・モバマスSS
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・ロックの概念
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事務所
李衣奈「~~♪」
李衣奈「今度のライブまでにギターももっと練習して上手くなりたいなっ」
李衣奈「そのためには、やっぱりロックを再認識しておく必要があるよ。確固たるロックのテーマを出しておけば、きっと曲のイメージも掴みやすくなるだろうし!」
李衣奈「あはは~♪」
李衣奈「よし。じゃあ事務所の子に聞いてみようかな? っていっても私が一番クールでロックしてるだろうけどっ」
李衣奈「一応インタビューってことで」
李衣奈「うんっ。聞いていこう」
李衣奈「おーいっ。七海ちゃん」
七海「ほへ~~~~~」
李衣奈「あっ、お魚にエサをあげてたんだね」
七海「……ん? 李衣奈ちゃん~。何をやってるんれす? そんな所で」
李衣奈「あ、あれっ。気付かなかったかな?」
七海「すみません~。七海はお魚さんと向き合っている時は神経を尖らせてるんれすよね~~。他の子にも気が付いてないことが多くて~」
李衣奈「そ、そうなんだ」
七海「集中しちゃってるんれすよね~!! はいッ!!」
李衣奈 (いつも穏やかで魚に夢中な七海ちゃん。彼女はどんなロック観念を持っているのだろう)
七海「で。なんれすか?」
李衣奈「あ、そうそう。七海ちゃんにとってロックってどんなイメージがある?」
七海「はて。ロックれすか~? 難しいれすねぇ」
李衣奈「あー、やっぱりちょっと難しいよね。私もちょっとロックってどんな物か思い悩んでたから、みんなにちょっとロックについて聞いてみたくって」
七海「やっぱり、七海にとってロックといえばお魚さんれすね~」
李衣奈「魚がロック?」
七海「はい~。お魚さんっていつも必死なんれすよ~? 人間に食べられないように逃げたり、敵から身を守ったり、生き方自体がロックなんれすよ~」
李衣奈「は、はぁ……」
七海「そう。お魚さんはいつも死と隣り合わせなんれす~~!! ふふふふふふふ」
李衣奈「七海ちゃん?」
七海「だから、そんなロックを自称してるくせにスーパー平和ボケしてる李衣奈ちゃんは………ちょっとロックじゃないと思うんですよねッッ!!」
李衣奈「ひっ!?」
李衣奈「ちょ、ちょっと!! 口調が普通になってるよ、七海ちゃん!!」
七海「本気で生きてますか!? 魚のように、食らいついていこうとしてますかっ!? のんびりと鼻歌なんて歌ってる場合じゃないですよ!!」
李衣奈「七海ちゃん何かあった!? 超早口なんだけど!! というか七海ちゃんもけっこうのんびりしてるよね!?」
七海「ほへッッ!? 七海もッッ!?」
李衣奈「顔が近いよぉ…大声出しすぎだってぇ…ちょっと漏らしそうになっちゃったよぉ……」
七海「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ(スーパー深呼吸)」
李衣奈「深呼吸深すぎ!? そんな今から叫びますよみたいな前振りを」
七海「とにかくッッ!! いいれすか~~っ!?」
李衣奈「ひぃっ」
七海「アイドル業界で生き抜くためには、魚のように素早く! 相手を食うくらいの勢いが必要なんれすよ~~っ!!」
李衣奈「そ、そんなぁ……私はロックについてちょっと聞きにきただけなのに」
七海「マジモンのロックンローラーになりたいんなら、聞きに来るのも間違ってるんれすよっ!! 自分で確立させて唯一無二の存在になればいいんれすっ!!!」
李衣奈「壁がビリビリするくらい死ぬほど大っきい声だね……」
七海「こんくらいマイクなしで出せますよねッッ!?!?」
李衣奈「むりれす」
李衣奈「そ、それで結局七海ちゃんの言うロックって」
七海「ロックというのはいつも一つのことに対してキチになってなけりゃいけませんっ!! すべてのロッカーは頭か精神状態かとにかくどっかおかしいれすからッッ!!」
李衣奈「偏見だよぉ……」
七海「七海は今、魚のことを思ってるから脳汁が溢れてこんな喋り方になってるんれすよッッ!! 分かりますかッッッッ!?!?」
李衣奈「ひぃぃぃぃ」
七海「李衣奈ちゃんもギターのことになったらこんくらいの勢いになりますよねッッ!? ねっ!!! ねっ!?!?」
李衣奈「すみません……まだそこまで行き着いてないれす」
七海「そんで李衣奈ちゃんは甘いれすっ!! 甘エビって甘いれすよねっ!? そんくらい甘いんれすよ!? この例え超分かりやすくないれすかッッ!?!?」
李衣奈「と、とても分かりやすいですっ!!」
七海「ひょっ」
李衣奈「へっ」
李衣奈 (何か危ないのが来そうだぞ……)
七海「ひょおおお~~~~~~!?」
李衣奈「あわわわわわわ」
七海「魚のことを考えると脳汁がぁぁぁ~~っ!?!?」
李衣奈「怖い」
七海「お腹減ってきたれす!」
李衣奈「それなら普通に言ってほしいよ…」
七海「とにかくっ、ここは気合を入れてもらわないといけませんねっ!! 来てくらさい!! 超絶怒涛のロックな場所がありますよ~~~ッッ!!!」
李衣奈「もはや七海ちゃんがロックだよ……」
七海「むっ。七海レーダー感知! 今日はスーパー釣り日和れすってぇっ!?!?」
李衣奈「晴れの日ってことなのかな……」
七海「行きますよっ!! 今すぐにロックを掴みに行きたいんなら七海に着いてきてくらさいッッ!!」
李衣奈「うおっ!? ど、どこに連れていくのっ!?」
七海「だから聞くのは無粋れすっ!! 」
李衣奈「信じられないほど速い!?」
七海「振り落とされても知りませんよ~~ッッッッ!!」
李衣奈「ひぃぃぃ……」
ザザーン ザザーン
七海「ほへ~~」
李衣奈「……」
七海「やっぱり釣りはいいれすね~。心穏やかになりますね~」
李衣奈 (さっきとのギャップがすごくてまともに話さえできない)
李衣奈 (普通にのんびり話してるのが既に怖いよ)
七海「これこそロックれすよ~李衣奈ちゃん」
李衣奈「は、はひ……」
ピクッ
七海「ほへッ!?」
李衣奈「っ!?」
ピクッピクッ
七海「ハッ!? 釣竿にッ」
李衣奈「う、うん。かかってるみたいだね」
七海「キてますよぉぉぉぉッ!?!?」
李衣奈「目がやばいよぉ…」
七海「クリーンヒットォォォッッ!!」
李衣奈「きゅ、急に覚醒されると心臓が持たない……」
七海「もらったぁぁぁぁッッ!! れすよぉぉぉっ!!!」
李衣奈「怖い」
ポチャ
ピチピチピチ
七海「ハァハァハァハァ!! お魚を釣り上げた、れ、す……」
李衣奈「お、おー。すごい。大……物とは言えないけど」
七海「ぬぉう……!!」
李衣奈 (いかん何かくるぞこれは)
七海「スーパーおちびれすねぇぇぇッッ!! よくぞ引っかかったれすっ!!」
李衣奈「リアクションすっごい」
七海「ここはオメーの命を海に還してやるれすよッッ!! 今度会うときまでにたんと太ってやがれれすッッ!!!」
李衣奈「隣で耳鳴りがすごいよ……」
七海「還れぇぇぇッッ!! 魚の命が還ったことによる脳汁がぁぁぁっ!!」
李衣奈 (七海ちゃん釣りをしてる時ずっとハイなのかな……)
七海「ヒィヤッホォォォォォ!!!」
李衣奈「」
七海「ほへぇぇ~~~~!? 今度は大物を釣り上げますよッッッッ!?」
七海「魚こそロックの真髄なんれすよぉぉぉぉッッ!!!」
七海「李衣奈ちゃん分かってくれましたよねッッ!?!? れすぅぅぅッッ!!!」
李衣奈 (その後数時間七海ちゃんは喉の潰れそうなリアクションを取り続け、その日の釣りは解散した)
李衣奈 (あれがロックなのかな…私は確かにあんなハイなリアクションはとったことないよ……一気にロックが分からなくなった)
李衣菜に土下座して再開
李衣菜「生まれ変わった気分だよ」
李衣菜「さて、次は普通っぽい子に聞かないと…~ちょっとトラウマだし」
李衣菜「あっ。ライラちゃんがいる」
李衣菜「ライラちゃーん」
ライラ「あらー。李衣菜ちゃんですね」
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