華「がんばってください」

まほ「ありがとう、それじゃあ行ってくる!」

バタン、、

沙織「みぽりん、なんかお姉さんイキイキしてたよ」

みほ「うん、そうだね」アハハ


エリカ(下級生の扱いって難しいわ、全然思い通りにならないじゃない)

エリカ「……」

エリカ「やっぱまほさんはすごかったのね、ちょっと相談してみようかしら」

エリカ「でも気軽に連絡できる間柄でもないし……」

まほ「おっ、エリカじゃないか」

エリカ「まほさん!?」

まほ「偶然だな、また会うなんて」(物陰で隠れて待ってた)

エリカ「そうですね」

エリカ(ここは助言をもらうチャンスよ)

エリカ「あの、まほさん!ちょっとお話したいことが!!」

まほ「なに?」

まほ「そうか、それならまた夕食に行かないか?一緒に」

エリカ「はい!!よろしくお願いします!!」


まほ「よさそうな店を見つけたんだ」

まほ「駅で無料配布してるグルメ誌に載って店なんだが、あそこか?」

エリカ「あれは、焼肉屋さんですか」

まほ「あぁ、お母さまや家族以外の人と一度行ってみたかったんだ」

エリカ「でも、こんな高級そうなところ……私たちが行って大丈夫なんですか?」

まほ「問題ない、うちは経済的には余裕がある方だからな」

まほ「さぁ入ろう」

エリカ「はい、それじゃあ」

ガラガラ、、


エリカ(すごい、個室の焼肉屋なんて初めて入ったわ)キョロキョロ

エリカ(でも目的を見失っちゃダメ、今日のこの機会に隊長としての振る舞いとか色々聞かなきゃ)

まほ「ん、メニューがないな」

店員「いらっしゃいませ、本日はご来店ありがとうございます。こちら当店のメニューになります」

まほ「あぁ」

店員「お先にお飲み物お伺いしときましょうか?」

まほ「そうだな、どうするエリカ」

エリカ「私はウーロン茶をお願いします」

まほ「ウーロン茶2つ、あとこの特上セットを2人前お願いします」

店員「かしこまりました、ウーロン茶と特上セットがおふたつですね」


まほ(ん?こんなのもあるのか)

店員「どうしましょう、ご飯ものは先にお出ししましょうか?」

まほ「そうだな、先でいいか?」

エリカ「はい」

まほ「あと追加で大田原牛ハンバーグも注文したいのだが」

エリカ「!!」ピクッ

店員「ハンバーグですね、以上でよろしかったですか?」

まほ「はい」

店員「ありがとうございます、失礼いたします」

ササッ、、

まほ「ハンバーグがあったから注文しといたぞ」ニコ

エリカ「ありがとうございます!!(まほさん、なんて優しいのかしら)」


エリカ(お肉が運ばれてくる前に軽い感じで聞けば答えてくれるはず)

エリカ(下級生数人から除隊願いを出されたんですけどどうしたらいいですか?なんて聞けないし)

エリカ(あくまで世間話をするようにサラッと)

エリカ「あのまh」

まほ「エリカ」

エリカ「はい」

まほ「さっきの店員の人、体つきはガッシリして男らしいのに声は高かったな」

エリカ「そう言われれば」

まほ「実はオーダーをとってもらってる時おかしくて少し笑いそうになっていたんだ」クスクス

まほ「エリカは大丈夫だったか?」

エリカ「まぁ、私は」

まほ「そうか、私はまたあの人が来たらちょっとマズいかな」

エリカ(まだ時間はある、落ち着いてチャンスを待つのよ)


まほ「ほら、肉が焼けたぞ」ヒョイ

エリカ「あ、すみません。いただきます」

まほ「いっぱい食べてスタミナをつけてくれ」

エリカ「ありがとうございます」

エリカ(こういう何気ないやりとりの中で『そう言えば~』っていう風に切り出してそこから話を広げていくの)

エリカ(今よ!!)

エリカ「そう言えばまh」

まほ「エリカ」

エリカ「はい」


まほ「たれで食べるのもいいが一度塩をつけて食べてみたらどうだ?」

まほ「ほら、これを見てみろ。お店の店長が自ら海外に足を運んで肉に合う岩塩を買い付けたと書いてある」

エリカ「ほんとですね」

まほ「塩で食べると素材本来の味がひきたつんだ」ぱく

まほ「……」モグモグ

エリカ(なにこの感じ、さっきから私が話を切り出そうとすると絶妙のタイミングで
まほさんが割って入ってくる)

まほ「これはうまい」

エリカ(仕方ない、ここは多少強引になってもいいから切り出すしかない)


エリカ「まほs」

まほ「エリカ」

エリカ「えっと、そう言えb」

まほ「岩塩というか香辛料の話になるのだが」

エリカ「まh」

まほ「大航海時代にはコショウなどの香辛料は商人が命がけで航海に出てそれを持ち帰り高値で取引されていたそうだ」

エリカ「……」

まほ「私たちは今それを安価な値段で手に入れ、毎日の食事で手軽に使うことができる」

まほ「幸せだと思わないか?」

エリカ「そうですね……はい」

エリカ(ちょっと、まほさんってこんなに自分から話振ってくる方だった!?)

その後、機会を探してまほに相談をもちかけようと試みるも

まほが全て遮る形に終始してしまう。


まほ「今度の試合私も見にいくからな」

エリカ「来られるんですか」

まほ「もちろんだ、かわいい後輩の初陣だからな。応援くらい行くさ」

まほ「まぁエリカが隊長なら安心して見ていられるだろう。私が心配するまでもなく
完璧な内容でアンツィオを打ち負かしてくれるだろう」

エリカ「……」

まほ「おいどうした?そうだろ」ポン

エリカ「!!」ハッ

エリカ「え、えぇもちろんです!!」

そして、週末のアンツィオ高校との練習試合は完璧な内容で勝つようにと言われ

エリカはさらに苦しい状況に追い込まれてしまうのであった。


まほ「それじゃあまた、今日は楽しかった」

エリカ「先日から引き続きごちそうしていただきありがとうございました」

まほ「これくらいなんでもないさ」

まほ「試合がんばるんだぞ、私に強い黒森峰を見せてくれ」

エリカ「はい!!」


エリカ自室


エリカ「とは言ったものの」

エリカ(隊長になって初めての試合)

エリカ(統制のとれないチーム)

エリカ(憧れの人からの期待)

エリカ「……」

エリカ「はぁ、気が重いわ」


チュンチュン、、

エリカ「……」

エリカ(朝、起きないと)

エリカ「ん……」ゴロン

エリカ(いろいろ考えこんじゃってあまり眠れなかったわ)

エリカ「体が重い」


エリカ(アンツィオの特徴は機動力を生かした型にはまらない戦術だったわね)

エリカ(この前の大会ではマジノ女学院には勝ったけど、大洗相手にボコボコにや
られてたし自力では圧倒的にうちが勝ってる)

エリカ(唯一警戒すべきなのは重戦車のP40、あとは雑魚ばかりだから無視して
フラッグ車だけを狙って全員で叩くのが楽かしら)

エリカ「……」

エリカ(結果を残せば楽になるの。こんなところで負けてられないわ)

エリカ(試合会場は、あそこね)


「おぉ~黒森峰だ!!かっけぇー」

「やっぱ雰囲気あるなぁ」

ザワザワ、、

「今日の試合どっちが勝つかな」

エリカ(ふん、うちに決まってんでしょ)

「分かんないぞ、黒森峰は2年前までは全国大会9連覇だったのが
ここ2年は準優勝だからな」

「そう言えば確かに、前みたいな絶対王者って感じでもなくなったよな」

エリカ「ぐっ」ギリ

「案外アンツィオが勝つかもしれねぇぞ~」

「それも見てみたいかもな、あっはっは」

エリカ「……」イラっ


小梅「ほんとにそれでいいの?」

小梅「……分かったわ、それじゃああなたも元気でね」ピッ

エリカ(小梅?誰と話てるのかしら)

小梅「はぁ」

エリカ「おはよう小梅」

小梅「あっ」

小梅「おはよう」

エリカ「誰かと話てたみただけど」

小梅「うん、この前除隊届を出した子一人とつながって」

エリカ「それで!?」

小梅「やっぱり辞めるって、嫌われるの覚悟で説得してたんだけど意志が固くて」

エリカ「そう」

エリカ「いろいろ動いてくれてたのね、ありがとう小梅」

小梅「ううん、私はこんなことしかできないから」

エリカ「今は目の前の試合に集中しないと」

小梅「そうね」

小梅(隊長、すごく顔色悪いけど大丈夫かな)

エリカ「ダイジョウブ、ジブンノヤッテキタコトヲシンジルノ」ブツブツ


ペパロ二「たのもう~っす!!」

カルパッチョ「こんにちわ、今日はよろしくお願いします」

小梅「あなたたちはアンツィオ高校の」

ペパロ二「新隊長のペパロ二っす、試合前のあいさつに来たんすけどそっちの隊長は?」

小梅「あっ、隊長アンツィオ高校の隊長があいさつに来てます」

エリカ「えぇ、今いくわ」


ペパロ二「今日は正々堂々勝負っすよ!!」

エリカ「よろしく、でもまさか私たちに勝てるとか思ってないわよね?」

ペパロ二「そのつもりっすよ、なんたってこっちは出店の営業時間を増やして
P40のマイバッハエンジンと90ミリ砲身を手にいれたんだ」

エリカ「!?」

ペパロ二「こいつをぶち込めば黒森峰の戦車にだって太刀打ちできるハズだ」

カルパッチョ「ちょっとペパロ二、なんで試合前にバラしちゃうの!?」

ペパロ二「あぁ~そうだ、これは極秘なんだった……ま~たやっちゃったよ」

カルパッチョ「もう、またボロ出さないように帰るわよ」

ペパロ二「いてて、引っ張るなよ~」


「どうしたの?」

「アンツィオが戦車を強化してきたみたい」

「マジ?どれどれ!?」

「P40よ、機動力に攻撃翌力を大幅にプラスしてきた、手ごわくなりそうだな」

「ヤバいんじゃ……」

エリカ「」イライラ

エリカ「ちょっとあんたたち、試合前に弱気になってんじゃないわよ!!
たった一両じゃない、総攻撃で叩けばこんな試合10分もかからないわ」

「でも、こっちも辞めちゃった人いるし戦力で言えば減ってるよね」ボソ

「私、アンツィオみたいなとことやるのは初めてだからちょっと不安かも」コソコソ

エリカ「そこ!!なにか言いたいことがるの?」

「い、いえ」

「なんでもありません、すみませんでした」

エリカ「ちっ」

エリカ「各自、時間まで戦車に異常かないか点検、必要があれば調整しておくように。以上、一時解散!!」


エリカ(あ~ムカつくわ、アンツィオもうちの頼りないレギュラーも)

エリカ(私たちはもっと強くならないといけないのに)

エリカ「うっ……」

エリカ(……こんな時に、また胃が痛くなってきた)

「イツミサン、チョットイイカシラ?」

エリカ「なによ、今試合前なんだけど後にしてくれる」クルッ

しほ「……」

エリカ「あっ……」

しほ「いい天気ですね、調子はどう?」

エリカ「い、家元!!」


しほ「あなたが隊長になったからまだ会ってなかったから、試合の視察も兼ねてあいさつに来た
のだけれど、迷惑だったようね」

エリカ「あ、いえ!すみません!!全然大丈夫です(ヤバい、家元に失礼なこと言っちゃった)」

しほ「そう」

みんなイッツミー大好きなんですね


エリカ「……」

しほ「……」

エリカ(気まずいわねこの状況)

エリカ(まほさんは応援に来るとは言ってたけど家元まで来られるとは)

しほ「時に逸見さん」

エリカ「は、はい!」


しほ「昨日はあなたと新チームについてまほと話てたんだけど……」

エリカ「はい……」

しほ「その、なんというのか」

エリカ「……」ごくり

しほ「話を聞くかぎりでは、かなり期待できそうね」

エリカ「!!」


しほ「まほの評価ではあなたはかなり有能な戦車乗りであり隊長としての
資質も兼ね備えた素晴らしい逸材だと言っていました」

エリカ「あ……」

しほ「チームとしての練度、そして士気も新チームとしては黒森峰はじまって以来最高
だということで今日は楽しみにしてきました」

エリカ「いや、家元、そこまでは」

しほ「ここまでの状態に持ってきたのは他でもない逸見さん、あなたの力だそうね」

エリカ「ですから、その」

しほ「実を言うと、昨日は主人も帰っていたので久しぶりに二人で楽しもうと思っていたのに」

しほ「まほがあまりにも嬉しそうにあなたやチームのことを話すもんだから、西住流の家元としての
立場ゆえ中座することもできず、結局主人は寝てしまいました」

エリカ「それは……」

エリカ(こんな時、なんて言えばいいのよ!?)

しほ「なので今日は昨日解消されなかった欲求が吹き飛ぶくらいの痛快な勝ち方を期待しています」

エリカ「はい!!精一杯がんばります」


しほ「精一杯がんばる?」ぴく

エリカ(え!?なにかマズいことでも言ったかしら)

しほ「私の聞き間違いかしら、勝つことを最も尊ぶ黒森峰女学園の隊長が
がんばるなどと陳腐な返事をするわけがありません」

エリカ「!!」ハッ

エリカ「し、失礼しました!!今日の試合必ず勝ってみせます」

しほ「逸見さん、私をあまりガッカリさせないでちょうだい。相手は
万年どうがんばっても2回戦止まりの高校でしょ?勝つのは当たりなの」

エリカ「……」

しほ「私の言いたいことが分かるかしら?」ゴゴゴ

エリカ「今日の試合、圧倒的な力を見せつけて相手を叩き潰します!!」

しほ「そう、分かればいいのよ逸見さん」ニコ

エリカ「……」

しほ「それじゃあ失礼するわ」

スタスタ、、

エリカ(この試合、万が一にでも負けでもしたら)ガクガク


エリカ「……」

まほ「エリカ」

エリカ「まほさん……おはようございます」

まほ「ちょっと気になることがるのだが」

エリカ「はい、なんでしょうか?」

まほ「メンバーはあれで全員か?いつもより少なく見えるぞ」

エリカ「!!」ギクッ

エリカ「え、えっとそのですね」

まほ「ん?」ジーッ

エリカ(なんとかごまかさないと)

エリカ「体調不良により欠員が出ております」

まほ「なんだと?こんな大事な時にか」

エリカ「えぇ、そうなんです。まったくなってないですよね」

まほ「……」

まほ「なぁエリカ、今日来てないやつはホントに体調不良なのか?」

エリカ「……」


エリカ「それはどういう意味ですか?」

まほ「いや、数日前に食事に行った時も練習を見ていたのだがその時から少ないと思ってな」

エリカ「!!」

まほ「まさか……」

エリカ「……」ゴクリ

まほ「練習中に大きな怪我でもして練習すら参加できないやつがいるのか?」

エリカ「そ、そうなんですよ!!けっこうひどい怪我で」

まほ「そうか、それは心配だな」

エリカ(よかった)ホッ

まほ「よし、練習試合が終わったらお見舞いに行ってやろう」

エリカ「え……」

まほ「同じチームで戦ってきた仲間なんだ、大切にしないとな」

まほ「おっと、もうすぐ試合か。エリカ、悪いが試合が終わったら
今日怪我でこれてないメンバーを教えてくれ」

エリカ「は、はい……(なんでそうなるのよ)」

まほ「みんな気持ちは一緒だ。参加できなくても黒森峰の勝利を信じているに違いない」

まほ「今日の試合、絶対勝つんだぞ!!」

エリカ「はい……」

しほ「まほ、こっちへいらっしゃい。戦車道連盟の理事長代理にごあいさつして」

まほ「お母さまがお呼びだ、それじゃあ私はもう行くぞ。普段通りやれば大丈夫だから」

タッタッタ、、

エリカ「……」


黒森峰レギュラー「砲の調整、もう少し」カチャカチャ

女性「あの」

黒森峰レギュラー「はい?」

女性「お忙しいところすみません、写真一枚いいですか?」

黒森峰レギュラー「あっ、すみません。試合前なので……お察しください」

女性「そんな、うちの娘が黒森峰女学園戦車道の大ファンで
今日試合があるって聞いて楽しみにしてきたんです。どうか一枚だけお願いできませんか?撮ったらすぐに去りますので」

娘「……」ジーっ

黒森峰レギュラー「わかりました」


女性「ありがとうございました」ペコ

娘「お姉ちゃん、試合がんばってね」

黒森峰レギュラー「もちろん、今日は王者の戦いを見せてあげるから楽しみにしててね」

娘「うん!!」

女性「さぁ娘、あんまり話すとご迷惑になるからもういくわよ」

娘「ばいば~い♪」

黒森峰レギュラー「うん、またね」

エリカ(なにあれ、こっちはまほさんと家元に詰められてプレッシャー
はんぱないのになにやってんのよ)イラッ


エリカ「記念撮影?楽しそうね」

黒森峰レギュラー「えぇ、どうしてもってせがまれたので」

エリカ「そう、戦車の点検は終わった?」

黒森峰レギュラー「あとは砲の調整が少々、すぐ終わりますけどね」

エリカ「は?」

エリカ「点検・整備がまだ終わってないのに呑気に写真撮影に応じるなんて随分余裕みたいね」チクリ

黒森峰レギュラー「……」カチン

黒森峰レギュラー「ですからどうしてもって言うから応じてあげたんです、こっちも好きでやってたわけじゃないですよ」

エリカ「あっそう」

エリカ「今からさっきの家族追いかけて連絡先交換しといた方がいいんじゃない」

黒森峰レギュラー「はい?どういう意味ですか」

エリカ「記念の写真送ってもらいなさい、そんな気構えじゃ黒森峰のレギュラーとしてふさわしくないわ。
この試合が終わったら外すから」

黒森峰レギュラー「……ふざけないでよ!!」

エリカ「なによ!!ふざけてんのはあんたの方でしょ!?」


小梅「そろそろ整列しないと」

小梅「あれ」

小梅「ねぇ、隊長知らない?」

黒森峰レギュラーB「さっき向こうの方で西住先輩と話てましたよ」

小梅「そう、ありがとう」


「おい、アレ大丈夫か?」

「黒森峰の生徒同士で言い合いしてるぞ」

小梅(えっ、まさか)

黒森峰レギュラー「なんで写真一枚とっただけで降格しないといけないの!?意味わかんない!!」

エリカ「覚悟が足りないって言ってんの、いい?どこのどいつだか知らないけど試合前にわけわかんないお願い
してくるやつなんか無視しとけばいいのよ、あんたに隙があるからそういうくだらない頼まれごともされるのよ」

小梅「ちょっと二人ともどうしたの!?もう試合始まるよ、整列だよ!!」

エリカ「ちっ」

スタスタ、、、

黒森峰レギュラー「あほらし、私やめるわ」

小梅「えっ、ちょっと何言って……」

黒森峰レギュラー「ごめん小梅、そんじゃ。世話になったわ」

小梅「ちょっと!!待ってよレギュラーちゃん!!」

エリカ「……」チラッ

エリカ「ふん……」

エリカ「またやめるのね」


その頃

「アンツィ名物鉄板ナポリタンだよ~、おいしいよ~!!」

まほ(おいしそう)

「観戦のおともに窯焼きのピッツァはいかが?もうすぐ焼きあがるよ!!」

まほ(あっ、あれもいいな)

「おいしいジェラートはいかがですか?いろんな味が楽しめていまならサ―ビスタイムで1個おまけしゃうよ!!」

まほ(ジェラート……食べたい)

しほ「今日は練習試合なのにも関わらずギャラリーの数が多いわね」

まほ「……」

しほ「まほ?」

まほ「あの、お母さま」


まほ「ちょっとお金をかしてほしいのですが」

しほ「しょうがないわね、1000円もあれば足りるでしょ」スッ

まほ「ありがとうございます(やった!!)」

しほ「私は先に観覧席のいつもの場所にいるわ」

まほ「はい、すぐ行きます」


まほ「お母さま、お待たせしました」

しほ「目的のものは買えたの?」

まほ「はい」

まほ「あっ、おつりです」

しほ「……」

まほ「」パクっ

まほ(おいしい、やっぱりメロンを選んで正解だった)

しほ「まほ、私の分はないのですか?」

まほ「え……」

しほ「……はぁ」

しほ「なんのために多めにお金を渡したと思ってるの?ああいう場合は
先生や先輩の分も買ってくるのが常識でしょ」

まほ「申し訳ありません……」

しほ「まったくこの子は、先が思いやられますね」

まほ(怒られた)しゅん


みほ「お姉ちゃん……」

優夏里「姉上殿、やってしまいましたね」

沙織「きっと自分の役割が終わったからホッとしちゃったんだよ。普段なら
ちゃんとできてたと思うよ」

華「そうですよ、私も目の前においしそうな食べ物があったら周りが見えなくなることも
ありますし」

麻子「とは言え良妻賢母を育成するのが大きな目的である戦車道家元の後継者としては
致命的なミスだな」

みほ「ほんとそうだよね、恥ずかしいよ」

沙織「麻子!?」

優夏里「冷泉殿、おはようございます!!ってもうお昼回ってますね」

華「いつからいらしたのですか?」

麻子「逸見さんがストレスたまりすぎて、チームメイトに理不尽な嫌みを言ったあたりからだ」

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