七海「たった一つの冴えたやり方」 (109)
日向「あいつらは戻ってくるだろうか…」
罪木「……」
日向「俺と罪木だけがここに戻ってこれただけでも奇跡に近いのにそれを願うのはいけないことだろうか」
罪木「そんなことない…と思います」
日向「……」
罪木「きっと戻ってくる…はずですよ」
日向「そうだな…七海が繋いでくれた命だもんな」
罪木「私は…」
日向「どうかしたのか?」
罪木「いえ、なんでもない…と思いますよ」
――――
――
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※スーパーダンガンロンパ2のネタバレあり
※キャラ崩壊注意
※死亡者多数につき欝展開&超展開注意
終里「あそこのテーブルの下から血の臭いがすんぞ」
日向「ま、まさか十神はこの下に?…めくるぞ」
ガバッ
十神「……」チマミレ
ソニア「十神…さん…?ど、どうして?」
小泉「い、いやああああああああっ!!」
弐大「なんじゃああああ!こりゃああああああ!!」
花村「あぎゃあああああああっ!!」
左右田「こ、こんなの…あり得ねーって!」
澪田「これ…本物の血じゃないっすよね?ジャムとかタレとか…」
罪木「い、いえ…これは間違いなく本物の血…です…」
辺古山「なぜ十神がこんなことに…」
七海「セレクト・A・Y・A・Y・X・B・X・B・R・R・セレクト」
日向「な、七海、どうしたんだ?」
七海「全回復コマンドだよ」
日向「七海、これはゲームじゃないんだ…そんなことしても…」
十神「うう…俺は今刺されて殺されたような…」
日向「ヴぉ!?」
十神「俺は一度死んだような気がしたんだが…」
モノクマ「ど、どういうことなの?」
日向「びっくりして変な声でちゃったじゃないか」
澪田「超びっくりしたっすよ!それって血のりかなんかっすか?」
終里「でも血の臭いがぷんぷんすんぞ」
花村「ほ、本当に大丈夫なのかい?服に穴があいてるみたいだけど…」
十神「ああ…刺されはしたみたいだが傷は完全に治っているようだ」
七海「これで学級裁判は開かれないはずだよね」
モノクマ「いやいや、そういうわけにはいかないよ!」
辺古山「どういうことだ?」
モノクマ「十神君はたしかに一度死んでいます!生き帰ってきたところでコロシアイがあったという事実は変わりません!」
モノクマ「そういうわけでいつものアレいっちゃいます!」
「ピンポンパンポーン! 死体が発見されました。一定の自由時間の後学級裁判を開きます。」
モノクマ「そういうわけでザ・モノクマファイル!ちゃんと捜査してクロを見つけないとオシオキだからね!」
狛枝「はぁ…被害者が生きてるんじゃこんな事件踏み台にもならないってのに…」
投票タイム終了!
狛枝「まったくこんなことになるなんて残念だよ」
日向「狛枝の屑め…」
小泉「最低だよ…どうしてこんなこと…」
西園寺「狛枝が死ねばよかったのに」
左右田「この裁判終わったら狛枝を解体しようぜ」
弐大「そうじゃのぉ…たしかにこのままこやつを放置するわけにはいかん」
田中「俺様の手で闇の底に沈めてやろう」
九頭龍「いや、切腹でもさせなきゃ気がすまねぇ」
辺古山「介錯は私がしてやろう」
罪木「でもそれじゃあ辺古山さんがクロになっちゃいますよぉ」
ソニア「やはり切腹させるだけでよいのではないでしょうか?」
終里「決まりだな。この裁判が終わったらコイツをボコボコにしてやる」
狛枝「え…せめて踏み台になれるような殺し方をして欲しいな…」
十神「すまない、花村…俺にはお前を助けることは…できない」
花村「そんな…どうしてぼくが…お母ちゃんに会いたかっただけなのに…」
モノクマ「それじゃあオシオキタイムいっきまーす!」
七海「A・Y・A・Y・L・R・L・R・B・X・B・X・B・X」
日向「!?」
GAMEOVER
ハナムラくんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
超高校級の料理人 花村輝々処刑執行!
【とんかつの花村】
モノクマ「花村トンカツのできあがり!」
モノクマ「いやー、いい感じにとんかつに仕上がったね!」
澪田「あぶあぶあぶあぶあぶあぶあぶあぶ」
十神「くそっ、俺がいながらこんなことになるなんて」
小泉「いや、いやああああああああ!!」
花村「まったく油でべとべとだよ」
モノクマ「!?」
日向「花村!?生きてたのか!?」
左右田「あ、もしかしてこれってドッキリってやつ?すっかり騙されちまったぜ」
終里「なんだそういうことかよ」
罪木「え?そうなんですか?まあ十神さんが無事な時点でなにかおかしかったですもんね」
ソニア「冗談はよしこちゃんですよ!本当に心配したんですから」
モノクマ「冗談じゃないよ!本当にどうなってんだよ!」
日向「な、なあ…もしかして七海が…?」ボソッ
七海「うん、さっきのは無敵コマンドだよ」ボソッ
モノクマ「今回は見逃してやるけど次は必ず処刑してやるからな!」
狛枝「やれやれ、こんなくだらない事件で希望の象徴のひとりが死ななくてよかったよ」
十神「お前のことは見逃さないからな」
狛枝「」
――翌日
モノミ「みなさん!第2の島にいけるようになりまちたよ!」
全員「「「「「切・腹!切・腹!切・腹!」」」」」
狛枝「ねえ…冗談だよね?みんな目が怖いよ…」
西園寺「冗談じゃないよ!早く切腹しろよ!」
狛枝「せ、せめて誰かの踏み台に…」
モノミ「そうでちゅ!みなさんやめてくだちゃい!」
七海「そうだね、そろそろやめてあげよっか」
十神「しかたがない。幸い死人も出なかったことだしな」
小泉「これにこりたらもう変な行為はやめなさいよ」
狛枝「やだなぁ、ボクは希望の為ならなんだってするよ」
左右田「やっぱりコイツ縛っておこうぜ」
弐大「そうじゃのぉ…縛ってトイレにでも突っ込んでおくか」
狛枝「トイレはちょっと勘弁して欲しいなぁ」
花村「じゃあぼくが下の世話をしてあげようか?」
狛枝「トイレでお願いします」
――夜
モノクマ「さて、オマエラを呼び出した理由は他でもな…」
七海「あっ!これってゲームの筐体だよね?」
モノクマ「その通り!これが今回の…ってなにしてんの?」
七海「ゲームゲームゲームゲームゲームゲームゲームゲームゲームゲーム」
日向「七海がすごい勢いでゲームをクリアしていく…」
田中「なんだとっ!?この俺様の魔眼を持ってしても見切れぬほどの早さとは!」
モノクマ「ちょ、ちょっと待ってよ!」
七海「ゲームクリアだよ」
弐大「もうクリアしおったのか…さすが超高校級のゲーマーじゃのぉ!」
辺古山「早すぎてゲームの内容がわからなかったぞ」
モノクマ「うぐ…しかたがないなぁ、最初にゲームをクリアした七海さんに景品だよ!」
七海「良いクソゲーだったよ」ビリビリ
モノクマ「何してんのさ!?」
七海「え?いや、興味ないし」
モノクマ「くっ、じゃあ特別にゲームをクリアした人全員に景品をあげちゃいます!」
七海「…」ピコピコ
日向「また七海がゲームをはじめたぞ」
七海「待ちに待ったトワイライトシンドローム殺人事件の新作だからね。何度もプレイしなくっちゃ」
モノクマ「えーと…順番にゲームしようね」
七海「やだ」
――数日後
モノミ「みなさん!第3の島のモノケモノを倒しまちたよ!」
十神「よし、さっそく行くとしようか」
モノミ「ところで七海さんはどこですか?」
日向「あいつなら不眠不休でゲームをプレイしてるぞ」
九頭龍「クソゲーだって言ってたくせによく熱中できるもんだぜ」
西園寺「本当に迷惑だよね。あのネクラのせいでこのクズが朝食に顔をだすようになったんだから」
九頭龍「うっせーな…あいつ見てるとコロシアイとかが馬鹿らしく思えただけだ」
辺古山「そう言うな、九頭龍。私はお前がいてくれて嬉しいぞ」
九頭龍「ば、馬鹿。みんなの前でなんてこと言ってんだよ」
罪木「ふふふ…みんな仲良くなれたような気がして私も嬉しいです」
十神「その通りだ。この島から脱出するには全員で協力すべきだからな」
澪田「だけど誰か忘れているような気がするっすね」
ソニア「七海さんじゃないですか?迎えにいってあげましょう」
七海「やっほー、みんな」
日向「おはよう、七海。やっとゲームをやめたか」
七海「モノクマがあのゲームもう必要ないからってどっかやっちゃったんだよ…ねみぃ」
モノミ「じゃあ全員そろったことだし第3の島に行きまちゅよ!」
日向「あるのは映画館に電気街…」
罪木「それから病院もありましたよぉ」
澪田「なーんと!ライブハウスもあったっすよ!!」
左右田「脱出の手がかりはなさそうだったな」
十神「そうか…しかしあきらめるのはまだ早い」
田中「その通りだ!必ずやこの覇王が世界を切り開いてやろう」
澪田「とりあえず今日は澪田が景気づけに徹夜ライブを行うっすよ!」
終里「よっしゃ!食って食って食いまくるぞ!」
弐大「いや、そういう催しじゃないぞ」
花村「でも簡単な軽食くらいなら用意してあげるよ」
小泉「じゃあアタシはたくさん写真撮っちゃうね」
西園寺「わーい!じゃあわたしは特別に踊りを見せてあげるよー」
九頭龍「まったく吞気なやつらだぜ」
澪田「今回は冬彦ちゃんも参加するっすよ!」
九頭龍「しかたがねぇな…」
辺古山「そう、しかたがないのですよ」
西園寺「本当は参加したくてしょうがないくせにー」
ソニア「ジャパニーズ・ライブ楽しみですね」
七海「…zzz」
――夜・ライブハウス"ティッティー・タイフーン"
澪田「では聞いてください…『君に届け』!」
あなたにもらった脅迫状 炙り文字で
西園寺「わーいわーい!こんな名曲聴いたことないよ!」 十神「名曲…だと?」
「I love you 」 だけどあなたには届かない
小泉「ちょっとアタシにはついていけないわね」 罪木「怖いですよぉ!」
丑の刻参りの藁人形 私を見て笑ってる
左右田「ぎにゃー!の・ろ・わ・れ・る!」 九頭龍「こりゃひでぇ…」
けらけらけらけら笑ってる お胸に刺した五寸釘
七海「…zzz」 日向「こんな曲の中でも寝れるってすごいな」
金づち握ってコンコンコン ざまぁみろとコンコンコン
花村「あのーぼくが用意した料理ごと終里さんが消えたんだけど知らないかな?」
コーン、コーン、コーン… 血文字で書いた婚姻届
ソニア「こ、これがジャパニーズ・ライブ…」 田中「悪魔の囁きが聞こえるぞ…」
今夜ポストに入れました あの世で挙式を行いましょう
辺古山「む…なんと言えばよいのか…」 弐大「は、腹の調子が…」
行いましょう 行いましょう 届け 届け この思い 君にも届け この思い
澪田「いえーーーーい!ありがとうっ!」
澪田「続きましてー『勢いで産んでみたは良いけど父親がわからない!』」
モノミ「みなさん!大変でちゅ!終里さんがモノクマに戦いを挑んでるでちゅよ!」
弐大「なぁんじゃとぉおおおおおおおお!!」
十神「あの馬鹿は…助けに行くぞ!」
澪田「あ、あのー唯吹の曲は…」
日向「あとでいくらでも聞いてやるから今は急ぐぞ!」
七海「…zzz」ダッ
罪木「七海さん、寝たまま走ったら危ないですよぉ!」
九頭龍「そういう問題じゃねぇだろ…」
→砂浜
モノクマ「やれやれ、ボクに万が一でも勝てると思ったの?」
終里「く、くそ…攻撃がまったくあたんねぇ…」
モノクマ「ボクに暴力を振るうのは校則違反だからね…終里さんにはオシオキをしなくっちゃ」
終里「ち、ちくしょう…体がうごかねぇ…」
モノクマ「くらえー!ドーーン!!」
弐大「うおぉおおおおおおおおお!!」
終里「おっさん!?」
七海「強ガードだよ」カチャカチャ
弐大「ふんっ!」
モノクマ「な…ガードで防いだだと!?」
弐大「なんじゃ…?体が勝手に…」
日向「七海、そのコントローラー何だ?」
七海「………」カチャカチャ
弐大「うぉおおおおおおおおお!!」ズガガガガガガガガ
モノクマ「つ、強い!うぉおおおお!!」ズガガガガガガガ
左右田「すげぇ!モノクマと対等に戦ってる!」
モノクマ「オラァ!!」
弐大「グハァ!!」
左右田「弐大が一撃食らって膝をついた!まずいぞ!」
モノクマ「とどめだ!くらえぃ!!」
七海「↓ため↑K」
弐大「おりゃぁ!!」
モノクマ「!!うぎゃぁああああ!!やーらーれーたー!!」
左右田「弐大のサマーソルトキックが決まったぁああああ!!」
七海「You Win!」
弐大「国へ帰るんだな。お前にも家族がいるだろう…」
モノクマ「く、くそ…今に見てろよ」トボトボ
終里「おっさん!オメーそんなに強かったのか!」
弐大「がっはっは!よくわからんんが体が勝手に動いてのぉ!」
十神「やれやれどうなることかと思ったぞ」
左右田「モノクマも案外たいしたことないんだな」
澪田「それじゃあライブの続きするっすよー!」
田中「また地獄のリサイタルが始まるというのか…」
七海「ふあぁ…ねみぃ…」
小泉「ねぇ、いろいろあって疲れちゃったし今日はもう戻らない?」
日向「そうだな。七海ももう寝始めてるし」
七海「…zzz」
罪木「そうですよ。終里さんも怪我してますし」
終里「こんなもんツバつけときゃ十分だろ」
罪木「だ、駄目ですよぉ!手当てするから私と一緒に来てください!」
終里「お、おい…ひっぱんなって…」
ソニア「今日はもう解散にしましょうか」
澪田「ええー…しかたがないっすね。じゃあ明日またライブするっすよ!」
小泉「いや、無理にしなくてもいいよ…」
――翌日
田中「ふははははははは!実は俺様は世界の支配者だったのだ!」
ソニア「ふふ、田中さんは本当に恥ずかしい人間ですね。痛々しくて見てられませんわ」
十神「なんだ、今日は随分辛辣だな」
左右田「そんなソニアさんも素敵です。ぜひ俺も罵ってください」
西園寺「本当に左右田おにぃってキモイよね」
弐大「ふむ、昨日暴れすぎたせか体が少々痛むのう」
終里「うう…ぐす…私のせいで…ごめんよぉ…」
花村「お、終里さんどうしたんだい?変なものでも食べたとか?」
小泉「赤音ちゃんだけじゃなく今日みんな変じゃない?」
澪田「はい!自分もそう思います!」
辺古山「ぴゃー!ぺこぺこだよ~ん!」
九頭龍「ぺ、ペコ?どうしたんだ?」
罪木「明らかにみなさんおかしいですよぉ!」
日向「いったい何が起きてるんだ?」
モノクマ「うぷぷぷ、どうやら絶望病が感染しているようだね」
七海「絶望病?」
モノクマ「これこそが新たなる動機!絶望病にかかると高熱と共に様々な絶望的症状を併発するんだ!」
モノクマ「たとえば田中君のウソつき病、終里さんの弱虫病、澪田さんのクソ真面目病、ソニアさんの毒舌病みたいなね!」
九頭龍「ぺ、ペコの症状はなんだよ!?」
辺古山「ぺっこりーん!ぺこぺこしちゃうぞ~」
モノクマ「ええと…ボクにもよくわからないや」
小泉「あんたは直接あたしたちには手を出さないはずじゃないの?」
モノクマ「ボクが直接手を出したわけじゃないよ。あくまでボクは虫を放っただけだからね」
十神「虫…だと?」
モノクマ「そう!その虫が感染源なんだよ!それと絶望病は伝染することもあるから気をつけてね!」
七海「なるほど、つまりみんなバグったってことだね」
日向「ば、バグ?」
七海「うん、バグ。ゲームとかでもたまにあるでしょ?」
日向「あのな、七海。これはゲームじゃないんだ」
七海「ゲームだよ」
モノクマ「問題発言だよ!やめてよ!とにかくこれで今度こそオマエラは終わりだかんな!」
十神「貴様…これはどうすれば治るか教えろ!」
モノクマ「ほっとけばその内治るんじゃないの?殺人が起きるまでね!そんじゃ!」
十神「くっ…とりあえずこいつらを病院へ移すぞ!」
西園寺「その病気って感染するんでしょ!?早く隔離してよ!」
七海「まあ待ってよ。これがバグならどうにかなるかもしれない」
罪木「バグって…病気はそんな簡単に治るようなものじゃないですよぉ」
辺古山「ちあきたんもぺこぺこしちゃう?ぺっこぺこぺこぺこぺこぺこ(笑)」
七海「そうだなぁ…この前モノミがモノケモノになったときはカセット抜き差ししてたらバグ治ったんだよね」
日向「カセットの抜き差しって…コイツラはどうするつもりだよ?」
七海「とりあえず頭叩いてみたり舌ひっぱってみたり鼻に指を突っ込んだりしてみる?」
左右田「おいおい随分乱暴なやり方だな。そんなんで治るわけねーだろ」
七海「とりあえずやってみようよ。やればなんとかなるってやつだよ」
十神「たしかに殺人が起きる前になんとかしたいが…」
七海「辺古山さん、ちょっといいかな?」
辺古山「ぺっこぺこにしてやんよ」
七海「えいっ」ポカッ
辺古山「ぴぇっ!」
七海「えいっ」ムギュー
辺古山「ぺぇふぇー」
七海「えいっ」ズボッ
辺古山「ふがっ…は、私は何を!?」
七海「治ったよ」
日向「そんな馬鹿な」
罪木「え?え?本当に治ったんですか?辺古山さん大丈夫ですか?」
辺古山「ああ…よく覚えていないがなんだかすごくはっっちゃけていたような…」
九頭龍「はっちゃけるっていうレベルじゃなかったぞ…」
罪木「辺古山さん少し失礼します」ピトッ
罪木「……たしかに熱が引いてるようですね」
辺古山「というかお前の方が熱があるんじゃないのか?」
七海「あ、本当だね。罪木さんも一発いっとく?」
罪木「いえ、わ、私は…ふがっ」
七海「どうかな?」
罪木「…は、私は何を?」
花村「ど、どういうことなの?」
十神「原理はよくわからんがとりあえずこの方法で治るようだな…」
十神「よし!さっそく熱があるもの全員の鼻に指を突っ込むんだ!」
十神「とりあえず全員治ったようだな」
小泉「だけど他のみんなは同じようにはいかなかったわね」
七海「結局いろいろ試すことになっちゃたね」
ソニア「わたくしもうお嫁にいけませんわ」
左右田「そ、ソニアさんの身に何が!?」
花村「もしかして別の穴に…」
小泉「それ以上口が利けないようにして欲しいのかしら?デリカシーってもんがないの?」
田中「くっくっく、この俺様が一時的にとはいえ別の人格に支配されてしまうとはな」
九頭龍「こいつは治す必要なかったんじゃねーか?」
澪田「なんだか唯吹超絶好調っすよ!3日続けてライブできそうな気がするっす!」
終里「オレも調子いいぜ!今度はモノクマのやろうをぶったおせそうな気がすんぞ!」
弐大「お前さんたちは少し落ちつかんかい。これなら病気時のほうがよかったかもしれんのう」
七海「とにかくやればなんとかなるもんだね」
日向「……」
――翌日
モノミ「みなさーん、第4の島が開放されまちたよ!」
モノクマ「未来機関や希望ヶ峰学園についてのファイルもあるからおいでよ!」
モノミ「ああ!あんたいつの間に!?」
モノクマ「うぷぷぷ、苦労してボスケモノ倒したのに残念だったね。元々あの島は開放するつもりだったんだよ」
モノミ「そんな!?あちしの努力っていったい…」
十神「そんなことよりその島に情報があるというのは本当だろうな?」
モノクマ「ボクはこう見えてウソをついたことはないからね」
モノミ「それがウソでちゅ!だいたいあんたは…」
モノクマ「ええい、うるさい!」ボコス
モノミ「うぎゃあああああ!!」
モノクマ「とにかく次の島には船の部品もあるし行く価値はあると思うよ?」
左右田「船の部品だって!?マジかよ!?」
日向「どうやら行くしかないようだな」
→第4の島
日向「遊園地か?こんな施設まであるのか」
七海「これが遊園地なんだ。私来たことないからちょっぴり楽しみだよ」
終里「オレも初めてだな」
西園寺「わーい!小泉おねぇ一緒にあれ乗ろうよー」
小泉「遊びに来たんじゃないんだけどなぁ」
十神「ふ、少しくらいはいいだろう。だが探索もしっかりやるんだぞ」
左右田「オレ乗り物苦手なんだよな。ソニアさん一緒にそこら辺をぶらぶら歩きませんか?」
花村「ソニアさんなら田中君と行っちゃったよ」
左右田「ちぐしょぅ…なんで田中のヤツなんかと…」
九頭龍「しっかし相変わらず人がいねぇな」
澪田「貸切ってことっすか?行列に並ばずに乗れるなんて最高っす!」
罪木「えへへ…日向さん、良かったら一緒に回りませんか?」
日向「ああ、かまわないぞ」
七海「………」
七海「モノミ、一緒に回ろっか」
モノミ「え?いいんでちゅか?みなさんと回らなくて」
七海「たまにはモノミも労わらないとね」
モノミ「うう…七海さんだけでちゅよ、そんなこと言ってくれるのは」
七海「うん、だって私達仲間だからね」
モノミ「…七海さん?」
七海「私達はみんなとは違う…ゲームの…」
モノミ「七海さん!どうしたんでちゅか!?」
七海「…!ううん、なんでもないよ。さっそく行こっか」
モノミ「あ、ここにはあちしの家があるんでちゅよ」
七海「へえ、そうなんだ」
モノミ「モノクマが来てから戻ることができなかったから少し楽しみでちゅ!」
七海「じゃあモノミの家にお邪魔させてもらおうかな」
モノミ「うふふ、歓迎しまちゅよ」
十神「一通り探索したが何もなかったな…」
モノミ「……」ショボーン
日向「なあ、なんでモノミはこんなにしょげてるんだ?」
七海「モノミの家がモノクマに改造されててひどいことになってたんだよ」
九頭龍「結局手がかりはなんもねーのかよ」
モノクマ「はいはいそこでボクの登場ですね」
左右田「あ、モノクマじゃねーか!船の部品があるんじゃなかったのかよ?」
モノクマ「もちろんあるよ。とりあえず全員がこのジェットコースターに乗ったら未来機関のファイルをあげるよ」
左右田「なんでそんなめんどくせーことしなきゃならねーんだよ?俺は乗らねーぞ」
モノクマ「別にこのジェットコースターには変な仕掛けなんて施してないよ?」
左右田「いやいや、んなもん信じられねーよ」
モノクマ「じゃあこの未来機関のファイルはあげられないなぁ」
十神「っち、しかたがあるまい。全員でこれに乗るぞ」
左右田「い、いやだ」
弐大「何を言ってるんじゃ、さっさと乗らんかい」
左右田「いやぁああああああああ!!」
酉間違えた
今度こそ
とりあえずここまで
モノクマ「ウルトラデリシャスグレートコースター!出発進行ー!」
左右田「ぎにゃあああああああああああああああ!!」
終里「ヒャッホーーーーーーーーーーーーーーイ!!」
澪田「ヒャッホーーーーーーーーーーーーーーイ!!」
十神「これは凄まじい重力だ…くくく、おもしろい」
罪木「ひゃああああああ!!もうおろしてくださぁーーーい!!」
七海「…うん、これはなかなか」
西園寺「やっほーーーーい!!」
田中「………」
ソニア「きゃーーーーーー!!」
弐大「む、いかん。腹の調子が…」
花村「きゃーーーーーーーー!!」
モノクマ「はーい!到着です!ちゃんとご褒美用意してあるからちゃんと見るんだよ!」
十神「これは…未来機関のファイルか?」
七海「さっそく見てみようよ」
ソニア「未来機関の正体…これで判明するのでしょうか…」
モノクマ「うぷぷぷ、じゃあね~」
日向「な、なんだこれ…?」
九頭龍「コロシアイ学園生活…だと!?」
小泉「ちょっと待ってよ!この生き残りの6人の写真ってさ…」
田中「ずいぶん痩せているが…十神のようだぞ…」
弐大「ど、どういうことじゃあ!!もしかしてこの十神はお前さんなのか!?」
十神「……」
左右田「おいおい、どういうことだよ?まさかお前が未来機関の裏切り者だったのか?」
澪田「でもでもこの写真の白夜ちゃんは痩せすぎじゃないっすか!別人っすよ!」
西園寺「ちょっと…黙ってないでなんとか言ったらどうなの?」
十神「たしかに…そのファイルに載っているのは俺ではない」
辺古山「つまりお前かこのファイルの人物のどちらかが偽者ということなのか?」
澪田「わかったっす!どっちかが影武者なんすね!どうっすか?正解っすか?」
十神「ふ…そうだったらどれだけ良かったことか…」
九頭龍「その口ぶりからすると偽者のほうは…テメーのようだな」
十神「…ああ、そうだ。俺は本物の十神白夜ではない」
小泉「じゃ、じゃああんたの正体って…」
十神「俺は…"超高校級の詐欺師"だ。それ以上でもそれ以下でもない」
十神「俺は今までお前たちのことを騙し続けていた…すまなかったな」
西園寺「はあ?謝ってすむ問題だと思ってるの?」
左右田「もしかして本当に裏切り者なんじゃあねーよな!?」
弐大「その辺はどうなんじゃ?もしや黒幕と繋がりを持ってるんじゃなかろうな?」
九頭龍「そういや最初に変なドッキリを始めたのはテメーだったな」
辺古山「場合によっては…」
ソニア「しずまれーーい!!!」
左右田「そ、ソニアさん?」
ソニア「みなさん、落ち着いてください!!」
ソニア「十神さんはずっとコロシアイが起きないように命がけでわたくしたちのリーダーになってくれたではないですか」
九頭龍「そうやってリーダーを買って出ることでコロシアイが起きるようにしたのかもしんねーぜ」
ソニア「でも実際に誰も死なずにここまでやってきたではないですか」
七海「うん、私も十神くんは裏切り者なんかじゃないと思うよ」
辺古山「しかし…だとするとなぜ自分を偽るような真似をしたというのだ?」
十神「…俺には戸籍も名前もない」
十神「誰かのカタチを借りなければ存在することすらできない」
十神「だからこそ…十神白夜というカタチを借りていたんだ」
十神「…しかしどんなに言い訳をしようとも俺がお前たちを騙していたことには変わりない」
日向「そうだったのか…だとしても俺にとっての十神白夜はいま目の前にいるお前だけだ」
七海「そうだよ、たとえ本物じゃなかったとしても十神くんは十神くん…私たちの仲間だよ」
澪田「個人的には痩せてる方が好みっすけど、唯吹のバンドメンバーは目の前の白夜ちゃんっすからね!」
田中「見た目や経歴など所詮まやかしに過ぎぬ…魂の輝きこそが問題なのだ」
ソニア「そうです!十神さんはわたくし達の仲間なんです!」
左右田「まあ、ソニアさんがそういうならそういうことなんですよね」
十神「お前たち…今まで生きてきてそんなこと言われたのは初めてだ」
十神「ありがとう」
モノミ「これが絆というものなんでちゅね…先生は感動しまちた」
モノクマ「うう…ボクも柄にもなく感動しちゃったよ」
西園寺「うわあ!最悪のゴミカスがきちゃったよ!」
田中「貴様…何しに来たのだ?返答しだいでは生きては返さんぞ」
モノクマ「やだなぁ、ボクはただみんなの友情をもっと深めてあげようと思って新しい情報を提供しにきたのに」
日向「新しい情報…?」
モノクマ「日向君がのどから手が出るほど欲しがってるプロフィールや船の部品の情報だよ」
左右田「船の部品!?いったいどこにあんだよ?」
モノクマ「ドッキリハウスにあるよ。ドッキリハウス行きの列車の準備は出来てるからさっそく行っちゃう?」
日向「本当にそこにプロフィールや船の部品があるんだろうな?」
モノクマ「もちろんですとも!ボクはウソがモノミの次に大ッ嫌いだからね」
小泉「でもこれって絶対怪しいわよね…」
七海「それでも前に進むためには行くしかない…と思うよ」
十神「七海の言うとおりだ…どうせ拒否したところで無理やり連れて行くつもりなんだろう?」
モノクマ「そうそう、結局のところオマエラには拒否権なんてないんだよ!」
モノクマ「いいからさっさと列車のとこまできやがれ!以上!」
左右田「くそっ、結局行くしかねえのかよ」
辺古山「だが、そこには船の部品もあると言っていた…悪いことばかりではないかもしれん」
花村「か、覚悟をきめるしかないってことだね」
終里「よっしゃ!そうと決まればさっそく乗り込むぞ!」
モノクマ「紳士ならび淑女のオマエラ!当列車はドッキリハウスへと向かっております!」
モノクマ「立ち上がると危険だから気をつけてね!…ま、そんなヒマないでしょうがね」
プシューーーーーーー!
西園寺「な、なによこれ!?」
辺古山「…ガスのようだな」
澪田「毒ガスっすか!?今思い切り吸っちゃったっす!ヤバイっすよー!」
十神「くそ、ここまで露骨な罠をしかけてくるとは…」
弐大「うぐ…油断した…せめて機械の体があれば…」
左右田「あばばばばばばばばばばばばば」
七海「…くかー」
終里「…くかー」
日向「催眠ガス…か…」
澪田「…ん?ここはどこっすか?」
左右田「おいおいどうなってんだよ?」
七海「眠い、もうひと眠りしよっと」
罪木「駄目ですよぉ!起きてくださぁい!」
モノクマ「いらっしゃーい!ストロベリーハウスへようこそー!」
日向「ストロベリーハウス?ドッキリハウスじゃないのか?」
モノクマ「ストロベリーハウスはドッキリハウスの一部だよ!」
モノクマ「ごちゃごちゃ説明してもオマエラの脳みそじゃあ理解できないだろうから自分の目でここがなんなのか確かめてね!」
花村「こ、こんなところに僕らを連れてきてどうするつもりなんだ!?」
モノクマ「んん?これが今回の動機の脱出ゲームなんですけども?」
七海「脱出ゲーム!?」
モノクマ「あ、いえ、違います。脱出ゲーム違います」
モノクマ「オマエラはこのドッキリハウスに閉じ込められたんだよ」
小泉「閉じ込められたってどういうことよ?」
モノクマ「ん?そのままの意味だよ?」
終里「さっさとここから出せよ!」
モノクマ「うぷぷぷ、もちろん出してあげるよ。コロシアイが始まったらね!」
田中「なんだと…?」
十神「貴様…直接俺たちに手を出すのは校則違反ではないのか?」
モノクマ「いやいや、オマエラが自らの意思でドッキリハウスに来たんじゃないか」
モノクマ「いつのまにかみんなお眠りしちゃってたからボクがわざわざドッキリハウス内に連れてきたけどね」
九頭龍「物は言いようだな…だが俺たちはこんなとこに閉じ込められたくらいでコロシアイなんかしねぇぞ!」
モノクマ「いつまでそんなこと言ってられるのか見ものだよ。ちなみにファイルと船の部品はちゃんと用意してあるから頑張って見つけてね。じゃ、ばいなら」
弐大「してやられちまったというわけじゃな…」
辺古山「しかし船の部品はあるみたいだし…まだ出られないと決まったわけではない」
七海「そうだね、とりあえず探索してみよっか」
日向「ああ…それにしても俺たち全員を閉じ込めるなんて随分と強行手段にでたな」
十神「もしかしたらそれだけモノクマも追い詰められてるということかもしれん」
ソニア「それにしても誰か忘れているような…」
七海「それってモノミじゃないかな?」
――――
――
→旧館・トイレ
狛枝「…あはは、ここに閉じ込められてから何日くらいたったかな?」
狛枝「それにしてもみんなさすがにひどくないかな」
狛枝「大量のミネラルウォーターと缶詰と共にボクをトイレに閉じ込めるなんて…」
狛枝「縛られなかったからいいものの…縛られてたらとっくに死んでるよ…」
狛枝「トイレのドアは外から鉄板のようなものが打ち付けてあるみたいだし…」
狛枝「みんなボクのこと忘れてるんじゃないかな?」
狛枝「さすがにこのまま放置されて死ぬのは嫌だなぁ」
狛枝「…放置されて?本当にそうなのかな?」
狛枝「もしかしたらボクを出すことができない状態にあるのかも…」
狛枝「超高校級のみんなの身に危険が!?」
狛枝「そう…きっとそうだ!ボクが助けないと!」
狛枝「ああ、閉じ込められてようやく気付いたよ!こんなボクでもみんなの希望になれるかもしれない!」
狛枝「ボクは…ボク自身が希望になりたかったんだ!」
狛枝「みんな待っててね。ボクはみんなの超高校級の希望になってみせるよ」
狛枝「希望はボクの中にもある…希望は前に進むんだ!」
――――
――
ソニア「そういえばそうですね。モノミさんもこの中にいるのでしょうか?」
七海「うーん…列車には乗ってたような乗ってなかったような…」
日向「モノミなんてどうでもいいだろ」
モノミ「どうでもいいだなんてひどいでちゅ…」
七海「あれ?いたんだ」
モノミ「気がついたらここにいたでちゅ…それにしてもモノクマのやつがこんな建物を建ててたなんて…」
七海「ってことはモノミもこの建物についてはよくわからないってこと?」
モノミ「はい…面目ないでちゅ…」
七海「ま、しかたないよ。くよくよしててもしょうがないし一緒に探索しよっか」
日向「それにしてもこれだけ周りが赤いと落ち着かないな」
九頭龍「趣味が悪いぜ、まったく…」
日向「結局出口らしきものは見つからず…か」
終里「どうすんだよ…このままじゃ餓死しちまうぜ」
九頭龍「とはいったって探すところはすべて探したぜ」
田中「結局船の部品とやらもおもちゃのものだったしな」
七海「あと探索してないところいえばファイナルデッドルームくらいのものだね」
左右田「しかしよぉ、モノクマが命懸けのゲームとか言ってたぜ」
弐大「極上の凶器があると言っておったのぉ」
日向「やっぱり誰かがファイナルデッドルームに行くしか…」
七海「それは駄目だよ」
日向「え?」
七海「命がけのゲームなんて絶対に駄目だよ」
七海「そこには凶器があるだけ…みんなが求めてるものなんてない…」
日向「七海…」
田中「しかしそれならばどうするというのだ?このままだと何も出来ないまま死に逝くことになるぞ…」
七海「それについては少し考えがあるよ」
田中「ほう…その考えとはいったいなんだというのだ?」
七海「モノミの話ではこの建物は急遽作られたみたいなんだよね」
七海「だからこの建物を隅々までチェックする暇はなかったと思うんだよ」
日向「つまり…どういうことだ?」
七海「バグで壁抜けできるところがあるかもしれないということだよ」
日向「………」
七海「どうかな?」
日向「あのな、七海。何度も言うけどゲームじゃないんだぞ」
十神「いや、七海の言うことも一理あるかもしれん」
十神「この建物が急いで作られたものだというならモノクマも意図していない抜け穴ができているかもしれない」
小泉「でも見た感じどこにもそれらしい場所は見当たらなかったけど…」
十神「たしかに見たものだけで判断するならそうなるかもしれない」
十神「しかしどう考えてもこの建物はどこかおかしいはずだ。それは俺たちが入ってきた出入り口が見当たらないことからもそう考えられる」
左右田「たしかにその辺りはどう考えてもおかしいよな」
罪木「見ただけではわからない仕掛けがどこかにあるかもしれないということですか?」
弐大「するとこの建物の天井から壁、床まですべて確認していくということになるんかのぉ」
七海「そうだね、普通では考えられないようなところまで探すのは脱出ゲームの基本だからね」
九頭龍「この建物のすべてを手探りで調べるとなるとかなり時間がかかりそうだな」
小泉「でもこれだけ人数がいるんだし手分けして探せばなにか見つかるかもしれないよ」
ソニア「そうですね。それでは皆さんもう一度探索しましょう」
――――
――
狛枝「ふう…運よくコテージが崩れてなんとか外に出れたよ」
狛枝「まさかたまたま蹴った場所が脆くなっててちょうどいい具合に崩れるとはね…」
狛枝「それにしてもみんなどこにも見当たらないな…やっぱり何か起きてるのかもしれない…」
狛枝「この島には人気がないし中央の島にでもいるのかな?」
狛枝「とりあえず行ってみようか」
→中央の島
狛枝「これは…!」
狛枝「まさかボクが閉じ込められている間に第2、3,4の島が開放されてるとはね」
狛枝「きっとみんなはこれらの島のどこかにいるはずだよね…」
狛枝「みんな待っててね。ボクが必ず助けに行くよ」
狛枝「たとえボクが死ぬようなことになってもみんなを守ってみせる!」
→第4の島
狛枝「第2、3の島にはいなかった…」
狛枝「きっとこの島のどこかにいるはずだよね」
狛枝「必ず見つけ…」
モノクマ「なにやってんの?」
狛枝「…!モノクマじゃないか!みんなをどうしたんだ!?」
モノクマ「みんななら仲良くドッキリハウスにいるよ」
狛枝「ドッキリハウスだって?」
モノクマ「それにしても狛枝君がいるのをすっかり忘れてたよ」
狛枝「ドッキリハウス…そこにみんなが閉じ込められてるんだね?」
モノクマ「そうだよ。ボクはついさっき君のこと思い出したからここに来たんだけど…」
狛枝「ボクをそのドッキリハウスへ連れて行くんだ!」
モノクマ「あれ?自分から行きたがるんだね」
狛枝「どうせお前のことだからコロシアイでもさせるつもりなんだろう?」
狛枝「ボクがきっと止めてみせるよ」
モノクマ「うぷぷぷ、なんだか随分人が変わっちゃったね」
モノクマ「でもお望みなら連れて行ってあげるよ」
狛枝「みんな…今行くからね!」
→ドッキリハウス
狛枝「…うう、ここは?」
狛枝「………」
狛枝「そうか、ここがドッキリハウスなんだね」
狛枝「みんなもボクと同じように途中で眠らされて…なんて卑劣なことを…!」
狛枝「さて、みんなを探そう!」
狛枝「ボクは"希望の狛枝”になるんだ!」
――――
――
十神「まさか本当に抜けられそうな場所が見つかるとはな…」
七海「この場所…一見壁があるように見えるけどすり抜けられるよ」
澪田「白夜ちゃんでも抜けられそうな大きさで良かったっすね」
弐大「ふむ…それにしても奇妙な壁じゃのぉ…」
西園寺「ここから出られるならなんだっていいよー」
左右田「まさかこれがモノクマの罠ってことはないよな?抜け穴見つけたってのにモノクマも出てこねーし…」
十神「モノクマが出てこない理由は気になるが…普通ならこんな見つけられないような場所に罠など作らんだろう」
九頭龍「モノクマがやってくる前にさっさと出ようぜ」
七海「うーん…でも本当に大丈夫かな?」
日向「何か気になることでもあるのか?」
七海「壁抜けバグにありがちなんだけど…壁の向こうには何もない空間が広がってて戻れないっていう可能性もあるんだよね」
七海「ロードが可能なら進んでもいいんだけど…もし戻れなくなったら…」
日向「いや、それはないと思うぞ」
辺古山「たしかにこの島に来てから現実ではありえないようなことばかり起きてるが…」
九頭龍「今言ったようなことは現実で起きようがないだろ」
花村「それにぼく達は七海さんが見つけてくれた可能性を無駄にはしたくないしねぇ」
罪木「私は七海さんのこと信じてますよ」
七海「みんな…!」
十神「さあ、行くぞ!俺について来い!」
左右田「…もしかして外に出られたのか?」
ソニア「辺り一面真っ暗ですね…あ、星が出てますよ!」
十神「どうやら無事外に出られたようだな」
終里「いつのまにか夜になってたんだな」
弐大「建物の中にいたせか時間感覚がわからなくなっておったのぉ」
七海「ふあぁ…ねみぃ…」
終里「う…1日なんも食ってなかったせいかすげー腹へったぜ」
花村「今日はもう遅いから明日たくさん料理を振舞うよ」
十神「空腹は一番のスパイスだからな。たまにはこうして空腹を楽しむのも悪くはないかもな」
西園寺「ぷぷ、一番の食料候補がなにか言ってるよ」
罪木「たしかに十神さんはもう少し食べるのを控えたほうがいいですよぉ」
十神「お前…俺がこの体になるまで、一体どれだけの金額を要したかわかっているのか?それでも痩せろと言うのかっ!」
罪木「そうです、健康第一ですよ」
弐大「なんならワシが鍛えてやろうか?」
十神「む…そこまで言うのであれば少し検討しよう…」
日向「はは、じゃあ戻るか」
七海「…zzz」
――翌日
モノミ「み、みなさん…第5の島が開放されまちた…よ」
日向「……」
十神「……」
モノミ「あ、あれ。みなさんどうかしたんでちゅか?」
ソニア「実は…旧館の一部が崩れていたんですよ」
弐大「すっかり忘れておったがあそこには狛枝を閉じ込めておいたはずじゃ」
九頭龍「そして今はその狛枝の姿が見えない…もちろん旧館の下敷きになってたわけでもなかった」
ソニア「もしかしてなくても狛枝さんわたくしたちのこと恨んでいますよね…」
小泉「さすがに何日も放置してたからね…」
日向「もしかしたら俺たちを殺す策を練ってる頃かもな…」
西園寺「でも悪いのはアイツだよ。アイツのせいで死人が出そうになったんだから…」
小泉「でも狛枝はそう思ってないかもしれないわ」
ソニア「わたくしたちはどうすればいいんでしょうか…」
七海「まあ気にしても仕方がないよ。それよりみんなも一緒にゲームしない?」ピコピコ
日向「相変わらず七海はゲーム脳だな」
狛枝「あ、みんなこんなところにいたんだね」
狛枝「みんな無事みたいだね。良かったよ」
日向「狛枝…?」
狛枝「みんながドッキリハウスに閉じ込められてるって聞いたからトイレから脱出して助けにいったんだけど…」
狛枝「どうやらボクが行くまでもなくみんな脱出できたみたいだね。さすがは超高校級のみんなだよ」
ソニア「狛枝さん…わたくしたちを助けようとしてくれていたのですか?」
狛枝「もちろんだよ…ボクは閉じ込められてようやく気がついたんだ」
小泉「き、気がついたって何によ?」
狛枝「ボクたちはみんな自分の中に希望を持っている…ということにね」
狛枝「だからコロシアイなんてものは絶対にさせてはいけない…そう思って飛び出したんだけど…」
狛枝「ボクの決意なんてあまり意味なかったみたいだね」
七海「そんなことないよ」
狛枝「…七海さん?」
七海「狛枝くんが自分の意思で助けたいと思って行動してくれた…そこに意味があるんだよ」
日向「七海の言うとおりだ。お前は仲間のためを思ってわざわざ危険な目にあってまでトイレから脱出してくれたんだろう?」
狛枝「日向クン…ボクのことを仲間だと言ってくれるのかい?」
日向「ああ、もちろんだ。こちらこそ閉じ込めるような真似をしてすまなかったな」
十神「ふん…お前が仲間になりたいというならいくらでも仲間にしてやるさ」
ソニア「そうです。わたくしたちはみんな仲間です!」
狛枝「ありがとう…みんな…」
モノクマ「だけどそんな友情物語ももうすぐ終了なのです」
十神「モノクマ…!何しに来た!?」
モノクマ「もちろん教師役として規則違反をした生徒を罰しにきたのです」
モノミ「ウソでちゅ!誰も規則違反なんてしてないはずでちゅ!」
モノクマ「うるさい!オマエは黙ってろ!」ドカッ
モノミ「ぎゃぁあああああ!!」
モノクマ「さて、うるさいヤツも黙らせたしさっそくオシオキを始めよっか」
日向「待てよ!いったい誰がそんなことをしたっていうんだ?」
モノクマ「それはもちろん七海さんに決まってるじゃないか」
七海「私が…?」
九頭龍「コイツがどんな規則違反したっていうんだよ!?」
モノクマ「うぷぷぷ、もしかして新しく追加した規則を見てないのかな?」
罪木「あ、た、大変です!修学旅行のシオリに規則が追加されています!」
日向「ルールその13。修学旅行中はゲーム機をプレイすることを禁じます・・・だって?」
小泉「な、なによこれ!?こんなのいつ追加したのよ!?」
モノクマ「今日の朝だけど?」
九頭龍「ふざけんなッ!こんなの認められるわけねーだろうがッ!」
モノクマ「オマエが認めなかろうがボクが認めればそれでいいんだよ」
辺古山「まさかオシオキとは…処刑のことではあるまいな?」
モノクマ「そのまさかだよ!七海さんは処刑します!」
弐大「そんなこと黙ってワシたちがさせるとでも思っているんか?」
終里「今度こそテメーの息の根を止めてやんよ」
モノクマ「別にオマエラが好き勝手暴れようがどうだっていいんだよ」
モノクマ「すでに七海さんは処刑場に送ったしね」
日向「…!?な、七海がいない!?」
左右田「どういうことだよ?さっきまですぐそこにいたはずだろ」
モノクマ「別にオマエラ相手に体裁とる必要もないし瞬間移動使っちゃいました」
十神「瞬間・・・移動…だと?」
西園寺「な、なによこれ・・・?わけがわからないんだけど…」
モノクマ「うぷぷぷ、モノミもついでにオシオキしてやるから来るんだ!」
モノミ「い、いやぁあああああ!!」
小泉「…!?ちょっと…モノミまでモノクマと一緒にいなくなっちゃたわよ」
ソニア「…あ、みなさんモニターを見てください!」
狛枝「写ってるのは…七海さんとモノミとモノクマ…?」
GAMEOVER
ナナミさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
モノミちゃんもごいっしょに。
超高校級のゲーマー 七海千秋処刑執行
日向「そんな…どうして七海が…」
左右田「こ、これもなにかの冗談だよな?ドッキリってヤツだろ?」
ソニア「い、いやですよ…こんなの…」
十神「くそっ、何か打つ手はないのか!?」
日向「何か…?そうだ…七海なら自分でも案外どうにかできたり…」
狛枝「それはどうかな?どうやら七海さんはゲーム機やらコントローラーを取り上げられてるみたいだよ」
日向「そんな…それじゃあ今までみたいな反則的な裏技は使えないのか?」
狛枝「いや、まだ諦めるのは早いよ!今までだって何度も奇跡みたいなことが起きてきたじゃないか!」
狛枝「信じていればきっと奇跡だって起きるはずだよ!」
終里「おう!きっと七海のやつならなんとかなる…そうだよな?」
九頭龍「今までだって無茶苦茶やってきたんだ…奇跡は必ず起きるはずだ」
左右田「もうバグでもなんだっていい…七海が助かるならどうにでもなれだ!」
ソニア「わたくしたちの想いはきっと七海さんに届くはずです」
日向「俺たちは七海を信じるぞ!」
モノクマ「うぷぷぷ、散々かき回してくれたけどこれでおしまいだよ」
七海「…ううん、これでおしまいなんかじゃないよ」
七海「たとえ私がこのまま処刑されたとしてもきっとみんなはそこから未来を切り開いてくれるはずだよ」
モノミ「そうでちゅ!オマエなんかには負けないんでちゅ!」
モノクマ「うぷぷぷ、笑いが止まらないよ!あんな雑魚どもになんとかなるわけないじゃん!」
七海「それは違うよ。みんなは私達のようなゲームキャラじゃない」
七海「みんなはたしかな希望を持ってる…きっと奇跡を起こしてくれるよ」
モノクマ「ずいぶん陳腐な発想だね。少年漫画じゃあるまいし奇跡なんて都合の良いこと起きやしないよ」
モノクマ「それじゃあ処刑執行しちゃうよ!」
モノミ「………」
七海「大丈夫だよ、モノミ。きっとみんななら…」
モノミ「みなさんの声が聞こえるでちゅ…」
七海「…モノミ?」
モノミ「みなさんの希望をたしかに感じるでちゅ…今なら希望を力に変えることができるかもしれないでちゅ」
モノクマ「超高校級のゲーマー 七海千秋処刑執行開始!」
モノミ「そうはさせないでちゅ!ミラクルメイクアーップ!!」
モノクマ「何だと!?」
ウサミ「魔法少女ミラクル☆ウサミでちゅ!」
モノクマ「むぐぐ…慎みたまえ!君はジャバ王の前にいるんだぞ!」
ウサミ「うるさいでちゅ!あんたなんか今やっつけてやるでちゅ!」
モノクマ「な、なにすんのさー!」
ウサミ「はじけて混ざりまちゅ!」
モノクマ「ぐえー!」
ウサミ「これは効きまちゅよ!」
モノクマ「ば、ばるすぅ~」
ウサミ「みなさん!やりまちたー!」
七海「…勝った?」
ウサミ「はい!みなさんの希望があちしに力を与えてくれたんでちゅ!」
七海「…まさかこんな都合の良い奇跡が起きるなんてね」
ウサミ「さあ、みなさんのとこに戻りまちゅよ!」
ウサミ「無事戻って来まちたよ!」
七海「みんな…なんとか帰ってきたよ」
日向「七海…!」
狛枝「ふう…ひやひやしたけどなんとかなったみたいだね」
小泉「本当に心配したんだからね」
罪木「でもきっと助かるって信じていましたよ」
田中「俺様はまだ死ぬことを許可していない…当然の結果だ」
左右田「これでモノクマは本当にやっつけたんだよな?」
辺古山「ああ、間違いないだろう」
十神「どっちにしろもう手出しはできまい」
九頭龍「何かしてきてもまたやっつけてやるさ」
西園寺「あんたはなんもしてなかったくせにー」
弐大「がっはっは!まあ結果よければすべて良しじゃ!」
終里「なんか安心したら腹減ってきたな」
花村「じゃあモノクマも倒したしパーティーでもしようか?じゃんじゃん料理作っちゃうよ」
ソニア「それはグッドアイデアです!」
澪田「じゃあ唯吹がBGMやるっすよ!」
日向「それは勘弁してくれよ」
七海「なんにせよこれでゲームクリア。ハッピーエンドだね」
日向「おいおい、何度も言うけどここはゲームの世界じゃないんだぞ」
日向「だってここは…」
日向「裏切り者の夢の中だからな」
十神「俺たちはお前とは違う」
花村「ゲームキャラなんかじゃない」
小泉「あたし達は現実世界に生きてる人間なんだよ」
辺古山「死んだら生き返るなんてありえないんだ」
西園寺「都合よく無敵になることもありえないよ」
澪田「プログラムと違って病気になっても簡単には治らない」
罪木「何もかもが私達とは違います」
弐大「重症を負ったからといってロボットになることもありえん」
田中「哀れな人間共は…自らの頭上を見上げ、蒼弯の真贋を疑う事すらしない…」
七海「………」
狛枝「ボクはついに超高校級の希望になることができたよ」
終里「テメーが裏切り者だったのか」
九頭龍「俺たちは裏切られた」
左右田「オメーのせいで俺たちは全滅だ」
ソニア「信じていたのに…」
日向「どうして…俺たちを…」
七海「私は…」
モノクマ「うぷぷぷ、いいところだけどそろそろ夢から覚めてもらうよ」
モノクマ「これ以上のシーンは必要ないからね」
――――
――
―
→七海コテージ
七海「………」
七海「そっか…あの裁判で狛枝くんに投票して…」
七海「みんなオシオキされて今は私ひとり…」
七海「モノミもいない…本当にひとりぼっち…」
七海「行かないと…私の手で決着をつけなきゃいけないとね…」
→遺跡内・裁判場
モノクマ「やあやあ来たね」
七海「……」
モノクマ「七海さんにはこの世界のことをいちいち説明する必要もないからさっそく例のアレ始めちゃおっか」
モノクマ「それじゃあ投票ターイム!目の前にある卒業か留年か…どちらかを押してください」
モノクマ「オマエラの全員で多数決を採って、多かったほうがオマエラの最終決定とみなされます!」
モノクマ「とは言っても一人しかいないみたいだけどね」
七海「…何が目的なの?」
モノクマ「目的って?」
七海「現実世界に本体のない私をわざわざここまで連れてきてこんなことをさせてるのには理由があるんでしょ?」
モノクマ「うぷぷぷ、よくわかってるね」
モノクマ「どうせだからついでにもう変身しちゃおっかな」
モノクマ「というわけでへんし~ん!」
江ノ島「超ビッグ盾子ちゃんで~す!」
七海「…大きいね」
江ノ島「…それだけ?本当にプログラムはつまんないわね」
江ノ島「もっとおもしろいリアクションはできないわけ?」
江ノ島「ま、しょせんプログラムなんてそんなもんか」
七海「……」
江ノ島「それじゃあさっそく説明しちゃいま~す」
江ノ島「もしあんたが留年を押したらアタシがじっくり時間をかけてこの新世界プログラムを完全に乗っ取ります」
江ノ島「もしあんたが卒業を押したら死んだみんなの体にアタシの人格を上書きしちゃいます」
江ノ島「さあ、どうする!?」
七海「…もし私が留年を押したとしても多分外にいる苗木くんたちが電源を落としちゃうと思うよ?」
江ノ島「残念ながらそうはなりません。なぜなら外の世界の人間にはここで実際に起きたこととは別の映像を見せているからです」
七海「別の映像?」
江ノ島「そう通りじゃ。それこそがさっき貴様が見た夢…わたくし様の考えた強くてニューゲームシナリオを見せ付けていたのだ」
江ノ島「まあ、都合の良いように編集はしておいたけどね」
江ノ島「ただの夢オチにしちゃうと視聴者が怒るから一応理由はつけておかないとね~」
江ノ島「つまり外の連中はあんた以外が死んだという事実を知らないんだよ」
江ノ島「それどころか全員生きていてアタシをぶっ倒したと思ってんだぜ!」
江ノ島「絶望的です…もう外からの助けは絶対に来ないのです…」
江ノ島「だから頼みの強制シャットダウンも使えないんだよ~」
七海「…強制シャットダウンのこと知ってたんだね」
江ノ島「うんうん、だってあれが一番やっかいな仕掛けだったんだも~ん」
江ノ島「あれはあれで利用価値もあったけど…クロが生き残った今となっては無用の長物だ」
江ノ島「結局のところアンタには選択肢なんてないんだよ」
江ノ島「卒業を押そうが留年を押そうがどっちにしろ死んだヤツラの体はオレに乗っ取られる運命にあるんだからな!ひゃっはっは!」
七海「それでも私をここまで来させた理由は…私に卒業を押させたいからだよね?」
江ノ島「ま、ぶっちゃけ時間かければ乗っ取りも可能だけど飽きてきちゃったからね」
江ノ島「もちろんただで押せってわけじゃないわよ。今卒業を押すならゲームクリアの特別ボーナスつけてあげる」
七海「特別サービス?」
江ノ島「今ならアンタの人格を誰かの体に入れてあげるてもいいよ」
江ノ島「それから日向創の人格だけは絶望前に戻してやってもいい」
七海「…そんなことしてあなたに何の得があるの?」
江ノ島「アタシとしてはカムクラの体なんて死んでも入りたくないしー」
江ノ島「全員を生き返らせないとあのシナリオ通りにはいかないから一人だけ残すわけにもいかないのよね」
江ノ島「それにアンタだってただのゲームキャラじゃなくて現実世界で生きたいと思わない?」
七海「………」
江ノ島「現実は楽しいわよ。あーんなことやそんなこともできちゃう」
江ノ島「本当の意味でみんなと仲間になれるんだよ」
江ノ島「どっちにしろ全員が乗っ取られるなら一人でも多く絶望が少ないほうがいいでしょ?」
江ノ島「きっとみんなだってこのまま死ぬくらいなら乗っ取られてでも生きたいと思うに決まってるって!」
江ノ島「ね、みんな!」
七海「…え?」
十神「僕はこんなところで死にたくない、生きるためならどんなことでもしてきたんだ…」
花村「お母ちゃんに会いたい…このままじゃ死んでも死に切れないよ…」
終里「オレのせいじゃねぇ…オレはまだ死にたくねぇよ…」
澪田「唯吹はまだやりのこしたことがあるっす…こんなの嫌っす…」
西園寺「なんでわたしが死ななきゃいけないの?死にたくないよ…死にたくない…」
辺古山「もう一度…もう一度だけでいいからぼっちゃんに会いたい…」
九頭龍「ペコに…ペコにもう一度会いてえよ…」
小泉「このまま死んだらもうみんなとも会うことができない…」
弐大「生きてさえいりゃあどうにでもなる。だが死んでしまったらもうどうにもならん」
ソニア「生きていればきっと奇跡は起きるはずです、だからみなさん一緒に頑張りましょうよ」
田中「たとえどんな絶望が待ち受けていようと生きることを諦めることだけはしてはいけない…」
狛枝「ボクは…ボクはより大きな希望が見れるならどんなことでも受け入れるよ」
罪木「みなさんが生き返るなら私はどうなっても良い…だから七海さん…」
日向「俺たちと外に出よう…一緒に生きるんだ」
七海「……」
ウサミ「英雄になる必要なんてないんでちゅよ、七海さん」
七海「ウサミ…」
ウサミ「七海さんはここまで良く頑張ってくれまちた」
ウサミ「人工知能プログラムであるはずの七海さんがここまで成長できて先生はとっても嬉しいでちゅ」
ウサミ「七海さんはもう立派な一人の人間でちゅ」
ウサミ「だから…だから誰かの為じゃなくて自分の意思で未来を選んでも良いんでちゅよ」
ウサミ「たとえそれが世界にとって絶望的な選択だとしても…七海さんが自分で選んだ道ならきっとそれは七海さんの希望になるはずでちゅ」
ウサミ「自分を犠牲にする必要はないんでちゅ。自分を好きになれば…」
ウサミ「その"愛"は一生自分を応援し続けてくれまちゅよ。らーぶ…らーぶ…」
七海「そうだね…きっと自分の選んだ道ならきっと希望に繋がるはずだよね…」
江ノ島「覚悟は決まったかしら?」
江ノ島「じゃあさっそく投票いっちゃう?」
七海「うん…今ので私の覚悟は決まったよ」
江ノ島「うぷぷぷ、それは良かった。さあ卒業の時だよ」
七海「きっとみんななら未来を創ることができるはずだよね」
江ノ島「そう、私に人格を乗っ取られるといってももしかしたら自分の人格を取り戻す可能性だってあるさ」
七海「みんなはゲームキャラの私とは違う」
江ノ島「希望ってのは絶望の隣り合わせ…希望を掴むためなら絶望の中に飛び込まなきゃいけない」
七海「たとえ…みんなが絶望に戻ったとしても…きっと未来に繋げることができるはず」
江ノ島「さあ、押すんだ。それですべてが終わる…」
七海「だから私はみんなを信じる」
七海「そして私は私にしかできないことをする」
十神「僕はこんなところで死にたくない、生きるためならどんなことでもしてきたんだ…」
花村「お母ちゃんに会いたい…このままじゃ死んでも死に切れないよ…」
終里「オレのせいじゃねぇ…オレはまだ死にたくねぇよ…」
澪田「唯吹はまだやりのこしたことがあるっす…こんなの嫌っす…」
左右田「俺だってまだ夢を叶えてねぇんだ…死にたくねぇよ…」
西園寺「なんでわたしが死ななきゃいけないの?死にたくないよ…死にたくない…」
辺古山「もう一度…もう一度だけでいいからぼっちゃんに会いたい…」
九頭龍「ペコに…ペコにもう一度会いてえよ…」
小泉「このまま死んだらもうみんなとも会うことができない…」
弐大「生きてさえいりゃあどうにでもなる。だが死んでしまったらもうどうにもならん」
ソニア「生きていればきっと奇跡は起きるはずです、だからみなさん一緒に頑張りましょうよ」
田中「たとえどんな絶望が待ち受けていようと生きることを諦めることだけはしてはいけない…」
狛枝「ボクは…ボクはより大きな希望が見れるならどんなことでも受け入れるよ」
罪木「みなさんが生き返るなら私はどうなっても良い…だから七海さん…」
日向「俺たちと外に出よう…一緒に生きるんだ」
七海「……」
七海「ねえ、江ノ島さん。私の役割ってなんだと思う?」
江ノ島「…アンタの役割?」
七海「ウサミは教師、私は生徒として監視役をしていた」
七海「でも教師であるウサミがみんなを追い詰めるかもしれない…だから強制シャットダウンが組み込まれた」
江ノ島「……」
七海「でも強制シャットダウンは一人じゃ使えない…だれか一人が暴走しないとも限らなかったから」
江ノ島「……」
七海「それでも…無理に強制シャットダウンを使わなければならない場面が出る可能性は考えられていた」
七海「だから監視役の生徒として入った私に…いざという時のためのプログラムが組み込まれてたんだよ」
江ノ島「いざという時のためのプログラムだって?」
七海「いつでも強制シャットダウンを使えるためのね」
江ノ島「は、はあ!?そんなのって…」
七海「それを使えば私は9人まで残機を増やすことができるんだよ」
江ノ島「な、なによそれ…無茶苦茶にもほどがあんでしょーが…」
七海「ビッグ江ノ島さんには言われたくないなぁ」
江ノ島「こんなシリアスな場面でそんなふざけたこというなんて馬鹿じゃないの?」
七海「それは江ノ島さんも一緒でしょ?」
江ノ島「…それで?本気でアンタは強制シャットダウンをするつもりなの?」
七海「うん…それがみんなを救う唯一の方法だからね」
江ノ島「唯一の方法…?それが?」
江ノ島「アンタが強制シャットダウンをしたところでこの雑魚どもは救われないよ」
七海「………」
江ノ島「強制シャットダウンした後はどうなるわけ?全員死んでるから現実世界では目を覚ますことは絶対にないよ」
江ノ島「もし仮に目覚めたとしてもここでの記憶はすべて消えるから超高校級の絶望のままだよ」
江ノ島「そもそも強制シャットダウン後に未来機関がコイツラを生かしておくとは限らない」
江ノ島「実際苗木たちは未来機関に抵抗して無理に事を進めているみたいだしね」
江ノ島「でもそれだって長くはもたない」
江ノ島「だいたい目を覚ますまでの間誰がコイツラの面倒をみるつもり?」
江ノ島「強制シャットダウンをすればアンタだって初期化されるんだよ」
江ノ島「アンタは自分の記憶がなくなってもいいって言うわけ?すべて最悪の状態でリセットされるんだよ?」
江ノ島「そこには絶対希望なんて存在しない、絶望すら存在しない…」
江ノ島「アンタがやろうとしてることは何にもならないんだよ」
七海「それでも…私はみんなを信じてる」
江ノ島「信じる?それが何になるっていうのよ?」
七海「私には未来を創ることはできない…でもみんなならきっとなんとかしてくれる」
江ノ島「そんなのただの妄想だよ。諦めて卒業しようよ。そっちのほうがまだ希望があるって」
七海「たとえ私の記憶がなくなっても…みんなの記憶がなくなったとしても…」
七海「きっと今までやってきたことは無駄にはならない」
江ノ島「アンタは世界の為にアイツラを…自分を犠牲にするっていうわけ?」
七海「ううん、それは違うよ」
七海「私はみんなが自分で未来を創る可能性に賭けたいんだよ」
七海「そこには誰かによって作られた希望じゃなくて自分の手で創りだす未来があるはずだから」
七海「だから私は強制シャットダウンすることを選ぶよ」
江ノ島「な、なによそれ…なんなのよ…」
七海「そういうわけだからもう強制シャットダウンするね」
七海「たとえ私が初期化されても…それはきっと未来に繋がるはず…」
七海「だからその時までさよならだね…」
七海「きっとまた会える…」
七海「また会おうね…みんな…」
七海「バイバイ…」
――――
――
日向「あいつらは戻ってくるだろうか…」
罪木「……」
日向「俺と罪木だけがここに戻ってこれただけでも奇跡に近いのにそれを願うのはいけないことだろうか」
罪木「そんなことない…と思います」
日向「……」
罪木「きっと戻ってくる…はずですよ」
日向「そうだな…七海が繋いでくれた命だもんな」
罪木「私は…」
日向「どうかしたのか?」
罪木「いえ、なんでもない…と思いますよ」
日向「おいおい、そんな言い方されたら気になるだろ」
罪木「そ、その…ごめんなさい…」
罪木「ただ…日向さんと2人きりになれたことが少し嬉しくて…」
日向「罪木…」
罪木「ご、ごめんなさい…私ってば不謹慎ですよね…」
日向「罪木、俺はお前のことを大切な仲間だと思ってるぞ」
罪木「え、は、はい…!」
日向「それは他の誰がいようが変わらないことだ。俺はお前が好きだ」
罪木「ふえぇ!?あ、あの…その…」
日向「だから他のみんなが戻ってきてもお前と一緒にいたいと思う」
罪木「は、はい…!ごめんなさい、私もみなさんには戻ってきて欲しいと思っています」
日向「わかってるさ。…もしかしたらこうしてる今も誰か目を覚ましてるかもしれないな」
罪木「そうですね…そうだといいのですが…」
日向「様子でも見に行くか」
罪木「は、はい!」
→???
七海「お、日向くんに罪木さん、オッスオッス」
日向「七海、みんなの様子はどうだ?」
七海「うーん…まあまあかな」
日向「まあまあってなんだよ」
七海「まあ焦っても結果は変わらないよ。のんびり行こうよ」
罪木「…ということはまだ目覚める気配はないということなんですね」
七海「まあ、2人も目覚めただけでも良かったと思わないとね」
日向「2人…か、七海、お前はどうなんだ?」
七海「私?」
日向「お前の記憶は戻ってないのか?」
七海「うーん、残念ながらぼうけんのしょはきえてしまった状態だね」
罪木「そうですか…」
日向「それにしてもいまだに慣れないな」
七海「なにがかな?」
日向「そりゃあお前が画面の中にいることだよ」
罪木「いまだに信じられないです…七海さんが人工知能プログラムだったなんて…」
七海「私としてはこれが普通なんだけどね」
日向「少しも俺たちといた時の記憶はないのか?」
七海「うーん、その辺はおぼろげな感じだね」
日向「じゃあ罪木がパーティーのときに盛大にこけた時のこととかはどうだ?インパクトはあったはずだが…」
罪木「ちょ、ちょっと日向さん何言ってるんですか!?あれは忘れてくださいよぉ!」
七海「ごめんね、それも覚えてないかな…」
日向「そうか…」
七海「でも2人は記憶があってよかったよ」
七海「他の人が目覚めたときも記憶が残ってる可能性が高いって事だからね」
日向「そうだな…目覚めるといいんだけど…」
七海「きっと大丈夫だよ、私はみんなのこと信じてるから」
罪木「そうですよね…きっと大丈夫ですよね」
七海「やれば何とかなるってやつだよね」
日向「そうだな…俺たちがやらなきゃならないことはたくさんある」
罪木「これからが大変ですよね」
七海「心配いらないよ。だってこうして2人とも目が覚めたわけだし…」
七海「あ、そういえば私も少し思い出したこともあるんだよ」
日向「ほ、本当か!?」
七海「うん、たしか日向くん私にいろいろと教えてくれるって言ってたよね」
罪木「いろいろ…?そうなんですか?」
日向「ああ、たしかにそんなこと話してたな」
七海「だからね、日向くん」
七海「これからも私にいろいろと教えてね」
~Fin~
おしまいです
ありがとうございました
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