七海「私のゲームが無い」 (39)

七海「うーん、よく寝た。今日は何のゲームをしようかな」

ガサゴソ

七海「…あれ?おかしいなぁ、確かここにしまったはずなのに」

七海「もしかして、バッグの中かな?」

七海「………無い」

七海「何時も持ち歩いてるレトロゲームも、ポケットの携帯ゲーム機も無い」

七海「どうして…?」

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七海「うーん、ホテルのロビーに置き忘れちゃったかな?」

七海「ホテルのロビーには筐体も置かれてるし、そこも見てみよう」



澪田「あれ、七海ちゃん!こんな所でどうしたんすか?」

七海「澪田さん………」

七海「私のゲーム知らないかな?」

澪田「タメが長いと思ったらゲームっすか。唯吹は見てないっすよ」

七海「そっかぁ。…でもおかしいよね」

七海「何でロビーに置いてあったはずの筐体も無くなってるんだろう?」

澪田「誰かが隠したとかっすかね?どうやってかは知らないっすけど」

七海「だとしたら許せないよ。けど、今はそれより私のゲームだよ」

澪田「そういえば七海ちゃんが創ちゃんと一緒にいない時で起きててゲーム持ってないのって珍しいっすね」

七海「普段肌身離さず持ち歩いてるんだけど、起きたら無くなってたんだよ」

澪田「そりゃまた不思議な話っすね…」

七海「という訳で私のゲーム探してるんだけど、知らないかな?」

澪田「うーん、唯吹は見てないから知らねーっすよ。普段寝てる場所に置き忘れてるとかは無いっすかね?」

七海「普段寝てる場所かぁ………」

七海「たくさんありすぎてわからないや」

澪田「とにかく、しらみつぶしにでも探してみるといいっすよ」

七海「わかったよ、頑張って探してみるね」

七海「うーん、ここにもないなぁ」

左右田「こんな所でどうしたんだ、七海?」

七海「あ、左右田君。私のゲーム知らないかな?」

左右田「ゲームって、何時も七海が持ち歩いてるゲームの事か?」

七海「うん、起きたら全部無くなってたんだけど…」

左右田「うーん、悪いけど見てねぇな」

七海「左右田君も見てないのかぁ…どうしよう」

左右田「つか、何時も一緒にいる日向なら何か知ってるんじゃねぇのか?」

七海「日向君かぁ、ちょっと探してみるね」

左右田「おう、頑張れよ」







日向「さて、七海のゲームを思い切って全部隠してみたぞ。七海、どんな反応するかな」

七海「日向君、私のゲームが無くなったんだけど…」

日向「七海のゲームが無いって?一体どうしたんだ」

七海「あのね、お昼寝して起きた時には無くなってたんだ」

日向「コテージに置いてあるとかはないのか?」

七海「うーん、コテージはまだ調べてないかな」

日向「だったら、一緒にコテージを調べてみるか」




七海「無い…持ち歩いてるゲームどころか家に置いてあったゲームも全部ない」

日向「七海…顔が真っ青だぞ。大丈夫か?」

七海「どうしよう日向君!ゲームが無いよ!!」

日向「落ち着け七海!(慌ててる七海もかわいいな)」

七海「落ち着いていられないよ!ゲームが無くなってるなんて一大事だよ!」

七海「ゲームは私の全てなんだよ。そのゲームがないのは死活問題だよ」

日向「わかった!わかったから一緒に探すぞ」

七海「ゲーム…ゲームがないと私…」

日向「(かわいい)」

七海「ゲームがない…どうしよう………」

日向「七海、そこまで落ち込むなよ。きっと何処かにあるって(相当焦ってるな。七海には悪いけどもうちょっと反応を楽しむか)」

七海「でも、このままゲームがみつからなかったら私…」

狛枝「あれ、日向君に七海さん。こんな所でどうしたの?」

日向「狛枝、七海のゲームを七海「狛枝君、私のゲーム知らない!?」

狛枝「七海さんのゲーム?うーん…」

狛枝「…悪いけど、僕は見てないよ。ごめんね、僕みたいなゴミクズが役に立てなくて」

七海「そんな…」

日向「悪い狛枝、七海のゲームが無くなったらしくて…狛枝も手伝ってくれないか?」

狛枝「うん、僕みたいなゴミクズでよければいくらでも協力するよ!」

狛枝「………」

狛枝「(もしかして…ね)」

狛枝「それで、具体的にはどんな所を探したの?」

七海「うーん、コテージも探したしホテルのロビーも探したし…普段昼寝する公園とかも探したよ」

日向「俺も一緒に探しているんだけど見つからなくてな…」

狛枝「ふーん…もしかしたら、誰かが盗んだのかもしれないね」

日向「」

七海「盗んだ…?」

狛枝「そう、七海さんの大切なゲーム機を盗む事で、七海さんに嫌がらせをしようとする人がいるって事だよ」

日向「おいおい、一体誰が好き好んで七海のゲームを盗むなんて事を」

狛枝「けど、ありえない話じゃないよね?じゃないと普段から大切にゲームを持ち歩いている七海さんのゲームが無くなるはずがないからね」

日向「じゃあ、誰かが盗んだ線も考えないといけないのか」

狛枝「ちなみに、日向君が盗んだ…なんて事はないよねぇ?」

七海「…日向君は私のゲームを盗むの?」

日向「(いかん、七海からの視線が痛い!!)」

日向「バーロー、俺が七海のゲームを盗む訳ないだろ?」

狛枝「と言ってるけど、ひょっとしたら日向君が嘘ついてる可能性もあるからね」

七海「…嘘ついてないよね?」

日向「あ、当たり前だろ」

七海「じゃあ信じる。…けど、もし嘘ついてたらハリセンボン飲ーます。だよ?」

日向「」



続きは…後日深夜に!

日向「で、ゲームが盗まれた可能性があるとしても誰が盗んだか心当たりはあるのか?」

七海「うーん………多分無い、と思うよ?」

狛枝「なるほど………」

狛枝「それじゃあ、まずは皆で手分けして探すのはどうかな?」

日向「手分けして探す?」

狛枝「誰かが盗んだとして、隠しそうな場所を探してみるんだよ。広すぎて大変かもしれないけど、多分なんとかなると思うよ」

七海「隠しそうな場所かぁ…早速探してみるよ」ダッ

日向「あっおい七海、急に走ると転ぶぞ ズテッ ………遅かったか」

七海「………」

日向「七海…大丈夫か?」

七海「…大丈夫」グスッ

日向「(やばい…必死に涙をこらえている姿がかわいい)」

狛枝「………」

狛枝「それじゃ、僕は他の人が隠しそうな場所を探してみるよ」

日向「(狛枝の提案でそれぞれが別れて七海のゲームを探す事になったが)」

日向「(俺は勿論ゲームを探す訳でもなく、こうして七海の観察をしている)」



七海「左右田君、私のゲーム知らない?」

左右田「あ?七海か。いきなりどうしt七海「左右田君、私のゲーム知らない?」

左右田「いや、いきなりなんd七海「左右田君、私のゲーム知らない?」

左右田「いや、だから七海「左右田君、私のゲーム知らない?」

左右田「………」

左右田「ゲームは見てねぇぞ」

七海「………そっか。じゃあ他をあたってみるね」

左右田「ちょっと待て、一体何が………」

左右田「………なんだったんだ?」

七海「無い・・・何処に行ったの、私のゲーム」ゴソゴソ

ウサミ「あのー千秋ちゃん、どうして先生の家を荒らしているんでちょうか?」

七海「いいからウサミちゃんも私のゲーム探すの手伝ってよ」

ウサミ「はぅあ!?千秋ちゃんがグレてしまいまちた」




日向「大分七海も荒れてきたな・・・さすがに他の奴らに飛び火するのはあれだし、そろそろゲーム取り出すか」




日向「・・・・・・・・・無い」

日向「無い、何処にもない!?」

日向「(そんな馬鹿な・・・確かにここに隠したはずなのに)」

狛枝「あれ、日向君。こんな所で何を焦っているのかな?」

日向「狛枝!? 何でこんな所に…」

狛枝「なんとなく、かな。それより日向君、ここで何を探しているのかな?」

日向「何って…七海のゲーム機を手分けして探してたんだろ」

狛枝「あぁ、そうだったね。それで、見つかったのかな?」

日向「…いや、見つかってない。狛枝はここを調べたのか?」

狛枝「うーん、調べはしたけど」

狛枝「残念な事に僕が調べた時にはここには何も無かったんだよねぇ」

日向「なっ………」

狛枝「で、日向君は何で焦ってるのかな?」

日向「バーロー!早くゲームを見つけないと七海がどんどん荒れてるんだぞ!!」

狛枝「えっ」

七海「ゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがないゲームがない」ガサゴソ


西園寺「うわぁああああああん!小泉おねぇ、こいつが怖すぎるよー!!」

小泉「ちょっと七海ちゃん、いくらゲームがないからってそんな不機嫌な顔しなくても…」

七海「だってゲームがないんだよ!?私にとってゲームは全てなんだよ!!」

七海「そのゲームがないなんて一大事なんだよ。ゲームが見つからないと安心できないんだよ」ゴソゴソ

七海「ゲームゲームゲームゲームゲーム…」

田中「愛情の天使が…狂気を身にまとっているだと!?」

澪田「ちょっと怖すぎるっすよ!白夜ちゃんなんとかしてほしいっす!!」

花村「まるでヤンデレを見ているようだよ…」

十神「チッ、仕方のないやつだ」ズシンズシン



十神「おい七海、ゲームがなくて不安なのは分かるが少し荒れすぎだ。一度落ち着け」

七海「落ち着いてなんかいられないよ。大事なゲームがないのに落ち着くなんて事は考えられないよ。ゲームがないと私は死んじゃうよ」

七海「それとも、十神君が私のゲームを見つけてくれるの?だったら早く見つけてよ」

十神「安心しろ、ゲームはこの俺達が見つけ出してやる」






狛枝「うわぁお…」

日向「このとおりだ。このままだと暴走する」

狛枝「(あそこにあったゲームを面白そうだから隠したけど…これは何処かに移して責任転嫁するしかなさそうだね)」

狛枝「うーん…そうだ、いい事思いついた」

日向「いい事…?嫌な予感しかしないんだが」

狛枝「やだなぁ、別に何も企んでいないよ。悪いけどちょっと七海さんの相手をしててもらえるかな」

日向「って、お前は何処に行くんだよ」

狛枝「思い当たるところにいくだけだよ。僕の幸運ならきっとうまくいくと思ってね」



狛枝「という訳でウサミの力を貸してほしいんだ」

ウサミ「ほぇ?先生の力をでちゅか?」

狛枝「うん、ある人物のコテージの扉を開けてほしくてさ」

ウサミ「うーん…わかりまちた!先生は狛枝君を信じまちゅ!」

狛枝「ありがとう!これでなんとかなりそうだよ」

狛枝「お待たせ日向君、待たせちゃってごめんね」

日向「七海、落ち着け!!」

七海「落ち着いてなんかいられないよ!私のゲームは何処に行ったの!?」

十神「えぇい、一度抑えろ!このままでは被害が拡大するぞ」

左右田「」チーン

狛枝「…ワオ」

日向「関心してないでなんとかしてくれ!」

狛枝「わかったからそう焦らないでよ。七海さん、ちょっといいかな?」

七海「何?ゲームが見つかったの?」

狛枝「そうじゃないんだけど、ちょっと聞いてほしいんだ」

狛枝「多分、ここまで探して見つからなかったって事は誰かが隠している可能性が高いって言ったよね」

狛枝「隠すとしたら、それこそ見つからずに保管できるコテージに保管すると思うんだ」

狛枝「だから、一度皆のコテージを一つ一つ調べてみるのはどうかな?」

日向「…本当にそれでゲームが見つかるのか?」

狛枝「むしろ、そこ以外に隠せそうな場所を全て探したんだからそこしか可能性は無いと思うけど?」

十神「…そうだな、なら全員のコテージを順番に捜索するぞ」

七海「………」



十神「よし、まずは俺のコテージからだ」

澪田「うーん、白夜ちゃんのコテージは食べ物が多いっすね」

十神「余計なお世話だ。自分のコテージを自分で調べる訳にはいかんからな、念入りに捜索しろ」

狛枝「うーん、十神君のコテージには無さそうかな」

十神「なら、次は狛枝のコテージだ」


小泉「…無さそうね」

十神「なら次は…」


十神「…次は日向のコテージだ」

日向「俺のコテージか。よし、調べてくれ(と言っても、別に俺のコテージに隠した訳じゃなかったし大丈夫だよな)」

狛枝「あれー、何で日向君のコテージに七海さんのゲーム機があるのかなー?」デデーン

日向「へぇあ!?」

七海「…日向君、どういう事?」

日向「ちょ、ちょっと待て!!俺じゃない! そもそも何で俺が七海のゲームを隠すんだよ!?」

狛枝「けど、日向君は普段七海さんと一緒にいるし、寝ている七海さんの懐からゲームを取り出して隠すのは容易だったんじゃないかな」

日向「それは違うぞ!七海はゲームに関しては人一倍察しがよくて隠そうとした時危うく気づかれかけて………あ」

十神「自白したな」

日向「ち、ちが…!罠だ、これは罠だ!! 狛枝が俺を陥れる為に仕組んだ罠だ!!」

狛枝「往生際が悪いよ日向君…いい加減潔く認めたら?」

「日向君…いくらなんでもさすがにやっていいことと悪い事があるんだよ」

日向「」ゾクッ

NANAMI「いくら日向君でも、こればっかりはさすがに許せないよ?」

日向「あ…あぁ…」ガクガク

ウサミ「ほぎゃあああああ!!千秋ちゃんが世紀末になってまちゅ!!」

NANAMI「言ったよね、嘘着いたら針千本飲ますって」

NANAMI「日向君の事信じたのに…それを裏切るなんて酷いよね?だから…」



NANAMI「絶対に許さない!!」



日向「うわぁああああああああああああああああああああああ!!」




こうして、ゲーム喪失騒動は一件落着を終えた。

あれから、日向君はトラウマを背負ってゲーム恐怖症+女性恐怖症に陥ったよ。罪木さんが心配していたけど、今回は自業自得だよね

七海さんはゲームが戻って来てほぼ元通りだよ。ただ、日向君の名前は彼女の前では禁句だ。理由は…察してね。

まぁ、今回の件でわかったのは2つ。

一つは、人の物を勝手に盗んだり隠したりしたらそれ相応の罰が待っているという事。

もう一つは、嘘で塗り固められた橋は途中で崩壊するという事だね。

僕も彼の犠牲を参考にもっと上手く頑張ろうかな。え、僕はどうしたかって?

あはは、僕みたいなゴミクズの事を知りたがるなんてもの好きだね。

僕はあれから七海さんと仲良くなって、今は幸せいっぱいな日々を送っているよ。    終里

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