海未「それでは…」ガシャン (63)
前作
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花陽「海未ちゃん今日はありがとうね」
海未「いいえ。他でもない花陽のお願いですから」
花陽「そう言ってもらえると凄く嬉しいな」
海未「ふふ。花陽こそわざわざ駅まで見送りに来ていただいて申し訳ありません」
花陽「だって私の為にわざわざ用事を後回しにして来てくれたんだもん。当たり前だよ」
海未「そうですか」
花陽「うん」
海未「………」
花陽「どうしたの?」
海未「いえ…なんだか花陽も随分と頼もしくなったなとふと…」
花陽「ええ?どうして?」
海未「だって最初はもっとおどおどしていて弱々しい印象を受けたものですが…」
花陽「そんな風に思ってたのぉ?」
海未「そうですよ?ですが、今では随分と頼もしくたくましくなったように感じます」
花陽「そうかなぁ?」
海未「そう言うものは自分では分からないものなんですよ。自信を持ってください」
花陽「…うん。ありがとう海未ちゃん」
海未「ふふ…勝ち上がりましょうね?ラブライブ」
花陽「………うん」
海未「おっと。電車が来てしまいます。それでは私は行きますね」
花陽「うん。じゃあね」
海未「では…」クルッ
花陽「やっぱり海未ちゃんはかっこいいな。そんな海未ちゃんにああ言って貰えるなんて…」
ガシャン ビー
海未「あれ?」
海未「あ、あれ?」
花陽「う、海未ちゃんどうしたの?」
海未「い、いえ…」ピッ
ビー
海未「あれ?」
花陽「……改札通れないの?」
海未「いえ…そんなはずは…」
花陽「………」
海未「確かにSuicaが…」ピッ
ビー
海未「あ、あれ?」
花陽「う、海未ちゃん…後ろに他のお客さんが…」
海未「あ、も、申し訳ありません」
花陽「だ、大丈夫?」
海未「は、はい」
花陽「チャージし忘れちゃったの?」
海未「いえ…そう言うわけでは…改札が不調なのでは…」
花陽「…でも他のお客さんは通ってるよ?」
海未「えっ!?」
花陽「…………」
海未「…………」
海未「………」
花陽「………」
海未「………」
花陽「き、気にする事ないよ?」
海未「な、何がですか?」
花陽「だ、誰でもあるもん」
海未「べ、別に気にしてなど」
花陽「そ、そう?」
海未「え、ええ」
花陽「私のPASMO使う?」
海未「え?だ、大丈夫ですよ。他の改札で試してみますから」
花陽「でも…」
海未「大丈夫です。花陽は優しいですね。その優しさにμ'sの皆んなも癒され救われています。それが花陽の良いところなんですね。それでは、私は今度こそ行きますので…明日からも練習頑張りましょう。ではっ!」ピッ
ビー ガシャン
海未「あたっ………あれ?そんな…」ピッ
ビー ガシャン
花陽「う、海未ちゃん?」
海未「そ、そんな…どうして…」
花陽「カード…間違えてるとか?」
海未「い、いえ…確かに…」
花陽「どうしてなんなんだろ」
海未「………」
花陽「あの…」
海未「きっ…気にしてなどいませんよ?」
花陽「そう?」
海未「ええ。全然気になどしていません」
花陽「やっぱり私のPASMO貸すよ?」
海未「いえ…ほんとうに…ほんとうに使えるはずですから。もしかしたらもう一個の改札も不調なのかもしれませんし」
花陽「そんな事は…」
海未「絶対にないとは限らないですから」
花陽「そうだけど」
海未「ね?私の事を信じて下さい。花陽が信じてくれれば私は空を飛ぶ事だって、改札を通る事だって出来るのです」
花陽「そんな…これで通れなかったら色々と気まずいよぉ」
海未「信じて下さい」
花陽「わ、わかったよ」
海未「………」ピッ
ビー
………………
海未「………やっぱり貸して下さい」
花陽「うん………」
「勉強の時間」
絵里「これは由々しき事態よ?」
穂乃果「大袈裟だよ絵里ちゃん。」
凛「そうだにゃそうだにゃ」
にこ「何もそこまでマジにならなくても、ねえ?」
希「えりちは真面目さんやからね」
絵里「あのね…部内に赤点が四人もいるなんて大問題でしょうが」
穂乃果「いやあ…数字が出てくるとどうしてもね?」
絵里「数学なんだから当たり前でしょ?」
希「ほら?ウチはスピリチュアル専門やから科学的な事は…他のテストは全部90点以上なんよ?」
絵里「世の中非科学的な事より科学的な事の方が大事なのよ。希は元生徒会なんだししっかりしてよ。こないだまで赤点なんてとった事なかったでしょ?」
希「いやぁ、皆んなと遊んでたら勉強がおろそかに…ね?」
穂乃果「ね!」
絵里「って言うか穂乃果は生徒会長じゃない。生徒のお手本なのよ」
穂乃果「とは言っても…」
にこ「にこはぁ、アイドルだからお勉強なんか出来なくても…」
凛「凛も日本人だから英語は出来なくてもいいにゃ」
絵里「ダメに決まってるでしょ。進級できないわよ?μ'sがお馬鹿の集団だと思われちゃうでしょ?」
穂乃果「それは大袈裟だよ」
絵里「大袈裟じゃないわよ。普通赤点なんてとらないんだから」
穂乃果「でも…」
絵里「でもじゃありません。強制的に勉強会をします」
穂乃果「え~」
凛「最悪にゃ」
にこ「全くよね」
希「ん~立場が変わってにこっち達の気待ちがやっとわかったよ」
絵里「私語禁止」
は~い
…………カキカキ
穂乃果「はい!絵里ちゃん質問」
絵里「何かしら?」
穂乃果「ここの作者の気持ちって?」
絵里「ああ…そこは作者の会いたいと言う…」
凛「え?絵里ちゃんは作者の人と会った事あるの?」
絵里「な、ないけど?既に他界してるし」
凛「会った事ないのに気持ちがわかるの?」
絵里「いや、それは文脈から」
にこ「嘘書いてるのかもしれないじゃない」
穂乃果「トイレに行きたいとか思ってるかもしれないよね?」
絵里「いや、そんな屁理屈は…」
凛「作者の気待ちとか希ちゃんが得意そうだよね?」
希「呼んでみようか?」
穂乃果「え?呼べるの?文豪を?」
絵里「そうなの?」
希「………なんちゃって。ウチにも出来る事出来ない事があるやん?」
穂乃果「な~んだ。呼ばないのか」
絵里「残念ね……って何を言ってるのよ。屁理屈言ってないで勉強しなさい」
にこ「はい!」
絵里「にこ?」
にこ「Playing is importantの意味はなんですか?」
絵里「それは…遊ぶ事は大切だって意味よ?」
凛「え?遊ぶ事って大切なの?」
絵里「そりゃあ…まあ…時には」
希「そりゃあそうやん?遊ぶ事から学ぶ事だっていっぱいあるんよ?なあ、えりち?」
絵里「え、ええ。まあ」
にこ「じゃあ、遊ばなくちゃだめじゃない」
絵里「いや、それは…」
穂乃果「だって遊ぶのは大切なんでしょ?」
絵里「そうだけど…」
希「たった一度の高校生活やもんね。たった一度の青春を楽しく過ごしたいもんね」
穂乃果「そうだよ。絵里ちゃん遊びに行こうよ」
絵里「だ、ダメに決まってるでしょ」
凛「教科書にかいてあるんだよ?遊べって」
絵里「そうだけど…」
穂乃果「ね?絵里ちゃん?皆んなで楽しい思い出作ろうよ?」
絵里「でも…」
希「うちも賛成!よく学びよく遊べ…今日は遊びに行ってもええんやない?」
絵里「そ、そうかしら?」
凛「そうだよ!凛は絵里ちゃんといっぱい遊びたいな」
にこ「賛成の人?」
穂乃果「はい!」
希「はい!」
凛「はい!」
絵里「ええ?」
穂乃果「絵里ちゃん……行こ?大丈夫。勉強は明日でも出来るけど…青春は待ってはくれないよ?」
絵里「そう…よね?そうだわ」
凛「うん。そうだにゃ」
絵里「遊びに行きましょう!」
穂乃果「うん!何しようか?ボーリングしようか?」
にこ「カラオケなんて良いんじゃない?」
絵里「パフェを食べに行きましょうよ」
ガチャ
海未「なりません。今すぐ席に着きなさい」
「お誘い」
凛「え~、かよちん大丈夫?うん。皆んなには凛から言っておくね。うん、じゃあ、明日も無理だね?ううん、気にしないでいいにゃ。それじゃあ」
ガチャ
凛「はあ、かよちん。お休みかぁ…寂しいなぁ。明日どうしようかな?券の有効期間も明日までなのにな」
………
凛「ねえねえ。明日一緒に映画に行かない?」クルッ
真姫「え?」
ことり「明日?」
凛「あれ?二人居たの?」
真姫「ずっと居たわよ」
ことり「ここでお裁縫してたよ?」
凛「会話してないから…わからなかったよ」
真姫「で、映画が何?」
ことり「映画のお誘いかな?」
凛「あー、うん。明日映画を見に行くんですけど…招待券があるから…」
真姫「そうなの?私は明日空いてるけど?っていうかなんでも敬語なのよ」
ことり「私も大丈夫だよ?」
凛「あっ、そうですか…」
真姫「何?三人で行くの?」
ことり「何の映画を見るのかな?」
凛「えっと…あの、〇〇だけど…」
真姫「あっ、それって少し気になってたのよね」
ことり「私も見たかったの」
凛「あっ、そうですか」
真姫「だから、なんで敬語なの?」
凛「あのね?」
真姫「何?」
凛「二人で行ってくれば?」
真姫「はあ?なんでそうなるのよ?」
ことり「急にどうしたの?」
凛「あの、券がね…二枚…」
真姫「え?」
ことり「二枚?」
凛「うん。二枚…」
真姫「………」
ことり「あの………もしかして、凛ちゃんは真姫ちゃんを誘って二人で行こうとしたのかな?」
凛「え?………そんな事ないよ?」
ことり「えっと…」
真姫「じゃあことりと二人で行こうとしたの?」
凛「………そんな事全然ないっす」
真姫「なんで口調が変わるのよ」
凛「えっと…」
ことり「あの…ごめんね?私は全然大丈夫だから。二人で行って?なんか…勘違いしちゃってごめんね?凛ちゃんだって同じ一年生の真姫ちゃんを誘いたかったんだよね?」
凛「えっと…」
真姫「いや、ことり?そんな事ないわよ?それに…ほら?別に映画なんて私はいつでも見れるし」
凛「あの…」
ことり「そんな…でも、真姫ちゃん…凛ちゃんに誘われた時物凄く嬉しそうな顔してたよ?」
真姫「そ、そんな事ないわよ」
凛「………やっぱり二人で行ってきなよ」
真姫「なんでそうなるのよ。凛が居なきゃ話にならないでしょ?」
ことり「そうだよぉ。凛ちゃんが居なきゃダメだよぉ」
凛「………うん」
真姫「凛?こうなったら正直に言いなさい?最初にどっちを誘おうと思ったの?言わないとなかなか話が進まないわ」
ことり「うん。大丈夫だから言って?わかってるから、ね?」
凛「凛は…」
真姫「うん」
凛「凛はね、真姫ちゃんもことりちゃんも部室にいるの気付かなかったからね…そこでお昼寝してる穂乃果ちゃんを誘おうと思ったの」
真姫「え?」
ことり「えっと…」
凛「たまたま穂乃果ちゃんが部室に居るのは知ってたから…」
真姫「……私達は寝てる穂乃果に存在感で負けたのね」
ことり「うん。穂乃果ちゃんは存在感あるから…」
穂乃果「スースースー」ZZZ
凛「起きないね」
「友達のお菓子」
ガチャ
海未「ごきげんよう」
希「お疲れ様~」
真姫「あら?二人一緒だったの?」
海未「ええ、そこで一緒になって」
真姫「ふ~ん。誰も来ないから待ちくたびれちゃったわよ」
海未「そうですか。すいませんでした」
真姫「いや、別に謝らなくても」
希「あれ?真姫ちゃん…なんか美味しそうな物をもってるやん」
真姫「ああ、これ?」
希「うん。いいな~美味しそうやね~」
真姫「食べたいの?」
希「真姫ちゃんが恵んでくれるなら」
真姫「普通に頂戴って言えばいいじゃない」
希「じゃあ頂戴?」
真姫「全く…どうぞ」
希「じゃあ、頂きます」
真姫「………」スッ
希「どこ行くん?」
真姫「………お手洗いよ。わざわざ聞かないで」
希「なるほど」
真姫「………全部食べないでよ?ちゃんと残しといてね?」
希「分かってるよ」
ガチャ
希「さて、それじゃもう一つ」
海未「………」
希「ん~美味し。海未ちゃんは食べんの?」
海未「え?」
希「いや、せっかく分けてくれたのに食べないの?」
海未「………私も食べて良いのでしょうか?」
希「え?なんで?」
海未「真姫は希にあげると」
希「いやいや、そんな事は言ってなかったやん?」
海未「ですが…」
希「普通にウチと海未ちゃんにくれたやん」
海未「しかし…真姫は希に向かって食べて良いと」
希「いや、そんな事ないよ」
海未「ですが…」
希「じゃあ、ウチが食べた事にすればええやん?」
海未「そんな卑怯な事は出来ません」
希「じゃあ、普通に食べなよ」
海未「それは…真姫の了承を得なければ…」
希「海未ちゃん…なかなか面倒くさいよ?」
海未「そんな事言われても」
希「凄く美味しいのに…」ぱくっ
海未「………」ジィー
希「………やっぱり食べたの?」
海未「……いえ」
希「素直になりなよ」
海未「真姫の許可を…」
希「なんか意地でも海未ちゃんに食べさせたくなったよ」
海未「ええ?」
希「あーん」
海未「しません。自分で食べて下さい」
希「くっ、なかなか手強いやん」パクっ
希「あー、美味しい………」ちらっ
海未「………」ジィー
希「食べたいんやろ?」
海未「け、結構です」
希「素直やないなあ」パクっ
海未「………」
希「海未ちゃん~、ほらぁ~」
海未「なっ!?い、いりません」
希「ちぇ~」パクっ
希「さて、もういいかな。ウチもトイレに行ってこよう」
海未「え?」
希「じゃあ」
ガチャ
海未「………」
ガチャ
穂乃果「へえ、そんなに美味しいんだ?」
真姫「ええ。穂乃果にも分けてあげるわ」
海未「あっ、真姫。あの、私にも一つ…」
真姫「あっ、ない。海未、全部食べちゃたの?」
海未「え?い、いや…」
真姫「全く、全部食べないでって言ったのに。希はともかく海未まで…」
穂乃果「え~海未ちゃん全部食べちゃったの?」
海未「こ、こんな事って…」
「探し物」
凛「それでね~」
穂乃果「うん」
凛「ピーマンだと思ったらパプリカだったんだにゃ」
穂乃果「ええ?そんな事ってあるの?全然色違うけど?」
凛「カットしてあったから…」
穂乃果「だとしてもだよ」
花陽「あれ?」
凛「どうしたのかよちん?」
花陽「あれ?携帯電話どこにしまったかな?」
穂乃果「見つからないの?」
花陽「うん。私どこに置いたんだろう?」
凛「思い出せないの?」
花陽「えっと…部室に来てから…」
ガチャ
にこ「お疲れ~」
穂乃果「あっ、にこちゃん」
にこ「な、なによ?」
凛「かよちんのケータイが行方不明にゃ」
にこ「ええ?大変じゃない」
花陽「そ、そんな大事じゃないよ?」
にこ「なに言ってるのよ。個人情報が入ってるのよ?μ'sも有名になったんだからもし拾われてイタズラでもされたらどうするの?」
花陽「そ、そんな大袈裟だよぉ。ロックもしてあるし…」
にこ「ロック解除なんていくらでも出来るわよ。イタズラで済めばまだいいけど花陽の身になにかあってからじゃ遅いのよ」
凛「そ、それは大変だにゃ」
穂乃果「一大事だよ」
花陽「で、でも部室に入ってから一回触って…」
凛「凛行って来るにゃ」ガチャ
花陽「り、凛ちゃん?」
穂乃果「穂乃果も探してくるよ」ガチャ
花陽「あっ、穂乃果ちゃんまで」
穂乃果「花陽ちゃんの携帯電話知りませんかぁ~」
花陽「あ、あんな大きな声で…」
にこ「私達は部室を探すわよ?」
花陽「う、うん」
凛『アイドル研究部からお知らせします。かよちんの携帯が行方不明になりました。心当たりのある方はアイドル研究部までお願いします』
花陽「ええ?校内放送まで…誰か助けてぇ」
プルルルル
花陽「え?」
にこ「え?電話の着信音?」
プルルルル
にこ「花陽のカバンの方から…」
花陽「あっ…ありました」ガサゴソ
にこ「確認しなかったの?」
花陽「したつもりだったんだけど…」
にこ「………」
花陽「ごめんなさい」
にこ「とりあえず…電話出たら?」
花陽「う、うん。も、もしもし?」
絵里『あっ、花陽?携帯見つからないんですって?大丈夫?今から私も部室に行くから待ってて』
花陽「あっ、うん。見つかったよ?」
絵里『そうなの?良かったわ』
花陽「…うん。ありがとう絵里ちゃん」
にこ「…」
花陽「…」
穂乃果『アイドル研究部からのお願いです。花陽ちゃんの携帯電話が行方不明です』
花陽(だから大事にしないでって言ったのにぃ)
「探し物2」
海未「ごきげんよう」ガチャ
シーン
海未「…まだ誰も来ていないのですね」
シーン
海未「ちょうど良いですね。詩でも考えて待ちましょ」
シーン
海未「フフフ~ン……………あれ?えっと…おかしい…確かに昨日カバンの中に…」
ガチャ
希「あれ?海未ちゃんだけ?」
海未「希…」
凛「凛もいるよ!」
海未「そ、そうですか」
希「どしたん海未ちゃん?なんか慌ててる様に見えるけど?」
海未「じ、実は………いえ、やはりなんでもありません」
希「いやいや、そんな言い方されたら気になるやん」
凛「そうだよ。何かあったんでしょ?」
海未「じ、実は…ノートがみあたらなくて」
希「ノート?」
海未「はい。昨日確かに鞄に入れたはずなのですが…」
凛「なんのノート?」
海未「いや…その…」ゴニョゴニョ
希「え?何?」
海未「な、中身はいいじゃないですか」
希「いや、なんのノートかわからないと探しにくいやん」
海未「あの、表紙が青のノートですから」
希「そんなのいっぱいあるやん」
海未「いや、本当に。名前も書いてありますから」
凛「何か恥ずかしい事書いてあるの?」
海未「え?」
希「書いてあるんや?」
海未「書いて…ませんよ?」
希「今の間は絶対そうやん」
海未「違います」
凛「じゃあ、何のノートなの?数学?」
海未「いえ」
凛「お絵描き帳?」
海未「いえ」
凛「作詞ノート?」
海未「………」
凛「作詞ノートなの?」
希「作詞ノートなら別に恥ずかしい事ないやん?μ'sの曲は海未ちゃんが考えてるんやし」
海未「作詞ノートではなく…詩の…ノートで」
凛「え?詩のノート?」
希「ポエムって事?」
海未「…」
希「そうなんや」
凛「ポエムを見られるのが恥ずかしいの?」
海未「当たり前です」
凛「だったら書かなきゃいいのに。そんな事言われたら探し出して見たくなっちゃうにゃら、ね、希ちゃん?」
希「ねー」
海未「後生ですからぁ。お願いします。それだけはやめてください。穂乃果やことりにすら見せてないのですから」
希「まあ、そこまで言うなら」
凛「わかったよ。じゃあ、見つけても中身は見ないにゃ」
海未「ありがとうございます。本当ありがとうございます」
凛「そんなに見られたくないなら早く探した方がいいにゃ」
希「そうやね。ここでもたもたしてると誰かに拾われちゃうね」
海未「そ、そうですね。早く探し出さなくては」
ガチャ
穂乃果「お疲れ様~」
ことり「お疲れ様です」
海未「穂乃果」
希「二人とも遅かったやん」
ことり「私は掃除当番で」
穂乃果「穂乃果は…ほら?英語のさっき数学のノートを出し忘れちゃって職員室に行ってたんだよ」
希「そうなんや」
海未「そんな事よりも二人とも。私の名前が書いてあるノートを見ませんでした?」
穂乃果「あっ、そうそうそれだよ!海未ちゃん数学のノートと間違えて別のノートをだしたでしょ?」
海未「え?」
穂乃果「はい、これ。なんか先生はちょっと分かんないけど良いと思うって言ってたよ。ねえ?なんのノートなの?」
海未「………そうですか」
希「…良かったやん、見つかって」
凛「中身が凄い気になるにゃ」
完
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