～～交番～～

イカ娘「お巡りさーん！」

蛍子「あ、こんにちはイカ娘さん」

蛍子「私になにか用ですか？」

イカ娘「はい、これ落とし物でゲソ」

蛍子「十円玉……ですか……」

蛍子「そうだ！」

蛍子「届けてくれたお礼にこれあげます」

イカ娘「何でゲソ？」

蛍子「塩飴ですよ」

蛍子「夏はこまめな水分と塩分の補給が大事ですからね」

イカ娘「ありがとうでゲソ！」

～～

イカ娘「ふふふ……」

イカ娘「落とし物を届けただけなのにいいものを貰えたでゲソ！」

イカ娘「塩入りの飴とはお巡りさん、なかなか分かってるじゃなイカ！」

イカ娘「……はっ！」

イカ娘「これは……もしかしたらいい副業になるかもしれないでゲソ！」

イカ娘「よーし！もっと落とし物をお巡りさんに届けようじゃなイカ！」

～～公園～～

イカ娘「あ、サッカーボールが落ちてるでゲソ」

イカ娘「……近くでよく見たらなんか汚いでゲソ……」

イカ娘「これはもはや落とし物じゃなくて放置されたゴミなんじゃなイカ？」

イカ娘「まあ水で洗えばきっと何とかなるでゲソ」

ｼﾞｬｰ

イカ娘「……思いのほか汚れが取れてないでゲソ……」

イカ娘「そうだ！」

イカ娘「いっそ黒くすればいいでゲソ！」

ﾌﾞｰｯ（イカスミ噴射）

イカ娘「よし！」

イカ娘「こうすれば汚れが目立たないでゲソ！」

～～交番～～

蛍子「あ、イカ娘さん」

イカ娘「また落とし物を拾ってきたでゲソ」

蛍子「わかりました！預かっておきますね！」

蛍子「それにしても……真っ黒のサッカーボールって、たまに見ますけどなんか変な感じですよね」

蛍子「あ、あれ……？なんでしょう……手が真っ黒になっちゃったんですけど……」

イカ娘「あっ」

～～

イカ娘「うーん……」

イカ娘「探してみると落とし物ってそれほど落ちてないでゲソね……」

イカ娘「さっきのサッカーボールみたいなゴミばっかりでゲソ」

早苗「イカちゃーん！！」

イカ娘「あっ、早苗」

早苗「落とし物を探してるんだってねー！」

イカ娘「……なんで知ってるでゲソ？」

早苗「えへへー」

早苗「私もいっしょに探してあげる！」

イカ娘「え……間に合ってるでゲソ……」

早苗「というか……私を拾って！！（抱きつく）」

イカ娘「ギャー！！！！」

早苗「あっ！！待ってー！！イカちゃーん！！」

～～

イカ娘「……というわけで今日は疲れたでゲソ……」

栄子「それ普通にうちの店で働いてたほうがマシじゃね？」



――完――